04/09/02 第12回社会保障審議会年金数理部会議事録                   第12回               社会保障審議会年金数理部会               平成16年9月2日(木)                 厚生労働省年金局 時間  :平成16年9月2日(木)14:00〜15:56 場所  :富国生命ビル28階会議室 出席委員:  堀部会長、都村部会長代理、栗林委員、近藤委員、田村委員、林委員、山ア委員  議事次第   平成14年度財政状況について    −国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度− 開会 ○田村首席年金数理官  それでは、定刻になりましたので、ただいまより第12回社会保障審議会年金数理部会 を開催させていただきます。  審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。座席図、議事次第 のほか、次のとおりでございます。  資料1は「平成14年度財政状況−国家公務員共済組合−」です。  資料2は「平成14年度財政状況−地方公務員共済組合−」です。  資料3は「平成14年度財政状況−私立学校教職員共済制度−」です。  配付資料は、以上でございます。  次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、宮島委員、渡辺委 員が御都合により御欠席とのことでございます。御出席いただきました委員の方が3分 の1を超えておりますので、会議は成立していることを御報告申し上げます。  なお、審議官は本日、都合により遅れて参るということになっております。  それでは、以降の進行につきましては、堀部会長にお願い申し上げます。 ○堀部会長  月曜日に引き続きまして、御足労いただきましてありがとうございます。  本日の議題は、お手元の議事次第にありますように、国家公務員共済組合、地方公務 員共済組合、私立学校教職員共済制度の平成14年度の財政状況につきまして、報告をお 願いするということでございます。そのために、財務省から松村参事官、総務省から佐 々木課長、それから、文部科学省から伊藤室長に御出席をいただいております。どうも ありがとうございます。  それでは、議題の国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制 度の平成14年度財政状況についての議事に入りたいと思います。  それでは、初めに、国家公務員共済組合の財政状況について報告をお願いしたいと思 います。よろしくお願いします。 議題 平成14年度財政状況について−国家公務員共済組合− ○松村参事官  財務省の共済担当参事官をしております松村でございます。どうぞよろしくお願いい たします。本日は、国家公務員共済組合連合会からも担当者を同席させております。  それでは、お手元の資料に沿いまして、国家公務員共済組合の財政状況について順 次、御説明を申し上げます。  1ページ目ですけれども、国家公務員共済の収支状況について、直近5年間の推移を 記載しております。国共済では、簿価ベースでの会計処理が行われているところでござ いますが、今回の報告では当部会からのお求めにより、幾つかの項目につきましては、 参考として時価ベースの数値も記載しております。平成10年度までさかのぼって記載し ております。  平成14年度について御説明申し上げます。右から2番目の欄でございます。  まず、収入でございますが、収入総額は2兆0,956億円となっており、前年度に比べ161 億円、0.8%の減少となっております。時価ベースの収入総額は2兆0,625億円となって おります。ここで言う時価ベースの収入総額とは、従来の収入総額に当該年度末の積立 金の評価損益を加え、前年度末の積立金の評価損益を除いた、前年度と今年度で差引き をしたものを加えているということでございます。  収入の内訳ごとに見ていきますと、保険料収入は1兆0,130億円となっており、前年度 に比べ122億円、1.2%の減少となっておりますが、これは標準報酬総額の伸びがマイナ ス1.0%となったことが要因になっております。  国庫負担・公経済負担は1,372億円となっており、前年度に比べ25億円、1.8%の増加 となっております。  それから、追加費用は5,326億円となっており、前年度に比べ74億円、1.4%の減少と なっております。  運用収入は2,169億円となっており、対前年度で65億円、3.1%の増加となってござい ます。  なお、有価証券売却損等を除いた正味の運用収入は2,088億円。更に、そこから評価 損益を加味したベースでの運用収入をとりますと1,757億円ということになっておりま す。  それから、基礎年金交付金は1,935億円、その他の雑収入などで23億円ということに なっております。  次に、支出でございますが、支出総額は2兆0,709億円となっており、前年対比で141 億円、0.7%の増加でございます。  内訳を見てまいりますと、給付費は1兆6,852億円、前年対比で15億円、0.1%の減少 となっております。  基礎年金拠出金は3,719億円となっており、前年対比で111億円、3.1%の増加となっ ております。大きな伸びとなっておりますのは、高齢化に従い基礎年金給付が増加して いることによるものと考えられます。  それから、旧JR、JT両共済に対しての支援金である年金保険者拠出金は22億円、 前年対比で3億円、11%の減少となっております。  その他の支出で有価証券の売却損ですとか、あるいは保険料や消費税などございます が、115億円となっております。  収入・支出合わせまして収支残は247億円となり、その結果、年度末積立金は8兆6,747 億円となってございます。また、時価ベースの収支残ではマイナス84億円、時価ベース での年度末積立金は8兆6,986億円ということになっております。  2ページ目は、平成14年度の収支状況を概略図で示しておりますが、説明は省略させ ていただきます。  次に、給付状況、3ページでございます。ここから6ページに掛けまして、受給権者 数、年金総額、平均年金額、平均加入期間について、直近5年分を表にしております。  平成14年度末の国共済の受給権者数は、3ページの右から2番目の一番上の欄にござ いますように、合計で90万6,000人となっておりまして、前年対比で2万3,000人、2.6% 増加ということになっております。受給権者数の内訳では、退年相当が61万人、通退相 当が4万9,000人、障害年金が1万3,000人、遺族年金23万4,000人となっております。  年金総額につきましては、1つ下の欄になりますが、合計で1兆7,656億円となってお りまして、前年度に比べ122億円、0.7%の増加となっております。その内訳は、退年相 当が1兆3,794億円などになっております。  それから、4ページに移りまして、上の表は退職給付につきまして減額、増額、支給 別に表したものでございます。共済年金には増額支給はございませんので、増額支給の 欄はすべて空欄となっております。減額支給となっているものは、平成14年度で13万 1,000人、その年金総額は2,499億円となってございます。  それから、4ページの下の方の表でございますが、退職年金の受給権者に係る平均年 金月額及び平均加入期間でございます。平成14年度末現在の平均年金月額は、男女合計 で18万8,413円となっております。前年に比べまして2,954円の減少となっております。 この年金額には職域、それから、追加費用期間に掛かる部分も含んだ額でございます。 この平均年金月額が減少している要因といたしましては、新規に裁定されるものは昭和 60年改正の経過措置により、生まれた年度によりまして給付乗率や定額単価が年々下が っているということ、それから、平均組合員期間が余り伸びていないこと、それから、 プラスの年金スライドが行われなかったことなどが考えられるわけでございます。  この新共済法による退職共済年金では、65歳に達して本来の退職共済年金となって、 そうなりますと、社会保険庁から老齢基礎年金が支給されますけれども、この平均年金 月額には老齢基礎年金は含まれておりません。そこで、厚生労働省からいただいた基礎 年金額を含めて平均年金月額を計算したものが、この4ページの下の表の右から2段目 の上から4つ目のところでございますが、21万6,062円という数字でございます。前年 度に比べ996円の減少となってございます。平均加入期間は417月、更に2つ下の欄でご ざいます。34年9か月ということでございます。  5ページでございますが、これは、ただいま御説明しました男女合計の平均年金月額 及び平均加入期間につきまして男女別にしたものでございまして、省略をさせていただ きます。平成11年3月末のところは、男女が分けられないものですから、空欄になって おります。  6ページでございます。組合員期間が20年以上の新規裁定者について表章したもので ございます。平成14年度の男女合計の平均年金月額は、右上の方でございますが、15万 4,142円、平均加入期間は431月となっております。  この表で1行目の欄をごらんいただきますと、平成13年3月末と平成14年3月末との 間で21万から16万と金額で段差ができているわけでございますが、60歳の退職共済年金 の新規裁定者の年金額は、平成13年度における定額部分の支給開始年齢の61歳への引上 げで、報酬比例部分のみということになりましたので、平成13年度において、この平均 年金月額が大幅に減っている、段差ができているというわけでございます。  7ページに移らせていただきます。退年相当受給権者の給付状況を、今度は年齢別に お示ししたものでございます。前回の御報告から新たに作成し始めたものですので、平 成13年度末の状況から記入してございます。大変細かい表で恐縮でございますが、右か ら3行目で、上から実線の枠で3段目の中ほど、定額部分で1万2,727円という数字がご らんいただけるかと思います。ここで見てもおわかりになるとおり、平成13年度以降60 歳となる者は、ほとんどが定額部分がない受給権者でございますので、他の年齢の特別 支給の受給権者、例えば、もう一つの下の太枠の中の定額部分ですと、6万9,000円何が しということでございますが、こうしたものと比べて低い年金額となっているわけでご ざいます。  なお、1つ上の枠で定額部分3万8,918円というものがございますけれども、60歳未満 で定額部分がある受給権者がいるのは、60歳前に既に裁定されている受給権者がいるた めでございます。  8ページ、9ページは、ただいまの表を男女別に分けたものでございますので、省略 をさせていただきます。  10ページでございます。退年相当の受給権者数について、年齢階級別の分布状況を表 したものでございます。構成割合で見ていただきますと、男女ともに70歳以上75歳未満 の階級が最も多く、次いで65歳以上70歳未満、60歳以上65歳未満の順に多くなっており ます。平均年齢、一番下の欄ですけれども、男子71.4歳、女子72歳、男女合計で71.5歳 ということになっております。  次に、組合員の状況でございまして、11から15ページまでにまとめてございます。11 ページにございます組合員の平均年齢及び標準報酬の平均、それから、12から15ページ の統計表につきましては、従来は2割抽出での統計で算出してきたところでございます けれども、標準報酬の平均及び15ページにございますが、標準報酬月額等級の分布につ きましては、平成14年度末から2割抽出ではなく全数による統計がとれるようになりま したので、これに基づいて今回はお出ししてございます。  平成15年3月末の組合員数は右から2番目の欄にございますように、110万2,000人と なっており、前年対比で8,000人、0.7%の減少となっております。男女別では、男子が 90万5,000人、女子が19万7,000人となっており、全体の8割以上を男子組合員で占めて おりますが、その比率といたしましては年々徐々にではありますが、男子の比率が低下 してきております。  真ん中の行で組合員の平均年齢でございますが、男女合わせて39.7歳、前年度に比べ 0.2歳上昇しております。男女別では男子が40.2歳、女子が36.9歳となっておりまして、 前年度に比べ男子が0.1歳の上昇となっております。また、男女の年齢差は3.3歳となっ ておりまして、前年度より0.1歳広がっております。  それから、その下の標準報酬の平均でございますが、平成14年度末40万6,373円とな っておりまして、前年対比5,858円、1.4%の減少となっております。平成14年度の人事 院勧告により報酬月額の引下げが行われておりますが、それが大きく影響しているもの と思われます。また、男女別で見ますと、男子が41万8,791円、女子が34万9,385円とな っており、前年度と比較してそれぞれ1.4%、1.9%の減少となっております。  その下、標準報酬の年度間累計では5兆4,065億円となっておりまして、前年度と比較 すると519億円、1.0%の減少となってございます。  次のページは年齢階級別、加入期間階級別のクロス表で見た組合員数の分布でござい ます。まず、年齢階級別分布状況を構成割合で見ていただきますと、男女合計では25歳 以上から55歳未満までの6つの年齢階級に、一番右の割合というところですけれども、 大体12から15%台で、ほぼ一様に各階級に分布しているわけでございます。  それから、男女の内訳が次のページにございますが、男子では今の傾向が一層進んで おりまして、右の割合のところで見ていただきますと、25から55歳の階級に、ほぼ一様 に12から14%ぐらいで分布をしております。  14ページで同じく女子を見ていただきますと、若干状況が異なっておりまして、一番 右の割合のところですが、25歳以上30歳未満が22.2%と最も多くて、次に30歳以上35歳 未満が19.5%となっておりまして、25歳以上から40歳未満までの3階級で5割を超えて いるという状況でございます。  それから、13ページにもう一度お戻りいただきまして、今度は加入期間階級別分布状 況の構成割合を見ていただきますと、今度は一番下の割合のところでございます。男子 では35年未満までの各階級に、ほぼ一様して分布しております。  一方、14ページでございますが、女子の方は20年未満までに集中しているということ で、この20年未満までの階級で全体の70%強を占めているということでございます。  また、男女とも対角線上のところに組合員数が集中していることから、ほとんどの者 が就職してからずっと継続して勤続しているものと思われます。  15ページは標準報酬月額による分布でございます。男性では、標準報酬月額最高の62 万円のところに割合では11%と最も多く分布しており、その次には50万円に8%となっ ております。そして、50万円から標準報酬月額が下がるに従い、なだらかに割合も減少 するように分布しております。  一方、女性では標準報酬月額41万円のところが8.3%のシェアということで最も多い 階級になっております。男子より若干低い位置に分布のピークがあるということでござ います。  16ページからが積立金の運用状況でございます。16ページは年金資産の構成について お示ししたものでございます。今回の御報告より、すべての項目について時価ベースの 金額及び構成割合をお示しするよう様式の変更が行われましたので、これに従って表を 作成しておりますが、すべての項目について時価による評価替えが行われているわけで ありませんので、そのような項目につきましては、簿価と同額で提示してございます。 具体的には、16ページの左の区分のところで「有価証券等」となっているところにつき まして、時価表示をしているわけでございます。  資産構成は、この表の区分のところに示してあるようなものでございます。現金・預 金等の流動資産は簿価ベースで2,329億円、固定資産は8兆4,471億円となってございま す。その固定資産の内訳は、預託金が4兆3,013億円、有価証券等が2兆6,644億円、組合 や福祉経理で貸し付けている貸付金が1兆1,420億円などとなっております。  有価証券等は、包括信託と有価証券とに分けられております。包括信託は1兆1,493億 円、有価証券は1兆5,150億円となっております。有価証券の中で最も多いのが国内債券 で、1兆2,263億円。そのほか外国債券、有価証券信託となってございます。  構成割合で申し上げますと、この中では固定資産の中の預託金が49.6%と資産構成で 最も高い割合を占めております。それから、包括信託が13.3%、有価証券が17.4%、貸 付金は13.2%などとなってございます。  17ページ以降の表は、実績と平成11年財政再計算に基づく将来見通しとの比較をいた しております。平成11年財政再計算については、将来組合員数については厚生年金被保 険者数と同様の傾向で推移するという前提を置き、基礎年金の国庫負担については3分 の1として行ったケースのものを使用しております。  17ページは、収支状況についての比較表でございます。平成14年度の実績の額につき ましては、1ページ目の収支状況に掲示して御説明したものと同じでございます。ま ず、保険料についてですが、将来見通しが1兆0,534億円となっているのに対しまして実 績は1兆0,130億円となっておりまして、組合員数や賃金上昇率の違い、下の主な要因の ところに書いてございますが、それらの違いにより乖離が生じていると思われます。  運用収益は将来見通しが3,393億円となっているのに対しまして、実績は2,169億円と なっております。運用利回りの差、実績が2.45%で財政再計算の前提が4.0%でござい ますので、その差が要因となっております。  それから、支出の方で給付費は将来見通しが1兆7,363億円となっているのに対しまし て、実績は1兆6,852億円となっております。年金改定率の差が乖離の要因と考えられま す。  18ページ目は、組合員数及び受給者数についての比較でございます。なお、脱退者数 につきましては、下の統計調査の方法に記載してありますように、抽出調査により算出 したものでございます。また、新規加入者数のところは、組合員数と脱退者数から逆算 の形で算出しております。  平成14年度末の組合員数は、将来見通しが112万2,000人となっているのに対しまし て、実績は110万2,000人となっております。定員削減などにより差が生じているものと 考えられます。  受給者数につきましては、将来見通しが90万6,000人となっているのに対しまして、 実績は87万9,000人となっております。将来見通しと比べて2万7,000人実績が少ない結 果となっております。  下の欄になりますが、新規加入者数及び脱退者数につきましては、将来見通しでは新 規加入者、脱退者とも5万3,000人となっているのに対しまして、実績は新規加入者数が 4万5,000人、脱退者数が5万4,000人となっております。  また、新規裁定者数及び失権者数の実績は、それぞれ3万7,000人、2万4,000人となっ ておりますが、将来見通しはこれらの数を出力して把握することができないため、空欄 とさせていただいております。  年金種別ごとの年金受給に関しましては、それぞれの表に記載しているとおりでござ います。  19ページ以降は、財政指標につきまして実績と財政再計算結果についての比較を示し たものでございます。19ページ目は、年金扶養比率についてでございます。マル1のと ころの組合員数をマル2の受給権者数で割ったものでございます。  平成14年度の年金扶養比率は、上の表の一番左下の欄にございますように、1.81とな っており、前年度に比べ0.04低下しております。また、追加費用を考慮した、これは追 加費用を除いて保険料部分を言わば取り出したものとなりますが、補正した年金扶養比 率は2.53となっており、前年度に比べ0.08低下となっております。  それから、括弧内には受給権者ではなく、受給者による年金扶養比率を計算しており まして、年金扶養比率1.85、補正した年金扶養比率で2.60となっております。再計算で は受給者の方で年金扶養比率などを作成しておりますので、こちらと比較することが適 当かと考えております。  平成11年財政再計算結果によりますと、平成14年度の年金扶養比率は、下の表の左、 14年度のところでございますが1.96、補正した年金扶養比率は2.70と推定しておりま す。それぞれ実績に比べ0.11、それから0.1、それぞれ高くなっております。  20ページは総合費用率についてです。総合費用率は保険料で賄うべき支出を報酬総額 で割ったものでございます。平成14年度の総合費用率の実績は、上の表の一番左下の欄 にありますように22.12となっておりまして、前年度に比べ0.58上昇しております。  一方、平成11年財政再計算結果による平成14年度の総合費用率は、下の表の左の中ほ どですが22.58と推計しており、実績に比べ0.46高くなっております。この実績と将来 推計との乖離の原因としては、年金改定率の差、それから、組合員数や賃金上昇率の差 に伴う標準報酬総額の差によるものと考えております。  なお、今回から賃金上昇率は注3にありますとおり、年齢構成の変化の影響を除いた 形で計算したものとなっております。  21ページ目は、この指標を今度は厚生年金相当部分に係るもので取り出したものでご ざいます。厚生年金相当部分に係る総合費用率、それから、23ページ目に、今度は厚生 年金相当部分に係る独自給付費用率というものがそれぞれ出ておりまして、これらは前 回のヒアリングから報告を求められているものでございますが、職域を除いた追加費用 分をどう推計するかということにつきまして、今回、算出方法の変更の御指示をいただ きましたので、推計のやり方を期間按分ではなく給付費按分に変更したわけでございま す。ただし、当初、個々の受給者について追加費用分を除いた厚年相当給付費を算出し て、それを積み上げる方式で進めようとしておりましたけれども、本年は御承知のとお り財政再計算の時期に当たっているということもあり、再計算の準備作業と並行して、 新たなデータの作成や集計プログラムの開発まで行うというのが、連合会の方の事務負 担としても相当厳しいということにもなってきたものですから、恐縮ではございます が、今回は地共済に御指示のありました、やや簡便な方法で当方も算出させていただい ております。つまり、積み上げではなくマクロ的にまず職域相当給付費を除いて、次に 職域部分を除いた追加費用を除くという方法で算出いたしておりますが、この点は来年 に向け、より精度の高い算出方法になるよう、更に検討したいと思っております。  21ページの平成14年度の実績による推計値、上の表の左下でございますが、20.47と なっております。また、平成11年財政再計算による平成14年度の推計値は、下の表の真 ん中21.39となってございます。  22ページは、独自給付費用率でございまして、ただいまの総合費用率から基礎年金拠 出金に係る部分を除いたものでございます。平成14年度の独自給付費用率の実績は、上 の表の一番左下にありますように17.54となっておりまして、前年対比で0.4ほど上昇し ております。また、平成11年財政再計算結果での数字は、左下の表の中ほどで17.89と 推計しておりまして、この乖離の要因もスライドの差によるもの、それから、標準報酬 総額の差によるものと考えております。  23ページは厚生年金相当部分に係る独自給付費用率ということで、二階建ての部分を 取り出しております。先ほどの21ページ目と同じ厚生年金相当給付費を用いて算出して おります。実績による推計値は、上の表の左下で15.89、再計算による推計値では、下 の表の中ほどで16.70ということになっております。  24ページ、収支比率でございます。保険料で賄うべき支出を保険料の収入と運用収入 の合計で割った比率でございます。平成14年度の実績は97.24、それに対しまして再計 算結果によります収支比率は90.87と推計しております。  最後に25ページ、積立比率でございます。前年度末の積立金を保険料で賄うべき支出 で割った比率でございます。実績でごらんいただきますと7.23、前年度に比べ0.08低下 しております。一方で、再計算結果による推計値ですけれども、平成14年度で6.79とい う推計になってございます。  私の方からの御説明は以上でございます。 ○堀部会長  どうもありがとうございました。  それでは、御質問があればお願いいたします。 ○都村部会長代理  17ページ以降の実績と財政再計算における将来見通しとの比較についてお尋ねしま す。年金扶養比率、それから、総合費用率、独自給付費用率は、実績と財政再計算結果 に大きな乖離はないですね。収支比率と積立比率の方は実績がやや高くなっています。 実績と再計算結果との比較結果から、平成16年の財政再計算で前提等を変更された点が あるのかどうか、それをお尋ねしたいというのが第1点です。  それから、もう一つは、他の制度に比べまして、御説明にもありましたように、国共 済の場合は男性の組合員数が多く、女性が非常に少なくて17.9%です。この点について 将来見通しを推計する際に、何か特別の考慮をしておられるのでしょうか。例えば、国 共済では、遺族年金の受給権者が全体の4分の1で非常に多いようです。遺族年金のウ ェートを高くするとか、何か将来見通しを推計される場合に影響があるのかどうか、そ の2点についてお尋ねいたします。 ○江田年金企画部長  連合会の江田年金企画部長でございます。  まず、1点目の再計算でございますけれども、これは指示が来ているとおりやってい ますけれども、厚生年金と同じ経済前提でやっておりますので、この実績を反映して再 計算上、特に違ったことを織り込んでいるということはございません。ございません が、先ほどの収支比率のところで違っていましたのは、恐らく運用収入が大きく効いて いるのだろうと思います。運用収入が今回の再計算上は3.2%でございますけれども、 従前は4%でございましたので、実績上は少し下回っておりますけれども、これが分母 の方が大きくなりますので、そういうことで実績と再計算の乖離が起きているのだろう と思います。  それから、もう一点、男女の比率について御質問がございましたが、勿論、国共済の 場合に男女で保険料率に差があるわけではありませんし、それから、給付の方も全く同 様でございますので、特にウェートが違うということを再計算で織り込んでいるわけで はございません。 ○堀部会長  よろしいですか。ほかにはどうでしょうか。  16ページの積立金の運用状況なのですが、この時価評価の方法は前回報告があった厚 生年金、国民年金と違うところはあるのでしょうか。厚生年金、国民年金については財 投債という費目があったように記憶しているのですが、これはないのでしょうか。 ○下島共済計理官  財務省の共済計理官でございます。  財投債につきましては、国共済では市場運用の中で購入することがあるという程度の 扱いというふうに伺っております。 ○堀部会長  そうすると、費目としては国内債券とかそういうところに入るのですか。 ○下島共済計理官  そういう中に入っておるということでございます。 ○堀部会長  わかりました。  あと前者の時価評価の厚生年金との違いというのは、何かあるのでしょうか。 ○下島共済計理官  基本的には、市場の中で運用しているものについては、市場価格というものが時価評 価になるということでございます。 ○堀部会長  ほかは、いかがでしょうか。  それでは、よろしければ次にまいりたいと思います。どうもありがとうございまし た。お忙しいところ大変ありがとうございました。退席しても結構でございます。  それでは、地方公務員共済組合の平成14年度の財政状況についての報告をお願いした いと思います。 議題 平成14年度財政状況について−地方公務員共済組合− ○佐々木福利課長  総務省福利課長の佐々木でございます。よろしくお願いいたします。  それでは、地方公務員共済組合の平成14年度財政状況の概要につきまして、私の方か ら資料に沿って御説明を申し上げますが、本日、地方公務員共済組合連合会の方からも 担当者が同席をいたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。  まず、資料の1ページ目の収支状況でございます。地共済の収支状況につきまして、 過去5年間の推移を記載したものでございます。一番右の平成14年度の御説明をいたし ますが、まず収入でございます。保険料が2兆9,656億円で、前年度に比べ201億円、0.7 %の減少となっております。  また、公的負担が3,440億円で、前年度に比べ66億円、1.9%の減少となっておりま す。  追加費用が1兆4,139億円で、前年度に比べ433億円、3%の減少となっております。  利息及び配当金が6,764億円で、前年度に比べまして1,011億円、13%と大きく減少い たしております。これは平成14年度の運用利回りが、一番下の方にもございますが、 1.77%と平成13年度の2.05%と比べて0.28ポイント下がったのが原因でございます。  戻っていただきまして、基礎年金交付金が4,249億円で、前年度に比べ296億円、6.5 %の減少となっております。  その他の187億円を合わせまして、一番上の欄の収入総額が5兆8,435億円、前年度に 比べまして1,950億円、3.2%の減少となっております。  次に、支出でございます。給付費が4兆2,298億円で、前年度に比べ293億円、0.7%の 増加となっております。  基礎年金拠出金は1兆0,108億円で、前年度に比べ247億円、2.5%の増加となっており ます。  飛びまして年金保険者拠出金が198億円で、前年度に比べまして37億円、15.9%の減 少となっております。  その他の441億円を合わせまして支出総額で5兆3,044億円、前年度に比べまして418億 円、0.8%の増加となっております。  その結果、収支残が5,391億円、前年度に比べて2,369億円の減少となっております。  それから、一番下の方の年度末積立金37兆4,658億円となっておりまして、先ほど申 し上げましたが、積立金運用利回りが1.77%と前年度を0.28ポイント下回っておりま す。  この財政状況の概要でございますけれども、本年度から時価ベースによる報告を求め られているところでございますが、昨年のこの場でも御説明をしたと思いますが、地共 済におきましては平成14年度の資産状況から時価評価を行うこととしておるところでご ざいます。したがいまして、本年度の御報告の様式につきましては、平成14年度末の年 度末積立金について時価ベースの額36兆5,720億円を記載いたしておりますが、その他 の時価ベースの運用収入でありますとか、収支残あるいは運用利回りなどにつきまして は、前年度の積立金の時価ベースの数字がございませんので記載ができない状況でござ います。これらの点につきましては、来年度から数字が入ってくるものと考えていると ころでございます。  次に、2ページはただいまの収支状況を図式化したものでございますので、説明は省 略させていただきます。  3ページから給付状況でございます。平成14年度末の欄でございますが、地共済の受 給権者数が右から2番目の一番上の欄でございますが、退年相当が147万1,000人、通退 相当が11万7,000人、障害年金が3万4,000人、遺族年金が48万8,000人、合計で210万 9,000人となっておりまして、前年度に比べ6万1,000人、3%の増加でございます。  また、年金総額ですが、退年相当給付が3兆5,810億円、以下ごらんのような額となっ ておりまして、合計4兆4,435億円で、前年度に比べまして646億円、1.5%の増加でござ います。  4ページの上の方の表が、減額・増額別でございますが、国共の方でも御説明があり ましたが、共済年金は増額支給がございませんので増額の部分は空欄でございます。減 額となっております受給者は平成14年度で7万3,000人で、その年金総額は退年相当給付 の1,379億円となっております。  同じ4ページの下の表でございますが、退職年金平均年金月額が平成14年度の欄で20 万2,839円、前年度比3,266円、1.58%の減少となっております。  3段下を見ていただきますと、そこに基礎年金を含めた平均年金月額を計算いたして おりまして、これが2万3,0953円となりまして、前年度比1,380円、0.59%の減少となっ ております。  そこからまた1つ飛んでいただきまして、退職年金の平均加入期間でございますが 411月、34年と3月となっております。  また、次の通退相当では、老齢基礎年金を含めずに計算をしました平均年金月額は 5万0,388円となっておりまして、一番下にあります平均加入期間は133月、11年1月と なっております。  次に、5ページは今、御説明を申し上げました男女計の平均年金月額、また、平均加 入期間についてそれぞれ男女別に表したものでございますので、6ページの一番上のと ころに移らせていただきたいと思いますが、加入期間20年以上の新規裁定に係ります退 職年金平均年金月額、これが平成14年度の欄で16万7,067円、前年度比1万1,212円、率 で6.29%の減少となっております。  そこから3つほど下の退職年金平均加入期間が425月、35年と5月になっております。  以下は、男性、女性に分けた資料でございます。  次に、7ページでございますが、退年相当につきまして支給区分別、年齢別に表した ものでございます。数字が細かくなっておりますが、平成14年度末、一番右から2番目 の平成15年3月末の欄でございますが、そこのところをずっと下に行っていただきまし て、60歳の平均年金月額が14万8,434円となっております。これに対しまして、幾つか 下の61歳の欄が21万6,138円となっております。先ほど国共の方でも御説明がございま したが、平成13年度から定額部分の支給開始年齢が61歳に引き上げられたことによる違 いが、こういったところに出てきておるところでございます。  8ページ、9ページはそれぞれこれを男性、女性に分けた資料でございますので、説 明は省略とさせていただきたいと思います。  10ページは退年相当の受給権者につきまして、年齢階級別にお示しをしたものでござ います。男女ともに70から74歳の階級が一番多くなっております。次いで65から69歳、 その次に60から64歳という順番になっております。男女合計の数字で言いますと、この 3階級で67.4%を占めております。平均年齢は、男女とも71.3歳になっております。  次に、11ページから組合員の状況でございます。まず、組合員数でございますが、平 成14年度末318万1,000人で、平成13年度に比べまして2万6,000人、率で0.8%の減少で ございます。  男性と女性の比率でございますけれども、地共済の場合は大体男性2に対して女性1 の割合になっておるところでございます。  また、平均年齢は男性が43.8歳、女性が41.4歳、全体で42.9歳で、平成13年度に比べ まして男女合計で0.2歳上昇をいたしております。  また、平均給料月額ですが、36万5,464円となっております。男性、女性の平均はそ れほど大きくは変わらないわけですが、女性の方が若干低くなっております。これは女 性の平均年齢が41.4歳でございまして、男性の平均年齢よりも2歳余り低くなっている ためと考えられます。  給料総額の年度間累計は、本俸ベースで14兆0,389億円となっておりまして、前年度 と比較して759億円の減となっております。  なお、その下の欄に標準報酬ベースに換算いたしました数字を記載しておりまして、 標準報酬ベースに換算いたしますと17兆5,486億円となっておりまして、前年度と比較 して949億円の減となっております。  次に、12ページは年齢階級別、加入期間別のクロス表で見た組合員数でございます。 右側の合計のところを見ていただきますと、40から45歳未満のところに45万6,000人、 45から50歳未満のところに52万8,000人、50から55歳未満のところにおよそ55万7,000人 と、大体40から55歳未満のところに組合員が集中をしておりまして、この3つの階級で 全体の48.5%を占めております。  一方、もう少し若い年代でございますが、20歳代、20から25、25から30、この2つを 合わせまして12.4%。30歳代のこの2つを合わせまして24.9%という内訳になっており ます。  また、12ページの表頭の方の組合員期間別で見ていきますと、20から25年未満の間に 全体の15.4%が集中し、また、25から30年未満に15.1%ということで、20から30年のと ころに集中しているところでございます。  13ページと14ページは、それを男女別に区分したものでございます。  次に、15ページでございますが、給料月額の分布でございます。地方公務員共済組合 の場合は本俸制でございまして、標準報酬制を採用いたしておりませんで、従来から基 本給の1万円単位の数字で提出いたしております。  平均月額でございますが、先ほどもございましたが、一番下にあります男性が37万 5,000円程度、女性が34万9,000円程度になっておりまして、男女合わせて約36万5,000 円という数字になっております。  分布といたしましては、男性でちょうど40万円以上41万円未満、また、41万円以上42 万円未満に5.9という数字が2つ並んでおりまして、ここが一番比率の高いところにな っております。また、女性でも大体同じで、41万円以上42万円未満、ここに5.9%とい うことで多く分布しております。全体的に、ここの辺りから給料月額が下がるに従い、 なだらかに減少するような形で分布をいたしております。  次に、16ページが積立金の運用状況についてお示しをしたものでございます。先ほど 申し上げましたように、地共済におきましては平成14年におけます長期給付積立金の状 況から時価評価を実施いたしております。平成14年度におきます長期給付積立金の総額 は簿価ベースで、下の方にございますが37兆4,658億円、時価ベースで36兆5,720億円と なっております。  主な内訳をごらんいただきますと、有価証券等が簿価ベースで28兆4,519億円、時価 ベースで27兆5,581億円となっておりまして、これが資産全体の75%以上を占めており ます。  更に、この有価証券等のうち金銭信託が簿価ベースで12兆5,458億円、時価ベースで 10兆5,346億円。また、その一段下の有価証券が簿価ベースで15兆0,309億円、時価ベー スで16兆1,554億円となっておりまして、この金銭信託と有価証券で資産全体の7割以 上を占めているところでございます。  更に、有価証券の中に国内債券が簿価ベースで11兆円余り、時価ベースで12兆円余り と、以下、外国債券等々となっているところでございます。  次に、17ページでございますけれども、17ページ以降が平成14年度の決算実績と平成 11年財政再計算における将来見通しとを比較したものでございます。  まず、17ページが収支状況の比較でございますが、収入につきまして保険料が将来見 通しで3兆3,416億円でありましたところが、実績で2兆9,656億円となっております。こ れは組合員数の減少や給与改定率の影響が相まって、この乖離が発生したものと考えら れるところであります。  運用収益が将来見通し1兆5,212億円に対しまして、実績で6,764億円でございます。 これは運用利回りが将来見通しでは4%というのに対し、実績で1.77%となりましたこ とが影響しているものでございます。  こういったことで、収入総額が将来見通しで6兆6,738億円、実績で5兆4,186億円とな っております。  次に、右側の支出でございますが、給付費が将来見通しで4兆1,998億円、これに対し 実績では3兆8,048億円となってございます。これは年金改定率の差が原因と考えられる ところであります。  それから、基礎年金拠出金は将来見通しで1兆0,440億円でありましたところが、実績 で1兆0,108億円となっております。これも年金改定率の差が要因となっております。  以上、支出総額で将来見通しで5兆2,638億円に対し、実績で4兆8,794億円となってお ります。  18ページが、組合員数及び受給者数についての比較でございます。組合員数は将来見 通しで332万6,000人でありましたが、実績で318万1,000人となっております。これは、 新規採用の抑制などに伴うものでございます。  受給者数は、将来見通しで206万8,000人であったところが、実績で202万9,000人とな っております。  新規加入者及び脱退者数でございますが、将来見通しで平成14年度は組合員数は一定 となっておりますので、いずれも11万5,000人となっておりましたが、実績では新規加 入者が8万8,000人、脱退者数が11万5,000人となっております。  新規裁定者は、将来見通しでは17万7,000人でありましたが、実績で17万6,000人。失 権者数は、将来見通しで11万4,000人であったところが、実績では11万8,000人となって おります。  年金種別の数字は、それぞれ右にありますとおりでございます。  19ページ以降が、財政指標につきまして実績と平成11年の財政再計算との比較を示し たものでございます。  まず、19ページの年金扶養比率でございますが、ここでは注意書きにもございますよ うに、支出額として給付費に基礎年金拠出金を加えまして基礎年金交付金を控除したも のといたしております。上の表が実績ですが、平成14年度は一番左にありますように 2.16と前年に比べ0.08ポイント減少いたしております。  また、追加費用を考慮いたしました補正した年金扶養比率の欄でございますが3.06 で、前年に比べ0.17ポイントの減少でございます。  また、括弧内が受給者による年金扶養比率でございます。再計算では受給者によりま す年金扶養比率を作成しておりますので、受給者ベースでの比較をいたしますと、年金 扶養比率が将来見通しで2.30でありましたところが、実績で括弧内の2.22。また、補正 した年金扶養比率の方では将来見通しで3.18に対し、3.15の実績となっております。  20ページが、総合費用率でございます。上の表の一番左の平成14年度の総合費用率で ございますが、17.5の実績でございまして、対前年比0.8ポイントの上昇でございます。 将来見通しとの比較でありますが、下の表で17.4という見通しでありましたのに対し、 実績で17.5ということで、これはおおむね一致をいたしております。  21ページが、厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。先ほど国共済の方で 御説明いただきましたとおりの按分の方法によりまして、地共済におきましても計算を いたしております。将来見通しが平成14年度で16.8であったのに対しまして、上の実績 推計の方では16.3という数字になっているところでございます。  また、22ページが独自給付費用率でございます。実績の方が13.7%となっておりまし て、対前年比0.7ポイント上昇でございますが、将来見通しとの比較では将来見通しが 13.9、実績で13.7と、おおむね近い数字になっているところでございます。  23ページが、厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございまして、将来見通しで は13.3に対して、実績推計では12.4という数字になっております。  24ページが収支比率でございますが、実績の方が84.5と対前年比6.2ポイントの上昇 でございます。将来見通しが71.0でございました。実績が84.5ですので、大きく上回っ ております。これは掛金収入が減少したことに加えまして、運用収入の実績が将来見通 しを大幅に下回ったことによる影響であると考えるところでございます。  最後の25ページの積立比率でございます。実績が平成14年度12.0でございまして、 0.3ポイントの減少でございます。下の将来見通しでは、平成14年度11.0でございまし た。実績が1.0ポイント上回っております。これは、逆に実績の年金改定率が将来見通 しと比較いたしまして伸びなかったということで、支出の方が見通しよりも少なくなっ ているため、逆に実績の方が高くなったということであろうと考えられるところでござ います。  私の方からの説明は、以上でございます。 ○堀部会長  どうもありがとうございました。  それでは、御質問があればお願いいたします。 ○近藤委員  12ページ、国家公務員共済と比べてみると、20歳代の構成員が国共済では20%ぐらい で、こちらは11%と半分ぐらいになって、55歳代のこれから5、6年後ぐらいで年金を 受給する世代が国共済では8.5%、こちらの方は12%と高い水準です。人員構成を見た ってちょうちん型になってしまっていて、何か長期的に見て怖いなという気がするので す。  もう一つ気になるのは、年金額の新規裁定で給与と標準報酬、比例計算すれば同じよ うになっているのですけれども、年金額の水準が地方公務員の方が高くなっているの は、何か規定に違いがあるのでしょうか。ほとんど同じだと私は理解したのですが、何 か違いがあるのですか。 ○佐々木福利課長  福利課長の佐々木でございます。  制度については基本的に国共、地共も同じでございますので、多分その辺は平均の加 入期間でありますとか、いろいろな要素の違いが結果として出てきているのではないか と思いますけれども、最初におっしゃっていただきました年齢構成につきましては、そ ういう現状にあるということでございますが、よく言われますのは、地方公務員の場合 は50歳代の団塊の世代がかなり固まっておるというようなお話がございますけれども、 その辺がこの辺の年齢構成の分布にそのまま出てきていると承知いたしております。 ○堀部会長  ほかは、いかがでしょうか。  16ページ、積立金の時価評価の方法ですけれども、ここで下の特記事項のところで、 厚生年金基金連合会基準による市場価格というのがありますが、これはどういう意味が あるのでしょうか。  それから、外国債券とか生命保険のところは「市場価格又は簿価」と書いてあるので すが、これは先ほどの国共済の時価評価と若干違っています。これはどういう理由です か。地共済はたくさんありますので、その関係かなとも思いますけれども、ちょっとそ の辺を教えてください。 ○佐々木福利課長  この厚基連基準によります市場価格というのは、まさに市場価格ということで特段意 味はございませんけれども、そういう基準が出されておりますので、いろいろな組合が ございますので、そういった同一の基準によって評価をしていただくということで私ど もからもお願いいたしまして、そういう評価がされていると。したがって、この部分に つきましては、国共済と同様の考え方でやっておると思いますけれども、今、部会長の 方からお話がございました外国債券、生命保険でございますが、一部簿価でやっている ところでございまして、当該組合に聞きましたら、外国債券について当該発行体が発行 したその時点の外国債券のすべてを取得したというような事例がありまして、したがっ て、市場価格というものを把握できないということでございまして、そういうことでち ょっと時価というのも無理があろうかということで、これは簿価かなということで、時 価評価を行っておらないという事例が1件ございました。  それから、生命保険でございますけれども、生命保険に2種類ございまして、一般勘 定と特別勘定というものがございまして、特別勘定につきまして時価評価をされており ますけれども、一般勘定につきましては、これは利回りが保障されて予定利回りにより 配当される保険商品というようなことのようでございますけれども、これについては時 価評価を行っておらないで、簿価で記載しておるというものでございます。ほかにつき ましては、すべて時価で記載されております。 ○堀部会長  ありがとうございます。  関連して、厚生労働省の厚生年金、国民年金について、生命保険の今御説明があった ような一般勘定について、これはたしか時価というふうになっていたと思うのですが、 その辺はどういうふうになっているのでしょうか。 ○松田運用指導課長  今のお尋ねの厚生年金あるいは国民年金でもよろしいのですけれども、積立金の運用 について生命保険の関係ですが、今、厚生年金、国民年金の積立金の運用につきまして は、生命保険について、特に一般勘定についてこの運用はやっておりません。したがい まして、今問題になっているような時価・簿価の話は、ここには該当しないという状況 でございます。 ○堀部会長  わかりました。ほかに、いかかでしょうか。  できるだけ時価評価というのは、各制度を同じくすることが望ましい。いろいろ事情 があるのはやむを得ないと思いますが。全部、外国債券を買ったというのは、要するに 最後まで持っているということですね、途中で売らないということですか。時価という のは売らないというか、全部買ったということは時価がないのですね。 ○佐々木福利課長  はい、事情として結局、流通しておれば市場価格が形成されておるのでしょうけれど も、そういう把握ができないという御説明をお聞きいたしました。 ○堀部会長  わかりました。  そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、お忙しい中、どうもありがとうございました。先ほどと同様に、退席して も結構でございます。  最後に、私立学校教職員共済制度の平成14年度の財政状況について報告をお願いいた します。 議題 平成14年度財政状況について−私立学校教職員共済制度− ○伊藤私学共済室長  文部科学省私学共済室長の伊藤でございます。よろしくお願いします。本日は、日本 私立学校振興・共済事業団からも担当が出席させていただいております。よろしくお願 いいたします。  それでは、資料に沿いまして、私学共済年金の平成14年度におけます財政状況につき まして、概要を説明させていただきたいと思います。  まず、資料3の1ページをごらんいただければと思いますが、最初に収支状況からで ございます。先ほど地共済の方からも御説明がございましたように、私どもも平成13年 度以前は時価評価をしてございませんので、平成14年度のみ時価ベースで一部書かせて いただいてございますので、御了解をいただきたいと思います。  収入総額でございますが、前年度に比べまして21億円増加いたしまして、3,919億円 になってございます。主な収入源といたしましては、掛金と運用収入でございますが、 掛金はそこにございますように2,508億円、運用収入は667億円となってございます。こ のうち運用収入につきましては、前年度比116億円マイナスということで大きく減少し ているわけでございますが、これは低金利の影響によりまして運用利回りが前年度に比 べ0.4%低下いたしまして、2.20%になったということによるものでございます。  一方、支出総額でございますが、内訳は後ほどごらんいただきますが、年金者数の増 加等の影響を受けまして、前年度に比べ130億円、4.0%増加いたしまして、3,351億円 ということになってございます。支出の主なものは給付費と、それから、基礎年金拠出 金でございますが、給付費につきましては2,112億円、基礎年金拠出金につきましては 1,184億円ということでございまして、それぞれ約4.4%、4.2%の増加となってござい ます。  この結果、収支残でございますが、前年度と比べまして16.1%、109億円ほど減少い たしまして568億円ということになってございます。  平成14年度末の積立金でございますけれども、そこにございますように、平成13年度 3兆0,800億円に対しまして、平成14年度におきましては3兆1,368億円ということでござ います。  2ページにつきましては、1ページを図式化したものでございますので、省略をさせ ていただきたいと思います。  次に、給付状況でございます。3ページでございますが、受給権者数と年金総額等に ついて記載をさせていただいてございますけれども、平成14年度末の受給権者数につき ましては、合計で前年度と比較いたしまして約4.5%、1万600人増加いたしまして24万 5,900人となってございます。  また、平成14年度末の年金総額でございますけれども、合計で前年度末と比較いたし まして90億円、約3.6%増加いたしまして2,587億円となっているところでございます。  4ページ上段のところでございますが、これは、先ほどほかの共済でも御説明がござ いましたように、増額支給、それから、通退相当の減額支給のところについては、支給 の規定がございませんので数値が入ってございません。  4ページの下段のところでございますが、私学共済から支給される加入者期間20年以 上の退年相当の平均年金月額でございますが、前年度と比較いたしまして約1.5%、 2,773円減少いたしまして18万3,529円になってございます。また、基礎年金を含めまし た平均年金月額でございますが、これは1,478円、約0.7%減少いたしまして21万5,017 円という形になってございます。なお、平均加入期間でございますが371月ということ で、30年11月という形になってございます。  次に、5ページでございますが、これは4ページの表を男女別に分けたものでござい ますけれども、男性の退年相当の平均年金月額でございますが、これは前年度と比較い たしまして約1.5%、金額にいたしまして3,179円減の20万5,336円という形になってご ざいます。平均加入期間でございますが383月、31年11月という形でございます。  女性の方でございます。下段の方でございますが、こちらの退年相当の平均年金月額 でございますが、前年度と比較いたしまして約1.7%減、2,561円減の15万0,443円とい う形になってございます。平均加入期間でございますが352月、29年4月という形にな ってございます。  次に6ページでございますが、これは加入期間20年以上の新規裁定者の退年相当の平 均年金月額でございますが、これは前年度と比較いたしまして約3.7%、5,975円減少い たしまして15万7,663円という形になってございます。平均加入期間につきましては388 月、32年4月という形になってございます。  男性について申しますと、平均年金月額につきましては、前年度と比較いたしまして 約3.7%、6,845円減少いたしまして、17万6,241円になってございます。  また、女性の方でございますが、3.3%、4,189円減の12万4,555円という形になって ございます。  次に7ページでございますが、一番上の段のところでございますけれども、退年相当 平均年金月額、基礎年金を加算した平均年金月額につきましては、4ページで御説明し たとおりでございますが、先ほどほかの共済からもお話がございましたように、60歳の ところの平均年金月額につきましては、平成14年以降ほかと比較いたしまして少なくな ってございますが、これは同じ状況によるものでございます。  それから、8ページと9ページにつきましては、男女別にしたものでございますので 省略をさせていただきます。  10ページでございます。これは、退職年金受給権者の退年相当の年齢構成を示したも のでございまして、平均年齢でいきますと男性69.1歳、女性70.6歳、合計いたしますと 69.7歳ということになってございます。全体といたしまして男性、女性とも60から75歳 までがほとんどを占めている状況にございます。  次に、11ページでございますが、加入者状況につきまして説明をさせていただきたい と思います。まず、加入者数でございますけれども、平成14年度におきましても増加を してございまして、前年の平成13年度末と比較いたしまして、平成14年度末では2万600 人増の42万8,800人という形になってございます。  男性では、1万4,700人増の20万7,500人。女性では、5,800人増の22万1,200人となっ てございます。これは大幅に増加してございますけれども、特記事項のところに書かせ ていただいておりますが、平成14年4月にみなし退職年齢が65歳から70歳に引き上げら れたということでございまして、大幅な増のように見えますが、この分を除きますと男 性1,600人、女性2,800人、合わせますと4,400人の増加となってございます。  御参考までに加入者数の増減を学校種別ごとに申し上げますと、短大だけは減少して ございまして約200人減少してございます。そのほかでは増加しているわけでございま すが、大学では1万2,092人、高校では1,651人、専修学校では2,253人、各種学校では 262人、幼稚園で3,839人それぞれ増加してございます。なお、最近の統計によりまし て、平成16年3月末でございますが、更に5,600人増加している状況にございます。  加入者の平均年齢でございますけれども、前年度と比較いたしまして全体では1.1歳 増加いたしまして40.8歳になってございます。男性では46.6歳、女性では35.4歳という 状況になってございます。  それから、標準給与につきましては0.6%、2,318円増加いたしまして、36万9,995円 という形になってございます。男女別に見ますと、男性については減少、女性について は上がっているという状況でございます。  それから、標準給与総額でございますが、これも989億円、約5.5%増加いたしまして 1兆9,005億円ということになってございます。  12ページでございますが、これは加入者の分布を示してございます。年齢別で見ます と、一番高い割合が25歳以上30歳未満の15.7%、表の一番右のところでございますけれ ども、15.7%ということになってございます。以降、55歳代ぐらいまで10%で推移して ございまして、60から65歳までも6.8%という状況にございます。  また、加入期間の分布でございますけれども、ごらんいただいてわかりますように、 加入期間5年未満の割合が一番高く、36.7%という形になってございまして、20年未満 ではほとんど占めているというような状況でございます。加入期間が長くなるほど減っ ているという状況でございます。  13ページは男性、14ページは女性の割合でございますけれども、13ページの男性でご らんいただきますと、若年層の割合が低いわけでございますが、14ページをごらんいた だきますと、女性の加入者の分布では若年層が占める割合が非常に高くなってございま して、加入期間の分布でも加入期間10年未満のものが約3分の2という状況でございま して、女性に関して言いますと非常に若くて、加入期間も短いという状況になってござ います。  15ページは、標準給与の分布についてでございます。まず、男性をごらんいただきま すと、男性の25.2%、5万2,000人強でございますが、一番高い62万円ということになっ てございまして、男性の標準給与月額につきましては45万2,891円ということになって ございます。  一方、女性の場合でございますけれども、20万円台が中心に分布しているということ でございまして、女性の標準給与月額につきましては29万2,222円ということで、かな り差がある状況になってございます。  次に、16ページでございますが、積立金の運用状況でございます。16ページは資産の 構成についてでございますけれども、平成16年度末の積立金は3兆1,368億円でございま すが、簿価ベースで見ますと、積立金の約68%が有価証券と金銭信託で運用していると いう状況でございます。  時価評価した金額も記載してございますが、このうち金銭信託につきましては、簿価 ベースでは9,472億円、表の真ん中よりちょっと上ぐらいでございますが、時価ベース では8,044億円ということでございまして差があるわけでございますけれども、約1,428 億円の含み損という形になってございます。これは金銭信託の中で運用しております国 内株式の価格が下落したためでございまして、その他の運用商品では、時価と簿価がほ ぼ同額あるいは上回っている状況にございます。  それから、17ページでございますが、これ以降は財政再計算におけます将来見通しと の比較ということでございまして、収支状況の比較が17ページに記載させていただいて ございます。将来見通しと実績が乖離した主な項目につきましては、掛金収入と運用収 入がございます。掛金収入は将来見通しで2,839億円となってございましたけれども、 実績では私学共済は都道府県の補助というのがございまして、それを含めた額でござい ますが、2,586億円ということで、掛金の欄の括弧で書いているのはそのものでござい ます。なお、将来見通しは都道府県補助を含めた額でございますが、これと比較してい ただければよろしいと思いますが、乖離している状況がございます。  実績が将来見通しを下回った要因といたしましては、将来見通しでは賃金上昇率を 2.5%と見込んでいたわけでございますけれども、実際には0.3%しかございませんで、 賃金が将来見通しほど上昇しなかったということでございます。  それから、運用収入のところでございますが、こちらは将来見通しでは1,275億円と してございましたけれども、実績では667億円ということでございまして、これも将来 見通しと運用利回りが実際とかなり異なったということによるものでございます。  支出の方でございますが、これは将来見通し3,403億円のところを3,351億円というこ とでございまして、細かい内訳を見ますと若干差はございますが、ほぼ同じような状況 になっているというところでございます。  それから、18ページでございますが、加入者数と受給者数の比較でございます。加入 者数につきましては、将来見通しでは平成13年度末までは平成11年度末見込みで一定と いたしまして、平成14年度は先ほど申し上げましたような、みなし退職年齢の引上げに よる加入者の増加を見込んでいたわけでございますが、実際はこれらの見込み以上に増 加をしてございまして、その分が将来見通しの差となって表れてございまして、将来見 通し42万2,500人を見通してございましたけれども、平成14年度末では42万8,800人とい う状況になっているところでございます。  一方、受給者数でございますけれども、これにつきましては、私学共済の年金受給権 がありながら年金を請求していない者、年金待期者がございまして、それが将来実績と の差になって表れているところでございます。  それから、新規加入者につきましても、先ほど申し上げましたように、将来見通し5 万9,400人を見込んでございましたが、実際は6万5,500人という大きな加入者があった ところでございます。  脱退者数につきましては、ごらんいただいたとおりでございます。  次に、19ページ以降でございますが、財政指標の比較でございます。最初に年金扶養 率でございますが、平成14年度の実績につきましては、そこにございますように、5.60 という形になってございまして、これは退職年金受給権者数によるものでございまし て、括弧書きが実際に受給している受給者数でございまして、これは6.86ということで ございまして、将来見通し6.65とほぼ拮抗している数になっているかと思ってございま す。  それから、20ページは総合費用率でございます。これは平成14年度実績で14.2%とい う形になってございますが、将来見通しでは13.2%という形になってございまして、こ れより高いことになってございます。これは、先ほど来申し上げましたような賃金上昇 率でございますが、将来見通し2.5%のところ平成12年度では1.1%、平成13年度では 0.005%、それから、平成14年度でも0.3%ということで、かなり下回ったということが 大きな要因かと思ってございます。  それから、標準給与総額も将来見通しで2兆0,766億円という見通しをしてございまし たけれども、実際には1兆9,005億円にしかなっていないということでございまして、給 与の上昇等による影響が大きな要因かと思ってございます。  21ページ以降の御説明をさせていただきますのも、同様の解ではございますが、事情 は同じような状況かと思ってございます。まず、21ページは厚生年金相当給付に係る総 合費用率ということでございまして、将来見通し、平成14年度11.9%のところ実績は 13.4%という形になってございます。  それから、22ページの独自給付費用率でございますが、これも将来見通し9.3%のと ころ10.1%という差になってございます。  それから、23ページでございますが、厚生年金相当給付に係る独自給付費用率でござ います。これにつきましても将来見通し、平成14年度8.0%のところ、実績でいきます と9.3%という状況になってございます。  それから、24ページの収支比率でございますが、将来見通し66.6%のところ、実績は 83.0%という差になってございます。これは、運用収入が将来見通しほど多くなかった ことが最たる原因と考えてございます。  最後に25ページ、積立比率ということでございますが、将来見通しでは平成14年度に おきましては11.6でございましたが、実績では11.4という数値になってございます。  大変簡単でございますが、以上でございます。 ○堀部会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの御報告に対して御質問があればお願いいたします。 ○都村部会長代理  私学共済の場合は、65から69歳でも就労している人が多いのですが、将来見通しの推 計をされる場合に、65から69歳の者が平成14年度に適用拡大されるということが平成11 年度財政再計算のときに考慮に入れられていたのかどうかということが1点と、それか ら、もう一つは、年金の全額停止者が平成14年度でも受給権者の1割ぐらいになってい るわけですけれども、財政再計算のときに考慮に入れられていたのかどうか、その2点 をお尋ねしたいと思います。 ○堂前数理統計室長  両方とも考慮に入れております。まず65から70歳、適用拡大でございますけれども、 財政再計算上、平成14年度に拡大するということで見込んでございます。  それから、全額停止のほとんどの部分は、在職中の年金で停止が掛かるということ で、在老関係についてはやはり見込んでやってございます。 ○都村部会長代理  そうしますと、17ページの掛金収入についてですけれども、実績と将来見通しの乖離 が大きくなっています。この主な要因は賃金上昇率と書かれて、御説明もあったわけで すけれども、平成14年度の適用拡大で65から69歳の加入者が増えて、実際に他の制度に 比べると私学共済の場合は65から69歳の構成割合が3.8%と非常に大きいですね。それ から、標準給与の平均額も、標準給与総額も増加しています。それにもかかわらず、こ の掛金収入の乖離率というのが非常に大きくなっています。将来見通しでは賃金上昇率 を2.5%と想定したことがそんなにきいているということでしょうか。 ○堂前数理統計室長  はい、それがきいております。 ○伊藤私学共済室長  将来見通しは、先ほど御説明しましたように2.5%でやってございますが、実際は先 ほど言いましたように、1%とか0%台ということが非常に大きい原因かと思います。 ○都村部会長代理  全体の3.8%を占める65から69歳層というのは標準給与も非常に高い層ですね。この 年齢層が新たに平成14年度に入ってきたにもかかわらず、掛金収入について乖離が生じ た要因を確認させていただきたいと思いました。わかりました。 ○堀部会長  あとは、いかがでしょうか。 ○近藤委員  2つあるのですけれども、まず、不動産が大きな額であるのですが、これは時価評価 したら大分落ちるのですか。 ○谷口資産運用室長  資産運用室長の谷口でございます。  いろいろな不動産がございますけれども、実際時価で平均しますと、ほぼ簿価と同じ と見ております。過去に随分買っておりますので、その分はそれほど目減りしないとい うことになります。 ○近藤委員  それから、あともう一つ、貸付金ですけれども、これは割合として高いけれども、こ れの貸し倒れとか不良債権化しているようなものというのは、どの程度あるのですか。 ○谷口資産運用室長  これは、ほとんどございません。 ○近藤委員  そうすると、貸し倒れというか不良債権もないとみていいのですか。 ○谷口資産運用室長  ないとみていいです。 ○近藤委員  これは個人に貸したりしているのですか。 ○谷口資産運用室長  これは、1つは政策協力ということで、助成勘定に貸し付けている部分がございま す。私立学校に長期勘定の資産の一部を財政融資資金からの借入れと併せて財源として 融資する制度がございます。 ○近藤委員  そうすると、保証付きの融資みたいな形になっているのですか。 ○谷口資産運用室長  そうですね。  それから、もう一つは、加入者に対する貸付けがございます。 ○近藤委員  加入者に対する貸付けだとすると、厚生年金などの事業団の貸付けでは、不良債権と かあるのだけれども、それが全然ないということは。 ○谷口資産運用室長  多少はありますけれども、ほとんどないと見ていいと思います。 ○近藤委員  要するに、ここの数字に出てくるような数字ではないということですか。 ○谷口資産運用室長  そのとおりです。 ○堀部会長  関連して、16ページの特記事項のところ、証券投資信託が簿価と書いてあるのです が、ほかの共済は時価になっていたと思うのです。これはできるだけ同じ扱いにする必 要があると思います。これは時価ではできないのでしょうか。 ○谷口資産運用室長  はい。これはMMFそのものでございまして、非常に短期で運用している資産の数字 です。 ○堀部会長  事情はほかの共済とも同じだと思うのですが、まだ幸い残っておられるので、その辺 総務省の福利課長さんいかがですか。 ○佐々木福利課長  総務省の福利課長です。  私どもも今、私学共済の方でお話がありました証券投資信託がございまして、記載の 方法として簡単に特記事項で書くものですから、どうしようかといろいろ考えたのです が、MMFで運用している証券投資信託については、いろいろお聞きしますと結局、簿 価そのものが時価だというお話をいただいたものですから、そういうことで時価と簿価 の差がないという意味で、これは簿価が時価であるという理解で、これが時価というふ うに整理させていただいたものですから、私どもの方では時価の方に含めさせていただ いているということでございます。実際の差が出ていないと、今ちょっと御説明があり ましたが、短い期間で運用されているということで、そうなっているということでござ います。 ○堀部会長  この辺は少し今後、整理をする必要があるのではないかと思います。  ほかは、いかがでございましょうか。 ○栗林委員  関連質問になりますが、16ページのところに運用利回りの時価ベースのところに数値 が入っているのですが、これはこの年だけ時価ベースがあったと、数値がほかのところ では入ってこないのですが、ここはどういう計算で数値が入っているのでしょうか。 ○谷口資産運用室長  ここは、実際平成13年度もきちんと計算しているのですけれども、これは修正総合利 回りですね。1年間の移動をとって、実際に調べてみた結果で書いております。 ○栗林委員  そうすると、ここには出ていないけれども、平成13年度末の時価も一応試算してある という理解でいいのですか。 ○谷口資産運用室長  はい、そういうことです。実はこの辺は、運用基本方針に基づく運用をしなさいとい う指令が出たわけですけれども、私どもには平成14年度からそれが出ましたので、平成 14年度から実施はしているのですが、実際に数字を表すためにきちんと計算して表せて いただいたということでございます。 ○堀部会長  ほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、お忙しい中どうもありがとうございました。御退席していただいて結構で ございます。  これで平成14年度の財政状況について、すべて報告をいただいたということになりま す。この後の取扱いですが、昨年の12月に平成13年度までの報告について取りまとめ て、公的年金財政状況報告を作成、公表したところであります。今年の報告聴取を含め て作成したらどうかと考えておりますけれども、いかがでございましょうか。よろしい でしょうか。               (「異議なし」と声あり) ○堀部会長  では、そのようにしたいと思います。 閉会 ○堀部会長  それでは、本日はこれまでにさせていただきたいと思います。次回の日程等につい て、事務局からお願いします。 ○田村首席年金数理官  次回、第13回になりますけれども、年金数理部会の具体的な日程につきましては、事 務局から各先生方の御都合を伺いまして調整をさせていただきたいと思います。その 後、正式な開催の御案内をお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。 ○堀部会長  本日はこれで終了します。ありがとうございました。                                     −了− (照会先)  厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室  (代)03-5253-1111(内線3382)