04/07/30 独立行政法人評価委員会第10回調査研究部会議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会 調査研究部会                  第10回議事録           日時:平成16年7月30日(金)15:00〜18:45           場所:厚生労働省17階専用第18〜20会議室 出席委員 五十嵐委員、岩渕委員、岸委員、大久保委員、黒澤委員、酒井委員、      清水委員、武見委員、田村委員、政安委員 1.開会 ○大久保部会長  定刻になりましたので、ただいまから昨日に引き続き第10回の独立行政法人の評価委 員会調査研究部会を開催させていただきます。委員の皆様方には本当に暑いところを、 今日またお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。今回は安井委員 が御欠席でございますが、あとは全員御出席になっております。初めに事務局から本日 の議事につきまして簡単に御説明をお願いいたします。 ○岩渕政策評価官  本日は国立栄養研究所の個別項目に関しまして評価をお願いいたします。担当課の方 に異動がございましたので、御挨拶をさせていただきます。 ○森戸調査官  安全衛生部計画課の調査官でまいりました森戸と申します。どうかよろしくお願いい たします。 2.議事 (1)独立行政法人国立健康・栄養研究所の個別評価について ○大久保部会長  それでは本日は国立健康・栄養研究所についての評価を行います。早速評価に入らせ ていただきたいと思います。先程事務局から御説明がありました通り、まず評価の視点 の追加について御説明をいただきます。お願いいたします。 ○高山研究企画官   本日付けで研究企画官を拝命いたしました高山でございます。よろしくお願いいたし ます。それでは今御指摘のございました総務省政策評価独立行政法人評価委員会から昨 年度の御指摘を受けて新たに追加した評価の視点につきまして述べさせていただきま す。  昨年11月に総務省政策評価独立行政法人評価委員会から平成14年度における厚生労働 省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果につきましての提案をいただきま した。その中で独立行政法人国立健康・栄養研究所につきましては、第一に法人の長が リーダーシップを発揮したマネジメント、いわゆるトップマネジメントがなされている かについての評価を追加すること、第二に中期計画にない事業について、平成15年度か ら開始されました独立行政法人国立健康・栄養研究所認定栄養情報担当者制度、いわゆ るNR認定制度についての評価を追加することについて意見をいただきましたので、検 討させていただいた結果、今回、トップマネジメントの評価については評価シートの4 頁に評価の視点として、いわゆるNR認定制度の評価については、評価シートの9頁に 評価の視点として追加したいと考えておりますので、よろしく御検討のほどをお願いい たします。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。それではただいまの御説明に何か御意見等はございますで しょうか。特にありませんようでしたら御了承いただいているということでよろしゅう ございますでしょうか。それでは評価の視点に追加として入れさせていただきます。  それでは実際の評価に移ります。まず昨日も事務局の方から御説明をいただきました が、評価の進め方について再度御説明を本日の議案につきましてよろしくお願いいたし ます。 ○岩渕政策評価官  昨日と同様でございますが、まず理事長から法人の平成15年度の事業のうちの、特に 重点的な事項につきまして10分程度御報告をしていただきます。そのあと個別項目を、 これも同様に4つのグループにまとめまして、説明をまず行っていただいて、それに対 する質疑応答、そして評価シートの御記入ということで、また1グループ40分を目途に 作業を進めていただきまして、最後に総括として5分ほど時間をとりたいと考えており ます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○大久保部会長  ありがとうございます。それでは国立健康・栄養研究所の田中理事長から、法人の平 成15年度の事業のうち、特に重点的な事項について御報告のほどをよろしくお願いいた します。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  国立健康・栄養研究所理事長の田中平三でございます。よろしくお願いしたいと思い ます。パワーポイント資料に基づき説明をさせていただきます。パワーポイント資料1 頁の下の表を御覧いただきたいと思います。  この調査研究部会におきまして、平成14年度に評価を頂戴いたしました。その中から 三つを選びまして、どのようにこの平成15年度は対応したかということについて説明を させていただきたいと思います。私どもの研究所の評価は23項目にわたるわけですが、 そのうち7項目がB評価でございます。これはB+を除いておりますので、30%近くが B評価で、非常に愕然とした次第であります。なかでもこの1番と2番は私といたしま しては非常に厳しい評価であったのではないかなと思い、これに対して真摯な気持ちで 対応させていただきました。  1番目の知的財産権の取得でありますが、従来、国研時代は特許申請はゼロであった のですが、独法になりまして、13年度に1件、14年度に1件申請しました。しかしなが ら私どもの研究所の常勤研究員は36〜7名といったもので、非常に少ないわけですし、 かつ研究が基礎研究と健康食品の成分試験あるいは国民栄養調査の集計というところが あるものですから、特許の申請は非常に苦しいということを去年申し上げました。私は その時の先生方の御意見に対して「甘ったれるな」と言われたような印象を持った次第 でありますが、その中で黒澤委員や清水委員から私は貴重な示唆をいただいたように思 いました。  つまり、ものを製造したり技術を開発することでなくて、ソフトの面でも特許に通じ るものがあるのではないか、そういう御指摘を受けて、それを真摯に受け止めまして、 産学連携室の者に大学の産学連携部局、あるいは東京の商工会議所等々で勉強をさせま した。幸いにも厚生労働省の方ではヒューマンサイエンス財団にTLOを作っていただ きましたので、そこともお話をしました。その結果、ここで書いてありますスクリーニ ングというのを考案いたしました。まだスクリーニングシステムというほどのものでは ありませんが、そういったものを考えました。  それはどういうことかといいますと、研究員は、学会発表前に必ずA4半頁ぐらいの 抄録を産学連携室に提出することになっております。その抄録を産学連携室で見て、か つTLOと相談しながら特許になるものを、可能性のあるものをスクリーニングしたと いう次第であります。平成15年度は私は出ないだろうということをこの評価委員会で申 したんですが、その成果として3月に入ってからでございましたが、1件申請すること ができ、かろうじて昨年までのレベルを維持することができました。しかしながらこの 平成16年4月、5月、6月の3カ月の間でありましたが、すでに3件の申請をすること ができ、このスクリーニングシステムがかなり稼働してきたのではないかと思っており ます。  しかしながら、申請、そして登録になったとしても、それを維持していくのは大変で すし、たとえ実施に至っても特許による収入が数十万円であるならば維持に費やしてし まう。やはりどうしても製品あるいは新技術の開発につながるものを積極的に探し出さ なければならないと、こう考えたわけであります。そのためには現研究員が、何度も申 しますように、非常に少ないですし、基礎研究志向型でありますから、新たなる部を作 らなくてはならないと考えたわけであります。しかしながら人員削減はあっても増加は 望むべくもない現況でありますので、寄附研究部門を設けることに努力いたしました。  幸いにしまして1年間かけました結果、この平成16年4月1日から、製品、新技術の 開発等を志向した寄附研究部門を創設するに至りました。人件費を含めますと年間約5 千万円、5年間、寄附していただけることになりました。当面、分技鎖アミノ酸と疲労 に関する研究ということで、願わくば特定保健用食品をもてるように、またこの分技鎖 アミノ酸というのは非常に苦くて空腹のネズミでさえも食わないというものですので、 それを美味しくするという技術も重要だそうです。現在は専門家の間では美味しいとい うように言われたものが出てきたんですが、素人の方というとおかしいですが、一般の 方ではとてもじゃないが、これでも美味しいとは言えないということですので、そうい う面の技術開発も特許に結びつくのではないかなと思っております。そういった対応を させていただきました。ちなみに独立行政法人はたくさんございますが、寄附研究部門 を創設したのは私どもが第1号であるというように聞いております。  それから2番目がこの研究施設の相互利用でありますが、御存知のように国立感染症 研究所の間借りをしております。そしてこの研究所には炭疽菌や天然痘のウイルス等が 保存されておるものですから、9.11テロ事件以来、バイオテロの防止のために外部の方 の入場を極めて厳しく制限しております。したがいまして研究施設等への外部の方の入 ることが非常に困難なことでありますので、どうしようかと考えたわけであります。  これにつきましては、体育施設、すなわち体育館及びプールがございますので、それ を一般の人に開放するという策を練り、そのための利用規定を感染症研究所とも整合性 をとりながら平成15年度に制定いたしました。その中で一つ民間の団体でありますが、 華の会というのがございまして、これはいわゆるキャリアウーマンさんの会でありまし て、大学の教授とか中央官庁の元課長をされておった方とか、あるいは企業の社長さん 等からいます。主として水泳でありますが、それの効果をきちっと見ていきたい科学的 根拠に基づいた水泳のあり方をみていきたい、健康増進のあり方を確立したいというこ とで、いわば人を対象とした研究に積極的に加わっていただいたところであります。  そのヘッドコーチが、今日はおそらく私がこの中で一番年長ですので、御存知ない方 が多いかもしれませんが、ローマのオリンピックで水泳で銅メダルをとられた田中聡子 さんにヘッドコーチになっていただいておりました。「こういう利用規定であるなら ば、私がボランティアで一般の人々の水泳を指導してやる」と、おっしゃっていただき ました。そこでインターネット等で募集しましたところ、直ちに7団体、延べ888名の 方が参加されました。今年度中には13団体、延べ2,000人に達する予定であります。  しかしこれからとれる費用は、このプールの清掃費とか水、光熱、そういったものに 消えるぐらいのレベルであります。1人頭210円しか消費税込みでとっていないからで あります。プールを使わさなくてもその維持費はいるわけですが、維持費を少しまかな えるようにしたということであります。幸いにして田中聡子さんらは健康増進のために は効果を科学的に評価しなくてはならないから、人を対象とした研究に協力する人を求 めるということを、言ってくださいまして、いわば費用の節減と参加者の健康増進と、 私どもの人を対象とした研究ができる、そういうメリットを生み出した次第でありま す。以上の二つが落第点であったので、これを真摯に受け止めて、このような対応をさ せていただきました。  もう一つは、じゃあ褒めていただいたことにもお答えしておくべきであると思って、 S評価であった学術的業績のものを出させていただきました。は英文の原著論文につい て、非常によくやったという高い評価をいただいたわけであります。S評価をいただい た項目の中でもこれが最もよかったのではないかと思います。その反面、冷やかしであ ったのかもしれませんが、「息切れするなよ」というふうな表現をしていただいたわけ でありますので、それに、おこたえすることに致しました。平成15年度の原著論文数は 88編でありました。そしてうちインパクトファクター2以上、これは専門分野ですと2 以上あれば十分レベルが高いと評価されるわけです。  分子生物学でありますとサイエンス,ネイチャーがありますから、20、30はあるんで すが、通常は2〜3以上あれば、それぞれの専門分野でかなり高い評価がされるわけで すが、それが34編で40%弱を占めております。研究1人あたりの原著論文数の推移は 2.13、2.15で,今度は2.5ということで、1人当たりから見ますとかなり飛躍したので はないかと自己評価しておる次第です。ちなみに平成16年には、既にかなりの英文論文 が出てまいりまして、私はこの88編を上回ると今日申し上げてもいいのではないかとい う自信を持っております。  それはあとからも触れますが、従来は研究者は独自の研究をしておって、プロジェク ト研究等は片手間的に思っておったのですが、プロジェクト研究志向、横断的に研究員 を動員するという研究を非常に重視しまして、その中から原著論文をも作れという指導 をいたしました。それが今この3年目に出てきた。要するにプロジェクト研究とそれぞ れの独創的研究の並立がうまくいったからであるのではないかと考えております。  次は2頁の上でありますが、これは先程総務省から中期計画にない事業をするのは如 何なものかという、非常に厳しい評価を受けました。この委員会では社会的なニードに 応えるには中期計画にないことも大いにやりなさいという評価を受けまして、心強く思 っておったのですが、上の方は中期計画にない事業は如何なものかということで、厳し く評価せよと、こう言われたわけでありますので、このことにおこたえしたいと思いま す。通常の食品は栄養士、管理栄養士が担当いたします。そして医薬品は薬剤師が担当 します。その間に挟まれた健康食品の専門職業人が不在であるということから、適切な 助言をできる人を養成しろと言われるようになったわけであります。このようなニード に応えるために、NR制度を創設いたしました。  この特色は、養成講座と試験をするもの、私どもとは分離したわけであります。です から私どもは決して養成講座を開設はいたしません。つまり養成講座が認定試験をすれ ば99%合格にしてしまうからです。やっぱり質的な担保を持ちたい、そうしないと国民 の信託に応えられないだろうということで、これを分離いたしました。その養成講座数 は現在10団体です。ここには6カ所が現在申請中とありますが、実は昨日認可いたしま して、合計16になりました。  第1回の資格確認試験というのがございますが、NRは主として管理栄養士及び薬剤 師の方を念頭に置いておりますが、そういう有資格でない方、資格のない方にも道を開 くということで、医学、栄養学、薬学の基礎的な知識を問う資格確認試験を行いまし た。それが昨年の11月16日で255名、合格者87名ということになります。そしてこの5 月に第1回の認定試験をしまして、422名が合格されました。  これは当然お金の問題でありますが、15年度は550万円の収入があり、約50万円の黒 字を出すことができました。本年度はおそらく2,700万円ぐらいの収入があり、1,000万 円近い黒字が見込めるだろうと思っております。これは特別研究員の雇用、あるいはこ のNRの資格をもった人の水準を維持するために、研修会とか、あるいはインターネッ ト、書籍等で情報を流すということに使っていきたいと思いますし、この下のトピック スの3番目にありますが、このネットワークの維持更新にも使っていきたいと、このよ うなことを考えております。  次は平成15年度のトピックスにまいりたいと思います。国立大学で管理栄養士養成課 程は徳島大学のみでありましたが、この4月からお茶の水女子大学が国立大学として2 番目に管理栄養士養成課程が設けられるようになりました。それに伴って大学院を管理 栄養士を中心においた研究科ができてまいりました。お茶の水女子大学は主として試験 管レベル、あるいは動物実験レベルの栄養学研究が日本のトップ水準にありますが、私 どもも臨床栄養学とか公衆栄養学とか、人間を対象とした研究に自信を持っております ので、その分野を担当するということで、プロジェクトリーダーの1人を併任教授とし て送り、大学院の修士課程と博士課程、博士前期課程と後期課程になりますが、その学 生をお預かりして学位指導をやれるようになりました。  2番目は応用栄養部長が転出されましたので、そのあとに東京大学大学院医学研究科 の糖尿病・代謝疾患の内科の教授に併任していただきました。そういったことで生活習 慣病の、いわゆるテーラーメード予防ということについて、大きく飛躍できるのではな いかと思っております。私どもの方はこの教授の専門分野とそれに整合性のとれる生活 習慣病研究部門がありますので、それと一緒になりまして、次期中期計画にはCOEを 目指せるのではないかなと考えております。  もう一つは、健康食品の安全性・有効性情報ネットワークというのを構築いたしまし た。これは健康食品の有効性については、コンビンシングなもの、プロバブルなもの、 ポシブルなもの、そして有効性はないだろうといったことを明確に示した情報を流すよ うにいたしました。  また、健康食品の場合は有効性よりも安全性を重視しなければなりません。これは非 常に難しいのですが、成分本質の安全性というのは、まあまあ大丈夫なことが食経験上 言われるわけですが、アレルギー体質等の宿主問題があります。あるいは中にはダイエ ットということで、女性というとまた差別になるかもしれませんが、ボトルといいます か、瓶1本分飲んでしまう人がいて、そういう大量摂取の問題があります。製造過程に おける汚染の問題がありますし、今度は恣意的に医薬品を混ぜるということもありま す。医薬品と違って、種々の要因が非常に複雑に絡んできております。それからもう一 つは他の食品、あるいは医薬品との相互作用というのがありますので、そういった情報 も流すようにいたしました。  このサイトのもう一つの特色は、一般向けのものと、NRや管理栄養士や、薬剤師を 対象とした専門家サイトと二つ作ったということであります。ちなみにアマメシバとい うのが販売禁止になりましたが、これが九州と名古屋で3例出てきたわけです。通常だ ったら数例のそういう健康障害の発生は見落とされてしまうわけですね。ところが私ど もに情報が、入った時に文献検索をやりましたところ、幸いにして中国人の方が私ども の研究員におりまして、中国及び台湾の情報をいち早く入手することができました。つ まり台湾ではこのアマメシバによる障害が閉塞性細気管支炎というやつですが、100何 例もあり死亡者もあったということであります。このネットワークが機能しまして、厚 生労働省から食品安全委員会に提出され、販売停止という措置をとられるに至った実績 があります。  4番目は現在栄養所要量の第七次改定が進んでおりますが、これには食事摂取基準、 ダイエタリー・リファレンス・インテイクスと申しますが、この概念を全面的に導入を しました。そして私どもの研究所員20数名と残り80人以上の所外の研究者の方にお願い しまして、約8,000文献を検索いたしました。現在それがもうまとまりつつあり、この 8月には策定できるようになりました。要するにそのエビデンスベイストのDRIとい うことで、そのエビデンスの作成と整理を所内外100人の研究者でやって、非常によき ものが出るのではないかと思っております。そういう貢献をいたしました。  もう一つ、国際的な面についての御指摘もこの評価委員会から受けました。主として 私どもは昔はアメリカやヨーロッパで医学研究のノウハウを勉強してきたわけですが、 今度はアジアの人に私どもが返す番であるということで、若い留学生を受け入れるとい うことをやりましたし、また、アジア・太平洋地域の栄養学に関するシンポジウムも開 催いたしました。現在ベトナムとかカザフスタン、マレーシア、フィリピン、韓国、ト ンガ、タイ、インドネシア、インドと、そういったところのトップレベルの研究機関と ネットワークを組みつつあります。将来これをWHOの研究協力センターに発展させて いきたいと、このように考えております。  御存知のように日本は戦後の栄養失調を経験し、かつ生活習慣病の予防に成功し、平 均寿命世界一であります。そういうことでアジアは日本を見習えと言っておるのです。 母親の低栄養、ひいては低出生児体重者を長期間にわたって観察していくと、将来糖尿 病、高血圧という生活習慣病になるということがWHOでもほぼ確実なことであるとさ れつつあります。このシンポジウムでは、それに焦点を絞ったのですが、たしかインド ネシアの方だったと思いますが、それを何十年にもわたってすでに研究されてあるのが あって、逆に教えられたというような印象を持った次第であります。  今度は3頁の上の方ですが、従来縦割りのこの部長以下のシステムを横断的にプロジ ェクト指向型に変更していったわけでありますが、まだ縦割りと横断的な面との交錯が あって、やや混乱状態でございますので、次期中期計画ではプロジェクト指向型とし、 部を全面的に廃止していくという方向で、現在若手の研究員と部長クラスのものと二つ のグループに分けて、そのプロジェクト課題を検討させつつあります。そういう方向づ けが今から始めたというのが私どもの研究所の重点事項であります。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それでは何か委員の先生方、御質問あるいは御意見 等がございましたらお願いします。ございませんでしょうか。それではないようですの で、早速評価に移らせていただきたいというふうに思います。それでこの評価シート2 −3−1でございますが、お手元にございますか。それでは第1グループの評価グルー プ、右下の項目番号1〜4までの実績について御説明をお願いします。 [個別項目1〜4の評価] ○吉池研究企画評価主幹  これから個別項目説明をさせていただきます。研究企画評価主幹の吉池でございま す。よろしくお願いいたします。説明を開始いたします前にまずお断りを申し上げたい と思います。評価シートは、私どもの方、年度計画のところからかなり多くの記述をし ておりますのもので、1項目が1枚に収まっていないものがございます。1頁目を御覧 いただくとわかるかと思うのですが、真ん中のところには頁として「1」をふっており ます。右の下のところ、1−1、個別項目の1の1番目、次の頁をお開きになります と、通し番号2頁で、1−2となり、そこのところに評価の視点、自己評価、評定を書 いていただく欄が設けてございます。右のところで御覧いただくと個別項目の番号が書 いております。また、この評価シートのところで、6月末に年度業績を御報告してから 事務上の確認の過程で1カ所訂正をさせていただいた部分がありますので、そこのとこ ろをお断りさせていただきたいと思います。16頁の10−2を御覧いただきたいと思いま す。  10−2の15年度業務の実績のところで、下の方に(2)と書いてございます。このとこ ろでこの業務の中で備品を購入したものにつきまして、先生方に事前にお送りしている 資料では、この費目が細胞自動解析システムということで書かせていただいております が、これは記述上の誤りで、それに実際には倒立電動顕微鏡及び画像解析システムを導 入したというものでございます。今日お配りしている資料については正しいものになっ ております。その点、すでにお送りしていた資料と訂正がございますので、お断りをさ せていただきます。  それでは評価シート1頁目にお戻りいただきながら、先程のパワーポイントの説明資 料を用いながら説明をさせていただきたいと思います。パワーポイントの3頁目の下に 個別項目、四つのブロックを色別に分けてございます。各20分毎ということでございま すが、ここでお許しいただければ黄色のところが研究の中身になりますので、2番目の ブロックの5〜11についてやや時間をかけて御説明をさせていただければと思います が、よろしゅうございますでしょうか。  それが目次になっておりまして、P4、P5と各項目にふってあります。それがパワ ーポイント資料の頁に該当するものでございます。それでは次の頁をお開きいただきな がら順次、説明をさせていただきたいと思います。  次は4頁目の上下のところで業務運営の効率化、効率的な業務運営体制の確立を書か せていただいております。左の上のところの比較的大きな1という数字が1〜23の評価 項目に対応するものです。ここについて先生方に御評価をいただくところが、評価シー トの2頁の1−2となってございます。  一番上の表ですが、先程理事長が説明を申しましたところで、重複を避けたいと思い ますが、組織上15年度は大きく変わったところはございません。先程説明をいたしまし たように16年度から寄附研究部門、お茶の水女子大学との連携大学院等の準備を進めた というところでございます。  また2番目の項目とも関わることですが、14年度の説明のところで、研究所の運営を 決定する部長会議のメンバーとして部長に加えてプロジェクトリーダーをメンバーとし て加えて、より幅広い実務担当者レベルでのディスカッション、または情報の周知徹底 ということを図ったということをお知らせしたかと思います。  ここで理事長のトップマネジメントに関わるところでございますが、私ども中で働い ている者にとっても大きな驚きなのですが、部長会議のメンバーが増えたわけですが、 意思決定は非常にスピーディになっているというところでございます。例えば国研時代 ですと月に2回このような会議を行っていて、なかなか決まらなかったような事項が月 1回でスパッと決まる。理事長のリーダーシップの部分があるかと思いますが、一つは 独法になって明確な方向性がそもそもある、また具体的な年度計画があるということが その一つの理由かと思います。  また、一つが理事長が直接プロジェクトリーダーに対して指導をするということがあ りますので、かなり重要なところがそこのところで詰まって部長会議に上がってきます ので、非常に迅速な意思決定がその場でできるという結果になっております。理事長の リーダーシップのところについては、評価項目2番目ということになっていますが、私 どもこれからの説明でいろいろな局面でそこが反映されているところがありますので、 その都度御報告をさせていただきたいと思います。また我々内部にいる人間だけではな くて、外から研究所を御覧になっている先生方でまたお感じになっている部分も多いか とも思っております。  その下の説明にまいりますと、研究員の採用で、これは任期つき研究員については、 私ども独法化すぐから開始しておりまして、下に実績がございます。都合2名、6名、 2名ということで、基本的に全て任期つきで採用をしております。この評価委員会の中 でも御指摘をいただきましたが、その任期をつけることによるメリット・デメリット、 トレードオフの関係があるということがございました。有能な人材が確保できないので はないかということでございます。  任期は部長級7年、室長級7年、研究員5年となっていますが、実際のところは、 7、5、3で原則運用しております。中期計画にまたがるものについては、中期計画の 最後で一応任期が終る形で、中期計画をまたがる形での採用はしておりません。平成13 年に採用した若手型の者で、2名が任期切れの後にどうするかということを昨年度議論 をしてまいりました。  議論の結果、任期期間中の研究業績、研究費の獲得状況、業務業績と、研究費の獲得 状況というのは所内の競争的研究資金も含めてですが、そのような評価項目を設け、ま ず実績を評価します。さらに任期つきのポストのあと、それを穂継ぎするポストがある かどうかというのは、タイミングによってわからないわけですが、任期を付さない形で の採用ポストがある場合は、業績の優れた者に対してはチャンスを与えていくというこ とで、結果として2名のうち1名はこの4月からは任期を付さない形での主任研究官と しての再雇用、また1名については任期切れでというようなことになってございます。 そのようなことでいろいろな工夫をしながら進めているというようなところでございま す。以上が項目1でございますが、私ども自己評価としてはSということでつけさせて いただきました。  次に項目2でございます。先生方におつけいただくのが評価シート4頁目の2−2の ところになります。内部進行管理のスキームについてでございますが、この方法自体に ついては平成13年、14年度と進めてきて確立し、さらに仕組みとしても成熟してきたも のと考えております。特段大きく変わったところはございません。また、外部あるいは この評価委員会からの指摘事項に対しては、当然部長会議等で周知をしながら個々にプ ロジェクトリーダーを中心として対応するわけですが、中間報告会においてどういう対 応をしたかについて報告をしながらディスカッションをしていくという対応をしており ますし、こういう報告会の場だけではなくて、理事長が直接的にプロジェクトリーダー に対して指導するということは多く行われているものでございます。  また、一つ重要なこととしては、内部での研究評価ということがございます。大きく はプロジェクトごとの評価と、もう一つは競争的研究資金についての評価でございます が、5頁目の下のところに我々内部でやっている評価点と、外部の先生方で評価をして いただいている点数の相関図を出させていただいております。左側が競争的研究資金の もので、それぞれインディペンデントに点数づけをしているわけですが、内部の4人と 外部の先生方4人、Rの二乗が0.5ですから、相関係数が0.75ぐらいかと思います。そ ういうような形で我々の中での評価の妥当性を、こういう形で確認しながら進めている というようなところでございます。  次の頁をお開きいただきたいと思います。個人評価についてもも独法化初年度からか なり重点をおいて行っているものでございます。5つの評価項目でをなるべく客観的な 指標で評価をしながら、理事長が個別面接をするというスタイルは変更ございません。  また、いろいろな負うべき役割が研究所の中にございますので、エフォートによる重 みづけで各人の役割を明確化しながら、評価していく。またこれは理事長が直接評価を するというメリットでありますが、プロジェクトチームの構成員の者がプロジェクトリ ーダーを評価をして、理事長に伝えるという双方向評価についても一昨年度から積極的 に取り入れているものでございます。また、特別研究員7名程度ですが、彼らについて も15年度から研究業務報告会等により評価を開始したところでございます。  下のグラフはやや細かくて恐縮ですが、この5つの項目の中の研究業績について、原 著論文を中心としながら、学会、招待講演等を含んで点数づけをした結果の分布でござ います。部長8名、室長16名で、下の方は低いところで固まっているものがあり、典型 的な対数正規分布のようになってございます。これらを見ながら、理事長が他のことも 加えて評価をしていくというような形をとっています。  またその下の業績登録システムに関しては、14年度でかなり確立できたわけですが、 15年度については原著論文のインパクトファクターとPubMedとのリンクを機能と して加えました。また、これら入力したものについて個人の名前をクリックをすると右 側のような業績リストが自動的に出てくるわけですが、これについては研究所内部でパ スワード管理はしていますが、常勤研究者同士はお互いに見ることができるような形を とっています。このような内部進行管理の充実はそれぞれの局面でしっかりやっている というふうに思っておりますので、自己評価Sをつけさせていただいております。  続きまして項目3、評価シート7頁目になります。業務運営の効率化のところです。 大きく2点ございますが、まず経費節減のところです。これにつきましては昨年度、一 昨年度も御報告させていただているように、私どもは感染症研究所の間借り状態なの で、庁舎管理の部分についてはなかなか外部委託といっても具体的なものがございませ んし、光熱水料の節約についても、これは間接的な形でしか出来難いのですが、必要な 努力は行っています。  また、このような節約に加え、一つの考え方としては、ある資源をどう適切に配分を して多くのアウトプットを得るかということの観点でいろいろな工夫を行っているわけ でございます。理事長の裁量のもとに、緊急性、必要度、重要度の高い事業へ、人や経 費の振り替えをかなり行っています。  また、先程理事長からプール等の利用についての話をさせていただきましたが、こう いう相互利用によって今まではプールの清掃メンテ等、支出が必要だったものが、利用 者の受益者負担的なところとなり、外部的な資金で賄えることによってこの部分の経費 が結果的に節約できているというようなことにつながっております。   その下の頁です。自己収入の確保についてでございます。これは具体的なデータとし てグラフ化させていただきました。平成13年、14年、15年と外部的資金は増加をしてお ります。昨年度15年度実績が約4億1千万円、79件、件数としてはその前の年の85より 若干減っておりますが、金額としては増えています。年度の当初の目標額が2億7千 万、これは前年度の見込み、あるいは継続研究等見込みながらのものでございますが、 その後の努力によってこれだけの自己収入を得て、必要な仕事をさせていただくことが できたわけでございます。このようなことから特に自己収入の確保については、当初目 標より大きく越えたということで、自己評価Sをつけさせていただいております。  このブロックの最後になります4番目、効率的な研究施設設備の利用、パワーポイン ト資料の次の頁です。先生方の評価シート8頁です。これにつきましては先程理事長か ら説明をさせていただきました通りでございます。先程理事長からは7月直近のデータ で示させていただきましたが、6月末の時点では202名という実績でございます。この ような形で具体的に踏み出し、しかもそれが収入の確保ということだけではなく研究に つながっていく、また利用者の健康増進そのものにつながっていくということで、これ も大きな前進・成果が得られていると考えております。これについては自己評価Aをつ けさせていただいております。以上、1〜4についての説明をさせていただきました。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは御質問がありましたらよろしくお願いします。 ○政安委員  パワーポイントの6頁目になるんですが、内部進行管理の充実のところで、研究業績 の評価について分析結果を見ますとかなりの幅があります。その中で理事長様の方でい ろいろ御指導をされているようですが、具体的にはどのように研究に反映させているか というのをお伺いしたいと思います。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  給料には反映させておりません。しかしながら研究費についてはかなり大幅に配分を 変更しております。例えばですが、教授を東京大学の内科の教授にやっていただいたわ けですが、そうしますとその部長職の分の給料が浮いてくるわけですね。それを有効利 用しようというので、特別研究員等を雇用していってるわけですね。その特別研究員等 の人の配分をやはりこの業績に応じて変えております。研究費と特別研究員の再配分と いうのが主たる反映の仕方であります。 ○岩渕委員  何かSが多いようですが、このトータルで何がいくつというのは、一番最初の産安研 の時には出たんですが、昨日も出なかったかな、大体全体のバランスがわからないの で、ちょっと数を教えていただけませんか。 ○吉池研究企画評価主幹  それでは23項目のうちの数を御報告させていただきます。Sを23のうち13つけさせて いただいております。Aを9項目、Bを1項目つけさせていただきました。 ○大久保部会長  よろしゅうございますでしょうか。ではどうぞ、清水委員 ○清水委員  最初にお伺いすればよかったのですが、最初は理事長様からの御説明の中で寄附研究 部門というのがございましたが、この寄附研究部門というのは何が寄附なのでしょう か。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  具体的に寄附者名を申しますと大塚製薬株式会社であります。それが一つの部門につ いての人件費、研究費全てを、すなわちその講座運営に必要な費用をもってくれるとい うことです。これは大学の寄附研究講座と同じものであります。研究に必要な、具体的 に言いますと実験の器具、あるいはパソコン、あるいは部長、特別研究員、技術補助 員、また事務的な仕事をされる補助員、そういった費用を丸抱えしてくれるわけです ね。ただしその研究内容のことについては私どもの研究所で定めたことについてやって いただくという、こういうことですね。 ○清水委員  この場合、その成果物の帰属というのは研究所になるわけでしょうか。 ○田中国立・健康栄養研究所理事長  もちろんそうです。 ○清水委員  これは共同研究とも違うわけですね。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  共同研究ではありません。しかし広い意味にとらえますと、産学連携共同研究と言え るかと思います。 ○清水委員  経費の節減、それから自己収入の部分について、もう少し数値的にお伺いしたいと思 うんですが、パワーポイントの7頁目の上のところですが、いろいろ経費節減をされた というふうな記載がございますが、これは一般的には中期目標期間では2%の効率化、 既存の部分についてはという要請がございまして、その新規分野は別として、一応区別 して判定しなきゃあいけないということになっていますので、そこのところの数値とい うのはきちと出されておりますでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  細かい数値については、また財務の説明のところで改めて行わさせていただきたいと 思いますが、今この場で御説明できるところについては、事務部長の方から説明をいた します。 ○鈴木事務部長  今、先生の方から御質問があった点でございますが、経費の節減と2%部分というと ころとはまた別でございまして、ここに書かせていただいている部分につきましては、 例えば光熱水量等の節減、あるいは提携業務の外注等によりまして効率化を図っている ということを書かせていただいたわけでございます。 ○清水委員  数値的な御説明はまた後日ということでございますか。 ○鈴木事務部長  数値的な説明ということになりますと、私どもの所におきましては、先程から御説明 させていただいているように間借り的な庁舎でございますので、具体的な数字というの を出すのはなかなか難しいのでございますが、あえて出してみますと、光熱水量につき ましては14年度に対しまして約5%減をしているというところです。あるいは人材派遣 会社の利用といたしまして、15年度に行われました事業におきまして、医学栄養学の専 門的知識を有する人材で、かつコンピュータに精通した人材が必要になったというとこ ろで、これらにつきましては当の規定では1時間あたり5,000円を支給するということ になっておりますけれども、人材派遣会社を利用いたしまして、1時間あたり2,100円 の人材を確保できたというような効率化を図っているところでございます。 ○清水委員  比較表の方を御用意いただいているのですが、こちらの方の数値との関係で多分最終 的には委員の皆様に御説明をしていただくことになると思うんですね。ですからこれは 表面的に見ると水道光熱費等は増えている部分もありますので、これだけですと5%減 というのは必ずしも読み取れないわけですね。  ですのでそこのところは新規の増えた部分と既存の部分と分けていただくとか、一応 素地的な根拠ということでお示しいただくことが必要かというふうに思いますので、今 日は時間的にはなかなかとれないのかもしれませんが、後日お教えいただくということ でよろしゅうございますでしょうか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  ちょっと追加させていただきます。国立感染症研究所は私どもの研究所の10倍規模な んですよ。感染研が光熱費等を一括して払っているわけですね。私どもへの光熱費請求 は研究員の頭割的に来るわけですから、仮に私のところが節約しても微々たるものです ね。相手は10倍ですから。しかしながらもしも光熱費総額が多くなってきたら、その人 数分に応じてこっちへ負担額も多くなってくるんですね。だから電気のメーターも水道 のメーターもアパートの如くそれぞれの研究室についておれば、私どもの節約というこ とはできるんですが、そこが間借り人の非常に辛いところですね。  ですからちょっと他の二つの研究所と違うわけですね。光熱費等を節約せよと言われ ても、当方負担額は、感染研に左右されますので、どうしようもありません。相手は巨 大なる研究所ですから、10倍もある研究所ですから、もしそこで何か必要なことがあっ て、例えばBSE、SARS、鳥インフルエンザ事件等でたくさん使われたとしても、 こちらにはその10分の1分の負担が比例配分的に来るわけですね。このような状況下で この節約をどう出していったらいいかというのは、非常に苦しいところですね。 ○清水委員  その御事情はよくわかりますけれども、多分その評価の以前に、じゃあどういうふう にこの経費の負担をやっていくのかという大本の問題があると思うんですね。だからそ こは頭割でいいのかどうかというのは、頭割がもし非常に現実的でないならば、別のや り方を考えなきゃあいけないわけですので、今の評価の以前の話なのかなというふうに 思いますので、少なくとも今の前提に立った数値を使って御説明をいただければという ふうに思います。  それからもう一つ、自己収入の方なんですが、7頁のパワーポイントの下のところ で、増えている状況が書かれております。これの内容は説明を読む範囲では科研費的な 収入と、あとは受託研究費的なものの合計なのかなというふうに推測するところです が、もし今すぐお教えいただけるようでしたら、例えば損益計算書の方ですと受託研究 収入というのは昨年よりは若干減っているわけですね。ここの件数の減とか、あとはそ れに対して差額の部分であるはずの科研費の部分のもし増があれば、そこのところをお 教えいただければと思います。 ○吉池研究企画評価主幹  これに関するところについては、評価項目20でもほぼ同じ項目がございます。パワー ポイントの資料の39頁の上を御覧いただきたいと思います。ここにつきまして運営費交 付金以外の収入の内訳を書かせていただいておりますが、いわゆる研究費、補助金、文 部省科研費、厚生労働省の研究費につきましては、約1億円ということで、伸びた額に つきましては、これは厚生労働省の請負事業、ここで約1億7千万となってますが、こ こでございます。  これにつきましてなぜ伸びたかという要因を少しお話ししますと、栄養、例えば健康 食品について、「健康日本21」、その他行政上、また食品安全に関わる問題というふ うに、行政上非常に緊急かつ重大な案件が生じて、我々がそれに近いところでいろいろ な仕事をするようになった。そこで年度途中で比較的大きな請負事業としてそれらに関 わる仕事を厚生労働省の各局の方からいただいて仕事をしたというところが、伸びた要 因だろうと思っております。 ○清水委員  最後に、この項目で昨日もお伺いしたんですが、新たに加わった項目、リーダーシッ プの発揮によるマネジメントというところを具体的にどういうところでのモニタリング なりが行われているかということを簡単に教えていただけますでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  一つは、外部的な評価及び内部的な評価、プラス、我々独法として社会的に何をしな ければいけないか、そういう観点に立って、最終的には下の者があれこれ議論をするの ではなく、理事長が判断して、決断をして進める。たとえば研究員の割り振りにしても ,研究費の配分にしても、例えば、“部の単位”を大事にしていた国研時代は、7部が あって、研究員の定員が35マイナス1の時は、その“マイナス1”を持ち回りにしてい て、各部長がトップに対して文句を言わないような形で研究員の割り振りを行っていた 時期があります。  今や各部の研究員の割り振りを見ても、多いところでは7〜8人、少ないところは2 〜3人というふうに、かなりのメリハリがついております。中の者で話し合ってもそう いうことには決してならないわけで、これは理事長の決断の結果の表れかと思います。  また後ほどお話をしますが、パワーポイント資料の10頁目の上のところをお開きいた だきたいと思います。重点調査研究事業として、食事摂取基準について中心的に行って いるものでございます。(1)(2)(3)とプロジェクトが三つありますが、計画当初は3か らスタートをしたのですが、いろいろなニーズの変更、また出てくるアウトプット等の 評価をふまえて3を大幅に、予算規模から言うと一気に4分の1ぐらいにしたのかと思 います。ある部門を削って新たに必要な部門について予算、人を重点的につけるという ようなことを、この重点調査で行っております。これも一つ理事長のトップマネジメン トによるものと理解しております。 ○清水委員  研究部門でのリーダーシップはよく理解できましたが、例えば財務面におけるモニタ リングですとか、そういったところではいかがですか。どのぐらいの頻度で財務報告を 御覧になっておりますでしょうか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  会計担当の監査の方が月1回来られます。したがいまして私が公務でおらない時を除 きまして、月1回は、ほとんどと言っていいかと思いますが、報告を受けております。 それからもう一つ、予算は、諾般の事情に合わせて変更がありますので、実行予算を半 年ぐらい経った時点で見直しまして変更するということもやっております。大体月1回 は見させていただいております。 ○大久保部会長  それでは他の方から御質問はございませんか ○岸委員  かなりいろいろな面で新しい方向性を出されていると思うんですが、人事の面で応用 栄養部長さんの後任を大学の方からとられたという点は、40名足らずの研究所ですの で、外部のおそらくリソースを活用してということだと思うんですが、ある意味では内 部を育てるという面も重要なところですよね。こういうやり方は、おそらくCOEと か、かなり大きな目標をもってやられていると思うんですが、私も国立大学の教員なも のですから、国立大学側のメリットと国研側のメリットとがどういうふうに今かみ合っ てやってらっしゃるのか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。すみません、ズレ るかもしれないんですが。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  内部昇格の問題でありますが、これは縦割りの部長である限り、部長が辞める、転出 する以外どうしようもないわけですね。そのためにも横断研究としてのプロジェクト研 究を作ったわけです。そのプロジェクト研究のリーダーは必ずしも部長ではない。室 長、時には主任研究員レベルの人も登用し、実質上部長と同等に扱っております。  さらに、その中で優秀な人は、この吉池主幹もそうですが、部長として昇格させると いう道を開いております。このように内部の方も重んじております。そこのバランスを できるだけうまくとっていこうとしております。しかし研究者ですので、あくまでも業 績を重視しております。ですからあまりその点については問題は出ないと思いますし、 私が独裁的にやっているわけではなくて、研究企画委員会というところでディスカッシ ョンをして、そこから諮問を受けるということをやっております。原則としてその諮問 を優先しておるというところであります。それが内部昇格と外部からの併任の方のバラ ンスということをとっておる一つの例でございます。  もう一つ、大学の教授を併任でやることの研究所側と大学側とのメリットということ でありますが、私どもは当然のことですが、やはり病院をもっておりませんから、例え ば、生活習慣病のことを考えるならば、この臨床の先生というところを非常に私は重ん じました。つまり患者さんを対象として研究をしていけるというメリットであります。  生活習慣病でありますので、特に糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満等の患者さんにつ いての臨床研究と健常者といいますか、一般の住民の方を対象とした研究とが可能にな ります。あまりいい表現ではないかもしれませんが、私どもの方からはコントロール を、臨床の先生の方からはケースをという見方ができて、非常に研究の効率が高まるの ではないかと思いますし、臨床の先生もそのことを重んじられております。相互補完と いうことですね。  それから大学の先生側からいうと、どちらうというと文部科学省からの科学研究費は とりやすい。厚生労働省からの研究費も結局は大学の先生が多いのかもしれませんが、 やはり私どもの方が大きい予算をとれますから、そういったこともシェアできるという ことで、まだ発足して数カ月ではありますが、現時点ではお互いプラス面が出ておるよ うには思っておりますが。 ○黒澤委員  パワーポイントの7頁の運営交付金以外の収入の確保ですね。この件についてなんで すが、実は先に自宅の方へ送っていただきました資料の中に、損益計算経年変化比較表 というのがございますね。これの下方の経常収入のところの、今の受託研究収入です ね、これは経年でずっとグラフと一致していると思うんです。ところが政府受託研究収 入、それから民間受託研究収入、これが000とみんななっているんですね。これは私 は、他の補助金欄を見ますと、これは政府の受託研究収入じゃないかと思うんですが、 いかがでございますか。 ○鈴木事務部長  この表でございますが、ただ枠分けして明記していないということでございまして、 受託研究収入の合計額になっているということです。 ○黒澤委員  合計額はわかりました。じゃあ内訳がゼロということではないということですね。 ○鈴木事務部長  そういうことでございます。 ○黒澤委員  じゃあこれは棒引きだったらよかったんですね。ゼロと書いてあるからおかしいと思 いました。はい、わかりました。 ○大久保部会長  次は酒井委員、どうぞ。 ○酒井委員  今回、内部進行管理の具体的な手法が開示していただいて、大変参考になるんです が、例えば6頁にあります研究業績に関する個人評点の分布というのがあるのですが、 例えばこれの絶対評価を見てみますと相当な大きなバラツキですね。これをどういうふ うに見たらよろしいのか。また、このことを理事長中心にどういうふうに個人の研究者 にフィードバックされるのかということを教えていただけたらと思うんですが。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  この個人評価は、その上のウにありますように、(1)(2)(3)(4)(5)と、これらの項目 にわたって評価しています。そのうちの(1)の場合がこの個人分布の図であります。本 人がどれになるかは、印をつけてわかるようにしてやっております。もちろんそれに対 して異議がある時には異議申し立てを聞く機会は持っておりますが、(1)の個人業績の 評価というのは、例えば原著論文であれば、ファーストオーサーであるか、エンドオー サーであるか、あるいはインパクトファクターがいくらであるか、そういったことで一 定の基準を設けていますので、単純に集計することができます。ですから誰がやって も、私でなくても、事務の人に頼んでも同じ点数になります。  じゃあ評価結果はどうするかということですが個人がこれを見て自分はどうするかと いうことを、すなわち自己評価を第一に重んじております。先程申しましたように、研 究費の配分、それから特別研究員等の人材の配分について、評価結果を反映させており ます。非常に厳しいかもしれませんが、この図のなかで部長で1点の人がございます ね。この人はこの年だけでなくてずっとこうであったものですから、実はプロジェクト リーダーを解任いたしました。それぐらいのことをやっております。ただし部長職は解 任しておりませんよ。 ○酒井委員  指導としては少なくともこれで言う絶対評価のこれぐらい以上であることが好ましい 的な明示はされているんですか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  それも注釈として1〜2点の人は奮起せよというような意味のことを書いておりま す。しかし残念ながら1〜2点の人は、毎年1〜2点をウロウロするだけであります。 あまり余計なことは言わない方がいいのかもしれませんが、この図の右側の人は、非常 に優秀なので5プラスがついておりますが、研究業績5点以上の人というのは研究内部 への貢献、あるいは行政や社会への貢献、それもやっぱりいいんですね。例外ももちろ んありますが、一般的に4点以上の人はそういったことへの貢献もいい点なんですね。 (1)(2)(3)(4)(5)の項目間にきれいな相関がございますね。 ○大久保部会長  ちょっとその関連でお尋ねしたいんですが、栄養研さんの場合には、いわゆる研究活 動成果と研究成果、研究成果の方は多分他の2研究所、研究機関と違いまして、長期的 に見なければよくわからないものですとか、短期的に即決的に出てくるものとか見せて いただきますとあるように思うんですが、そこのあたりの成果の評価ということにつき ましては、これはどういうふうに御勘案をしてらっしゃるでしょうか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  もちろんそれも考慮しております。しかしながらこの重点調査研究については、他の 研究所と違って私どもは中期計画5年分丸々にしております。だから途中で打ち切り、 途中で新しいのを加えるということはできません。一応5年という長期的な観察で見て いくというのを重点調査研究項目にしております。  もう一つは、ここであります基盤的創造的特別基礎奨励研究費というのがあります が、これは従来の国研時代は頭割り研究費といわゆるものだったんですね。部長はいく ら、室長はいくらという研究費です。それをプールしたわけですね。たとえプールして も、私のところでありますと30何課題というような話になれば全員1人1人にまた配分 してしまうことになってしまいますね。そのような名目的なこともやめてしまったわけ です。  そこでプールし、公募制にしまして、しかも年齢制限をつけまして、若手の人がそれ に応募できるようにしました。今年の応募数は14課題ありまして、これを内部の方及び 外部の方に事前評価をしていただきまして、7課題、半分に絞った。このように短期研 究であっても比較的重点的に予算を配分するという方式をとったわけです。それも事 前、中間、事後の3回評価をして、打ち切るものも出てきてますし、継続するものも出 てきております。  ちなみに非常に難しいのですが、従来から言われておる基礎研究、あるいは別のいい もっといい方をしたら独創的な研究かもしれませんね。いつ実るかわからない、しかし ながらひょっとして文化勲章、ノーベル賞級の研究が出るというものもあるかもしれま せん。しかし現時点ではそれよりも私は第二種基礎研究という名前をつけまして、日本 学術会議から生れてきた名前でありますが、栄養の実践活動、あるいは先程の食事摂取 基準の話、所要量ですね、あるいは国民健康・栄養調査というような、栄養政策、そう いったことに直結していくような基礎研究を重んずるということを研究所年報の序言に も書いて、それを浸透させるというスタンスを持っております。  ですから先生がおっしゃいましたような、文化勲章、ノーベル賞クラスの長期間にわ たる研究はひょっとしたら殺してしまう可能性は否定できませんが、ということは常に 心の中には持っております。しかし若い人で非常に優秀な人がいた時には、それにはか なりの額をつけて育てるということも忘れてはおりませんが、現時点では従来の第一種 基礎研究というよりも第二種基礎研究、実践活動に、政策に、実際に国民のためになる ことに結びつける基礎研究を重んずるというスタンスをとっているのが私のポリシーで あります。 ○大久保部会長  ありがとうございました。では田村委員、どうぞ。 ○田村委員  研究体制について、今後研究系に対応したプロジェクト型の組織を作っていきたいと いうことでありますが、現在ある形としては研究分野別の部があって、そしてプロジェ クトがあって、そして必要に応じてそのプロジェクトに研究分野別の部から人を出して プロジェクトをやる、プロジェクトに所属する人はもとの研究分野には所属しないとい う形なんですか。あるいは両方に所属しているんですか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  現時点では両方に入っております。と言いますのは、私は独立行政法人になってから の理事長でありますので、それ以前に決められている部体制というのがありますから、 それを引きずってきております。ですから今期はそういう二重構造で、次第にプロジェ クト指向型に動かしていった。そのプロジェクト研究を自分自身の研究と思って欲しい と言ってきました。それが第二種基礎研究になるかと思います。  今までは研究者は、極端な言い方をしたら、私も大学時代そうでしたが、いわば趣味 的に自分の専門分野の研究をしているわけですね。そのような中で何かプロジェクトに 参加した時には、これを言っていいのかどうかわかりませんが、そのプロジェクトで貰 ったお金を自分の趣味的な研究にうまく活かしていこうというようなスタンスがあった のは事実です。そして研究者の中にはそれがあるのは事実だと思います。  しかしそれではなくて、そのプロジェクトに参加していき、プロジェクトのなかで、 従来からの専門性を生かした第二種基礎研究を営むことによって業績もあげていってく ださい、要するに二足の草鞋を履いてくれるなという方向づけをしたわけですね。それ が幸いしたのかと思います。学術論文もやっと3年目になってぐんぐん増えてきた、先 程申しましたように平成16年度も15年度を上回ると思います。もし来年、論文数が減る ことがあれば、私は辞めてもいいぐらいに思っております。 ○黒澤委員  少し戻りますが、パワーポイントの4頁の下の表の若手型2名、これが任期を付さな いポストへの任用と、こうなってますね。これは年功型の人に採用したという意味です か。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  常勤として雇用したということです。 ○黒澤委員  この研究員というのは任期を付さないといけないというふうになっているんですか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  そうです。任期付きの研究員を任期付きで再任することはできないんですね。国家公 務員型ですから。全く違う分野であれば、そこの任期付き研究員に再雇用される可能性 はあるかと思います。しかしやっぱり研究者としては、しかも若手ですから、3年の間 に別の分野に方向転換するというのは非常に困難であります。任期終了後に再雇用する とすれば、同じ分野の常勤者でないとできません。  任期終了者が2人おられましたが実は2人とも優秀でありました。非常によい業績を 出されました。しかし残念ながらポストが一つしか空いていない、こういう運不運もご ざいます。2人の評価を評価委員会でしていただきましたし、私も同じ評価結果をした のですが、やはり上下ができました。そして上の方を常勤にしました。そして下の方は どうするかということで、これは裏話的になりますが、当該部長がアメリカの方と交渉 しまして、その人が向うのお金で留学できる道を開いたということをしております。決 して任期付きでありますからということでスパッと切るということはしておりません が、次回は6人抱えてまいりますから、そんなにうまくいくかどうかということです ね。 ○黒澤委員  そうですね。今後の問題もあるんですが、きっとこの研究人材の、やはり長期的に継 続して採用した場合のメリットもあると思うんですね。たしかに短期の場合もいい面も あるのですが、この辺の整合性というか、将来の研究所の人材の構成とか、そういうこ とを考えますといろいろ必要だろうと思いますが、その辺は理事長の裁量というわけに はいかないんですか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  そうですね。非常に難しい話のように思いますね。最初から常勤の人を雇用するとい うのは、現時点では、むしろ難しいと考えています。まあもう少しすれば諮問委員会レ ベルで適否を見分けることができるようになればいけるかもしれません。現実には業績 目録を書面で見、約1時間足らずのヒアリングで採否を判定しますから、なかなかうま くいきません。結局のところ任期制というようなものが導入されてきた背景は、終身雇 用になった人が、極端な言い方をしたら、何の業績もなく30年、40年近く定年までいか れるのを防ぎたいということです。  あまり言うといけないのですが、そういった人を本音的に言うとセレクトするという システムだと思いますね。本質的には。だから最初は任期付きで雇用して3年間観察 し、その人の能力を評価判定して常勤にしていくということしか現時点ではやりようが ないのではないかと思います。  最初から常勤の人を雇うということは相当難しいかもしれませんね。どこか大学にお られて、一定の業績をあげて変わって来られる、あるいは厚生労働省側であれば他のナ ショナルセンターの研究者で栄養学・食品学の分野で業績をあげられて、当方に来ると いう人であれば、常勤雇用できる可能性があるかもしれませんが、特に若手の場合は難 しいですね。 ○黒澤委員  人材の流動化が日本の場合進んでないということの表れでしょうね。わかりました。 ○清水委員  基礎的なことをまたお聞きして恐縮です。先程評価項目23のうち13Sをつけられてい るというお話でした。また理事長様のお話でも、昨年の評価がBということについて厳 しいという御発言があったのですが、昨日の退職金に関するお話の中でも、1を基礎と するというふうな御説明があったと思うんですが、私どもの受け止め方として、年度計 画にしたがってその通りの運営をされていれば大体Bということなのかなというふうに 思うんですが、ここでSを13項目つけられているということは、非常に年度計画を大幅 に上回った業績をたてられたという理解でよろしいわけですよね。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  それが多分評価委員の先生方のスタンスだとは思うんですが、私どもはもちろんそれ も考えておりますが、年度計画で示された数値目標か、あるいはそれを上回るというこ と以外に、学問的な業績というのは非常に難しいので、今この場では緊張もしておりま すので、説明しづらいのですが、質的な面もありますから、それの自分達としての達成 感というような、年度計画の数値達成ではなくて、やったんだというようなことをもか み合わせておるものですから、そうなってきたんだと思うんです。  だから評価委員の先生方は年度計画を定めて、これを大幅に上回っておるが、まあボ チボチでんなというところなのか、そういう評価をされているのは当然でありますが、 研究者としてはやはり別のニュアンスがあるんですね。例えばいい研究論文を書いてい い雑誌に載ったなと思うと、やったぜという気持ちはみんな持っていると思うんです ね。それを励みでみんな頑張っていると思うんですね。だからそういったところなんで すね。非常に説明しにくいですが、そういったことをも加味しておる自己評価であると 御理解を願えたらありがたいと思います。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。それでは評価御記入をお願いします。 (各委員 評価シートに記入) [個別項目5〜11の評価] ○大久保部会長  それではそろそろ次に進んでよろしゅうございますか。それでは次に第2グループの 評価シートの項目でございまして、項目5〜11までの実績について、御説明をお願いい たします。 ○吉池研究企画評価主幹  評価シート9頁目になります。パワーポイントの資料は8頁目の下と9頁目の上のと ころには、NR認定制度について再度整理をさせていただいております。社会的ニーズ の把握に関しましては、昨年の本委員会で先生方の御指摘として、より一般に近い方に 目を向けたらどうかということと、こういうニーズを把握してそれをどう継続的に活か していくかという、大きく二点について御指摘をいただきまして、それに関して様々な 努力をしてきたつもりでございます。  一般向けというところからまいりますと、五つの団体と意見交換会を行ったわけです が、一つは日本ウォーキング協会、これは非常に多くの会員を擁するところですが、そ の中での実際の健康づくりと我々の研究的な面をどうつなげていくのかという、かなり 具体的なことも含めての意見交換会を行い、研究だけではなくて一般の方への健康づく りに役立たせるような今後の活動についてディスカッションをいたしました。  また、一般の方に対していろいろな情報提供をされるという意味で、食生活ジャーナ リストの会という、ジャーナリズムの方、フリーの方が多かったところでございます が、そこで食や健康に関する正しい情報の国民への発信について、いろいろディスカッ ションをさせていただきました。  また、継続性という意味では、近くにありながら今まであまり深いおつきあいがあり ませんでした国立国際医療センターとは、特に国際協力という視点から、また女子医科 大学の糖尿病センターとは、今後の連携について、話し合いをいたしました。  また、今まで行いました団体との実を結んだ成果でございますが、平成13年度の独法 初年度に、お茶の水女子大学と意見交換会をしたのがきっかけでございまして、今回連 携大学・大学院の発足につながっております。また、日本栄養士会とも初年度に意見交 換会をいたしました。これは前年度から実績を積んでおることでございますが、こうい う日本栄養士会、あるいは都道府県等の栄養士会等、現場の栄養士さんに対する実務研 修につきまして延べ47名講師派遣をするに至っております。  また、御意見として行政的なニーズの把握ということもいただいておりますが、本省 のところで新開発食品保健対策室2名、生活習慣病対策室1名、管理栄養士の技官を中 心としての併任人事をかけておりまして、行政ニーズの把握に務めているところでござ います。  NRにつきましては、理事長から説明をさせていただいた通りでございますが、これ も平成14年2月ですので、独法の初年度の年度末に食品安全部長通知でこの流れができ たわけです。その流れを受けて、いろいろな団体から御要望をいただいた線にそって、 NR事業を立ち上げたというところでございます。  これについて今後社会的にどのような貢献をしていくのかについては、何分この5月 に第1回目の合格者を出したところで、まだこれからでございますが、今後そういうよ り社会的なニーズの視点から、展開したいと考えているのは、先程理事長から説明を申 し上げた通りでございます。以上が5番目でございます。以上の観点から私どもは評価 Aをつけさせていただいております。  それ以降、研究業務の中身になります。先生方のお手元の資料で一番分厚い封筒の中 に入っているのがこのピンク色の冊子です。個々の説明は省きますが、先程理事長が“ 達成感”という話を申しました。今日、私がプロジェクト研究についてお話できること はごく限られたことでございますが、そこの頁をくっていただきまして、2枚ほどあけ ていただくとピンクの頁が出てきます。エネルギー代謝に関する調査研究で、実はこの ピンク色の冊子の4分の3が論文の別刷りになってございます。  我々はデータを出し、それを学術誌として刊行して、後世にわたり高いエビデンスと して引用されるということを第一の目的としてプロジェクト研究をやっておりますの で、この中の別刷の個々の論文こそが我々の一番の成果であるというふうに考えている ところでございます。今日は簡単にその概要についてお話をさせていただきます。  それでは評価シートの10頁目になります。我々の重点調査研究業務の1番です。パワ ーポイント資料9頁目の下になります。ここから重点調査について3課題、また基盤的 研究については4課題、これは一括の項目になっております。また、健康増進法に基づ く業務、また行政への対応という、我々の業務の具体的なアウトプットについて御説明 をさせていただきますが、実は評価点は、全てSです。先程理事長が説明したように、 我々はこれだけの達成をした、それだけの自負をもってやっている中身でございます。  それではパワーポイントの9頁目の下でございます。5年に一度改定をされる食事摂 取基準、これは栄養学全ての結集でございますし、栄養行政施策、栄養に関する全ての アクティビティの基礎となるものでございます。一番我々が重点をおいてやらなければ いけないところでございますが、先程説明いたしましたように、5年間の中期計画の中 で結果的にかなりメリハリをつけながら運営をしていくということになりました。パワ ーポイント資料の次の頁をお開きください。  13年から17年に至る過程があります。現在ほぼ完成しつつある第七次改定の栄養所要 量、これは17年度から開始予定となっております。厚生労働省の策定委員会が15年度半 ばから発足しております。この委員長を私どもの田中理事長が務めさせていただいてお りますが、そういう中で我々が何をすべきかということを議論をしながら、行った決断 が下の図に示されております。  当初、3のヒューマンカロリーメーターを使った実験を中心として行っていました。 これについては、5年ごとに改定があるのだから、二重標識水プロジェクト等をなぜ新 しく行うようになったのかと疑問を持たれる先生方もおられるかと思いますが、実は、 これがアメリカ・カナダを中心として食事摂取基準の策定上不可欠なテクニックである ということが世に出たのが13年度末から14年度にかけてでありまして、それまでは我々 も、これを行わなければエネルギーの消費量が国際的なレベルで求まらないということ については、十分な認識がなかったものでございます。  それが中期計画の途中からそういうような状況をキャッチしまして、この17年度から の食事摂取基準に間に合わせるべく、15年度につきましては重点項目をこの二重標識水 によるエネルギー消費の測定、または100名の専門家を集めてのレビュープロジェクト というところにおいたわけで、これらについてはもうすでに具体的なアウトプットを厚 労省の策定委員会の方にお示ししているものでございます。  三つの業務を簡単に説明をいたしますと、その下の頁のDRIsプロジェクトについ ては下に表に示してあるのが、これだけのたくさんの栄養素をカバーするものであるこ とを示したものでございます。ここにあるだけで32の項目に関して、個々に原著論文を 全てシステマティックにレビューをして、上にあるようなエビデンステーブル、サマリ ーを作るという作業をしてまいりました。  次は11頁の上です。二重標識水を使ったプロジェクトでございます。これは非常に貴 重な水でございまして、水の代金だけで1人十数万かかるというものでこざいます。ま た測定機器も特殊なものでございます。そういうようなことをいろいろな経費のメリハ リをつけた再配分ということで昨年度重点的に行ってまいりました。お蔭様で予定通り 4カ所、40名、約160名について貴重なデータを得ることができました。11頁目の下の ところにそのデータをお示しします。  結論として、数値としては非常に単純な平均値でしかありませんが、本研究の結果か ら、アメリカ・カナダに完全に追いついたとは言えないものの、またまだまだデータの 蓄積が必要でございますが、少なくとも国際水準に見てそれほど遜色の無いデータを得 て、そのエビデンスに基づいて第七次改定のエネルギー所要量が策定できるに至ったと ころでございます。  次の頁でございます。またヒューマンカロリメーターにつきましては、そのメリハリ の中でかなり縮小して行っておりますが、その中でデータの分析については、そこにお 示ししてあるような事柄があり、論文等の作成につなげております。  次は12頁の下と13頁、本プロジェクトに関する学会論文等の発表について、2枚にわ たって書かせていただいておりますが、こういう具体的な研究成果としてのアウトプッ トにもつながっております。ということで自己評定Sをつけさせていただいておりま す。  続きまして第2番目の重点調査業務です。評価シート11頁目です。これは国民健康・ 栄養調査のシステム化ということでございます。これにつきましても昨年度非常に大き なことがございました。と申しますのは13頁目の下に15年度の主な成果とありますが、 健康増進法に基づくと書いてあります。これは平成15年5月に新しい法律として施行さ れました。以前の栄養改善法が1952年の施行ですから、約50年ぶりに切り替わった国民 健康・栄養調査となります。  50年に1回の出来事がありまして、それへの対応、要するに「栄養」だけではなく て、「健康」の部分についても十分な対応をする。また、食品についても食品に強化さ れているカルシウムですとかビタミンC、また、いわゆるサプリメントとも言われる栄 養機能食品についての対応が必要です。また健康増進法に基づいて、この調査がより「 健康日本21」等の施策とのつながりが大きくなってまいりました。さらに、地域保健 の中での評価ということが非常に重要視されるようになる中で、地方自治体との連携の 強化をさらに進めていったわけでございます。  パワーポイントの14頁目の上のところは昨年度の本委員会でもお示ししたものでござ います。15年度で水色をつけさせていただいておりますが、コンピュータのシステムに ついては予定通り開発を完了し、あとはシステムの維持更新というようなところで、プ ラス健康増進法による、また中期計画途中栄養の成分表の切り換えに関わる対応を行う ことができたということです。国民健康・栄養調査がどう変わったかについて参考まで にパワーポイントの下に書かせていただいております。  15頁の上下ですが、新たにカバーするようになった食品です。実はこれは栄養学の基 盤の一つの弱点でもありますが、食品成分表がいわゆる天然食品の成分値しかなく、カ ルシウムを強化された牛乳の成分値は実はございません。その他、いろいろな飲料・食 品、それをどうカバーするかということについてかなり詳細な検討・議論をする中で、 本調査で対応できるようになったものでございます。イメージとしては15頁目の下にあ るように、強化分として例えば乳類からどのぐらい人工的に加えたカルシウムが取られ たか、こんな集計がこれから表に出てくるというところでございます。  次は16頁の上です。地方自治体の方々とのつながりということで、11月に調査を行う 前、10月に公開セミナーを本プロジェクトの業務報告を兼ねて行いました。事前登録約 70名の方を交えて熱心なディスカッションもできました。また、地域の「健康・栄養調 査の進め方」につきましては、厚生労働省の関連の研究班と協働してこのような冊子を つくりました。また、ホームページを通じた情報提供をするに至りました。  また、昨年の本委員会の中で個人情報の保護、コンピュータシステム上のセキュリテ ィについて御質問を受けましたが、システム上のセキュリティにつきましても、栄養調 査を行った結果については、名前を入れて「あなたの結果です」とお返ししなければい けません。そういうものについては保健所のパソコンの中だけに止まって、そこからは 個人が完全に匿名化ID管理された形、しかも暗号化された形でデータをやりとりして いるよというようなところでございますが、その点についても十分な対応を図っている ということでございます。  17頁のプロジェクトの運営体制、実はこれが一番重要なことだと私たちは思っており ます。と申しますのは、健康増進法が今後変わって、仮に、国民健康・栄養調査として 毎年行われているものが突然なくなるという事態を別とすれば、もしかしたら私どもの 研究所がなくなろうともこの調査は続くかもしれませんが、そうした時にこれはこの中 期計画の中での話だけではなく、より中期的・長期的な視点に立った戦略が必要と考え られます。より発展的な継続性を目指した形で、この調査への対応体制を作っていかな ければいけないだろうということで、私どものプロジェクトチームの中は人数も限られ ておりますので、なるべく外の方、特に自治体の方へ情報提供をしながら御協力を得 る。また外部の研究者の協力を得る、また、企業との共同研究開発や、本省との連絡、 併任も1名かけておりますが、このようなところで中、長期的な視点に立って、この仕 組みを中期計画が完了するまでに確固たるものにしていきたいと思っております。ま た、17頁の下のところでは、学会や発表論文についても十分な数を出されているという ふうに思っております。自己評価Sをつけさせていただいております。  引き続きまして評価シート12頁目です。重点調査研究業務の3番目です。これにつき ましては目標としては「健康食品」の有効性または安全性、今、情報ネットワークで提 供しているような情報について、個々実験をしながら検証をしていくということでござ います。あまたある「健康食品」の中で、パワーポイントの下に図にございますよう に、食品成分として何を選定するのかについては、生活習慣病との関わりの強い、また 国内外の状況、社会的関心、その他の状況をふまえながら行っているわけでございま す。1.5年をワンクールとしながら行っておりますので、3年目ですので、2クール目 が今回完了したということでございます。  今回15年度につきましては、そこにあげさせていただいているような食品の分析・研 究を行い、その結果について論文だけではなくて、ホームページ等を通じて、一般の 方、専門家への幅広い情報提供にも至っているところでございます。  個々についてのまとめをつけさせていただいております。細かい説明は時間の都合で 省略させていただきたいと思いますが、上のガルシニア、これはダイエット食品です が、精巣毒性があるということで、一時かなり大きな話題になったものでございます。 それらがわかった後、それではどのような機序をもってそのような毒性が発現するのか ということを分子レベルの作用を含めて検討しているところでございます。こういう機 序の解明ということについても、我々は大事な仕事であると思っております。  また、次のところでシトラスアウランチウムの肥満抑制とありますが、こういうよう な「健康食品」が“よく効いた、効いた”というのは、通常の人間が食べる百倍、場合 によってはそれ以上の量をネズミに食べさせてというようなことが多くなっておりま す。我々は常に人を意識しながら、実際の投与量等近くで幅を広く持たせながらこうい う研究をしています。この結果では、推奨目安量の125倍でネズミの生化学所見が若干 動いたというようなことを得ております。逆に125倍飲んでも特段の毒性はなかったと いう結論でございますが、こういうようなことを地道にやっております。  次は20頁の上です。イチョウ葉エキス、これは高齢の方で高血圧の方等がかなり使っ ておられるというふうに聞いております。これにつきましては実は降圧薬等の薬との相 互作用に関する検証がほとんどされていない状況に着目をしまして、こういう薬との交 互作用を見るために、薬の代謝酵素を指標として検討をしております。  このような結果につきましては、21頁目の上に示してあるようなデータベースシステ ムでいち早く公開するとともに、情報ネットワークとも関わりを持ちながら広く情報公 開をしています。また、論文についても21頁目の下にあるような形で、学会発表等も積 極的に行っております。そういう意味で自己評価Sをつけさせていただいております。  先生方の評価表において、基盤的研究は4つの研究をひとまとめにさせていただいて おりますので、通し頁で14頁目、9−2というところになってございます。まず四つあ る中の1番目、22頁の上の基盤的研究1でございます。独創的・萌芽的な調査研究業 務、先程理事長から話がありましたので重複は避けたいと思いますが、16年度は14課題 のうち7課題を選定しております。15年度につきましては11課題で7課題の選定という ことになってございますが、採択された研究課題につきましても、研究費配分にメリハ リをつけまして、約200万から700万の幅の中で行っています。  その一例をあげますと、これも先程お話をいたしましたように、例えば魚油、魚がい いいいという議論がありますが、かなり極端な用量をネズミに食べさせるという試験が たくさん行われております。非常に面白いことがわかったのですが、エネルギーにして 40〜60、要するに魚油をカロリーの半分程食べさせた条件と10%程度のものでは遺伝子 等に発現する機序も変わってくるということを見い出しました。このような遺伝子レベ ルでの基礎的研究をさらに人間を対象とした発展的な研究に活かし、さらに人に対して の食事のテーラーメード予防につなげていきたいという意味で、これは萌芽的な研究と して、私どもの研究所として大事な研究の一つであると考えているところでございま す。23頁目の上のところには学会発表等を書かせていただいております。  基盤的研究の2番目でございます。これは自己学習システムの開発ということで行わ せていただいております。平成15年度、14年度でシステムのチェック修正をしたもの を、15年度ではいろいろな検証をしてまいりました。中身につきましては24頁目の上の ところで自己学習の流れということを書かせていただいております。この特徴としては コンピュータ上でアクセスをした人に対して、勝手に何かやってくださいということで はなくて、あくまでも管理栄養士等の支援者がペアとなって参加者を助けるというよう なことで、利用者に対してコンテンツを提供するということと、もう一つは支援者につ いてマニュアル的なものを提供するという、その二点で行っているところでございま す。それが24頁目の下のように、トライアル版を公開してさらなる検証を行っていると ころでございます。  25頁の上のところについては、我々はあくまでも研究レベルでの開発・検証をこの5 年間の目標としておりますが、より発展的な実用ということにつきまして、今いろいろ なところで、いわば売り込み中でございます。いくつかのところでこれは有用なシステ ムだということで、次のステップに向けて調整をとっている案件もございます。  次の基盤的研究の3番目、25頁の下です。これは様々な健康情報に関わるものについ てのホームページを通じた情報提供、また、私どもの研究所のホームページや各種情報 ネットワークのインフラ整備の役目も担っているところでございます。様々なコンテン ツがある中で、26頁にございますように健康づくりにおける重要施策でございます、 「健康日本21」を地方でどう展開するかという視点に立ち、47都道府県での目標設 定、また基礎データのデータベースを図ると共に、現在は市町村での計画について、 3,200ほどあるようですが、合併でまだかなり少なくなるとは思いますが、そこからの 情報をいただきながら全数データベース化をしていく計画です。それを主には地方での 担当者の方に御利用いただくことによって、自分たちの事業のふり返り,また国レベル ではそれらのデータを統合することによって全体的な進捗管理ということにつながるの ではないかと思っておるところでございます。  最後は基盤的研究の4番目、27頁です。これは食品中のいろいろな成分について、ど のような評価をするかという、その評価手法についての検証を主として分子レベルで行 うというものでございます。当初は4〜5の課題を行っていたわけですが、その中でよ り、学問的にも技術的応用という意味でも、発展性のあるものを2課題に絞って現在は 研究を進めております。論文だけではなくて、1件は特許出願につながっていることは 27頁の下に書かせていただいております。以上まとめますと、様々な研究課題がござい ますが、全体としては自己評点Sをつけさせていただいております。  続きまして評価シートの14頁目でございます。健康増進法に基づく業務が二つござい ます。1番目は国民栄養調査です。これは15年度集計を行ったのが、その前の年に行わ れたものですので、国民栄養調査というタイトルをつけさせていただいております。約 11,500名の調査表について、この年の特殊事情としては、糖尿病実態調査があわせて行 われまして、それとの合わせて集計解析の作業を行ったというところでございます。  また、これもこの調査の特殊事情、食べ物調査が非常に複雑であるということに加え て、調査実施が約250の保健所で10月行われ、それが都道府県あるいは政令市等の自治 体に集められて、約100から110の自治体から我々のところに大体12月末から、若干遅い ところは1月にかけて段ボールが届きます。我々はクリスマスプレゼントと呼んでおり ますが、これだけたくさんの施設が関係し、いろいろなクオリティのあるバッジを処理 をしていきます。実際には約100の自治体あるいは250の保健所に直接データの確認作業 において、問い合わせをするということも含めてでございますか、最終的な集計につい ては、この250の保健所等に対して個々全部集計表を作ってお返しをするという、表の 報告書に現れない部分も含めての作業を行っているところでございます。  また、個人情報の保護という点につきましては、少し右のところの小さな写真でござ いますが、名前が記載されているものについては目隠しのシールを全部貼って、そこで の作業量は増えますが、このような形で個人が特定できないような形での作業を進めて いるということでございます。このような作業量の増大にも関わらず、例年通り8月中 に集計結果をお出ししたということで、十分な実績でないかと考えております。  次は食品の分析等に関わるものでございます。これにつきまして処理件数、また目標 となっている2カ月以内の処理件数についてのグラフを表したものでございます。独法 1年目の107から2年目は70件になりましたが、15年度は96件となってございます。ま た、2カ月以内の処理件数は96件中93件でございます。これを当初の数値から20%増加 ということでございますから、十分な目標を達成しています。  検査機器の購入についても、最初資料の訂正をさせていただきましたが、当初予定し たものではない機械の導入によって、より有効的な資源の活用ということにつながった のではないか思っております。以上につきましては自己評点Sをつけさせていただいて おります。  次に最後の項目、行政的なニーズへの対応です。これは独法2年目から加わったもの でございます。評価シート17頁です。一つは健康食品の問題への対応、これについては 冒頭理事長から説明をさせていただきました。新しい第七次改定の栄養所要量への対 応、これももう説明をさせていただきました。  また、その他食品安全、健康食品、食育、健康日本21と、行政上重要な課題につい て、厚生労働省及び食品安全委員会について、延べ25名、座長4名ですが、これはいろ いろなレベルのある審議会委員会の中で局長レベル以上からの委嘱を受けるものの数で ございます。ある意味で栄養行政に関わる全ての局面で、我々は関わらせていただいて います。また委員として、座長として関わる中で、その報告書の作成に直接関わり、ま たその技術的な裏づけを研究あるいは委託事業等で行っているというようなことで、行 政の委員会での関わりと研究業務が一体となって今うまく進んでいると思っておりま す。  「健康食品」の安全性・有効性の情報サイトについて29頁から少し書かせていただい ております。詳しい説明は省略いたしますが、特に安全性について我々がなぜやるんだ という理由として、30頁の上のところに少し背景を書いております。これはあくまでも 毒物としての単独のものではなくて、「健康食品」をそもそも使う背景や、食生活全般 があっての話であるという認識を持っておりますので、我々は有効性だけではなくて、 安全性についてもこの領域で深く関わって貢献していく必要があると考えております。  この情報ネットにつきまして、31頁目の上にありますように、3月末で1,300名、ま た6月末の時点では1,600名のネット会員の方の御協力を得ていろいろな情報の提供を いただいています。また我々の情報提供という意味では、つい先日、「にがり」のダイ エット効果について情報提供をさせていただいたことに対していろいろな反響をいただ いたところでございます。以上、行政的対応についても自己評定Sをつけさせていただ いております。以上です。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは御質問等がありましたら、よろしくお願いしま す。 ○清水委員  最初に理事長様の方から御報告のありました、総務省の方の評価委員会の評価につい て、中期計画にない事業について、健康食品アドバイザリースタッフの事業について、 これは勧告としては年度計画に入れればよいということだったんでしょうか。それとも 中期計画を変更しなくてもよかったんでしょうか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  私どもの解釈としては、やはり広い意味での私たちの所掌というのが個別法で定めら れておりますから、それにそったものであるというスタンスでやったわけです。  中期計画の変更届を出してやる糧の事業ではないと考えております。もちろん、本省 とも相談してでの話です。 ○清水委員  評価委員会としては中期計画にないものはするなというふうな指摘だったんですか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  いかがなものかという表現ですね。だから適切であったかどうかをここで評価しても らいなさいというスタンスだと思います。するなではありません。実際は、中期計画に はないからという理由ではなく、別の理由からいかがなものかとされているようです。 ○清水委員  今いろいろな研究の御報告があったんですが、非常に申し訳ないんですが、決算報告 書がございますね、こちらとの関係を確認させていただきたいと思うんですが、まず最 初に重点調査研究業務ですか、こちらの方の国民の栄養云々の調査研究が出てまいりま す。評価シートの11頁ですが、これは国民栄養調査業務ということの予算項目でよろし いんでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  1枚目の国民の健康と栄養に関する調査が、国民健康・栄養調査に関わるものです。 ○清水委員  イのところですね。それで12頁のウというのがございまして、食品についての栄養生 理学上の調査研究というのがございますが、これはどこに入るんでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  食品の生理学的研究というのが、これが重点調査項目の3番目、そして先程御紹介し ました健康食品の有効性、安全性を実験で求めるというものです。 ○清水委員  予算、決算報告書の中でですね。すみません。 ○吉池研究企画評価主幹  決算報告書の中で、これが中期計画推進研究業務費となっているかと思うのですが、 その中の三つがございまして、そのエネルギー代謝、国民栄養調査、食品成分という、 それに3つの重点調査事業が対応をいたします。 ○清水委員  一番上のやつですね。はい、わかりました。続けてお願いしたいんですが、その次に 基盤的研究業務が出てまいりまして、ア、イ、ウが評価項目の13頁にございますが、ウ というのはわかったんです。ウというのは健康科学情報研究費かなというふうに理解し たんですが、アとイというのは、これはどこにあたるんでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  表記上、予算要求時の項目だてになっておりまして、わかりにくい面があって申し訳 ございません。基盤研究は四つありまして、創造的特別基礎奨励研究、これはそのまま の題目で、基盤研究のI、特別研究というのが、これがちょっとわかりにくいのですが、 自己学習システムが特別研究という名前で予算要求を当初行っております。 ○清水委員  13頁のアというのはどれでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  13頁のアが、ここでの創造的特別基礎奨励研究費でございます。イが自己学習システ ムと先程内容を紹介させていただいたもので、これが特別研究費という全くつながりの ない名前になってございます。ウが健康科学情報研究費です。エのところが食品成分生 体利用性評価技術研究費となってございます。 ○清水委員  オとカはいかがですか。評価シートの14頁のオとカはいかがですか。 ○吉池研究企画評価主幹  オとカにつきましては、オにつきましては年度計画で行うことにしておりましたが、 先程今年度から東京大学から併任部長を迎えてというようなことがございましたので、 実際にはオについては支出上はほとんどありません。また、カについては情報ネットワ ークの構築でこざいますが、これは新規事業として行ったものでございますが、また行 政上非常に緊急性が高く行政からの要請がありましたので、費用の多くを厚生労働省の 方からの請負事業で賄っている部分がございます。 ○清水委員  そうしますと受託研究という意味でございますか。では最後に15頁なんですが、アの 方はこれは国民栄養調査で、重複して出てきますが、国民栄養調査でよろしいわけです よね。 ○吉池研究企画評価主幹  はい、その通りでございます。 ○清水委員  イはいかがでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  イにつきましては、これは食品収去試験業務費でございまして、これについてはむし ろ費用がかかるというものではなくて、食品分析、手数料をいただいて行ってますの で、これは収入ということになってございます。今の説明は間違っております。一応支 出のところは食品収去試験業務費として必要な費用をそこで出しておりまして、あとは 受託経費では特別用途食品表示許可試験費ということで、この業務での収入がその費目 になってございます。 ○清水委員  わかりました。先程の認定制度がございますね、あちらの方は予算でいきますとどこ になるんでしょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  では経費処理上の説明は事務の方からさせていただきます。 ○鈴木事務部長  御説明いたします。NRは受託研究の中に入っております。 ○清水委員  これは本省からの受託研究ということですか。 ○鈴木事務部長  科目的には受託研究の中に入れさせていただいております。 ○清水委員  受託研究の形を契約上とっているということですね。 ○鈴木事務部長  契約ではなくて、経理処理上そこに入れさせていただいたということです。 ○清水委員  今、決算報告書でお願いしたいんですが、この中ですと受託研究に入っているという ことですか。 ○鈴木事務部長  そういうことでございます。 ○清水委員  受託研究というふうな項目が経費の中にありますが、こちらで支出が計上されている ということですか。 ○鈴木事務部長  その通りでございます。 ○清水委員  この勘定科目というのは、一般的な理解ですと研究を受託した場合の費用を計上する 項目かと思うんですが、そうではないけれども、ここに計上されているということです か。 ○鈴木事務部長  そこに入れさせていただいているということです。 ○清水委員  そうしますと実態とはちょっと違うということになりますね。 ○鈴木事務部長  先生がおっしゃるのは個別に立ててということですか。 ○清水委員  いえ、受託研究契約に基づいた支出のみはこちらに出るというふうに一般的に考えら れるんですが。 ○斎田会計課長  うちの方の経理上、受託研究、外部獲得資金の自己収入の科目と、運営費交付金の科 目と、補助金の科目の三つに分けて経理していますね。契約とか請負に基づく収入、支 出も受託研究の中に入っていますし、新しく立ち上げたNR事業、これは試験とか申請 の手続きを基盤に経理していますが、これも支出も収入も受託の中に丸めているという ことです。 ○清水委員  その御説明ですとよく理解できないんですが、後日お願いしたいと思うんですが、そ このところはあくまでも実質的な事業かというふうな御説明であったかと思うんです が、ちょっと経理処理的に整合しているのかどうかというのが気にかかりますので、8 月3日の日にお願いしたいと思います。 ○大久保部会長  それではよろしゅうごさいますでしょうか。その他にどうぞ。 ○岩渕委員  先程、中期計画にない研究、総務省の方から如何なものかという指摘があったという お話がありましたが、個別具体的な経緯も定かではないのですが、一般論として言いま すと、そういうような官僚的な総務省のものの考え方は如何なものかというふうに申し 上げておきたいというふうに思います。 ○武見委員  項目の8番でしょうか、健康食品及び栄養補助食品の生理的有効性のところなんです が、実際私たちも栄養関係の仕事をしているわけで、一般の方たちとお話をして非常に ニーズが高いというか、関心の高いところだと思います。それでお聞きしたいことは、 こうしたいわゆる調査研究に着手されて、そのアウトプットが出るまでの期間という か、時間的なことがどのぐらいのタイムで行われて、実際にはなるべく早くみんな知り たいと思っていることですので、その辺についてどうなっているかということと、あと は一般への公開というところで、ホームページなどで公開されているというところがあ りましたが、一般の方が情報を得るソースとしては、やはりマスコミというのは非常に 大きいわけで、そうしたマスコミへの直接の結果の出し方などについて、もし工夫され ている点とかあれば教えていただきたいと思います。   ○吉池研究企画評価主幹  まず実験のスパンですが、これは1年半をワンクールという形で計画をたてて行って おります。これは実験期間1年プラス論文執筆等半年ということで、ものによっては若 干長短はありながらもそういう形で進んでおります。また論文としてのアウトプット は、それは相手方が受理してくれるかどうかにも関わるものですが、なかなか結果とし て出るものがネガティブデータがほとんどですので、そこについてはやや苦慮をしてお ります。とは言いながら、ネガティブデータをきちんとした形でなるべく残したいとい うことについては、常に思っているところでございます。  ホームページについては専門家向け、一般向け、これは可及的速やかに出しているも のでございます。マスコミ等についてのこちらからの能動的な働きということは、今の ところは行っておりません。ホームページ等を介して、あるいは学会等で発表したこと について、いろいろとお問い合わせ、取材を受けることはございますが、今はそのよう な状況になっております。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  今の健康食品の安全性、有効性情報ネットワークについては、平成15年ではありませ んが、先般、厚生労働省と私どもの研究所で共同でこれを厚生労働省記者クラブで発表 いたしました。その結果を受けて、多分ほとんどの新聞がそれを掲載しましたし、一昨 日、ネットワークのリーダーが朝の8時35分にNHK番組がございますね、「生活ほっ と」とかいう番組ですが、私はそれがあるのでちょっと出勤を遅らせて自宅で見ておっ たんですが。テレビの方にも取り上げられました。  その視点は、この健康食品というのは、マスコミでも、本、雑誌でも従来はいいこと ばかりが表に出るんですね。やっぱり何だかんだと言っても業者からの情報であったわ けですが、こちらは科学的情報の提供、共有をめざしました。根拠に基づいて是も非も 功も罪も、消費者向けであるということを一番重んじて、そういった面はマスコミの方 も評価していただいたのではないかと考えております。 ○武見委員  私も多分そのプレス発表だと思いますが、それが本当に一般の方にたまたまお話をす る機会があった時に非常によく浸透しているということがわかりましたので、できるだ けそうした形でなるべく速やかに国民が知れるような形での発表をどんどんやっていた だければというふうに思いました。 ○酒井委員  重点調査研究についてお伺いしたいんですが、ずっと御説明をいただいて非常に戦略 的ないろいろな研究調査事業を進められているという印象が強いんですが、重点調査研 究が三領域ですね、御説明を伺って現在健康栄養研にとって非常に重要な課題をとりあ げているというふうに思っているんですが、一つ一つのテーマが違うものであるがゆえ に、今後健康栄養研の重点課題が少しずつ解決していくと、テーマが変質していくと言 いますか、将来に向けて今の三課題と次のニーズなり、もしくは皆さん方が考えていら っしゃる予見といいますか、先進性といいますか、そういうことでどういう予想を近い 将来おたてになって現在を進めてらっしゃるのかなということを是非一点お聞きした い。  二点目は、現在のその三課題について、研究者の人員配分が大体どのぐらい各課題に 対して割り当てられているのかということ、そして三点目は細かい話なんですが、ニー ズを把握するためにいろいろな、先程のアレでいけば日本ウォーキング協会とかという ところとやっておられる、いろいろなところとやってられるというのが具体的に書いて あるんですが、これについての研究所側の責任者の方はどういう人たちが責任者となっ て、そこで話し合われたことが実際の政策に結びつける、もしくはその努力をするため にその責任者たちは何を研究所でやらなければいけないのか、やってられるかというこ とを教えていただけたらと思います。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  先程も申しましたように、この重点調査研究業務はこの中期計画5年ということで固 定されておるわけですね。したがいましてこれを変えるのは、NRや健康食品のネット ワークなどでも御指摘がありましたように、非常に難しい点もあります。先程も申しま したように、部長クラスの委員会と若手の委員会との二重構造で次期中期計画に向かっ てどのように重点調査研究を構築するかということを検討しつあります。研究によって はちょっとモディファイして継続していけるのもありますし、ものによってはやめる、 また新しいものにするということもできてくるのではないかと思います。そういう検討 をこの4月から開始したというのが現状であります。  そのためにいろんなところから情報収集をしています。こちらがある程度固まった時 点で、厚生労働省の原局とも話をして、今年の12月にはそれはほぼ固めていきたいと、 このように考えております。それから人数配分については吉池主幹に話してもらいま す。 ○吉池研究企画評価主幹  人数につきましては、プロジェクトを中心としながらも、他の基盤的研究業務や、請 負事業などがございますので、実際にはかなり重なりながら人のやりくりをしてという ことになってございます。例えばエネルギー代謝でございますと、今は大きく三つの柱 が立っておりますので、そういう意味でそれらを合わせると、特にレビュープロジェク トを含めると研究所の職員の半分ぐらいが関わっている結果となっているわけでござい ます。  また、国民健康・栄養調査の高度化システムは、これは集計業務との関わりの中で、 やはりその専門範囲の者がおさえていかなければいけないということで、これは常勤が 3人プラス非常勤、あるいは外の力をいただきながら行っています。また食品の分析、 生理学的試験につきましては、これはかなり個別的な研究実験をしていくということで ございますので、課題として5〜6課題が常に動いています。それぞれ責任者プラス共 同研究者ということでリーダーを含めて7〜8人の規模で動いているというようなとこ ろでございます。  あとは最後の御質問ですが、意見交換会につきましては、常にその場に理事長、理事 も含めて役員が出ております。要するにトップが、そして相手方も基本的にトップに来 ていただくということで、場合によってはトップ同士かなり急なことが決まることもな くはないというようなことでございます。また、全体的な調整は私がしており、関連の リーダー、部長が具体的な調整をしているということでございます。 ○大久保部会長  他にはございませんか。岩渕委員、どうぞ。 ○岩渕委員  さっきの御意見との関連なんですが、この栄養研の場合は他の三研に比べると国民生 活に非常に身近で有利なポジションにあるということも明らかに言えるんですが、マス コミ対応を含めて、実にサマリーも非常によくまとまっているというようなことで、工 夫のあとも見られるということも言えますし、これまでの例えば健康食品に対する調 査、あるいはアドバイスの出し方というのも、それなりに適切であったなというふうな 印象は持っています。  ただ、今言われているように、健康ブームでワイドショーなんかでよく何とかさんが 言うと何か売れるというふうな傾向があるんですが、中には医学知識とか、それも含め て,あるいは栄養に対する誤った考え方が結構流布されているような御批判もありま す。マスコミの方の責任もあるんですが、そういう意味で言いますと国民に対するサー ビスということであれば、人手が少なくて大変なのは重々承知しておりますが、そうい ったテレビの出演要請なんかでもどんどん受けて、テレビを見ているだけじゃなくて、 出演していただきたいというふうにお願い申し上げます。以上です。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  ありがとうございます。そのテレビ及びラジオの方でも結構何件か出ております。そ れは後で説明をしますが、取材には断らないで応ずるように指示はしております。た だ、私はこの関連の座長をしていることが多いものですから、そこで言ったことは国立 健康栄養研究所の理事長でなくて、座長が言ったというふうにとられることがあります ので、私は一部ではありますが、直接そういうことに関わりあることはお断りしている ことはあります。その場合には部長クラスのものを代理に出すということで頑張ってお ります。ありがとうございました。 ○大久保部会長  政安委員、どうぞ。 ○政安委員  現場の栄養士というステージでお伺いしたいんですが、栄養管理業務を行っていて、 食事摂取基準はやっぱり私たちのバイブル的なところがあって、この作業は大変だった のではないかと感謝申し上げておりますが、今後私たちが現場で活用していく上でどの ように普及活動していただけるかをお教えいただけますか。  もう一点は、二重標識水、これが先程十何万とかということで、大変高いようにお伺 いしておりますが、これについてはやはり有効事例ということで、ヒューマンカウンタ ーより良いという結果が得られているわけですから、さらに引き続き研究を続行してい っていただきたいと思っております。そこで今後の予算措置なんかをどのようにお考え でしょうか。お教えいただけるとありがたいんですが。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  まず食事摂取基準の普及でありますが、まだ策定できておりませんので、策定後から 普及活動ということになるのですが、すでにもう企画をしております。しかし、私ども の研究所で全国網羅的にやるには予算措置上とてもできませんし、また中期計画にない ことと言われるかもしれませんので、非常に苦しいわけですが、まず管理栄養士養成課 程の先生方に普及をしたいということで、北海道から九州まで8か所、ただし東京は2 カ所ですが、管理栄養士養成課程の先生方とそれ以外希望をされる方、ただしこれは重 要な話ですので、多くの人に聞いていただきたいという趣旨で参加費はとらないことに しています。  そこで厚生労働省生活習慣病対策室と私どもと、全国栄養士養成施設協会というのが ありますが、そこと、それからたまたま私が二つの栄養関係の学会理事長をしておる関 係から、日本栄養・食糧学会と日本栄養改善学会、この5団体で共催してやることにし ています。そうすると費用は5分の1で済んで8カ所へ行くという苦肉の策ですが、そ れを行うことを決定しております。もう日時、場所とも決めました。そしてその後には 今度は都道府県栄養士会等と共催して、一般の管理栄養士、栄養士等への普及活動をし ていく。またそのための書籍もできたら私どもの研究所監修でやっていきたいと、この ように考えております。  エネルギーの食事摂取基準のことですが、ヒューマンカロリメーターは一つの狭い部 屋に入っての話ですから、その人の消費エネルギー量というのは極めて不自然な形で す。比較的正確に測定できますが。そして24時間小部屋に閉じ込められるわけですか ら、被検者の負担が極めて大きいという点があります。二重標識水というのは天然の水 の中に、普通の水の中に非放射性同位元素の違うものがに入っておりまして、それを調 整したものです。非放射性同位元素でありますから、全く人体への影響がございませ ん。それを調整するために非常に費が高くて、だんだん値段も上がってきまして、一被 験者分が多分20万円ぐらいになってくるのではないかと思います。アメリカはすでに2 千数百人にわたってそのデータを蓄積して、エネルギー消費量の測定に導入している。 そして私どもは予算をやりくりしながらと言うと、また清水先生にどうやっているねん と言われて心苦しいところもあるのですが、今後も少しずついろんな収益事業等からの 収入も融通しながらデータを重ねていって、次のことを言えばまた鬼が笑うかもしれま せんが、次の第八次改定にはアメリカに優るとも劣らないエネルギー必要量を設定して いきたいと、このように考えております。分析する機械も質量分析計ですので非常に高 価ですし、また測定も非常に難しいのですが、一応2台導入しておりますので、頑張っ ていきたいとは思っております。 ○政安委員  よろしくお願いします。もう一点お伺いします。行政課題の対応ということで、今、 臨時国会食育基本法が上程されて、多分審議に入ると思うんですが、今、国民的にも食 育ということに大変関心が高いと思うんですが、これについてはどのように対策をこれ から考えておりますでしょうか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  これはむしろ武見先生の方が御専門なんです。実は食育という言葉を出されてきたの は武見先生たちの研究者グループでありますが、従来は私どもは一般の人々がスーパー なり市場で食品を買ってきて、時には冷蔵庫で保存し、それを調理し、そしてそれが身 体に入っていった時にどうなるか、あるいは生活習慣病の予防にどうなるかという比較 的狭い範囲で、そういったところの栄養教育、指導をしてまいりました。あるいは病気 になられた人については、特に生活習慣病になっておる方は、入院ではなく日常生活を 自由に営んでおられるわけですが、先生方の中にも血中コレステロールが高いとか血圧 が高いという方がおられると思いますが、そういった人も対象に栄養指導ないしは教育 をしてきたわけです。  もっと広い範囲にわたって食環境を整備していくという栄養教育・指導よりもところ が食育の領域ということです。食品の生産、加工、それから流通、スーパー、コンビ ニ、あるいは外食のレストランとかいったところをも総合的に考えていくということで す。そして食育というとイメージ的には何か子どもだけのための栄養教育的なイメージ がないこともないんですが、そうではなくて、赤ちゃんから高齢者まで全て含めて、広 い意味に立っていくという、大きい課題でありますので、これについては現在厚生労働 省生活習慣病対策室と話し合って、もしも食育基本法が成立すれば積極的に取り組んで いくつもりです。具体的な案はまだ実はございません。しかし、必要とあれば次期中期 計画の一つの柱にはもっていきたいと、かように考えております。 ○大久保部会長  田村先生、どうぞ。 ○田村委員  基盤調査研究と、重点調査研究の区別はどうされているのかお聞きしたいんですが。 ○吉池研究企画評価主幹  現時点での中期計画をたてる時に、その時は旧予算を引きづっておりましたので、あ る意味では、玉替え的に、先程の「特別研究」という名前も古い予算枠のところをもっ てきてとか、人頭割の研究費は・・・・というようなところで、本来の仕事の内身の部 分と予算割のところがややゴチャゴチャしているところが正直言ってございました。こ れについても、行政に資するエビデンス作りにつながる研究の部分と、より業務的な部 分ということをもう少し整理をしながら、全体図を描いて、次期の中期計画にはしてい きたいと思っております。現状は先生がおっしゃる通り、その辺が予算措置上ゴチャゴ チャしているということは否めないと思います。 ○田村委員  それで基盤研究の中にも、かなりベーシックなところに近い研究から、応用研究とい うかプロジェクト研究に非常に近いようなところまでございますが、そのあたりはある 種の考え方で今後整理してやっていこうということですね。現状は従来のものをいろい ろと引きずっているということですか。はい、わかりました。 ○武見委員  健康増進法の規定に基づく業務ではないんですが、昨年健康増進法が改正されて、い わゆる食品の効能等の誇張の禁止というか、それが出てきたと思います。多くの自治体 が国民とか業者からの問い合わせに対して直接対応しているんだと思いますが、実際に かなり混乱しているような状況もある中で、直接のそういう規定の業務ではないけれど も、行政課題というか、社会のニーズが非常に高いような、そういうことが起きている ことに対して、先程の健康食品の安全性とか、そういうことともつながってくると思い ますが、今後15年度内に何をなさったかということではなくて、もしあればそれもお伺 いしたいし、あるいはそうしたことをどこが少しやっていってくれるのだろうかという 時に、おそらく栄研に期待しているところも多いような気がするんですが、その辺につ いて何かあれば教えていただきたいというふうに思うんですが。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  これも非常に辛いところがありまして、規制するのは私どもの役割ではありません が、現時点ではこの安全性に関する科学的な根拠をできるだけ多く収集し、それをNR 等を通じて国民の皆さん方にインターネット、書籍等々で提供していくというスタンス ですし、新開発食品保健対策室の方には安全性に関する情報がリスクコミュニケーショ ンの場に入ってきた時には提供するということに止まっております。  と申しますのは、食品の安全性、健康危機に関わることは、よその研究所の所管にな っておるわけです。つまり食中毒関係、食品衛生に関わること、あるいは化学物質に関 わることは医薬品食品衛生研究所の管轄になっておる。ですからもしも食品の有効性か ら安全性、あるいはリスク、アセスメントからマネジメント、コミュニケーションまで 一貫した研究体制ということになれば、私どもは喜んでそれを受け入れたいと考えてい ます。現時点ではそういう制約があるのも事実であります。  私どもの所管でないというところがあるわけですが、しかし特に健康食品については そういう縦割りにこだわらず、積極的に研究もし情報収集に務めて、特にリスクコミュ ニケーションの充実は図っていきたいと、このように考えております。健康食品情報ネ ットワークがその大きな柱であり、NRはその主体、リスクコミュニケーターと言って いいのかもしれません。 ○五十嵐委員  今のお話に関連して、食の安全委員会がございますね。あれとの関連は研究所はどの ぐらいお持ちですか。結局あれはいろいろこっち側にもあるのに、また向うにもできた という感覚で、内閣府に直属ですので、研究所としてはどの程度関わっておられるのか というのをお聞きしたいんですが。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  食品安全委員会の下に、新食品調査専門委員会がありますので、そこに私どもの部長 が入っておりますし、また私どもの研究所のOBも入っておられるということで、特に 新開発食品、つまり健康食品の安全性のアセスメントについての貢献はさせていただい ております。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。それでは評価の御記入をお願いします。 (各委員 評価シートに記入) [個別項目12〜19の評価] ○大久保部会長  それでは次に評価シート項目の12〜19までの実績について、御説明をお願いします。 ○吉池研究企画評価主幹  評価シート18頁になります。パワーポイントの資料31頁目の下です。職員の資質の向 上です。これは前年度に引き続いての研究セミナー、事務職員の研修会の受講に加えま して、これは独法の以前にはあまり考えられなかったところですが、交付金の中で学会 出張等の旅費、年度によって異なり、150〜200万程度ですが、確保をしまして、その中 で海外での学会発表を予定しているものから、申請を一定の書式で出してもらい、内部 で審査をして、重要性の高い課題や若手等に対して、海外での学会発表を研究所として 支援をしていくというようなことをやっております。  また、国内の学会につきましても、特に重点調査のプロジェクト等の仕事を中心とし て、交付金の中でも予算の範囲内では旅費が出せるようになりましたので、そういう意 味での研修機会はかなり大きくなったと思っております。そういう意味合いで職員の資 質の向上につきましては自己評定Aをつけさせていただいております。  また評価シート次の頁をおめくりいただきまして、19頁、評価番号の13,外部評価の 実施です。ここにパワーポイント資料であげさせていただいているような先生方にお世 話になりまして、栄養学、食品学、体力科学、マスコミ関連の先生方から事前・事後の 評価をいただいております。今回、事前評価としては、16年度計画につきまして、厚生 労働省に提出する前に委員の先生方から御意見を頂戴して、実際の計画の修正、またそ れを運用していくために大いに参考にさせていただいております。  個々にいただいた意見をあげさせていただいておりますが、例えば今日も一つ話題と なっている理事長トップのリーダーシップ、トップマネジメンということについては、 特にこの関連の研究領域の先生方からは、理事長のリーダーシップにつきましては、研 究所内外での大きな評価をいただきながら、より発揮して欲しいという御意見をいただ いておるところでございます。これについては必要なことを行ないながら十分に業務の 改善に、あるいは発展に活用しているということで、自己評点Aをつけさせていただい ております。  評価シートの20頁、冒頭理事長から申しましたが、ある意味では研究所として一番重 要なポイントです。学会発表もさることながら、我々は論文発表、しかも原著論文での 発表ということを指標としております。これについても総務省の方から研究機関での論 文の数の指標について、特段まだ決めがないようですが、我々は中期計画をたてた時か ら原著論文という括りで整理をして、5年間での中期目標200報でございますが、すで に3年間で262報を出してございます。左側のグラフですが、13、14、15年度で増加を しております。職員1人あたり2.5というようなところでございます。  また、これに総説論文、これも学会誌、あるいはそれに準じたものを加えますと、そ れぞれ30数編のものが加わりますので、そういう数え方をするとさらに数は増えます。 原著論文で107プラス総説論文が36ということでございます。また、学会発表について はグラフを見ますと横ばいというか、頭割りにすると減っていますが、これについては やはり最終的なプロダクトとしては原著論文として考えておりますし、目標値は十分に クリアしておりますので、これは悪くなっている減っているというようには、ネガティ ブには全く捉えておりません。  また、210ほどある学会発表の中で、国際学会でも9回、国内学会でも27回、シンポ ジウム、特別講演といった外からの評価を受けての招待講演については、これを数多く 受けていることは自分達でも評価をしているところでございます。また、研究所の成果 の報告ということで、一般公開講演会、あわせて年報等でもこの辺を世の中に広く知っ ていただくような努力をしてございます。そういう意味で自己評価はSをつけておりま す。  次が評価シート21頁目です。インターネット等による調査研究の成果に関する情報の 発信です。アクセス件数が約118,000件で、前年度比で126%、前々年度比167%という ことで伸びてはおります。絶対数としては多いか少ないかの議論はあるかと思います が、着実によくなっています。コンテンツとしてもよくなっているだろうと思っており ます。またQ&Aコーナー、下の方にホームページの図を表しておりますが、見た目の ところについてもずいぶん見やすくするために絵を多く入れて、「体生活チェック」と か、そんなような形でコンテンツも充実をしてきていると思います。  また、一昨年度から「健康・栄養ニュース」を発行を始めました。昨年度からは、年 4回の季刊として定着をいたしました。ただし予算の関係もありますので、お送りでき るのは800くらいを関連団体を中心にお送りするということでございます。一般の方に ついてはなかなかそこまでは対応し難いのですが、メールでの配信の御希望を現在約 350名からいただいておりますので、メールを用いてPDFで一般の御希望の方には配 信をしているということでございます。  テレビ、新聞、雑誌等でございます。件数からいくと、これはテレビ8回、新聞全国 紙7件、雑誌全国レベルで3件で、新聞等もいわゆる業界紙といわれるものを除くとい う意味合いのものです。一般の方に広く目に触れるものとしてあげさせていただいてお りますが、これは前年度と全く横ばいで増えておりません。これだけの件数ございます という御報告に止めたいと思います。  そういう中で特にホームページの充実等、また健康・栄養ニュースを電子メールでも 配信するということで、我々としては十分な努力をして、かなりの線に達していると考 えておりますので、自己評定はSをつけさせていただいております。  評価シートを2枚おめくりいただきまして23頁です。評価項目16の講演会等の開催で ございます。昨年度は一般の方への講演会として「生活習慣病の予防の最前線」として 仙台と東京で開催をさせていただきました。仙台は日曜ということもございまして、来 場者数が100を割るような状況でございました。東京の方で行った際は、来場者数が423 名ということで、会場が溢れるほどで、評価委員の先生方で御来場いただいた先生には 非常に御窮屈な思いをさせてしまいまして、この場を借りてお詫びを申し上げたいと思 います。  この公開講演会でのアンケートが下のところに書いてあります。来場者の特性は60才 以上の比較的高齢の方が多いわけですが、若い方から幅広く、また職種、職業も幅広く ということでございました。内容的に、個々には御紹介できませんが、一つのテーマと して、基盤的研究で御紹介した魚について基礎的な研究から応用面までの話を御紹介し ます。やや基礎的な話が多かったようで、難しかったという方が9.2%でしたが、大体 各テーマともこれか、さらによりいい評価をいただいております。  また、今後の参加希望についても、多くの方が参加をしたいということです。この時 の回答数は350分の306となっていますが、当初想定したのは350名で、アンケートを350 部しか刷ってなかったために、分母がこうなっております。80名ぐらいの方にはアンケ ートをお配りできなかったという結果でございます。  また、業務報告会も合わせて行いまして、非常にありがたい御意見だと思ったのが、 研究に参加したい50名、一度見学したい、詳しい説明や資料が欲しい、この機会だけで はなくてさらに深いおつきあいをしてくださりそうな方が多くおられました。特に我々 は一般の方々に研究に御協力をいただくということが非常に重要なものですので、こう いう機会を通じてアピールできたということは非常にありがたく思っております。  また、講演会では重点調査、研究業務でも御報告いたしましたが、専門職種、都道府 県の栄養士等に対する講演会を共催でも行いました。また中学校、高等学校の見学で9 校、50名の生徒さんを受け入れまして、この世代の方に対しても、人数は限られていま すが、研究所の活動をお話しする機会を得ることができました。  次は36頁目の上をお開きください。講演会にあわせた図書等の出版でございます。一 例として三つ研究所が監修となったものをあげてございます。さらに進行中のものがご ざいますが、一番右の国立健康・栄養研究所監修で、管理栄養士の卒前教育の教科書シ リーズも今手掛けておりまして、昨年度1冊出ましたが、これが10冊程度外の先生方の 御協力を得ながら研究所監修として出る予定になっております。以上のようなことか ら、ここについては評価Aをつけさせていただいております。  続きまして評価シート24頁目、知的財産の取得活用、これについては冒頭理事長から 御報告させていただきましたので重複は省かせていただきたいと思います。内部的には スクリーニングの開始ですとか、あるいはセミナー、ヒューマンサイエンスのTLOの 職員の方に都合15回ほど、これは秋以降だけですが、来ていただき、御指導をいただい て、論文のそのスクリーニングを行うとともに、あるいは特許を申請したいという研究 者の相談に乗っていただきました。このようなことから今年度すでに3件、さらに今申 請準備しているものが2〜3件ございますので、そういう意味で格段にペースが上がっ てきました。それを図に表したのが37頁目の上です。  特許につながるかどうかのスクリーニング、これはある意味では理事長が申しました ようにシステムと言えるかどうかというと、まだまだ未熟なものでございます。むしろ 苦肉の策でございます。本来特許をめざすのであれば、そもそも先行技術文献調査、特 許調査をして計画をたてというようなことがおそらく王道だとは思いますが、私どもの 研究は、重点調査にしても、あるいは厚生労働省からの研究費その他にしても、こうい う出発点に立っていない場合が多いものでございます。  そういう中で、結果的には埋もれてしまっているものも少なくないだろう、できる範 囲からということで、学会抄録について、年間に学会発表を200ほどしておりますが、 これが昨年度途中から始めまして、担当者が約100ほどまず自分で目を通してと言って おりましたが、いくつかの段階を経て特許出願につながっているというようなところで ございます。以上のような取組から、評価としては自己評価Aをつけさせていただいて おります。  評価シートの25頁目です。若手研究者の育成です。これは従来から行っていますとこ ろに加え、やはり一番大きいことはお茶の水女子大学との連携大学院の創設であり、そ れが始まったので、これから大いに実績として期待できる基盤が整いました。また、外 部団体からの依頼により講演会等に講師を派遣した件数が延べ155件、常勤職員あたり 3.5回となっておりまして、こういう意味でもいろいろな貢献をさせていただいている というようなことで、自己評定Aをつけさせていただいております。  評価シート28頁です。研究協力の推進です。これは大きくは二つございます。冒頭に 理事長から申しました東京大学との深いつながりができて、COEとしての申請基盤が 整いました。また国際的貢献という意味でWHOの協力センターという話がございまし た。実は西太平洋事務局のエリアで栄養に関する協力センターはゼロでございます。そ ういう意味がありましてかねてからWHOのヘッドクオーター及び地域事務局の方から 当研究所の貢献という要請が言われていたわけですが、なかなか踏み切れない部分があ りました。今回独立行政法人になって、早々から評価委員会の方にいろいろと御助言を いただきまして、ようやく本格的に第一歩を踏み出すところまでまいりました。  下に絵がございますが、今年1月に多くの研究者を交えてのシンポジウムでディスカ ッションをし、その前には具体的なネットワークづくりについての議論をWHOの地域 栄養専門家を交えて行って、今、具体的に協力センターとしての申請に向けての準備を 行っているところでございます。そういう意味で大きく踏み出した1年だと考えまし て、自己評価Sをつけさせていただいております。以上です。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは何か御質問等がございましたら、よろしくお願い します。 ○岸委員  ずっと聞かせいただきまして、国立の独法化した研究機関というのは国民の健康とか 安全とか、そういうことに関しまして、研究もさることながら、その知識とか研究成果 が広く国民のためになるように人材をいろんな層で育成するということがものすごく大 きな役割だと思うんですが、その点からしまして、先程のお茶の水女子大学との管理栄 養士の徳島にしかなかったものを作られたとか、また認定栄養情報担当者、NRを申請 して軌道にのせられた、私も非常に敬意を表したいと思うんですね。  やはり大きな研究成果も国民に近いところにもっていきませんと、国全体のものには なりませんので、本当に一研究機関としてなされるのは本当に素晴らしいことだと思う んですが、今一つよくわからないのですが、NRを独立行政法人国立健康・栄養研究所 認定栄養情報担当者というふうな、研究所としてはここで認定して普及して制度化する というのは大変なエネルギーだと思うんですが、これの位置づけは、まあMRでしたら メディカル・リプルセンタティブということで病院と医師と結ぶということなんです が、NRというのはどこにターゲットを置いて、これからどういうふうに、どのぐらい の規模でやっていかれる御予定なんですか。まずそこを一つお聞きしたい。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  今御指摘のように、メディカル・リプレゼンタティムという、MRをもじってNR、 ニュートリショナル・リプレゼンタティブにしたんです。NRは栄養学、食品科学の専 門家といいますか,研究者と、そして一般の人々の橋渡し役という位置づけをしており ます。NRの直接的な対応は一般の人々であるわけですね。先程も申しましたように、 健康食品については大体業界側からの情報であって、国民のための消費者のための情報 提供というのが、まず見ていただいたらわかると思いますが、書籍店にもございませ ん。そういうデータベースがなかったということです。実はアメリカにはかなり完備さ れていると思います。私どもの情報ネットワークでは、現時点ではまだ100成分、食品 しか集まっておりませんが、これから増やしていきたいとは思っております。有効性に 関する情報、それから安全性に関する情報、さらに他の食品や医薬品との相互作用に関 する文献をレビューして、それをまとめたものを常時このNRの人たちに流していっ て、その人たちが噛み砕いて一般の人々の相談にのってあげる、あるいはそういうサプ リメントを売っている職場においては適切な情報を提供していただくというスタンス で、医師とか薬剤師とかが対象ではなくて、一般の人々をNRの直接の対象としており ます。  NRの適切数を予測するのはなかなか難しいわけでして、医師であれば国民あたりい くらであればという算出もできるわけですし、あるいは国際比較もできるんでしょう が、全くそういう前例がありません。しかし、全国に網羅していくには少なくとも3,000 人ぐらいの規模は維持したいなと思っております。これも全くのどんぶり勘定でありま す。科学的根拠はございません。 ○岸委員  この方たちは実際にはどういう場所で働いてらっしゃるんですか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  薬剤師、管理栄養士を基盤にしておりますから、多分、薬局・薬店ドラッグストアと か、あるいは百貨店の健康食品売り場とか、あるいはスーパーとか、将来的には、健康 食品専門店です。そして市町村保健センターなり都道府県保健所で栄養士や薬剤師の資 格をもっておる方がこの資格をとっていただいて、そして地域の人々に食育、栄養教育 等をしていただけたらと期待しています。いろんな健康障害が起こってきた時には保健 所へまず届けられますから、その時に当面の対応をしていただきたいと思います。そし て私どものネットワークを通じてその情報を寄せていただく、そして私どもはそれに基 づいて文献検索、あるいは場合によっては疫学調査も辞さないという構えでおります。 そしてその情報を地域のNRにお返しする、そしてNRは一般の住民に情報を提供、共 有していただく、そういうようなことを構想としては考えております。 ○酒井委員  この中で評価の13、外部評価のことについての評価で、自分でうまく整理できないん ですが、今日ずっとお話を伺っていて、リーダーシップに基づいて内部での評価を非常 に厳しくやってられる。そういう目でもってこの外部評価のスライドの中身を見ていま すと、どのぐらい皆さんたちにとってこの外部評価の結果が運営に反映する、そのメリ ットがどういうところにあるのかなということで、そして先程最初のところで内部評価 と外部評価がどのぐらい一致するかという相関図を二つ出していただいていて、あれは バラツキは当然大きいわけですが、私が見るところ外部評価よりは内部評価が厳しいと いうふうに見えるんですね。そうするとそれだけの中での取組をやっている時に、外部 評価がどういう機能しているかなということで、評価が今少し戸惑っているんですが、 少し御意見をいただきたいんですが。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  ここに書いてあるのは文章だけでありますが、これもこの評価委員会と同じようにS からCまで、まあCはつけていただいておりませんが、S・A・Bという形で評価をし ていただきます。この外部評価委員会の時には部長及びプロジェクト研究のリーダーが 参加し、質疑応答に直接対応しておりますし、厚生労働省の厚生科学課の方もオブザー バーとして来ていただいております。その中で評価を部長クラスは聞いておるというこ とであります。そして今度は部長会でも評価結果を報告して、そして部長から各研究員 にわたるようにしております。  この場合はしかし個人評価ではありません。いわゆる課題別の評価であります。、個 人評価は内部評価が中心であります。私が直接面接してやっています。研究所内の外部 評価委員会では、プロジェクト研究ごと、あるいは部の研究ごとの評価であるというと ころで、ちょっと視点が違うというふうにも思います。ここでやっていただくのは機関 としての評価をしていただく。このように、個人、プロジェクト、機関というように、 評価は3階層に区分されています。  先程のは創造的基盤研究の評価の相関図であって、あれを見たら外部評価も内部評価 もまあまあよい相関が得ておるということであります。若手研究者の個別の基盤的創造 特別基礎奨励研究の評価の相関図であります。所内の外部評価委員会というのは、プロ ジェクト研究ごとの、課題の評価をしていただいておるということであります。 ○黒澤委員  パワーポイントの34頁の15、インターネットの活用のことですが、ここでアクセス件 数が118,529件、これは非常に多いわけですね。これは結構なんですが、そして前年度 に比較しましてもかなり伸びている。167%伸びていますね。ところでインターネット の活用というのは実は最近普及しておりますが、裏側の事情は非常に負担が大きくなっ てきていると言う現状があるんですよ。  ですからそういう意味でこれは専任者を置いてやっていらっしゃるのか、あるいは外 注してやっていらっしゃるのか、コスト的な問題ですね。どういう位置づけで、これは 積極的に対応されるのはいいと思っているんですが、やはりコストの負担が増大してく ると思うんですね。特に専任者を置かないと運営が難しくなってくると思いますので、 その辺の取組みをちょっとお話いただければと思います。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  これは所内の、外部評価委員会でも御指摘いただいたところでありますが、この大枠 を作るというのは業者にお願いいたしました。実際上は研究員でコンピュータに強い者 で部長クラスのものと、室長クラスの者、2名がものが直接的にこれに対応しておりま す。ですからその人たちに負担をかけておるのは事実であります。それから技術的な面 で1人非常勤職員を置いております。それぐらいの体制ですね。ただ、いろんなことを アップデートしていく時には研究員自身が各目パスワードで入って行けますから、例え ば業績等のことにつきましては研究員自身が自分のものを更新していくということをも やっております。 ○吉池研究企画評価主幹  効率化という観点からは、実際に研究員クラスの者が作業要員として必要になるわけ ですが、派遣会社から栄養学のこともわかりながらこういう仕事をする人を雇い入れる と、直接研究者を雇うよりもコスト的に半額になっているというようなことは、一つ目 に見えての効率化であるというふうに思っています。 ○黒澤委員  この内部者でやりますと研究業務と取り合いが始まるんですよね。実際私もインター ネットでしょっちゅう使っているのでよくわかるんですが、自分の研究からはみ出し て、面白いんですよね。インターネットって極めて面白いんですね。ですからアクセス を始めますとキリがないという感じがありまして、研究者の方のパワーがそちらの方に そがれてしまう可能性もあるわけです。ですからその辺はむしろ今後の問題と思います が、むしろ専任者を置いて運営される方がいい場合が多いという状況もあるんですね。 そうしませんとこのアクセス件数が伸びている伸びていると喜んでいますが、現実問題 としては私は喜ぶべきことではない場合もあるということですね。  それからもう一つ重要なのは、質的な意味があるんですよ。単にアクセス件数が増え ていると喜んでいますが、質的な対応があるかをどうかですね。この中身ですね。それ で双方向型の情報提供が、いろいろやられているようですが、これをやり始めますと大 変なマンパワーが必要になってくる。こういう問題が起こっているんですね。ですから 最近はソフトウェアでアンケートなんかも自動化して集計する方法も考えられています が、そういう対応がこれからますます重要になってくる。  栄養研さんの場合は非常にこれに力を入れてやってらっしゃるので、私もホームペー ジを見ていつも感心しておるんですが、非常に負担が大きいんじゃないかなというイメ ージを持っておりますので、今後の課題と思いますが、今の内部でやってらっしゃると いうことはよくわかりましたので、了解いたします。 ○大久保部会長  他に御質問の方はいらっしゃいますか。それでは評価をお願いいたします。 [個別項目20〜23の評価] ○大久保部会長  それでは次に進ませていただきます。最後になりますが第4グループの評価シート項 目20〜23まで、実績について御説明をお願いいたします。 ○吉池研究企画評価主幹  評価シート29頁です。交付金以外の収入の確保ということで、先程一度説明をさせて いただいたことでございます。収入の内訳についてはそこに記載している通りでござい ますし、4億1千万円の収入というのは前年度、前々年度から大きく伸びているという ことがございますので、自己評価Sをつけさせていただいております。  評価シート30頁です。予算収支計画及び資金計画です。基本的には中期計画・目標に したがって実施をしたわけですが、収入という面で増加があったということについて は、先程お話をさせていただいた通りでございます。支出につきましては2,243万円下 回ったというようなことでの、トータルの面では節約がかかっているというようなとこ ろでございます。収入については研究所の特性を活かした請負受託事業を多く受けるこ とができた、支出については物品の購入、旅費等の節約で達成できたというふうに考え ております。財務上の処理については予定通り処理をさせていただいたということで、 評価Aといたしております。  評価シート31頁です。施設・設備に関する計画です。私どもは土地建物がないので備 品関係しかここに該当するものがないわけですが、1番目としてはプール等の設備の共 同利用をはかるということで一歩進んだということでございます。あとは備品の購入で ございますが、当初中期計画では細胞自動解析システムを計画しておりましたが、これ は変更をいたしました。この機械自体は感染症研究所の中にもありますし、比較的外注 などでも測定に対応できるというような状況になっておりますので、これを導入する代 わりに、より細胞レベルでの観察を研究の中でこまめにやっていくという意味で、倒立 電動顕微鏡及び画像解析システムを導入したということで、大きな変更はございました が、より前向きな形で執行したということで自己評点をAとしております。  評価シート32頁,人事の計画でございます。新規職員の採用について、2名の研究職 員の採用は全て公募任期つきでございます。また2名の公募にあたっては、これはプロ ジェクトへの参画という意味で、新しい考えに基づいての採用、配置をしております。 また人事管理の一環としての個人評価についてはすでに御報告を申し上げた通りでござ います。自己評点Aでございます。以上です。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは御質問等をお願いします。 ○清水委員  経費のこと等、あと収入のことにつきましてもまた整理した上で御報告させていただ きたいと思いますが、一点だけ確認させていただきたいのは、最後に施設設備に関する 計画のところで、機器の購入に変更があったということでございますが、これは今の御 説明ですと同じ目的に変更後のものを使えるものということで、より効率的廉価だから 変えたと、そういうふうなことでございましょうか。 ○吉池研究企画評価主幹  この辺の測定機器も時代とともに変わるものでございます。当初では細胞分析という 2〜3千万の機械だと思いますが、それを予定をしていました。ところがそれによる測 定が外注でも対応できそうだというようなこともあり、そうした時にその機能の一部を カバーしながら、全く同じものではないわけですが、この倒立型電動顕微鏡を購入する ことによって、実際研究上は、どういう指標で、栄養成分を付加した時に細胞内でどう いう営みが起こるかどうかを機能的に画像解析をするというものですが、新たな機械を 入れた方がコスト的にも節約でき、よりその目的に合致したものが導入されるというこ とから変更をいたしました。同じものではございませんが、旧来の目的をカバーしなが ら、より新しい研究の流れにマッチしたものが導入できたと考えております。 ○清水委員  では同じ研究目的に資するものということでございますね。その研究の項目は何とい う研究なんでございますか。 ○吉池研究企画評価主幹  研究につきましては、基盤的研究業務のところの4番目です。その中で食品の栄養成 分を分析をするというようなところがございました。また、それは業務的には特保等の 食品の分析にも関わるわけですが、要するに食品中に含まれるいろいろな栄養成分につ いて、その機能を解析をしていこうというようなことでございますので、新たに変更し たことによって、より新しい考え方での分析や、新しい技術で解析ができるようになっ たということでございます。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  パワーポイントの27頁の上の研究であります。 ○大久保部会長  他に御質問の方はいらっしゃいませんか。 ○岸委員  少し教えていただきたいと思うんですが、独法化して4年ぐらい経っておりますね。 私も大学で教員をしておりまして、いろんな研究を前に進めるという時に、事務職員の サポートといいますか、意識変革とか、そういうことが非常に重要に思うんですが、こ れは大変見易い活動の書類ですが、こういうようなことを研究所の研究をなさっている 方ばかりじゃなくて、かなり事務職員の方がサポートされていると思うんですが、そこ らへんの研修や何かはどういうふうにされているんでしょうか。 ○鈴木事務部長  その辺は事務職の者と研究職の者が協力をして作っているわけですが、パワーポイン トの作成等、現実的なところは研究の方におぶさっているところがございます。 ○岸委員  教員ですとファカルティ・ディベロップメントと言って、毎年毎年私もタスクグルー プに入らされたり、いろいろするんですが、そういうことはやってらっしゃらないわけ ですね。大学も本当にそうなんですが、研究者のレベルアップと、企画とかマネジメン トとか、そこが両輪だと思うんですね。それでちょっとお尋ねした次第なんですが。 ○大久保部会長  他に御質問の委員はいらっしゃいますか。それでは評価の御記入をお願いします。 (各委員 評価シートに記入) (2)その他 ○大久保部会長  それではお済みのようですので、長時間にわたりまして大変お疲れさまでございまし た。最後に何か全体的な点について御質問、御意見をお願いいたします。 ○黒澤委員  ちょっとお伺いしたいんですが、運営交付金以外の収入ですね、これは今後もどんど ん伸びるという見込みでやってらっしゃるんですか。まあ基本的には国が期待している 方向だとは思うんですね。しかしこれをずっといって、かりに半分ぐらいは自前で調達 できるよということになるのかどうかですね。これは国が期待している方向はそうだと 思うんです。本質的にね。ですがこれが現実問題としてそういう方向にいけるかどうか の見通しはいかがでございましょうか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  詳細を見ていただいたらわかると思うんですが、やっぱり本省の方に事業請負という 形で、卑近な言い方をしますとせびりに行っておるわけですね。これは本音の話です。 こういうことをやりたいからしてくれもありますし、本省側もこれをやれ、そうすれ ば、別に研究事業業費をつけるというところが大部分を占めておるんです。もっと政府 機関以外のところからとっていきたいとは思っておりますが、なかなか苦しい面があり ますから、先生のおっしゃるような予測というのはまだ私の力では及ばないところが正 直な話でございます。  ただ、これも政府機関になるかもしれませんが、文部科学省の方の科学研究費という のは、国研は非常にとりにくいですね。最近大学指向ということがかなり全面的に出て いましたので、国研は、以前にも増えて、獲得が難しくなってきましたが、16年度に は、15年度の倍以上とることができました。ですからできるだけそういう努力はしてい きたいとは思っております。寄附研究部門もその一環ではあるのではないかと思ってお りますが、先程黒澤先生御指摘のホームページの維持も寄附研究部門ぐらいを狙わない と、人員はとれないのではないかなと思っております。  また泣き言になってしまうのですが、間借り人でございますので、もうスペースがな くなってきているんですね。ですからもし拡充していくとすれば、どうスペースをやり くりするかということをも大きな悩みになっています。何か答にはなりませんでした が、おっしゃる通りできるだけ外部資金をとりに行きたいという気持ちでおります。そ のような努力をしてきたことが反映されてはいますが、将来はどうなるかわかりませ ん。自からが、稼ぎ、そのお金で研究していくというのは、あるいは、研究のタシにし ていくというのは、なかなか難しいようであります。 ○黒澤委員  栄養研さんが一番成果をあげているんですね。ですから先進的に取り組んでいらっし ゃるというふうに私は理解しているんです。他の研究所の場合はむしろ非常に難しい面 がありますが、わりと時代のニーズにあった領域がございますから、対応次第ではいけ るのかなという感じもちょっと持ったんですが、どうですかと、こういうことでござい ます。ありがとうございました。 3.閉会 ○大久保部会長  それでは時間も大幅に超過をしてしまいました。熱心に御議論をいただきまして大変 ありがとうございました。最後に今後の予定につきまして事務局の方からよろしくお願 いいたします。 ○事務局  それでは事務局より次回の予定について御案内申し上げます。次回につきましては8 月11日(水曜日)でございます。10時から12時まで、当建物の18階でございますが、第 22会議室におきまして今まで御審議をいただきました三つの研究所におかれます個別評 価の確定、あるいは総合評価に向けたフリートーキング、並びに財務内容等につきまし てまた御審議を頂戴したく思っておりますので、一つよろしくお願いいたします。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは本当に長い間ありがとうございました。なお、清 水委員の方から昨日の産業安全医学総合研究所に宿題が一つと、それから今日栄養研さ んの方に一つ出ておりまして、これにつきましては先程の事務局の御報告のありました 8月11日に何らかの形で御報告をいただくということでよろしゅうございますでしょう か。 ○清水委員  8月3日にいただきまして、それをまとめて11日に委員の方に御報告するということ でよろしいと思います。 ○大久保部会長  3日だそうですので、よろしゅうございますでしょうか。それでは8月3日によろし くお願いをいたします。昨日も申し上げましたが、評価シートの書き込みに時間をいた だいておりますので、まだの方はぜひお残りいただいて、そのままお残しいただいてお 帰りいただきたいと思います。それでは今日の評価委員会を終わりにさせていただきま す。どうもお疲れさまでした。                                    (終了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)