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需給見通し策定に当たっての基本的考え方(素案)


 需給見通し策定の必要性
 「看護職員の需給見通し」は、看護政策の方向を考える上で重要な基礎資料であること。

 現行の見通しは平成17年末までであること。

 今後の看護職員の計画的かつ安定的な確保を図るため、平成18年以降についても、引き続き需給見通しを策定する必要があること。



 策定の方法

(1)策定方針
 統一的な策定方針に沿って、各都道府県が算定した需要数・供給数の積み上げを基に、厚生労働省において、「第六次看護職員需給見通しに関する検討会」の検討結果を踏まえ、全国の需給見通しを策定する。

(2)需要数の算定方法
 看護職員の就業場所別に推計する。

(3)供給数の算定方法
 年当初就業者数+新卒就業者数+再就業者数−退職等による減少数

(4)見通し期間
 平成18年から22年までとする(5年間)。

(5)政策的要素
 国や各都道府県の医療政策の観点から、需要については、望ましいと考えられる事項を提示した上で、各医療機関等の判断を踏まえ把握することを基本とする。供給については、現状及び今後の動向を踏まえて把握するが、その際、一定の政策効果も加味する。

(6)調査期間
 各都道府県において、来年度から調査に着手し、9月末までに集計のうえ、厚生労働省に提出する。


 各都道府県の調査方法

(1)検討の場の設置
 各都道府県において、需給見通しに係る検討の場を設置(既存の審議会等の活用を含む)する。

(2)実態調査の実施
 需給見通しの積算に当たり、実態調査を実施する。

以下の施設については、全数調査を基本とする。



病院、有床診療所、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、
助産所、看護師等教育機関、保健所、市町村、その他行政機関




以下については、既存統計資料の活用又は抽出調査でも可とする。




無床診療所、介護保険関係施設・事業(介護療養型医療施設、
介護老人保健施設を除く)、社会福祉施設、
事業所(行政機関を除く)、学校





 抽出調査の場合は、統計的に適正な抽出率を用いて算出する。

(3)調査項目
 全国共通の調査項目を盛り込んだ標準的な雛形を基本とし、それに各都道府県が、地域の特性を考慮し、各都道府県の意向を踏まえた調査項目を追加する。
 各医療機関における看護職員の離職原因、今後の確保対策など、看護職員確保対策の参考となる情報についても適宜調査項目とする。


 需要数の推計

(1)前提とされる勤務条件等(労働時間、休業・休暇、夜勤、研修)

(1)労働時間
 週40時間労働・週休2日制を基本とする。
 過大な時間外勤務がある場合には、その削減を目指して、必要な増員を考慮する。

(2)産前・産後休業
 妊娠・出産した者全員が取得することを基本とする。
 休業した場合の代替職員の確保も考慮する。

(3)育児休業
 出産者全員が、子が1歳になるまでの休業を基本とする。
 公務員の育児休業期間の延長も踏まえる。
 育児・介護休業法の改正の動向も考慮する。
 休業した場合の代替職員の確保も考慮する。

(4)介護休業
 実情を踏まえ算定する。
 育児・介護休業法改正の動向も考慮する。
 休業した場合の代替職員の確保も考慮する。

(5)年次有給休暇
 法定休暇日数を消化することを基本とし、現状に対する改善を見込んで算定する。

(6)夜勤体制
 複数夜勤を原則とし、医療密度の高い一般病床の場合は、3人以上の夜勤体制をめざす。
 1人当たりの夜勤時間は、4週当たり64時間以内を基本とする。
 3交替の場合、1人月8日以内とする。
 2交替の場合、就労時間により適切な回数を考慮する。

(7)研修体制
 看護職員の研修に必要な人員(指導者、代替要員等)を適宜見込む。
 特に、新人看護職員研修については、新人看護職員研修指導指針・到達目標を踏まえ、適切な研修が行われるよう考慮する。

(8)短期労働者の取扱い
 短期労働者(パート、アルバイト等)については、勤務時間数を換算し、週40時間勤務者を1人として算定する。

(2)病院(介護療養型医療施設は除く。)

(1)病床数
 病床機能及び入院患者数の推移を考慮する。
 今後の医療計画見直しの動向を考慮する。
 精神病床のあり方の検討結果をできる限り反映させる。

(2)勤務場所の特性に対する配慮
病棟部門
 在院日数の短縮化による看護業務密度の高まりを見込む。
 ハイケアユニット入院医療管理料及び亜急性期入院医療管理料の導入等による需要の増加を考慮する。
 産科・産婦人科病棟においては、分娩件数を踏まえた助産師数を算定する。
 専門性の高い看護業務を担当する看護職員の配置を考慮する。

外来部門
 医療ニーズの高い外来患者の増加を考慮する。
 産科・産婦人科には、分娩件数を踏まえた助産師数を算定する。
 専門性の高い看護業務を担当する看護職員の配置を考慮する。

手術部門
 手術台1台につき、3人以上を配置する。

中央材料部門
 1人以上配置する。

特殊診療部門
 ICU、CCU1床につき、1人以上を配置する。

訪問看護部門
 在宅療養の増加、在宅ケアの推進を見込む。

看護管理部門
 看護職員数に応じて、労務管理・研修企画などのマネージメント機能の強化を見込む。

病院管理部門
 病床規模に応じて、リスクマネージャー及び感染管理担当者の配置など医療安全のための体制確保を考慮する。
 退院調整ナースの配置など地域医療連携を図るための体制の確保を考慮する。

(3)診療所(介護療養型医療施設は除く。)
有床診療所
 現状及び今後の動向を踏まえて算出する。
 特に、産科診療所においては、分娩件数を踏まえ、助産師数を見込む。

無床診療所
 現状及び今後の動向を踏まえて算出する。

(4)助産所
 現状及び今後の動向を踏まえて算出する。

(5)訪問看護ステーション
 精神保健対策の検討結果をはじめ、医療ニーズの高い在宅療養者の増加と今後の需要状況を考慮する。
 ゴールドプラン21以後の介護サービス基盤整備のあり方を踏まえた介護保険事業支援計画の見直しを考慮する。
 介護保険制度の見直し結果について考慮する。

(6)介護保険関係(訪問看護ステーションを除く。)
 ゴールドプラン21以後の介護サービス基盤整備のあり方を踏まえた介護保険事業支援計画の見直しを考慮する。
 介護保険制度の見直し結果について考慮する。

(1)介護療養型医療施設

(2)介護老人保健施設

(3)介護老人福祉施設
入所者の状態に応じ、夜間配置についても考慮する。

(4)居宅サービス



デイサービス、デイケア、ショートステイ、グループホーム、
ケアハウス、在宅介護支援センター等




(7)社会福祉施設(介護老人福祉施設以外)



児童福祉施設、知的障害者援護施設、
精神障害者社会復帰施設、身体障害者更生援護施設等




 現状及び今後の動向を踏まえて算出する。

(8)看護師等教育機関
 看護師等学校養成所の新設・廃止等の状況を考慮する。

(9)保健所・市町村
 現状及び今後の動向を踏まえて算出する。
 健康増進法の施行等に伴う需要の増加を考慮する。

(10)事業所、学校等
 現状及び今後の動向を踏まえて算出する。
 盲・聾・養護学校に1名以上の配置を基本とする。
 健康増進法の施行等に伴う需要の増加を考慮する。


 供給数の推計

(1)新卒就業者数
 学校養成所の新設、廃止等の予定、学生・生徒の入卒状況、進学、就業動向を考慮する。
 新卒者の域外流出・流入については、厚生労働省から提示する入学卒業状況調査結果を考慮する。

(2)再就業者数
 実態調査及びナースバンク等を通じて把握した再就業者数の現状及び今後の動向を踏まえて算出する。
 潜在看護師(約55万人)の活用を図る。
 セカンドキャリア(定年や早期に退職したベテラン看護師がそれまでの経験を活かして医療、福祉・介護、地域活動分野等に就業)の活用についても考慮する。

(3)退職等による減少数
 退職、他の都道府県への移動等による減少を考慮する。
 就業を継続できるような諸施策(次世代育成支援、医療安全の推進、再雇用制度、定年延長等)の効果を見込む。


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