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資料1

議論の整理(案)


 労働時間の現状及び動向について
 近年、労働時間の「長短二極化」が進展していることに留意すべきであるという点については、ほぼ全員の意見の一致をみた。なお、使用者代表委員から、近年の経営を取り巻く環境の変化の下で、長時間労働者と短時間労働者を効果的に組み合わせることには必然性があり、これを否定的にとらえるべきではないという意見があった。

 労働者代表委員から、近年、所定外労働時間が増加していることに特に留意すべきであるという意見が示された。

 公労使各側委員から、業種別・職種別の労働時間の現状及び動向について、より詳細にみていくことが必要であるという意見が示された。


 時短促進法及び「年間総実労働時間1800時間」の取扱い等について
 「平成18年3月31日までに廃止するものとする」とされている時短促進法(以下「法」という。)及び法第4条の規定に基づき閣議決定されている労働時間短縮推進計画において目標とされている「年間総実労働時間1800時間」の取扱いについて、労使双方から様々な意見が示された。

 労働者代表委員からは、
(1)法に基づく様々な施策が講じられながら、目標とされてきた年間総実労働時間1800時間は未だに達成されていないこと、
(2)週40時間労働制への移行後における労働時間短縮要因として大きかったのは短時間労働者の増加であり、一般労働者の労働時間は近年むしろ増加していること、
(3)労働者の心身の健康確保はもとより、育児・介護、自己啓発及び地域活動等に要する時間が確保できる働き方が求められていること
等の理由から、数値目標を掲げつつ、労働時間に関する労使の自主的な取組を国や地方公共団体が支援するという法の枠組を堅持するべきであるという意見が示された。
 あわせて、法に基づく目標については、基本的に1800時間を活かすべきであるという意見や、就業形態の多様化を踏まえた新しい目標を掲げることを含めて検討するべきであるという意見が示された。

 これに対して、使用者代表委員から、
(1)法制定時と比べれば相当程度時短が進み、年間総実労働時間1850時間前後で定着していること、
(2)労働者の意識やニーズが多様化し、労働時間の「長短二極化」が進展する中で、一律の労働時間目標を掲げることは時宜に合わなくなっていること、
(3)知的集約労働は我が国経済社会にとって不可欠な労働形態であるが、労働時間が成果に直結しないこの働き方が自由に選択できる余地を残しておくことが重要であると考えられること、
(4)1800時間という画一的な目標により、却って働き方の選択肢が狭められてしまうこと
等の理由から、1800時間という目標については見直すべきであるとの意見が示され、法の存廃について十分検討すべきであるという意見もあった。
 同時に、
(1)健康障害や仕事と生活の調和など労働時間をめぐり新たに発生している課題への対応が必要であるという意見、
(2)業種や企業規模により労働時間に偏りがある現状の下では時短に取り組む企業への支援策について、その効率性に配慮した上で存続させる必要があるといった意見
も示された。
 これに関連して、今後こうした支援策を実施するために必要な予算を如何なる財源から拠出するのが適当かについては、別途整理すべき問題であるとの意見があった。

 なお、労使双方から言及のあった健康確保対策の今後の労働基準行政における進め方について、「過重労働による健康障害防止のための総合対策」など労働衛生対策と労働時間対策の総合的な展開を一層推進するべきであるという意見が、労働者代表委員から示された。


 その他
 労働者代表委員から、
(1)労働基準法の週労働時間の特例措置(44時間労働制)について、同法の平等な適用等の観点から、40時間とする方向で検討すべきであるという意見、
(2)法定時間外労働の限度基準等についても検討すべきであるという意見
が示された。


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