|
提案は、介護費用、老人医療費、国民健康保険医療費、生活保護費等の負担金に関しては具体案を示さないという基本的問題がある一方、少子化対策等に係る補助負担金と裁量的補助金の全般を廃止することとしているが、次のような問題がある。 |
(1) |
国民の安心と安全を守るべき社会保障について、一定水準のサービスをどの地域においても格差なく保障するという国の責任が果たせなくなる。 |
(2) |
毎年の介護・医療の給付費の相当部分が国税や労使の保険料で賄われているにも関わらず、介護施設の整備や生活習慣病対策の補助金などが廃止された場合には、国はこれらの給付費の適正化について責任を果たせなくなる。 |
(3) |
本年6月に少子化社会対策大綱が策定され、来年度から次世代育成支援対策推進法に基づく10ヵ年計画が実施されるなど、国を挙げて少子化対策に取り組もうとしている矢先にも関わらず、国が施策の実施について責任を果たせなくなる。 |
(4) |
障害者施策については、入所施設の運営費のうち18歳までの障害児は地方が、18歳以降の障害者は国が、それぞれ担うということでは、支援の一貫性が分断される。 |
(5) |
SARS対策などの健康危機管理、電子カルテ導入などの先駆的・モデル的取組の実施や検討について、国が責任を果たせなくなる。 |
(6) |
事業主拠出金など租税財源でない国庫補助金も廃止移譲対象としているが、これは今回の趣旨にそぐわない。 |