04/08/06 独立行政法人評価委員会第13回労働部会議事録        厚生労働省 独立行政法人評価委員会 労働部会(第13回)                       日時:平成16年8月6日(金)                       場所:虎ノ門パストラル アジュール 出席者: 井原部会長、保原部会長代理、今野委員、川端委員、篠原委員、竹内委員、      寺山委員、古郡委員、村山委員、本寺委員、横槍委員 1.開会 ○井原部会長  定刻でございますので、ただ今から第13回の独立行政法人評価委員会労働部会を開催 させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまし て、誠にありがとうございます。今回は、松田委員が御欠席でございます。  それでは、はじめに事務局から本日の議事について簡単に説明をお願いいたします。 ○岩渕政策評価官  本日の議事でございますが、労働政策研究・研修機構の個別評価をお願いしたいと存 じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 2.審議  (1)労働政策研究・研修機構の個別項目に関する評価について ○井原部会長  それでは、個別評価をやるわけでございますけれど、その前に、労働政策研究・研修 機構理事長より、平成15年度の総括及び今後の方針についての御説明をお願いしたいと 思います。 ○小野理事長  労働政策研究・研修機構の理事長を務めます小野でございます。本日は、委員の皆様 には、私どもの平成15年度の業務実績につきまして評価をいただくわけでございますけ れども、個々の業務実績及び自己評価につきましては、評価シートに基づきまして、後 ほど総務部長より説明させていただくことにいたしまして、最初に、私のほうから平成 15年度の業務運営を行った際に、特に重点を置いた項目5点ばかり、資料3というのが ございましょうか、色のついた薄いものでありますがそれに基づきまして説明をさせて いただきます。それでは恐縮ですが、着席して説明をさせていただきます。  1枚表紙をめくりますと、1ページ目でありますが、御存じのとおり本機構は昨年10 月1日に、日本労働研究機構と厚生労働省の労働研修所が統合されて設立された独立行 政法人であります。この設立等というところの最初のポツのところに書いてあります。  この機構の目的は、2番目のポツにありますように縮めていいますと、労働政策につ いての調査研究及び研修を行う。我が国の労働政策の立案及び推進に寄与するというこ とでございます。  真ん中のところに業務と書いてありますが、そこに(1)から(6)まで書いてございます ように、調査研究や情報の収集整理、それから研修等、6つのことが書いてあります。 こういうことをやるわけであります。  組織につきましては、役員が6名、職員が140名で発足いたしました。理事長といた しましては、大学におきまして長く労働経済の研究を行ってまいりました私が任命さ れ、就任しております。なお、組織体系は2ページ目に書いてございますが、こういう 格好であります。  それでは、さっき申しました特に重点を置いてきました5項目に関しまして、簡単に 説明をいたしたいというふうに思います。  3ページをお開きください。最初の重点項目、ここに書いてございますように、「適 正で質の高い業務運営を行う制度の確立と運用」ということであります。これ以下も全 部そうですが、左に黄色の囲みがございます。これがどういう業務をやるかということ であります。真ん中あたりにピンクで矢印が右の方向に向かっています。その右側のブ ルーの囲みは、そういう業務に対して実際どこまで仕事をしたかということが書いてあ るわけでありまして、以下全部そういうようなことになっております。  まず左上の黄色のところを御覧いただきますと、「業績評価」と書いてあります。内 部評価と外部評価の2段階、しかもそれぞれを事前・中間・事後、こうふうに3種類の 制度にわけて運用している。このうち、外部評価につきましては、総合評価諮問会議と いうものを設置いたしまして、内部評価をさらに厳しく外部の諸先生方から批判をして いただくとこういうシステムであります。諮問会議の会長には、神代横浜国立大学名誉 教授にお願いいたしまして、学識経験者やマスコミの方、それから労使の方々に委員を お願いしております。  直近の諮問会議、これは右のほうのブルーのところに書いてありますが、第2回目、 6月18日と書いてあります。これが直近の諮問会議でございまして、そこでもっていろ いろ評価をいただいて、だいたいにおいて妥当であるという評価をいただきました。  3ページ目の下の左下の黄色に、「月次業務進捗管理」の実施と書いてありますが、 これは月次ベースで業務がどういうふうに進行しているかということを管理しようと、 それを考慮しながら次の月の業務の運営に役立たせていこうと、こういう考え方でござ います。4ページ目は、これの参考表でございます。  5ページ、6ページ、これは2番目の重点項目であります。「労働政策の企画立案に 資する質の高い研究成果の提供」ということです。これがこの機構にとって最も重要な 部分であろうと思います。平成15年度は、4つの新しい取り組みをいたしました。です からこの左側の黄色い囲みが4つございます。1つは、研究体制の整備ということであ りまして、プロジェクト研究を中心に部門編成をする。それによって大変円滑に仕事が 進んだというふうに考えられます。  第2番目の取り組みは、研究ニーズ等の積極的な把握ということでありまして、これ は労働政策担当者や労使関係者、そういう方から広く政策のニーズを把握いたしまし て、それを研究テーマに活かしていくということで、政策研究期間でありますから、実 際に政策にタッチしている方々、それから労使の方々から政策に必要な問題をいろいろ 示唆をしていただきまして、研究テーマの設定に反映するということであります。  第3番目は、6ページの左上の黄色いところです。内部評価の実施となっています。 研究の骨子ができますと、研究所の中に所内研究会というのがございましてそこで報告 をするわけでありますが、同時にその後に機構内外の研究者2名による厳正な査読を行 います。その査読によって、全てのペーパー問題点がありますとそれを書き直していた だきまして、書き直したペーパーについて機構内部の内部評価委員会というものを開催 して、そこで評価をするわけです。それは論文の趣旨、目的が明確かどうか、研究水準 の高さそれから政策への貢献度がどうかと、こんなような6つばかりの視点を用意しま してそれぞれの視点について評価をいたします。こういう評価制度をとっていると言う ことがちょっと手前味噌になりますが、今回しっかりした研究面での成績を残せた原因 になっていると思うのでありますが、この結果、多くの研究成果の外部評価におきまし て「優秀」これはS、A、B、C、Dと5段階の評価でありますが、AとかSという非 常に優秀であるという、こういう評価をいただいた研究が20本になったわけです。  私どもの目標では、今回は、昨年の10月1日から今年の3月末までの6ヶ月間であり ますので、5本「優秀」といわれるような評価をいただける研究があればよいとしよう ではないかと、こういう目標を立てたわけでありますが、それの4倍の20件について 「優秀」であるという評価をいただくことができました。先ほど申しましたように、機 構にとりましては、労働政策の企画立案に資する質の高い成果をどれだけ提供できるか ということが組織にとって生命線でありますので、こういう評価をいただけたというこ とで私どもの取り組みが非常に適切であったのではないかと考えております。  4番目でありますが、6ページ目の左下です。やはり、書きますペーパーが専門的な ものですから非常に難しい、読んでもわからないという御意見がございます。多くの先 生に役立てていただきたい、とりわけ政策担当の方に役立てていただきたいそのために は、やはりわかりやすいサマリーをつけるのがよかろうということでサマリーを作成い たしました。その結果、右側にも書いてありますように「分かり易い」「役立つ」とか こういう高い評価を得たと考えております。それからこの報告書につきましては、発表 と同時にホームページから全文をダウンロードできるようにしてあります。半年間でこ こに書いてありますように10万件を超える利用者からの高い評価を得ております。  7ページ目には、この研究計画を立ててからペーパーができるまでの全体の流れが書 いてありますし、8ページ目には平成15年度の研究テーマが全部書いてあります。プロ ジェクト研究9本、個別研究となっていますがこれが33本であります。こういうことが 前年度行ったことであります。  更に3番目の重点項目。これは「優秀な人材の確保と育成」というものでありまして 9ページ、10ページにそのことが書いてございます。中期目標期間中に、計画的に定員 を削減しなければならないわけでありまして、だんだん減って行くわけですね。その少 ない人材の中でより良い仕事をしなければならない。そのために人材の確保と育成とい うことが大変重要であります。  まず9ページの左上の黄色いところですが、研究を進めるにあたって統括研究員や特 別研究員、こういう人たちの指導も得まして研究をしているということでありますが、 その結果、大変優れた人材が内部に養成されていると思います。その結果が大学に輩出 する研究員が15年度には4名いたということであります。それからブルーのところです が、真ん中の2番目のポツのところにありますように3件の表彰を得ていると。こうい うわけでありまして、内部の人材の育成が大変良く行われているのではないかと、こう いうふうに考えているわけであります。外部に研究員が大学に引き抜かれていくという のは痛し痒しでありまして、非常に働き手が外部に流出するわけでありますが、それを 結局我々は補わなければならないわけです。昨年度は4人抜けたわけで、それを埋める ために4人の任期付き研究員を採用いたしました。新しく採用した研究員のうち、2人 が博士の学位を持っております。それから15年度に採用した任期付き研究員も大変優れ た研究をしてくださる方がおりまして、一人がS評価を受けた論文を書いております。  それから事務系の職員に関しましても、やはり人材の育成ということが大変重要であ ります。新しい法人ができてからリサーチ職というのを新設いたしまして、彼らにもそ こに書いてございますように、研究員と連携して内外の労働政策に関する調査や情報の 収集、分析ということをしてもらっております。将来的には、こういうリサーチ職の人 々の中から自分の名前で勝負ができるような優秀なリサーチ職を排出していきたいと考 えております。また、彼ら自身の専門能力を高めていただく必要がありますので、例え ば休職して大学院に行くという制度を設けております。10ページ目の左の黄色いところ ですね、「休職留学制度」というのを創設いたしております。まだ1名ですが、一橋大 学の大学院に留学しております。  それから10ページ目の左の真ん中のところに、新人事制度の確立とありますが、こう いうふうに業績評価制度、能力評価制度というものをつくりました。これは部分的では ありますが、つまり研究職については平成15年度分からの業績の評価を実施していると いうところであります。  一番下のところの給与水準の見直しというのがあります。これは事務系職員に関しま して、給与が公務員の給与より高いという結果がでておりますので、それを目標期間 中、公務員の水準に戻すということは、要するに賃下げをするということになるわけで ありますが、そういうことを実施しているわけであります。彼らだけに負担を負わせる のはちょっと心苦しいということと、それはとにかく成し遂げなければならない仕事で あるわけですから、そういう経営側の姿勢を示すという意味で常勤の役員についてもボ ーナスとか手当を減らすということをやっております。以上が3番目であります。  4番目は、11ページになりますが、調査研究成果など機構業務の成果を活用した効果 的な研修等の実施ということでございます。そこの一番左の黄色いところに書いてござ います。36コース、これは労働行政職員の研修ですが36コース、約1,900人の研修を行 っております。研修を行った後でアンケートをしていますが、「有意義であった」と下 さった方がだいたい90%以上というところになっているというわけであります。  それから、それ以外に労働大学講座というものを持っておりまして、これは一般の企 業の従業員もちろん組合に入っている方もいますが、そういう人が参加する労働大学講 座というものを持っております。それから11ページの下の黄色いところにも書いてござ います、右側のブルーのところにも書いてありますが、キャリアガイダンスツール、こ れは今まで行政関係者を対象にしてきたのですが、これは16年度からですが、これを学 校の進路指導担当者にも拡大して実施する。こういう適職を選ぶというような時に、ソ フトに入っていて自分でもって操作しながら適職を選べるようなツールでありますが、 そういうものの講習会を少し広く一般の学校の先生のほうにも拡大していくということ を考えているわけです。以上が4番目の重点項目です。  最後の第5番目ですが、これは様々な「業務運営の効率化によって経費を削減」して いこうということでありまして、12ページから13ページ、左側と右側を対比して御覧に なりますと、旅費規程を見直したとか、光熱費を減らしたとか、あるいは定型的な業務 を外部委託したとか、ペーパーレスにしてきたとかあるいは一般入札と導入したとかこ ういうことによって経費の削減を図ってきたということであります。  最後になりますが、14ページ以降に書いてありますが、私ども「業務の成果が有効に 活用されるように、常に利用者の立場に立った業務を行う」とこういうふうに心がけて おりまして、その成果が14ページから15、16ページにかけて書いてございますが、利用 者からは高い満足度・有益度を確保することができたのではないかというふうに考えて おります。少し手前味噌のところが多くなったかもしれませんが、私からの報告は以上 のことであります。 (1)第1グループ ○井原部会長 ありがとうございました。それでは個別評価をはじめたいと思います。きょうは、全 部で20項目ございまして、これを4つのグループに分けたいと思います。まず、第1グ ループの評価シートの項目1から2ですね、これの説明をお願いしたいと思います。 ○小野理事長  それでは、今会長から説明がございましたけれども、(5)業務効率化による経費削減 及び業績評価制度の確立に関わる実績でございまして、左肩のところに番号がふってご ざいます、そのシートの番号で1と2でございます。詳細につきましては、総務部長か ら説明をしていただきます。 ○井原部会長  その時にちょっと毎回申し上げておるのですが、自己評価の点数が入っておりますけ れども、これをつける際に計画と15年度の実績でどこのところが優れていたのか、そう いう点をはっきりさせながら説明していただくとありがたいと思います。よろしくお願 いします。 ○姉崎総務部長  では、そのように努めさせていただきます。説明は資料1の個別評価シートに基づき まして御説明をさせていただきますが、適宜資料2の添付資料というのを時々使わせて いただこうと思いますので、添付資料をすぐ見られるような位置に置いていただいて、 それからまた先生方のところに「労働政策レポート」という成果物がでていますが、そ の成果物も時々御覧いただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。基本的に は資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。  最初の評価シート1で、1ページと2ページでございます。業務運営の効率化の関係 でございます。15年度の計画におきましては、省資源・省エネルギーの推進それから一 般競争入札の導入、それから業務の効率化に取り組むということになってございます。 実績のところでございますが、最初に(1)で省資源・省エネルギーの関係につきまして は、まず役職員一人ひとりがその意識を持つことが重要であるということで、意識啓発 からはじめまして、省資源・省エネルギーの比、あるいは職員からの提案制度等を進め たところでございます。合わせて廊下等の部分消灯とか、洗面所のお水のところに節水 コマを取りつけてお水の出を悪くしたりしながら節水に取り組むというようなことをい たしまして、15年度の下期につきましては、前年同期比に比べて約19%の高熱水道料の 節減をいたしましたということでございます。それからペーパーレス化につきまして も、大変細かくて恐縮でございますが、86,500枚と一生懸命数えまして節約を図ったと いうことであります。  2点目の一般競争入札の導入でございますが、これにつきましても積極的に進めよう ということで、15年度は一般競争入札の件数が24件でございまして、前年度の下期が11 件ということでございましたので、一応2倍以上の一般競争入札の件数を確保したとい うことであります。この結果、約3千万円、基準価格に対して約27%の節減を図ること ができたということでございます。  3番目に業務の効率化の関係でございます。これもなるべくお金をかけないようにし ようということで、職員が無料のソフトを探してきて使ったり、あるいは各種の例えば 休暇の届出などは、全部システムの中の掲示板システムに入れてそれをプリントアウト して書いてだすという、あるいは各種の連絡はすべてメールでやるというような取り組 みの徹底をいたしますと共に、清掃警備等の定型的な業務につきましては引き続き外部 に委託化を進める。それから職員からも業務効率化に基づく提案等を募集し、各種の検 討を行ったということでございます。  それから(4)で、更なる業務経費の節減ということで、理事長からの説明もございま したけれども、海外出張に係る航空運賃につきまして理事長のみをビジネスクラスとい たしまして、他の役職員はすべてエコノミーと、ディスカウントエコノミー券を利用す るということで節減を図っていくという取り組みをいたしました。  評価の視点と自己評価のところでございますが、評価の視点として省資源等を推進し ているかということで、今申しましたように推進をしているということでございます。 それから一般競争入札につきましても、積極的に導入をし、前年度の2倍以上の件数を 確保し、約27%の節減ができた。紙につきましても、先ほど申しましたような節約がで きたということでございます。それから今申しました航空運賃の関係でございます。  それから評価の視点の4つ目に、中期目標期間中における支出総額が中期目標の目標 数値を達成できる状況にあるかということでございます。1ページ目のほうで、中期計 画のところで一般管理費につきましては、平成18年度において14年度と比べて25%節約 する。それから業務経費については毎年度1.3%節減するという、こういう数値目標にな っているわけでございますけれども、15年度は半期だけでしたので計算が半期だけだす のは難しいのですが、一応15年度の旧法人の分をひっくるめて15年度と14年度というこ とで支出額を比較してみますと、一般管理費と人件費を含む一般管理費等につきまして は13.7%の節減。業務経費につきましては13.8%の節減と、これはあくまでも15年度上期 の旧法人の分も入っているのですが、一応推計するとそういう形になりまして、基本的 にはこの目標が達成できる状況にあるということでございます。  自己評価は「S」をつけてございますけれども、省資源・省エネルギーで特に取り組 んだ結果として19%という大きな節減ができた。競争入札につきましても、27%という大 きな節約をすることができたということで、高い効果があったということそれにプラス 他団体ではたぶん取り組んでいないだろうという、この航空運賃の関係につきまして も、積極的に取り組んだということで高い評価をして「S」となったところでございま す。  実はSの評価をいたしましたのは、理事長の諮問機関で総合評価諮問会議という会議 がございますけれども、その委員の中から立てた目標に対してとにかく原因はどうでも 立派な成績を上げたのだからSということでいいのではないか、今後はなかなかSを取 れるわけはないので、取れるときに取っておいたほうがいいというような後押しを、実 はこれが日本経団連の矢野専務が複数の委員がおっしゃったのですが、矢野専務からそ のようにおっしゃっていただいたので、理事長が「よし、これはSにしよう」というこ とで、すみません一番いきなりSで「こいつ!」と思ったかもしれませんが、一生懸命 努力してそれを認めていただいたということもございまして、多少おこがましいとは思 いましたが「S」という自己評価にさせていただきました。  ページをめくっていただきまして、評価シート2で、3ページ、4ページでございま す。業績評価制度の関係でございます。これは15年度計画におきましては、(1)で、15 年度末までに業績評価システムを整備をし実施をすると。それから(2)で業務運営につ いて広く意見、評価を求めるとこういう計画でございます。右側の実績でございます。 (1)のイでございます。最初に、外部評価機関の設置ということで、業務全般についき まして御評価をいただくために、「総合評価諮問会議」というものを設置をいたしまし た。それから特に調査研究の部分について、各それぞれの報告書につきましては専門的 な見知からの判断が必要だということで、学識経験者のみで構成する「リサーチアドバ イザー部会」というものを設置いたしました。こうした規程につきましては、すべて年 内に作りまして公表しています。そらからその研究以外の研修事業、その他の事業につ きましても有識者懇談会を設置をし、それぞれアドバイスなり御意見をいただくという 形を作ったということでございます。  ロの内部評価の関係でございますけれども、理事長が主催をし全役員それから経営会 議自体は主要な部長ですが、月次の業務の時には全部長が出席をいたしまして、内部評 価等々をやるわけです。内部評価につきましては、中間、事前それから事後というふう に実施をいたしました。それから(2)で、月次の業務進捗管理ということで毎月、その 月までの累積の実績、それからその中で当月の実績、次月以降の予定というものを書い た紙ですが、それをみんなで議論をし、仕事がちゃんと進んでいるかどうかということ をチェックをしながら毎月進めてきたということであります。  それからハの、外部評価機関による評価の実施ということで、先ほども理事長から御 説明ございましたけれども、15年度の業務実績につきましては、6月18日に総合評価諮 問会議にかけさせていただいて、私どもの行った自己評価につきまして妥当であるとい う評価を得たところでございます。  (2)の業務運営に関する意見、評価の把握ということで、4ページのほうにかかりま すが、ホームページ等を通じて意見をいただきまして、半年間で72件の意見がございま した。問い合わせ等みたいな簡単な意見がほとんどですが、適宜これにつきましては担 当部門にフィードバックをしたということでございます。  それから有識者アンケートの実施ということで、外部機関に委託しまして、学識経験 者等を中心として、あと地方行政官、労使を対象にアンケート調査を実施いたしまし て、私どもが行っている事業について有益であると思いますか、どうですかということ でございまして、これを郵送とホームページ用のアンケート2つをやりまして、ともに 回答者の90%以上の方々から「有益である」という高い評価を得たということでござい ます。  評価の視点と自己評価でございますけれども、業績評価の制度が整備されて機能して いるかということで、これは年度末までにやるということでしたけれども年内にきちっ と整備をし運用をし、それぞれ評価を実施をしたと。それからホームページ等で公表し ているかということにつきましては、きちっとそれは公表をしているということでござ います。それから意見を求めているということでして、特にホームページ等を通じたア ンケート調査では高い有益度の評価を得たいうことでございます。  ここにつきましては、とにかく理事長が毎月の業務実績状況をきちっと把握しながら やっていくということで、できるだけ早く、法人立ち上がりと同時にすぐそういう仕組 みを作ろうということで、年度内なんてそんなゆっくりしていないのだということでい ち早く作り機能をさせたということと。それからホームページでの有益度が大変高い評 価をいただくことができたということで結果が非常に良かったということで「A」とい う評価にさせていただきました。一応、以上でございます。 ○井原部会長  それでは、ただ今の説明に関しまして何か御質問があればお願いしたいと思います。 ○篠原委員  最初の、業務運営の効率化に関する目標と達成するためとるべき措置に質問をしたい と思います。  いろいろな対策をとって、これ素晴らしいと思うのです。これかなり費用削減してい ると金額的にはたくさんでてきたと思うのですが、当期利益を見ますと赤字だとかほと んどないですね。そのカラクリはまずなんでしょうか。 ○田中経理部長  経理部長の田中と申します。お答えいたしたいと思います。我々一生懸命経営努力を したつもりでございますが、なにぶん先生も前からおっしゃっております収益化の基準 でございます。他の基準を採用したかったのですけれども、なかなかそこまで間に合わ なかったということもございまして、一番最低の基準でございます費用進行基準という のを採用しております。従いましてこの中で評価したいということを、監査法人に指導 を受けておりますのでいろいろ御説明をしたところではございますが、そういうのは認 められないということで評価そのものの制度が確立していないということで、それが今 回の評価には反映されていないというものでございます。従いまして先生からの質問が ございますけれども、交付金債務がどうなっているかというのは、先生のところで今度 御説明をしたいと思いますけれども、交付金債務という形で残っているということでご ざいます。 ○篠原委員  せっかく努力して得たものですから、是非、目的積立金に積み立てていただきたい。 その難しさは僕もこの3年間を見ていると、いろいろな理由でわかりますけれども、独 法の趣旨が目標管理でそれを努力したものに対して独法が自由に使えるというか、目的 積立金をやると制度自体がおかしくなってしまうので、大変でもなんというのですか目 的積立金で承認を得るためには大変な努力も書類も要るということは聞いているのです けれど、そこのところをなんとかやってくれというのが、僕などは、制度をより良くし たいという部分では、せっかく努力したのだからという気持があってちょっと質問しま した。 ○田中経理部長  お答えいたします。先生もおっしゃるとおりでございまして、私どももなんとかいい 評価を受けたいと思いまして、今後いろいろ勉強をしながら早期に他の収益化基準を導 入すべく努力をしてまいりたいと思っております。このへんでよろしいでしょうか。 ○川端委員  S評価、大変いろんな形で前へ進められていますけれど、例えば競争入札でかなりの 件数、それが金額もそういうことの成果を出されていますけれども、どうしてこの14年 度等々にこういうものをやっていなかったのかというのがむしろ不思議です。14年度、 独法になったから急に一般競争入札を導入したと、以前あまりそういうことに力を入れ ていなかったことをお伺いしたいなと思います。 ○田中経理部長  お答えいたします。一番件数が増えましたのは、今までなかった例えば研修所は一緒 に統合されたとか、対象の件数が増えたというのが一番の原因でございます。それと合 わせましてちょっと職員には厳しかったかと思いますが、基準に、要するに類型ができ る基準というのがございますので、それを超えたものに関しては積極的に競争入札にか けるように努力をしたということで御理解をしていただければと思います。 ○村山委員  今までの組織の評価でも全く同じですが、90%以上の人が良いという具合に評価をし たという記載なんです。そうすると、何かもう自分で良い、良いと言ってこれ以上の努 力目標がなくなってしまうような感じなんです。辛口のコメントがあれば、今後の努力 目標として記載していくべきではないでしょうか。90%以上の人が「いい」だからA或 いはSだというのは、何か内輪で喜んでいる気がします。辛口の意見はきちっと書いて いくべきではないかという気がいたします。 ○姉崎総務部長  このアンケート調査は、多くの項目について聞いているのですけれども、一応その中 で問8ということで、ここの部分だけ引いているのですが当然フリーアンサーとかでこ ういうところが悪いとか御意見をいただいております。結果、全部につきましては、そ れは内部的には職員に還元をしているわけでございます。評価委員会にだすときには、 やはりいいところだけだすと、あまり悪いところは自分達で共有をしていればいいので は、先生方に見ていただくのもどうかなとか、いろいろ考えましてというか、スペース 的にいろいろ書くと分量が多くなるかなということで、結果だけを書かせていただきま した。 ○村山委員  気持はわかるのですが、でも我々も評価するわけで、そうすると、いいところだけを 見せられて評価をしろと言われても評価のしようがないのです。 ○姉崎総務部長  おっしゃるとおりでございます。それから本日松田委員が御欠席でございまして、昨 日松田委員に事前に御説明をさせていただきましたときに、やはり満足度が90だとか有 益度が90だといっても、どこがどういうふうに満足したのかがわからないとなかなか90 というだけでは数字は評価できないという御意見をいただきまして、来年度以降こうい う調査を取るときに、どういうところがいいのか、悪いのかというところの調査を少し 工夫をしていこうということを昨日理事長とお話しをしたところでございます。 ○今野委員  このシート1の最大の目標というのですか、中期計画にありますけれど、一般管理費 を25%、業務経費を毎年1.3%というのが基本目標になっているわけです。それに対応し て暫定的な数字ではありますけれど、一般管理については13.7とおっしゃいましたね。 業務経費については13.8。ということは、大丈夫?こんなに削ってという。つまり、業 務経費1.3でいいのに、13.7と削っているわけですね。私がここで一番申し上げたいの は、我々が見たい数字は全体の結果を見たいのです。努力されてきたので乱暴なことを 言って申し訳ないのですが、省エネで幾らとか一般競争で幾ら、それ自身はあまり重要 でなくて全体としてこれだけで、それに対してこれがこの程度貢献したというぐらいの データさえいただけばいいので、極端なことをいうとまた繰り返しですが、省エネ、一 般競争入札、なんとかというのは後で出てきて全体としては最初これだけできました と。それに対して貢献度の大きいのはこれと、これと、これですぐらいに言っていただ いたほうがわかりやすいのです。そういう点では、最初私が言ったように一般管理費で は13.7、業務経費では13.8という数字をもう一度お聞きしたのですが、これでいくと来 年はどうなるのですか。 ○姉崎総務部長  あんまり減りすぎては困るわけです。業務の関係につきましては、先ほど申しました これ年間ベースにしたので、仕方がないので前期は旧法人のやつでございます。実は、 旧法人から新法人になりましたときに、国際交流関係の事業は廃止をするとか、調査研 究につきましても学術的、歴史的な研究をやめるとかということで、事業が大幅に変わ っている部分がありますので、要するになくしている部分があります。それで過去の分 までひっくるめてやると業務経費を大きく削減している部分というのもあるわけです。 もちろん先ほど言いましたように一般競争入札を導入して、その中には清掃とかなんと かではなくてアンケート調査とかの外部に委託するときに一般競争入札でやって差額が 生まれたりとか、それから外国旅費の節約をしておりますから業務経費も減っている部 分もあるのですが、業務の見直しをした部分というのもありますから、したがいまして 平年度ベースになって16年度というふうになって、今度17年度と16年度を比較するとき には、当然私どもは1.3の減少の範囲の中でやろうと思っておりまして、それ以上減る と困るわけであります。ここは年度ベースに直したために、少し減少幅が業務経費のほ うが大きくなっているということかと思います。 ○今野委員  これはこの数字のことというよりは、やり方の問題なんですけれど、他のページもみ んなそうですが、いろいろなことを書かれるとこちらがわからなくなるので、何が一番 重要なターゲットかということを意識されて、そのターゲットをボンとだしていただく というのが重要で、ここの例で言うと、今言ったような事情があったにも関わらずいろ いろ計算してそういう誤差を抜いてあげるとだいたい業務経費はこのぐらい、全体とし て削減できましたというような形で数字をボンとだしていただいたほうが、非常にわか りやすくていいということです。来年以降は、そんなことでお願いできればと思うので す。 ○姉崎総務部長  はい。 ○井原部会長  今のやり方というのは、他の法人もすべてそういうふうに申し上げたい点です。どこ がポイントとするかがわからないのです。それから、今のこの経費の節減ですが、これ を読むと例えば節水コマを取りつけて今年が何パーセント減ったかと、この調子でいく と来年も減るという話でなくて、もうこれで終わりなわけです。ですからここのところ はこれで済んだから、次はここへ行きますよというような情報があると、我々もああそ うかというので非常にわかりやすいのではないかと思います。あと、ございますか。 ○本寺委員  昨日の評価委員会でも思ったのですが、たぶんなんとなく目標を立てると、それを上 回ることが素晴らしいと思うのですが、それひとつの発想かもしれませんが、私は目標 って弓矢の世界だと思うのです。ドンピシャ当てる人が一番すごいのです。下手に上に 下にずらすというのは下手くそなんです。そういう感じのほうが本当は良いのかなと。 特に、本当に一般のビジネスみたいに、市況がボコボコ振れるようなそういう組織では ないと思いますので、そういう感じでちゃんと立てた目標どおりビシッと当てると、そ れが本当は一番力量が高いんだという感じで思っていただきたいなという気がいたしま す。  あと、シート2の質問もしてよろしいですか。2を見ると、言ってしまうといわばこ の評価の体制を作った、外部の委員をつくったということで、これビジネス的にいくと いわゆるコーポレートガバナンスみたいな、指名委員会だとか報酬委員会を作って外部 から監査するようになって、その体制が出来ればいいというような感じにもちょっと取 れるのです。アメリカのコーポレートガバナンスがいかに機能しなくて、金持ちのCO達 がお互い委員になって甘ちゃんの監査をやっているみたいな、そういう世界はもう箱を 作るだけでは意味がないです。  それでシート2の中に評価の視点で、全事業を対象とした業績評価の制度が整備さ れ、機能しているかというような視点があります。お話しをお伺いすると制度はどうや ら整備されたようだと。これが今期においてどういうふうに機能したのか、それを御説 明いただきたいと思います。 ○姉崎総務部長  機能したと申しますのは、体制を作って例えばまず最初に月次の業務実績管理がある わけですが、今月ここの部のこれは遅れているのではないかとか、もう少しここはどう いう問題があるのかということを、理事長以下で皆で話し合って知恵を出しながら業務 の効率に役立てると。  それから外部の関係につきましては、例えば年度計画の事前評価の時ですが、委員の 先生から、あるときにOECDの会議に行ったのだけれども、どうして日本の研究者はこう いう場にでてこないのだろうかと、非常に少ないということがあって、特に私どものよ うな法人の研究員はちゃんとそういうところに行って、国際的な機関での国際研究にも 貢献するような形が必要なのではないかというような御意見をいただきました。その御 意見をいただいたものですから、理事長以下で皆さんと相談をして16年度の計画におき ましては、そうしたことをやろうということでOECDのほうで、毎年例えばエコノミック アウトロクとか作っていますけれども、そうしたところにきちっと私どもの研究員も厚 生労働省と連携をして派遣をするというような取り組みを例えばするということで、中 の打ち合わせ、それから外部の意見もそれぞれ適切に業務に反映できるものは反映をし たということで、課題として残っているものもあるかもしれませんが、そういう意味で 機能しているというふうに私は御説明をさせていただきました。それがそんなのではた だやっているだけだというふうに言われるとなんとも言えませんが。 ○本寺委員  例えば、この評価諮問会議から、とある委員からでてきた言葉の厳しい言葉で、皆さ んが絶句したみたいなそういう場面ってありましたか。 ○姉崎総務部長  特に絶句というのは、私の経験ではありませんが、森永卓郎さんという委員がいまし て、最初に業務の省資源・省エネルギーの説明をいたしましたときに、先ほど矢野専務 はそういうふうにおっしゃていましたが、森永さんは、労働政策研究・研修機構に対し て誰もお水の節減しろなんて求めていないからこんなの一生懸命にやって何になるのと か言われて、そんなこと言ったってうちは公的な資金で運営されている法人ですから当 然だとは思いますけれども、でも誰も世の中こんなもの求めていませんよと、いかにい い研究成果をだすかということを求めているのであって、あんまりこんなの一生懸命や ってどうするのみたいのを言われて、ちょっとがっかりいたしました。 ○横倉委員  後の各論を伺ってからでないと質問が十分できないと思いますが、一般的な考え方と して、いろいろな研究成果を外部にいち早く公表して有効に活用していただくというよ うないろいろな姿勢がでていますが、片側でできたそういったものをシーズとして有料 化で対価を求めるとかそういったものを更に再活性をするとか、そういったことはこの 法人として今まで特殊法人という縛りがあったのに対して、今度独立行政法人となれば ある程度そういうことが柔軟に出来るのではないかと思うのですけれど、これは先ほど 篠原先生の御質問のあった収益化といいますか、そのへん会計的に難しい要素もあるか もわかりませんが基本的にはそういうことが可能かどうか、そういうことをお考えかど うかです。  例えば成果物の販売にしても、安いほうがいいには違いないのですが、少し何か工夫 するとか、あるいはいろいろな発表のセミナーといったものに、参加者の有料制を取り 入れるとかそうなような工夫ということは可能なんでしょうか。 ○姉崎総務部長  可能かと思うのですが、例えば労働政策フォーラムを運営するときに、国からの運営 交付金で運営をしていると。国からの保険料で運営してやっているのに、それでまたお 金を取るというのはどうかと、例えばそういうことがあるのですが、そういうときでも 例えば私どもの成果物で研究報告書もそうですが、成果物も有料で販売をしているわけ ですからそういう場で、これはいいなと思った方々に買っていただく。あるいは月刊誌 も有料で発売しているものもございますから、なにぶんまだこれまで半年間一生懸命作 るほうが忙しくて、なかなかPRのところまで行き届いていない部分もあったりするの ですが、そうしたことを拡大をしていくとか、そうしたことは考えていこうと思ってお ります。 ○横倉委員  そうすると今の段階では、基本的に、そういった方向はあまり力を入れないと。むし ろ成果物の広報的な役に立たせる方向に力を入れていくと、そういう状況でございます ね。 ○姉崎総務部長  現状だけでいうと、そういうことです。 ○川端委員  これ一応全体目を通させていただいたのです。非常に気になったのが、評価項目がい ろんなところで重複をしている気がします。例えば今の評価シート2のほうで、ホーム ページ、アンケートで広く意見を聞いて90%以上の方から「有益である」と、機構の業 務活動全般に対して有益である。これは成果とかその普及に関して大変有益であると、 あと個別のところでいっぱいでてくるわけです。たぶん普通の人はそういうことを見て 全般の業務を有益である、だから総論的に有益である、だからここは評価高いよと。各 論の部分でそれぞれが有益、だから評価は高いよということで、同じことを2回使って いるようなそういうふうに見える部分が大変多いわけです。これはもう少し各論のとこ ろを見ながらですが、そこらあたり今後の御説明の時にそういう関連があれば、合わせ て御説明していただければいいなと思います。 ○井原部会長  それではよろしゅうございますでしょうか。それでは評価の御記入をお願いしたいと 思います。 (2)第2グループ ○井原部会長  そろそろよろしゅうございますでしょうか、それでは次に進みたいと思います。次は 第2グループの評価シート項目3〜7までの業務の実績を御説明願いたいと思います。 ○姉崎総務部長  それでは評価シートの3番から7番まででございますけれども、研究関係でございま す。評価シートの3が5〜7ページでございます。どのようにテーマを設定して適切に ちゃんと調査研究をやりましたかというそういうグループでございます。特に数値目標 は設定されておりません。  実績でございますけれども5ページ(1)のイでございます。15年度は3年半にわたっ てこれをやりなさいというふうに厚生労働大臣から示されています9つのプロジェクト 研究のテーマ、それから個別研究のテーマが31ということで、合計40のテーマに取り組 みまして、更に年度途中で厚生労働省からこれをやってくれという要請が2件ございま したので、全部で42のテーマについて取り組んだということであります。  真ん中に絵が書いてございますけれども、左側で個別研究の内訳でございますが31の うち16テーマが厚生労働省からの要請。それから15が私どもの独自テーマの設定。途中 で2つ厚生労働省から来ましたので、要請研究が全部で18、私どもの個別が15というこ とで取り組みをいたしましたということでございます。  (イ)でテーマの設定ということでございますけれども、最初の○で研究ニーズの把握 ということで、当然でありますが、厚生労働省からの要請につきましては説明会を開催 し意見をきっちっと聞いたと。それからページをめくっていただきまして、一番上であ りますが労使の関係につきましても、それぞれ労働部会、経営部会ということで皆様方 から意見を聞き、テーマの設定い活かしたということでございます。  (ロ)の、それでどうなったのかということでありますが、42テーマのうち39テーマに つきましては、中間まとめ的なものも含めまして成果を取りまとめたということでござ います。42引く39の3つにつきましては、行政的な手続等に時間を要しまして、16年度 に実施を変更したということでございます。それから研究の進捗管理を行うために研究 活動記録システムの開発ということにも取り組んだということでございます。それから それらのまた結果ということで(ハ)ということで、政策に資する質の高い成果の確保と いうことで、白書をはじめとしていろいろなところで半年で150件を超える引用等がご ざいますということで、最初の○が研究成果の行政における活用ということで白書の引 用ですとか審議会等への参画の件数。それからその下が、外部機関での私どもの研究成 果の表彰ということで3件の表彰を研究員が受けたと。それから次が、一般での活用と いうことで書いてございますけれども、5つ目のポツに、専門図書等での調査研究成果 の引用でございますけれども、半年間で129件の引用がございました。その他、新聞等々 での引用、それからホームページへのアクセス件数もかなりの数のアクセスをいただい たということでございます。  評価の視点と自己評価のところでございますけれども、研究計画は適切に作成されて いるかということで、行政それから労使にも聞いて適切にテーマ設定を行ったというこ とでありますし、研究成果等の目標がちゃんと明確になっているかということにつきま しては、初年度ということもございまして、理事長をトップに、それぞれの研究計画を きちっと作成をしたということでございます。  それから研究計画の見直しが適宜行われているかということにつきましても、年度途 中でヒアリングをし、さらに先ほど申しました厚生労働省からの緊急の要請に対しても きちっと研究計画に追加をし、実施をしたということでございます。  所期の成果を得られているかということにつきましては、特段の事情がありました3 件を除きまして、42のうち39テーマにつきまして成果を取りまとめることができた。  質の高い成果をだしているかという部分につきましては、今申しましたような白書等 での引用等々が150件を超えるというようなことがございましたし、それから外部評価 委員からも有益な評価されるようなコメントをいただいたということでございます。  ここにつきましては、きちっとその成果を取りまとめた結果として、多くの引用等々 それから審議会、研究への参画それから講演の講師というところで多くの実績をあげた ということと、外部評価委員から高い評価を得たとこういうことで、自己評価につきま しては「A」というふうにさせていただきました。  次が評価シート4で8、9、10でございます。これは、調査研究を実施するためにど ういう研究体制を整備していますかというページでございます。計画上きちっと整備を するとなってございます。8ページでありますけれども実績です。研究の実施体制につ きましては、プロジェクト研究のテーマに応じまして9つの研究部門を設け、統括研究 員を配置すると共に特別研究員14名を委嘱をしたということでございます。合わせて体 制を作っただけでは仕事がうまく流れませんので、仕事の進め方につきまして事細かに 定めました「研究業務マニュアル」というものを作成をいたしたということでありま す。  (ロ)の研究ニーズの把握等につきましては、4点ほど書いてございます。最初に理事 長が座長になりまして、厚生労働省の方々も参加いただいた研究会をやりましたという ことであります。それから厚生労働省の16年度の研究要請の把握を行うための会合を行 った。それから労使からも16年度に向けての要望を聞いた。それから内部的にも会議を 作って、研究計画の検討を行ったという実績であります。  それから(ハ)の行政への機動的な対応につきましては、厚生労働省のほうで大臣が懇 談会を作りまして、それで私どもの理事長に座長になっていただきたいということでご ざいましたので、理事長が座長に就任すると共に、この懇談会の下に4つほどプロジェ クトチームが作られました。そのプロジェクトチームの課題に対応した研究員をそこに 派遣をして、研究員が行政担当者と一緒になって議論をするというようなことをさせて いただいたということでございます。2つ目の○は、要請研究途中のものに積極的に応 じたということであります。  ハの、他の政策研究機関との連携で、4件の共同研究を実施したと書いてございます が9ページでございますが、9ページの年度計画のところの一番下に書いてございます が15年度は、内外の他の政策研究機関との共同研究を4件以上実施するという計画にな ってございまして、結果としてその4件の共同研究を行いましたということでありま す。  9ページの一番上は国内でありますが、国内の関係につきましては計画上もまず15年 度は調整提案を行うということで、そうした活動を実施をしたということでありますけ れども、全部で42のテーマのうち22テーマについては他の機関の研究者の方も研究に御 参加をいただくということまではしたということであります。  (ロ)の海外との共同研究というところで4件を実施をしたということで、(1)で中国、 韓国との関係でワークショップを開催をさせていただいた。(2)「自動車産業の労使関 係」というテーマで5カ国の共同研究の実施をしたということであります。(3)であり ますが、アジア13カ国それからOECD、ILOの皆さんを招いた研究のワークショップを開 催をしたということであります。(4)でありますが、各国の労働法制の比較ということ で8カ国の研究者による「労働法研究セミナー」というものを3月に開催をしたという ことでございます。主な事業はそういうことでございます。  10ページの評価の視点と自己評価でありますけれども、研究体制はちゃんと効率的な ものになっているかということで、この体制につきましては初年度ということで新しい 組織編成を作ったわけですが、その定着に重点的に取り組むということで、きちっとし たものができただろう。それから単に組織を作っただけではだめで、評価の2つめのポ ツにありますが、「研究業務マニュアル」というものを作成し、みんながすぐに仕事が きちっとできるような形のマニュアルを整備をしたということでございます。  評価の視点で、国民の各層のニーズを把握をしという部分につきましては、先ほども 申しましたように労使、行政から聞いているわけですけれども、初年度ということもあ りまして、理事長主宰の研究会を作ると同時に厚生労働省に対しても御協力をしたとい うことであります。評価の視点の内外の研究機関との連携につきましては、これは連携 を積極的に図ったということでございます。  自己評価は「A」にしてございますけれども、「研究業務マニュアル」の作成をはじ めといたしまして、初年度であるにも関わらず、非常に業務が円滑に遂行されましたと いう点。理事長をトップとして研究のシーズ発見、発掘に積極的に取り組んだというこ と。それから厚生労働省の懇談会でありますけれども6月22日に「人間開花型社会の実 現に向けて」ということで報告書が発表されておりますが、平成17年度の厚生労働省の 概算要求にも反映される報告書というふうに聞いておりますので、そうした行政への積 極的な貢献ができた。こういう3点を持ちまして「A」という評価にさせていただきま した。  次のページの評価シート5ですが、11、12ページでございます。ここは研究成果をち ゃんとまとめて、高い評価を得ましたかというページであります。ここにつきましては 15年度計画で11ページの下のほうにありますが、5件以上の成果について優秀であると の評価を得ることを目指す。その下に、関連専門誌等への論文掲載を10件以上、それか ら2件以上は査読を経ることを掲載の条件とする雑誌への掲載。こういう数値目標がご ざいました。  結果でございますけれども、11ページの右上、合計で43件の成果を取りまとめること ができました。1テーマについて、複数の成果物が出てくる場合がありますので、先ほ どの42テーマと件数が合いませんが、件数として43件。このうち27件につきまして外部 評価を受けました。結果として20件以上がS、Aという高い評価を得ることができたと いうことでございます。  (イ)のところで、成果件数43とそのその内訳ということで書いてございます。  (ロ)の研究成果の評価というのは、今申しましたようにリサーチ・アドバイザー部会 で外部評価を受けたということでページをめくっていただきますと、研究成果評価結果 ということで、私どもの機構の中で作っている内部評価委員会の結果それから外部評価 の結果ということでSからDまでが、こういう形になってございます。それから(ハ)で 関連専門誌への論文掲載につきましては、目標が10件以上に対して15件。査読は、目標 が2件に対して結果として2件、こういう結果になったわけでございます。資料の2と いうところ、せっかく資料がありますので使わないのはあれですので、添付資料の資料 2というところの37ページ(資料11)というのがございまして、リサーチ・アドバイザ ー部会による外部評価の結果というのが書いてございます。ここにあります1番から27 番までのテーマにつきまして評価を得たということでございます。この中でSという評 価が16番、19番、27番これCD-ROMですが、若者向けの適職、適正のための診断のための システムですが、この3つにつきましてSという評価を受けることができました。この Sの評価のものは先生方のお手元に資料としてついているこの2つと、それからCD-ROM のほうは持ってこられませんでしたので新聞発表資料がついていますが、Sの評価を受 けたものでございますので、是非お時間があるときに、先生方のほうもこれを見ていた だければと思っております。  評価シートの12ページに戻っていただきまして、評価の視点と自己評価ですが、評価 の視点は、ちゃんとその所期の目標を達成できるか。外部評価をちゃんと実施している かということでございます。結果の自己評価のところでありますけれども、27件中20件 がA以上の評価を得ることができた。論文につきましては15件、それ以外にも学会での 発表が8件なっているということであります。  それから3つ目のポツでありますけれども、3年半でいい研究それから論文につきま して合わせて120という数値目標になっているわけですが、この20と15を足すと35とい うことで、3年半で120という目標は十分に達成できる状況にあるということでありま す。  それから4つ目のポツは、外部評価、内部評価をきちっと実施しているということで あります。  自己評価はSをつけてございますけれども、目標の5件に対して20件という4倍の成 果をあげたこと。論文につきましても10に対して15ということで50%増の成果をあげた こと。それから理事長が、ここを一番重点に、当然でありますが重点に取り組みまし た。最重点で取り組んだところで所期の結果を出せたということで「S」という評価に させていただきました。  ページをめくっていただきまして評価シート6であります。13、14ページでございま す。ここは研究のために、内部、外部の人材をきちっと活用、確保しているかというこ とでありまして、計画上は人事諸制度を整備する。それから内部研究者を確保する。外 部人材を活用するという計画でございます。数値目標はございません。  実績でありますけれども、イの(イ)ということで、研究員の業績評価制度ということ で研究員につきましては目標管理による業績評価制度を導入をし、ということで規程を 整備をいたしまして、これは計画上は15年度末までに整備を完了するということでその とおり年度末までに整備をいたしました。15年度分の評価で、整備するので16年度から 実施をするのですが、16年度の実施でなくて15年分からもう評価を取り込んでいこう と、先取りしてやっていこうということであります。  それから(ロ)の優秀な研究員の育成につきましては、先ほどもございましたように表 彰が3件、それから任期付きの研究員を4名採用したということであります。(参考) ということで、外部にも人材を出たということであります。  (ニ)外部人材の活用というところにつきましては、ページをめくっていただきまして 2種類ございますが、14ページ最初の○の特別研究員ということで、9つのプロジェク ト研究がございますけれども、それぞれのプロジェクト研究につきまして専門的な立場 からアドバイス等をいただくために特別研究員を任命させていただいたと。それから下 の○で、他の研究機関からの研究参加ということで、大学その他の研究機関から47名、 民間の実務家が10名。それから政策担当者これはその都度人数が替わったりするので何 人と書けないのですが、13の研究テーマについて御参画をいただいたと。役所の人も一 緒に研究活動に入ってということでございます。  評価の視点と自己評価でありますけれども、非常勤研究員の任用等を積極的に行って いるかということで、それはきちっと行っているということでありますし、外部の人材 の活用につきましてもきちっとその活用を図っているということであります。それから 人事制度を整備をしているかということで、これは人事制度をきちっと整備をし、本来 16年度からやるのでしょうが15年分の活動から評価を実施をしていこうと、こういうこ とでございました。ここのページにつきましては、研究員の流動性を確保したというこ とができたと。それから表彰を受けるなど、確実に優秀な研究員が育成をきちっとされ た。それから任期付きの研究員についていいますと15年度に採用した任期付き研究員の 方が内部評価ではAだったのですけれど、外部評価でSという評価を受けたということ でありまして、着実にきちっと期間の中で高い成果をだしていただこうということで今 採用は全て任期付きでやっておりますけれども、そうした所期の目的がきちっと達せら れている。こういう点を考慮し、自己評価は「A」というふうにさせていただきまし た。  それから評価シート7で、15、16ページであります。調査、研究について内部評価、 外部評価を適切に実施しているかということでございます。15ページでありますけれど も、先ほどから年度計画の組み立ての重複が多い部分がございます。ここも若干重複し ている関係がありますが、きちっと研究の評価をしていますということでありまして、 (イ)の個々の調査研究につきまして、まず事前の評価ということで内部で検討しそれか ら外部で事前の評価をきちっと受けますということであります。それから中間評価につ きましては、年度の中間において理事長以下で研究の実施状況、ヒアリングするという ことでそれをしましたということです。それから研究の取りまとめ段階でのピアレビュ ーということで、所内研究発表会。それからそれを踏まえて原稿が確定いたしましたら レビューということで、内外の研究者2名によって査読をしていただく。それで原稿が 確定いたしましたら、内部評価、外部評価ということで先ほど申しましたような成果を 得ることができたということでございます。  ページをめくっていただきまして16ページでありますけれども、個々の報告書の評価 プラス研究事業全体につきましてもリサーチ・アドバイザー部会で御評価をいただきま して私どもの自己評価が妥当との評価を得たということでございます。  それから、ハで、有識者からの評価の調査等ということで、これはその横のところで 年度計画の中で有益度調査において3分の2以上の者から「有益である」との評価を得 るとなってございますけれども、有識者アンケートを実施をいたしまして90%以上の 方々から成果物はその研究の参考になったというようなことで「有益である」との評価 を得たということであります。  (ロ)の政策担当者との意見交換ということで、下に書いてございますようなことで16 年度に向けて積極的に取り組んだということであります。  評価の視点と自己評価でございますけれども、内部評価、外部評価の関係につきまし ては今申しましたようにきちっと実施をしている。その結果が、確実に研究成果の質的 な向上に繋がったということであります。それからアンケート調査で有益度、所期の目 標を達成しているか、これは達成をしている。それから政策研究者との意見交換をちゃ んとしているか、これはしているということであります。  自己評価は「A」でありますけれども、こうした仕組みをつくることで研究の質が非 常に高まった、結果として高い評価を得ることができたということと、それから有識者 アンケートで91.3%という高い評価を得ることが出来たということで「A」という評価 にさせていただきました。以上であります。 ○井原部会長  はい、それではまた御質問をお願いしたいと思います。 ○竹内委員  シート5と6ですが、研究成果の問題です。研究というのはある意味では半年とか1 年ですぐに成果が上がるというものではなく、成果というのは前からの機構の成果の結 果の反映の部分が結構大きいと思うのですが、その辺りで機構改革が行われてどこが成 果なのか、前の成果をどこが更に改革の中で上がったのかというのが大事ではないかと 思うのです。人材の要請の問題についても、外部へ飛躍していく方を作り出したという ことがあるのですが、これも前からの蓄積で、人材要請というのは何年もかかる問題だ と思うのです。そこで、今回の努力の成果というのはどこにあるのかという点でお考え なり評価の仕方をお聞かせいただきたいと思います。 ○小野理事長  正確に、新しい法人になってからこれだけが純粋にでてきたということは、なかなか 難しい。やはり研究は繋がっておりますから。ただ私は、2001年の4月に、元の日本労 働研究機構の研究所長をやりまして、2003年の9月まで研究所長をやっていました。 2003年の、つまり去年の10月1日から新しい組織になったわけです。したがって短い期 間ですが、旧組織の時と新組織の時の研究を比較することでできるわけです。それを見 ますと、これは大変驚いたことですが出てくる研究成果の数がまず違う。それから内容 もこれは先ほど来から申しておりますが、半年間に「優秀」というのが5本以上あれば いいだろうと、これは過去の平均に努力目標を加えて作った数字なんであります。それ がなんと先ほど申しましたように20本がAとかSという高い評価を得ている。これはも ちろん研究員が大変がんばってくれたということと同時に内部評価制度です。それでも ってペーパーを書き直している、それを今度外部評価にかける。評価制度がやはり非常 に大きな効果を持っているのだというふうに考えます。今後これを維持するのが大変難 しくなると思いますが、一生懸命努力していい成果をだしたいと考えております。 ○村山委員  私も竹内委員がおっしゃったように、研究には短期的に成果のでるものとそれから非 常に長期にわたって成果がでるものとあります。それから研究は当然当たり外れがある わけです。ですからプロジェクトを、短期で評価をする場合と5年、10年のスパンでも う一度昔の研究を評価する仕組みをどこかで入れていただきませんと、研究員がちょっ と可哀想です。一度Sが出ると、次もまたSだせよという感じになってきますから、研 究というのは少し余裕がないといい研究ができないのではないでしょうか。 ○小野理事長  ありがとうございます。私どもの機構は、研究が非常に重要な位置を占めるわけです が、政策研究でありますので長期のものと同時に、やはりその時々の政策テーマについ ていろいろ研究しなければならないという宿命を負っているわけであります。長期的な もの、短期的なもの、結論を申しますと両方やらなければならない。こういう訳で二兎 を追っているわけで、その二兎を同時にうまくこなしていかなければならないと思って います。  長期的なものも実際ありまして、これは先ほどどこかに研究の一覧表があったと思い ますが、長期的にやっているのがございます。アンケート調査などでも、少し質問内容 を変えるようなこともありますけれども、定点観測的にずっとそういうものを繰り返し て、どんなふうに人々の同じ質問に対する回答が変化しているかということを調べるよ うなことも同時にやっているわけであります。御指摘大変ごもっともでありまして、両 方やるわけでありますが、長期のほうにも、もちろん大きな軸を置いて今後ともやって いくつもりであります。 ○川端委員  研究者の確保と育成ですが、まず4人の方が大学のほうに出られたと。これは今まで に比べて多いのでしょうか、それともだいたい例年これぐらい出られているのか、まず これが一つです。そこはどうでしょうか。 ○姉崎総務部長  前年度も3名いましたので、ここ1、2年の感じでは3、4名でしょうか。極端に多 いというわけではない。 ○川端委員  もし独法になるから嫌だから早く出たいなという、そういう動機が働いていたかどう かはともかくとしまして、むしろ問題は、任期付き研究員ですね、4名埋められたの は。どうもお話しを聞いていると、そのほうが成果がでるのではないかみたいな雰囲気 で説明をされていましたが、任期付きと長期雇用とで成果の関係ですね。任期付きのほ うがこれから成果がでていいと考えられているのか、あるいは長期雇用とのバランスと いうか、そこをどういうふうに今後考えられているのかというところです。そこをお伺 いしたいと思います。 ○小野理事長  任期付きというのはプラスとマイナスがありまして、3年間ですから。3年間のうち にとにかくちょっと見える仕事をしてくれないと任期が切れて、それで契約が切れるわ けです。ですから、3年間で収まるようなテーマをうまく選ばないと、後に残れないと いうそういうことが常につきまとうものであります。先ほど来議論がでました、少し長 期的な研究を重ねて成果を得るというようなことからいうと、私などの個人的な考えで は、3年より5年ぐらいあったほうがいいのではないかと思うのです。ただ、それ逆の 意見がありまして、5年間も任期付きでいるのは却って困ると、居られるか居られない かは早く決めてもらったほうがいいという意見もあるのです。そこはそういうわけで任 期付きにしますとおそらくその期間にこなせるようなテーマが選択される。これは経済 学だけでなく自然科学もそうでしょうが、テーマの大きさから言うと、3年に合うよう なテーマが選ばれるという問題が生じてくると思います。もう少し長いスパンでやるよ うなテーマが選ばれなくなる。それは研究全体から見ると僕はマイナス点であると思い ます。しかし3年間でいい成果をだすという人もいるわけで、一概にどちらがいいとい うふうには言い難いところがございます。 ○川端委員  これ3年でいい成果をだすと再任されるわけですか。更新されるわけですか。 ○小野理事長  そうです。 ○川端委員  その場合、例えば成果はでないけれどあと1年ぐらいででそうだとかいう、そういう 判断で、成果がでなくても更新するということはないわけですか。 ○小野理事長  この制度は始まったばかりでありますので、まだそこまでの経験を積んでおりません が、ただ、3年間でちょっとうまい成果がでないというので、任期付きの方を契約を更 新しないでうち切ったケースは過去にあります。 ○寺山委員  3つございます。第1点は、ここのコーナーで質問していいかどうかですが、政策研 究ということですので、ちょっと他の独立行政法人の研究所とは違うのかもしれません が研究費のことです。これは他の法人などでは、研究費確保に大変なエネルギーを注い でおられるようでありますが、このへんのところの御見解はどうなのでしょうか。全部 税金で賄えるのでしょうかという点が一つです。  2番目は、先ほどのSをだされた評価シート5のところの表ですが、研究成果評価結 果。大変結構なことだと思いますが、これはリワードといたしましては、これから続い て研究員本人の励みになります。先ほどは表彰をするということですが、表彰の中身は なんでしょうか。昇級するとか研究費を翌年は上乗せするとか、様々なことがあるので はないかと思いますが、そのへんのところがどのようになっているか伺いたいと思いま す。  それから今と同じところで、ここのところが一番理事長先生が力を入れておられると 伺いましたので、こういう結果について理事長先生から特にどういうところに力を入れ て、今何が課題かということを初年度にあたって伺いたいと思います。以上です。 ○姉崎総務部長  それでは3点ございましたけれども、最初の2点についてです。資料をめくっていく とまた時間がかかりますので、一応政策研究費につきましては後ほど資料を見ていただ ければいいのですが、15年度の予算額として3億2千万円の政策研究費として国から全 額、運営交付金ということでいただいてございます。今のところその研究費につきまし ては、この範囲内できちっと執行ができているという現状でございます。 ○寺山委員  他から全然いただいていない。 ○姉崎総務部長  厚生労働省からの受託みたいなのが一部ありますけれども、基本的には運営交付金で 実施をしているということであります。純粋な研究につきましては。  それから2つ目の表彰の関係でありますけれども、先ほど研究員が3件、沖永賞とい う賞を受賞したり、学会で発表して賞を受けたということがございます。外部で表彰な りなんなりを受けたという方については、私どもの法人としても表彰しようということ で、外で立派な賞をとったという人につきましては、中でも理事長が「あなたは立派だ 」という賞状をだすと、こういうふうにしておりまして、合わせて図書券2万円分をあ げるとこういうふうにしております。  それからもう一つ研究員につきましては、先ほど申しました業績評価というので一本 で評価をいたしますけれども、これは業績評価の中でそういうところで表彰を受けると なりますと、加点要素として御本人の個人の業績という形でも個人業績として加点され ます。そうすると個人の業績につきましては、単年度の評価につきましては、時々の賞 与等に反映する、あるいは3年程度の累積結果を昇格等に反映させるという仕組みを15 年度に新しい人事制度として整備をいたしましたので、いろいろなところでがんばって 成果をあげますと、そういう人事上も活かされますし、理事長からは立派な表彰状をも らえるとこういうようなことになってございます。  そういうことを励みに、とにかくがんばってもらおうと、いつもいい成果をあげてい ただくためにそういう仕組みも作ったということです。 ○小野理事長  たくさんこの15年度、調査研究テーマが掲げてございますけれども、やはり最近ちょ っと景気が良くなっておりますけれども、今までの状況から見て失業率が非常に高くな っておりますので、たくさんテーマがありますのが根本的に我々がいつも念頭に置いて いるのは、やはり雇用失業問題に重点を置いたような研究に大きなストレスを置いてま いりました。とりわけこれは厚生労働省などの白書などでも指摘されていますように、 我が国では失業率が高いと言ってもこれいろいろ異論があるかもしれませんが、構造 的、摩擦的失業者が多いということで、それをなんとか解消していくために人材の育成 といいますか訓練、教育といいますか、そういうこともプログラムの中で大いに重点を 置いて考えてまいりました。 ○竹内委員  評価のことで、人材育成の問題に関連してお伺いしたいのですが、任期制の職員も採 用する場合は、結構実績のある優秀な人を採れるものだから、成果主義というか成果を あげるという点では大変有効な方法だと思うのですが、そのことが人材育成にとってプ ラスになっているかどうか、あるいは中の人の人材を育成という点での位置づけですが かなり重点を置かれているというふうにお伺いしたのですが、そういうことについて任 期制の導入の仕方というのが本当にプラスになっているのかどうか、率直にいいまし て。  それと人材育成について、例えば他の結構活発に意見活動なんかやってみえるものだ から、他の研究機関とか教育機関などとの連携の問題で、例えばこの機構が大学院みた いな形で人材を育成するとか、積極的な人材育成についてどうなのか御意見をお伺いし たいと思います。 ○姉崎総務部長  任期付きは先ほども理事長から御説明いたしましたけれど、メリット、デメリットい ろいろあるかと思いますが、新法人になりましてから基本的には研究員の方は原則はす べて任期付きというふうにしてございます。当然その3年間に業績をあげたかどうかで 採用をパーマネントにするかどうかというのはあるのですが、そこの中で中長期的なテ ーマもあるわけですから、要するにパーマネントにした後に、この人ちゃんと伸びてい けるかどうかというような観点からも当然その任期中というのは加味して評価をするわ けであります。それで駄目な人は終わりですし、その後もパーマネントに転換したあと にも、さらに成長していけるだろうという人は採用していくという方針の下で、原則ま ず入口のところはやっぱり任期付きという形にしようと、こういうようにしているわけ です。  それから他の政策研究機関との連携のところでございますが、一応、他の機関の方が 研究者として私どもの研究に入っていただいて、研究者同士の連携みたいなこと、22の テーマについて57名の方に入っていただいているのですが、研究機関同士の共同研究な どをやろうとすると、役所ではないのですが昔特殊法人だったこともあり、縄張りと か、例えばいろんなことがあるのです。ここのところはうちがやっていてお宅はこっち をやっていて、そこが両方やり始めたらどっちかは要らないと誰かから言われるのでは ないかとか、変な話ですけれども。共同研究をやっていくというのは、なかなか難しい ところもあって、率直に言い過ぎたかもしれませんが、なかなか難しい面もあるので す。ただ、そこはみんなが集まって今政策上課題になっていること、問題になっている ことについてみんなが英知を出し合ってより良いものがでてくれば、それが当然いいわ けですから、今年度その形としてきちっとできるように努力はしていこうというふうに 思っているわけであります。 ○今野委員  評価シート6の人材の育成のところで、普通の組織から考えると非常に不思議なデー タでして、4人が辞めたのが成果というふうになっています。普通の組織でいうと、い い人を雇うということは、いい人をリテンションするということは非常に重要な問題な んですがリテンションしないことが成果に繋がっているわけですが、それはいけないと いうわけではないですが、そうするとこの組織は、やはり組織目標として社会にいい人 材を提供するのだというのが挙がっていなければいけません。それがあるのだったら、 それをターゲットにしていろんな仕組みを今度作られて来るはずです。ですから、こう いう形でだされるのだったら、そのへんがもう少し計画か目標の段階で明確にだされて いるとこれが成果として挙がってくることに違和感がないのですが、このままですとか なり違和感があるということです。 ○姉崎総務部長  その4名を輩出したのは、必ずしもこれは立派な私どもの成果ですというつもりでも なかったので、参考というふうに書かせていただいたのはそういう意味でありまして、 私どもは別に大学に人材を供給するための腰掛けの機関として存在しているわけではご ざいませんので、当然きちっと内部で育成し立派な成果をあげる研究員を育成していく というわけですけれども、要するに結果としてでたことは、これは高く評価されている から行ったのであって、結果として良かったということ、それで参考というふうに控え めに書かせていただいた次第であります。 ○今野委員  普通の組織管理の常識から言ったら、そういう人はいかにリテンションするかという 政策を今度ここで考えなければいけないですね。そうすると、この4名の方が個別にど うこうというのは別にして、ここの中でかなり優秀な人がいたとすると今後そういう人 が逃げないようにどういうリテンションの政策を打っていくかということがたぶん重要 になってくるのではないかなというふうに私なんか思うのですが、その辺りについては 今回の目標には入っていませんが、ですから選択肢としてはそういうのも組織のミッシ ョンとしてあると、配置するんだというミッションでいくのか、いやそうでなくて普通 の組織のようなミッションでいくと、そうするとリテンションの政策としては、どうい うことを考えるかということを考えていただくと来年以降いいかなという気がします。 ちょっと感想ですけれど。 ○小野理事長  感想にお答えしなくてもいいのかもしれませんが、確かに研究員が辞めるというの は、私どもとしては大変残念なわけであります。リテンションしないのかというのであ りますが、現状では引き抜かれるわけでありますが、そうするとやむを得ないなとこう いうことであります。辞めて行かれた人の一人が、うちの機構は定年が60なんです。他 の大学へ行くと65までいられると、こういうので辞めていかれた方もいるわけです。そ うしますとやはり定年をもうちょっと他の私立の大学並みにするような、そういう引き 留めの方法も考えなければならないだろう。もちろん私立大学の給与はいろいろなレベ ルがありましょうけれども、そういう給与の問題も今後はでてくるのではないかと思っ ています。制度の改革というのは、今のところ私たちはほとんど手つかずでありますけ れども、今後は考えていかなければならない重要な点であります。 ○本寺委員  評価シートの7ページ目ですが、評価の視点で、政策の企画・立案等に資する質の高 い成果をだしているかというのがあります。例えばですが、この半期にやった研究調査 結果が何本の労働関係の法案に影響を与えたかとかそういうのはあるのですか。  たぶん、この機構自体の存続の目的は何かということでいくと、要はそういうことで すね。でなければ普通の大学などとの研究機関と一緒のわけで、その観点から見るとそ の成果はどこで何なんだろうというのが、ちょっと素朴な質問ですがお願いします。 ○姉崎総務部長  この研究報告書を使って、あなたはこの政策ができたのですかと役人に聞いてもどこ がどういうふうに活かされたとかはわかりにくいところがあって、答えるほうも答えに くいのではないかと思うのです。資料2の37ページのところで、先ほどの外部評価の結 果ということででておりますが、要するにこれが直ちにということでもないのですが、 例えば一番上に「若者就業支援政策の展開−アメリカとドイツを中心に−」というふう になってございますけれども、こうした報告書というのは、この4月から例えば政府 で、若者自立挑戦プランという若者就業支援策が動いているわけです。そうしたところ に活かされているわけです。  実はこの報告書の中で、お手元に資料として配付をしております「ドイツとアメリカ を中心と諸外国の若年就業支援施策の展開」と、これはサマリーなんですけれども、例 えばこの報告書の中で見ていただきますと5ページのところで、アメリカの若年者施策 でAで制度・施策の概要というのがあります。ページをめくっていただきますと、6ペ ージにジョブコアというのが書いてございます。このジョブコアというのは、経済的に 劣悪な環境に置かれた若い人たちを対象に、その寄宿制で行う教育訓練プログラムなん ですが、アメリカの訓練政策として非常に高い就職率というか評価を得ているのです。 実は、若者自立挑戦プランを更に充実するということで平成17年度に、厚生労働省が若 者の自立塾という予算要求をするのですが、要するにこれと同じように合宿的なことを してフリーターとか無業の若い人たちを鍛えるというような、類似のプログラムを予算 要求します。例えば、こういうことは例えばそういうことに活きて。  私の承知している限りのことでいうと、そういうことであるいは4番目に「受講指示 後の休職者−職業訓練と休職活動−」という職業訓練の関係がございますけれども、こ れは離職者の職業訓練を今専門学校等が受託してやっていますが、その離職者の人が職 業訓練を受けて再就職するときに、専門学校がどのくらい関与しているかということを 調べたやつですが、ほとんど関与していないという結果だったのです。今年度に入りま してからその関与が非常に低いということで、政策側では専門学校に離職者の委託訓練 をだす場合に、業績に応じて委託費に格差をつけるという仕組みを導入をしているわけ です。これが直ちにそれに反映したということではないかもしれませんが、私が承知し ている限りでは、いくつか例えばそういう具体的なものとして表れているものもある。 全部とは申しません。報告書で終わっているものもあるかと思います。 ○井原部会長  今の話ですが、これの計画を立てるときにこういう議論があったのだろうと思いま す。労働政策の立案に直接役に立つという直接的な評価基準は、評価の尺度はないだろ うか。それはどうも考えてみたらたぶん無理らしいということがわかりまして、それに 代わって間接的な評価の尺度というのをいくつか導入したわけです。その中に、評価が 高い学術論部に幾つ載せられるかとか、それから外部評価員の評価がどれだけ得られる かとか、そういう経緯があったのです。その時に心配したのは、この機構の目的は政策 研究であると、だからその基準と大学の研究者が行っている研究の基準とは平均値でい うとかなり違ったものだろうと。もし学術論文というのは、大学の研究者の基準に合っ ているものが結構ありますよ、それから外部からの評価者な中にそういうところに大き な基準を持った評価者が結構多いですよという心配がそこであったわけでございます。 その時にもし今回やられた時に、そういうこの機構の目的というのは、政策立案に役に 立つのだからその基準で評価をしてくださいよということをきつくお願いしたり、それ から先ほど理事長からお話があったように、ちゃんと計画立案に役に立つということが 幾つかの評価基準の中に入っていますよというお話しを聞きました。  それはおまけで入っているようなイメージなのか、本当に本流になっているのかとい うことが非常に重要なんじゃないかという気がしたわけでございますので、そこのとこ ろ現実にどうなっているかちょっとお話していただけますか。 ○姉崎総務部長  個々の報告書を評価するときに、6つの視点があります。6つの視点で、その各視点 ごとにS、A、B、C、Dの5段階評価をするのですが、その中で研究水準の高さとい うのがあるのですが、その政策論議の活性化への貢献。それから直接的な政策に資する かどうかということで、確か6項目のうちの2つぐらいの項目が直接的にその政策への 貢献度ということで項目を設けまして、それぞれSからABCDの5段階で評価をして いただいて、最終的に総合評価をするということで、個々の報告書について内部評価、 外部評価をするときに、その6項目の中にきちっと政策論議の活性化あるいは政策への 貢献度ということを評価項目に入れて評価を実施しているということであります。 ○井原部会長  とにかくおそらく研究員の方々の中には、大学に行きたいという人が結構多いと思い ますので、放っておくとそっちに流れてしまいますのでそこらへんのところは御注意い ただいたほうがよろしいかと思います。現に4人いらっしゃるわけですから。あとはよ ろしゅうございますでしょうか。それでは御記入のほうお願いしたいと思います。 ○横倉委員  この資料集は終わったらいただいていいのですか。 ○姉崎総務部長  はい。というか、お持ちいただければと思います。時間がだんだんなくなってきまし たので、説明ができなくなってしまいそうなんです。  例えば、「データブック国際労働比較」という本ですが、非常にコンパクトに外国と の比較を、数字だけでなく制度の比較もでておりまして大変役に立つ。私は、ここに来 る前は役所にいたのですが、いつもこれを持っていました。国会などの場でも役に立つ 本でありまして、国内で国際比較のデータなど、これほど包括的にまとめている本はこ れだけだというふうに自負しておりますので、是非委員の皆様方に持ち帰って御覧をい ただきたいと思った趣旨で置いておりますのでよろしくお願いします。 (3)第3グループ ○井原部会長  それでは、次に移りたいと思います。次はだいぶたくさんございまして8から15まで ですので、要領よくお願いします。 ○姉崎総務部長  時間の都合がございますので、簡潔に御説明をさせていただきます。シートの8であ ります17〜19ページです。国内・海外の労働情報収集整理の関係であります。17ページ (1)国内労働情報の関係でございますが、年度計画では6回の調査等々実施をするとな ってございましたけけれども、それを上回りまして13回実施をいたしましたいうことで す。その中身がイのところで、(1)〜(7)に書いてあるものでございます。それから新 聞、雑誌における引用ですが、計画のところで11件以上が新聞・雑誌というに引用され るようにするという数値目標がついてございますけれども、ページをめくっていただき まして18ページのところの一番上の○でございますが、13の調査等を実施しましたけれ どもその調査結果が新聞・雑誌等で引用された件数が半年で83件ということになりまし た。  それからその数値目標ではありませんが、新聞・雑誌以外の専門図書等でも引用され たものがございまして、それが26件ございました。  (2)が海外情報の関係でございますけれども、これにつきましては、目標として発信 するその情報を半年間で160件以上にするということですが、実績のほうを見ていただ きますと、計画を上回る234件の情報をホームページ等で提供したということでありま す。この提供した情報に対する海外情報に対するホームページのアクセス件数は22万件 を超え、大変広い範囲で活用されたと考えてございます。  18ページの真ん中あたりで活用状況ということで書いてございますが、特に「フジサ ンケイ・ビジネス・アイ」という新聞、あるいはNHKの番組等で使っていただきまし たということであります。  それからロの、政策課題別情報収集実績ということで、これは年度計画に従いまして 4件につきまして報告の取りまとめ等を行ったということでございます。  ページをめくっていただきまして19ページ、評価の視点と自己評価であります。最初 に自己評価のところで、上のほうが国内の関係ですが、最初のポツで年度計画を上回る 13回の調査を実施することができたということ。それから3つ目のポツで、目標11件に 対して83件という新聞・雑誌等での引用がありましたということ。それから海外につき ましては、160件以上だすという目標に対して234件だすことができた。それからその結 果として下から2つ目のポツでありますが、22万件を超える高いアクセスがあったとい うことで、すべて計画目標を上回り、かつ相当上回ったということで「A」という自己 評価にさせていただきました。  次の20、21ページが労働情報の収集・整理。各種統計データの関係でございます。こ れにつきましては、(3)のロのところで、何をやったかということでありますけれども、 各国の新たな統計データを収集・整理をいたしまして、「国際労働比較2004」というこ とで本としてまとめるとともにホームページで公表いたしました。それから、単純な統 計ではなくて各種の統計を加工作業いたしまして、労働統計の加工指標としてとりまと め、それを「ユースフル労働統計」という形で刊行すると共にホームページで公開し、 労働大学校での教科書としても活用したということでございまして、あといろいろな各 種労働統計につきましては、データベースに蓄積し随時新しい情報を更新するというこ とを行いましたということでございます。  ハのところで、一般での活用ということでございまして、この統計情報につきまして の引用は7件ということでございまして、他のものにくらべて件数が少なかったわけで すけれども経済学の教科書等々高い媒体での引用がされることができた。それからホー ムページでのビュー件数等々はそれなりの件数を確保することができたということであ ります。  21ページの(4)図書資料ということで、資料センターという図書館を持ってございま すけれども、イのところの○で、図書資料収集実績ということで、図書として13万8千 冊の蔵書をもっておるわけでございますけれども、ロの活用実績ということで15年度は 前年同期に比べまして、外部閲覧者、貸し出し件数等すべて上回るという結果になりま して、外部利用者に対するアンケートをこの2月に実施をいたしましたけれども、大変 サービスが良いという評価を得たということでありました。  自己評価として「A」とつけてございますが、ホームページに対するアクセス件数が 20万件以上あった。有識者に対するアンケート調査においても、ホームページ利用者の 多くの方が統計情報を利用しているというふうに御回答をいただいた。それから2つ目 のポツでありますが、迅速に普及しているかということで、これまで更新情報を月1回 だったのですが、新法人になりましてから随時の更新というふうにいたしましたし、そ れから引用につきましては経済学の教科書等々での引用があった。それから図書館につ きましては、今申しましたように、実績が前年同期に比べて大変高かったということを 考慮いたしまして「A」というふうにさせていただきました。  22〜24ページが、研究者等の招へいと派遣の関係でございます。22ページ(1)海外の 研究機関とのネットワークであります。3つございまして、年度計画で定めてあります とおり、1つはEU財団。2つ目にドイツのベルテルスマン財団。3つ目にILOのアジア 太平洋総局との協力ということで、ネットワークの形成に予定どおり取り組みましたと いうことであります。  (2)の研究者の招へいでありますけれども、招へいにつきましては、15年度に6名を 招へいするという数値目標がついておりまして、結果として6名を招へいをいたしまし たということで、22ページの一番下に長期招へいの方が2名、それからページをめっく っていただきまして短期の招へい者が4名ということで、予定どおりに実施をいたしま した。(3)の研究者等の派遣につきましては、計画上9名を派遣するというふうになっ てございましたけれども、実績のところの(3)で長期派遣が1名、短期派遣が8名とい うことで予定どおりにやりましたということであります。  (4)英文情報の整備・提供のところにつきましては、計画上(1)、(2)、(3)というふう に書いてあるかと思いますけれども、3件を予定していたのですが、実績のところの2 行目に書いてあるとおり、計5件を整備をしたということであります。(1)、(2)、(3) というふうに書いてございますが、特にお手元の資料に(3)でありますが、「Japan Labor Review」という英文雑誌を新しく発行しておりますけれども、大変海外の方々か ら高い評価を得まして、海外の大学図書館からも依頼があった。それから(2)のところ でありますが、オランダのクルーワー社という有名なところの百科事典に、私どもの労 働法の英文のものが転載をしていただくということがありました。これは予定どおりの 中でいい効果があったものです。  ページをめくっていただきまして24ページでありますけれども、予定になかったので すが、労働経済白書のブリーフィングを実施をし参加者から高い満足を得た。それから (5)ですが、調査研究報告書の「要約」の英文版を作成をし、ホームページで提供する ということをやったと。こういうことであります。  自己評価として「A」とつけておりますけれども、ネットワークの形成、招へい派遣 につきましては、そのとおりやったということで「B」なわけですけれども、英文情報 の整備等につきまして、3件を上回る5件を実施した。特にその中でオランダの有名な 出版社の本に転載をされた。あるいは英文の「Japan Labor review」につきましては、 読者からの高い評価を得たということがございまして、そういう点を考慮し「A」とい う評価にさせていただきました。  次の25、26ページが調査研究の迅速な提供ということでありまして、イは、43件まと めたということで、ロでありますけれども、報告書(サマリー)の中に葉書を入れてア ンケートを実施しておりますけれども、好評を得たということであります。それからハ でありますけれども、先ほども理事長が申しましたが、大変行政担当者あるいは企業の 方皆さん忙しくてなかなか報告書を全部読んでいられない、専門的で難しいという声が ございましたので、10ページ程度のわかりやすいサマリー、先ほど若年者のものを見て いただきましたが、わかりやすいサマリーというのを新しく作るようにいたしましてそ れを提供した。それから報告書、サマリーにつきましても、発表と同時にホームページ から全文をダウンロードできるようにしてございます。総合評価諮問会議の民間委員の 方からも、非常に役立っていて、現在コピーをとって社員に回しているのだけれどもい っぺんに10部ぐらい送ってくれというそういう御意見もいただくことができました。  それからページをめくっていただきまして、研究成果の作成、これは重複になります が43件がございましたということと、あとは研究論議の場への研究員の参加ということ で、各種フォーラム、シンポジウムに私どもの研究員が外部の人を呼んでくるだけでは なくて、研究員が積極的に参加をした。こういうことであります。  自己評価のところで「A」とつけてございますけれども、理事長のリーダーシップの 下にわかりやすいサマリーを作成し、このサマリーが行政の関係者あるいは企業の実務 家の皆さんから好評をいただいているということ。葉書でのアンケート調査の結果でも 満足度が高かったということと、それから調査研究につきましてのアクセス件数が半年 間で11万件以上あったということで、多くの方に利用され、それは国民の皆様方のニー ズに合致している証拠であろうという判断でございます。そうしたところがプラス要因 であるということで「A」という評価にさせていただきました。  ページをめくっていただきまして、27、28ページでありますが、研究成果の普及でご ざいます。最初に、ニュースレター、メールマガジンということで、ニュースレター 「ビジネス・レーバー・トレンド」ということがございました。これは毎月1回発行し ろということでありました。  時間がない中で恐縮ですが、お手元に「ビジネス・レーバー・トレンド」の最新号が ございます。ページをめくっていただきますと、今野先生が最初に書いていただいてい るから出そうというわけではないのですが、目次というのがあるのですが、今野先生に 総合解説を書いていただいたのですが、上の上西さんという方は、私どもの元研究員で ありまして、大木さんという人も元研究員であります。その下の奥津というのが統括研 究員でありまして、それから原ひろみ、稲川というのが研究員でございます。その下の 平山というのが研究員でございます。要は、私どもの研究員が研究の成果をこの中で使 っていくということで、要するに手作りで作っているということでございます。それか らちょっと中身を見ていただきますと、15ページに先ほどのアンケート調査を13回やり ましたという中の1つの調査ですが、17ページの一番下の最後に調査部奥田栄二と書い てございます。これが先ほどいいましたリサーチ職の職員です。これは調査部の奥田さ んがこの調査を設計をし分析をし、そして記事も書くとこういうふうにしているわけで あります。  それから32ページに、「EU拡大と労働者の移動」というUEの関係の記事があります。 これでページをめくっていただきますと34ページの文章の最後に、国際研究部の戎居と 書いてございます。これはこれは国際研究部のリサーチ職の職員でございます。ILOに 長期派遣をしておりまして、戻ってきた職員でございます。自分で調べて書いて出すと いうことでございます。  それから後のほうの53ページで、今月のキーワード解説というので標本誤差率という のが書いてございます。わかりやすく経済関係の用語について解説するもので、一番下 に情報解析課長秋山というふうに書いてございます。これは情報解析部の人間で、これ も一応リサーチ職というふうに位置づけをしています。  リサーチ職の人間というのは、調査部、国際研究部、情報解析部におりましてそれぞ れ自分の名前で、先ほど理事長が自分の名前で勝負するプロフェッショナルになるんだ というふうに言っておりましたが、ここの記事につきましては全部署名で堂々と勝負を するということで、研究員、リサーチ職一丸となって毎月この雑誌を作って皆様方のお 届けさせていただくとこういうことでございます。  戻っていただきまして資料の27ですが、これを毎月発行いたしました。現在、有料も 含めて4,300部の普及でございます。それからその下の○で、和文のメールマガジン、 これは目標として週2回出せということで半年間週2回きちっと出し、それから年度末 の読者数を22,000人以上にしなさいという目標に対して、実績がそれを達成できた。英 文メールマガジンにつきましては、月2回出せということで、月2回発行することがで き、読者数につきましては年度末で1,600人以上という目標に対して目標を上回ること ができたということでございます。  28ページでありますが、一番最初の機構の有益度アンケート調査は全体について聞い たのですが、ここの有益度は、個々の冊子の中に葉書などを入れて冊子ごとに読者から アンケートをとったというものでございます。「ビジネス・レーバー・トレンド」につ きましては89%の方。和文メールマガジンにつきましては、ほぼ全員の方から。英文メ ールマガジンにつきましては90%の方々から、読者アンケートで有益であるという評価 を得たということでございます。  自己評価は「A」とつけておりますが、それぞれ発行回数、読書数を何人確保しろと いうことに対してきちっとできたということでありますけれども、特に有益度につきま しては、計画上70%以上の人から有益であるという答えを得ろということに対して、今 申しましたように92%、90%いうことで「ビジネス・レーバー・トレンド」、和文メール マガジン、英文メールマガジンすべてにおきまして高い評価を得ることができたという 点を考慮いたしまして「A」という自己評価にさせていただきました。  次の29、30ページでホームページ、データベースの関係であります。計画上ホームペ ージにつきましては、半年間で320万件以上のアクセス件数を確保しなさいということ でございまして、実績は(2)のロのところにありますが、4,687,000件ということで目標 数値を50%近く上回ったということでございます。その下の○がありますが、新法人の 発足にあわせてホームページをリニューアルし各種の工夫をしたということが、(1)〜 (7)ということで書いてございます。一番下に「ホームページの利用者アンケート」と いうことをいたしまして、回答者の9割の方々から利用しやすい、それからコンテンツ につきましても回答者の75%の方から満足であるという評価を得たということでござい ます。  30ページになりますが、研究雑誌『日本労働研究雑誌』という雑誌でありますけれど も、毎月ちゃんと出しなさいということで毎月きちっと出したということでございまし て、お手元にも最新号の7月号がでておりますけれども、一応長期失業ということをテ ーマにして論文を掲載しております。これは発行部数が3,400部ということでございま す。  それから(ロ)の労働関係図書、論文の表彰につきましては、年に1回きちっと表彰し ますという計画で、それに基づきましてその表彰の実施をしたという実績でございま す。  自己評価でありますが、「A」とつけてございますけれども、ページをめくっていた だきまして31ページの上のほうに書いてございますが、アクセス件数320万件に対して 5割上回るアクセス件数を確保することができた。それからホームページにつきまして は、利用者アンケートにおいて、回答者の9割以上の方々から利用しやすいものである という評価を得た。あと、敢えていえば下から2つ目のポツにありますが、研究雑誌で ありますけれども15年度の投稿論文数が105点ということで、労働分野の研究者の間か らも大変質問の高いレフリー雑誌であるということで、評価を得ている。こういうこと でございまして読者アンケートの結果も9割の方々から「有益」という結果をいただい ておりまして、そうしたことをプラス要因というふうに考え自己評価を「A」にさせて いただきました。  32ページ以降が政策論議の場の提供ということでございます。イの労働政策フォーラ ムであります。政策で課題になっているものについて、皆さんで議論するものですが、 計画上年に3回やるとなってございまして、3回実施をしたということで計画どおりと いうことであります。  それから参加者アンケートをし、有益であったものの割合は70%以上という目標にな っておりますけれども、労働政策フォーラムにつきましては3回やりまして、平均で 95.3%という満足度であったということであります。(3)の下にポツで書いてあります が、この労働政策フォーラムにつきましては、地方などにいて来られない人もいらっ しゃいますのでパソコンで自宅で、その場が見られるようにということで新法人になり ましてからライブ中継というのをするようにいたしました。あとで録画配信もしており ますので、その時に見られなくても後で見ることもできる。それから講師がその場で配 るレジュメ、配付資料も全部自宅のパソコンでプリントアウトできるというふうにして おりますので、北海道に住んでいる方でも、このフォーラムを見てその場で配られる資 料も自宅で引き出せるというような工夫をさせていただきました。  それから国際シンポジウムでありますが、国際シンポジウムは計画上年に2回という ことでございましたけれど3回実施をしたということでありますし、満足度は目標70% 以上に対して、結果として3回の平均で88.6%という評価を得ることができたというこ とであります。33ページが(1)、(2)、(3)が3回の中身でございます。  ハの国際フォーラム、シンポジウムを少し小規模にしたものでありますが、これは計 画どおり1回実施をしたということでありますけれども、参加者の満足度は93.8%とい うことで70を大きく上回ることができた。  ニの、雇用職業研究会、これは調査研究の成果を材料にいたしまして主としてハロー ワークの職員を対象とした議論、勉強の場ですが、全国で5ブロック開催しなさいとい うことで5ブロック開催をすることができた。満足度につきましては70という目標に対 して79.4という結果であったということでございます。  自己評価は「A」となってございますけれども、フォーラム、シンポジウムと全体と して所期の予定数を1回上回る開催をすることができたということと、それぞれ参加者 に対する参加者の満足度が目標数値を大きく上回る高い評価を得ることができた。それ から先ほど言いましたバーチャルフォーラムというような工夫というものを新法人にな ってから実施をし、それを体験した方々からは、非常に良い試みであるということで高 い評価も得ました。こういうことを考慮して「A」という評価にさせていただきまし た。  次の35、36ページでありますが、調査研究成果の研修への活用ということで、私ども の研究所に属する研究員が、労働大学校の研修の講師としてどのくらい活動したかとい うことで10名が参加をした。それからその下の、○でありますけれども、研究員が執筆 をして「雇用・労働をめぐる最近の諸課題という副読本」を作成をし、労働大学校の研 修生に対して「副読本」という形で活用した。  それからロでありますけれども、外部の機関からの講師等への要請への対応につきま しては、これは時間が可能な限り前向きにきちっと対応するという方針の下で対応し、 100件を超える要請に対してきちっと対応ができた。特に、講演等につきましては、若 年者問題ですとかワークシェアリング問題等についての演題が多かったということであ ります。それから日本工業新聞、現在「フジサンケイ・ビジネス・アイ」ですけれども 研究員が連載をいたしましたということであります。  評価のところは、「A」とつけてございますけれども、積極的に対応するという方針 の下に結果として100件を超える要請にきちっと対応することができた。それから新聞 に連載するということは、私どもの機構の専門性が高く評価された結果である。こうい うことを考慮し「A」というふうにさせていただきました。以上でございます。 ○井原部会長  それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。 ○村山委員  それぞれの回数が計画より大幅に超えたから増えれば全部Aにしていいのかという内 容がわからないのです。たぶん内部の人はよくわかって、その目的より増えたのだなと いうことでいいのかなと思いますけれども、ちょっと不親切です。また、海外からの招 へい6名をちゃんとこなしたというのが、最初に招へいする人数がありきというのは少 し違和感があります。6名の予定が5名でいいものを呼んだかもしれないし、数だけで 計画を達成したというのはいかにも変ではないですか。こういうテーマで何人以内で呼 んだと、これが5人でも4人でも成果が達せられたら本来いいはずなんです。という気 がいたします。 ○横倉委員  成果の評価は難しいと思うのですが、いろいろ普及の問題とか発表の問題を伺って、 当初予想していた以上に反響も高いし、例えばインターネットのアクセスなども触れて いるとか、これが活動の結果であるのか、ある意味での時代環境なのか、あるいはこう いったことがすごく求められて適切にチャンスを与えたから反応があったという、その 環境要因みたいのがすごくあるような気がするのです。それだけに、この機構の重要性 といいますかいろんな所への普及と結果の発表というのがあるので、それはすんなりと 成果として認めていいと思うのですが、逆に言うと今後目的のところにもっとこういっ た問題をしっかりとわきまえなければいけないのかなと感じます。  かつての日本労働研究機構に対するイメージと、この結果というものがかなり私も今 変わってきていますので、時代環境なのか運営なのか目的なのか、いろいろ重なってい ると思います。 ○寺山委員  個々の研究員のケース労働から考えますと、研究の傍ら自分の出した結果を研修した り教育したり、あるいは講演したり広報活動したりと大変多彩な活動になってきていま す。そのこと自体は私ども大学の教員もそうですが、大変結構なことですが肝心の研究 活動への影響といいますか、個々の研究員の方たちはどのようにこれをとらえているの でしょうかちょっと教えていただければと思います。 ○姉崎総務部長  基本的には、先ほど研究員の表彰されたら個人の業績に評価されるというようなこと を申し上げたのですが、当然研究員はちゃんと研究計画を立てて、その年の所期の目標 に照らして質の高い研究成果をあげるというのが第一の課題でありますから、人事制度 上もそれが最重要評価項目というふうにしてありまして、それ以外に重要項目とか相対 的に重要な項目ということで、他の講師をやったりするというのは相対的な重要な項目 ということで、基本的には本来のやるべきことの支障のない範囲内でやれということで す。それはこういう点で評価するんですよということの、評価の項目をみんな研究員に 明示しておりますから、自分にとって何が大事かというのはみんなわかっておりますの で、それで支障のない範囲で一生懸命取り組んでいるということでありますので、研究 員の皆さんは結果としてその研究がおろそかになってしまっているという方はいらっし ゃらないはずだというふうに思っております。  先生も御承知ですが、今ですと例えばフリーター問題だと小杉礼子という研究員がお りますが、大変忙しいのです。研究を一生懸命にやるのですが、彼女の場合は外からの 依頼も基本的には断らないと、社会に貢献するんだということで両方ともやって、そう するといきおい疲れてというのが若干あったりして、みんなも心配したりするのですが それは本人の基本的には御判断に任せて、倒れない範囲の中でとにかくばんがっていた だくということです。 ○竹内委員  関連ですが、個人の業績評価の中でオリジナルの研究の評価とそういう講師や一般の 創生的なという啓蒙的な文章を書いた評価と、そういうのは新しい機構になって何割、 何割というかそういうものを決めて奨励されているのでしょうか。 ○姉崎総務部長  はい、すべて新しい法人になりましてから作りました。研究員の業績評価制度という ことで、先ほども業績評価規程細則とか規程整備をしたというふうに申し上げましたけ れども、新法人になってから作りまして、先ほどの研究業務の流れをどうするかという ことをまとめた「研究業務マニュアル」というマニュアルを作ったと申しましたが、そ の中にもその規程があって、どういう活動したらどういうふうに評価されるのだという ようなことがみんな入っているわけであります。そこに首席研究員で浅尾という研究員 がおりますが、彼が全部を作ったという、15年度を一生懸命それを作ったということで ございます。 ○本寺委員  そういう意味では、これは目標の中に入っていなかったのですが、例えば一般企業で 組織業績を見るときに、必ずどこかに社員の満足度とか入ってくるのです。結局が、そ こが減るとモチベーションが欠けますから、モチベーションが欠けて衛生面がこけると 上が頑張ろうというと、時々落ちてくるのです。言ってしまうと、たぶん成果、成果で ごりごりやると必ずそっち側を傷つけているはずで、そこいらへんは大丈夫かなと。過 去にそういうことは実施されたりしていますか。  研究員の方の意識調査だとか、組織に対する満足度とか、逆に皆さんそれを研究され る立場ですが、意外とこれは。 ○姉崎総務部長  実は、新法人が発足前に、全職員に対して意識調査の実施をしております。職員の皆 さんが法人の仕事の進め方についてどう思っているか、うちの管理職というのはちゃん とリーダーシップをもって真面目に仕事をしていると思うかどうか、例えばですね。職 場の中でコミュニケーションがあるかどうかというアンケート調査をやりました。そう したらどうも上司を信頼していない部下が多かったり、それから要は後輩が先輩の背中 を見て育っていくという組織風土に全然なってないというのがやたらと多かったり、コ ミュニケーションがない、あるいは能力開発に対する支援が乏しいだとか、非常に率直 な答えがでてまいりまして、実はそういうみんなが組織をどう見ているのかというのを 踏まえた上で新しい人事制度というのを作って、それで研究員につきましては業績評価 一本、それから事務職につきましては業績評価と能力評価の二本立ての評価、それから 大学校の教授職につきましては、業績評価と行動評価、PDSサイクルでの行動評価とい うこういうことで評価をしようと。こういうやり方は基本的には、例えば事前、中間、 事後の面接みたいなことを導入して目標の達成状況がどうかということについてコミュ ニケーションを図るわけですが、これもみんなコミュニケーションがやたらと不足して いると、私は思いますが、結果を踏まえて、そうやっていかに上司と部下が話す機会を 作るかというようなことを結びつけた人事制度ということを心がけて、それで研究員に つきましても事務員につきましてもそういうことでやっています。  実は、新法人になって半年以上経ちまして、その結果がどういうふうになっているか ということを、改めて全職員を対象にアンケート調査を実施して、また直すべきところ を直そうということで、8月から9月にかけて再度どう変わったかということを今計画 をしているところであります。 ○井原部会長  それではよろしゅうございますでしょうか。それでは、評価の御記入をお願いしたい と思います。 (4)第4グループ ○井原部会長  それでは始めたいと思います。第4グループは評価シート16から20までで、これの説 明をお願いいたします。 ○姉崎総務部長  それでは評価シートの16。37、38ページでございます。研究と並ぶもう一つの柱でご ざいます。研修でございます。(1)の研修の効果的な実施ということで、研修の実績の 表が書いてございます。一番下にございます。15年度下期は全部で36のコースの研修を 行いまして、延べ日数が373日、19,004人の方を対象に実施をいたしました。研修に対 する有意義度の回答率ということで、平均で92.1%の方々から有意義な研修であったと の回答をいただいたところでございます。  ページをめくっていただきましてロで、研究員の講師への参画状況ということで、下 のほうで22と書いてありますが、私どもの研究員には、研究所に属する研究員と大学校 に属している研究員の2種類ございまして、合計で22名の方が講義、演習の講師を努め た。それからコメンテーターとかあるいは演習に一緒に参加するという形で参加したの が48名、合計で延べ70名の研究員が大学校での研修に参画をしたということでありま す。  ハで、研修に関する研究ということで、研究会を設置をし検討を行った。  ニで、厚生労働省からの行政職員の研修でありますから、そのニーズをきちっと把握 をした上で研修計画を策定した。それから研修・研究の連携ということも取り組んでい るということであります。実はこのなお書きのところで、理事長も申しましたキャリア ガイダンスツール講習会ということで、若者向けの適正、適職診断システムとしてキャ リアインサイトというようなものを作ってございまして、これを行政関係者だけではな く大学、中学校、高学校の進路指導、就職の担当の皆さんにも使い方をわかって貰おう ということで、その企画を実施をいたしました。これはこの4月から政府で若者の自立 挑戦プランが動くというようなこともございますけれども、昨年の12月に独法評価委員 会の4名の委員に私どもの大学校に視察に来ていただきまして、大変いいものであると いうふうに高い評価を得ましたので、それでがんばってやっていこうということで新し い試みの検討を行ったということでございます。  (3)の研修生からの評価でありますが、実はここのページは数値目標として85%以上の 方々から「有意義だっと」との評価を得るとなってございまして、結果として先ほど申 しました92.1%の方々から「有意義だった」との評価を得たということであります。  自己評価として「A」をつけてございますが、それぞれちゃんと計画どおりに実施を しているかという評価の視点に対して「やっています」ということで、基本的にはそれ ぞれ「B」なわけですけれども、なぜ「A」をつけたかと申しますと38ページの一番下 にございますように、「満足度」「有意義度」が85%に対して92.1ということで、大変 高い満足度を得ることができたということ。ページをめくっていただきまして39ページ ですが16年度に向けて若い人たち向けの施策の後押しと申しますか、力を入れてがんば っていこうという企画それから準備を新しく、年度計画にはなかったのですがそういう ことを実施をしたと。これをプラス要因として「A」という評価にさせていただきまし た。  40、41ページがその他の事業でございまして、労働教育講座事業でございます。これ は、計画では16年度から実施するということで、15年度にちゃんと準備するという計画 でございますが、その準備をきちっとしたということでございます。40ページのところ で(イ)の5つ目のポツで、受講者350名となってございますが定員300名に対して大変多 くの方々から御希望がございまして断りました。一応350名ということで、締め切った ということでございます。  その講座のタイトル、それから講師の方が並んでおりますけれども、私どもの法人の 特別研究員あるいは元研究員あるいは現役の研究員と多くの者が参画をしているわけで ございます。  ページをめくっていただきまして41ページでありますけれども、「労働紛争解決能力 養成コース」の新設準備ということで、労働審判法の成立等を踏まえまして、新しいコ ースの新設についてもその検討を行ったということでございます。  自己評価を「A」とつけてございますのは、これはこの大学講座の準備を着実に実施 した。かつ効果的にそのPRをした結果、定員に対してより多くの方の応募があった。 こういうこととそれから新しいコースの検討を行った。それから総合評価諮問会議の中 でも矢野専務から日本経団連でも毎年何人か受講させているけれども、大変好評である というような御意見をいただいたり、あるいは有識者懇談会の委員で朝日新聞の記者の 方がいたのですが、なんとこれに参加しているという、新聞記者の方がこれにでていま すということの、そういう高い評価が得られましたのでプラス要因として「A」という 評価にさせていただきました。  それから42ページの予算の関係でございます。予算は私どもの法人15年度下期の予算 は約20億円でございます。その中で適切に実施をした。詳細につきましては来週、篠原 委員に対してまた個別の説明がございますので省略をさせていただきますけれども、自 己評価のところですが、年度計画に基づきまして予算の範囲内できちっと実施をしたと いうことでございます。2つ目のポツのところで、一般管理費については不足をきたす というのが書いてありますが、実は私どもの法人の敷地の中に職員用の宿舎、職員が住 むあるいは外国から研究者を招へいしたときに一定期間そこに住むという宿舎があった のですが、これが傾いて倒れそうな状況になってしまいまして、このまま放って置いて 地震が来て倒れては不味いということでございまして、急きょそれを取り壊さないとい けないということになりまして、一般管理費の中で一生懸命節約して1千万ぐらいこれ にかかってしまいまして、結果としてその予算に対する収支が700万ぐらい△になりま した。それは他の経費の節約分を充ててやったという形になってございますけれども、 そういうことがございましたけれど、これはやむを得ないことで適切であったと。  それから運営交付金につきましては、一生懸命例えば人件費について期間進行が取り 込めないかとか、いろんな検討もしましたけれど15年度はまず費用進行基準ということ にさせていただきました。  あと、短期の借入金、余剰金は発生をしなかったということでありますので、これは 計画どおりということで「B」という評価でございます。  次の43、44ページが人事の関係でございます。イの優秀な人材の確保。これにつきま しては先ほどから説明しておりますように、特別研究員14名、それから任期付きの研究 員を採用したということ。  ロでありますけれども、新しい人事制度の確立ということで15年度下期に人事制度を 確立し、それでその評価をする管理者に対する研修、それから評価を受ける職員に対す る説明会等々を実施をいたしました。それから人事制度ということでは、リサーチ職の 創設ということで単なる事務ということではなくて、調査職という職種をきちっと確立 をした。それから研究員につきましては、裁量労働制の導入につきまして検討をし、こ の6月から専門業務型の裁量労働制を導入しているところでございます。  ページをめくっていただきまして44ページでありますけれども、人員の抑制に努めて おりますと共に職員の専門性の向上につきましては、特に2つ目のポツにございます理 事長の指示基づきまして「休職留学制度」というものを創設をし、早速すでに応募者が でて派遣をしたということでございます。  人員の指標につきましては、定員140名を守ることができたということでございます。  自己評価は「A」としてございますけれども、任期付き等々で優秀な研究員の確保に ついてきちっとやっている。リサーチ職というものを新しく創設をした。職員の専門性 の向上につきましては、「休職留学制度」という他法人では例のないというふうに認識 しております制度を創設をした。それからここには書いてございませんが、理事長の説 明にございましたように給与水準見直し取り組みにつきまして、他法人に先駆けて昨年 の10月から取り組みをきちっと始めた。こういうことを加点要素として考慮いたしまし て「A」という自己評価をさせていただきました。  ページをめくっていただきまして45ページ、施設・設備に関する計画。3年半の中期 目標期間中に2億7千8百万の施設・設備補助金が認められておりますが、15年度は 「なし」ということで、何もしませんでしたというので計画どおりということで「B」 ということでございます。以上でございます。 ○井原部会長  それではまた、御質問ありましたらお願いいたします。 ○姉崎総務部長  せっかくですから、お手元に「就職スタートブック」という本があるかと思います。 委員の皆さんに昨年視察に来ていただいたときに若年者対策の取り組みがいいと言われ まして、これは高校生で就職する人向けの本です。1枚めくっていただくと目次と書い てございますが、就職活動をする前に就職環境がどうなっているかを知っておこうと、 それから自分はどんな職業を知っているのか、どういうふうになりたいのかというワー クシートを使って自分で考えさせる。それから第3章で就職活動をするためにどうすれ ばいいかとういう、就職活動の流れとか求人票の見方とか、最低限知っていたほうがい い、最低賃金とか労働基準法の知識といったものをまとめたものでございます。  これは今年40万部配付をいたしまして、それから高校から追加の希望がございまし て、更に増し刷りをしております。例年、高校生で就職する方が年間20数万人でありま すので、全国の高校生で就職する方は全員が私どもの法人の名前を知っていただいてい ると思ってございまして、20数万人の就職に対して40万部更にプラス増刷をしてやって ございます。  後のほうに、この高校生就職スタートブック以外に、今高校生、大学生で無業の方そ れからフリーターの方とかいらっしゃいまして、これと同じようにそうした方々にもい ろんな法律上の知識とか就職活動の仕方を解説したものとして「サポートブック」とい うものを発行しております。それから後のほうに、「職業ガイダンスブック」というの がございまして、これは15年度の研究成果の一つでございますけれども、こうした本を 使って若い人たちに的確に指導できるように大学の就職、高校の進路指導担当者の先生 方向けの指導手引きを15年度に研究員が研究をし作ったものでございます。若者対策と かにも一生懸命力を入れているということです。 ○川端委員  前にも少し申し上げたのですが、例えば評価シート19の人事に関するのがあります ね。ここの人事に関する計画、方針、何をやったかという、これもうすでに前にでて て、そちらで評価済みですね。だからそういう意味ではだぶっている。そういうところ が至る所に他の部分を含めてでてくるわけでして、全体の計画、評価についての。ある いは評価の視点、これ再整理する必要があるのではないかと思うのです。同じような項 目がいろんなところにでてきて、すでに評価しているのがまたでてくるよという。だか らAというのがもしあるとすれば、Aがたくさんでてくるという、これ少し工夫をされ たらいかがなかとこれは感想です。 ○井原部会長  あとはよろしゅうございますでしょうか。 ○保原部会長代理  全体として、独立行政法人になって研究員とかの管理的業務というか時間がかなり増 えたというふうにお考えでしょうか。というのは、反対に言えば純粋な研究に割く時間 がやむを得ず減ったとかそういうことはありませんでしょうか。 ○姉崎総務部長  研究員の皆さん方には、なるべく事務的なことに時間を取られないように、研究に専 念できるようにということで、先ほどの例えば研究業務マニュアルで事務のやり方を明 確にするというのも、なるべく事務負担がなくなるようにということでやって、研究員 につきましては研究以外の事務みたいなことにあまり煩わせないようにということで心 がけたのですが、結果としてはかなり事務的なことも負担になって、研究員の皆さん方 には研究に専念できる環境という意味ではちょっと反省すべき点がございます。  研究以外の事務員につきましては、こういういろんな評価をやって、実は何件やる何 件やるということで計画があるのですが、やはり効果がどうなったのという意味では、 やった結果どうだったのかと、実はアンケート調査をやるとか追跡調査をやるという何 かしないといけないのです。かなりそういう業務というのが率直に申しまして増えてお ります。管理部門におきましては、業務量がかなりそういう意味で増えているというこ とと、やはり新しい法人になって経理システムを新しいのに変えるとか、人事システム を新しいのに変えるとか、そういう意味ではコンピューターシステムをみんな更新する ということで残業が非常に増えたというようなことがございました。 ○井原部会長  それではよろしいでしょうか、御記入のほうよろしくお願いします。  (2)その他 ○井原部会長  まだ済んでない方はそのまま作業をお続けいただきたいのですが、最後に総括といた しまして何か御質問があればお願いしたいと思います。  とにかくこの機構は、我々労働部会というのは全部で5つを担当しているわけですけ れども、それぞれかなり具体的な評価の尺度というのはあるのですが、どうもこの機構 の場合はどうしても間接的にならざるを得ない。そのために痒いところに手が届かない ようなところがございまして、もし今後お考えいただくのだったら、機構の目的に合う ような直接というのは無理としましても、いくらでもそれに近づくようなそういう評価 の尺度のようなものを開発していただくと大変ありがたいと思うのです。  今だと間接的な行為に対して、またそれに対してアンケートをするという話になって いますから、二段階に間接的になってしまうということが起きてしまいますので、そこ ら辺がちょっと今後なんとかならないかなというのが私の感想でございます。 ○横倉委員  当初、この機構が大きく変わる方向は政策研究に特化するんだ、純化するんだという 思想が非常に強かったですね。それはそれとしていいのでしょうが、今日のいろんな成 果のお話、初年度で感じたのですが、140人これは正規スタッフですね。関係した人は もう少し多いのでしょうが、140人である種のこういう情報効果というのが得られると したらやはりこれからは情報化社会とかIT化とか、非常に効力というのがいわば高いわ けですから、そこに人的生産性を国でやる仕事あるいは特殊法人でやるということの効 果をもう少し全般的な、こういう法人というものを独法を作る場合に評価していってい いのではないかなと。非常に人的生産性の高くて、結果的には政策に浸透を図れるよう なそういうところを大きく目標に今後、何かこの法人の体質として少し違う項目を考え ていただければという気がします。また、我々もそういうふうに見ていきたいなと思い ます。 ○寺山委員  私も直接訪問させていただいて、いろいろと御説明を伺っているのでなんとか評価さ せていただけたかなと思うのですが、これは独立行政法人の研究所についての評価をす るときに避けて通れないと思うのですが、だいたい研究所の核である成果物である「研 究成果」ですね。こういうものの一つひとつとか、論文について委員は読んでいないわ けですから、直接的にそのことについては内部評価と外部評価を大いに参考にして、そ の成果で評価しなさいということになっておりますので、その辺りが衣の上から掻いて いるような感じで、この研究所の8割ぐらいのところを間接的に、それを信用するとい う形で「ああそうか」という事後承認というか追認するという形だから、そういうこと になるのかなというふうに思うのです。それはいいと思うのです。  ただ、優先順位の高い、先ほど私、理事長先生にここのところがポイントだからとい うお話しをしたので御質問をさせていただきましたけれども、そのように研究所がこれ は政策順位として一番高いとか、ベストスリーとかというものについては、これは是非 読んでくださいというような形で御呈示いただけると、私どもももう少し直接的にやっ た感じというのが持てるのかなというそういう感想です。 ○今野委員  全体付け終わって一つだけ気になっていることがあります。すべての法人そうです が、結果についてのアンケート評価結果が必ずでてきて、必ず90%以上満足、成功とい うことは、この評価指標は、これは私だけかもしれませんがこの評価には使えないと。 使えないというかそんなに重視はできないというような立場で評価した結果が、そのう ち皆さんのところに行くのではないかと思いますけれど、そういうことで少し私も自分 の評価をしたことについてのアカウンタビリティーをしておきたいと思います。という ことは、たぶんあの評価指標の作り方、使い方を今後考えなければいけないということ だろうというふうに思います。  あと、最後に一つ。僕は人事のところですごく気になったことがあります。リサーチ 職というのが重要な職種になりつつあって、小野先生が中心になって休職制度のような ものを作られたのは大変私はいいなと思うのです。ああいう形のものをもっともっとこ れからも強化をしていっていただきたいと思いましたので、最後に感想として述べさせ ていただきました。 3.閉会 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは、昨日に引き続きまして、長い時間にわ たりましてお疲れ様でございました。本日はこれで終了させていただきます。大変御熱 心な御審議ありがとうございました。                                     <了> 照会先  政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係  代)03−5253−1111(内線7790)