血企第259号 平成16年7月22日 |
厚生労働省医薬食品局血液対策課長 様
日本赤十字社 事業局長
平成16年4月23日に開催された標記委員会に提出された課題の3(2)及び4については、下記のとおり回答します。
課題3の(2)について
50プールから20プールへのサイズ変更に伴う費用概算については、別紙(PDF:25KB)のとおりであります。
シングルNATについては、試薬製造メーカー2社と共同で次世代試薬、機器の評価及び開発を行なっている段階であるので、現時点でコストの試算を行なうことは不可能との報告をメーカーより受けております。
なお、採血後の輸血用原料と分画用原料を分類してNATを行う方法の可能性については、検討を進めてまいりたいと考えております。
課題4について (参考1参照)
進捗状況については、今後の部会において適宜説明させていただきます。また、達成時期等について明記できるものは既に明らかにさせていただいており、できるところから早急に取り組んでまいりたいと考えております。
1. | 遡及調査自主ガイドライン作成 日本赤十字社独自の遡及調査ガイドライン(案)については、本年7月7日の血液事業部会に上程され、審議の結果、了承され、平成16年8月15日から本ガイドラインに基づいた遡及調査を実施することになりました。 | ||||
2. | 新鮮凍結血漿(FFP)の貯留保管 平成16年1月30日から全国で2ヵ月間(60日)貯留保管した新鮮凍結血漿を供給しています。さらに8月31日からは、3ヵ月間(90日)貯留保管した新鮮凍結血漿を供給する予定です。また、漸次貯留保管を延長し、最終的に平成17年10月には6ヵ月間(180日)の貯留保管を実施しますが、献血者の方々の協力を得てより早期の実現を目指します。 | ||||
3. | 輸血用血液の感染性因子の不活化技術の導入 血液に含まれている可能性があるウイルスや細菌などの感染性因子を不活化させて、感染の予防を目指します。 海外で最も多く使用されている血小板の不活化法の一つについては、必要な機器とキットを複数の血液センターに搬入しました。ウイルスと細菌を用いて、日赤独自に不活化の効果について評価試験を行いました。 効果、実用性そして安全性において、最良のものを目指して他の不活化方法についても評価・検討を続けてまいります。 | ||||
4. | NATの精度向上
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5. | 医療機関での輸血後感染症に関する全数調査 現在の出庫基準を満たし、日常的に供給されている輸血用血液の安全性を検証するために、複数の地域で医療機関の協力を得て、輸血前と輸血後の患者さんの追跡調査を本年1月から実施しております。を開始する。入手可能になり次第、順次他メーカーの試薬についても検討を開始します。 7月末までに輸血を受けられた患者さん約400名の調査を実施したところ、50プールNATで陽性となった献血者の前回献血血液(個別NAT陽性)が輸血に使用され、感染が疑われる事例が1例発生しました。 | ||||
6. | E型肝炎ウイルス(HEV)の疫学調査について 現在、他の肝炎マーカーが陰性かつALT高値で不合格になった献血者血液を全国的に収集し、HEV―RNA及びHEV抗体の検査を基礎とした疫学調査を実施した結果、本年5月末現在、不合格となった血液が2,452本収集され、ALT値の高い検体順にHEV−RNA及びHEV抗体検査を実施しました。HEV―RNA検査はほぼ100%終了し、陽性が15例ありました。 | ||||
7. | 保存前白血球除去の開始 輸血した血液細胞(白血球中のリンパ球)が原因でおこる発熱などの輸血副作用の予防を目指します。
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8. | 献血受付時の本人確認の実施について 検査目的の献血防止対策の一環として献血受付時の本人確認を実施いたします。これは、感染した可能性があるときには患者さんの安全のため献血はしないという「安全で責任のある献血」の思想をご理解していただきたいために行います。実施にあたっての方法や問題点を把握するために本年3月30日から東京、大阪、北海道において試行的に実施しており、本年10月を目途に全国で実施する予定です。 |