04/10/13 第7回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会議事録                    第7回             厚生科学審議会生活衛生適正化分科会                    議事録               厚生労働省健康局生活衛生課          厚生科学審議会生活衛生適正化分科会議事次第           日時:平成16年10月13日(水)14:00〜16:30           場所:中央合同庁舎第5号館17階第21会議室 1.開会 2.議事  (1)諮問及び審議     (1)飲食店営業(めん類)及び一般飲食店営業の標準営業約款について     (2)飲食店営業(めん類)、旅館業及び浴場業の振興指針の改正について  (2)その他 3.閉会          [事務局]厚生労働省健康局生活衛生課 山田・加藤           〒100-8916 東京都千代田区霞が関1―2−2           TEL 03(3595)2301[ダイヤルイン]           FAX 03(3501)9554 ○ 皆尾補佐  定刻になりましたので、ただいまから第7回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会を 開催いたします。  なお、本日は井元委員、江森委員、来生委員、小原委員、佐藤委員、田山委員、増田 委員、米窪委員から御欠席の連絡をいただいております。委員総数22名の内、現在12名 の出席となっておりますので、過半数に達しております。厚生科学審議会令第7条、第 1項の規定により、本日の会議は成立いたしますことを御報告いたします。  初めに、今回、委員の方に異動がありましたので御報告させていただきます。  高橋公前委員の後任に日本労働組合総連合会の江森孝至様でございますが、本日は御 欠席でございます。  また、本日は標準営業約款及び振興指針の意見聴取人として、全国生活衛生営業指導 センター並びに業界の代表の方にも御出席いただいておりますので、御紹介させていた だきます。  全国生活衛生営業指導センターの鈴木次長です。  全国飲食業生活衛生同業組合連合会の中島副会長です。  全国旅館生活衛生同業組合連合会の石川専務理事です。  続きまして、7月23日付で厚生労働省に異動がありましたのでお知らせいたします。  芝田生活衛生課長の後任に、岡部生活衛生課長が就任いたしました。  続きまして、議事に先立ちまして、田中健康局長よりあいさつをお願いいたします。 ○ 田中局長  健康局長の田中でございます。生活衛生適正化分科会の開催に当たりまして、一言ご あいさつを申し上げます。初めに、委員の皆様方におかれましては、日ごろから生活衛 生行政の円滑な推進に御理解と御協力をいただいておりますことに、この場を借りまし て厚く御礼を申し上げます。  本日は、一般飲食店営業とめん類飲食店営業の標準営業約款について御審議をいただ いた後、本年度の振興指針の改正を予定しているところでございます旅館業、浴場業、 飲食店営業の中のめん類業の計3業種につきまして御意見を伺う予定としているところ でございます。  最初に御審議いただきます標準営業約款は、昭和58年にクリーニング業、59年に美容 ・理容業が認可されまして、20年の歴史のもとに、現在約9万件が登録されているとこ ろでございます。  飲食店営業におきましても、従来よりサービスの適正化が求められている分野でござ いますので、忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。  また、生活衛生営業の振興指針につきましては、各都道府県の生活衛生同業組合が振 興計画を策定するための基本となるものでありまして、委員の皆様方の有意義な御意見 を賜りますよう、あわせてお願いを申し上げます。  生活衛生関係営業は、国民の日常生活に密着した営業として、国民生活の向上に重要 な役割を果たしております。同時に、小規模零細の事業所が多い業態でございまして、 社会と経済の大きな変化の中で、経営革新を進めながら、時代の変化に即した役割を担 っていくことも求められております。  厚生労働省といたしましても、大変厳しい財政上の制約等々がございますけれども、 生活衛生関係営業の振興を重要課題と考えまして、予算、融資、税制等の面から、今後 とも最大限の努力を続けてまいりたいというふうに考えているところでございます。  委員の皆様方におかれましても、生活衛生業の営業の発展のために、一層の御理解と 御協力をお願い申し上げます。簡単ではございますけれども、開催に当たっての私のあ いさつとさせていただきます。 ○ 皆尾補佐  どうもありがとうございました。申しわけございませんが、田中健康局長は所用のた め、ここで退席させていただきます。御了承のほど、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、本日の会議資料の確認を申し上げます。資料の欠落等がございましたら 御指摘ください。  資料1は、標準営業約款の認可につきまして、厚生労働大臣から厚生科学審議会長あ ての諮問書でございます。  資料2は、厚生科学審議会長から当分科会長あての付議書でございます。  資料3は、生衛法から標準営業約款の関係部分を抜粋したものでございます。  資料4は、めん類飲食店営業に関する標準営業約款の各資料をつづったものでござい ます。  資料5は、一般飲食店営業に関する標準営業約款の各資料をつづったものでございま す。  資料6から資料8は、現在認可されておりますクリーニング、美容業、理容業の標準 営業約款を参考までに配布させていただいております。  資料9は、標準営業約款の登録状況でございます。  資料10は、振興指針及び振興計画のあらましについてでございます。  資料11は、平成14年8月に委員の皆様から御承認をいただいています生活衛生関係営 業振興指針の見直しについての考え方でございます。  資料12は、本日御審議いただきます3業種の振興指針(案)の概要でございます。  資料13から資料15は、本日御審議いただきます3業種の振興指針の本文でございま す。  資料16から資料18は、3業種の現行の振興指針でございます。  資料19から資料21は、3業種につきまして、中小企業診断士の方にお願いして作成し ていただきました各業の実態と経営改善の方策についてということで、参考のために配 布させていただいております。  資料22は、3業種の各種データのつづりでございます。  資料23は、法律の一部改正がございまして、それに伴います施行通知でございます。  資料24は、参考といたしまして、平成17年度生活衛生課予算概算要求等の概要でござ います。  最後に、資料番号はございませんが、めん類飲食店営業及び一般飲食店営業に関する 標準営業約款の概要ということで、1枚もののペーパーをつけさせていただいてござい ます。  資料は以上でございます。  また、皆様の前にございますマイクについてでございますが、発言をする際に下のボ タンを押していただき、発言が終わりましたら、もう一度同じボタンを押していただけ ればと思います。  それでは以降の議事の進行につきましては井原会長にお願いいたします。よろしくお 願いいたします。 ○ 井原分科会長  それでは私の方で進行させていただきます。早速議事に入りたいと思います。  本日の議題1でございますが、厚生科学審議会の会長に対しまして、厚生労働大臣か らめん類飲食店営業に関する標準営業約款及び一般飲食店営業に関する標準営業約款の 認可についての諮問がなされました。そして、会長より当分科会に諮問の付議がなされ ておりますので、まず、岡部生活衛生課長より、諮問の説明をお願いいたします。 ○ 岡部課長  それでは私の方から標準営業約款制度の概要につきまして御説明をさせていただきた いと思います。具体的な標準営業約款の内容につきましては、全国指導センターの専務 理事も兼ねておられます小宮山委員の方から、それぞれの業態に応じた二つの約款につ いて具体的な内容の御説明をお願いしたいと思っております。私の方からは、標準営業 約款制度の概要を御説明させていただきます。生衛法から標準営業約款に関連した部分 を抜粋したものをお手元の資料3につけさせていただいておりますので、ごらんいただ きたいと思います。  2ページの下の段、57条の12というところと、その次のページの57条の13という部分 が、標準営業約款に関連する規程でございます。標準営業約款と申しますのは、消費者 保護の観点から、営業者の方が提供する役務の内容や施設、設備の表示の適正化等を図 るということを行いまして、利用者の方あるいは消費者の方が、営業者からのサービス や商品を購入する際の選択の利便を図るというのが主たる目的でございます。  標準営業約款は、厚生労働大臣が指定する業種につきまして、全国生活衛生営業指導 センターが厚生労働大臣の認可を受けて設定をするということでございます。先ほどの 局長のごあいさつの中でも申し上げましたように、これまでにクリーニング業、理容 業、美容業の三つの業種について、既に標準営業約款制度がございます。  標準営業約款の具体的な中身につきましては後ほど御説明をしていただきますけれど も、全国指導センターが定めます内容といたしましては、役務の内容または商品の品質 の表示の適正化に関する事項というものが一つの大きなまとまりでございます。  二つ目のまとまりといたしましては、施設または設備の表示の適正化に関する事項、 三つ目が損害賠償の実施の確保に関する事項というものでございます。これを法律で示 しますと、3ページ目の上から5、6行目に書いてある内容でございます。  営業者の方は、標準営業約款に登録することによりまして、サービスまたは商品の種 目を選定し、その定義づけを行い、標準化を行うということ。また、これに伴って適正 な表示を行うということ。それから施設を適正に管理することにより、衛生的で安全な 技術あるいはサービスを提供するということ。さらに、万一事故が発生した場合には、 適切なる弁償を行うといったことで、当該業態の中で良心的な優良店として消費者の方 々に御認識いただこうというものでございます。  この標準営業約款につきまして本日は御審議をいただくわけでございますが、御審議 をしていただきまして、具体的に認可がなされた後の取り扱いにつきましては、3ペー ジの下段にあります57条の13という手続に入ってくるわけでございますが、この標準営 業約款に基づきまして営業を行おうとする営業者の方につきましては、各都道府県に置 かれております指導センターに登録をしていただくということとなります。  登録をなさった営業者の方には、全国指導センターが定めます様式の標識あるいは標 準営業約款の要旨というものを店内に掲示していただくということになっております。  登録期間でございますけれども、最初は3年間ということでございまして、引き続き 更新をする場合には5年間というのが既存の3業態の実態ということになっているとこ ろでございます。  本日御審議を賜ります一般飲食店、それからめん類飲食店のこれまでの経緯でござい ますが、平成12年度に、両連合会でそれぞれ標準営業約款の導入に前向きに取り組んで いこうということを決定していただきました。  全国指導センターに設置されました標準営業約款委員会というものがございまして、 これは学識経験者の方、業界の方、消費者の方といった三者の方々で構成された委員会 でございますが、そこで具体的な議論を進めていただき、成案を取りまとめていただい たというものでございます。  そして、9月8日付で、全国指導センターから厚生労働大臣あてに認可申請書の提出 がございましたので、先ほど資料1、資料2で御参照いただきましたように、厚生労働 大臣から諮問をさせていただき、本日に至ったというところでございます。  以上が標準営業約款制度の概略でございます。 ○ 井原分科会長  ありがとうございました。それでは標準営業約款の具体的な内容につきまして、小宮 山委員より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○ 小宮山委員  御指名でございますので、資料4と資料5に基づき、私の方から説明をさせていただ きます。  資料4はめん類飲食店営業に関する標準営業約款。  資料5が一般飲食店営業に関する標準営業約款でございます。  また、先ほど資料説明の中で資料番号のついていない資料ということで御紹介をいた だきましたA4横の表が資料の最後に添付してございますが、めん類飲食店営業及び一 般飲食店営業に関する標準営業約款の概要ということでございます。主にこちらで御説 明をさせていただきたいと思いますので、ごらんいただきたいと思います。  先ほどの課長のお話にもございましたように、3年間にわたって業界の方でいろいろ と議論をしてまいりまして、こういう案をお示しできることになったわけでございま す。  一方、理容、美容、クリーニングにつきましては、約20年前にこの制度ができまして 以来、活用してまいりまして、現在約9万店舗が参加をしておりまして、まだまだメン バーをふやさなくてはいけないという課題もございますけれども、それなりの成果を得 ているというふうに理解をしております。  昨今、食品関係におきましても、表示の問題ですとか、インフルエンザの問題、ある いはBSEの問題など、食品関係をめぐる非常に厳しい問題もございまして、それらに 呼応して我々の業界の方でも大いに自立精神が芽生えてまいりまして、みずからが積極 的にやろうというのが今回のめん類と一般飲食店の関係でございます。  資料4の1ページをごらんいただきたいと思います。  第1条は目的、第2条は定義でございまして、営業者とは、といったことを決めてお ります。  第3条は役務の内容または商品の品質の表示の適正化に関する事項ということでござ います。  2ページに移りまして、第4条では施設または設備の表示の適正化に関する事項とい うことを決めておりまして、第5条では損害賠償の実施の確保に関する事項。  第6条では標識等の表示ということで3ページまでつながってございます。  4ページはめん類飲食店営業に関する標準営業約款施行細則ということで、自家製と は何か、主な商品とは何かといったことを決めております。  資料5の一般飲食店営業につきましても同じ構成になっております。  具体的内容に入らせていただきます。A4横の表をごらんいただければと思います。  表の左がめん類飲食店に関する標準営業約款でございまして、右が一般飲食店営業に 関する標準営業約款となってございます。  1、目的につきましては、課長からも御説明がございましたとおり、消費者の選択の 利便を図り、営業者の資質の向上及び公衆衛生の向上に資することを目的とするといっ たことで、具体的には商品の品質、役務の内容、設備の表示の適正化、損害賠償の確保 といったことを決めるということでございます。これはめん類、一般飲食とも共通でご ざいます。  2、独自の約款事項につきましては、いわばセールスポイントといったことでござい ます。  めん類の方では、(1)そば粉の含有率が70%以上であることを条件とするとなってお ります。一般にニッパチと言われておりますように、80%以上がそばであるというよう ないろいろな意見があったようでございますが、技術的に、そば打ちということで、含 有率70%以上がいわゆるそばとしての品質を確保しているということでございます。  一方で立ち食いそばやコンビニエンスストアのそばがございますけれども、そばの専 門店といたしましては、今、申し上げたような内容で、そばが本来持っている風味や食 感などについて、品質がよく、本物志向を目指す必要があるということから、そば粉の 含有率は70%以上ということをこの約款では決めたということでございます。  (2)のめん及びつゆの製法の表示につきましては、めんとつゆは自家製であることを 表示するということでございます。自家製と申しますのは、営業施設で製造したもの、 あるいは出資した法人が所有する施設で製造したものということで、これは施行細則の 方で書いてございます。手打ちであることや、機械であることは問わないということで ございます。  (3)は調理師の表示というでございまして、調理師を営業施設に必置し、氏名を表示 するということでございます。そばの業界の方では、調理技術の向上が主目的といいま すか、伝統的な調理技術を継承していきたいということもありますし、専門的なお店と して続けていきたいといったことがございます。  調理師につきましては、調理の業務に従事する人たちの資質の向上を図ることによっ て、調理技術の向上、食生活の向上に資するということが調理師法の目的でございます けれども、これを一つのステータスといいますか、売り物として表示をしたいというこ とでございまして、めん類業は大半が既に調理師免許を取得しております。  一方、業界は、今までの努力の中で、調理師を受ける方々の研修や講習といったいろ いろなことをサポートしてきておりまして、ほとんどが調理師資格を持っているという こともございまして、表示をしようではないかということになっております。  次に、表の右の一般飲食店営業の関係に移らせていただきます。  (1)といたしまして、アピール食材の表示とございますけれども、これは、消費者に 栽培方法や生産地等でアピールしたい食品を必ず一つ以上選定をして表示をするという ことでございます。  例としては、栽培方法では、有機栽培農作物であるということや、特別栽培の農作物 であるということ。生産地では、新潟県魚沼産のコシヒカリであるというような表示が 考えられるわけでありますが、この条項は、お店の個性や、差別化、区別化といったこ とでございます。あるいは優位性を示すことによって、消費者の店舗選択の基準にした いというものでございます。  (2)は消費期限等の表示でございます。仕出し弁当等営業施設外で飲食する商品は消 費期限、製造年月日を表示しようということで、ごく当たり前のことではございますけ れども、あえて表示をい たしまして、登録店についてはさらに徹底したいということ でございます。  申し忘れておりましたが、○印は義務づけでございまして、◎は努力義務ということ でございます。  次の一般飲食店営業の(3)調理師の表示は無印でございまして、先ほどのめん類飲食 店の(3)調理師の表示では、調理師は必置で表示を義務づけることといたしましたが、 こちらの一般飲食店営業では、調理師は必置ではなく、調理師を営業施設に配置したと きには氏名を表示するということでございます。  理由といたしましては、めん類とは違い、幅が広いですので、調理師さんがいるとこ ろもございますが、お年寄りが1人で営業しているなど、なかなか調理師の資格を取れ ないといったケースがございますので、一般食堂、レストラン、有名な料理店などでは 当然調理師さんがいらっしゃると思いますけれども、居酒屋さんや焼き鳥屋さん、軽食 のスナック、ビアホールなどは、現状から見て調理師さんがいない施設もございますの で、将来的な努力目標として、現時点では標準営業約款で義務とするには非常に厳しい ということでございまして、このように掲げております。  (4)は情報通信技術の活用ということで、ITを利用した予約システムの導入に努め たいということでございます。  (5)は宅配サービスの実施ということで、社会福祉の一翼を担うように努めたいとい うことで、積極的に取り組みたいということでございます。いろいろな多様の中で、共 稼ぎの家庭が増加しているといったこともございますし、このような需要がますます高 まってくるのではないかということに呼応していきたいということでございます。  一般飲食店の連合会では、14年度に実態調査を行いまして、今後のいろいろな課題と いうことをまとめて、組合員にガイドラインを配布し、このような義務づけ、あるいは 努力義務等、状況を周知いたしまして、この標準営業約款を今後に役立てていきたいと いうことです。  以上、申し上げましたのは、めん類と一般飲食店の独自の約款事項ということでござ います。  続きまして、3、双方の約款の共通事項でございます。  (1)は主要な商品の表示ということでございます。消費者の注文が多い、あるいは営 業者が売り物ということで積極的に広告をするものを表示するということで、表示の仕 方は、店頭あるいは店内、あるいは写真などを使うということが考えられます。  (2)は消費者の接遇向上の改善ということで、既に両業界とも何年か前にサービスマ ニュアルの策定をしておりまして、今、またチェックをし、リニューアルも考えている ところでございますが、それらをフル活用するということや、あるいは調理担当者の研 修等、地域の保健所等でやっておりますものに積極的に参加を促す、あるいはみずから が企画をして行うといったことも考えていきたいということでございます。  (3)は食品廃棄物の減量化及びリサイクルの推進ということで、既に御案内のとおり、 平成13年5月に食品リサイクル法が施行されました。現在、年間2000万トンの食品廃棄 物があるということでございますが、目標といたしましては、平成18年度までに食品廃 棄物を20%減量する、あるいはリサイクルをするということで、何よりも発生の抑制と いうことがあると思いますけれども、政府の目標としては20%減という削減目標を掲げ ておりまして、我が業界といたしましても、国からお助けをいただき、一方でいろいろ な試行錯誤をしておりますが、この約款事項にも盛り込み、さらに推進をしたいという ことで掲げております。  (4)は営業施設の衛生管理状況ということで、月1回の自主点検と結果を表示したい ということでございます。これは、国の方では食品衛生法等で食品の規格や施設の基準 といったいろいろなことを取り決めているわけでございまして、さらに、都道府県では 上乗せ条例というようなこともございます。  一方で、食品の流通が広域にわたっているというようなことで、食中毒も大規模化を しておりますし、あるいは今までは考えられなかったようなことが世間をにぎわすとい ったこともございますので、先般の食品衛生法等の改正にもより、それぞれの施設は自 主的に点検をしなさいということで奨励をされている向きもございまして、月1回の自 主点検と、その結果を表示するということも盛り込みたいということでございます。  (5)は営業施設の外国語またはローマ字表記ということでございます。これは言うま でもなく国際化に対応していきたいということでありますが、外国人が来ない地域もあ るといったこともございまして、努力義務ということで位置づけております。  (6)は営業施設のバリアフリー化の推進でございます。障害者や高齢者のための出入 り口や通路の拡大、車いす用のスペースを置くということでございまして、これもハー トビル法が施行されるというようなことで、特に私どものめん類飲食店は不特定多数の 人々が利用する施設ということでもありますので、こういったことでも工夫をし、少し でもお客さんを増やしたいということや、あるいは何よりも消費者の利便性のためにと いうことで取り組んでいきたいということにしております。  (7)は受動喫煙防止の推進ということです。禁煙あるいは分煙ということで、時間あ るいは場所を決めるといったことでいろいろな工夫をするということですが、小規模な 店にとりましては非常に難題でありますけれども、世の中の趨勢でございますし、でき る限りの努力をしていきたいということで 標準営業約款に盛り込んでいるということ でございます。  先般、飲食店の方で、現在、禁煙・分煙を行っているかどうかというアンケート調査 をいたしまして、現状では2割程度が行っているという結果でございましたが、この数 字が逆転できるように努力しなければいけないということで、自主的な発想で盛り込ん でいこうということでございます。  以上が両約款の共通事項でございます。その下 に、参考として、約款導入による効果とございますが、万一事故が発生した場合のこと や、何よりも良心的な優良店として消費者に認識をされ、強い信頼を得たいという思い でございます。  冒頭に申し上げましたように、理容、美容、クリーニングといった、いわゆるサービ スの方で先行し、20年たってから飲食店ということで、厚生労働省の強い御指導があ り、また業界もみずからこういった努力を3年間してきたということで、このような案 をお示しできたということでございます。  続きまして、資料4の5ページをお開きいただきたいと思います。めん類飲食店営業 に関する標準営業約款要旨(案)と書いてございますが、ここに書いてございますよう なことを、店頭なり店内の見えやすい場所に、ある程度の大きさで表示をいたしまし て、消費者の皆様方にきちんと明示をし、公表してまいりたいということでございま す。  簡単ではございますが、私からの説明は以上でございます。 ○ 井原分科会長  ありがとうございました。続きまして、全国めん類生活衛生同業組合連合会理事長の 鵜飼委員と、一般飲食業界の代表といたしまして本日御出席いただいております中島副 会長から、業界として、標準営業約款がどのような意味を持つのかという点について、 何か御発言がございましたらお願いいたします。 ○ 鵜飼委員  ただいま小宮山委員から説明があったとおりでございまして、私どもはその御説明の 中で、1枚紙を見ながらお話をしたいと思います。現在は、かいつまんでこういったと ころを目標にして、営業の方向性をつけていこうといった考えでございます。  2、独自の約款事項の(1)に関しては、当初はそば粉の割合を80%にしていきたいと いったことを業界内で申し上げましたが、80%もそば粉を入れてしまうとそばにならな いという意見のところが多くありました。これにはいろいろと技術やつくり方がありま して、80%でもできないことはないのですが、地方によってはなかなかそうもいかない 事情があり、80%はやったことがないという地域もございましたので、1割落として70 %ということでどうかといったところで調整を取ってきたわけでございます。  しかし、それでもだめだということがございましたので、それではそれに対応できる ように、CDあるいは教本をつくって配布をし、各店の中央に我々が出向いて指導に当 たるというようなことではどうかといった提案をいたしましたら、そういうことであれ ば同意をするといった返答を得まして、今日に至ったわけでございます。  製めんもさることながら、おつゆにつきましても、我々の業界では古くから自分でつ くる習慣がございます。立ち食い店などは別でございますが、我々の組合の中では、ほ とんどが自分のところでおつゆをつくり、そのおつゆの味が売りであるということもつ け加えたいと思います。その違いによって、その店のよさが出てくるということが、お そばとの兼ね合いも含めて言えるのではないかと思いますので、うちのつゆはこのよう につくっているということがひとつの大きな自慢でもあるわけでございます。  そういったことから、当然これは自家製であるということです。製めんについても、 それぞれでつくり方がありますが、自家製であるということの表示を当然それぞれがや っていかなければいけないと思っております。  調理師の表示についてでございますが、これは我々の業界では当たり前のことで、2 代、3代といったお店も多くありますが、その中で次代を担っていく若手は当然取るべ きものだということです。これは常識でございまして、我々の組合の中では、調理師の 資格がなければ営業はできないと皆さんが思い込んでおりますので、当たり前のことと して既に動いているところでございます。  3、共通事項の(5)営業施設の外国語またはローマ字表記についてでございますが、 先ほども少しお話がありましたように、地域によっては外国人がほとんど来ないという 地域もございます。  しかし、外国人の方が来るような地域に関しましては、率先して、ローマ字あるいは ローマ字を使わない国の方もいらっしゃいますので、3カ国語くらいの文字を添えて表 示をしていかなければいけないのではないかということも呼びかけていこうと思ってお ります。  (6)営業施設のバリアフリー化の推進ということがございますが、これもいろいろな 条件がございまして、統一するのは非常に難しいのですが、そうかといってもやらなく てはいけないということで、標準営業約款の項目をもっと理解して、それぞれがやって いくように努力をしていくということも当然必要でございます。  (7)受動喫煙防止の推進につきましては、私のところでもテーブルによってはやって いるのですが、何しろ狭い店ですので、テーブルを分けても、風向きによってはどうし ても煙が流れてしまいます。したがって、昼食時だけでもそういったことを進めてまい りたいと思っております。  いずれにしましても、標準営業約款の内容をそれぞれが理解をし、理解の中で進めて いきたいと思っておりますので、よろしく御指導のほどをお願いしたいと思います。以 上でございます。 ○ 井原分科会長  ありがとうございました。続きまして、中島副会長からお願いいたします。 ○ 中野全飲連副会長  全国飲食業生活衛生同業組合連合会の中島でございます。私は平成12年度当初より業 界を代表して検討委員会に参画してまいりました。  私ども連合会は、本年度現在、約11万5000組合員で構成されており、一般飲食店の主 たる業態は、申し上げるまでもなく、多様な業種が混在している業界でございます。  約款検討委員会においても、9回の検討委員会を行い、当審議委員会の長見先生にも 消費者代表としてのお立場からいろいろと御尽力をいただきました。その中において も、きょうまでさまざまな論議を重ねてまいったところでございます。  約款事項においては、特に地域における地産地消運動により、積極的に行政とタイア ップしながら、組合において取り組みを行う現在ではありますが、アピール食材の表示 として義務づけと規定し、施設面においては、受動喫煙防止対策の実施に、当連合会に おいても緊急課題として、飲食店営業の施設の分煙対策に努めて、研修会等を実施して いるところでございます。  飲食業界の立場で積極的に取り組みを行わなければならない問題については、常に営 業者は認識をして高めるところでございますけれども、消費者を意識した営業を行うこ とが今回の約款制度の重要な意味と思われるところでございます。  また、昨今の外食におきましては、消費者の食に対する安心、安全は不可欠なもので ありまして、組合でもBSE関連から鳥インフルエンザ等の問題に対して積極的に対応 をしながらも、消費者に安心して利用できる飲食店の環境づくりが第一と考えておりま す。  本日の分科会において御審議をいただき、登録開始を来年秋と位置づけているわけで ございますが、全国6カ所において開催しておりますブロック委員会において、約款制 度について詳細な説明を実施しているところでございます。  消費者の保護の観点及び低迷する飲食業界の活性化のためにも、標準営業約款制度の 加入促進に組合としても全力で取り組む次第でございます。  以上が、組合の現在の取り組みの実態でございます。 ○ 井原分科会長  どうもありがとうございました。 ○ 鵜飼委員  先ほど一言言い忘れましたので、つけ加えさせていただきます。 ○ 井原分科会長  どうぞ。 ○ 鵜飼委員  消費者の代表委員の方々から、そば粉の原産地をぜひとも表示していただきたいとい う要請がございました。しかしながら、そば製粉業界の団体や製粉の会社はこのことに 関して非常に積極的ではなく、非常に難しい返答でございました。したがいまして、こ の件につきましては消除させていただきました。  また、生活衛生関係営業の振興指針の見直しの中では、そば粉の原産地表示を徹底す るなど、安心で、消費者から信頼をされるよう、そば粉業界と連携を強化しながら、そ れを可能にしていくということで、とりあえずは消除いたしますが、いずれは表示でき るように努力をしていくつもりでございますのでよろしくお願いいたします。以上で す。 ○ 井原分科会長  ありがとうございました。それではこれから御審議をいただくわけでございますけれ ども、めん類飲食店、それから一般飲食店の双方の標準営業約款は共通点が非常に多い ということと、また、両者を比較しながら御説明をいただいたということがございます ので、あわせて御審議いただきたいと思います。  それではただいまから御自由に御発言をいただければと思います。よろしくお願いい たします。 ○ 安田委員  それぞれお伺いしたいことがございます。この両方の約款が通った後の困難度という ようなことですけれども、それぞれの加盟店さんは、めん類さんが3万5000くらいで、 一般飲食業は9万という ことですが、この状況ですぐにでも実施された場合、加入が 可能な状況にある店舗はどのくらいあるのかということをお伺いしたいと思います。  先ほど、おそばの場合では立ち食い店などは除かれるとおっしゃいましたが、特に(2) のあたりで、恐らく立ち食い店さんなどは入らなくなってくるだろうといった制約も感 じますし、私は老舗さんも立ち食い店さんも両方とも愛する者ですので、そういった方 々にどのような困難を及ぼすのかということをお伺いしたいと思います。  もう1点、一般飲食店さんの努力項目として(4)と(5)があり、めん類の方ではありま せんが、これについては何か特段の御事情があるのかということをお伺いしたいと思い ます。  小規模店舗では大変だと思いますけれども、特に出前のおそば屋さんやおうどん屋さ んもありますので、(5)あたりは入ってもいいかと思いますけれども、入っていないこ とについて何か理由があるのであれば教えていただけると幸いです。 ○ 鵜飼委員  まず、(2)の御質問についてお答えいたします。このことに関しましては、我々が営 業をしている日常の状況の中を見定めながら、こういったマニュアル等の策定などもし たいと思っておりますが、当初はなかなか足並みがそろわないと思います。  先ほど申し上げましたように、それぞれの営業の仕方の違いということがございます ので、やはり理解してもらっていくに従って、徐々に仲間がふえていくのではないかと 思っております。  これについては既にアンケートを取りましたが、アンケートの結果、60%近くから登 録するという回答をいただいております。 また、(4)と(5)についてですが、今、御質問のあった飲食さんの方の情報通信技術の活 用、それから宅配サービスの実施ということでございますが、まず私どもの方では、ま だまだコンピュータ等が設置されていない会員のお店が多いということが確認されてお ります。  宅配サービスにつきましては、皆さん御承知のとおり、そば、うどん店は出前も行っ ているということで、あえて約款の中には取り込まなくてもよろしいのではないかとい うことで、(5)については項目事項に入れてございません。 ○ 原田分科会長代理  (1)、(2)、(3)については、三つとも全部クリアすれば確かにすばらしいと思います が、それが60%ということで、これを必須条件にするということは優良店の絞り込みに なります。  逆に、このうちの一つでも表示をすればよいということにするのであれば、あまり強 い絞り込みにはならないけれども、何となく緩いという感じになると思います。  きちんと三つの条件を満たしていなければめん類飲食店としての条件を満たしている とは認めないと考えておられるのか、あるいは一つでもいいとするのかといったあたり のスタンスはどのように解釈すればよろしいですか。 ○ 鵜飼委員  この件につきましては、やはり三つともクリアすることに約款の意味があると思いま す。したがって、この方向に進まなければいけないと私は思っております。  また、先ほども申し上げましたけれども、この三つに関しては、既にほとんどがクリ アしているといっても過言ではないと思います。 ○ 原田分科会長代理  この三つの条件を満たしていけば、約60%をカバーできるということですね。 ○ 鵜飼委員  そういうことになります。 ○ 井原分科会長  そのほかに何かございますか。 ○ 原田分科会長代理  ほかに御質問がなければ、続けて御質問させていただきたいと思います。  一般飲食店営業に関しましては、(2)の消費期限等の表示がございますが、めん類に 関しましては対象外ということですけれども、めん類のお店でも、お土産等で外部に食 材が出ていく可能性はあると思いますし、場合によってはお店の入り口のところにコー ナーなどを設けて、お店の商品を販売している可能性も多分にあるのではないかと思い ますが、そういった場合、やはり(2)の項目を入れた方がよろしいのではないかと思い ます。  万一事故が発生した場合は損害賠償に応じなければいけないわけですが、そのときに (2)の項目が必須条件であれば、消費者側が期限の切れているものを食べて問題を起こ したような場合には、過失相殺のような対抗条件になってくるだろうと思います。(2) の項目についても、何らかの形で中に入れた方がよろしいのではないかと思います。  努力目標の方はそれぞれの業界で違いがあってもいいと思いますが、衛生というよう な問題を考慮したときに、特に被害等が消費者に及ぶ可能性があるものに関してはなる べく必須条件にするということで、両方の業界において利用できるものがあれば入れた 方がいいのではないかと思いますけれども、そのあたりはいかがですか。 ○ 鵜飼委員  我々そば屋では、つくったものを何日もおいてから売るということはまずあり得ない ことです。また、お土産で出すということがありましたが、私はお土産を出している店 を調べてはおりませんけれども、最近は生めんなどを売っておりますが、生めんは既に 製造年月日を記載するという義務づけがございますので、それに沿ってやっているはず でございます。  また、お土産などはその日に消費するということではないかと思います。ではない か、というようなことではいけないと思いますので、そうなるとやはり表示をしていか なければいけないかと思いますが、そうだとしますと、お土産についてはそういった方 向にしていくべきかと思います。しかし、今のところはそこまでやっていないのが現状 だと思います。  もしそれをやるということになれば、約款の中に文言として入れていくべきだと私は 思いますけれども、私どもの業界では、その日に出たものはすべて売り切ってしまい、 残さないという制度があります。  また、出前ということがありますが、出前先においても、私どもがつくっております 賠償責任共済でカバーできます。  また、今、おっしゃったような、いわゆる仕出し専門店、弁当の専門店につきまして は賠償共済から除かれます。ですから、例えば同一店舗でおそば屋さんと仕出し弁当屋 さんを営業している場合、引き受けできるのはおそば屋さんの店内もしくは出前先まで の部分でございます。 ○ 井原分科会長  小宮山委員からは何かございますか。 ○小宮山委員  業界それぞれのということで、この表に対比すると明確になるわけですが、既に鵜飼 委員もお話のとおり、現実としてはこうだということがありますけれども、一方で、利 用者がどう見るかということもありますので、御意見をいただければと思います。 ○ 長見委員  独自の約款事項というのは、それぞれでかなり努力をしなければいけないシビアな条 件を盛り込まれたと思います。小さい家族営業のようなところが多いわけですので、随 分努力をされて盛り込まれたと思っております。  また、今、めん類の消費期限の表示が出ましたけれども、生めんで持ち帰られるの か、ゆでた状態でお土産にされるのかということが御発言の中ではよくわかりませんで したが、持ち帰るということはあまり多くはないケースのように思います。  また、組合の方でお調べになって、そういったことが多いようであれば、独自の努力 目標として追加されればいいのではないかという気がいたします。 ○ 鈴木全国指導センター指導研修部次長  約款の検討委員会におきましては、特に飲食の業態から見て、仕出し弁当といったも のがあるだろうということで、それに対しては食品衛生法で法令上きちんと表示するこ とが決まっています。  ただ、なお、そういう業種であるとすれば、約款事項としてきちんと定めておいてほ しいといった消費者側の御意見がありまして、これを置いたわけです。  一方、めんの方では、今、お話がありましたように、法令上はきちんとやることにな っているわけですので、さらに約款事項として重ねてまでやる必要はないのではないか ということで、検討委員会の方ではそういった意見はなかったということでございま す。 ○ 井原分科会長  わかりました。要するに、まず損害賠償の点は問題がないということです。  また、もう一つは、ここに書いてある一般飲食店営業の場合というのは、二重に保証 をするということですが、めん類の方ではそういった事例はめったにないことですの で、二重に保証することもないのではないかという話だと思いますけれども、それにつ いて何か御意見はございますか。 ○ 松田委員  約款の見直し作業については、必要なときに見直すのか、あるいは何年後に見直すと いうことにするのかといったあたりで、決まりといいますか、考え方はありますか。 ○ 井原分科会長  それについては事務局の方から御説明をいただきたいと思います。 ○ 鈴木全国指導センター指導研修部次長  私の方から御説明をいたします。特に法令上、例えば介護保険法のように何年後に見 直すということはあると思いますけれども、約款事項に関しましては、建前としては一 応10年、20年を見通した上でつくっているものですが、やはり今おっしゃるように、時 代の変化、流れ、消費者の意識の変化、価値観の多様化といったことが今後ますます増 えるということになりますと、やはり5年ないしは10年で、そのようなものを全国指導 センターから提案して検討することもできると思いましたので、何年後に見直しをする というようなことは、この中では特に設定しておりません。 ○ 井原分科会長  要するに、少し古くさくなったということになれば当然見直すことになるということ ですね。 ○ 鈴木全国指導センター指導研修部次長  そうです。 ○ 井原分科会長  ほかにはいかがですか。特に御意見がなければ、先へ進めさせていただきたいと思い ます。  続きまして、事故賠償基準及び損害賠償保険約款について御審議をいただきたいと思 います。  今まで御議論をいただきました約款が外枠だとしますと、事故賠償基準というのは、 利用者がどのような損害賠償を受けるかを具体的に規定するものでございます。  当分科会といたしましては、本来は約款そのものが審議の対象ということでございま すけれども、事故賠償基準は約款に付随する重要な事項でございますので、これにつき ましても一通りの説明をいただいた後、議論するという手順で進めたいと思います。  この件につきまして、小宮山委員から簡単に御説明をいただきたいと思います。 ○ 小宮山委員  それでは私の方から御説明をさせていただきます。資料4のめん類と資料5の一般飲 食の内容は共通でございまして、全く同じでございますので、どちらかの8ページをご らんいただきたいと思います。  第1条は目的でございます。記載してございますように、相当の注意を怠ったことに より、消費者あるいは利用者の身体、持ち物等に損害を与えた場合、消費者に法律上の 賠償責任を負う場合についての合理的基準を定め、公平かつ効率的にトラブルを解決 し、消費者等の迅速な救済を目的としているということでございます。  めん類・一般飲食店における事故賠償基準の考え方や中身につきましては、先行して おります理容、美容、クリーニングの事故賠償基準に準じておりますが、飲食店におき ましては、食中毒事故といったことにつきましても、当然対応するということにしてお ります。  めん類と一般飲食店は、飲食店でございますので、それなりの損害賠償基準と損害保 険約款ということでやってまいりたいと思います。  第2条は定義でございます。営業者云々といったことが書いてございますけれども、 ごらんいただければわかると思います。  第3条は損害賠償の対象ということでございますが、対象としては四つのケースを定 めております。  (1)は業務遂行に起因する事故でございます。例えば、水まきをしていた際、通行 人に水をかけてしまった、あるいはテーブルに運んでいくときに転倒し、熱い汁等をか けてやけどをさせてしまったというような例です。  (2)は施設または設備の管理の瑕疵に起因する事故でございます。例えば、看板が 落ちて通行人にけがをさせた、棚が壊れてお客さんがけがをしたといったことでござい ます。  (3)は食中毒に起因する事故でございます。入院費あるいは治療費の負担、営業の 補てんといったことが考えられます。  (4)は消費者からの受託物の管理に起因する事故でございます。コートや傘、その 他の携行品、携帯品の紛失、または盗まれたといったことに対する損害ということを考 えております。  次のページの第4条は賠償額の算定ということでございます。算定につきましては、 商品の平均使用年数でありますとか、残価割合などを勘案して、ここに書いてございま すような方法で算出をするということになっております。  事故が発生した場合の補償限度額につきましては、この規程にはございませんけれど も、広報用資料等に別途記載をして、周知を図っていきたいということを考えておりま す。  例といたしましては、業務遂行施設設備の管理の瑕疵でありますとか、食中毒の事故 については1億円を限度とした保険ということで現在検討しているところでございま す。  10ページ以降では、商品別平均使用年数でありますとか、先ほど申し上げました残価 割合表といったものがございます。これらによって賠償額の算定をしていきたいという ことでございます。  12ページをごらんいただきますと、賠償責任保険普通保険約款とあります。これも消 費者の賠償を確実に行うために定めておりまして、一つは賠償責任保険普通約款、もう 一つは店舗特別約款、も う一つは受託物担保特約条項ということで、この三つの約款 で、先ほど述べた四つの事故のケースについて補償する裏づけとなる約款ということで 定めております。  一番といたしましては、賠償責任保険普通保険約款でいいますと、基本的な事項を定 めた約款ということでございまして、店舗特別約款は業務の遂行や施設設備の管理に起 因する事故、食中毒の事故に対応するために設けられた約款でございます。  三つ目の受託物担保特約条項は受託物の事故に対応するための条項でありまして、そ れぞれの詳細な説明は省略させていただきます。  また、資料の22、23、24ページでは、いろいろと工夫をした表も載せてございます。  また、これらを使いまして、今回新たに登録店であることを理解していただきたいと いうことで、先行しております理容、美容、クリーニングは20年前でしたので、ここま での工夫はなされておりませんでしたけれども、新たにめん類と一般飲食が参加すると いうことの効果がございまして、こういったことで工夫をして、消費者にさらに周知を していきたいということでございます。以上でございます。 ○ 井原分科会長  ありがとうございました。この事故賠償基準等について、何か御意見、御質問があり ましたらお願いいたします。 ○ 高橋委員  目的のところに、業務の遂行上相当な注意とありますが、どの程度の注意義務になり ますか。 ○ 鈴木全国指導センター指導研修部次長  民法商法上等の法令上、損害賠償に値する被害になるような注意を怠ったというよう な場合ということになろうかと思います。 ○ 高橋委員  注意義務というのは善管注意義務等いろいろとあると思います。例えば食中毒などだ と明らかに善管注意義務違反だと思いますけれども、それ以外に軽いものもあるという 理解でよろしいのですか。 相当とお書きになったのは、いろいろなものがあるので、 苦慮してお書きになったと思いますが、そういう見方でよろしいですか。 ○ 鈴木全国指導センター指導研修部次長  具体的にそういう事故として上がってきた場合には、組合あるいは保険会社等でも審 査をする形にはなるかと思いますが、一応は幅広くとらえておきたいと思っています。 ○ 井原分科会長  ほかに御意見がないようでございましたら、めん類飲食店営業及び一般飲食店営業に 関する標準営業約款並びに事故賠償基準等につきましては、当審議会では本案のとおり 了承したいと思いますが、それでよろしいですか。                (異議なしとの声あり) ○ 井原分科会長  ありがとうございました。それではここで5分間の休憩にしたいと思います。 ○ 岡部課長  今後の段取りについて、少しお話しをさせていただきたいと思います。 ○ 井原分科会長  どうぞ。 ○ 岡部課長  ただいま御了解をいただきました標準営業約款の今後の予定ということでございます けれども、厚生科学審議会の運営規程に基づきまして、分科会で議決をしていただきま したことにつきましては、厚生科学審議会の会長の御同意を得た上で審議会としての議 決になるという定めがございますので、ただいま議決をしていただきましたことをもち まして、審議会の会長に御同意をいただいた上で審議会の答申の手続をさせていただこ うと思っております。  答申書につきましては、各先生方に後日お送りをさせていただきたいと思っておりま す。  また、私ども厚生労働省といたしましては、答申を受けまして、これを官報に告示す るという手続がございます。  また、全国センターからの認可申請をいただいておりますので、答申を踏まえて、今 後の手続を進めさせていただくということでございます。  また、冒頭に御説明申し上げましたように、この標準営業約款が具体的に動き始めま すと、全国指導センターあるいは各都道府県センターの方で登録事務等をやっていただ くということがございますので、そういった事務事業が円滑にできるように、センター の方とも十分に連携を取りながら進めさせていただこうと思っておりますのでよろしく お願いいたします。 ○ 井原分科会長  それでは休憩に入ります。                   (休憩) ○ 井原分科会長  それでは再開させていただきます。本日の議題2、飲食店営業(めん類)、旅館業、 浴場業の振興指針の改正につきまして御審議をいただきたいと思います。まずは岡部生 活衛生課長より御説明をお願いいたします。 ○ 岡部課長  それでは振興指針の関連につきまして御説明をさせていただきたいと思います。お手 元にお配りしております資料10、資料12、資料13、資料14、資料15といったあたりの資 料を使わせていただきながら、御説明をさせていただきたいと思います。  そもそも振興指針とは何かということで、こちらは毎年度御審議をいただいておりま して、これまでに御説明をさせていただいたかと思いますので、簡単に触れさせていた だきます。  資料10の冒頭に、振興指針の設定目的と書かれております。生衛業の振興を計画的に 推進していくということによりまして、公衆衛生水準の向上及び利用者の方々の利益の 増進に資するということを目的としたものでございます。  この振興指針は、業界全体の振興を図るための指針という性格と、この振興指針に基 づきまして、各組合の方が振興計画を定めるわけでございますが、その際の認定基準に なるわけでございます。  これは厚生労働大臣が審議会の御意見をお伺いした上で設定させていただくのが生衛 法での規程でございまして、これまで4、設定業種の部分に掲げてございます16の業種 について設定をさせていただいております。  振興指針を定めた場合、あるいは今回のように改定をさせていただいた場合には告示 をさせていただくというものでございます。  資料12では、概要ということで、かいつまんで三つの業種の振興指針の概要を記載さ せていただいております。それぞれの指針は13以下にございますけれども、時間の関係 もございますので、概要に沿いまして簡単に御説明をさせていただきたいと思います。  今年度が5年目に当たる三つの業態についての共通的な考え方といたしましては、昨 年御審議いただきました五つの業態と同じようなことでございますが、策定5年後に見 込まれる業界全体の需要額のトータルでの推計ということを行っておりますけれども、 そういう社会的な意味合いがなくなったという御意見が資料11で取りまとめていただい たものでございますが、それに則した格好で整理をさせていただいております。  それぞれの振興指針の組み立てといたしましては、三つに分けまして、まず営業者の 方々が自主的に取り組んでいただくべき事項。二つ目に、営業者の方々に対する組合あ るいは連合会の支援のフレームワーク。また、私どもも含めた行政が支援すべき内容と いうことで、大きく三つの分野に分けまして、それぞれについて記載をさせていただい ております。  また、現行の振興指針の内容を再点検いたしまして、スリム化できるところにつきま してはスリム化をさせていただいております。  また、営業の振興に合わせまして、環境保全、リサイクルといった、営業に伴って生 じる自然に対する負荷等についての取り組み。また、消費者の方々の少子高齢化への対 応、それから、実際に個々の営業者の方が取り組んでいる地域との共生といったことに つきましても、振興指針の中に合わせて記載をさせていただいております。  私ども事務局の方で、今回の三つの業態の各業界の方々と意見交換をさせていただき ながら、たたき台を作成致しまして、事前に先生方へ送らせていただいております三つ それぞれの振興指針の概要を、資料12に基づきまして、具体的に御説明をさせていただ きたいと思います。  まず、めん類の飲食店営業の振興指針の概要ということでございます。第1、振興の 目標ということで、取り巻く環境の変化といったことで幾つか触れさせていただいてお ります。御案内のとおりの景気環境ということで、外食に対する需要が減ってきている 中、めん類にもそういった影響が出てきているということでございます。  また、コンビニエンスストアや低価格のお弁当屋さんといった業態との競争、また、 同じ業態の中でも、最近特に関東などで伸びてきている讃岐うどん店などの動きがある ということです。  また、消費者の方々からの情報の開示の御要望といったことがございます。先ほど標 準営業約款を御審議いただいたわけでございますが、その際にも、どういったつくり方 をしているのかというようなことも含めまして、消費者の方の食に対するいろいろな意 味での情報開示というものの需要が高くなっているということでございます。  また、高齢化あるいは後継者の問題といったことが出てきているということでござい ます。  また、今後5年間ということで、新しい振興計画のターゲットといったことについ て、2に書かせていただいております。  (1)は飲食店関係であれば当然でございますけれども、衛生水準の維持向上を図ると いうことで、食中毒等の事故を減らしていくということでございます。  (2)は、安全で信頼できる商品の提供ということで、消費者の方々への情報提供に積 極的に取り組んでいただくということです。  (3)は、高品質のそばの提供ということで、先ほどの約款の中でも出てまいりました けれども、そば粉の割合でございますとか、自家製のつゆ、めんというようなことで、 クオリティーの高い商品を提供していただこうということでございます。  (4)は、消費者のニーズに合った新しいメニューやアピールの仕方ということを通じ ての経営改善というようなことが必要ではないかということで書かせていただいており ます。  第2といたしまして、目標を達成するために必要な事項として、まず営業者の方々に 自主的に取り組んでいただくべき事項といたしまして、(1)衛生水準の向上に関する 事項といたしましては、日 常の衛生管理、従業員の方の健康管理、自主点検、衛生面 における施設・設備の保持改善といったこ とでございます。  また、(2)経営課題への対処ということで、それぞれの経営者の方が御自分のお店 の経営方針というものを明確にし、また、それぞれのお店の独自性といったものに、こ れからの経営問題へ取り組んでいただく基本的な姿勢が必要なのではないかということ や、サービスの見直し、高度化メニューの開発というようなこと、あるいは施設・設備 の改善というようなことで、バリアフリーですとか、 自家製のめんの設備、禁煙等へ の取り組みということでございます。  それから、IT等を活用した新規顧客の獲得や、お店のPRというようなこと。それ から、標準営業約款を導入することによりまして、表示の適正化あるいは苦情の適切な 処理といったこと。さらに人材の育成、自己啓発といたしましては、技術や技能の向 上、また後継者の方あるいは従業員の方に対する適正な労働条件の確保というようなこ とが必要になってくるのではないかと思います。さらに外部の方々の経営診断というよ うなことも活用することが必要な場合があるだろうということでございます。  2といたしましては、営業者の方々に対する支援ということで、まず組合や連合会が どういった支援を行うかということについて、衛生に関する知識及び意識の向上に関し て、各種の研修会や講習会を通じた知識等の普及啓発、または共同施設や共同設備を改 善するといったこと。さらには消費者の利益の増進や、接客マニュアルを業界単位でつ くっていくということや、啓発講座などをやっていくといったこと。それから賠償責任 保険などへの加入促進を図っていくということでございます。  また、経営の近代化や合理化という観点では、先駆的な経営事例などをまとめていた だきまして、そういった点でお悩みの営業者の方に情報提供をしていくというようなこ とが考えられるのではないかと思います。  技能の改善というようなことでは、研修会、講習会、あるいはそれぞれ培ってこられ た技能を発表するような場の設定といったことが考えられると思います。  また、事業の共同化、協業化の推進。  それから取引関係の改善ということで、先ほど製粉業界とのお話ということで産地の 表示といったことがございましたが、そのように食材を仕入れる段階で関連する団体と のいろいろな意味での連携を強化していくことが必要だろうというようなことがござい ます。  また、従業員の方々に対する福祉の充実、事業の承継や後継者の支援といったことが 必要になってくると思います。  行政あるいは政策金融といったことを通じての営業者の方々に対する支援といたしま しては、都道府県指導センターが都道府県ごとに置かれておりますが、利用者の方々か らの苦情相談、あるいはそれを定型化した形で営業者の方へフィードバックすることに より、利用者の方々の意を受けた経営やサービスの提供といったことが考えられます。  また、全国の指導センターといたしましては、情報提供や苦情等の定型的なものに対 する対応の仕方、それから標準営業約款制度の促進といったことがあるわけでございま す。  私ども国、あるいは都道府県といたしましては、法令の施行や指導あるいは情報提供 というような形で、それぞれの営業者の方々に必要な援助あるいは助成等をしてまいり たいということです。  また、国民生活金融公庫等を通じました生活金融といったものもしっかり機能するよ うに、私どもとしても努力してまいりたいというふうに思っております。  第3といたしましては、営業の振興に関し配慮すべき事項ということで、環境の保全 及びリサイクルということで、先ほども食品リサイクルの話が出ておりましたけれど も、環境への負荷が減るように、こういったものを計画的にリサイクルする、あるいは 廃棄物として出てくるものの量を減らしていくということです。  また、少子高齢化ということで、バリアフリーや高齢者の方に対するメニュー、ある いはそういったものを出前にしていくということ。  それから子供たちのそばに対する関心を高めてもらうといった観点からは、そばの花 観察運動等を通じて、そばは食べるものですが、植物として非常にきれいなものでござ いますので、そういったことを知っていただくということでございます。  また、地域との共生ということでは、既にやっていただいているところもあるわけで ございますけれども、地域のまちづくり、ほかの業種との連携。  また、経営などに直接関係するということではございませんが、共に歩み、生活して いく地域の防犯や防火パトロールに、めん類の飲食店の方々も積極的に取り組んでいた だいておりますし、そういった運動を広げていくということが必要なのではないかとい ったことを記載させていただいております。  引き続きまして旅館業の振興指針でございます。フレームワークは今、申し上げたと ころと共通している部分もございますが、まず営業者の振興の目標ということで、旅館 業を取り巻く環境の変化ということでございます。  一つは旅行形態の変化ということで、団体旅行あるいは企業等の福祉的な旅行といっ たものから、個人なり家庭を中心としたものへの移行というものがだんだんと進んでき ているということがあります。  また、温泉ブームやエコツーリズムという形で、新しい形態等々もあらわれてきてい るということがあります。  利用者層の二極化ということでは、景気の低迷ということもございまして、価格に対 して非常に感応度の高いお客様がふえてきている一方で、あまり利用価格についてはこ だわらないけれども、高級志向ということで、せっかく来たのだから一番高いサービス を受けたいという方もいらっしゃるということで、そういった意味での二極化が非常に 進んできているということがございます。  それから施設・設備の老朽化、サービス内容の陳腐化、経営改善の遅れといったこと によって、バブル崩壊後の経営がまだまだ苦しくなってきているようなところもあると いうことでございます。  また、人権擁護問題ということで、ハンセン病の関係者の方々に対する宿泊拒否とい うことが社会的にも大きな問題になりましたけれども、こういった点についての認識を 深めていただくということ。 それから、盲導犬等の補助犬を広く活用できるような方 向で対応していくといったことも必要なのではないかというふうに考えております。  今後5年間の営業の振興の目標といたしまして、まず衛生水準の維持向上ということ で、建築物あるいはそこで提供していただいております飲食物の衛生水準の確保といっ たことがございます。  また、個々の営業者の方々の経営戦略ということにもなりますけれども、お店や旅館 などを使っていただく利用者のニーズに合った付加価値をどのように高めていくのかと いうことが経営の改善あるいは事業の再生につながっていくということです。  それから、高齢者等に配慮した施設や設備の改善ということで、利用者の方に優し い、あるいは地域と一体的な宿づくりといったことが一つの目標になるのではないかと いったことでございます。  また、目標を達成するために必要な事項として営業者の方々に取り組んでいただくべ き事項といたしましては、衛生水準の向上ということで、日常の衛生管理、それから従 業者の方の健康管理や衛生教育、地震や暴風といった危機管理、あるいは防火等の安全 対策というように、宿泊施設であるということから生じるさまざまな安全や衛生の確保 ということに引き続き取り組んでいただく必要があるだろうということです。  それから、経営課題という点では、それぞれの営業者の方々の経営方針の明確化、自 分の旅館等がどういう独自性を発揮していくのかといったあたりの戦略的な目標の設定 というようなこと。それから、それを踏まえた基礎のサービスの見直し、あるいは新し い取り組みといったものも必要になってくるだろうということです。  また、施設設備の改善ということでは、高齢化への対応等々があるわけでございま す。  それからITを活用した新規顧客あるいはリピーターの確保といったようなことで、 先進的な技術等も活用していくことが望ましいのではないかということでございます。  また、表示の適正化、苦情の適切な処理ということで、昨今、温泉の成分表示という ようなことも非常に大きな社会的な関心になっておりますけれども、これは環境省の方 で別途実態調査あるいは温泉法の議論も上ってきているようでございますが、利用者の 方々に提供するサービスの適正な表示といったようなことは、当然営業者の方々にとっ ても大事なことだろうというふうに考えております。  また、従業者の方の資質の向上ということで、接遇なりサービスの改善、適正な労働 条件の確保ということがございます。  それから、経営診断ということ。  また、シルバースター登録制度と書かせていただいておりますが、旅館組合の方でや っていただいております高齢者の利用に優しい宿ということで、こういったものの推進 といったことも、有効な対応方針になるだろうということでございます。  それから、営業者の方々に対する支援ということでは、研修会や講習会を通じた知識 あるいは意識の改善。あるいは施設・設備に対する改善の促進。それから各種のマニュ アル等をつくることによって、具体的なサービス向上につなげていくというようなこ と。あるいは業界全体としての苦情処理の対応といったものが考えられるということで ございます。  次のページに移りまして、経営管理の近代化及び合理化ということがございます。こ れは、これをすべて真似すればどうということではないと思いますけれども、先駆的な 取り組みをしているところの経営実態等を見ていただくというようなことによる経営の 近代化合理化といったものの取り組みが可能になってくるだろうということでございま す。  また、従業員の方々や営業者の方々の研修会や講習会、それから接遇サービスも含め た技能の向上といったようなこと、それから事業の共同化、協業化、取引関係の改善、 福祉の充実、事業の継承及び後継者の支援といったようなものは、3業態を通じて共通 の課題とも言えると思いますけれども、そういったものへの支援を組合等でやっていた だこうというものでございます。  また、行政あるいは都道府県のセンターといったものも、苦情の処理や、組合への加 入促進、情報提供、あるいは私どもとしては各種の税制や補助金等の確保を通じた奨励 策の活用、それから公庫の方でやっていただいております政策融資を活用していただく ような取り組みといったことが必要になってくるだろうということでございます。  第3の営業の振興に関し配慮すべき事項としましては、環境の保全及びリサイクル対 策の推進ということで、これは食品関係に共通するわけでございますけれども、高齢社 会への対応ということでは、健康管理のために旅館やホテルを活用するといった取り組 み、あるいはデイサービスを旅館などで福祉施策と連携したような形でやっていくとい うような取り組みをやっておられるところもありますし、これから取り組もうというよ うなところも増えてきているというふうなことでございます。  また、地域との共生ということで、トラディショナル・ジャパン運動というものを旅 館組合の方でもやっていただいているようでございますが、これはお見えになったお客 様等に、日本のよい伝統や地域で共通の伝統文化を提供していくというような取り組み であるというふうにお聞きしていますが、こういったことを通じた面的なよさをアピー ルしていくというようなことがあろうかというふうに思っております。  続きまして浴場業の振興指針ということでございます。まずは振興の目標に関する事 項といたしまして、浴場業を取り巻く環境ということで、1点目は自家風呂が普及して きて、だんだん利用者の方が絶対的に減ってきているということと、一方でヘルスセン ター、健康ランド、スーパー銭湯、あるいは行政等が関与している第三セクターという ような形で、異なる形態での浴場業への参入、また、顧客がそちらへ流れていっている というような動きが見られるということがあろうかと思います。  それから、施設・設備の老朽化や、そういったものを通じた経営環境の悪化というよ うなこと、それから後継者難による転廃業などが継続的に進んできているというふうに 整理をさせていただいております。  今後5年間の振興の目標といたしましては、衛生水準の維持向上ということで、公衆 浴場としての建物あるいはお風呂場の衛生水準の確保。  それから、利用者のニーズに合った付加価値を増やしていくということで、先般の国 会で法律が通りまして、公衆浴場を地域の健康づくりの拠点でありますとか、あるいは 地域コミュニティーの住民福祉の向上ということで、その下の(3)の部分とも共通する わけでございますが、そういった住民の方々の憩いの場として活用していただく、ある いは地域の福祉の拠点として活用していただくといったことを、行政なりと連携をしな がら進めていくといったようなことでございます。  また、新しい取り組みに対する積極的な情報提供というようなことが必要であろうか というふうに整理をさせていただいております。  目標達成のために必要な事項ということで、営業者の方々に取り組んでいただくべき 事項としては、日常の衛生管理、あるいは従業員の方の健康管理や衛生教育の徹底を通 じた衛生水準の向上に取り組んでいただくというようなこと。  また、経営課題に対する取り組みといたしましては、これもある意味では3業態で共 通するわけでございますけれども、それぞれ経営していただいている地域の特性なり、 自分のところの考え方を明確にして、なおかつ独自性を出すといったようなことでござ います。  また、健康入浴や生活習慣病というようなことで、お風呂というのは日本の気候やあ るいは長く培われてきた文化というようなことでもございますので、そういったもの を、健康づくり、あるいは健康診断といったものに活用していただくような工夫や、あ るいはそういったことができるような条件整備に取り組んでいただくということ。  それから施設や設備の改善ということでも、先ほど申し上げましたような福祉的な憩 いの場、あるいは地域コミュニティーの一つの機能をそういった場で活用してやってい ただくために必要なものの整備、それからIT等を活用した対外的なアピール、それか ら表示の適正化あるいは苦情処理、人材育成・自己啓発、外部のコンサルタント等を活 用した経営診断といったあたりも、少しずつ切り口は違うかもしれませんが、三つの業 態で共通すべき取り組みということかと思います。  また、営業者の方に対する支援ということでございますが、新しい知識や衛生に関す る講習会、研修会の開催、それから接客マニュアル、苦情処理のマニュアルといったよ うなもの。あるいは地域における銭湯マップ等の整備、あるいは広報、それから先駆的 な経営事例の取り組みの情報提供、あるいは健康づくりという観点から、銭湯、入浴と いうものが持つ医学的な効用、あるいは健康に良い入浴の仕方に対する研修会、講習会 というようなこと、それから取引関係あるいは従業員の方々の福祉の充実、それから事 業の承継のために必要な支援といったものがあろうかと思います。  行政等が行いますものも、共通している部分がございますけれども、都道府県センタ ー、全国センターあるいは私どもを含み都道府県、それから公庫が、それぞれの立場か ら公衆浴場業の振興のために必要な支援を引き続き実施してまいりたいというふうに整 理をさせていただいております。  それから、振興に際し配慮すべき事項といたしましては、環境の保全ということで、 公衆浴場の場合は相当大量の水、あるいはお湯を沸かすときにいろいろなものを燃やし たりもいたしますので、そういった面での環境に対する負荷、あるいは地域との共生と いったようなことも含めて、環境に対する取り組みが必要であろうということでござい ます。  また、少子高齢化への対応ということでは、バリアフリーでございますとか、デイセ ントーあるいは子育て支援といったようなことが新しい取り組みとして考えられるかと いうことでございます。  地域との共生ということでは、先ほども触れさせていただきましたけれども、文化活 動や福祉活動あるいは健康づくりの場として公衆浴場を大いに活用していただく、ある いは行政と連携しながら、そういったことを進められるようないろいろな工夫をしてい くということが必要かといったことでございます。  以上が概要でございます。本日、御意見をちょうだいいたしまして、次回は11月8日 にこの分科会をもう一度お願いすることにしておりますが、その際に本日の御意見も踏 まえて正式に諮問させていただき、御審議いただこうと考えております。以上でござい ます。 ○ 井原分科会長  どうもありがとうございました。それではまた御意見をいただきたいと思いますが、 三つございますので、一つずつについての御意見をいただいていくという形を取りたい と思います。全体に関する御意見もあるかと思いますけれども、それはそれぞれの業の 振興指針のときにおっしゃっていただければと思います。  それでは最初に飲食店営業の振興指針につきましての御意見をいただきたいと思いま す。 ○ 柳澤委員  飲食業、それから旅館もそうですけれども、循環資源の再生利用の実施率を平成18年 度までに20%という数値目標が出ておりますが、現在はどのくらいであると見込んでお られるのかといったことをお伺いできればと思います。 ○ 皆尾補佐  今、全国指導センターの方で、食品リサイクルの事業といいますか、生衛業のための 食品リサイクル推進指針をつくって事業の推進を図っております。再生利用の実施率に ついては、はっきりとした数字は出ておりませんけれども、農水省あたりの数字です と、生衛業については非常に低い数字を示しています。  手元に資料がないのですが、13年のころの数字でいいますと、生衛業関係は10%に達 していないくらいだと思います。  食品リサイクル事業の一環として、どれくらいの数値になったかということを、全国 指導センターを通じて、調査をしてみようというような構想もございます。 ○ 井原分科会長  それは、今後定期的にきちんととらえられるようになるということですか。 ○ 皆尾補佐  定期的に調査をするかどうかということまではまだわかりませんけれども、農水省の 方も独自でいろいろな調査をしているようですので、将来的には数字的に拾っていける のではないかと考えています。 ○ 長見委員  旅館業の方でもよろしいですか。 ○ 井原分科会長  どうぞ。 ○ 長見委員  5ページに、インターネットによる予約の受付というようなことが書かれています が、確かに今、国内的に、日本人に対してはかなりいろいろな情報が出てくるようにな っていますけれども、政府は今、国際的な観光を促進したいということを言いだしてい ますが、外国語表示による日本旅館のよさということが書いてありますけれども、それ はまだ情報交換としては非常におくれているような気がします。  海外のホテルなどの予約はほとんどインターネットでやることができるので、情報も そうですが、そういったところでは旅館自体ももっと努力しなくてはなりませんけれど も、やはり支援というものが必要ではないかと思っておりますが、いかがですか。 ○ 岡部課長  御指摘のとおり、振興指針の中でも具体的に書かせていただいております。先ほど旅 館業を取り巻く環境ということで、国内なり企業を中心とした団体旅行のお客様が多か ったものが、個人のお客様に移行しているということ、それから海外からのお客様をど う誘致してくるかということが、これから生き残っていく、あるいは経営をうまく進め ていくひとつのポイントになると。  既に地域や各都道府県などで、例えば九州などではアジアの国々や地域で開かれると ころに、観光部といったところが直接行って、ある特定のホテルや旅館のPRというよ りは、地域の観光地の売り込みといったことをやっておられるというようなことが報道 されたりもしておりますが、我々としても当然、海外からのお客様にまずアクセスして いただくためには、その旅館あるいはホテルの持っている売りや、提供できるサービス の中身が、具体的に、海外のお客様にアクセスしやすいような形態で出ていくというこ とが一番大切なことだろうと思っております。  そういったことから、ITあるいはホームページを活用して日本旅館等のよさをアピ ールしていくということで、基本的にはそれぞれの営業者の方で取り組んでいただくこ とが原則になるとは思いますけれども、私ども行政として、どういう形でサポートでき るのかというようなことも、一つ一つのお店について我々が直接申し上げることは難し いと思いますけれども、行政が御協力できるフレームワークというようなものも、組合 や連合会といろいろと御相談をしながら考えていきたいと思っております。 ○ 井原分科会長  標準的なメニューをつくってもらえると、導入が非常にしやすくなるということにな りますか。 ○ 長見委員  いえ、地域的でいいと思いますけれども、やはり外国語でのアクセスができるような いろいろな工夫がサポートとして必要なのではないかと思います。  例えば、英語はもちろんですけれども、韓国語や中国語も必要になってくるので、ど うしてもそういったサポートがないと、個別の旅館ではなかなか大変なことではないか と思います。 ○ 井原分科会長  今の考え方には二つがあって、営業者とは別のところでやるという話と、営業者のホ ームページにそれをすべて入れておいて、しかしそれを営業者がそれぞれでつくるのは 非常に大変ですから、標準的なものをどこかでつくっていただくということですか。 ○ 長見委員  それもいい手法かもしれません。そのあたりはいろいろと考えて、やはりそこが支援 だと思います。 ○ 石川専務理事  今、国土交通省の関連で、国際観光協会というものがございまして、この傘下のとこ ろはかなりグレードの高い旅館でございます。そういったところは、個別でホームペー ジに英語や韓国語を出しております。また、必ず外国語を話せる人がいるというような ことでやっております。  それはビジットジャパンということで、これから外国人をどんどん日本に呼び込もう ということで、我々のところも、そういう個別の企業ではみずから外国語を取得しなが ら、また、先ほど課長さんからもお話がありましたように、九州の方では韓国語のホー ムページを出しているというようなことでかなり努力しています。これから数年たつと かなり違った形になると思います。  今の御指摘のように、日本語でも、我々でもなかなか行けない湯原の方に入ってきま す。それはだれが入ってくるかというと、日本人が入ってきます。ホームページを見る と、日本に来たいから、そのときはぜひ寄りたいと、このように温泉を求めての療養と いうことで来ます。  ですから、我々も今努力していますので、いずれ2、3年たったら、先生がおっしゃ ったことはだんだん解消されてくると思います。私どもも努力していますので、またお 気づきの点がございましたら御示唆いただきたいと思います。 ○ 鵜飼委員  資料12の2ページ(2)行政施策及び政策金融による営業者の支援の部分の一番上 に、都道府県指導センター(苦情伝達、保健所と連携した組合加入促進)というところ がございますが、実は私どもそば屋の組合加盟店はどんどん減ってきている状況です。 東京だけを見ても年間100店以上がどんどん営業を取りやめていってしまっています。  それには後継者の問題や、自分自身の高齢のためといったいろいろな事情がありまし て、これは仕方のない事実でありますけれども、一方で、アウトサイダーというよう に、組合に入らずに、そば屋、うどん屋を経営しているところがかなり多くあります。  かつて10年くらい前までは、東京都内だけでも4200、4300店の加盟店があったのです が、現在では3000を欠けるという状況になっております。  営業許可を取るために当然保健所へ行くわけですが、そのときにいろいろな対応をし ていただきたいと思います。つまり、営業許可をもらいに来たときに、あなたの御商売 は主に何を売りにしていますかということを一言聞いてもらいたいと思います。そばな のか、あるいは中華料理か、すしかというようなことで、いろいろなものを一緒にやっ ているお店もありますが、主に何かということを聞いていただいて、例えばそばを主体 にしているということであれば、めん類業界を通じて、今後のいろいろなことの中で情 報をもらってはどうかというような一言があることによって、アウトサイダーで営業を している人たちが我々の中に加盟してくるのではないかと、勝手な考えですが、そうい う指導もしていただければと思っております。以上です。 ○ 皆尾補佐  その件に関して、昨年にすし業の絡みでお話がございまして、食品衛生法では営業許 可の業態が生衛法とは違いますので、都道府県を通じまして、生衛法令に定める業種区 分に対応するそれぞれの同業組合が存在することを啓発し、加入の促進ということをや っていただけないかということで、昨年と今年と2回同じように通知を流しているとこ ろです。実態がどのようになっているかということはわからないのですが、業界ごとの パンフレットを保健所の窓口に置いてくださるようにといったことも含めて、お願いを しているところではございます。 ○ 鵜飼委員  わかりました。ありがとうございます。 ○ 大澤委員  あちこちでバリアフリー対策といいますか、高齢者の対策ということが出てきていま す。例えば資料12の4ページにございますし、資料13の8ページにも、高齢者が住みな れた地域社会で安心して云々ということがありまして、結局足腰の悪い高齢者、あるい は身障者でも気楽に立ち寄れるようにということがあるのですが、現在はなかなか立ち 寄れる状況ではなく、例えば障害者の方が断られてしまって、がっかりして帰ってくる というようなことが結構ございます。  このあたりの今後の対策と、お店まで行って断られるということではなく、うちは大 丈夫ですということを示すマークなどをつくっていただくというような対策ということ も必要なのではないかと思います。少子、高齢の両方と、障害者を含めての対策という ことでいかがかと思います。 ○ 井原分科会長  盲導犬が入れないというような問題もありますね。 ○ 大澤委員  そうですね。その問題もあわせてあると思います。 ○ 原田分科会長代理  Sマークが将来的にはそういった役割を果たしていくのではないかと思います。 ○ 井原分科会長  私は最初に一つずつ進めると申し上げましたが、話題が広がっておりますので、御意 見がございましたら、どこからでも結構ですので、いただきたいと思います。 ○ 片岡委員  サービス連合の片岡と申します。旅館業の振興指針の内容全般について賛同する立場 から、意見というよりも要望になると思いますけれども、一言申し上げたいと思いま す。  私どもの労働組合でも、この間、宿泊産業をめぐる雇用問題が大変多く発生をいたし まして、その対策に追われる状況もあります。そういった意味では、旅館業は大変厳し い環境下にあるという認識をしているところです。  一方で、産業政策ということが大変重要だというふうに労働組合としても考えている ところですので、今後、振興指針をぜひ積極的に、組合あるいは営業者の方々へ広く支 援も含めて広めていただき、積極的な行動を促すように施策を進めていただきたいと思 っております。  少し御紹介をさせていただきますと、私ども労働組合でも、ここに書かれている幾つ かの事柄について、例えば先ほど御意見のありましたバリアフリーの問題ですとか、地 域との共生といった課題につきましては、働く者の立場から、産業政策という一つの課 題を通じて議論をしておりますし、あるいは障害者とともにバリアフリーを検証する旅 などを企画したり、実践をしたり、あるいは地域の営業者の方と一緒にシンポジウムを 開催したり、先進的な旅館の事例なども勉強するというようなこともやっております。  これらの目的というのは、やはり振興指針で書かれたことなどの実現を通じて、働く 者の働きがいですとか、意欲の発揮につながると考えてやっているところです。  そういった事例などについては労働組合としても関心を持っているところですので、 申し上げましたように、ぜひ指針の積極的な活用に向けて、行政の皆さん、あるいは組 合の皆さんに施策を御支援いただきたいというふうに思います。  また、これは旅館業の振興指針を読ませていただいて気づいた感想ということで受け とめていただければと思いますが、項目の中で、営業の振興に関し配慮すべき事項と書 かれておりますけれども、これは配慮すべき事項というよりも、積極的に促進をする事 項といった意味合いの方が非常にポジティブに感じられるのではないかという感想を持 ちました。  特に旅館業では、申し上げましたように、バリアフリーや地域との共生ということを 積極的にやるべきであるということで、文言についてはそのような感想を持ちました。 以上です。 ○ 井原分科会長  ほかにはいかがでしょうか。 ○ 安田委員  2点お伺いしたいことがあります。まず旅館さんですが、確か旅館さんの中には、イ ンターネットを活用してお客様を集める手段として、全旅連さんがおつくりになってい る宿ネットさんというホームページのお名前が具体的に出ておられます。  私はここへ来る前に拝見してきたのですが、つくづく思い出してみても、振興指針の 中で具体的なホームページの名前が挙がっていたことはどちらの業界さんでもなかった ので、画期的な試みだなと思いました。  この点、しばらく変わらないという点もありますし、全すし連さんなどでもホームペ ージをお持ちでしたが、そういったことは全くなかったので、これはいいのかというこ とをお伺いしたいということが一つです。  もう一つは、4ページの9行目に、恐らくお手頃のことだと思いますけれども、手心 と感じられる料金の設定、という記述がありました。どうでもいいようなお話ではござ いますが、気になりましたので指摘させていただきました。 ○ 岡部課長  今、インターネット等を通じた宿泊施設の御紹介というのは、ビジネスとして独立し てやっておられるものもございますし、ここはこうだったというふうに自然発生的に出 ているというようなものもありますけれども、個々で具体的な固有名詞を出させいただ いております宿ネットというのは、全旅連で運営していただいているサイトであるとい うことで具体的にお名前を出しております。  それ以外のところでもいろいろとおやりにはなっておりますが、例示として出させて いただいているということでございます。なぜこれを例示にしているかというと、特定 の営利企業ということではなく、組合の方で運営されているということで出させていた だきました。 ○ 井原分科会長  ほかには何かございますか。 ○ 原田分科会長代理  本当に細かいことで恐縮ですけれども、めん類のところで具体的な流れが出ているの ですが、指針はなるべく、例えば、というような表現をしていただいて、具体的な活動 を例示するということではなく、本来はどういった活動をするかということは業者の自 由選択だろうと思いますので、日本の伝統云々といったところはそのままでいいと思い ますが、学校やカルチャースクール等、という部分の前に、例えば、と入れていただく というようにしていただいて、具体的にこれをやりなさいというような形はどうかと思 います。  また、必要とされる、という言葉と、期待される、という言葉がありますけれども、 必要とされる、よりは、期待される、という表現の方が例示には合っているのではない かと思いました。 ○ 岡部課長  御指摘を踏まえて、次回までに検討させていただきます。 ○ 井原分科会長  振興指針というのは夢が持てる振興指針であることが望ましいのだろうと思います が、縮こまってしまっている業界をどうすれば膨らむ可能性が持てるのかということは 夢につながると思います。  もう一つは、世のため、人のためにきちんとやるということが夢を持てる要素になっ ているのだろうと思いますけれども、この中にはいろいろな芽が書いてありまして、高 齢化社会というようなものにどのように対応して、世のため、人のため、それからまち づくりという要素も全部入ってきているわけですが、そういったことからしますと、ど こかに1行、夢を持てる振興指針であるというようなことを書いていただくと、相当印 象が違うのではないかという気がしております。種はたくさん入っていると思います。  また、先ほどから少し気になっていることがあるのですが、アウトサイダーがどんど んと増えているという問題がありました。これは恐らく、組合員になることにメリット を感じていないということだろうと思うのですが、それには何かはっきりとした理由と いいますか、状況の分析があるかどうかということがもしわかるのであれば教えていた だけないでしょうか。 ○ 鵜飼委員  恐らく飲食店の営業許可店数は約6000店くらいございまして、そのうちの半分が私ど もの生活衛生の組合員になっています。  これは全国的に見ても同じような状況でございまして、恐らく末端の組合員さんで は、一般組合費、支部費、旅行の積立金などで、1万円近い会費を払っているというこ とが推測できます。  また経済的なメリットというのは、いわゆるアウトサイダーの方にはなかなか見えて こないということがあると思います。例えば、そば粉の問題や、夏場では冷や麦などが ありますが、組合の方で、1箱3000円と決めますと、ほかの製めん業者も大体それに倣 うか、そこから100円ほど下げた価格で売っているというメリットがございます。  また、先ほど申し上げましたように、私どもの賠償責任共済は、今のところお店の売 り上げや面積にかかわらず、1店舗1万円で加入しています。実際に個店でそういった 保険をかけますと、ある程度の規模では2万円や3万円くらいの掛け金になりますが、 こういったものがなかなか浸透していかないということがございます。  また、各保健所の方に組合加入のパンフレットを置いてあっても、なかなか今、新し く進出してくるめん類の業者はあまり興味がないということが現状ではないかと思いま す。  また、いわゆる組合というのは、情報の供給や材料の共同仕入れのほかに、いわゆる 支部ごとの人間的なつながりといったことをアピールしていかないといけないかという ことがございます。 ○ 井原分科会長  そうすると、原因はわかっているので、それに対する対策は可能であるとお考えです か。 ○ 鵜飼委員  可能ではありますけれども、新規参入の方に訴求できるかというところがあります。 戦後の統制時代、配給時代とは違い、今は非常に自由に物が買える、情報を得られると いう裏づけがありますので、組合に入ると組合費を取られるというようなことから敬遠 をしている人たちが多いと伺っています。  例えば配給時代であれば、組合に入ることによって優先的に材料が手に入るというよ うな状況がありましたけれども、今は自由に物が入ってくる時代でありますので、その あたりの考え方といいますか、組合に入るともっと詳しい情報が入ってくるという前 に、自分たちでメディアの中からいろいろな部分が拾えるということで、組合に入らな いというようなことも考えられますが、それではどうすればいいかということでは、 今、一生懸命、組合のいろいろな情報誌、あるいは自分たちでつくっているホームペー ジの中で何とか訴えていきたいということをやっております。  そういったものを見て、興味のある方は入ってくるのですが、やめていく方の方が圧 倒的に多く、そのバランスが取れていないという状況です。  興味のある方に関しては、組合に入って、もっと詳しい事情を知りたいという方は入 ってくるということがあります。  めん類の業種だけではなく、すしや中華などのいろいろな飲食関連の業種があるわけ ですが、皆さんから、往々にして、うちの方でも実はこうだという状況を聞きますけれ ども、非常に悲痛な叫びばかりで、いい話は全くありませんので、これから大変な時期 が来るのではないかと思っております。 しかしながら、あきらめてしまっては組合が 崩壊してしまいますので、何としてもこれを推し進めて、魅力ある組合づくりをしてい きたいと思っております。 ○ 井原分科会長  ほかに何か御発言はございますか。  それでは、今までに幾つか御意見が出ておりますけれども、これを事務局で取り上げ ていただき、修正をいただいて、次回の分科会で再審議をしていただくというふうにし たいと思います。  事務局より今後の段取りの説明をお願いいたします。 ○ 岡部課長  いろいろな角度からの御指摘を頂戴いたしておりますので、私どもの方で再度、本日 御審議いただきました原案を見直しまして、必要な修正をさせていただきたいと思って おります。  手直しを含めた新しいバージョンにつきましては、事前に先生方のお手元にお届けで きるようにさせていただきたいと思っております。  次回は11月8日の午後2時から、場所は同じところでの開催を予定させていただいて おります。具体的な御案内につきましては別途文書を出させていただきたいと思いま す。  きょうはいろいろな御意見をいただいておりますが、次回は正式に諮問をさせていた だき、その諮問案に対する御審議をお願いできればと考えておりますので、引き続きよ ろしくお願いいたします。 ○ 井原分科会長  それでは、これをもちまして本日の厚生科学審議会生活衛生適正化分科会を終わらせ ていただきます。長時間、ありがとうございました。                                       了