ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針 |
見直し案 |
見直しにあたっての考え方 |
第3 提供者に対する基本姿勢 |
9 インフォームド・コンセント |
(1) |
研究責任者(他の研究機関から試料等の提供を受けて研究を実施する者を除く。以下8((4)及び(7)を除く。)において同じ。)は、試料等の提供の依頼を受ける人を、不合理、不当又は不公平な方法で選んではならない。 |
<提供者が疾患等を有する場合の告知に関する細則>
|
試料等の提供の依頼を受ける人が、疾病や薬剤反応性異常を有する場合及びそれらの可能性のある場合には、その人が病名又はそれに相当する状態像等の告知を受けていなければならない。 |
|
(1) |
研究責任者(他の研究を行う機関又は機関内の他部門から試料等の提供を受けて研究を実施する者を除く。以下10((5)及び(8)を除く。)において同じ。)は、試料等の提供の依頼を受ける人を、不合理、不当又は不公平な方法で選んではならない。 |
<提供者が疾患等を有する場合の告知に関する細則>
|
試料等の提供の依頼を受ける人が、疾病や薬剤反応性異常を有する場合及びそれらの可能性のある場合には、その人が病名又はそれに相当する状態像等の告知を受けていなければならない。 |
|
|
(2) |
研究責任者は、提供者に対して、事前に、その研究の意義、目的、方法、予測される結果、提供者が被る可能性のある不利益、試料等の保存及び使用方法等について十分な説明を行った上で、自由意思に基づく文書による同意を受けて、試料等の提供を受けなければならない。 |
|
(2) |
研究責任者は、提供者に対して、事前に、その研究の意義、目的、方法、予測される結果、提供者が被る可能性のある不利益、試料等の保存及び使用方法等について十分な説明を行った上で、自由意思に基づく文書による同意を受けて、試料等の提供を受けなければならない。 |
|
|
― |
(3) |
研究責任者が、試料等の提供者に対して、自らがインフォームド・コンセントを受けるのに必要な業務を実施することができない場合には、原則として試料等の提供が行われる機関の研究者等のうち、研究の内容、意義等について十分理解しているものに、研究責任者の指導・監督の下で、当該業務の一部又は全部を行わせることができる。 |
<インフォームド・コンセントの履行補助者に関する細則>
|
・ |
研究責任者は、試料等の提供が行われる機関に属する者以外の者に、インフォームド・コンセントに必要な説明を行わせる際には、必要に応じ研修の機会を確保し、そのものの業務の範囲と責任を明らかにする契約を結ぶことにより、当該者を履行補助者として、その説明を行わせることができる。また、試料等の提供者から同意を受けることを含めて行わせる場合には、履行補助者は、医師及び看護師等医療従事者でなくてはならない。 |
・ |
試料等の提供が行われる機関の研究責任者は、試料等の提供が行われる機関に属する者以外の者に、インフォームド・コンセント受けることを行わせる際には、契約において行わせる場合には履行補助者に対する研修方法等について研究計画書に記載し、当該研究計画書は試料等の提供が行われる機関の機関内倫理審査委員会により承認し、試料等の提供が行われる機関の長の許可を受けなければならない。 |
|
|
○ |
インフォームド・コンセントにおける履行補助者を用いることができることを規定するとともに、その際の要件を明確化。 |
|
(3) |
研究責任者は、提供者本人から(2)によるインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合には、その実施しようとしている研究の重要性が高く、かつ、その人からの試料等の提供を受けなければ研究が成り立たないと倫理審査委員会が承認し、研究機関の長が許可した場合に限り、提供者本人の代諾者等からインフォームド・コンセントを受けることができる。 |
|
(4) |
研究責任者は、提供者本人から(2)によるインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合には、その実施しようとしている研究の重要性が高く、かつ、その人からの試料等の提供を受けなければ研究が成り立たないと倫理審査委員会が承認し、研究を行う機関の長が許可した場合に限り、提供者本人の代諾者等からインフォームド・コンセントを受けることができる。 |
|
|
<細則1(代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合の取扱いに関する細則)>
|
提供者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難であり、代諾者等からのインフォームド・コンセントによることができる場合及びその取扱いは、以下のとおりとし、いずれの場合も、研究責任者は、研究の重要性、提供者本人から試料等の提供を受けなければ研究が成り立たない理由及び代諾者等を選定する考え方を研究計画書に記載し、当該研究計画書は倫理審査委員会により承認され、研究機関の長に許可されなければならない。
・ |
提供者が痴呆等により有効なインフォームド・コンセントを与えることができないと客観的に判断される場合 |
・ |
未成年者の場合。ただし、この場合においても、研究責任者は、提供者本人にわかりやすい言葉で十分な説明を行い、理解が得られるよう努めなければならない。また、提供者が16歳以上の場合には、代諾者とともに、提供者本人からのインフォームド・コンセントも受けなければならない。 |
・ |
提供者が死者であって、その生前における明示的な意思に反していない場合 |
|
|
<細則1(代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合の取扱いに関する細則)>
|
提供者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難であり、代諾者等からのインフォームド・コンセントによることができる場合及びその取扱いは、以下のとおりとし、いずれの場合も、研究責任者は、研究の重要性、提供者本人から試料等の提供を受けなければ研究が成り立たない理由及び代諾者等を選定する考え方を研究計画書に記載し、当該研究計画書は倫理審査委員会により承認され、研究を行う機関の長に許可されなければならない。
・ |
提供者が痴呆等により有効なインフォームド・コンセントを与えることができないと客観的に判断される場合 |
・ |
未成年者の場合。ただし、この場合においても、研究責任者は、提供者本人にわかりやすい言葉で十分な説明を行い、理解が得られるよう努めなければならない。また、提供者が16歳以上の場合には、代諾者とともに、提供者本人からのインフォームド・コンセントも受けなければならない。 |
・ |
提供者が死者であって、その生前における明示的な意思に反していない場合 |
|
|
<細則2(代諾者の選定の基本的考え方に関する細則)>
|
研究責任者は、代諾者について、一般的には、以下に定める人の中から、提供者の家族構成や置かれている状況等を勘案して、提供者の推測される意思や利益を代弁できると考えられる人が選定されることを基本として、研究計画書に代諾者を選定する考え方を記載しなければならない。 |
|
<細則2(代諾者の選定の基本的考え方に関する細則)>
|
研究責任者は、代諾者について、一般的には、以下に定める人の中から、提供者の家族構成や置かれている状況等を勘案して、提供者の推測される意思や利益を代弁できると考えられる人が選定されることを基本として、研究計画書に代諾者を選定する考え方を記載しなければならない。 |
|
1. |
任意後見人、親権者、後見人や保佐人が定まっているときはその人 |
|
1. |
任意後見人、親権者、後見人や保佐人が定まっているときはその人 |
|
2. |
提供者本人の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族又はそれらの近親者に準ずると考えられる人 |
|
2. |
提供者本人の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族又はそれらの近親者に準ずると考えられる人 |
|
<細則3(遺族の選定の基本的な考え方に関する細則)>
|
研究責任者は、遺族について、一般的には、以下に定める人の中から、死亡した提供者の家族構成や置かれていた状況、慣習等を勘案して、提供者の生前の推測される意思を代弁できると考えられる人が選定されることを基本として、研究計画書に遺族を選定する考え方を記載しなければならない。
・ |
死亡した提供者本人の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族又はそれらの近親者に準ずると考えられる人 |
|
|
<細則3(遺族の選定の基本的な考え方に関する細則)>
|
研究責任者は、遺族について、一般的には、以下に定める人の中から、死亡した提供者の家族構成や置かれていた状況、慣習等を勘案して、提供者の生前の推測される意思を代弁できると考えられる人が選定されることを基本として、研究計画書に遺族を選定する考え方を記載しなければならない。
・ |
死亡した提供者本人の配偶者、成人の子、父母、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族又はそれらの近親者に準ずると考えられる人 |
|
|
(4) |
提供者又はその代諾者等は、自らが与えたインフォームド・コンセントについて、いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができる。 |
|
(5) |
提供者又はその代諾者等は、自らが与えたインフォームド・コンセントについて、いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができる。 |
|
|
(5) |
研究責任者は、提供者又はその代諾者等からインフォームド・コンセントの撤回があった場合には、原則として、当該提供者に係る試料等及び研究結果を匿名化して廃棄しなければならない。 |
|
(6) |
研究責任者は、提供者又はその代諾者等からインフォームド・コンセントの撤回があった場合には、原則として、当該提供者に係る試料等及び研究結果を匿名化して廃棄しなければならない。また、その旨を提供者等に書面にて通知しなくてはならない。なお、提供者等が廃棄以外の処置を希望する場合には、特段の理由がない限り、これに応じなければならない。 |
|
○ |
個人情報保護法第27条を踏まえ、廃棄した旨を提供者等に通知することを規定。
|
○ |
同意撤回時の試料等の取扱いについて、提供者の希望に基づいて処理することを規定。 |
|
<廃棄の例外に関する細則>
1. |
試料等及び研究結果の廃棄をしなくても差し支えない場合は、以下のとおりとする。
・ |
当該試料等が連結不可能匿名化されている場合 |
・ |
廃棄しないことにより個人情報が明らかになるおそれが極めて小さく、かつ廃棄作業が極めて過大である場合等やむを得ない場合 |
|
2. |
既に研究結果が公表されている場合は、研究結果については、廃棄しなくても差し支えない。 |
|
<廃棄の例外に関する細則>
1. |
試料等及び研究結果の廃棄をしなくても差し支えない場合は、以下のとおりとする。なお、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第16条の規定に違反したという理由で利用停止等を求められた場合に、試料等及び研究結果を廃棄しないときには、提供者の権利利益を保護するために必要な代替措置が必要となることに留意すること。
・ |
当該試料等が連結不可能匿名化されている場合 |
・ |
廃棄しないことにより個人情報が明らかになるおそれが極めて小さく、かつ廃棄作業が極めて過大である場合等やむを得ない場合であり、倫理審査委員会において承認され、試料等の提供が行われる機関の長に許可された場合 |
|
2. |
既に研究結果が公表されている場合は、研究結果については、廃棄しなくても差し支えない。 |
|
○ |
個人情報保護法第16条の規定に違反した場合、廃棄しないときの代替措置について規定。 |
|
3. |
試料等及び研究成果を廃棄しない場合には、その旨、遅滞なく通知し、理由を、インフォームド・コンセントを撤回した提供者等に書面にて説明しなくてはならない。 |
|
○ |
個人情報保護法第28条を踏まえ、廃棄をしない理由を通知することを規定。 |
|
(6) |
研究責任者は、提供者又は代諾者等からのインフォームド・コンセントを受ける手続においては、提供者又は代諾者等に対し、十分な理解が得られるよう、必要な事項を記載した文書を交付して説明を行わなければならない。提供者が単一遺伝子疾患等である場合には、遺伝カウンセリングの利用に関する情報を含めて説明を行うとともに、必要に応じて遺伝カウンセリングの機会を提供しなければならない。 |
|
(7) |
試料等の提供が行われる機関の研究責任者は、提供者又は代諾者等からのインフォームド・コンセントを受ける手続においては、提供者又は代諾者等に対し、十分な理解が得られるよう、必要な事項を記載した文書を交付して説明を行わなければならない。提供者が単一遺伝子疾患等である場合には、遺伝カウンセリングの利用に関する情報を含めて説明を行うとともに、必要に応じて遺伝カウンセリングの機会を提供しなければならない。 |
|
|
<説明文書の記載に関する細則>
|
提供者又は代諾者等に対する説明文書に記載すべき事項は、一般的に以下のとおりとするが、研究内容に応じて変更できる。
・ |
試料等の提供は任意であること |
・ |
試料等の提供の依頼を受けた人は、提供に同意しないことにより不利益な対応を受けないこと |
・ |
提供者又は代諾者等は、自らが与えたインフォームド・コンセントについて、いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができること |
・ |
提供者又は代諾者等により同意が撤回された場合には、当該撤回に係る試料等及び研究結果が連結不可能匿名化されている場合等を除き、廃棄されること |
・ |
提供者として選ばれた理由 |
・ |
研究の意義、目的及び方法(対象とする疾患、分析方法等。将来の追加、変更が予想される場合はその旨。単一遺伝子疾患等の場合には研究の必要性、不利益を防止するための措置等の特記事項等。)、期間 |
・ |
提供者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合、その研究の重要性及び本人から試料等の提供を受けなければ研究が成り立たない理由 |
・ |
研究責任者の氏名及び職名 |
・ |
予測される研究結果及び提供者等に対して予測される危険や不利益(社会的な差別等社会生活上の不利益も含む。) |
・ |
提供者及び代諾者等の希望により、他の提供者等の個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で研究計画及び研究方法についての資料を入手又は閲覧することができること |
・ |
提供を受けた試料等又はそれから得られた遺伝情報についての連結可能匿名化又は連結不可能匿名化の別及び匿名化の具体的方法。匿名化できない場合にあっては、その旨及び理由 |
・ |
試料等又はそれから得られた遺伝情報を他の機関へ提供する可能性及びその場合は、倫理審査委員会により、個人情報の取扱い、提供先の機関名、提供先における利用目的が妥当であることについて、審査されていること |
・ |
研究の一部を委託する場合の匿名化の方法等 |
・ |
遺伝情報の開示に関する事項 |
・ |
将来、研究の成果が特許権等の知的財産権を生み出す可能性があること。特許権等の知的財産権を生み出した場合の想定される帰属先 |
・ |
試料等から得られた遺伝情報は、匿名化された上、学会等に公表され得ること |
・ |
試料等の保存及び使用方法 |
・ |
研究終了後の試料等の保存、使用又は廃棄の方法(他の研究への利用の可能性と予測される研究内容を含む。) |
・ |
試料等をヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供し、一般的に研究用資源として分譲することがあり得る場合には、バンクの学術的意義、当該バンクが運営されている機関の名称、提供される試料等の匿名化の方法及びバンクの責任者の氏名 |
・ |
遺伝カウンセリングの利用に係る情報(単一遺伝子疾患等の場合には、遺伝カウンセリングが利用可能であること等) |
・ |
研究資金の調達方法 |
・ |
試料等の提供は無償であること |
・ |
問い合わせ、苦情等の窓口の連絡先等に関する情報 |
|
|
<説明文書の記載に関する細則>
|
提供者又は代諾者等に対する説明文書に記載すべき事項は、一般的に以下のとおりとするが、研究内容に応じて変更できる。
・ |
試料等の提供は任意であること |
・ |
試料等の提供の依頼を受けた人は、提供に同意しないことにより不利益な対応を受けないこと |
|
|
|
|
・ |
提供者又は代諾者等は、自らが与えたインフォームド・コンセントについて、いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができること(必要に応じて撤回の求めを受け付ける方法を含む。) |
・ |
提供者又は代諾者等により同意が撤回された場合には、当該撤回に係る試料等及び研究結果が連結不可能匿名化されている場合等を除き、廃棄されること |
・ |
提供者として選ばれた理由 |
・ |
研究の意義、目的及び方法(対象とする疾患、分析方法等。将来の追加、変更が予想される場合はその旨。単一遺伝子疾患等の場合には研究の必要性、不利益を防止するための措置等の特記事項等。)、期間 |
・ |
長期間継続する研究の場合、研究を継続して実施するために必要な組織、体制等に対する研究機関としての考え方 |
・ |
提供者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合、その研究の重要性及び本人から試料等の提供を受けなければ研究が成り立たない理由 |
・ |
研究責任者の氏名及び職名 |
・ |
予測される研究結果及び提供者等に対して予測される危険や不利益(社会的な差別等社会生活上の不利益も含む。) |
・ |
提供者及び代諾者等の希望により、他の提供者等の個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で研究計画及び研究方法についての資料を入手又は閲覧することができること |
・ |
提供を受けた試料等又はそれから得られた遺伝情報についての連結可能匿名化又は連結不可能匿名化の別及び匿名化の具体的方法。匿名化できない場合にあっては、その旨及び理由 |
・ |
試料等又はそれから得られた遺伝情報を他の機関へ提供する可能性及びその場合は、倫理審査委員会により、個人情報の取扱い、提供先の機関名、提供先における利用目的が妥当であることについて、審査されていること |
・ |
研究の一部を委託する場合の匿名化の方法等 |
|
|
○ |
個人情報保護法第29条を踏まえ、利用停止(同意の撤回)が合った場合の手続きについて規定。 |
|
|
・ |
遺伝情報の開示に関する事項(非開示にする場合はその理由) |
・ |
個人情報の開示に関する事項(受付先、受け付ける方法、本人若しくは代諾者を受け付ける方法、開示に当たって手数料が発生する場合はその旨を含む。) |
・ |
将来、研究の成果が特許権等の知的財産権を生み出す可能性があること。特許権等の知的財産権を生み出した場合の想定される帰属先 |
・ |
試料等から得られた遺伝情報は、匿名化された上、学会等に公表され得ること |
・ |
試料等の保存及び使用方法 |
・ |
研究終了後の試料等の保存、使用又は廃棄の方法(他の研究への利用の可能性と予測される研究内容を含む。) |
・ |
試料等をヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供し、一般的に研究用資源として分譲することがあり得る場合には、バンクの学術的意義、当該バンクが運営されている機関の名称、提供される試料等の匿名化の方法及びバンクの責任者の氏名 |
|
|
○ |
第28条を踏まえて、開示しない理由を説明することを規定。 |
○ |
個人情報保護法第29条、第30条を踏まえ、個人情報の開示に関する事項を規定。 |
|
|
・ |
遺伝カウンセリングの利用に係る情報(単一遺伝子疾患等の場合には、遺伝カウンセリングが利用可能であること等) |
・ |
研究資金の調達方法 |
・ |
試料等の提供は無償であること |
・ |
問い合わせ(個人情報の訂正、同意の撤回等)、苦情等の窓口の連絡先等に関する情報 |
|
|
|
(7) |
他の研究機関から試料等又は遺伝情報の提供を受ける研究責任者は、当該試料等又は遺伝情報に関するインフォームド・コンセントの内容を当該他の研究機関からの文書等によって確認しなければならない。 |
|
(8) |
他の研究を行う機関から試料等又は遺伝情報の提供を受ける研究責任者は、当該試料等又は遺伝情報に関するインフォームド・コンセントの内容を当該他の研究を行う機関からの文書等によって確認しなければならない。 |
|
|
(8) |
研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究又は関連する医学研究に使用することを想定して、提供者又は代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合には、その時点において予想される具体的研究目的を明らかにするとともに、個人情報が、匿名化の可能性を含めて、どのように管理され、かつ、保護されるかを説明し、理解を得なければならない。 |
|
(9) |
研究責任者は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究又は関連する医学研究に使用することを想定して、提供者又は代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合には、その時点において予想される具体的研究目的を明らかにするとともに、個人情報が、匿名化の可能性を含めて、どのように管理され、かつ、保護されるかを説明し、理解を得なければならない。 |
|
|
10 遺伝情報の開示 |
(1) |
研究責任者は、個々の提供者の遺伝情報が明らかとなるヒトゲノム・遺伝子解析研究に関して、提供者が自らの遺伝情報の開示を希望している場合には、原則として開示しなければならない。ただし、遺伝情報を提供する十分な意義がなく、開示しないことについて提供者のインフォームド・コンセントを受けている場合には、この限りでない。 |
|
(1) |
研究責任者は、個々の提供者の遺伝情報が明らかとなるヒトゲノム・遺伝子解析研究に関して、提供者が自らの遺伝情報の開示を希望している場合には、原則として本人対し、書面の交付による方法(本人が同意した方法があるときには、当該方法)で開示しなければならない。ただし、遺伝情報を提供することにより、提供者本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある、研究が行われる機関の業務の支障に著しい支障を及ぼす若しく他の法令に違反することがあることを理由に開示しないことについて、提供者のインフォームド・コンセントを受けている場合には、その全部又は一部を開示しないことができる。 |
|
○ |
個人情報保護法第25条第1項、令第6条を踏まえ、個人情報の開示に関する方法を整理。
|
○ |
個人情報保護法第25条第1項第1号〜第3号を踏まえ、個人情報を開示しないことができる要件を規定。 |
|
<遺伝情報の開示に関する細則>
1. |
研究責任者は、提供者からインフォームド・コンセントを受ける際に、遺伝情報の開示をしないことにつき同意が得られているにもかかわらず、当該提供者が事後に開示を希望した場合は、以下の場合を除き、当該提供者の遺伝情報を開示しなければならない。開示しない場合には、当該提供者に遺伝情報を開示しない理由を分かりやすく説明しなければならない。
・ |
多数の人又は遺伝子の遺伝情報を相互に比較することにより、ある疾患と遺伝子の関連やある遺伝子の機能を明らかにしようとするヒトゲノム・遺伝子解析研究等であって、当該情報がその人の健康状態等を評価するための情報としての精度や確実性に欠けており、提供者個人に知らせるには十分な意義がない研究であることにつき、研究計画書に記載され、当該研究計画書が倫理審査委員会の承認を受け、研究機関の長により許可された場合 |
|
|
<遺伝情報の開示に関する細則>
1. |
研究責任者は、提供者からインフォームド・コンセントを受ける際に、遺伝情報の開示をしないことにつき同意が得られているにもかかわらず、当該提供者が事後に開示を希望した場合は、以下の場合を除き、当該提供者の遺伝情報を開示しなければならない。
・ |
多数の人又は遺伝子の遺伝情報を相互に比較することにより、ある疾患と遺伝子の関連やある遺伝子の機能を明らかにしようとするヒトゲノム・遺伝子解析研究等であって、当該情報がその人の健康状態等を評価するための情報としての精度や確実性に欠けており、開示することにより提供者本人又は第三者の生命、身体、財産その他権利利益を害するおそれがある、研究が行われる機関の業務の支障に著しい支障を及ぼす若しくは他の法令に違反することがあることを理由に開示しないことについて、研究計画書に記載され、当該研究計画書が倫理審査委員会の承認を受け、研究を行う機関の長により許可された場合 |
|
|
○ |
個人情報保護法第25条第1項第1号〜第3号を踏まえ、個人情報を開示しないことができる要件を規定。 |
|
2. |
研究責任者は、未成年者の提供者が、自らの遺伝情報の開示を希望している場合には、開示した場合の精神的な影響等を十分考慮した上で当該未成年者に開示することができる。ただし、未成年者が16歳未満の場合には、その代諾者の意向を確認し、これを尊重しなければならない。また、研究責任者は、未成年者の遺伝情報を開示することによって、提供者が自らを傷つけたり、提供者に対する差別、養育拒否、治療への悪影響が心配される場合には、研究機関の長に報告しなければならない。研究機関の長は、開示の前に、必要に応じ、開示の可否並びにその内容及び方法についての倫理審査委員会の意見や未成年者とその代諾者との話し合いを求めるようにしなければならない。 |
|
2. |
開示しない場合には、当該提供者に遺伝情報を開示しない理由を分かりやすく説明しなければならない。ただし、開示しない理由を知らせることにより、提供者等の精神的負担になり得る場合等、説明を行うことが必ずしも適当でないことがあり得ることから、事由に応じて慎重に検討のうえ、対応しなくてはならない。 |
|
○ |
第28条を踏まえて、開示しない理由を説明することを規定。 |
|
3. |
研究責任者は、未成年者の提供者が、自らの遺伝情報の開示を希望している場合には、開示した場合の精神的な影響等を十分考慮した上で当該未成年者に開示することができる。ただし、未成年者が16歳未満の場合には、その代諾者の意向を確認し、これを尊重しなければならない。また、研究責任者は、未成年者の遺伝情報を開示することによって、提供者が自らを傷つけたり、提供者に対する差別、養育拒否、治療への悪影響が心配される場合には、研究を行う機関に報告しなければならない。研究を行う機関の長は、開示の前に、必要に応じ倫理審査委員会の意見や未成年者とその代諾者との話し合いを求めたうえで、開示の可否並びにその内容及び方法についての決定をしなければならない。 |
4. |
遺伝情報を開示しない旨の決定をした場合には、その旨を、開示を求めた提供者等に書面にて通知しなくてはならない。 |
|
○ |
行為の明確化
|
○ |
個人情報保護法第25条第1項、令第6条を踏まえ、個人情報の開示に関する方法を整理。 |
|
(2) |
研究責任者は、個々の提供者の遺伝情報が明らかとなるヒトゲノム・遺伝子解析研究に関して、提供者が自らの遺伝情報の開示を希望していない場合には、開示してはならない。 |
|
(2) |
研究責任者は、個々の提供者の遺伝情報が明らかとなるヒトゲノム・遺伝子解析研究に関して、提供者が自らの遺伝情報の開示を希望していない場合には、開示してはならない。 |
|
|
<遺伝情報の非開示に関する細則>
|
研究責任者は、提供者が自らの遺伝情報の開示を希望していない場合であっても、その遺伝情報が提供者及び血縁者の生命に重大な影響を与えることが判明し、かつ、有効な対処方法があるときは、研究機関の長に報告しなければならない。研究機関の長は、特に下記事項についての考慮を含む開示の可否並びにその内容及び方法についての倫理審査委員会の意見を求め、それに基づき、研究責任者、提供者の診療を担当する医師及びその医師が所属する医療機関の長と協議しなければならない。その結果を踏まえ、研究責任者は提供者に対し、十分な説明を行った上で、当該提供者の意向を確認し、なお開示を希望しない場合には、開示してはならない。 |
|
<遺伝情報の非開示に関する細則>
|
研究責任者は、提供者が自らの遺伝情報の開示を希望していない場合であっても、その遺伝情報が提供者及び血縁者の生命に重大な影響を与えることが判明し、かつ、有効な対処方法があるときは、研究を行う機関の長に報告しなければならない。研究を行う機関の長は、特に下記事項についての考慮を含む開示の可否並びにその内容及び方法についての倫理審査委員会の意見を求め、それに基づき、研究責任者、提供者の診療を担当する医師及びその医師が所属する医療機関の長と協議しなければならない。その結果を踏まえ、研究責任者は提供者に対し、十分な説明を行った上で、当該提供者の意向を確認し、なお開示を希望しない場合には、開示してはならない。 |
|
|
・ |
提供者及び血縁者の生命に及ぼす影響 |
・ |
有効な治療法の有無と提供者の健康状態 |
・ |
血縁者が同一の疾患等に罹患している可能性 |
・ |
インフォームド・コンセントに際しての研究結果の開示に関する説明内容 |
|
|
|
・ |
提供者及び血縁者の生命に及ぼす影響 |
・ |
有効な治療法の有無と提供者の健康状態 |
・ |
血縁者が同一の疾患等に罹患している可能性 |
・ |
インフォームド・コンセントに際しての研究結果の開示に関する説明内容 |
|
|
(3) |
研究責任者は、提供者本人の同意がない場合には、提供者の遺伝情報を、提供者本人以外の人に対し、原則として開示してはならない。 |
|
(3) |
研究責任者は、提供者本人の同意がない場合には、提供者の遺伝情報を、提供者本人以外の人に対し、原則として開示してはならない。 |
|
|
<提供者以外の人に対する開示に関する細則>
1. |
提供者の代諾者等(未成年者の代諾者を除く。)が提供者本人の遺伝情報の開示を希望する場合には、その代諾者等が開示を求める理由又は必要性を倫理審査委員会に示した上で、当該委員会の意見に基づき研究機関の長が対応を決定しなければならない。 |
|
<提供者以外の人に対する開示に関する細則>
1. |
提供者の代諾者(2.及び3.の者を除く。)が提供者本人の遺伝情報の開示を希望する場合には、その代諾者が開示を求める理由又は必要性を倫理審査委員会に示した上で、当該委員会の意見に基づき研究を行う機関の長が対応を決定しなければならない。この決定に当たっては、人の生命、身体又は財産保護のために必要である場合であって、本人の同意を得ることが困難である、又は公衆衛生の向上に特に必要である場合であって、本人の同意を得ることが困難であることを確認しなければならない。 |
|
○ |
提供者以外に対する開示について、個人情報保護法第23条を踏まえ整理。 |
○ |
遺族(血縁者)が遺伝情報の開示する場合の考え方について規定。 |
|
2. |
遺族(血縁者)が提供者本人の遺伝情報の開示を希望する場合には、その遺族(血縁者)が開示を求める理由又は必要性を倫理審査委員会に示した上で、当該委員会の意見に基づき研究を行う機関の長が対応を決定しなければならない。 |
|
|
2. |
研究責任者は、提供者が未成年者の場合に、その未成年者の代諾者から当該未成年者の遺伝情報の開示の求めがあった場合には、当該代諾者にこれを開示することができる。ただし、未成年者が16歳以上の場合には、その意向を確認し、これを尊重しなければならない。また、研究責任者は、未成年者の遺伝情報を開示することによって、提供者に対する差別、養育拒否、治療への悪影響が心配される場合には、研究機関の長に報告しなければならない。研究機関の長は、開示の前に、必要に応じ、開示の可否並びにその内容及び方法についての倫理審査委員会の意見や未成年者とその代諾者との話し合いを求めるようにしなければならない。 |
|
3. |
研究責任者は、提供者が未成年者の場合に、その未成年者の代諾者から当該未成年者の遺伝情報の開示の求めがあった場合には、当該代諾者にこれを開示することができる。ただし、未成年者が16歳以上の場合には、その意向を確認し、これを尊重しなければならない。また、研究責任者は、未成年者の遺伝情報を開示することによって、提供者に対する差別、養育拒否、治療への悪影響が心配される場合には、研究を行う機関の長に報告しなければならない。研究を行う機関の長は、開示の前に、必要に応じ、開示の可否並びにその内容及び方法についての倫理審査委員会の意見や未成年者とその代諾者との話し合いを求めるようにしなければならない。 |
|
3. |
研究責任者は、提供者が自らの遺伝情報の血縁者への開示を希望していない場合であっても、次のすべての要件を満たす場合には、提供者の血縁者に、提供者本人の遺伝情報から導かれる遺伝的素因を持つ疾患や薬剤応答性に関する情報を伝えることができる。 |
|
4. |
研究責任者は、提供者が自らの遺伝情報の血縁者への開示を希望していない場合であっても、次のすべての要件を満たす場合には、提供者の血縁者に、提供者本人の遺伝情報から導かれる遺伝的素因を持つ疾患や薬剤応答性に関する情報を伝えることができる。 |
|
1) |
提供者本人の遺伝情報が、提供者の血縁者の生命に重大な影響を与える可能性が高いことが判明し、かつ、有効な対処方法があること |
|
1) |
提供者本人の遺伝情報が、提供者の血縁者の生命に重大な影響を与える可能性が高いことが判明し、かつ、有効な対処方法があること |
|
2) |
研究責任者から1)の報告を受けた研究機関の長が、特に下記の事項についての考慮を含む開示の可否並びにその内容及び方法についての倫理審査委員会の意見を求め、それに基づき、研究責任者と協議し、必要な情報を血縁者に提供すべきとの結論となること
a |
血縁者が同一の疾患等に罹患している可能性 |
b |
血縁者の生命に及ぼす影響 |
c |
有効な治療法の有無と血縁者の健康状態 |
d |
インフォームド・コンセントに際しての研究結果の開示に関する説明内容 |
|
|
2) |
研究責任者から1)の報告を受けた研究を行う機関の長が、特に下記の事項についての考慮を含む開示の可否並びにその内容及び方法についての倫理審査委員会の意見を求め、それに基づき、研究責任者と協議し、必要な情報を血縁者に提供すべきとの結論となること
a |
血縁者が同一の疾患等に罹患している可能性 |
b |
血縁者の生命に及ぼす影響 |
c |
有効な治療法の有無と血縁者の健康状態 |
d |
インフォームド・コンセントに際しての研究結果の開示に関する説明内容 |
|
|
3) |
2)の結論を踏まえ、研究責任者は改めて提供者の理解を求め、血縁者に対する必要な情報の提供につき承諾を得られるよう努めること |
|
3) |
2)の結論を踏まえ、研究責任者は改めて提供者の理解を求め、血縁者に対する必要な情報の提供につき承諾を得られるよう努めること |
|
4) |
提供者の血縁者に対し、十分な説明を行った上で、情報提供を希望する意向を確認すること |
|
4) |
提供者の血縁者に対し、十分な説明を行った上で、情報提供を希望する意向を確認すること |
|
(4) |
研究責任者は、単一遺伝子疾患等に関する遺伝情報を開示しようとする場合には、医学的又は精神的な影響等を十分考慮し、診療を担当する医師との緊密な連携の下に開示するほか、必要に応じ、遺伝カウンセリングの機会を提供しなければならない。 |
|
(4) |
研究責任者は、単一遺伝子疾患等に関する遺伝情報を開示しようとする場合には、医学的又は精神的な影響等を十分考慮し、診療を担当する医師との緊密な連携の下に開示するほか、必要に応じ、遺伝カウンセリングの機会を提供しなければならない。 |
|
<注> |
開示する遺伝情報がいかなる意味を持つかは、診療に属する部分が大きく、診療を担当する医師、特に遺伝医学を専門とする医師との緊密な連携が求められる。従って、診療を担当する医師が診療の一環として、研究責任者の依頼を受けて開示すること又はその医師の指示の下に研究責任者が開示すること等が考えられる。 |
|
<注> |
開示する遺伝情報がいかなる意味を持つかは、診療に属する部分が大きく、診療を担当する医師、特に遺伝医学を専門とする医師との緊密な連携が求められる。従って、診療を担当する医師が診療の一環として、研究責任者の依頼を受けて開示すること又はその医師の指示の下に研究責任者が開示すること等が考えられる。 |
|
11遺伝カウンセリング |
(1) |
目的
ヒトゲノム・遺伝子解析研究における遺伝カウンセリングは、対話を通じて、提供者及びその家族又は血縁者に正確な情報を提供し、疑問に適切に答え、その人たちの遺伝性疾患等に関する理解を深め、ヒトゲノム・遺伝子解析研究や遺伝性疾患等をめぐる不安又は悩みにこたえることによって、今後の生活に向けて自らの意思で選択し、行動できるように支援し、又は援助することを目的とする。 |
|
(1) |
目的
ヒトゲノム・遺伝子解析研究における遺伝カウンセリングは、対話を通じて、提供者及びその家族又は血縁者に正確な情報を提供し、疑問に適切に答え、その人たちの遺伝性疾患等に関する理解を深め、ヒトゲノム・遺伝子解析研究や遺伝性疾患等をめぐる不安又は悩みにこたえることによって、今後の生活に向けて自らの意思で選択し、行動できるように支援し、又は援助することを目的とする。 |
|
|
(2) |
実施方法遺伝カウンセリングは、遺伝医学に関する十分な知識を有し、遺伝カウンセリングに習熟した医師、医療従事者等が協力して実施しなければならない。 |
|
(2) |
実施方法遺伝カウンセリングは、遺伝医学に関する十分な知識を有し、遺伝カウンセリングに習熟した医師、医療従事者等が協力して実施しなければならない。 |
|
<注> |
試料等の提供が行われる機関の長に対する遺伝カウンセリング体制の整備等に関する事項は4(11)に、研究計画書における遺伝カウンセリングの考え方の記載に関する事項は5(3)に、インフォームド・コンセントを受ける際の説明事項及び遺伝カウンセリングの機会提供に関する事項は8(6)に、遺伝情報の開示の際の遺伝カウンセリングの機会提供に関する事項は9(4)に、それぞれ規定されている。 |
|
<注> |
試料等の提供が行われる機関の長に対する遺伝カウンセリング体制の整備等に関する事項は4(14)に、研究計画書における遺伝カウンセリングの考え方の記載に関する事項は6(3)に、インフォームド・コンセントを受ける際の説明事項及び遺伝カウンセリングの機会提供に関する事項は9(7)に、遺伝情報の開示の際の遺伝カウンセリングの機会提供に関する事項は10(4)に、それぞれ規定されている。 |
|
第4 試料等の取扱い |
12 研究実施前提供試料等の利用 |
(1) |
研究機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に提供され、かつ、保存されている試料等の利用の可否は、提供者又は代諾者等の同意の有無又はその内容及び試料等が提供された時期を踏まえ、(2)から(4)までに定めるところにより、倫理審査委員会の承認を得た上で、研究機関の長が決定する。 |
|
(1) |
研究を行う機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に提供され、かつ、保存されている試料等の利用の可否は、提供者又は代諾者等の同意の有無又はその内容及び試料等が提供された時期を踏まえ、(2)から(4)までに定めるところにより、倫理審査委員会の承認を得た上で、研究を行う機関の長が決定する。 |
|
|
(2) |
本指針の施行後に提供された研究実施前提供試料等については、本指針の理念を踏まえて、研究機関の長及び研究責任者は、その利用について慎重に判断し、また、倫理審査委員会は、研究における利用の可否を慎重に審査しなければならない。 |
|
(2) |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成13年3月文部科学省・厚生科学省・経済産業省告示第1号、以下「3省第1号指針」という。)の施行後に提供された研究実施前提供試料等については、3省第1号指針と共通した本指針の理念を踏まえて、研究を行う機関の長及び研究責任者は、その利用について慎重に判断し、また、倫理審査委員会は、研究における利用の可否を慎重に審査しなければならない。 |
|
(3) |
A群試料等(試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用を含む同意が与えられている試料等)については、その同意の範囲内でヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
(3) |
A群試料等(試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用を含む同意が与えられている試料等)については、その同意の範囲内でヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
(4) |
B群試料等(試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用が明示されていない研究についての同意のみが与えられている試料 等)及びC群試料等(試料等の提供時に、研究に利用することの同意が与えられていない試料等)については、原則として、本指針において定める方法等に従って新たに提供者又は代諾者等の同意を得ない限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用してはならない。 |
|
(4) |
B群試料等(試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用が明示されていない研究についての同意のみが与えられている試料 等)及びC群試料等(試料等の提供時に、研究に利用することの同意が与えられていない試料等)については、原則として、本指針において定める方法等に従って新たに提供者又は代諾者等の同意を得ない限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用してはならない。 |
|
<細則1(本指針施行後に提供されたA群試料等の利用に関する細則)>
|
研究機関の長及び研究責任者は、A群試料等が提供された時点における同意が、他のヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用に関し、そのヒトゲノム・遺伝子解析研究の意義、研究目的又は匿名化等の方法等に、どの程度言及された同意であったか、また、同意が得られた時期等にも配慮して、その利用の取扱いを判断し、また、倫理審査委員会も、同様の事項に配慮して、その利用の取扱いを審査しなければならない。 |
|
<細則1(3省第1号指針施行後に提供されたA群試料等の利用に関する細則)>
|
研究を行う機関の長及び研究責任者は、A群試料等が提供された時点における同意が、他のヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用に関し、そのヒトゲノム・遺伝子解析研究の意義、研究目的又は匿名化等の方法等に、どの程度言及された同意であったか、また、同意が得られた時期等にも配慮して、その利用の取扱いを判断し、また、倫理審査委員会も、同様の事項に配慮して、その利用の取扱いを審査しなければならない。 |
|
<細則2(本指針施行前に提供されたB群試料等の利用に関する細則)>
|
本指針施行前に提供されたB群試料等については、以下のいずれかの要件を満たす場合として、倫理審査委員会でその利用を承認し、研究機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
<細則2(3省第1号指針前に提供されたB群試料等の利用に関する細則)>
|
3省第1号指針施行前に提供されたB群試料等については、以下のいずれかの要件を満たす場合として、倫理審査委員会でその利用を承認し、研究を行う機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
1) |
連結不可能匿名化されていることにより、提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性がない場合 |
|
1) |
連結不可能匿名化されていることにより、提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性がない場合 |
|
2) |
連結可能匿名化されており、かつ、ヒトゲノム・遺伝子解析研究により提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性が極めて少なく、研究に高度の有用性が認められ、他の方法では実際上研究の実施が不可能又は極めて困難である場合 |
|
2) |
連結可能匿名化されており、かつ、B群試料等が提供された時点における同意が、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の目的と相当の関連性があると合理的に認められる場合 |
|
<細則3(本指針施行後に提供されたB群試料等の利用に関する細則)>
|
本指針施行後に提供されたB群試料等については、上記<細則2>に記載された要件に加えて、試料等の利用を拒否する機会が保障されており、特に連結可能匿名化の上で実施される研究については、B群試料等が提供された時点における同意が、他の研究への利用に関し、研究目的や匿名化等の方法等にどの程度言及された同意であったか、また、同意が得られた時期等にも配慮して、倫理審査委員会がヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用を承認し、研究機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
<細則3(3省第1号指針施行後に提供されたB群試料等の利用に関する細則)>
|
3省第1号指針施行後に提供されたB群試料等については、上記<細則2>に記載された要件に加えて、試料等の利用を拒否する機会が保障されており、特に連結可能匿名化の上で実施される研究については、B群試料等が提供された時点における同意が、他の研究への利用に関し、研究目的や匿名化等の方法等にどの程度言及された同意であったか、また、同意が得られた時期等にも配慮して、倫理審査委員会がヒトゲノム・遺伝子解析研究への利用を承認し、研究を行う機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
<細則4(本指針施行前に提供されたC群試料等の利用に関する細則)>
|
本指針施行前に提供されたC群試料等については、以下のいずれかの要件を満たす場合として、倫理審査委員会がその利用を承認し、研究機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
<細則4(3省第1号指針施行前に提供されたC群試料等の利用に関する細則)>
|
3省第1号指針施行前に提供されたC群試料等については、以下のいずれかの要件を満たす場合として、倫理審査委員会がその利用を承認し、研究を行う機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
1) |
連結不可能匿名化されていることにより、提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性がない場合 |
|
1) |
連結不可能匿名化されていることにより、提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性がない場合 |
|
2) |
連結可能匿名化されており、かつ、次のすべての要件を満たしている場合 |
|
2) |
連結可能匿名化されており、かつ、次のすべての要件を満たしている場合 |
|
a |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究により提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性が極めて少ないこと |
b |
その試料等を用いたヒトゲノム・遺伝子解析研究が、社会の利益に大きく貢献する研究であること |
c |
他の方法では実際上、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施が不可能であること |
d |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況について情報の公開を図り、併せて提供者又は代諾者等に問い合わせ及び試料等の研究への利用を拒否する機会を保障するための措置が講じられていること |
|
a |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究により提供者等に危険や不利益が及ぶ可能性が極めて少ないこと |
b |
その試料等を用いたヒトゲノム・遺伝子解析研究が、社会の利益に大きく貢献する研究であること |
c |
他の方法では実際上、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施が不可能であること |
d |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況について情報の公開を図り、併せて提供者等に問い合わせ及び試料等の研究への利用を拒否する機会を保障するための措置が講じられていること |
|
<細則5(本指針施行後に提供されたC群試料等の利用に関する細則)>
|
本指針施行後に提供されたC群試料等については、上記<細則4>に記載された要件に加えて、特に連結可能匿名化の上で実施される研究については、症例数が限られており、かつ、緊急に研究を実施する必要がある場合等、倫理審査委員会が真にやむを得ないとその利用を承認し、研究機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
<細則5(3省第1号指針後に提供されたC群試料等の利用に関する細則)>
|
3省第1号指針施行後に提供されたC群試料等については、上記<細則4>に記載された要件に加えて、特に連結可能匿名化の上で実施される研究については、症例数が限られており、かつ、緊急に研究を実施する必要がある場合等、倫理審査委員会が真にやむを得ないとその利用を承認し、研究を行う機関の長により許可された場合に限り、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に利用することができる。 |
|
13 試料等の保存及び廃棄の方法 |
(1) |
保存の一般原則
研究責任者は、研究機関内で試料等を保存する場合には、提供者又は代諾者等の同意事項を遵守し、研究計画書に定められた方法に従わなければならない。 |
|
(1) |
保存の一般原則
研究責任者は、研究を行う機関内で試料等を保存する場合には、提供者等の同意事項を遵守し、研究計画書に定められた方法に従わなければならない。 |
|
|
(2) |
ヒト細胞・遺伝子・組織バンクへの提供
研究責任者は、試料等をヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供する場合には、当該バンクが試料等を一般的な研究用試料等として分譲するに当たり、連結不可能匿名化がなされることを確認するとともに、バンクに提供することの同意を含む提供者又は代諾者等の同意事項を遵守しなければならない。 |
|
(2) |
ヒト細胞・遺伝子・組織バンクへの提供
研究責任者は、試料等をヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供する場合には、当該バンクが試料等を一般的な研究用試料等として分譲するに当たり、連結不可能匿名化がなされることを確認するとともに、バンクに提供することの同意を含む提供者等の同意事項を遵守しなければならない。 |
|
|
(3) |
試料等の廃棄
研究責任者は、研究計画書に従い自ら保存する場合及びヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供する場合を除き、試料等の保存期間が研究計画書に定めた期間を過ぎた場合には、提供者又は代諾者等の同意事項を遵守し、匿名化して廃棄しなければならない。 |
|
(3) |
試料等の廃棄
研究責任者は、研究計画書に従い自ら保存する場合及びヒト細胞・遺伝子・組織バンクに提供する場合を除き、試料等の保存期間が研究計画書に定めた期間を過ぎた場合には、提供者等の同意事項を遵守し、匿名化して廃棄しなければならない。 |
|
|
第5 見直し |
14 見直し |
この指針は、必要に応じ、又は施行後5年を目途としてその全般に関して検討を加えた上で、見直しを行うものとする。 |
この指針は、必要に応じ、又は施行後5年を目途としてその全般に関して検討を加えた上で、見直しを行うものとする。 |
|
第6 用語の定義 |
15 用語の定義 |
(1) |
試料等
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に用いようとする血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出したDNA等の人の体の一部並びに提供者の診療情報(死者から提供されたものを含む。)をいう。ただし、学術的な価値が定まり、研究実績として十分に認められ、研究用に広く一般に利用され、かつ、一般に入手可能な組織、細胞、体液及び排泄物並びにこれらから抽出したDNA等は、含まれない。 |
|
(1) |
試料等
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に用いようとする血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出したDNA等の人の体の一部並びに提供者の診療情報(死者から提供されたものを含む。)をいう。ただし、学術的な価値が定まり、研究実績として十分に認められ、研究用に広く一般に利用され、かつ、一般に入手可能な組織、細胞、体液及び排泄物並びにこれらから抽出したDNA等は、含まれない。 |
|
|
<注1> |
臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に基づいて脳死と判定された人からの試料等の提供については、臓器の摘出により心臓の拍動停止、呼吸停止及び瞳孔散大という「死の三徴候」の状態を迎えた後に試料等の提供を受けることで足りることを前提としている。 |
|
<注1> |
臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)に基づいて脳死と判定された人からの試料等の提供については、臓器の摘出により心臓の拍動停止、呼吸停止及び瞳孔散大という「死の三徴候」の状態を迎えた後に試料等の提供を受けることで足りることを前提としている。 |
|
<注2> |
受精卵、胚、胎児、ES細胞等の提供を受けて研究を実施することについては、本指針の趣旨を踏まえることは必要であるが、別途、倫理上の観点等からの慎重な検討が必要であり、本指針を充足しているのみでそれらの研究を実施することを適当とする趣旨ではない。 |
|
<注2> |
受精卵、胚、胎児、ES細胞等の提供を受けて研究を実施することについては、本指針の趣旨を踏まえることは必要であるが、別途、倫理上の観点等からの慎重な検討が必要であり、本指針を充足しているのみでそれらの研究を実施することを適当とする趣旨ではない。 |
|
(2) |
診療情報
診断及び治療を通じて得られた疾病名、投薬名、検査結果等の情報をいう。 |
|
(2) |
診療情報
診断及び治療を通じて得られた疾病名、投薬名、検査結果等の情報をいう。 |
|
|
(3) |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究
提供者の個体を形成する細胞に共通して存在し、その子孫に受け継がれ得るヒトゲノム及び遺伝子の構造又は機能を、試料等を用いて明らかにしようとする研究をいう。本研究に用いる試料等の提供のみが行われる場合も、含まれる。 |
|
(3) |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究
提供者の個体を形成する細胞に共通して存在し、その子孫に受け継がれ得るヒトゲノム及び遺伝子の構造又は機能を、試料等を用いて明らかにしようとする研究をいう。本研究に用いる試料等の提供のみが行われる場合も、含まれる。 |
|
|
<本指針の対象とするヒトゲノム・遺伝子解析研究の範囲に関する細則>
1) |
本指針の対象とするヒトゲノム・遺伝子解析研究は、提供者の白血球等の組織を用いて、DNA又はmRNAから作られた相補DNAの塩基配列等の構造又は機能を解析するものであり、その主たるものとして、いわゆる生殖細胞系列変異又は多型(germline mutation or polymorphism)を解析する研究がある。一方、がん等の疾病において、病変部位にのみ後天的に出現し、次世代には受け継がれないゲノム又は遺伝子の変異を対象とする研究(いわゆる体細胞変異(somaticmutation)を解析する研究をいい、変異の確認のために正常組織を解析する場合を含む。)、遺伝子発現に関する研究及びたんぱく質の構造又は機能に関する研究については、原則として本指針の対象としない。ただし、このような研究であっても、子孫に受け継がれ得るゲノム又は遺伝子に関する情報を明らかにする目的で研究が実施される場合には、本指針の対象とする。なお、本指針の対象としないこれらの体細胞変異、遺伝子発現及びたんぱく質の構造又は機能に関する研究においても、本指針の趣旨を踏まえた適切な対応が望まれる。 |
|
<本指針の対象とするヒトゲノム・遺伝子解析研究の範囲に関する細則>
1) |
本指針の対象とするヒトゲノム・遺伝子解析研究は、提供者の白血球等の組織を用いて、DNA又はmRNAから作られた相補DNAの塩基配列等の構造又は機能を解析するものであり、その主たるものとして、いわゆる生殖細胞系列変異又は多型(germline mutation or polymorphism)を解析する研究がある。一方、がん等の疾病において、病変部位にのみ後天的に出現し、次世代には受け継がれないゲノム又は遺伝子の変異を対象とする研究(いわゆる体細胞変異(somaticmutation)を解析する研究をいい、変異の確認のために正常組織を解析する場合を含む。)、遺伝子発現に関する研究及びたんぱく質の構造又は機能に関する研究については、原則として本指針の対象としない。ただし、このような研究であっても、子孫に受け継がれ得るゲノム又は遺伝子に関する情報を明らかにする目的で研究が実施される場合には、本指針の対象とする。なお、本指針の対象としないこれらの体細胞変異、遺伝子発現及びたんぱく質の構造又は機能に関する研究においても、本指針の趣旨を踏まえた適切な対応が望まれる。 |
|
2) |
1)で示した研究を行う過程で、偶然の理由により遺伝情報(遺伝情報を得るに当たって使用された試料を含む。)が得られた場合には、ヒトゲノム・遺伝子解析研究目的での使用、適切に管理(個人情報に該当する場合は安全管理措置、個人情報に該当しない匿名化情報の場合には適切な取扱い)して保存、匿名化して廃棄する等、その試料等の取扱い等は、研究を行う機関の長が倫理審査委員会に諮った上で決定することとする。 |
|
○ |
遺伝子発現に関する研究等で偶然の理由により遺伝情報が得られた場合には、適切な取扱いを求めることを規定。 |
|
2) |
主たる内容がヒトゲノム・遺伝子解析研究ではないが、一部においてヒトゲノム・遺伝子解析研究が実施される研究を含む。 |
|
3) |
主たる内容がヒトゲノム・遺伝子解析研究ではないが、一部においてヒトゲノム・遺伝子解析研究が実施される研究を含む。 |
|
3) |
診療において得られた試料等又は遺伝情報を二次的に利用する研究を含む。 |
|
4) |
診療において得られた試料等又は遺伝情報を二次的に利用する研究を含む。 |
|
4) |
薬事法(昭和35年法律第145号)に基づき実施される医薬品の臨床試験及び市販後調査については、同法に基づき、既に「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)」及び「医薬品の市販後調査の基準に関する省令(平成9年厚生省令第10号)」により規制されており、本指針の対象としない。薬事法の規定による医療用具の製造、輸入承認申請のために実施される臨床試験及び市販後調査についても同様である。 |
|
5) |
薬事法(昭和35年法律第145号)に基づき実施される医薬品の臨床試験及び市販後調査については、同法に基づき、既に「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)」及び「医薬品の市販後調査の基準に関する省令(平成9年厚生省令第10号)」により規制されており、本指針の対象としない。薬事法の規定による医療用具の製造、輸入承認申請のために実施される臨床試験及び市販後調査についても同様である。 |
|
5) |
教育目的で実施される生物実習等、構造や機能が既知の遺伝子領域について実施される遺伝子構造解析実習で、実習目的以外には試料等や解析結果の利用が行われないものについては、本指針の対象としない。 |
|
6) |
教育目的で実施される生物実習等、構造や機能が既知の遺伝子領域について実施される遺伝子構造解析実習で、実習目的以外には試料等や解析結果の利用が行われないものについては、本指針の対象としない。ただし、これらの目的で遺伝子解析を行う場合においても、本指針の趣旨を踏まえた適切な対応が望まれる。 |
|
○ |
教育目的で実施される生物実習等、実習目的以外には試料等や解析結果の利用が行われないものについては、本指針の対象としないが、本指針の趣旨を踏まえた適切な対応を求めることを規定。 |
|
(4) |
遺伝情報
試料等を用いて実施されるヒトゲノム・遺伝子解析研究の過程を通じて得られ、又は既に試料等に付随している個人の遺伝的特徴や体質を示す情報をいう。 |
|
(4) |
遺伝情報
試料等を用いて実施されるヒトゲノム・遺伝子解析研究の過程を通じて得られ、又は既に試料等に付随している、子孫に受け継がれ得る情報で、個人の遺伝的特徴及び体質を示すものをいう。 |
|
○ |
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の過程を通じて得られる遺伝情報が、子孫に受け継がれ、個人の遺伝的特徴や体質を示すことを明確化。 |
|
(5) |
個人情報
個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。 |
<注1> |
死者について、その個人情報が法律上どのような理由に基づいて保護されるべきか議論がある。本指針においては、死者の人としての尊厳や遺族の感情及び遺伝情報が血縁者と共通していることを踏まえ、死者の個人情報も保護すべきと考えた。 |
<注2> |
代表的な個人情報には、人の氏名、生年月日、住所、電話番号のほか、患者1人1人に付された診療録番号等の符号を含む情報等が考えられるが、本指針にいう個人情報となるか否かは、具体的な状況に応じて個別に判断することとなる。 |
|
(「3保護すべき個人情報」で規定) |
○ |
個人情報に関する定義は、「第1基本的考え方3保護すべき個人情報」で整理。 |
|
(6) |
匿名化
ある人の個人情報が法令、本指針又は研究計画に反して外部に漏洩しないように、その個人情報から個人を識別する情報の全部又は一部を取り除き、代わりにその人と関わりのない符号又は番号を付すことをいう。試料等に付随する情報のうち、ある情報だけでは特定の人を識別できない情報であっても、各種の名簿等の他で入手できる情報と組み合わせることにより、その人を識別できる場合には、組合せに必要な情報の全部又は一部を取り除いて、その人が識別できないようにすることをいう。匿名化には、次に掲げるものがある。 |
|
(5) |
匿名化
ある人の個人情報が法令、本指針又は研究計画に反して外部に漏洩しないように、その個人情報から個人を識別する情報の全部又は一部を取り除き、代わりにその人と関わりのない符号又は番号を付すことをいう。試料等に付随する情報のうち、ある情報だけでは特定の人を識別できない情報であっても、各種の名簿等の他で入手できる情報と組み合わせることにより、その人を識別できる場合には、組合せに必要な情報の全部又は一部を取り除いて、その人が識別できないようにすることをいう。匿名化には、次に掲げるものがある。 |
|
|
a |
連結可能匿名化
必要な場合に個人を識別できるように、その人と新たに付された符号又は番号の対応表を残す方法による匿名化 |
|
a |
連結可能匿名化
必要な場合に個人を識別できるように、その人と新たに付された符号又は番号の対応表を残す方法による匿名化 |
|
b |
連結不可能匿名化
個人を識別できないように、上記aのような対応表を残さない方法による匿名化 |
|
b |
連結不可能匿名化
個人を識別できないように、上記aのような対応表を残さない方法による匿名化 |
|
(7) |
個人情報管理者
試料等の提供が行われる機関を含め、個人情報を取り扱う研究機関において、研究機関の長の指示を受け、提供者等の個人情報がその機関の外部に漏洩しないように個人情報を管理し、かつ、匿名化する責任者をいう。 |
|
(6) |
個人情報管理者
試料等の提供が行われる機関を含め、個人情報を取り扱う研究を行う機関において、研究を行う機関の長の指示を受け、提供者等の個人情報がその機関の外部に漏洩しないように個人情報を管理し、かつ、匿名化する責任者をいう。 |
|
|
(8) |
インフォームド・コンセント
試料等の提供を求められた人が、研究責任者から事前にヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する十分な説明を受け、その研究の意義、目的、方法、予測される結果や不利益等を理解し、自由意思に基づいて与える試料等の提供及び試料等の取扱いに関する同意をいう。本指針においては、文書によることが求められる。 |
|
(7) |
インフォームド・コンセント
試料等の提供を求められた人が、研究責任者から事前にヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する十分な説明を受け、その研究の意義、目的、方法、予測される結果や不利益等を理解し、自由意思に基づいて与える試料等の提供及び試料等の取扱いに関する同意をいう。本指針においては、文書によることが求められる。 |
|
|
(9) |
代諾者等
試料等の提供を求められた本人にインフォームド・コンセントを与える能力がない場合に、その人の代わりにインフォームド・コンセントを与える人をいう。提供者本人が死者である場合にあっては、遺族をいう。なお、遺族を含めずに使用する場合は、「代諾者」という。 |
|
(8) |
代諾者等
試料等の提供を求められた本人にインフォームド・コンセントを与える能力がない場合に、その人の代わりにインフォームド・コンセントを与える人をいう。提供者本人が死者である場合にあっては、遺族をいう。なお、遺族を含めずに使用する場合は、「代諾者」という。 |
|
|
<注> |
代諾者等は、あくまでも提供者の人権を守る観点から、その人の代わりに試料等の提供等に同意するかどうかを決める人であり、代諾者等自身の遺伝的問題については、別途の対応の考慮が必要である。 |
|
<注> |
代諾者等は、あくまでも提供者の人権を守る観点から、その人の代わりに試料等の提供等に同意するかどうかを決める人であり、代諾者等自身の遺伝的問題については、別途の対応の考慮が必要である。 |
|
(10) |
未成年者
婚姻をしていない満20歳未満の人をいう。 |
|
(9) |
未成年者
婚姻したことがない満20歳未満の人をいう。 |
|
|
(11) |
研究機関
ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する機関(試料等の提供が行われる機関を含む。)をいう。 |
|
(10) |
研究を行う機関
ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する機関(試料等の提供が行われる機関を含む。)をいう。 |
|
|
(12) |
試料等の提供が行われる機関
研究機関のうち、医療機関や保健所のように、人々から試料等の提供が行われる機関をいう。 |
|
(11) |
試料等の提供が行われる機関
研究機関のうち、医療機関や保健所のように、人々から試料等の提供が行われる機関をいう。また、大学等のように同一法人内に研究を行う部門と試料等の提供が行われる部門がある場合には、当該法人は試料等の提供が行われる機関にも該当する。 |
|
|
(13) |
共同研究機関
研究計画書に記載されたヒトゲノム・遺伝子解析研究を共同して行う大学を含む国公立又は民間の研究機関をいう。ある研究機関がその機関以外の試料等の提供が行われる機関から試料等の提供を受ける場合には、その試料等の提供が行われる機関を含む。 |
|
(12) |
共同研究機関
研究計画書に記載されたヒトゲノム・遺伝子解析研究を共同して行う大学を含む国公立又は民間の研究機関をいう。ある研究機関がその機関以外の試料等の提供が行われる機関から試料等の提供を受ける場合には、その試料等の提供が行われる機関を含む。 |
|
|
<共同研究機関間の個人情報の取扱いに関する細則>
|
個人情報を研究計画書に記載された共同研究機関間において共同で利用する場合には、その旨並びに共同で利用される個人情報の項目、利用する者の利用目的及び当該個人情報の管理について、あらかじめ、提供者に通知し、又は提供者が容易に知り得る状態置かなければならない |
|
○ |
個人情報保護法第23条第4項第3号を踏まえ、個人データを共同して使用する場合の要件を細則で規定 |
|
(14) |
外部の機関
所属する研究機関以外の研究機関等をいう。なお、試料等の提供が行われる機関がその機関内の別の部門において当該試料等を用いてヒトゲノム・遺伝子解析研究も実施する場合には、その研究部門は、外部の機関とみなす。 |
|
(13) |
外部の機関
所属する研究機関以外の研究機関等をいう。 |
|
○ |
法を踏まえ、個人情報の取扱い上、同一法人内を外部機関と見なすことはできないため削除。 |
|
(15) |
倫理審査委員会
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施の適否その他の事項について、提供者等の人権の保障等の倫理的観点とともに科学的観点を含めて調査審議するため、研究機関の長の諮問機関として置かれた合議制の機関をいう。 |
|
(14) |
倫理審査委員会
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施の適否その他の事項について、提供者等の人権の保障等の倫理的観点とともに科学的観点を含めて調査審議するため、研究を行う機関の諮問機関として置かれた合議制の機関をいう。 |
|
|
(16) |
研究者等
研究機関において、研究責任者、研究担当者(試料等の提供を受ける業務を行う者を含む。)、遺伝カウンセリングを実施する者、個人情報保護の業務を行う者、研究機関の長その他のヒトゲノム・遺伝子解析研究に携わる関係者をいう。 |
|
(15) |
研究者等
研究を行う機関において、研究責任者、研究担当者(試料等の提供を受ける業務を行う者を含む。)、遺伝カウンセリングを実施する者、個人情報保護の業務を行う者、研究を行う機関の長その他のヒトゲノム・遺伝子解析研究に携わる関係者をいう。 |
|
|
(17) |
研究責任者
個々の研究機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を遂行するとともに、その研究に係る業務を統括する者であって、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の有用性と限界及び生命倫理について十分な知識を有する研究者をいう。 |
|
(16) |
研究責任者
個々の研究を行う機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を遂行するとともに、その研究計画に係る業務を統括する者であって、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の有用性と限界及び生命倫理について十分な知識を有する研究者をいう。 |
|
|
(18) |
研究担当者
研究責任者の指示や委託に従ってヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する者であって、業務の内容に応じて必要な知識と技能を持つ研究者、医師、薬剤師、看護婦(士)、臨床検査技師等をいう。 |
|
(17) |
研究担当者
研究責任者の指示や委託に従ってヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する者であって、業務の内容に応じて必要な知識と技能を持つ研究者、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師等をいう。 |
|
|
(19) |
提供者
ヒトゲノム・遺伝子解析研究のための試料等を提供する人をいう。なお、提供者の家族、血縁者、代諾者等のように、提供者の遺伝情報に関わりがあると考えられる人を含める場合には、「提供者等」という。 |
|
(18) |
提供者
ヒトゲノム・遺伝子解析研究のための試料等を提供する人をいう。なお、提供者の家族、血縁者、代諾者等のように、提供者の遺伝情報に関わりがあると考えられる人を含める場合には、「提供者等」という。 |
|
|
(20) |
遺伝カウンセリング
遺伝医学に関する知識及びカウンセリングの技法を用いて、対話と情報提供を繰り返しながら、遺伝性疾患をめぐり生じ得る医学的又は心理的諸問題の解消又は緩和を目指し、支援し、又は援助することをいう。 |
|
(19) |
遺伝カウンセリング
遺伝医学に関する知識及びカウンセリングの技法を用いて、対話と情報提供を繰り返しながら、遺伝性疾患をめぐり生じ得る医学的又は心理的諸問題の解消又は緩和を目指し、支援し、又は援助することをいう。 |
|
|
(21) |
研究実施前提供試料等
研究機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に提供され、かつ、保存されている試料等をいう。試料等の提供時における同意の状況に応じて、次に掲げるものに分かれる。 |
|
(20) |
研究実施前提供試料等
研究を行う機関において、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に提供され、かつ、保存されている試料等をいう。試料等の提供時における同意の状況に応じて、次に掲げるものに分かれる。 |
|
|
a |
A群試料等
試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用を含む同意が与えられている試料等をいう。 |
|
a |
A群試料等
試料等の提供時に、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用を含む同意が与えられている試料等をいう。 |
|
b |
B群試料等
試料等の提供時に、「医学的研究に用いることに同意する」等のように、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用が明示されていない研究についての同意のみが与えられている試料等をいう。 |
|
b |
B群試料等
試料等の提供時に、「医学的研究に用いることに同意する」等のように、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における利用が明示されていない研究についての同意のみが与えられている試料等をいう。 |
|
c |
C群試料等
試料等の提供時に、研究に利用することの同意が与えられていない試料等をいう。 |
|
c |
C群試料等
試料等の提供時に、研究に利用することの同意が与えられていない試料等をいう。 |
|
(22) |
ヒト細胞・遺伝子・組織バンク提供されたヒトの細胞、遺伝子、組織等について、研究用資源として品質管理を実施して、不特定多数の研究者に分譲する非営利的事業をいう。 |
|
(21) |
ヒト細胞・遺伝子・組織バンク提供されたヒトの細胞、遺伝子、組織等について、研究用資源として品質管理を実施して、不特定多数の研究者に分譲する非営利的事業をいう。 |
|
|
第7 細則 |
16 細則 |
本指針に定めるもののほか、本指針の施行に関し必要な事項は、別に定める。 |
本指針に定めるもののほか、本指針の施行に関し必要な事項は、別に定める。 |
|
第8 施行期日 |
17 施行期 |
本指針は、平成13年4月1日から施行する。 |
本指針は、平成17年4月1日から施行する。 |
|