04/10/15 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事録(平成16年10月15日開催分)                薬事・食品衛生審議会                  食品衛生分科会                    議事録              厚生労働省医薬食品局食品安全部           薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事次第                   日時:平成16年10月15日(金)10:00〜12:07                   場所:航空会館7F 702+703会議室 1.開会 2.挨拶 3.議事  (1)食品添加物の新規指定について  (2)農産物等に係る農薬の残留基準の設定について 4.報告事項  (1)乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正について  (2)動物用医薬品に係る食品中の残留基準の設定について  (3)特定保健用食品について  (4)BSEについて  (5)その他 5.閉会 ○宮治補佐  それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科 会を開催いたします。本日は御多忙のところ、御参集いただきまして厚く御礼を申し上 げます。  本日は、井上委員、児玉委員、澤田委員、品川邦汎委員、清水委員、正田委員、豊田 委員、長尾美奈子委員、柳川委員から欠席との連絡を事前に受けてございます。それか ら神田委員からは御出席を受けていますが、若干遅れておるようでございます。  神田委員御到着でございまして、現在の分科会員総数22名のうち、13名の御出席をい ただいておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。  それでは、開催に当たりまして、大臣官房参事官の松本から御挨拶を申し上げます。 ○松本参事官  皆さんおはようございます。本日はお忙しいところ、御参集いただきましてまことに ありがとうございます。東京地方もほんとに久々の抜けるような青空でございまして、 気持ちも晴々としたところでございます。  本来であれば、食品安全部長の外口が御挨拶申し上げるところでございますが、国会 用務のために本日は欠席しておりますので、代わりに私が御挨拶を申し上げます。  ほぼ3ヵ月になりますけれども、7月23日付けで外口の後任で大臣官房参事官医薬食 品担当に就任いたしました松本でございます。  委員の先生方におかれましては、それぞれのお立場から食品安全行政の推進のために 大変御協力いただいておりますことに、この場をかりまして厚く御礼を申し上げます。  私の仕事は、全国を飛び回りまして、生産者、消費者、流通関係の方など国民の皆様 と食品の安全についてリスクコミュニケーションをするというのが私の仕事でございま す。これまで20回近く参りましたけれども、在留農薬がどうなっているんだとか、ある いは食品添加物がたくさん入っているようだけれども、もう少し何とかならないかと か、あるいは輸入食品の安全性はどうなっているかとか、あるいはBSEの問題につい てはどうなっているかとか、あるいは表示がよくわからないけれども、こういう場合は どうなのかということで食品の安全にまつわる国民の皆様方の関心が非常に高いという ことを痛切に感じております。  このように食品を取り巻く環境につきましては、今朝の新聞に載っておりますけれど も、BES問題ですとか、あるいは残留農薬や食品添加物、あるいはそれをめぐります 表示の問題ですとか、最近夜のテレビでよく出てまいりますいわゆる健康食品といった 様々な課題が山積みしておりますが、食品安全行政の一層の推進に鋭意取り組んでいき たいと思っておりますので、一層のご支援のほどよろしくお願いいたします。  本日御審議いただく内容は、「食品添加物の新規指定について」というものと、「農 産物等に係る農薬の残留の設定について」を予定しております。そのほかに報告事項と いたしまして、動物用医薬品に係る食品中の残留の基準の設定について、特定保健用食 品の新規認定について、それとBSE問題の現状についてなどをご報告することとして おります。  本日の分科会におきましても、委員の先生方からの貴重な御意見を賜り、食品安全行 政の更なる推進を図りたいと考えておりますので、十分な御審議をお願い申し上げまし て、簡単でございますけれども、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろし くお願いいたします。 ○宮治補佐  それでは、まず初めに、7月23日付けで事務局の異動がございましたので、御紹介を させていただきます。  今、挨拶にもございましたが、食品安全部長は、遠藤から外口崇に交代しております が、本日は、国会の用務がございまして欠席をさせていただいてございます。  それから、今、挨拶いたしました大臣官房参事官、外口から松本義幸に代わってござ います。  続きまして、企画情報課長でございますが、高井から高原弘海に代わっております が、部長同様、今日、国会用務がございまして欠席をさせていただいてございます。  それから新開発食品保健対策室長は、尾形から阿部充に交代してございます。  以上でございます。  本日の議事次第でございますが、お手元にあります議事次第に掲げてございますが、 挨拶の中にもございましたが、議題(1)としまして、「食品添加物の新規指定につい て」、2品目ございまして、「ステアリン酸カルシウム」及び「プロパノール」の新規 指定についてでございます。  それから、議題(2)としまして、「農産物等に係る農薬の残留基準の設定について 」、こちらも2品目ございまして、「エチプロール」及び「トルフェンピラド」の2品 目でございます。それぞれ御審議をお願いしたいと考えております。  また、本日このほか報告事項として4点ほどございます。「乳及び乳製品の成分規格 等に関する省令の一部改正について」。具体的には、特別牛乳の容器の口に係る規定の 改正でございます。2点目といたしまして、「動物用医薬品に係る食品中の残留基準の 設定について」、鶏伝達性気管支炎生ワクチンなど6品目でございます。3番目といた しまして、「特定保健用食品の新規指定について」でございますが、プレティオという 乳酸菌飲料など10品目を予定してございます。それから最後でございますが、「BSE 問題の現状について」ということで御報告させていただきたいと思います。  それでは、以後の進行につきましては、吉倉分科会長にお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、資料の確認からお願いします。 ○宮治補佐  お手元の資料を確認させていただきます。  まず、今見ていただきました議事次第の次に名簿、あるいは座席表がございまして、 次に食品衛生分科会資料という紙で、2枚紙で資料の一覧を付けてございますが、これ と合わせて見ていただきたいと思います。  資料1がステアリン酸カルシウムに関する資料。枝番で1−1、2、3、4とござい ます。一括りにしてございます。それから資料2がプロパノールに関する資料、こちら も一括りにしてございます。それから資料3がエチプロールに関する資料でございま す。資料4としまして、トルフェンピラドに関する資料でございます。  それから次に報告資料でございますが、1枚紙で、乳及び乳製品に関する資料が1枚 ございます。それから報告資料2といたしまして、鶏伝染性気管支炎生ワクチンに関す る資料ほかでございます。それから報告資料3としまして特定保健用食品に関する資 料、それから報告資料4としましてBSEに関する資料、最後に当日配布資料としまし て、ステアリン酸カルシウム等々の資料がございます。  資料は以上でございますが、もし落丁等ございますれば、事務局の方にお申し付けく ださい。以上でございます。 ○吉倉分科会長  よろしいですか。  それでは、最初の食品添加物の新規指定から始めたいと思います。2品目あります が、最初は、ステアリン酸カルシウムに係るもので、資料の1−1から4です。説明を お願いします。 ○中垣基準審査課長  基準審査課長の中垣でございます。よろしくお願いいたします。ステアリン酸カルシ ウムについて御説明申し上げます。  資料1−1を御覧いただきたいと存じます。本年の6月7日付けで大臣から審議会会 長あての諮問書でございます。  2ページが資料1−2でございますが、食品安全委員会から厚生労働大臣への食品健 康影響評価の結果の通知書でございまして、「記」の下にございますけれども、「ステ アリン酸カルシウムが添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考え られ、ADIを設定する必要はない。」というのが食品安全委員会の御結論でございま す。  このリスク評価の概要について、食品安全委員会の資料をもとに御説明したいと思い ます。3ページでございます。  まず、1の「はじめに」のところでございますけれども、このステアリン酸カルシウ ムというのは、化学物質的に申し上げますと、ステアリン酸カルシウムとパルミチン酸 カルシウムを主成分とする高級脂肪酸のカルシウム塩の混合物であるということでござ いまして、このものは低水溶性、すなわち水に溶けないということでございまして、粉 体の流動性向上・固結防止等の機能を有する。どういうことかと申し上げますと、例え ば錠剤を打つときに、杵にくっつくわけでございますが、その杵にくっつかないように するというのがこのものの役割でございます。欧米においては1920年代頃から使われて きて、わが国では、医薬品分野で広く使用されておりますし、日本薬局方にも収載され ているところでございます。  第3段落でございますが、FAO/WHOの合同食品添加物専門家会議(JECFA )においては、69年、73年、85年と3回の評価が行われておりますけれども、ADIは 「特定しない」ということで評価がされているところございます。  2番の「背景等」でございますけれども、この分科会におきまして、14年の7月に国 際的に汎用されている添加物については国が主体的に検討を進めていくべきだという御 意見を賜っておりまして、それに基づいて厚生労働省が資料を収集し、リスク評価を安 全委員会にお願いしたところでございます。  4ページを御覧いただきたいと思います。4ページの4番に「名称等」として、名 称、英名、構造式、分子量、性状がまとめてあります。  5番として安全性に関する検討がまとめてありますけれども、概要が8ページにござ いますので、8ページで御説明したいと思います。  8ページの8の「評価結果」でございますけれども、ステアリン酸カルシウムについ て、提出された毒性試験成績等は必ずしも網羅的なものではない。しかしながら、この 脂肪酸塩は、先ほど申し上げましたように、体内においてほとんど解離せず吸収されな いというふうに考えられ、反復投与毒性試験等の結果から、安全性を懸念するような特 段の毒性影響は認められていない。また、反復投与毒性試験の結果から得られたNOA ELと既に使用が認められている海外における使用量との乖離も比較的大きいというこ とでございまして、さらにJECFAでの先ほど申し上げました「特定しない」という ような評価、これらのことをまとめて、8ページの下から2行目でございますが、以上 から、添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられ、ADIを 設定する必要はないというのが食品安全委員会の御結論でございます。  13ページを御覧いただきたいと思います。13ページにございますのが、この食品衛生 分科会の下にございます添加物部会から分科会長あての報告書でございまして、添加物 部会における御議論をまとめたものでございます。  14ページを御覧いただきますと、1. 品目名、2.分子式及び分子量、3.用途、4.概要 及び諸外国での使用状況、5.食品安全委員会における評価結果(案)というのがござい ますけれども、これは今御説明申し上げたところでございますので省略させていただき ます。  6番の「摂取量の推定」でございます。75年の米国FDAの報告書によると、米国の 70年における食品向けの使用量から推定して、米国のヒトの摂取量を4mg/ 人/ 日、す なわち一日に一人当たりおよそ4mg程度ではないかというような推定がなされておりま す。さらに米国のNational Research Council において推定がされておるわけでござ いますが、ここにおいても現実的な数字としては、この4mg/ 人/ 日というのが考えら れるということでございます。  15ページでございます。一方ということで、米国の使用量が59トンということで推定 がされております。このような「十分なものとは考えられず」という表現になっており ますけれども、使用量と人口、この2つから推定をしていくと、かなり不確実性が伴う ものだという部会での考え方でございますし、またEUでは、使用量は推定されており ません。EUにおきましては、いろんな添加物について使用量あるいは摂取量を推定し てきておりますけれども、EUの方針としてリスクが大きいものを端的に申し上げます と、ADIが設定されているものから優先されております。このものについては、EU においてもADIを設定する必要がないということから、EUにおいて、このような推 計が未だなされていない状況にありますけれども、そういうものを考えたところで、わ が国の指定後の推定摂取量というのは、アメリカの実態と大きく変わらないのではない かというのが部会での御結論でございます。  このようなものを背景にいたしまして、7番の使用基準案でございますが、米国、欧 州でも使用基準が設定されていないというようなことにも鑑みまして、わが国でも使用 基準を設定する必要はないだろうというのが使用基準案に対する考えでございます。  一方8番の成分規格案でございますが、16ページにその成分規格案の全貌が出ており まして、定義、含量、性状、確認試験、純度試験といたしまして、重金属、ヒ素、遊離 脂肪酸など。さらには定量法が定義されておるところでございます。その設定根拠が17 ページにございますけれども、一番上に「基本的な考え方」がまとめられております。 先ほど申し上げましたJECFAの考え方、FCCと申しますのは、アメリカのナショ ナル・アカデミー・オブ・サイエンスの1機関がつくっておる添加物の規格でございま す。ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスでございますので、全米科学アカデミ ーと訳されたり、全米学術会議と訳されたりいろんな訳があるかと思いますけれども、 ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスのつくっておる規格でございます。さらに EUの規格、また医薬品分野でも用いられておりますので、アメリカの薬局方、欧州の 薬局方、日本の薬局方、これらを参考としてつくられたものでございます。  これらの部会での御結論をもとにパブリックコメントをやっております。19ページを 御覧いただきたいと思います。パブリックコメントを本年の7月6日からやりましたけ れども、御意見はいただいておりません。また、SPS協定に基づくWTO通報をこれ は90日間やっておりまして、10月21日までということでございますが、現段階まで意見 は寄せられていないという状況でございます。  以上がステアリン酸カルシウムに関する御説明でございます。当日配布資料の1ペー ジを御覧いただきたいと思います。  当日配布資料の1ページがステアリン酸カルシウムでございまして、この部会で御決 議いただきたい事項は、食品添加物として指定することが適当であるかどうか。使用基 準は設定しないということでよろしいか。さらには成分規格がこの添加物部会で御検討 いただいた事項で適当であるかどうかでございまして、具体的には、ここでの御検討に よりまして、分科会の報告、あるいは答申書には、頭紙は別問題といたしまして、これ が付くという形、あるいはこれを訂正したものが別添されるということになろうと考え ております。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  御意見お願いします。 ○丸井委員  この次のプロパノールも同じだと思うんですが、ステアリン酸カルシウムは既に薬局 方に収載されているということは日本でもかなり生産されているもので、アメリカでは 食品向けの使用量の推定があります。EUではないわけですけれども、これで添加物と して適切に使用される場合、別に安全性に懸念がないということですけれども、使用量 の推定というのと、日本ではこれから可能でしょうか。既に生産されていて、添加物向 けにそれは今度使われるようなったときに、アメリカでの使用量の推定のような形でど れぐらい食品向けに回っているかというのを今後推定することができれば、逆に言え ば、人体にどれくらい摂取されているかという推定もできますし、添加物として適切に 使用されているかどうかということができるのではないかとか、そういうフォローとい うのは可能かどうかというのをお伺いしたいんです。 ○中垣基準審査課長  食品添加物の摂取量につきましては、十数年来にわたり、いわゆるマーケットバスケ ットの手法等を用いて、それぞれの添加物ごとに摂取量を調査し、推計してきたところ でございます。このステアリン酸カルシウムにつきましても、その1つとして、今後研 究の対象に入れていきたいというふうに考えております。 ○吉倉分科会長  今後も摂取量を調べていくということですか。 ○中垣基準審査課長  そのとおりでございます。 ○吉倉分科会長  わかりました。ほかに何か。 ○神田委員  今の摂取量の件ですけれども、ですから、14ページの6のところに書いてあるわけで すけれども、米国の1970年という資料を食品安全委員会のところでも引用しているとい うお話でしたけれども、今、2000年を過ぎておりまして、随分古い資料だなと思うわけ ですね。生活も随分変わっているし、生産量も変わっているんじゃないかというふうに 思うのですが、これ以上、新しいデータというのはないのでしょうか。 ○中垣基準審査課長  いろいろ文献検索もしましたし、FDAの資料もみたところでございますが、このス テアリン酸カルシウムについては、これ以上新しいデータというのは見つかっておりま せん。恐らくはEUのところでも御説明申し上げましたけれども、各国ともやはり使用 量の推定、例えばマーケットバスケット調査をやるにしても、かなりの負担がかかって まいりますから、当然のことながら、どの品目を優先的に調べていくかというのがある のだろうと思います。欧米におきましては古くから使われているものでございますの で、そういう意味で、余り優先順位が高くないのではないかというふうに推定している ところでございます。しかしながら、先ほど丸井委員から御意見がございましたとお り、わが国においては、これは初めて指定するわけでございますから、そういう意味 で、わが国としては、できるだけ早期に添加物としての使用量を推定してみたいという ふうに考えているところでございます。 ○吉倉分科会長  長尾先生どうぞ ○長尾(拓)委員  安全性その他については、私、特にコメントないのですけど、確認ですが、ステアリ ン酸カルシウム中のパルミチン酸カルシウムは微量だという感じですか。 ○吉倉分科会長  要するに混合物だけど、量は一体どうなっているかという話。 ○中垣基準審査課長  資料を確認させてください。 ○吉倉分科会長  はい、どうぞ。 ○齊藤委員  14ページから15ページの摂取量の推定というところを読ませていただきますと、やは り15ページのところで、米国のNRCの1989年においてはこれぐらいである。米国での 摂取量の推計は十分なものとは考えられず、EUでは不明である。わが国での指定後の 推定摂取量は米国の実態と大きく異なるものではないと予想されるというふうに書かれ ていますが、結果的には非常にこれは不明瞭だと思うんですね。全部推計は十分なもの とは考えられず、EUは不明である。わが国の指定後のも米国とは大きく異なることは ないとはいっても、米国のものが推計は十分なものとは考えられない。そうしますと、 この文章は全部非常に不明確であると考えられるのですが、いかがでしょう。もう少し 詳しく。 ○中垣基準審査課長  アメリカの例えば使用量、あるいは摂取量の推定には幾つかの手法がございます。わ が国のやっております、あるいは世界的にもやられておりますマーケットバスケット手 法といって、いろんな食品を、例えば日本で言うと日本の食品の摂取量、国民栄養調査 の摂取量に合わせてマーケットから買ってきて、それを分析して、どれぐらいの量がそ れぞれに使われておるかというのを出して、それを足し合わせて出す手法。また、この ような手法で生産量と輸入量と輸出量を総覧して、それを人口で割っていく手法、幾つ かの手法があるんだろうと思うんです。そういう手法の中で、ここでやられている試算 というのは、生産量から使用量を出していって人口で割るという手法でございますの で、そういう意味で申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、不確実性が残って おるという評価だろうと思います。  一方におきましては、わが国での使用量とほかの添加物に関するいろんな調査、ある いはほかの香料に関するいろんな調査からして、わが国と欧米との使用量と申します か、摂取量が大きく異なるというのは、わが国独自の食習慣、例えばしょうゆの問題で ございますとか、あるいはワサビでございますとか、そういうものについてはかなりの 部分違う点がございますけれども、このような基礎的に、先ほど申し上げましたとお り、錠剤を打つとか、あるいはベーキングパウダーが固まらないにするとかというよう な基礎的なものについては、大きな差というのは見られないというのが今までの経験則 でございます。そういう意味からして、これについては不確実性は残るものの、0.4 mg というのが例えば40mgとか400 mgとかというようなことはないのではないかというよう な御結論。それにしても、安全性の点から言うと問題はないということでございます。 すなわち摂取量の推定をどれぐらいの精度でやるのか、もちろん精度が高い方がいいの だろうと思いますけれども、それはあくまで安全性とのバランスで要求されるところだ ろうというふうに考えておりまして、添加物部会におきましては、安全性とのバランス からして、これについてはこれぐらいでいいのではないかというような御結論だったと いうふうに考えております。 ○吉倉分科会長  よろしいですか。要するにEUがなぜこれの調査をやらないかということを考える と、大体今の質問がわかると思うんです。これはほとんど全部固形でウンコになって出 ていっちゃうわけですね。吸収されないと、そういうことを今の摂取量を考える上でプ ライオリティが高いかどうか、それなりに調査はお金がかかる。  それでは、ステアリン酸カルシウムとパルミチン酸はどうですか。なぜこういう混合 物になっているか、その辺だけもちょっと説明してもらって。 ○中垣基準審査課長  これは製造の過程でパルミチン酸とステアリン酸と両方が出てくるのだろうと、ある いはそれ以外のものも若干入ってくるのだろうと思います。それを分離して個別のもの にする必要があるかどうかというのは、その物性でございますとか、安全性でございま すとか、そういうものから分かれてくるのだろうと思います。ただ、今、具体的な資料 を調べておったところでございますが、今見つかっておりません。後でまた御報告させ ていただければと思います。恐縮でございます。 ○長尾(拓)委員  結構です。 ○吉倉分科会長  次回でもわかったら報告していただくということにしましょうか。ほかに何か御意見 ありますか。 ○神田委員  46品目についての扱いはわかっておりますけれども、こういったJECFAとか、米 国、EUなどでもう既に変われているものについての日本における、どういうふうに認 めるかというときのやり方としてちょっとお聞きしたいんですけれども、安全性に関す る検討というところで、体内動態ですとか、毒性ですとか幾つかこういった資料が、発 がん性の問題だとかというふうに載っております。こういう中でどこまでが、どういう 点が独自に日本としての実験とかをしたのかとか、あるいは、ほとんどがどこかの報告 書によるものなのか。これがちょっと混ぜこぜになっているような気がするんですけれ ども、独自でやっている実験というのはどのくらいあるものか教えていただきたいと思 います。 ○吉倉分科会長  必要があるかどうかもひとつ問題です。お願いします。 ○中垣基準審査課長  9ページを御覧いただきたいと思います。これが食品安全委員会で評価された個々の 文献、学術論文でございます。この中で、日本の方が英文で投稿されているのもあるか と思いますから、そういう意味では不正確でございますが、端的に申し上げますと、日 本語が書かれているものは、例えば10ページを見ていただきますと、22) 、23) 、24) といわゆる変異原性、遺伝毒性の関係の試験がございます。これはステアリン酸カルシ ウムを指定していくというために、資料を新たに取り直ししたものでございます。ほか にも、いわゆるわが国でやられたレポートがあるのだろうとは思いますけれども、基本 論といたしましては、学術論文等をまず文献検索をする、あるいはJECFA等で用い られた文献を収集する。それを見つめ直して現在の科学レベルから必要だと、追加試験 が必要だというような御判断があるものについては試験をやり直すというような形で対 応してきているところでございます。 ○吉倉分科会長  よろしいですか。  それでは、大体御意見をいただいたので、ここでステアリン酸カルシウム、パルミチ ン酸もしていますけれども、食品添加物としての指定は可としてよろしいか。それか ら、その使用基準は設定しないという、そういうことですが、そういう条件で指定を可 としてよろしいですか。                (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長  それでは、答申どおり指定可ということで。  それでは、この後はこれはどうするんですか。 ○中垣基準審査課長  ステアリン酸カルシウムにつきましては、先ほど御説明しましたように、WTO通報 の期間が終わっておりませんので、WTO通報が終わり次第、提出されましたコメント と事務局としての考え方の案を委員の先生方にファックス等で送付させていただいて、 再度御審議願う必要があるかどうかを御判断いただいた上で、分科会長から分科会報 告、あるいは答申をいただく手続に入らせていただくことを考えておりますので、よろ しくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、次に移ってよろしいですかね。  じゃ、プロパノールの食品添加物、お願いします。 ○中垣基準審査課長  資料の2−1を御覧いただきたいと思います。8月17日付けで大臣から審議会会長あ ての諮問書でございます。  2ページを御覧いただくと、先ほどと同様に9月9日付けで食品安全委員会から厚生 労働大臣あて食品健康影響評価の結果が通知されております。「記」の下にございます けれども、「プロパノールを食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念はないと 考えられる。」というのが御結論でございます。  その結果の詳細が3ページからございます。3ページの1の「はじめに」でございま すけれども、プロパノールは、フルーツ様の香気を有し、果実等の食品に天然に含まれ ている成分である。欧米では、清涼飲料、キャンディー等、様々な加工食品に香りを再 現するために添加されている。  2番の「背景等」は、先ほど申し上げましたとおり、14年7月の分科会での了承事 項に基づいて厚生労働省として資料を収集し、その検討をしてきておるところでござい ます。「背景等」の第2段落、なお書きのところにございますが、前にこの分科会にも 報告させていただきましたけれども、香料につきましては、平成8年につくったガイド ラン、「食品添加物の指定及び基準改正に関する指針」というものではなくて、国際的 にも汎用されておる香料に着目した評価方法を検討すべきという御意見を賜り、国立医 薬品食品衛生研究所の安全性研究センターの井上センター長を中心とした検討会で評価 方法について御議論を賜ってきたところでございまして、これについては、昨年に御報 告をいただき、この分科会にも報告させていただいたところでございますが、これに基 づいて議論を進めてきたというところでございます。  3番の「名称等」、プロパノールあるいは構造式、化学式等はここに書いておるとお りでございます。  4番の「安全性」でございますが、(1)として、細菌を用いた復帰突然変異試験、 すなわちエームステストは陰性である。ハムスター培養細胞を用いた姉妹染色分体交換 試験、あるいは小核試験はいずれも陰性である。ラットの胃内投与で骨髄細胞染色体異 常が報告されているが、その詳細は報告されておらず、解釈には不備があると考えられ るので評価の対象とすることはできない。そのようなことから、生体にとって特段問題 となるような遺伝毒性はないものと考えられるというのがまず結論でございます。  4ページの(2) 反復投与でございますが、雄ラットの飲水投与4カ月の反復投与試験 が行われておりまして、NOAEL(無毒性量)は3,000 mg/kg 体重/ 日ということで ございます。  (3) の発がん性でございます。ラットへの経口投与試験で発がん性に言及する報告が あるが、詳細不明で、コントロール群のデータ、あるいは生存期間等からみて、発がん 性の懸念を惹起するものではない。JECFAにおいても同様の評価が下されておると いうことでございます。  5の「摂取量の推定」でございます。これは米国と欧州、それぞれに推計が行われて おりまして、549 μg 、あるいは360 μg という結果でございます。わが国における点 については、先ほど申し上げましたように、大体欧米と同じような範囲になるのではな いかということでございます。  6番の安全マージンでございますが、安全マージンというのは、先ほどの反復投与の 無毒量と推定摂取量の比ですが27万から41万ということでございます。  5ページでございます。構造クラスに基づく評価というのは、そのプロパノールがど のような形で代謝されていくのか、その代謝産物が安全なのかどうかというのを評価す る手法でございますけれども、プロパノールは二酸化炭素と水に代謝される。さらには 速やかに排出されるということから、構造クラスIという、一番安全性が高いという分 類でございます。  8番のJECFAでございますが、JECFAでも同様な評価でございまして、97年 に評価されておりまして、安全性の問題はないということでございます。  9番が先ほど申し上げました安全性の評価法でございますが、クラスIという安全性 が最も高い分類に該当する。生体において特段問題となる遺伝毒性はない。安全マージ ンは大幅に1,000 を上回り、十分な安全マージンが確保されている。さらには、クラス Iの許容量を下回るということが書いております。  そういうことをすべて評価した上で、10番の「評価結果」でございますが、着香の目 的で使用する場合は安全性に懸念はないというのがこの御結論でございます。  先ほど神田委員から御指摘のあった点について触れますと、2)国立医薬品食品衛生研 究所、これが今回新たにとったデータでございます。また、6ページの15)日本香料工 業会からも、プロパノールではございませんが、日本における既に指定されております 香料の実態調査の結果が報告されているところでございます。  8ページを御覧いただきたいと思います。安全委員会のリスク評価結果を踏まえて、 食品衛生分科会の下にございます添加物部会で御議論願ったところでございまして、9 月2日付けで報告をいただいているところでございます。  9ページを御覧いただきたいと思います。1番品目、2番構造、3番用途、4番概要 及び諸外国での使用状況、5番食品安全委員会の評価結果は同じでございますし、6の 「摂取量の推定」というのも、食品安全委員会と基本的に同じでございますので省略さ せていただきます。  7番の新規指定についてというのが最終的な部会としての結論でございますが、添加 物として指定することは差し支えない。使用基準と成分規格を次のとおり定めるという ことで10ページに使用基準案がございまして、「着香の目的以外に使用してはならない 」、すなわち香料以外に使用してはならない。  成分規格案でございますが、11ページから、その成分規格の案がございます。11ペー ジを御覧いただきますと、含量、性状、確認試験、純度試験、定量法という形でセット されておりますが、13ページにその根拠が書かれております。これを御覧いただきます と、先ほどのステアリン酸カルシウムと同様に、JECFAとFCCというアメリカの ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスの規格、これを参考につくっていったこと が述べられておるところでございます。  パブリックコメントでございますが、15ページを御覧いただきたいと思います。15ペ ージのまず第1段落でございますが、国内のパブリックコメント、9月13日から1ヵ月 間やったところでございますが、御意見をいただいておりません。  WTOの通報でございますが、期間が12月14日までということになっております。現 段階では、意見等は寄せられておりません。これについて御審議いただくのは、当日配 布資料の3ページを御覧いただきたいと思います。3ページを御覧いただきますと、プ ロパノールとして指定することには適当であるかどうか。指定に当たって、使用基準案 として、この「着香目的以外に使用してはならない」ということでよろしいか。また2 番として、成分規格案の内容はこれでよろしいかという点でございます。よろしく御審 議をお願いいたします。 ○吉倉分科会長  何か御意見は。  ちょっと私から質問というか、資料の2−2の安全委員会からの回答は、着香の目的 で使用する場合という、添加物というぐあいに書いていなのは、要するに着香の目的だ けでやれば安全ですよという評価だというか、そういうことですね。 ○中垣基準審査課長  そのとおりでございます。 ○吉倉分科会長  一番最初のプロパノールの食品添加物としての指定は、もしも御意見、異論なければ 可とするわけで、その場合に使用基準として着香の目的という、そういうのを付けて可 とすると、そういうようなことですが、何か御意見ありますか。  それでは、特に異論ないようですので、プロパノールの食品添加物としての使用可 と。使用基準については、着香の目的以外に使用してはいけないと、そういうことにな ります。じゃ、これで添加物については終わりですね。 ○中垣基準審査課長  それでは、このプロパノールにつきましては、ステアリン酸カルシウムと同様にWT O通報の結果を待って、意見あるいは、その考え方を委員の先生方に送らせていただい て、最終的な判断をいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  その次は、「農産物等に係る農薬の残留基準の設定について」というのでお願いしま す。 ○中垣基準審査課長  資料の3−1を御覧いただきたいと思います。  6月23日付けの大臣から審議会あての諮問書でございまして、エチプロールという農 薬について食品中の残留基準の設定をしようというものでございます。  1枚めくっていただいて2ページでございます。これにつきましても同様に7月22日 付けで食品安全委員会からリスク評価の結果が回付されております。「記」の下でござ いますけれども、エチプロールの一日摂取許容量を0.005mg / kg体重/日と設定すると いうのが結論でございます。  その試験結果評価の概要でございますが、3ページからでございます。膨大な資料で ございまして、まず6ページを御覧いただきたいと思います。6ページのローマ数字の Iに評価対象農薬の概要がまとめられております。殺虫剤でございまして、化学名、分 子式、構造式等はここにあるとおりでございます。  7の「開発の経緯」でございますが、94年にローヌ・プーランアグロによって発見さ れた殺虫剤である。その作用機作は、神経伝達部位に作用する。諸外国ではインドネシ アにおいて水稲に登録、使用が認められておるということでございます。  7ページから各安全性試験の概要がまとめられておりますが、その総まとめが22ペー ジにございますので、22ページを御覧いだだきたいと思います。ローマ数字のIIIの総 合評価でございます。まず、ラットを用いた動物代謝試験について、第1段落で述べら れております。  次に、稲、綿、ピーマンを用いた植物体内、すなわち植物体内でどういう変化をして いくかというのが調べられております。さらには、土壌中、水の中での運命、あるいは 分解についての試験が行われております。また、水稲、りんご、茶を用いて作物残留試 験が実施されております。すなわち、農薬として使った場合に、どれぐらい作物に残留 するかどうかというのが調べられています。  さらには水稲に使われるということから、その稲わらが牛を飼うときの餌に使われる ということから、その稲わらを通じて牛乳にどれぐらい残留してくるかというのも調べ られておりますけれども、検出されなかったという結果でございます。  1行スペースがありまして、ここからが毒性試験の結果でございまして、急性毒性試 験、亜急性毒性試験、さらには慢性、発がん性毒性試験などが行われております。下か ら10行目程度のところにラットの慢性毒性試験から始まる段落がございますけれども、 慢性毒性/発がん性試験で甲状腺の腫瘍、さらには肝の腫瘍が認められたということ で、どのようなメカニズムでこの腫瘍ができてくるのかというのが詳細に調べられてお ります。  その結果として、甲状腺にできた腫瘍というのは、甲状腺刺激ホルモンが増加し、甲 状腺が持続的過剰に刺激されることで生じる間接的なものと、また肝臓の腫瘍というの は、酵素誘導に基づく発がんプロモーター、プロモーションとしてできてきておるとい うようなことが考察されております。すなわち、ここで見られた腫瘍というのは、遺伝 子に直接作用して、その結果として腫瘍ができてくるようなものではなくて、甲状腺あ るいはプロモーション作用による2次的な影響としてできてきておる。すなわち国際的 にもこれまでの食品安全委員会の評価からしても、閾値が設定できるたぐいのものであ る。これを非遺伝毒性メカニズム、英語でいいますと、ノンジェノトキシックというふ うに言われておりますけれども、2次的な、間接的な影響で遺伝子に直接作用するもの ではないというようなことでございます。そのほかに2世代繁殖試験、発生毒性試験、 遺伝毒性試験等が行われておりますけれども、最終的な結果が24ページにございます。  表の9としていろいろな毒性試験がまとめられておりますけれども、この中で一番低 い無毒性量、すなわち、その量では毒性があらわれなかった量というのが下から7行 目、ADI設定根拠資料、これが一番低い無毒性量を示しておりますが、この場合に は、発生毒性試験でウサギに23日間の強制経口投与です。それが0.5mg /kg 体重/日で 安全係数100 を掛けてADIが設定されておるところでございます。  30ページ、これを受けました農薬部会における議論がなされております。30ページの 資料3−3が10月12日付けで分科会長あて提出されたものでございます。  31ページを御覧いただきたいと思います。品目名、用途、化学名、構造式について は、先ほど御説明したとおりでございますので省略させていただきます。  5番の適用病害虫の範囲、使用方法でございます。稲のウンカ、あるいはカメムシ、 その次のページを見ていただきますと、りんごのアブラムシなど、あるいはお茶に使わ れるということでございます。  32ページの6番から、先ほど申し上げました作物残留試験の結果がまとめられており まして、稲、りんご、お茶などについて作物残留試験が行われております。  33ページの中ほどよりちょっと下に7番で乳汁への移行性の試験結果がまとめられて おります。先ほど申し上げましたように、水稲に適用されるので、飼料として用いられ る可能性がある稲わらへの残留、さらには稲わらを通じた乳汁への移行というのを調べ たところでございます。  34ページでございます。8番の「ADIの評価」は、先ほど申し上げましたとおりで ございます。また、9番の「諸外国における使用状況」も先ほどの説明のとおりでござ います。それらの結果として、10番に基準値の案がまとめられております。  35ページに表形式でちょっと小そうございますけれども、米、りんご、茶、この3つ について、それぞれの作物残留の結果から、米が0.02 ppm、りんごは0.5ppm、お茶につ いては10ppm という基準値の案が部会でまとめていただいたところでございまして、34 ページに戻りますと、これらの結果に基づいて摂取量が推定されておりますが、その摂 取量とADIの比は、国民平均ですと8.6 %、乳小児ですと17.7%などというような結 果でございまして、ADIの中に十分おさまるということから、この基準値案で適当だ ろうというのが部会での御結論でございます。  パブリックコメント等について、37ページでございます。この部会での結果を公表い たしまして、パブリックコメントを実施したところでございます。8月6日から9月5 日まで実施しておりますけれども、意見はございませんでした。また、WTO通報につ いては、10月21日までやっておるところでございますが、これまでに意見は寄せられて おりません。  以上が説明でございますが、当日配布資料の4ページを御覧いただきたいと思いま す。当日配布資料の4ページに、エチプロールの最終的な決議事項がまとめられており ますけれども、米、りんご、お茶について、それぞれこのような基準値でよろしいかど うかというのが最終的なこの分科会としての御意見になるところでございます。よろし く御審議をお願いいたします。 ○吉倉分科会長  御意見をお願いします。 ○熊谷委員  意見ではなくて質問なんですけれども、乳汁の移行性試験というのがありますけれど も、これは33ページですが、これは牛の体内でできた代謝物については述べていません けれども、これについてはいかがでしょうか、何か情報がありますでしょうか。 ○中垣基準審査課長  14ページを御覧いただきたいと思います。安全委員会の評価資料の中にございますけ れども、「6.乳汁への移行試験」のところでございますが、エチプロール、代謝物B をそれぞれ調べておるようでございます。 ○吉倉分科会長  今の話は15ページの頭のところですね。8種類の代謝物についてと。文献が26からで すか。 ○中垣基準審査課長  14ページの頭、「6.乳汁への移行試験」のところでございます。 ○吉倉分科会長  はい、どうぞ。 ○熊谷委員  これは、恐らく稲でできる代謝物を牛に与えて、それを見ているという意味だと思い ます。牛の体内でどの程度できるか知りませんけれども、それの代謝物については…。 ○中垣基準審査課長  ちょっと調べさせてください。 ○吉倉分科会長  今調べていますから、ほかに。 ○丸井委員  今日2つ農薬が出ていますが、次のものは日本で開発されたものだと思いますが、こ れはフランスかな。これが開発されて、後ろの方にも出ていますけれども、インドネシ ア以外では残留基準が設定されていなくて、使用も認められていないというんですが、 これは全く申請もされていないので、日本で初めて申請されたので、ほかのところでは 全く論議されていないのか、それとも、申請されたけれども、よそでは使用が認められ なかったのかというような、よそではどうだったのだろうかというところを少し御説明 いただければと思います。 ○吉倉分科会長  お願いします。 ○中垣基準審査課長  申請の有無は情報として有しておりません。 ○丸井委員  使用が認められていないというのが、何か理由があって認められていないのかとい う、そこのところだけです。 ○中垣基準審査課長  おそらく申請していないものと思いますが、正確には、後日報告という形にさせてい ただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○吉倉分科会長  品川先生。 ○品川(森)委員  資料の14ページのところの土壌中の残留なんですが、この残留の日にちというか、こ ういうようなものというのは、これは短い方なんですか、長い方なんですか、ほかの農 薬と比べて。14ページです。要するに環境中への残留というものが、これは十分短いも のなのか、他の農薬に比べてどうなのかということが1つ。 ○中垣基準審査課長  土壌の残留についての判断をするほどの知識と経験を有しておりません。もっと申し 上げますと、安全委員会がどうして土壌中残留を評価しておるのかというのも議論があ るようでございます。いずれにしても、食品中への残留あるいはそれを通じたヒトへの 危害という点での評価という形で考えざるを得ないのかなと考えています。 ○品川(森)委員  例えば、今、農地は、日本なんか結構これまで使った農薬の残留というのがあるわけ ですよね。汚染が。ですから、この問題というのは、新たに指定していくというとき に、農地中での残留というか、環境の中での残留ということをやはり考慮する必要があ るんじゃないかと思うんですが、私、これは専門じゃないからわからないものですから お伺いしているんです。 ○中垣基準審査課長  農薬としての使用を認めるかというのは、農薬取締法の中で議論されることになって おります。農薬取締法の登録の要件には幾つかございまして、その一番大きなものが食 品中に残留したときの安全性の問題でございます。もう一つが、こういった土壌、ある いは環境中へ残留する、それ以外にもございますけれども、この2つがメインとなって おります。この土壌中の残留につきましては、環境省において、審議会での御検討がさ れるということになっていります。食品中への残留について、食品安全委員会並びに厚 生労働省で議論をしていくということになっております。もちろん、土壌中あるいは環 境中への残留が、例えば有機塩素系でございますとか、もう随分前の農薬で問題となっ ておるわけでございます。ただ、食品衛生という観点から申し上げますと、それらの有 機塩素系で、今は使われないものについても一定の安全性の範囲内で基準をつくってい るところでございまして、そういう意味申し上げますと、基準をつくるというのはあく までヒトの危害という観点から食品衛生の基準というのをつくっていくんだろうという ふうに考えております。 ○品川(森)委員  今の揚げ足とるようでちょっと何なんですが、例えば基準が、このものが許可された 場合、例えば環境省の方へ、やはりこれが審査されてだめというようなこともあるわけ なんですか。 ○中垣基準審査課長  その可能性は否定できません。 ○品川(森)委員  そうすれば、だめという形に。 ○中垣基準審査課長  はい。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。 ○中垣基準審査課長  先ほどの熊谷委員の御質問について、詳細な資料が手元にございませんので、概要部 分で判明した事項だけ御説明したいと思います。  先ほど熊谷委員が御指摘いただいたとおりでございまして、エチプロール本体と植物 体、この場合だと稲の代謝物のBというものについて試験が行われております。概要に ございますのは、エチプロールとその植物での代謝物Bというのは、いずれも検出され なかったということが書かれておりますけれども、その代謝物質について、いわゆる動 物体内での代謝物について記録というのは、少なくとも概要にはございません。後でま た調べて御報告したいと思います。 ○吉倉分科会長  なんか資料が出そうなんですか。 ○中垣基準審査課長  乳汁移行に関する資料というのは、今御報告した以上の資料というのは、今手持ちの 中にはございません。 ○吉倉分科会長  わかりました。今の熊谷委員のコメントは、どちらかというと、リスクのアセスメン トにかかわるところで、我々はそういうリスクアセスメントを食品安全委員会でやった のを受けてやるわけですけれども、ADIの設定において、今、先生が御質問されたの は、食品安全委員会の資料でしたっけ? ○熊谷委員  はい。 ○吉倉分科会長  そうですね。だから、食品安全委員会の全体的な評価を受けて、ここの分科会で、そ れに基づいたADI設定に合わせて、この基準値をつくっていいかという、こういうぐ あいにしてよろしいかという、そういう話だと思います。御意見、特にありますか。 ○神田委員  なかなか資料が読み取れないで申し訳ないんですけれども、お茶については非常に、 私たち素人がぱっと見ますと、やはり数字が大きいなという印象が残ってしまうわけで すね。この大きな数字、摂取量との関係もかかわりあるというふうには思いますけれど も、ただ、使用方法のところの使用時期というのが、お茶については収穫7日前までと いうことになっておりますね。こういった7日前までなので、やはり残留も多くなるの かなというふうに素人考えでは思うわけですが、この使用時期ということの正当性とい うんでしょうか、その辺がもう少し説明があった方がいいかなというふうに思います が。 ○齊藤委員  同じ質問ですけれども、私もやはり消費者の立場からお茶が10ppm という基準値案が 示されておりますが、お茶は当然のことながら、お湯を入れなければ飲めないわけで、 浸出液を見せていただきますと、やはり2.28という最大残留量ということで、ADIの 範囲が、これはそれほど多くないんですが、私はこの根拠をもう少し示していただきた いと思うんです。お茶を体にいいからということも最近非常にそれが多くの人に浸透し ておりますので、一日にお茶を何杯も飲むということも考えられますし、この基準値案 の10ppm ということをもとに一日の摂取量をどのように推定して、例えば高齢者ですと1 0.0というパーセントが出てくるのか、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長  お願いします。 ○中垣基準審査課長  お茶の基準値でございますけれども、ほかの農薬、あるいはわが国だけではなくて、 国際基準等も一般に同様になっておるかと思いますが、お茶は乾燥品でございますの で、そういう意味で申し上げますと、ほかの作物に比べて、どうしても相対的な基準値 が大きくなってまいる傾向にあります。10倍、100倍というのは一般的な傾向なのだろ うと思います。また、その適用と申しますか、使用方法の妥当性の問題でございます。 これにつきましては、農林水産省の審議会において、必要最低限の量という形で御議論 を賜るという形になっております。すなわち農薬として使っていく分には、当然のこと ながら、一定の効果がないといけませんので、その効果が担保できる範囲で適用量、あ るいは適用する期間が定められているところでございます。そのようなことを前提に摂 取量を推計していくわけでございます。  ここのお茶の基準値は、従来つくっておりました食品衛生法の基準というのは、お茶 としてお湯に溶かして、そこから出てくる農薬の量を基準にしてまいりましたが、平成 11年だったと思いますけれども、平成十数年からお茶そのものを有機溶剤で溶かして、 そこに入っている農薬の量をすべて検出するということを前提に基準値をつくってきて おります。お茶をお湯で出すときに出てくる量ではなくて、有機溶剤で強制的にそこに 含まれているものをすべて出したときに対する基準値であるというのを御理解願いたい と思います。  また、この推定摂取量の求め方でございますけれども、平成10年でしたか、この食 品衛生分科会の前身の食品衛生調査会において、御議論いただいて出していただいた意 見具申がございます。そこで、推定摂取量の求め方について詳細を決めていただいてお ります。  具体的には、ここにありますとおり、国民平均、幼小児、妊婦、高齢者、それぞれの 群ごとに国民栄養調査に基づいて、それぞれの平均的な摂取量を求める。お茶について 申し上げますと、国民平均で3グラム、小児で1.4 グラム、妊婦で3.5 グラム、高齢者 で4.3 グラムという結果でございます。35ページにございますが、この場合には、国民 平均ですと、お茶の摂取量が3グラムでございますから、3グラムに35ページの作物残 留の右側にございます試験値を掛けるというような手法で、それぞれの作物、米なら 米、りんごならりんご、同じような手法を使って、その総和をADIと比較したのがこ の34ページの資料でございます。また平成10年の意見具申の内容等をもとに、申し訳 ございませんが、詳細な御説明をさせていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長  今のような説明ですが、はい、どうぞ。 ○齊藤委員  もちろん農薬の使用というのは効果があるようにということが重要なことだというふ うに思いますから当然ですけれども、それが7日なのかということをちょっとお聞きし たわけですが、それは結構ですけれども、33ページの、もしかしたら説明があったかも しれませんが、この試験成績のところで質問させていただきますが、お茶で言えば7 日、14日、21日というふうに経過日数が書いてありますが、これは14日はどれぐらい、 21日はどれぐらいという数字がもちろん出ていて、それの平均が一番右の枠にある数字 になっているということですよね。でよろしいんですか。 ○中垣基準審査課長  一番右は最大残留量でございますから、これは7日の場合の数値でございます。 ○齊藤委員  失礼しました。そうしますと、14日とかそういった場合の数字というのは、かなり差 があるのかどうかということです。 ○中垣基準審査課長  これはデータがあると思いますからちょっとお待ちください。 ○吉倉分科会長  前は出ていた資料があったような気もします。 ○中垣基準審査課長  この残留農薬基準について、農薬の登録と同時に、食品衛生分科会で基準をつくって いただくというのは昨年の7月から始めておるところでございますが、昨年の7月以来 同じ資料を提出させて、あるいは部会でまとめていただいておりますので、そういう意 味で申し上げますと、今までと同じ形でまとめていると思います。 ○吉倉分科会長  ありますか、今、データは。 ○中垣基準審査課長  平均値で申し上げますと、7日が33ページの表の作物残留試験のところの上から3番 目「茶(荒茶)」と書いてあって、一番右に「最大残留量 圃場A:3.16」という数字 がございますが、これが14日ですと2.08、21日ですと0.17という数字でございます。 ○吉倉分科会長  よろしいですか。  そうすると、今日の審議は、結局これをエチプロールの農薬としての残留基準を当日 配布資料4の基準値案でよろしいかという、そこの辺等は特に御異議なければ、当日配 布資料の4ページの基準値案で設定するということにしたいと思います。  じゃ、次をお願いします。 ○中垣基準審査課長  次に移る前に、このエチプロールにつきましても、WTO通報の結果をまたファック ス等で委員の先生方にお送りをして、その後で最終的な御判断をいただきたいと思って います。  資料4−1が同じく農薬の残留基準でございまして、7月29日付けで審議会あて諮問 がなされております。  2ページでございます。10月7日付けで食品安全委員会からリスク評価の結果が通知 されておりまして、その結果は、一日摂取許容量を0.0056mg/kg 体重/ 日と設定すると いうものでございます。  その内容でございますが、6ページを御覧いただきたいと思います。6ページのロー マ数字Iの1に「用途」とございまして、殺虫剤である。この化学名、分子式等につき ましては御覧いただきたいと思います。  7番の「開発の経緯」でございます。91年に三菱化学が発見した殺虫剤であって、電 子伝達系の阻害によるものだとされています。海外ではいずれの国においても登録され ていない。わが国では2002年4月に野菜、茶等を対象に初めて登録され、2003年9月に 適用の拡大の申請がなされたということでございます。なお、食品衛生法の基準等の関 係で申し上げますと、昨年の7月から登録と当時に基準設定をするということでやって おるわけでございますが、それ以前のものについては、登録されても基準を設定すると いう考え方を持っておりませんでした。したがいまして、このトルフェンピラドについ て、現段階で食品衛生法の基準はございません。この適用拡大の機会に2002年4月に認 められた作物も含めて全体について、食品衛生法の基準をこの機会につくってしまおう というのが事務局としての考えでございまして、部会においても、同様の考えに基づい て議論していただいているところでございます。  7ページから安全性等の試験結果の概要がございますけれども、28ページにそのまと めがございます。28ページのローマ数字IIIの「総合評価」でございますが、ラットを 用いた動物代謝試験、なす、キャベツ、ももを用いた植物体内運命試験、土壌中運命、 水中分解、光分解、野菜、果実、茶を用いた作物残留試験、土壌残留試験などの結果が 報告されております。また、28ページの下から10行目の程度のところから1行スペース があるところから下でございますが、いわゆる毒性試験の結果がまとめられておりまし て、急性毒性試験、亜急性毒性試験、29ページに移りまして、慢性毒性/発がん性試 験、2世代繁殖発生毒性、遺伝毒性試験結果等がまとめられているところでございま す。それらの総合的なまとめとして30ページでございます。今申し上げましたいろいろ な毒性試験の中で、毒性が認められなかった無毒性量がここに表形式にまとめられてお ります。この中で一番小さいのが慢性毒性/発がん性併合試験のラットの104 週間投与 の0.56という数字でございますから、この0.56に安全係数100 を掛けて、先ほど申し上 げましたADIがセットされているところでございます。  農薬部会の報告が37ページからございますので、それを御覧いただきたいと思いま す。37ページが食品衛生分科会の下にございます農薬・動物用医薬品部会からの報告で ございまして、10月12日付けになっているところでございます。  38ページを御覧いただきますと、品名、用途、化学式等については省略させていただ きます。  5の「適用病害虫の範囲及び使用方法」でございまして、38ページの一番下にだいこ んがございますし、39ページを御覧いただきますと、かぶ、はくさい、キャベツ、ブロ ッコリー、レタス、ねぎ、トマト、なすなどが並んでいるところでございます。このう ち四角で囲まれたのが今回適用拡大の申請があったもの、囲まれていないのがもう既に 適用として農薬取締法上認められているものでございます。先ほど申し上げましたとお り、食品衛生法上は、これらすべてについて今回基準をつくろうとするものでございま す。  40ページの中ほどから作物残留試験結果がそれぞれの作物ごとにまとめられておりま す。これを一覧表にしたのが43ページからの表でございます。  これらの結果をもとに、46ページを御覧いただきたいと思います。46ページの左側、 「食品名」でございますけれども、先ほど来申し上げているとおり、もう既に農薬取締 法上認められているものを含めてすべてについて基準をつくろうということで、それら の対象作物が並んでおるわけでございます。基準値案はそれぞれに設定されております けれども、いずれも作物残留試験の結果から求められたものでございます。  登録の有無の欄でございますが、「○」がついておりますのがもう既に認められてい る作物、「登録申請中」となっておりますのが、今回の適用拡大の品目でございます。 登録保留基準でございますが、環境省が登録に当たって従来つくっておった基準でござ いまして、これは各作物ごとにつくるのではなくて、作物のグループごとにつくられて おります。したがいまして、例えばちょうど中ほどに「かぼちゃ」、「しろうり」とい うところを見ていただきますと、登録保留基準が2ppm となっているのに、今回の基準 値の案では空欄になっております。これは作物群のグループとしては、かぼちゃ、しろ うりにも登録保留基準がかかるんですけれども、実際の作物として、農薬取締法上適用 が認められていない、あるいはその申請もないということから今回の基準はつくらない というものでございます。  また、登録保留基準と今回の基準値案の関係を申し上げますと、上から5つ目か6つ 目にございます「きゃべつ」、あるいは中ほどよりちょっと下にございます「みかん」 でそれぞれ基準値の案が小さくなっておりますが、これも作物残留試験の結果から部会 での御判断をいただいたものでございます。  なお、一番右に「暫定基準案」というのがございます。前回の部会で御報告させてい ただきましたように、暫定基準2次案までポジティブリスト制の施行に向けて公表して いるところでございます。この暫定基準は、既に農薬取締法上使用が認められるけれど も、食品衛生法の基準がなかったものなどについて暫定基準をつくるということで作業 を進めておるところでございますが、今回本基準をつくる、すなわち、基準値案の提案 でございますけれども、本基準をつくるということから、この暫定基準案というのは廃 止をしようというふうに考えているところでございます。  以上でございます。  なお、御審議いただく、あるいは御決議いただく内容につきましては、当日配布資料 の5ページにございます基準値の一覧が対象になろうと思います。また、パブリックコ メントあるいはWTO通報もこれから行うところでございますので、よろしく御審議を お願いしたいと思います。 ○吉倉分科会長  御意見をお願いします。  よろしいですか。WTO通報、それからパブリックコメントはまだ、今からでしたっ け。 ○中垣基準審査課長  これから、今準備をしているところでございます。 ○吉倉分科会長  そうすると、先ほどの残留農薬については、このトルフェンピラドとエチプロールに ついては、全部パブリックコメントとWTO通報を終わっておらないと、そういうこと ですね。 ○中垣基準審査課長  エチプロールにつきましては、パブリックコメントは既に終了いたしまして、意見が ございません。WTO通報は現在実施しているところでございます。 ○吉倉分科会長  わかりました。エチプロールについては、ちょっと先ほどの丸井委員のコメントがち ょっと気になるんですが、その辺でいかがでしょうか。 ○中垣基準審査課長  申請したけれども、拒絶されたかどうかというデータはございませんが、今、見つか ったデータによりますと、韓国とか、東南アジアを中心に十数カ国で現在作物残留試験 とかを行っているところだという、開発中だというような記述はございます。しかしな がら、申請を出したか出さなかったかというところの、あるいは出して拒絶されたかと いうところのデータまではございません。 ○吉倉分科会長  単純に言うとあんまりシリアスな問題は今は挙げられていないという理解でいいと思 うんです。  それでは、トルフェンピラドについては、この5ページの基準値ということでよろし いでしょうか。  それでは、あと、これはWTO通報とパブリックコメントが来た段階で、もしも何か 非常に問題があれば、またここで議論することになるんですかね。 ○中垣基準審査課長  パブリックコメントあるいはWTO通報で出された意見、それに対する事務局として の考え方をまとめてファックス等で委員の先生方に送らせていただいて、再度審議する 必要があるかどうかを含めて各先生方の御意見をいただいて、分科会長の御判断に仰ぎ たいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、次は報告事項にいきますが、報告事項はまずは乳及び乳製品からですね。 お願いします。 ○中垣基準審査課長  報告資料の1番、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部改正について」と いうのを御覧いただきたいと思います。  特別牛乳の容器の口に係る規定の改正ということでございます。特別牛乳の容器の口 というのは一体何だということでございますが、これが先生方よく御存じの牛乳ビン で、こういった紙のふたがあるわけでございますが、ここで言っている口というのは、 この上にこういうプラスチック製のふたがある。これを口と言っているわけで、これ自 体は牛乳に直接接触するものではございません。  1番の「経緯」でございますが、特別牛乳というものでございますけれども、特別牛 乳というのは、一定の施設基準に適合することとして許可を受けた施設で製造されるも ので、一般の牛乳で要求されているような加熱殺菌の省略ができるという規定になって いるわけでございます。この特別牛乳について、容器の口は紙又は金属で覆うという規 定があるわけでございますが、この口を覆う規定に、今御覧いただいているようなプラ スチック、合成樹脂を追加しようというのが今回の整理でございます。  2番の「現状」でございますが、先生方よく御存じの普通の牛乳ですと、薄い合成樹 脂の多いフードと呼んでおるわけでございますけれども、紫色だったり、グリーンだっ たりするような覆いがかぶさっておるのが一般的だろうと思いますけれども、今回の特 別牛乳には、そのような形でプラスチック製の口をつけようとするものでございます。  4番の「その他」の項を見ていただきますと、食品安全委員会とも相談いたしました けれども、食品健康影響評価、リスク評価を明らかに行う必要がないと食品安全委員会 が判断したときにはリスク評価を行わないという規定があるわけでございますけれど も、直接接触するものではないというようなことから、明らかに必要でないという御判 断を食品安全委員会からはいただいておるところでございまして、また、国民からの意 見の募集もやりましたが、意見は何ら寄せられていないということで、厚生労働省とい たしましては、先ほど申し上げました形で容器の口の材質に合成樹脂を追加するという 省令の改正を行うということで進んでいるところでございます。よろしく御検討をお願 いします。 ○吉倉分科会長  これは報告事項ですが、何か直接牛乳には触らないという話だと、よろしいですか。  はい。それでは、次はワクチンの関係ですね。お願いします。 ○中垣基準審査課長  報告資料2−1を御覧いただきたいと思います。今から御報告いたしますのは、動物 用医薬品でございまして、食品安全委員会でこの動物用医薬品が食品に残留をして、そ の結果として、人に危害があるかどうかというのをリスク評価をしていただいておりま すが、いずれの品目も人への安全について、その懸念はないというような評価が下った ものでございます。その食品安全委員会で、安全上の懸念はないという評価が下ったも のについて、分科会の下にございます農薬・動物用医薬品部会で御検討いただいて、い ずれの品目についても、そういうことであれば、基準をつくる必要はないという御判断 をいただいたものでございまして、これについて報告させていただくところでございま す。  なお、動物用薬品でございますので、当然のことながら、人への安全性だけではなく て、動物へ安全なのか、動物に有効なのかという議論があるわけでございますが、この 動物に対する安全性、有効性については、同じ薬事・食品衛生審議会の中の薬事分科会 の方で御審議いただいているところでございます。  今日報告させていただきますのが、1ページが鶏伝染性気管支炎の生ワクチンでござ いまして、裏の2ページの一番下に、「6.食品健康影響評価」というのがあります が、その結論というのは、3ページの上から10行程度のところでございますけれども、 「これらのことから」という段落がございますが、「…適切に使用される限りにおい て、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性を無視できる」というような結論で ございまして、これ以外の品目も同じような結論をいただいているところでございま す。  5ページが豚のボルデテラ感染症精製・豚パスツレラ症混合不活化ワクチンというも のでございます。幾つもございまして、11ページがウシ用のインターフェロンアルファ でございますし、15ページがプロゲステロン及び安息香酸エストラジオールを有効成分 とする牛の発情周期同調用膣内挿入剤でございますし、19ページが牛の伝染性鼻気管支 炎・牛ウイルス性下痢等の混合のワクチンでございます。また23ページに鶏のサルモネ ラ症の不活化ワクチンでございます。いずれも、最初に申し上げましたとおり、食品安 全委員会で食品を通じたヒトへの安全性の懸念は無視できるという御評価をいただいて おりますし、農薬・動物用医薬品部会で、そうであれば、基準の設定は要らないという 御決定をいただいたものでございます。  御報告申し上げます。 ○吉倉分科会長  よろしいでしょうか。  それでは次をお願いします。 ○阿部新開発食品保健室対策室長  続きまして、新開発食品調査部会におきます特定保健用食品についての審議の結果に ついて御報告させていただきたいと思います。新開発食品保健対策室長でございます。  報告資料の3−1を御覧ください。部会の方におきましては、6月24日の部会で8種 類10品目の諮問品目について、また9月30日に行いました部会におきまして、2品目の 諮問品目について御議論いただいた上で、特定保健用食品として認めることとして差し 支えないと判断されたところでございます。  資料につきましては、6月と9月の2回の部会の審議結果をまとめた2枚紙が報告資 料3−1、それから2回の6月の部会の資料につきましてが3−2、それから9月の部 会につきましての資料が報告資料の3−3という形になってございます。概略につきま して、3−1の2枚目に基づきまして、個別の品目を簡単に御報告させていただきま す。  まず1番目のヤクルト本社の「プレティオ」という乳酸菌飲料でございますが、γ− アミノ酸(GABA)という成分が血圧関係に効くということでございまして、中ほど にございます「血圧が高めの方に適した飲料です」という表示の内容は認められること になったものでございます。  それから2つ目のミツカンの「マインズリンゴ酢ドリンク」という清涼飲料水でござ いますが、これは酢酸が血圧関係に効くということで、中ほどにあります表示内容を認 めようというものでございます。  それから3番目の理研ビタミンの「わかめペプチドゼリー〔りんご風味〕」という、 食品形態としてはゼリーでございますけれども、わかめペプチドという成分が血圧関係 に効くということで、中ほどにあります表示内容が認められるというものでございま す。  それから4番目の味の素の「ピュアセレクトサラリア」につきましては、植物ステロ ールエステルという成分が血中コレステロールに効くということで、中ほどにあります 表示内容が認められるというとことで、これは食品形態としてマヨネーズタイプ、半固 体状ドレッシング、マヨネーズタイプということで審査したものでございます。  それから5番のネスレ日本の「LC1ヨーグルト」というヨーグルトでございます が、こちらの方は、LC1乳酸菌が成長関係に効くということで、中ほどにあります表 示内容が認められるというものでございます。  それから6番目のヤクルト薬品工業の「オリゴメイトS−HP」というテーブルシュ ガーでございますけれども、こちらの方はガラクトオリゴ糖が成長関係に効くというこ とで、中ほどにあります表示内容が認められるというものでございます。  それから7番目の日清オイリオの「リセッタソフト」につきましては、中鎖脂肪酸が 脂質関係に効くということで、中ほどにあります表示内容が認められるというもので、 これにつきましては、食品形態としてファットスプレッド、マーガリンのようなタイプ ということでの審査を行ったものでございます。  それから、8.1 から8.3 につきまして、これは味の素ゼネラルフーズの「ブレンディ 」というコーヒーの関係の3製品でございますけれども、下の方はコーヒー豆マンノオ リゴ糖という成分が成長関係に効くということで、中ほどにあります表示内容が認めら れるというものでございます。  それから9番、10番が9月の部会の方の審査事項でございまして、9番のロッテ電子 工業の「ギャバ・20タブレット」につきましては、γアミノ酸(GABA)が血圧関係 に効くということで、中ほどにあります表示内容が認められるというもので、これは食 品形態として錠剤タイプということでの審査を行ったものでございます。  それから10番目の白子の「毎日海菜 海苔ペプチド」という顆粒タイプの製品でござ いますけれども、こちらの方は、海苔オリゴペプチドという成分が血圧関係に効くとい うことで、中ほどにあります表示内容が認められるというものでございます。  いずれにつきましても、慎重に御審議いただいた結果、許可することとして差し支え ないということで判断されたということでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  御意見お願いします。  GABAというのは、摂取過剰で副作用かなんかあるんですかね、どうなんですか。 ○阿部新開発食品保健室対策室長  過剰摂取の試験をやっていただいた上で審査を行っておりますので、注意事項、一日 摂取目安量については記載してございますし、あと、調査のときにも、いわゆる過剰摂 取試験もやっていただき、結果を出しております。その細かいところまでのデータは今 手元にございませんけれども、その辺は安全性の確認も含めてやっていただいておりま す。  あと、詳細ちょっと省略しましたが、後ろの方にそれぞれの審議経過を書いてある中 にも、安全委員会の方でも審査いただいて、新規成分などについては審査いただいてご ざいますので、そちらの方の了解もいただいてやっておるというものでございます。 ○吉倉分科会長  よろしいですか。  それでは、これは報告をいただいたということで処理したいと思います。よろしいで すね。  それでは、その次は牛ですかね、お願いします。 ○桑崎輸入安全対策室長  桑崎輸入安全対策室の桑崎でございます。監視安全課長、国会のため出席できません ので、代わりまして、私の方から報告資料4でございますけれども、御説明を申し上げ ます。  まず最初にBSE確認状況についてでございますけれども、BSE感染牛の確認状況 につきましては、これまでも分科会の開催の都度、新たな事例につきまして報告をして まいりましたけれども、この9月に12番目、13番目のBSE感染牛が出ましたので報告 をさせていただきます。 ○熊谷委員  14頭目も出ましたから。 ○桑崎輸入安全対策室長  それはこれから説明をさせていただきます。せっかく御質問がございましたので、実 は13番目まで書いてございますけれども、昨日農水省が実施しております死亡牛検査に おきまして、1頭BSEが確認をされています。月齢は48ヵ月齢、飼養地は北海道とい うことでして、品種はホルスタインということで、ただいま質問がございましたので追 加をさせていただきました。  12番目につきましては、2ページ目をお開けいただきたいと思いますが、この牛につ きましては、熊本で生産され、飼育されていたものでして、月齢が62ヵ月、品種はホル スタインのメスということで、BSEの検査に係る専門家会議におきましては、13日に 確定診断をちょうだいいたしました。なお、検査結果でございますが、ウエスタンブロ ットも、免疫組織化学も、それから病理組織検査もすべてプラスということでございま す。  それから13頭目でございますけれども、3ページ目にその概要を記載をしていますけ れども、飼育地が奈良県、生産地は北海道でして、月齢が103 ヵ月ということで、今ま で一番高い月齢ということになります。品種はホルスタインの雌ということでございま す。9月23日に専門家会議を開催いたしまして、BSE感染牛ということを確定診断い たしました。先ほど同様にウエスタンブロットも、それから免疫組織化学、病理組織検 査、いずれもプラスでございました。  ということで、これまで含めて14頭のBSE感染牛が確認されているということでご ざいます。まず報告を申し上げます。  引き続きまして、4ページ目になりますが、BSE対策に係る国内措置の見直しにつ いてでございますが、この資料の説明の前に、見直しに至りました経過につきまして御 報告を申し上げたいと思います。  5ページ目をお開けいただくと、「食品安全委員会における『中間とりまとめ』の概 要」という資料になってございますけれども、御承知のとおり、食品安全委員会におき ましては、本年2月から、専門調査会におきましてBSEに関する国内対策の評価・検 証の作業を行ってきたところでございまして、その結果、9月9日の食品安全委員会に おきまして、日本におけるBSE対策についてということで「中間とりまとめ」が行わ れまして、厚生労働省にも通知をされました。  その概要でございますけれども、1から5まで書いていますので、御説明申し上げま す。まず1番目ですが、今後、我が国では、さらにBSE感染牛が確認される可能性が あるが、これらが食物連鎖に入り込み、vCJDが発生するリスクは、現在のBSE検査及 び特定危険部位(SRM) 除去によって、そのほとんどが排除されているものと推測さ れるというのが1番目でございます。  2番目でございますが、検出限界以下の牛を検査対象から除外するとしても、SRM 除去という措置を変更しなければ、vCJDのリスクが増加することはないと考えられる が、検出限界程度の異常プリオンたん白質を延髄閂部に蓄積するBSE感染牛が、潜伏 期間のどの時期から発見することが可能となるのか、また、それが何ヵ月齢の牛に相当 するのか現在のところ断片的な事実しかない。ただし、我が国における約350 万頭に及 ぶ検査において発見されたBSE感染牛9頭のうち、21、23ヵ月齢の2頭のBSE感染 牛が確認された事実を勘案すると、21ヵ月齢以上の牛については、現在の検査法により BSEプリオンの存在が確認される可能性がある。  一方、21、23ヵ月齢の2頭のBSE感染牛における延髄閂部に含まれる異常プリオン たん白質の量が微量であったこと、また、我が国における約350 万頭に及ぶ検査により 20ヵ月齢以下のBSE感染牛を確認することができなかったことは、今後の我が国のB SE対策を検討する上で十分考慮に入れるべき事実である。  3番目についてですが、検査法につきましては、検出限界の改善や、牛の生体から採 取した組織、血液等を用いた生前検査法の開発等も含め、研究が進められるべきである と。その中で20ヵ月齢以下の牛に由来するリスクの定量的な評価について、今後さらに 検討を進める必要がある。  4番目現在の知見では、SRMにBSE発症牛の体内の異常プリオンたん白質の99% 以上が集中しているとされていることから、SRM除去は人のBSE感染リスクを低減 するために非常に有効な手段である。また、と畜場等における交差汚染を防止すること はvCJDのリスクを低減する上で重要である。このため、引き続き適正なSRM除去、交 差汚染防止の指導を行うとともに、その実施状況を定期的に検証するなど、適正な実施 が保証される仕組みを構築すべきである。  5番目に飼料規制ということでございまして、この中間とりまとめを踏まえまして、 6ページ目にございますけれども、国内におけるBSEの対策のあり方、見直しの方向 性につきまして、9月21日から10月5日にかけまして、全国7ヵ所、7ページ目に実 施、日時、それから実施場所等についての表をお付けしてございますけれども、リスコ ミを実施いたしました。  以下、主要な意見を整理しておりますけれども、飼料規制につきましては、輸入飼料 の原料についても改ざん防止、追跡等ができるようにしてほしい。それから肉骨粉以外 の原因究明をすべきではないか。飼料製造業者への抜き打ち検査を行うとともに、生産 現場での交差汚染防止対策が重要という御意見もちょうだいしてございます。  2番目にと畜場における検査、SRM除去についてでございますが、これについては 大きく分けて2つの御意見をちょうだいしています。1つは引き続き全頭検査を行うべ きであるという意見、それからもう一つは、全頭検査はこの際見直すべきである、こう いう2つ意見をちょうだいをしております。全頭検査を引き続き実施すべきだという意 見については、SRM除去、飼料規制は完全ではなく、リスク低減のために全頭検査も 必要と言っており、報告書を尊重するのであれば、全頭検査を続けるべき。  それから、BSE感染牛はほとんどが乳牛である。また、20ヵ月齢以下でと畜される 牛のほとんどが乳雄であり、これを検査対象から除外するのはおかしい。  検査済みと検査してない牛肉が出回れば、検査していない牛肉は売りにくくなるとい う御意見がございました。  全頭検査見直しにつきましては、SRM除去が基本であり、全頭検査の見直しを行う べきである。  さらには、全頭検査を見直し、SRMの除去方法の統一の徹底と、それについての立 入検査をしっかりやっていただきたい。若齢牛の検査を行わなくても、リスクが変わら ないのであれば、他の対策に回し、食品の安全性を向上させて欲しいというのが主な意 見でございます。  また、その他として、このとき、自治体が自主的に検査をするという発表が相次ぎま したので、自治体が自主的に検査を続行することを妨げないようにしてほしいという御 意見もちょうだいいたしました。  リスクコミュニケーションのあり方でございますけれども、リスクコミュニケーショ ンについてもっと十分に行って、議論を続けていくべきであろうという御意見もちょう だいしています。  さらには、日米協議との関係につきましては、リスクコミュニケーションで国内対策 について意見交換をしている時に日米協議をしているとの報道があるのはおかしいと。  それから、米国からの輸入再開に際しては、食品安全委員会に評価を依頼すべき。  消費者が、アメリカの牛肉を安心して食べれるような対策を講じた上で、早く輸入解 禁して欲しいと。  それから、米国は牛の生年月日を特定させるシステムはない。月齢の確認ができるの だろうかという疑問。  ということで、この様な意見をリスコミの中でちょうだいをしたわけでございます。  このような経過を増えまして、4ページ目になりますけれども、ここに記載をしてい ますような今般、国内BSE対策に係る国内措置の見直しの内容をとりまとめたところ でございます。  まず1番目ですが、BSE検査ということでございます。これにつきましては、食品 安全委員会の報告を尊重した上でと畜場におけるBSE検査対象月齢の見直しというこ とで、検査対象を21ヵ月齢以上とする。また必要な経過措置を講じるというふうに書い てありますけれども、この経過措置の内容につきましては、先ほど申し上げましたよう に、リスコミの結果でありますとか、さらには自治体の意見も踏まえて参考としたもの でございますが、3つございまして、1つは、広く消費者・生産者・流通業者、地方自 治体をはじめとする関係者の理解を得るため、食品安全委員会、厚生労働省及び農林水 産省と連携して徹底したリスコミを行うというのが1点目。2番目については、と畜場 における円滑な検査対象の確保に万全を期すというのが2点目。3番目でございますけ れども、現場の混乱をなくすために必要な措置として、20ヵ月齢以下の牛について、地 方公共団体がBSE検査を行う場合に引き続き国庫補助を当分の間行うなど、所要の支 援措置を講ずるということで必要な経過措置を講じることにしてございます。  さらには、先ほど食品安全委員会の中間とりまとめにもございますけれども、BSE 検査技術の高度化についても研究開発を進めることにしてございます。  2番目の特定危険部位(SRM)の除去・交差汚染防止対策でございますけれども、 と畜におけるSRM管理状況の実態調査の定期的実施ということで,SRM管理に関す る法令及び関係通知の遵守状況を確認するため、と畜場におけるSRM管理の実態調査 を定期的に行い、その結果を公表する。  2番目でございますけれども、SRMによる枝肉汚染防止措置の評価方法についての 研究開発ということで、厚生労働科学研究費においてと畜処理工程における枝肉等のS RM汚染防止の措置の評価方法を開発し、と畜場における現場における実用化を進める ということでございます。  3番目の飼料規制の実効性確保の強化については、記載している内容でございます し、4番目の調査研究の推進につきましても、これは厚生労働省のみならず、農林省も 実施ということになりますけれども、牛等の接種実験など調査研究について一層推進す ると、こういう内容をとりまとめたところでございまして、これにつきましては、本日 の午後にでも食品安全委員会に諮問するということで考えているところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  いかがですか。今のような報告ですが、品川先生何かありますか。 ○品川(森)委員  私、実を言いますと、最後のこのとき食品安全委員会を欠席しちゃっておりまして、 ちょっと何ともこの問題について言える立場じゃないんですが、1つこの国内処置の見 直しについてのところの2番目の方に、SRMによる云々ということがあるんですが、 これはピッシングのことは、やはり食品安全委員会の中でも話題になっておりますし、 それから以前から問題になっているわけですよね。ここのところがまたここで抜けてし まっているわけなんですよ。これはどういうことかということと、それからもう一つ… …。 ○吉倉分科会長  今、ピッシングと、それは何ですか。 ○品川(森)委員  ピッシングといいますのは、スタニングの後の、説明してください。 ○桑崎輸入安全対策室長  生体牛が搬入されて、額に穴をあけて失神をさせるわけですが、その後、放血、剥皮 という工程に入るんですが、放血以後の段階でピッシングをしない場合には、足の反射 運動が足で起きまして、そこで従事している従業者の方が足で蹴られてけがをするとい うことがあるものですから、日本においては、まだ7割ぐらいのと畜場で、脳を壊して その反射運動をやめさせるという行為が行われていることについて……。 ○吉倉分科会長  要するに脳みそを壊すわけですね。 ○品川(森)委員  脳みそを壊すわけじゃなくて、細いワイヤーあるいは細いプラスチックの棒を入れ て、硬膜に沿って入れまして、脊髄のところから出ている神経を切断するわけです。そ うすることによって反射を抑えるというのがピッシング。それからスタンニングも、こ れは今、中枢神経組織で肉が汚染されるというような報告が出始めているわけですね。 ですから、このあたりの検討というのが抜けてしまっているという気がします。ここの ところで。 ○桑崎輸入安全対策室長  確かにその部分についてはこの資料には記載していませんが、我々も重々に先生の御 指摘を踏まえた問題意識は持っているわけでございます。 ○品川(森)委員  それからもう一つよろしいでしょうか。この中間とりまとめの方のところで、これは 厚生労働省が十分にかかわっている部分なんですが、2番目の一番最後のところです。 下から2番目のところの4行目、約350 万頭に及ぶ検査ということが出ているわけです が、全くこれで20ヵ月以下が見つからないという文章ですよね、これは。ところが、そ れでは分母になる、調べた20ヵ月以下の牛の数はどのくらいかということ、これはいか がでしょうか。ほんとはこの数字がないと、この記載というのはまやかしの文章のよう な気がするんですけどね。 ○桑崎輸入安全対策室長  正確な数字ではないかもしれませんが、21ヶ月未満については、約12%ぐらいいるだ ろう。したがって、40万頭くらいということになりましょうか。 ○品川(森)委員  40万弱ですかね。 ○桑崎輸入安全対策室長  ということだと理解をしております。 ○吉倉分科会長  熊谷先生。 ○熊谷委員  実態をあんまりよく知らないので、教えていただきたいんですけれども、と畜場に限 ってSRMの管理状況というふうに書いてありますけれども、背根神経節はと畜場だけ でと考えてよろしいんですか。 ○中垣基準審査課長  背根神経節は、端的に申し上げますと背骨の中に入っております。他方、と畜場から は背割りした状態、すなわち背骨がついた状態で食肉処理場に移ってまいります。食肉 処理場で骨が外されて、いわゆる肉だけとられる。すなわち食肉処理場で背根神経節を 含む脊柱が除去されるということになろうと思います。ただ、この背根神経節について 分科会で議論していただいたときも申し上げましたとおり、わが国おいては、いわゆる 食肉として背骨がついた状態、すなわち端的な例で申し上げますと、Tボーンステーキ という状態で出ていくというのはほとんどございませんし、今とまっておりますので、 そういう意味から申し上げますと、加工食品へ回る部分の規制というのが脊柱の規制の メインな部分になっていくんだろうと考えております。 ○吉倉分科会長  神田委員。 ○神田委員  今、御説明の仕方なんですけれども、中間とりまとめの概要はこうだよ、それから全 国7ヵ所でやったリスクコミュニケーションの概要はこうだよというお話があって、そ して国内措置の見直しについて、こうなったという御説明だったんですが、私がお聞き したいのは、中間とりまとめの概要をどう受け止めたのか、それからリスクコミュニケ ーションについて、7ヵ所でやった内容についてどういう受け止めた結果、この見直し につながったのかというつながりが見えなかったわけですね。例えばなぜそんなことを 言うかといいますと、中間とりまとめのところで私どもの消費者団体のところでの解釈 は、20ヵ月齢以下を除外してもいいとは言っていないというふうに解釈しているもので すから、その辺を少しポイントにお話しいただきたいと思います。  それから7ヵ所でのリスクコミュニケーションが6ページに載っておりますが、これ は非常に私は正確性に欠けるというふうに思います。特に私ども全頭検査だけにこだわ っているわけじゃないんですが、そこに1つポイントの話でもあるので、そこを例にと りますと、(2)のところに全頭検査支持と見直しというふうに2つに分けてあります。 どういうところが言ったかということで(消費者団体)とか、(消費者)というふうに 示されておりますけれども、どちらかというと、見直しの方に消費者団体とか、消費者 ということが多くて、一見しますと、これだけを見ますと、見直しての意見が多かった のかなというふうなイメージがあると思うんですね。でも、私は7ヵ所の情報を大方得 ておりますけれども、ほとんどのところで、どちらかというと継続をしてほしいという 意見が消費者、あるいは消費者団体のところでは圧倒的というと大げさかもしれません が、多数を占めていたというふうに捉えているわけです。このリスクコミュニケーショ ンの概要をこういうふうなまとめ方をしますと、何となく恣意的な感じを、悪く言えば ですね。そんな感じも受けまして、もっと正確に量的なものも伝わってこないわけで す。多数こういう意見があっとか、そういうようなことも伝わってきませんし、ちょっ と誤解が生まれるのではないかというふうに思っていますので、これをどういうふうに 受け止めていて、こういう結論を出したのかということ、とりあえず、その2つをお聞 きしたいと思います。 ○桑崎輸入安全対策室長  まず最初の方で、中間とりまとめについて厚生労働省はどう受け止めているのかとい うことでございますけれども、大事なことは、検出限界以下の牛を検査しなくても、S RM除去という措置を変更しなければリスクの増加はないということ、それからもう一 つは、21、23ヶ月齢については、検査で見つかったけれども、20ヶ月齢以下については 確認することはできなかったということを考え合わせますと、我々としては、と畜場に おけるBSE検査の検査対象を20ヶ月齢以下にするということで判断をしたところでご ざいます。  それからリスコミについて、この記載の仕方が必ずしも適切ではないのではないかと いう御意見をちょうだいしましたが、それについては参事官の方から。 ○松本参事官  私、この7ヵ所以外に食品安全委員会がやりました6ヵ所、13ヵ所全部出席しました が、確かにこういう記載の仕方だと正確性に欠けるのではないかという、その量の問題 についてはおっしゃるとおりですが、正確には、その都度その都度の全部テープ起こし の議事録が、その後公表されますけれども、それを全部付けてぶ厚い資料を出す方が正 確かもしれませんけれども、一応代表的な意見ということで御紹介させていただいたと いうことです。リスコミでどういう意見が多かったかということにつきましては、厚生 労働省の方に持ち帰りまして、どういう状況であったということを私の方から報告し、 その結果として先ほど桑崎の方から御説明しましたように、本日の午後諮問する予定に しておりますけれども、制度変更に当たりましての経過措置について申し上げました。 リスクコミュニケーションをもっと徹底してやるとか、あるいは当分の間、都道府県の 方で全頭検査をおやりになるという、20ヵ月以下のBSE検査について、引き続き補助 していく、支援の措置を講じるということで考えておりまして、それは、リスクコミュ ニケーションでの御意見を十分勘案したことでのことでの対策だと考えております。 ○吉倉分科会長  ちょっと今電話がかかってきて、この部屋を空けろという、借りている場所なので、 そういうことなんですが、今日は報告ということでそういうことにしたいと思います。  それからあと、先ほどちょっと言われたのは、これは国内措置の見直しについては、 食品安全委員会に諮問するということでしたっけ。 ○桑崎輸入安全対策室長  そうです。 ○吉倉分科会長  そうですね。だから、それを受けて、またここで分科会としての議論があるという、 そういうぐあいに理解してよろしいですか。 ○桑崎輸入安全対策室長  はい。 ○吉倉分科会長  では、そういうことでそのときにさらに議論していただければいいと思います。 ○齊藤委員  ちょっと一言だけ。今の消費者側はやはり非常に不安な感じを持っているんですね。 BSEに対して。ですから、現在では、消費者はまだ全く納得してはいないという事実 をやはりお伝えしたいと思います。 ○吉倉分科会長  はい。それでは、それは議事録にとどめておいてください。じゃ、どうもありがとう ございました。                                       了 照会先:医薬食品局食品安全部企画情報課  03−5253−1111(2449)