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平成16年8月10日


感染症定期報告等に関する要望


薬事・食品衛生審議会 血液事業部会運営委員会
委員長  清水 勝 様

委員 大平 勝美

 感染症定期報告に関連する要望

(1)人以外の動物に由来する原材料を使用した製品で動物由来原材料の原産国が感染症定期報告の表紙等で表示されていないものがある。現に、動物由来の原材料が製造工程等で多く使われており、感染症定期報告でも、動物に関する感染症報告が多数記載されている。動物由来原料であっても、原産国を表示することは、特定の地域に発生する動物感染症に関して、その動物に由来する製品の安全性確保のために有効と考える。このような感染症の情報の把握と原材料の由来による安全確保として、原産国の表示を推進していただきたい。

(2)人血液に関する採血国・献血表示は、特定の地域で発生する感染症について安全確保に有効と考える。また、国内自給が達成されない背景と、どのような国のどのような採血形態の血液に依存しているかが説明しやすいし、献血意欲を高めるのに役立つと思う。今後も、献血・非献血の定義について、表示だけでなく報告の記載においても遵守されるよう指導されたい。

(3)報告書の書式統一について
(1)研究報告に関する参考文献は、当該製品を扱う製薬会社が同一原材料を使用する全ての製品に同じものを文献として添付している。運営委員会提出用には、少なくとも報告期間が同じものについては、合理的に省くことの可能性を検討してはどうか。例えば、日本赤十字社の参考文献としてNo.1001、1003、1006についてこの文献を参照するとか。
(2)報告事項の項目について重複するような記載もあり、必要・不必要について、項目の見直しもあって良いと考えるが、この点についても検討されたい。
(3)報告事項の綴じ方について、当該製品に係わる感染症の内外発生状況の報告は大切だが、当該製品に直接関連する個別症例の感染症発生報告(製造中止・回収・廃棄や原因調査状況も含め)はわかり易く特記して欲しい。各社独自の評価によるものと思われるが、様式の定まった報告や資料の綴じ方は多様である。直接関連する個別症例報告は緊急度を優先した取り扱いでお願いしたい。
(4)感染症定期報告等においても、vCJDに関する情報が報告され、また、英国でも第2例目の輸血によると考えられるvCJD感染が報告されたところである。この機会に、血液製剤及び代替製剤(遺伝子組み換え製剤)に関するvCJDに対する製造販売各社の各製剤に関するリスク評価に関する情報を開示・公表し、患者・医療者に選択の機会を得られるようにされたい。

 その他

(1)献血責任と遡及調査協力
 前回の運営委員会で遡及調査への協力について、輸血用血液製剤から患者に感染症等が感染した疑いが表出したとき、当該献血者に調査協力を求めることを明記したものを提示し確認をすることが提案された。この件について、事務当局と日本赤十字社との間で、調査を行うとされているが、この進捗状況を説明されたい。

(2)「献血できる健康状態把握の喜び」
 先般、渋谷の献血センターを見学させていただいた折り、献血者に献血について伺う機会があった。40代の男性献血者は、年に何回か献血しているが、昨年少し肝機能数値が高めに出て献血ができなくなった。自分の健康の心配と献血ができない寂しさがあった。しかし、最近、肝機能も回復し、献血ができる状態になり今日も来ている。献血は自分の健康を確認できる喜びでもあると誇りをもって話していた。献血者の健康を自分の目で確認できるデータ確認を兼ねた献血磁気カードなるものを早急に実現されたい。

(3)献血者の救済制度について
 献血者が、献血後に採血が原因で不慮の事故に会われる等、日本赤十字社からの説明では数少なからず起きているという。献血される方に損害が生じることはあってはならないことであり日本赤十字社は献血者の保護に全力を尽くすべきだが、それでも善意の献血に臨まれた方に万が一事故が生じたときには、速やかに献血車の損害について救済出来る制度を確立すること必要である。このことは、血液法の附則にも明記されている。救済制度の設立を要望してきた患者の立場としても、この制度の創設については意見があり、また制度創設のための検討の動きについて説明されたい。


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