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日赤の見舞金制度の概要について


1 目的
 日本赤十字社の行う採血事業において、献血者が献血に際し健康被害・事故を受けた場合、速やかに適切な措置を採りうるよう見舞金贈呈の基準を定めて、併せて血液センターの財政負担を軽減するため本社交付金の制度を設けている。

2 制度の概要
 (1)見舞金の贈呈は、血液センター所長が行う。ただし、事故の態様その他諸般の状況に応じて適宜支部長(各都道府県知事)名をもって行うことができる。
 (2)規定上、本社に給付前に協議するのは、献血者に特別の事情があり、社長の承認を受けて限度額を超える額の見舞金を贈るときのみ。
 (3)見舞金は、傷病見舞金:医療費補償的性質、障害見舞金:損害賠償的性質(これ以上改善が見込めない障害が残ったとき)、遺族見舞金の3種類
併給あり
障害の給付額は、医賠責保険を準用。
 (4)規定上、本社交付金は、センターが申請(7万円以上)したときのみ、事後的にその9割を補填するもの。通常は、全国的に統一の基準で給付できるよう、事前に本社に協議している。
 (5)見舞金からの支出については、センターの負担額の範囲内において、支部の災害資金の中から、適宜繰り返すことができる。
 (6)医賠責保険の掛け金の支払いは本社が一括して行い、保険金の支払いは保険会社からセンターに直接行う。

3 財源
 見舞金はセンターが支出、本社交付金は、平成10年から、血液事業特別会計の中の血液事業資金から支出。それ以前は、災害等資金(一般会計)の中から支出。

4 処理の流れ
 (1)献血に際し健康被害・事故が発生した場合、センターの職員が献血者を病院へ連れて行き、費用をすべて立て替える。
 (2)センターから保険会社に連絡し、センターと保険会社で献血との因果関係、日赤の過失の有無について調査する。(保険会社は都道府県毎に弁護士、医師等と相談。)
 (3)給付の要否、要の場合、保険から給付するか日赤の見舞金から給付するか決定する。


献血者の健康被害補償の費用について(現行:H16.9現在)


図


採血時の健康被害の発生状況



 医療費・交通費等の給付には至らないが、何らかの症状が現れる事例は、年間約5〜6万件。(年間採血件数の約0.97% 平成11年度から15年度平均)

 採血時の被害に対し、医療費・交通費等を支出した事例は、平成11年度から平成15年度の平均で751.4件。(年間採血件数の約0.01%)


採血時の被害に対し医療費・交通費等を支出した事例 (平成8〜15年度平均)


VVR(血管迷走神経反応) 】
症状としては、気分不良、めまい、さらに意識喪失、けいれんに至ることもある。採血開始後5分以内に発生することが最も多いが、採血後に採血場所以外で発生することもある。採血に伴う事故として、最も発生頻度が高い(全体の70%)。無過失の事故の代表例。

RSD(反射性交感神経性萎縮症) 】
採血針による外傷後に、持続性の疼痛等を伴い、筋肉等の萎縮をもたらす難治性の疼痛症候群。一般には、やや日数を経て外科的に治癒したと思われる頃から発症することが多い。これまでは過失の事故として対応。


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