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第6回抗がん剤併用療法に関する検討会 議事要旨


厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬食品局審査管理課


○ 日時 平成16年8月25日(水)14:00〜16:00
○ 場所 厚生労働省 専用第15会議室


 出席者
(有識者)
有吉  寛 県立愛知病院 名誉院長
北島  政樹 慶應義塾大学医学部 部長
黒川  清 東京大学先端科学技術研究センター 客員教授、日本学術会議 会長
佐々木 康綱 埼玉医科大学医学部 教授(臨床腫瘍科)
谷川原 祐介 慶應義塾大学医学部 教授・薬剤部長
福原  俊一 京都大学医学部医療疫学 教授
藤村  重文 東北厚生年金病院 院長
堀田  知光 東海大学医学部 教授
堀内  龍也 群馬大学医学部 教授・薬剤部長
渡辺  亨 国際医療福祉大学臨床医学研究センター 教授

(オブザーバー)
米国研究製薬工業協会
欧州製薬団体連合会
日本製薬工業協会

(事務局)
岩尾 總一郎 医政局長
阿曽沼 慎司 医薬食品局長
黒川  達夫 大臣官房審議官
安達  一彦 医政局研究開発振興課長
川原  章 医薬食品局審査管理課


 議事
1.開会
2.抗がん剤併用療法に関する検討会
ワーキンググループからの報告について
3.その他
4.閉会


 配付資料

 座席表
  資料1 抗がん剤併用療法に関する検討会 名簿
  資料2 抗がん剤併用療法に関する検討会 運営要綱
  資料3−1 第2バッチ候補品目一覧(詳細版)
  資料3−2
  ―エビデンスシート―
  資料4−1 悪性リンパ腫 ICE療法、IVAC療法、MINE療法
  資料4−2 大腸がん イリノテカン
  資料4−3 悪性胸膜中皮腫 シスプラチン
  資料4−4 乳がん エピルビシン(CPA、5−FUとの併用)
  資料4−5 抗がん剤による悪心・嘔吐 デキサメタゾン
  資料4−6 子宮頸がん TP療法
  資料4−7
 悪性黒色腫 シスプラチン、ビンブラスチン、ダカルバジン、
インターロイキン2、インターフェロンαの併用療法
  資料4−8 小児がん アクチノマイシンD
  資料4−9 小児がん カルボプラチン
  資料4−10 小児がん シスプラチン
  資料4−11 骨・軟部肉腫 エトポシド(イホスファミドとの併用)



 議事要旨
1.開会
事務局より、開会の挨拶が行われた。
人事異動に伴う大臣官房審議官、審査管理課長及び事務局の交代について報告があった。

2.抗がん剤併用療法に関する検討会ワーキンググループからの報告について
【WGでの検討内容について】
 事務局より以下の説明があった。
 ・前回の検討会までに第1バッチの21候補品目のうち、20候補品目について検討が終了した。
 ・15の報告書が、本検討会に報告され了承された。
 ・第1バッチのうちTIP療法(パクリタキセル、イホスファミド、シスプラチン併用)についてワーキンググループで検討した結果、現在、米国において、実施されている第III相臨床試験の進捗状況を確認することとなり、今回の検討会には上程しないこととなった。
 ・第2バッチの候補品目については、当初の検討対象リストから第1バッチを除いた残りの品目について精査するとともに、新たに追加すべき品目についても検討を行った。
 ・第2バッチの候補品目で、表中番号1のフルオロウラシル、アイソボリン療法については、第1バッチにて報告書が作成され解決。また、表中番号38のBEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン併用)については、平成16年5月末に承認されたため解決。
 ・第2バッチの候補品目については、新たに資料3−1の表中番号58のイリノテカンの用量拡大及び表中番号59のシスプラチン、ビンブラスチン、ダカルバジン、インターロイキン2及びインターフェロンα併用療法の2つの療法が追加された。

 藤原参考人より以下の説明があった。
 ・TIP療法については、現在米国でTIP療法とVIP療法(ビンブラスチン、イホスファミド、シスプラチン併用)の無作為化比較試験(CLGP90106)が実施されており、この結果を踏まえ検討会への上程について検討する。この試験でTIP療法に470例ほどエントリー予定である。
 ・サルベージ療法の取扱について、ワーキンググループで検討を行った。領域によっては、この検討会のスキームにのせるべきと言う意見と、そうすべきではないと言う意見の双方があり、結論が出なかった。
 ・医療の現場で広く使用されていると言うだけで、エビデンスレベルが十分でない療法の取扱をどのようにするか、本検討会の委員の先生方に意見をいただきたい。

 有識者意見
 ・TIP療法のように、現在行われている臨床試験の結果を待って検討することを認めてしまうと、今後日本で治験が行われなくなる可能性があるので慎重に検討する必要がある。
 ・泌尿器領域、整形外科領域、脳外科領域等の症例数が少ない疾患について、今後どのように取り扱っていくかについて検討が必要である。
 ・臨床の現場で広く使用されていると言うだけで、エビデンスが十分でない療法については、本検討会の趣旨から外れるので、取り上げるべきではない。
 ・サルベージ療法については、症例数が少なく、比較試験がほとんど行われていないため、十分なエビデンスがある療法は少ない。

【第2バッチ候補品目一覧について】
 ・表中番号5のICE療法(イホスファミド、カルボブラチン、エトポシド併用)及び表中番号6のIVAC療法(イホスファミド、エトポシド、キロサイド併用)については、ウロミテキサン(メスナ)を併用する必要はないのか。→イホスファミドを使用する際はメスナの併用が必要である。資料については修正する。
 ・表中番号21の悪性胸膜中皮腫に対するシスプラチンは、単独では標準療法として位置づけられていない。シスプラチンについては、悪性胸膜中皮腫治療のキードラックとして使用されるため、第2バッチの候補品目として取り上げた。米国で承認されているアリムタとの併用で良い結果が得られており、今回、シスプラチンが悪性胸膜中皮腫に認められれば将来的にはシスプラチンとアリムタの併用で臨床試験が行われることが考えられる。
 ・インターフェロンα等についても本検討会の対象として良いのか。→今回新たに第2バッチに追加された表中番号59のシスプラチン、ビンブラスチン、ダカルバジン、インターロイキン2及びインターフェロンα併用療法にインターフェロンαが含まれている。
 ・表中番号58のイリノテカンの用量拡大については、海外では一般的に使用されているが、国内でイリノテカン180mg/m2の使用データが少ないため安全性に不安がある。→現在、国内で行われているイリノテカン180mg/m2のFOLFIRI療法(フルオロウラシル、l―ロイコボリン、イリノテカン併用)の多施設合同第II相臨床試験の結果を報告書に加える考え。それらを総合して検討して欲しい。
 ・用量拡大について海外のデータを日本人に外挿する際は、慎重に検討する必要がある。

【まとめ】
 ・第2バッチの候補品目については、原案のとおり本検討会で了承された。
 ・今後第2バッチの候補品目について、本検討会での意見を踏まえ、ワーキンググループで報告書の作成をおこない、整備ができたものから順次本検討会へ上程していく。

3.その他
 ・原発不明がん、症例数が少ない疾患等海外でのエビデンスが十分でなく本検討会で取り上げることができないような療法について、保健医療における取扱等を含め今後どのようにしていくか本討会で考えていく必要がある。
 ・(質問)第1バッチで了承された薬剤について、承認までの安全性情報をどのようにして収集していくのか。→(事務局回答)医薬食品局安全対策課、医薬品医療機器総合機構、製薬企業及び学会で協力して安全性情報の収集を行っていく。
 ・がん治療学会としては、積極的に副作用情報の収集に協力する考え。
 ・安全性情報の収集については、行政として具体的施策をもって行わないと収集することは困難である。
 ・新規成分ではないので、市販直後調査等の規制をかけることは出来ないと思うが、例えば、承認後6ヶ月間調査を行うなどして情報収集を行った方がよいのではないか。

【今後のスケジュールについて】
 ・第7回検討会は、11月24日に開催する予定。


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