04/07/22 独立行政法人評価委員会第8回調査研究部会議事録         厚生労働省独立行政法人評価委員会 調査研究部会                          第8回議事録                          日時:平成16年7月22日(木)13:32〜17:00                    場所:経済産業省別館1028会議室          出席委員 岩渕委員、大久保委員、黒澤委員、酒井委員、清水委員、武見委員、      田村委員、政安委員 1.開会 ○大久保部会長  定刻になりましたので、岩渕委員が5分前後遅れてお見えになるということでござい ますけれども、ただいまから第8回独立行政法人評価委員会調査研究部会を開催させて いただきます。  委員の皆様におかれましては本当にこの暑い中を、また期末の大変ご多忙な中をお集 まりいただきましてありがとうございます。きょうは五十嵐委員、岸委員、安井委員が ご欠席でございます。  まず初めに事務局から、本日の議事につきまして簡単にご説明をお願いします。よろ しくお願いいたします。 ○川尻政策評価官  政策評価官の川尻でございます。座って失礼をいたします。  本日の議事でございますけれども、まず最初にこの夏、この調査研究部会におきまし て、どういうスケジュールでご審議をいただくかということをご説明させていただきま す。2点目に、各法人の実績評価の中で個別評価項目の評価をどういうふうに進めるか ということで、去年の復習のようなことになりますけれども、それをご説明させていた だいたあと、本日は産業安全研究所の個別項目の評価、こういうものをやっていただく ということにしております。  それから参考資料の1−1というのをつけておりまして、手違いがいくつかあって大 変申しわけないのですが、今回、田村先生の所属にご変更があったので名簿をつくりか えさせていただいたのですが、先ほどこの場で確認をしましたら、横浜国立大学の客員 教授にご就任されたということをお聞きしまして、本日の部会が開かれている間にもう 一回資料を差しかえさせていただこうと思っております。とりあえず冒頭は以上でござ います。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは当面の調査研究部会のスケジュールにつきまして 、事務局よりお願いいたします。 2.議事 (1)当面の調査研究部会のスケジュール等について ○川尻政策評価官  それでは資料1−1から1−3までを使いながらご説明をさせていただきます。基本 的には資料1−1でございます。袋に入っていない資料ということで、よろしゅうござ いますでしょうか。  資料1−1、「当面の調査研究部会のスケジュールについて」という紙でございます 。このスケジュールにつきましてでございますが、大きく1.と2.というふうに書い てございます。大きな1.のほうは、昨年もこの部会でやっていただいたことというこ とでございますので、同じような流れでございますが、簡単にご説明をさせていただき ます。  まず、大きな1.「平成15年度独立行政法人の業務実績に関する評価について」とい うことでございますが、最初に(1)ということで、本日、7月22日の第8回から7月30 日の第10回の3回にわたりまして、3つの法人ごとに業務実績について、委員の先生方に お聞き取りをいただきまして、個別項目ごとに、S、A、B、C、D、5段階での評点 をいただく。それから評点の関係で理由を書いていただいたり、あるいは理由以外に特 記事項がある場合にはそれを記入いただくと、こういうシリーズが3回ございます。  それから8月11日を予定しておりますが、第11回が総合的評価に関する意見交換とい うようなことでございまして、最初にまず個別項目ごとの評点結果を踏まえてフリート ーキングをいただくということをしております。その際に、かつて自分でおつけいただ いた評価点、これを変更していただくことも可能というようなことで、ここで最終的に は評点を確定していただくということを予定しております。  それから(2)でございますけれども、財務諸表に関する意見についてのご審議というこ とでございます。これは独立行政法人通則法によりまして、各年度の実績評価とは一応 別に、財務諸表について評価委員会のほうからご意見をいただくという、こういう手続 きになってございまして、あらかじめ清水委員あるいは岩渕委員に詳細に財務諸表をチ ェックをしていただいた上で、これについてのご審議をいただくというようなことを予 定をしております。  それが終わりますと、起草委員をそれぞれ各法人ごとに決めていただきまして、総合 的評価書、文書でございますが、それを起草していただく手順になります。その起草委 員の関係でございますが、ちょっと資料番号が飛んでおりますが、1−3というものを ごらんいただければと思います。起草委員名簿(案)でございますが、3法人の関係、 それから財務諸表等の関係という形で、4つのグループに分けまして、それぞれの担当 を、去年の実績を踏まえましてこういう形でつくらせていただいております。あと、印 の関係。○印がついているものは、起草自身は大体3人ないし2人の委員のほうでやっ ていただくわけでございますが、この部会の場でご報告いただくという委員をそれぞれ ○印でつけさせていただいております。  もし何かご意見がありましたら、まだ起草は先でございますので、お寄せいただけれ ば部会長ともご相談をさせていただいて調整することは可能だと思いますけれども、と りあえずこんな形で予定をさせていただいて、それぞれの法人についてよく見ていただ くと言うと変でございますが、そういう心づもりでこれから進めさせていただければと いうふうに思っております。  資料1−1に戻りまして、その1の(3)でございます。8月20日に第12回というの を予定しております。これにつきましては、まず総合的評価書の取りまとめということ で、起草された総合評価書の案をそれぞれご審議いただきまして確定をさせていただく 。それから財務諸表に関する意見、これについてもお取りまとめをいただくというのが 、第12回目の前半部分というようなことを予定しております。  例年ですと、これで夏のシリーズは終了ということでございますが、今回新しくこの 部会で行っていただくものとして、2.がございます。独立行政法人中期目標期間終了 時の見直しの前倒しの関係でございます。これを8月20日の12回の半分と、8月24日第1 3回、2回に分けて予定をしております。このバックグラウンドの資料が、資料ナンバー で申し上げますと資料1−2でございますが、きょうはできるだけ簡略化するために1 −1でご説明をさせていただきます。  そこで、2.のところで何行か文章が書いてございます。6月4日に閣議決定をされ ましたいわゆる「骨太方針2004」という中で、各府省は平成17年度末までに中期目標期 間が終了する独立行政法人、全省庁合わせますと56法人ございますけれども、それにつ いての組織・業務全般の抜本的な見直し、本来であればそれは来年度やればよいわけで ございますけれども、その検討を平成16年夏から着手して、平成16年度中に相当数、全 部ということではなく相当数結論を得るということが決まっております。  そのためにどういうスケジュールになるかというのが、次のパラグラフでございます 。したがって各府省は、その省ごとの独立行政法人評価委員会、まさにこの部会でござ いますが、そこに審議を依頼しつつ、各法人の見直し素案をまず本年8月末をもって準備 をすると。それで、ちょっと文章を書いておりませんが、それを総務省に提出いたしま して、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会のほうでヒアリングをやりまして、 そしてどの法人が平成16年中に見直しの結論を得る法人かということを選定する。これ が一応9月の末というふうに言われております。  したがいまして、とりあえずこの調査研究部会でやっていただきたいのは、調査研究 部会所管の3法人、まさにこれから評価をいただく3法人につきましては、この17年度 に中期目標期間が終了する法人という形になっておりますので、それぞれ8月末までに 見直し素案というものを総務省に出さないといけない。それについてのご審議をとりあ えずいただきたいということでございます。  念のため申し上げますと、そのあと総務省のほうでどの法人とどの法人が見直し対象 だというふうに決まりますと、またその具体的な組織あるいは業務の見直しについて、 いつかこの部会でご議論いただく、おそらく10月に入って以降だと思いますが、そうい うようなことも考えられるというようなことでございます。  いずれにしましても細かいことは、この2.の関係はよくわかっていないことがござ いまして、場合によってはより前倒しでご議論いただくというようなこともあるかもし れませんけれども、とりあえずは今申し上げたような流れで進めていきたいと思ってお ります。  今申し上げましたものを時系列的にまとめたものが、この資料1−1の別添という形 で、2枚目をごらんいただきますと、第8回から第13回まで、こんな日にこんな時間帯 でこんなテーマでご議論いただく、ということを整理しておりますので、よろしくお願 いいたします。以上です。 ○大久保部会長  ありがとうございました。大変濃密なスケジュールでございますけれども、何かご意 見あるいはご質問等ございましたら事務局のほうにお願いしますけれども、委員の先生 方、ございますでしょうか。特にございませんですか。 (2)独立行政法人の個別評価の進め方について ○大久保部会長  それでは次の議題に移らせていただきます。本日からの個別項目の評価の進め方でご ざいますけれども、事務局から資料は用意されていますので、ご説明よろしくお願いし ます。 ○川尻政策評価官  それでは資料1−4でございます。個別項目に関する評価の進め方について、ご説明 を差し上げます。これも昨年と同じ手順ということでございますので、ごく簡単にとい うふうに思っておりますが。  まず第8回に、本日でございますが、産業安全研究所。そして次回、第9回に産業医学 総合研究所。そして第10回、次々回が国立健康・栄養研究所と、こういう順番によりま して、各法人のすべての個別項目について、まず評価を行っていただくということでご ざいます。  そのやり方といたしましては、まず去年の……、去年のというのは、14年度の実績を この部会でやっていただいたことについて総務省の委員会のほうでもいろいろ議論をし ておりまして、当初の委員会というか、当初の法人関係だけではありませんが、いくつ か意見が出ているようなところもございます。そういうことも踏まえまして、評価の視 点自体を若干追加させていただくという作業が必要になっておりまして、それをまず説 明をさせていただくというのが(1)でございます。  (2)は、法人理事長のほうから15年度の業務に関する重点事項について総括的な報 告を行うということでございます。  そして、(3)が一番メインの作業といいますか業務という形になりますけれども、 それぞれの法人ごとに20ほど個別項目がございます。具体的には、1枚めくっていただき ますと各法人ごとに整理をしてございますが、大体21、22、23ぐらいの項目がございま す。1つずつやっていきますとちょっとこれ、時間がかかるような気もいたしますので 、それぞれの個別項目を4つに分けまして、グループごとに数項目を法人のほうからご 説明をいたします。そして、そのグループごとの説明につきまして質疑を行っていただ きまして、点数や理由等をご記入いただくという時間を設けようというふうに思ってお ります。これを都合4回繰り返していただくというような形になります。  それから評価の記入方法でございますが、これも去年やっていただいているので同じ かと思いますけれども、まず評価点を記入いただく場合にはできる限り理由を付してい ただきたい。特にSあるいはDという、一番いい、一番悪いという評定をする場合には 、必ず理由を付していただきたいというふうに思っています。それから、理由というこ とではないのだけれども特に言及する事項というのがあれば、それもここで記入をいた だくというルールにしてございます。評価にあたりましては、前回の部会でいろいろご 説明しておりますけれども、総会のほうで一部見直しがされました独立行政法人の業務 の実績に関する評価の基準、それからこの部会でそれを補うような形で細かくお決めい ただいた細則、あるいは評価の視点、こういうものをご参考にいただきながら評点を記 入いただければというふうに思っております。  それから、それが3回のシリーズが済みますと、第11回の部会におきまして各委員の 評点を事務局のほうで集計させていただいた結果をお出ししまして、そしてフリートー キングを行っていただきまして、各委員の評点を再チェックしていただくということを 予定しております。そして、それが確定いたしますと、もう一回事務局のほうで評点を 再集計いたしまして、個別項目に関する評価というものを最終的に取りまとめるという ような予定で進めさせていただこうと思っております。以上でございます。  それから、もうこれも去年やっていただいているのであれでございますが、今申し上 げましたような事務局の作業がございますので、本日ご記入いただきました評価シート につきましては、持って帰っていただくと事務局のほうで集計ができませんので、この 場に置いていっていただければというふうに思っておりますが、その点もよろしくお願 いいたします。以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございます。ただいまの事務局のご説明に何か質問等ございますか。特に ございませんでしょうか。それでは今の事務局の説明どおりの方法で評価をさせていた だきます。よろしくお願いします。  ほかにご質問ございませんでしょうか、全体的に。 (3)独立行政法人産業安全研究所の個別評価について ○大久保部会長  それでは本日は、産業安全研究所について評価を行います。評価に入ります前に、評 価シートの形式の一部変更について事務局から説明をお願いします。 ○川尻政策評価官  きょうは産業安全研究所の評価シートが、袋に入っておりますが、ついてございます 。若干その様式といいますか書き方を、本当に一部変更をさせていただいたところがご ざいます。もしよろしければ、本日の配付資料の3−3−1あたりをごらんいただけれ ば、1ページ目をごらんいただければと思いますが。  実は昨年のこの部会の国立健康・栄養研究所の実績評価の際に、岩渕委員のほうから お話がありまして。今ごらんいただきますと、評価シートの1ページ目の下のほうでござ いますが、下の真ん中あたりに自己評定、それから理由及び特記事項というような言葉 がございますが、ここら辺に、法人の中で外部評価委員会が設置されている場合に、そ の外部評価委員会、法人内部の外部評価委員会の評点をずらっと並べていたり、あるい はきょうの時点ではこの自己評定の欄を空欄にしておりますけれども、そこに法人のほ うで自分が評価した点数をS、A、B、C、Dのどれかでございますが、それを書いて おったというのが去年の評価シートの最初の出し方でございましたが、これが最初から 入っているとちょっと誘導的に過ぎるのではないかといったような趣旨のご意見を、岩 渕委員のほうからいただきました。  したがいまして、今年のシリーズではどうしているかというと、まず法人内部に設置 された外部評価委員会というのがあったとしても、その評点はこの評価シートの中には 書かない。それから自己評定も、とりあえず最初にお出しするときには書かないで、資 料としてお出しをするということにさせていただきました。ただ、やっぱり法人の自己 評価は、それはそれで大事なことではないかというお話も以前からございますので、最 終的に総合評価書等々をまとめていくような段になりましたら、この自己評定の欄はす でに法人のほうではもう決めておりますので、それを書くと。最終的にはこの法人の自 己評定などが入るのですけれども、個別の点数をつけていただくときには、隠した形で というか空欄にした形で用意をさせていただくと、こういうふうな工夫をさせていただ いております。以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。今のご説明に何かご質問あるいはコメントはございますか 。 ○清水委員  1つ質問を。 ○大久保部会長  どうぞ、清水委員。 ○清水委員  自己評価については、あとからお知らせいただく機会があるというふうなお話である かと思いますけれども、これは具体的には11回目か何かの確定のときか何かに見せてい ただくということですか。 ○川尻政策評価官  はい、そうです。11回目のときに、集計結果をお出しするようなときに用意をさせて いただこうと思います。いや、そういう形でやらせていただいたのですが、もし何かご 意見があれば、また今回のシリーズでも、あるいは来年でも、また工夫をするという余 地はあると思いますけれども、一応事務局としては、3回の個別評点の際には隠した形 で、ということでは考えております。 ○清水委員  これからご説明いただくのだと思いますけれども、その過程で、例えばここの項目に ついては自己評価の結果が知りたいということで質問等をすることも、ちょっと難しい ということでしょうか。 ○川尻政策評価官  それは、私自身は特段よろしいかと思いますけれども、それがよろしくないというご 意見があれば、ちょっと部会長のほうでご指示いただければと思いますが。 ○大久保部会長  今のご提案というかご質問でございますけれども、いかがでしょうか。よろしくない という。よろしゅうございますでしょうか。  どうぞ、田村先生。 ○田村委員  各機関の独自評価は、それはそれで非常に大事なものでございまして、我々もそうい ったことを参考にしながら評価したいと思いますが、問題は各機関によってその辺のつ け方のレベルがそろっていないと。高いレベルで評価をつけておられるところですと、 我々これまそれを参考にしながらつけるものですからアンバランスになるといけないな ということで、むしろ3機関がある種のバランスでつけておられるのであれば、これは これなりに非常に貴重なものではないかというふうに思います。今年度はそれをあとで 見せていただけるということであれば、それはそれで結構だと思います。 ○大久保部会長  ほかに? はい、どうぞ。 ○岩渕委員  去年、意見を言わせていただいたんですが、原則論としてはそういうことですが、具 体的な面で行きますと、去年はそれぞれの法人が外部の方を呼んでつけた点数までのっ ていたんです。だから、そこまでやられるとちょっといかがなものかと、私はそちらの ほうに非常に抵抗を感じたものですから。そういったようなことで、内部評価自体につ いては、皆さんのご意見でもう最初からあったほうがいいというのだったら、私は別段 それはそれで構わないというふうには思いますけれども。というようなことで。 ○大久保部会長  いかがでしょうか。 ○川尻政策評価官  そうしましたら、ちょっと私が受けていいのかわかりませんが……。 ○大久保部会長  ただいまのご質問の件については、よろしゅうございますか。 ○川尻政策評価官  ええ。まず、質問は……。 ○大久保部会長  これはよろしゅうございますね。 ○清水委員  個別には質問してもよろしいということで、認めていただけるわけですね。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか、委員の先生。それでは、いいということで。 ○川尻政策評価官  それからもう1点、今確認していて。ですから今、岩渕委員のほうからそういうお話 がありましたので、法人の内部に設置された外部評価委員会の点数さえついていなけれ ばよいのだというふうにこの部会でお決めいただきましたら、ちょっときょうのこの法 人は間に合いませんけれども、次の法人からは自己評点は入れるということは可能でご ざいますが、そこはまさに部会の進め方でございますので、お決めいただければいかよ うにもいたします。  それから、もし、やっぱりきょうの法人についてもあったほうがよいというのであれ ば、それは説明する中でちゃんと、それぞれの項目ごとに言ってもらうようにいたしま す。 ○大久保部会長  そういたしますと、どういたしましょうか。今、ご意見をください。  どうぞ、黒澤委員。 ○黒澤委員  これはやはり自己評価は、自分たちがどう思っているかですからね。これははっきり と書いておいたほうがいいと思いますね。我々も相対的な感覚で見られますから。その 辺は、外部評価とは意味がかなり違うと思います。その点からよろしく。  私は、もし必要であればきょう入れていただいてですね。評価法はわかっているわけ でしょうから、ちょっと入れていただければいいのではないかと思いますけれどね。 ○大久保部会長  ありがとうございました。ほかにご意見のある方いらっしゃいますか。  どうぞ、清水委員。 ○清水委員  昨年もお話したのですけれども、やはりこの評価というのは、当初の例えば計画に対 する達成とか、そういったかなり相対的なものだと思いますので、やはり法人の方の自 己評価というのは、私は知りたいというように思っておりまして。きょうも、もしお話 の中で、「自己評価としてはどうだ」ということをちょっとお話ししていただけると、 私は助かると思います。 ○大久保部会長  全体としては、どうも評価があったほうがいいというご意見のようでございますけれ ども。そうしますと、きょうの産業安全研究所の分も含めてということにさせていただ いたほうがいいように思いますが、いかがでしょうか。 ○川尻政策評価官  そういうことでご決定いただいたということであれば、きょうの産業安全研究所の関 係では、ちょっと資料をまた取り寄せて書いてという作業はなんでございますので、個 別項目を法人のほうから説明するときに。では、最初に資料を確認いただくときに、自 己評点の点数も順番に申し上げるようにいたします。それから、ほかの2法人につきま しては、では自己評点の点は入れた形で、次回以降の資料として準備をさせていただく ようにいたします。 ○大久保部会長  はい。では、ご面倒でもよろしくお願いをいたします。  ほかに何かご意見のある方? はい、どうぞ。 ○田村委員  その件について、いいですか。先ほど申し上げましたように、各機関が、例えばSを いくつつけてAをいくつつけたかということはやっぱり回答していただいたほうが。ど ういうふうなバランスレベルでそれらをつけておられるかというのは、やはり重要なこ とだと思いますので、それもつけて出していただければありがたいと思います。 ○大久保部会長  事務局はよろしいですか。 ○川尻政策評価官  そうですね。最終的に集計はできると思いますけれども。それぞれの回ごとにまず法 人のほうでつけてまいりますので、それを何か一覧表の形で見えるようにするというこ とは、最終的には可能でございます。 ○田村委員  結構です。 ○大久保部会長  それではそういういうことで、すでに評価をされたものにつきまして、参考にしなが ら評価を進めさせていただくということでよろしゅうございますか。ありがとうござい ました。  評価に入ります前に、評価手順及び時間配分等につきまして事務局よりご説明をお願 いします。 ○川尻政策評価官  わかりました。では、手順のほうを先にご説明いたします。それから、評価の視点の 関係はあとで担当課のほうからご説明いたしますが、先ほど若干ご説明いたしましたけ れども、個別評価の関係はまず理事長のほうから、平成15年度の事業のうち特に重点的 な事項というものをまず10分程度でご報告をさせていただきます。  それから、4つぐらいのグループに分けると申し上げましたけれども、その4つのグ ループごとに大体法人のほうから説明時間を20分、その説明に対する質疑時間を10分、 それを踏まえて各委員で評価シートにご記入いただく時間を10分ということで、1グルー プあたり40分という計算になりますが、それを4グループやっていただくということで 、掛けますと160分というような時間になっております。  そういう4つのシリーズをやっていただいたあとに5分ほど、総括的にもう一回ご確 認をいただく時間をとっていただければ、というふうに思っております。一応の目安と いうことでございまして、それぞれのグループごとにめりはりはあろうかと思いますけ れども、そんな形でやっていただければ大体予定の時間でこの本日の部会を終えるので はないかというふうに思っております。以上でございます。 [評価の視点の追加について] ○大久保部会長  ありがとうございます。それでは、平成15年度の重点事項につきまして、産業安全研 究所の……。 ○川尻政策評価官  部会長、すみません。それで先ほど、冒頭に申し上げましたように、評価の視点のと ころは法人のほうではなくて、私どもの担当のほうでご説明をさせていただくというこ とでございますので、評価の視点の改正の点だけちょっと先に説明をさせていただきま す。 ○大久保部会長  失礼しました。それではよろしくお願いいたします。 ○田中労働基準局安全衛生部計画課調査官  それでは私、安全衛生部計画課の田中でございます。評価の視点の追加点に関して、 簡単にご説明申し上げます。  先ほど説明がございましたように、昨年の11月に総務省の政策評価独立行政法人評価 委員会から、「平成14年度の業務の実績に関する評価の結果についての意見」という形 でご指摘いただきました。この指摘の中に、この3つの独立行政法人共通ではございま したが、トップマネジメントの分析評価の実施等について、その範囲及び具体的対応策 を考えることを要望するとのコメントがございましたことから、平成15年度の実績評価 におきましてその評価の視点といたしまして、すでにお配りしておりますシートの2ペー ジ目にございますが、「第2 業務運営の効率化に関する事項」、「1 効率的な業務運 営の確立」、「(2)内部進行管理の充実」という部分におきまして、この部分がマネ ジメントに関する包括的な評価項目だろうということから精査してもらいまして、この 部分の評価の視点に「法人の長がリーダーシップを発揮したマネジメントがなされてい るか」という項目を追加させていただきたく、ご提案申し上げます。以上でございます 。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それではただいまのご説明、何かご質問あるいはご意見ご ざいますか。 ○清水委員  ちょっと確認させていただきたいんですが。 ○大久保部会長  はい。どうぞ、清水委員。 ○清水委員  すみません、さっきお聞きすればよかったんです。恐縮ですけれども、今回、一連の この部会の最後のほうに見直し案というのがあるという、この検討がございますね。こ の段階でいきなりこの素案をつくるということになろうかと思いますけれども、それに 先立つ個別のヒアリングというのは、個別の法人からご説明いただくのは、多分今回、 評価の場面が最後になろうかと思います。そういう見直し案をその十何回かに検討する にあたって、今回検討しておくべきこと、あるいは聞いておくべきことというふうなこ とというのが、ちょっと私、把握できないんです。どういう部分なのか、ちょっと見当 がつかないのですけれども、その見直し案と今回の評価の関係というのを、すみません 、ちょっとお教えいただけませんでしょうか。 ○川尻政策評価官  本当に私どももまだわからないことが多いのですけれども、一応考えておりますこと は、この3つの法人でございますけれども、実績評価をいただくのは今年でまだ3年目 、総会でやっていただいたときからまいりますと3年目ということでございますが、ま ずそういう評価をしていただいたことを踏まえて、3年分の評価を踏まえて、こういう 業務は効果が上がっていないから……。廃止するのか、強化するのか、両方の考え方が あろうかと思いますけれども、そういう議論があろうかと思います。  それから、まったくご参考までということでございますけれども、私どものほうで用 意しました資料の1−2というものをごらんいただきますと、見直しについてのいくつ かの指摘、あるいは与党の申し入れみたいなものがございまして、資料1−2の例えば 3ページをごらんいただきますと、これの(1)のあたりの最初のほうをごらんいただきま すと、「独立行政法人の中期目標期間終了時の見直しに当たっては、「民間にできるこ とは民間に委ね、地方にできることは地方に委ねる」との原則の下、法人の廃止・民営 化、類似業務を行う法人の統合、業務の民間・地方移管も含め、組織・業務全般につい て極力縮小整理する方針で見直す」というのが、与党からの1つの宿題ということでござ います。  それから、では政府のほうはと言いますと、2ページ飛んで5ページ目に、これは各 省の担当課長が今回の見直しに関して申し合わせた事項ということでございますけれど も、そのときの視点というのが3.で書いてございます。  まず、どういう法人を選定するかということについての1つの目安というのが書いて ございまして、3つの○を見ますと、「業務内容が類似する法人」でありますとか、「 対象分野が類似する法人」ですとか、あるいは「重要な法改正が必要など平成16年中に 結論を得ることが適切だと考えられる法人」とか書いていまして、まだまだ抽象的では あるのですけれども、とりあえずそういうことを考えながら、総務省のほうが中心とな って、どの法人を今年中に見直すかということが決まってくると、まあその段階でござ いまして。まだおそらく法人のほうでも、いろいろ議論はしているかと思いますが、で は実際にどういうところを見直すかというのは、まさに法人内部で議論をしている最中 とかいうことでございまして、今の段階で事務局のほうから、こういうところを見てい ただきたいということが言える段階にはないというような状況でございます。 ○大久保部会長  清水委員、よろしゅうございますか。 ○清水委員  はい。 ○大久保部会長 それでは、先ほどの評価視点についてご説明がありましたけれども、よろしゅうござい ますでしょうか。 [産業安全研究所の自己評定について] ○大久保部会長  それでは産業安全研究所の尾添理事長から、法人の平成15年度の事業のうち、特に重 点的な事項についてご報告をお願いします。 ○尾添産業安全研究所理事長  産業安全研究所理事長をしています尾添でございます。私の話を始める前に、先ほど この審議の中で決められました自己評価の関係につきまして、私どもの自己評定を今か ら申し述べさせていただきます。 ○前田産業安全研究所企画調整部長  産業安全研究所の研究企画調整部長の前田でございます。よろしくお願いします。  それでは、自己評定につきまして先にざっと申し上げますので、ご記入いただければ よろしいかと思います。座らせていただきます。  資料番号3−3−1、A3横長の評価シートでございます。表紙をめくっていただき まして、右下にページが書いてございますが、その1ページ目。これにつきましては、自 己評定がAでございます。  めくっていただきまして、2ページ目。これは自己評定Sでございます。  3ページ目は、自己評定がAでございます。  4ページ目は、自己評定Sでございます。  5ページ目。これは自己評定Aでございます。  6ページ目。自己評定Aでございます。  7ページ目。自己評定Sでございます。  8ページ目。自己評定Sでございます。  9ページ目。これも自己評定Sでございます。  10ページ目。自己評定Aでございます。  11ページ目。これも自己評定Aでございます。  12ページ目。自己評定Sでございます。  13ページ目。自己評定Aでございます。  14ページ目。自己評定Aでございます。  15ページ目。自己評定Sでございます。  16ページ目。自己評定Aでございます。  17ページ目が自己評定Sでございます。  18ページ目。自己評定Aでございます。  19ページ目。自己評定Bでございます。  20ページ目が自己評定Aでございます。  21ページ目。自己評定Bでございます。  集計いたしますと、Sが8か所、Aが11、Bが2、C以下が0となっているはずでご ざいます。以上です。 [平成15年度の事業の重点事項について] ○尾添産業安全研究所理事長  よろしいでしょうか。よろしければ、私のほうから説明をさせていただきます。座っ てよろしいでしょうか。 ○大久保部会長  よろしくお願いします。 ○尾添産業安全研究所理事長  まず初めに、行政ミッション型の研究機関として、行政とのかかわりについてごく簡 単に述べさせていただきたいと思います。  十分ご承知のように、国民福祉、その中で特に重要で大きな部分を占めます働く人々 の福祉の維持・向上というのは、国の非常に大きな責務でありまして、さらにその中で 今なお年間に50数万人の人が被災している働く現場で、働く人々の災害防止ということ は、とりわけ重要な分野でございます。  産業安全研究所は、この国の責務の中で、我が国唯一の産業安全を専門とする研究機 関として、調査研究という立場から、産業安全行政機関と密接な連携をしながら、我が 国の産業災害の防止、労働災害の防止、産業現場の安全水準の向上に寄与するという役 割と使命があるという認識のもとで、また今の組織体制であります独立行政法人制度の 設置趣旨を踏まえた業務運営によって、先ほど言いました社会的な役割と使命の達成の ために、職員一同、独法以後、非常に前向きにかつ積極的に、いろんな創意工夫を重ね ながら業務の推進を図ってきたということでございます。  時間はちょっと短いのですが、私のほうからは重点事項ということで、一部分になり ますけれども、手早く説明をさせていただきます。私が説明する内容につきましては、 評価シートが入っておりました3−3の資料集の中の、3−3−2というところに、説 明時資料ということで箇条書きに書いたものがございますが、その順番に沿ってお話を 申し上げます。  まず、今年から新しく評価の視点に入りました「法人の長のリーダーシップを発揮し たマネジメント」についてでございますけれども、独法として発足以来、安研としては 、法人の長は研究業務と管理業務すべてに陣頭指揮をとるというシステムを確立いたし まして、そのように行ってきたところでございます。また、これは昨年の評価委員会で も一昨年の最初の評価委員会でも、私のほうからは申し上げたのですけれども、法人の トップとしての基本方針の明確化ということで、安研の社会的な役割と使命及び独法産 業安全研究所としての業務運営にあたっての3つの基本方針というものを明確化いたし まして、これらへの職員としての対応について、職員への徹底を、トップとして自らさ まざまな手法、機会を通じて行ってまいりました。職員、組織全体として、そのような 結果、意識改革があらわれてきたと思っております。  ということで、この基本方針に沿ってさまざまな業務が積極的、前向きに取り組まれ て、推進されて、そのとおりに進んできたと考えているところでありまして、トップマ ネジメントについては、機能を十分に果たしてきていると考えています。  「業務の運営」に関しましては、独立行政法人制度の設置趣旨を踏まえた業務運営が 強く求められるという認識をしているところでございまして、これまで安研の機関運営 について、効率的かつ柔軟に行えるよう、組織体制に大きな変革、これは国立研究所時 代の4部2課から1課2部体制にして、それから所内会議・委員会の改変ですとか、各 種規程の整備を前向きに進めてきたわけですけれども、平成15年度におきましても所内 組織、所内会議、所内委員会、規程等につきまして、前年度までの実施状況を踏まえて 見直しを行って、運営の改善を図ったということで、その結果、成果を上げ、所内規程 等についても新たな制定、改定等を積極的に行ってまいりました。  例えばフェロー研究員制度を創設して、外部の優秀な人的資源の安研への取り込み体 制をつくるということも行いました。また、国全体の方針を踏まえ、若手育成型任期付 研究員の採用に前向きに取り組むとともに、採用情報の広報につきましても、いろいろ なチャンネルを駆使して積極的に取り組んで、適切な人材の確保を図ってまいりました 。  また平成15年度には外部研究評価会議、これは安研の内部につくっております、大学 の先生ですとか他の研究機関の研究者、企業経営者等の学識経験者15名の委員で構成を しておりますけれども、その中で安研の機関運営についてご意見、評価を求めましたと ころ、「比較的少人数の研究所でありながら、産業安全にかかわる多方面の研究や緊急 を要する災害調査に積極的に関与して成果を上げている」という評価を得ることができ たということでございます。  それから、適切な調査・研究課題を設定して的確に実施をするということにつきまし ては、調査・研究業務の内部進行管理というのが非常に重要でございます。これについ ては積極的に、前向きにいろんな工夫を凝らしながら行ってまいりました。まず安研と して特徴的なこととしては、理事長をトップといたします内部研究評価会議というもの を設置して、すべての研究課題、災害調査案件につきまして、担当研究者に年に2回にわ たりまして説明と報告を求めて評価を行う。その結果を、その研究計画の修正を含む進 行管理や、その成果の上がっている研究員へのインセンティブ付与等に活用していると いうことがございます。これにつきましては、平成15年度の安研の外部研究評価会議に おきましても、「安研の内部評価会議はその役割・目的を十分に果たしており、円滑に 研究を進めるための問題点や方向性を探る上で極めて大きな意義を有する」旨の評価を 得てきたところでございます。  さらに、監事による平成15年度監査報告書、これは3−4−2のところに、あとで見 ていただきますと入っておりますけれども、その監査報告書におきましても、この内部 研究評価会議につきましては、「特筆すべきものである」という指摘をいただいており ます。また、安研みずからが開発を進めてきました業務管理システムにつきましては、 データベースのリレーショナル化を行いまして、進行管理、個人業績評価に関する活用 の見込みがついたということでございます。さらに個人業績評価につきましては、前年 度までの試行結果を踏まえまして、ポイント方式を導入して、ほぼ満足する結果になっ てまいりました。ということで、内部進行管理につきましては、このように積極的に、 前向きに工夫を凝らして行ったというところでございます。  それから、独法体制下での新たな取り組みとして、研究用の施設・計器の有効活用の ために有償貸与に取り組んできましたけれども、ホームページその他、いろんな機会を 通じてPRを積極的に行って、毎年度件数がふえてまいりまして、初年度は1件で2年 目は3件ということで、3年目の15年度は5件の有償貸与を行ったわけでございます。 また、10件の共同研究の実施、それから学術団体との共催による安研所有の最新の機器 を活用したセミナーというものを新たに開催するなど、研究施設・設備の効率的な活用 を積極的に進めてまいったということでございます。  また、我々の調査・研究というのは、災害防止に役立つ適切な課題を設定して的確に 実施をするということとともに、成果の公表・周知がきちんとなされて、他の研究者で すとか、産業現場の人々、行政関係者、安全専門家等の関係者に届けることが重要であ るということでございます。そのため、成果の積極的な普及・活用には力を入れてまい りまして、その結果は国内外の論文、学会発表、研究報告書、災害調査報告書、技術誌 ・一般誌への投稿等を積極的に行いまして、中期目標数値が定められておりますけれど も、この数値は大きく上回る状況になっているという状況でございます。  また、実際の産業現場の人にとってわかりやすい形での成果の普及ということも、重 要なものの1つと位置づけをしてまいりました。その手立てとして、特許の出願、取得 、実施というのは非常に有効な手段の1つと明確に位置づけをいたしました。それで、 その重要性と意義を考え、努力を積み重ねてきたところでございます。特許につきまし ては、その規程類の検討・整備、特許審査会の設置ですとか運営ですとか、あと広報、 実施交渉等に大変な業務量と努力を要するものでございますが、平成15年度も規程類の 改正、厚労省TLOとの契約締結等を行いました。  特許に関しましては特に、平成15年度はこれまでに実施契約を結んだ5件のうちで4 件の製品化が初めて、15年度はできたということで、所有特許が実際に市場に出るとと もに、安研としては初めての特許収入を財務諸表の中で計上することができたという状 況でございます。これまでの慣れない努力が製品化という形であらわれたということで ございまして、これにつきましては非常に意義が高いと考えております。さらに、平成1 5年度は新たに10件の出願をし、6件について特許登録が認められました。  産業安全研究所の特許というのは、労働災害の防止の調査・研究の中で生まれたもの でございます。新技術開発型の研究所とは異なって、特許取得の面では必ずしも有利な 条件にあるとは言えないわけですが、先ほど言ったわかりやすい成果の普及の1つと明 確に位置づけをして、積極的に取り組んでまいりました。ということで、小規模の研究 所であるにもかかわらずこれだけの件数があったということは、非常に大きな成果だと 私は考えております。  さらに、安研は行政からの依頼に基づく災害調査の実施というものを積極的に推進す ると位置づけをしてまいりました。研究員が調査・研究活動の中で蓄積した知識ですと か知見、ノウハウというものを効率的に活用する場でもありますし、今後の調査・研究 課題の設定に当たっての貴重な知見を得る場でもある。何はさておき、同じような災害 を防止するために、その調査等の結果が直接に役立つこととなる場であると位置づけて いるわけでございます。  要請は災害発生があったら突然でございまして、要請を受けたら実施中の研究課題を 中断して、調査には相当期間を要します。また、休日でも夜でも直ちに対応する必要が あるということで、実施中の課題の進行に大きな影響が出るところでございますけれど も、これにつきましては積極的に対応できるよう職員の意識改革を行うとともに、関係 所内規程の整備、それから組織体制を整えてまいりました。また、調査内容ですとか報 告書の内容も、格段に従前と比べて充実をされてきたところでございます。  平成15年度につきましては、厚労省依頼の災害原因調査が16件、監督署や警察からの 鑑定や、捜査関連事項照会7件ということで、計23件。これは平成14年度19件ですけれ ども、という非常に多数に上る件数を実施したということで、その結果につきましても 、行政通達等に有効に反映させるとともに、実際の監督指導行政の第一線の監督官、技 官がその災害防止のいろんな指導等に効果的に活用をしていただいているということで 、このように調査結果につきましては、活用されて非常に役に立っていると認識をして いるところでございます。  それから、成果の積極的な普及・活用の観点からは、国内外の基準改定への科学技術 的貢献も積極的に取り組んでまいりました。産業安全にかかわります知識、知見、ノウ ハウというものは特に、安研のほかに代わりがないものでありまして、基準改訂等の各 種委員会への参加や情報提供依頼というものが非常に多くのところから要請されてきて いるというのが現実でございます。安研は規模的にも小さくて、その主体的能力に限り がある。そういう中で、その目的の重要性と代替性を勘案しながら積極的な対応を図る ということで、職員の意識の統一を図ってまいりました。  平成15年度も、研究員の人的資源が少ない中で、海外・国内含め多くの委員会、57委 員会、延べ177委員ということで、職員を積極的に派遣して、産業安全に関する基準・指 針の制改訂に研究成果を提供し、貢献をしてまいりました。また、安研みずからも、新 たな産業安全研究所技術指針と産業安全研究所安全ガイドをそれぞれ1件ずつ策定いたし まして、このように国内外の産業安全にかかわる基準改訂等に多くの成果の参加と反映 を行ったものでございます。  それから、少ない人的資源の中で、それを補うために、また所有する研究資源の効果 的・効率的な活用のために、研究協力の促進にも力を入れまして、実績を積み重ねて成 果を上げてまいりました。例えば外部からの人的資源の確保と有効活用を図るために、 平成15年度にはフェロー研究員制度を創設したり、産業安全研究所流動研究員制度を活 用して外部研究者を招聘したり、新たに国際研究協力協定を締結したり、また結んだそ の研究協力協定に基づきまして、研究員の安研への受け入れ、それから派遣、それから 海外との共同セミナーの開催等を行い、協力協定に基づく活動は、平成15年度はこれま でになく活発に推進をしてまいりました。また、民間、大学等他機関との共同研究課題 の提案、受け入れも積極的に行いまして、その共同研究の割合、研究者の派遣、受け入 れ数、中期計画の目標数値が決まっておりますけれども、これも完全にクリアしている 状況にございます。  それから、予算の適正な運用、経費節減、それから交付金以外の収入の確保につきま しては、これはきわめて重要な、大切なことだというふうに認識をいたしております。 独法制度設立の趣旨に基づいた、柔軟でかつ効率的、効果的な予算の執行を図るととも に、さまざまな手法と創意工夫によりまして経費節減を図ってまいりました。交付金以 外の収入の確保については、民間企業等からの研究の受託や、安研特有の施設・設備等 の貸与に積極的に取り組むとともに、競争的資金への積極的な応募と獲得、それから知 的所有権の有償頒布、講演依頼による講師謝金の機関収入化などに積極的に取り組んで 成果を上げてまいりました。  このように、産業安全研究所としては、平成15年度業務についても中期目標と中期計 画、平成15年度計画、それから業務報告書、それから随時出されました厚労省からの要 請と指示に従いまして、確実に着実に前向きに業務を行ってきたという自負と自信がご ざいます。平成15年度の業務実績の評価につきましては、これから説明を行いますけれ ども、説明等に慣れない点もあり、至らない点もあると思いますけれども、その点はひ とつご容赦の上、適正な評価をよろしくお願いを申し上げます。  それでは具体的項目につきまして、私どもの研究企画調整部長の前田のほうからご説 明を申し上げます。 ○大久保部会長  ちょっとその前に、ただいまの理事長の重点事項についてのご報告につきまして、何 かご質問等ございますか。  はい。ありがとうございます。それでは第1グループの評価シート等、よろしくお願 いいたします。 [個別項目1〜4の評価] ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  それでは内部評価・評価内容につきましてご説明申し上げます。初めに資料のざっと した説明を申し上げます。今回使います資料といたしましては、先ほどの評価シート、 資料番号で申し上げますと、3−3−1、A3横長のものでございます。これがメイン になります。それから同じ封筒に入ってございました、横長の、産業安全研究所と書い てあります、パワーポイント用の説明資料をつくったものがございます。これは資料ナ ンバー3−3−3でございますが、これに基づいて、主として説明をいたしたいと思っ ております。  それから、バックデータとしての説明資料といたしましては、初めの1番目の封筒で ございますけれども、そこに資料番号3−1−1として、平成15年度事業報告書がとじ てございます。事業報告書については昨年度も出ておりまして、おわかりだと思います けれども、A4縦判でして、見開き左側のページから右側のページまでワンセットにな ってごらんいただく形になってございます。それから途中に黄色い紙の仕切り以降が添 付資料として、いろいろなデータ集になってございます。そのほか添付資料はいろいろ ございますけれども、主としてこれを参考にご説明いたしたいと思います。  財務関係に関しましては、封筒の一番薄手のもので、資料3−2、財務関係資料とい うものがありますので、場合によってはこちらを参考にされることになるかと思います 。資料としては以上でございます。  初めに事業報告書に関してですが、これはすでに本文のほうはお送りして目を通して いただいていると伺っておりますが、その時点で出したものにミスプリントがございま したので、2か所ほど訂正してございます。本質的なところではございませんが一応ご 説明いたしますと、10ページ目に施設貸与の記述がございますが、そこで5件あると書 いてあるのですけれども、数えてみますと6件ありまして、これは昨年度分のワープロ の上書きをするときに、昨年の分を1件消し忘れたものでして、それを消しまして正し いものにしてございます。きょうお配りしたものはすでに消されております。  それが1か所と、もう1か所、41ページ目、42ページ目。これも編集のときの途中の ミスですが、罫線が入ってありまして、41ページ目左側をごらんいただきますと、「第 4 財務内容の改善に関する事項」、それから「1 運営費交付金以外の収入の確保」 、引き続いて右ページの説明が今度は右側にあるはずですけれども、そこの間に、初め にお送りしたものでは線が引いてありまして、内容の不調和がございました。この線は 削除した形で整理させていただいております。変更点につきましては以上でございます 。  それでは資料3−3−3と、それから評価シート3−3−1をベースにご説明に入ら せていただきます。3−3−3は、大体評価シートの説明をポイントとして書いたもの ですけれども、1ページ目は表紙といたしまして、2、3、4ページ目の3枚につきま しては研究所のおおよその業務がどう動いているかを示したものです。これは今回、特 別、変更説明は申し上げませんので、産業安全研究所の目的がこういうところにあると いうようなことを復習する意味でごらんいただければよろしいかと思います。  それでは、5ページ目に入らせていただきます。これは評価シートの1ページ目に相 当するところでございますが、評価シートのどこの部分に相当するということを、横に 置きましてこの右肩に書いてございます。5ページ目で申し上げますと、「効率的な業 務運営体制の確立」という内容と、「評価シート1」と書いてございますのが、相当す るページの記述になってございます。以下、最終ページまでずっとこれは続いておりま す。  評価シート1ページ目の「効率的な業務運営体制の確立」でございますが、これにつ きましては、このカラーのパワーポイント用の資料に書いてございますとおり、ポイン トとして4つの点をあげたいと思ってございます。それは緑色のところで書いてありま すが、所内会議・規程等の見直しというのが1つ。それから柔軟な業務運営体制の確立 。研究員の採用。外部研究評価会議における機関運営評価という、その4つの点をポイ ントといたします。  所内運営規程等の見直しに関しましては、平成15年度に、先ほど理事長の話にありま したが、フェロー研究員制度というものを新たにつくってございます。それから、職務 発明規程、発明補償金細則等、これを変えまして、特許関係の規程を時代に合ったもの に整理してございます。これは右側にあります、特許制度の変革、TLOへの委託とい うような背景をもとに変えたものでございます。その他の改訂はそれぞれございますが 、マイナーなものなので省略いたします。  それから、柔軟な業務運営体制の確立といたしましては、組織が柔軟に動くというよ うなことになってございますが、具体的には研究グループが5つございますが、そこの 間にまたがる研究を行って、流動的な研究実施を行えるというようなことをあげさせて いただきます。これは全課題数の15%に相当します6課題が複数の研究グループで実施 しているという現状にございます。  6ページ目へ行きまして、研究員の採用につきまして、若手任期付研究員を前向きに 採用してございます。これは7ページ目に図示してございますが、赤い楕円でかきまし たところが若手任期付で、このように積極的に若手任期付を採用しているという現状に ございます。採用にあたりましては、公募選考を行っているということでございます。 公募は、広くいろいろなチャンネルを利用して募集してございます。  それから6ページ目の外部研究評価会議における機関運営評価。これに関してはその 下に書いてございますけれども、学術的貢献度が高いということを初めとして、災害調 査等について高く評価するというような、高い評価をいただいております。  8ページ目がこれ以降の項目についてのまとめでございますが、柔軟な組織体制の維 持ということで、グループ間にまたがる研究課題を行ったこと。所内規程等に対する見 直しでは重要な部門を含めて見直しをしていること。それから研究員につきましては、 若手育成型任期付研究員を公募して採用しているというようなことでございます。以上 が評価シート1につきましての説明でございますが、先ほど申し上げましたとおり、以 上のことから、年度計画に書かれていること以上の進捗があったというように自己評価 いたしまして、これに関しましては自己評価Aとしてございます。  続いて評価シートの2ページ目でございますが、2ページ目は「内部進行管理の充実 」ということで、パワーポイント資料の9ページ目から説明してございます。9ページ 目は、その内部進行管理の充実ということの大まかな図でございますが、1つは左側の 部分、理事会というような組織から、運営会議、管理会議その他のいろいろの会議とい うことがありまして、それで内部の進行管理、運営管理を行っているというところです 。それから研究に関しましては、その9ページ右側のほうにありますように、内部研究 評価会議を開いてそこでチェックをしているというようなことが、大きなものでござい ます。  10ページ目へ行きますと、内部研究評価会議の開催が大きな項目と考えております。 これにつきましては、年度中間と年度末、この場合9月、1月と2回の評価をいたしま して、すべての研究課題について評価しております。それから災害調査に関しましても 、すべての災害調査について進捗状況等の評価をしております。それから時間配分率、 いわゆるエフォートと言われるものに加えまして、研究課題ごとの担当割合、すなわち 研究者がどの程度の貢献をその研究にしているかということを把握するためのものを設 けてございます。評価の結果は、評価のよいものにつきましては担当研究グループに研 究費を追加配分というような形でインセンティブを高めるということをしてございます 。  それで、外部研究評価会議におきまして、内部研究評価会議がその役割、目的を十分 果たしており、円滑に研究を進めるため、問題点や方向性を探る上できわめて重要な、 大きな意義を有するというような評価をいただいておりまして、内部研究評価会議は非 常に大きな意味を持っていると、我々も考えてございます。  次に、11ページ目の内部進行管理の充実ということですが、業務管理システムの構築 ということが1つと、個人業績評価を実施し、それから施行しまして、それの形を修正 したということが1つのポイントになると思っております。  業務管理システムにつきましては、12ページ目にその概要を書いてございますけれど も、これは、単純な単一業務運営、ソフトウェアパッケージというような意味ではござ いませんで、いろいろなデータベースをつくって運用しているものであります。データ ベースには研究員に関するものが研究員データベース、研究課題に関するものが研究課 題データベースというようにいくつかのものがありまして、それに図の左側に示したよ うにいろいろなデータを入力していきます。それをもとに、データベースをリレーショ ナル化いたしましていろいろな情報を引き出すというものになっております。これをも とに研究部門を管理していくというようなシステムでございます。15年度は、そのリレ ーショナル化を行いまして、いろいろなデータを出すことができたというような段階に なってございます。  ページを戻りまして11ページ目ですが、個人業績評価でございます。これに関しまし ては当初、上司による評価方式というものをとっていたわけですが、これが客観性、定 量性に難点があるということの反省がありまして、実績に基づくポイント制方式と致し ました。たとえば論文を出したならば何ポイント、学会発表をしたならば何ポイントと いうように、研究業務と研究外の業務、それぞれ配点表をつくりまして、実行したこと をそこに入れていくというようなシステムで、これが結構よろしいシステムではないか ということで試行を終わりました。16年度から、これに基づいて個人業績評価を実行す るということになってございます。  それから、13ページ目でございます。今回新たに加えられました「法人の長のリーダ ーシップを発揮したマネジメントがなされているか」という評価の視点につきましては 、法人の長のリーダーシップといたしまして、基本方針を明確化するということが1つと 、法人の長が陣頭指揮をとって所を運営していくということが、ポイントとしてあげら れると考えております。  以上、内部研究評価会議が非常に高い機能を発揮しているということ、それからデー タベースなどもリレーショナル化を行って個人業績評価などにも生かしているというよ うなことから、ここは自己評点をSというようにさせていただいております。  次に、3ページ目は「業務管理の効率化に伴う経費削減」でございます。これにつき ましては、1番目には、省資源、省エネルギー等の状況ということで、省エネルギー月間 (11月)といたしまして、意識啓発をお願いしていますが、15年度もやっております。 それから所内LANの活用、それから手洗いの自動水栓化というようなことで省資源を 図っております。それから、総合管理業務の一般競争入札条件を変えて委託経費の削減 を図るというようなことで、ちょっとここの数字は申し上げませんが、統計をとってみ ますと着実に省資源の効果が出ているところでございます。  2番目としまして、競争的資金の獲得ということで、これは継続で5件、競争的資金 が入りましたが、それにプラスして新規に1件獲得ということになってございます。こ のほか、研究者の海外派遣、それから重点研究支援協力員制度ということで、研究補助 員の獲得がありますが、これを8名、継続的に獲得しております。  15ページ目へ行きますと、業務管理の効率化に伴う経費節減といたしましては、民間 からの受託が2件ございます。満足度が最低の1から最高の5までで評価してもらいま すと、平均4.5となっております。1件はオール4で1件はオール5ですが、満足度を得 ているという結果が出ております。施設・設備の民間への貸与も毎年ふえていて、15年 度は5件というような状況になっております。  それから、刊行物有償頒布。これに関しましては、この年から、研究所のバックナン バーを含めた研究報告をCDに全部を収録しまして、それをもとにコピーサービスを開 始するということをしております。コピーサービスの実施は、頒布権を有償で実施とい うことになってございます。  以上のことから、中期目標の数値、これは毎年、対前年度比0.5%減ということでござ いますが、それの経費削減は達成できるということになるということであります。  以上のことから、自己評定といたしましてはAとさせていただいております。  最後のページですけれども、評価シート4でございますが、効率的な研究施設・設備 の利用ということで、先ほども申しましたが、施設・設備の有償貸与が5件ございます 。ここに書かれているような施設の有償貸与をしてございます。共同研究による施設・ 設備の有効利用が合計10件ございます。それから平成15年度、新たに行いましたことと して、学術団体、具体的には安全工学協会との共催で、最新の機器を利用したセミナー を実施してございます。これは、単純に講義のみ行うのではなく、施設設備の有効利用 ということに取り組んだものであるとに考えてございます。  以上のこの新規実施分、つまり今まで目標に特に書かれていないようなことを含めて 実施したということもありますので、自己評定はSというふうにしてございます。とり あえず、評価シート4までは以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは、何かご質問がございましたら。  どうぞ、清水委員。 ○清水委員  すみません、4点ほどお願いしたいのですけれども、まずこのパワーポイントの資料 の10ページ目ですが、内部研究評価会議の評価結果がプラスの場合は研究費が追加配分 になるという説明がございましたけれども、その研究費の追加配分の方針ですが、これ は例えば評価結果が悪かったところから削除してこちらのいいほうにもっていくという ことなのか。それとも、そういうのはなく、全般として、その予算以上に研究費を実績 として支出することを認めるのかという点について、ご質問をさせていただきたいと思 います。それが1点目です。この点が、決算報告書との関係で、いろいろ予算と決算の関 係がでこぼこしていますので、ここのところと関係をつけて教えていただければと思い ます。  2点目は、省エネルギーで効果を上げたというご説明が、同じくパワーポイントの資 料の14ページでございました。これにつきましては、事前にいただいているこの資料か ら、確かに水道光熱費関係は減っていることが伺われるのですが、消耗品費のようなこ とについては逆に上昇傾向が見られるようにも伺われるのですけれども、この具体的な 数値への反映のところをお教えいただきたいと思います。  それから15ページですが、受託研究。これで、民間からの受託研究が非常に高い評価 であったということでプラス評価されているのですけれども、金額的には昨年度と比べ ますとガクンと減っているようにも伺われるのですけれども、そこのところの法人さん としてのご評価をお聞かせいただきたいと思います。  最後、4点目ですけれども、施設・設備の民間への貸与。15ページ、16ページにあるの ですが、この部分と、それからもう1つ、先ほど特許の出願ということのご説明がござ いましたが、最初に所長様からご説明があったA4縦のこの2ページでございますけれ ども、ここの部分と、財産賃貸収入ですか、このあたりの数値との関係、この数値自体 から見ますとちょっと減少傾向にあるように思うのですけれども、こことの関係をお教 えいただけますでしょうか。 ○大久保部会長  それではよろしくお願いします。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  私のほうからお答えして、足りないところはまた補足させていただきます。  まず初めに、研究評価をしてプラスをしたところの原資をほかから削るのかという質 問だと思いますが、これは削るということは特別にはしてございません。もともと、こ この評価のよいものに対してプラスする部分を、予備費的なものですね、理事長采配費 と確か仮称していたと思いますが、そういうような形で保留してありまして、それの再 配分を行うというようなことを考えてございます。  それから2番目。省エネのこれ、この光熱水料的なものは毎年減っているけれども、 それ以外の部分のものには必ずしも減っていないということでございますけれども、何 もしない場合にどうしても、紙などは黙っていたらかなり増加する傾向にあるというこ とで、私個人的には省資源の効果は上がっているとは思いますけれども、ここでそれが 具体的にどの程度の効果があったかというのは、それをやらない場合との比較になりま すので、ちょっと難しいかなというようには考えておりますが。ということでございま す。  それから受託研究につきまして、金額そのものが減っているというのは、これはもと もと受託研究が非常に母数が少ないものでして、これが毎年100件やっているようなもの でありますと平均化されてくるわけですが、年間数件のところで1件入る、入らないと いう誤差が非常に大きいということで、内容的には満足されているけれども、金額的に は、件数が減った分はこれは減ってしまったということでございます。内部的に受託研 究を受けるようにいろいろ努力はしてございますけれども、現状としてはこういう状態 になってございます。  それから最後、施設貸与と特許収入関連のことでございますが、特許の収入に関しま しては、15年度、初めて入ったということで、内部的には評価してございますけれども 、金額的には必ずしもまだそれほど、それでほかの収入がまかなえるというほどのもの ではないものでございます。貸与との比較につきましては、ちょっと今、手元に金額の 一覧が出せないので、よろしかったらあとで提出致しますが。 ○尾添産業安全研究所理事長  私から補足で説明いたしますけれども、最初に追加研究費の配分につきまして、これ は先ほど説明しましたように、もともと最初の段階で「研究費のうち理事長采配費とい うものを余分にください」ということで、私のほうから要求をしまして、そのようなも のをとるというシステムをつくり上げていきました。その中でインセンティブをつける ということで、その中から配分をするという格好で対応をしているということでござい ます。  消耗品費のことについては、光熱水料については、省エネの対応をとってきているの ですけれども、これは明らかに減ってきているという状況でございます。 ○大久保部会長  ちょっとお待ちいただけますか。 ○清水委員  すみません。1点目の確認ですけれども、理事長采配費ですか、というものが、これは 予算上計上されておるということでございましょうか。それとも、昨年以前に積み立て られたこの三項積立金というのがあったかと思いますが、それの利用ということでござ いますか。 ○尾添産業安全研究所理事長  いや、違います。その年の予算から、研究に必要なものをある程度、何割ということ で上を、オーバーヘッドで取るわけですね。それを配分するということになります。た めておいたものを使うわけではなくて、その年にいただいた交付金の中で、そういうふ うに泳ぐという。 ○清水委員  そうしますとこれは、決算報告書の中の予算額のところの、一般の研究費ですとか、 いろんな研究費の項目があるのですが、その中でそういうものがあって? ○尾添産業安全研究所理事長  研究費の中に入っていて、そのうちの内訳の細分として、裁量の中で変えてきている という。 ○清水委員  すみません、繰り返しますが、一般研究費の中に、そういう理事長采配費というもの が一部入っているということでございますね。 ○尾添産業安全研究所理事長  そうです。研究費の中で、細かく自分のところで内訳を決めるときに、この研究課題 についていくら、この研究課題については……ということを決めますが、そのときにそ ういうものもとってやるということです。 ○清水委員  わかりました。 ○尾添産業安全研究所理事長  あくまでも裁量の中で泳いでいると。 ○大久保部会長  よろしいでしょうか。 ○清水委員  1点目は結構です。 ○尾添産業安全研究所理事長  最後のほうの2つの、受託収入、特許収入で、ちょっとよくわからなかったのですけ れども、特許収入につきましては、計上しておりますけれども、これは制度上、今年度 の収入の中には未収金として上がっています。これは年度末までに販売したものを、1か 月以内に報告をいただいて、そのあとでうちにいただくことになりますので、計算上は1 5年度に入っておりますけれども、実際に入ってくるのは16年度の4月から5月に入る というふうな格好で処理をしてあります。 ○大久保部会長  どうぞ。 ○清水委員  すみません、具体的にいくらでしょうか。 ○尾添産業安全研究所理事長  30数万円。 ○清水委員  それは未収計上であっても、損益計算書に計上されているということだと思いますけ れども。 ○尾添産業安全研究所理事長  財務諸表に入っています。 ○清水委員  はい。30万円程度ですか。 ○尾添産業安全研究所理事長  30数万円、40万円弱です。 ○清水委員  わかりました。 ○尾添産業安全研究所理事長  それから、受託研究とか施設・設備貸与とかそういうところの実績の数字の問題が今 、ちょっと出ていましたけれども、施設・設備の貸与につきましては、中に研究所の設 備・機器の貸与ですとか、あと研究所そのものの建物の施設・設備の貸与とか、いろん な項目が入っておりまして。一部につきましては、国立研究所時代から研究所の施設・ 設備の貸与につきましては、公共的な機関に施設・設備を貸与していたのですが、計画 的に段階的に解消をしていこうということで、平成14年度から段階的解消に入っており ますので、その部分が減ってきたというのがきいているというのがあると思います。  それから、国からの受託研究が制度の変更で、前年度までは研究費がついて入ってき たものが、制度の変更で研究費がつかなくなったと、そういう格好で減ってきているも のもあるということでございます。そういうものが数字的に大きいゆえんであると思い ます。 ○大久保部会長  はい。清水委員。 ○清水委員  すみません。最後にさせていただきたいと思いますが、先ほどのその施設の貸与収入 でございますけれども、件数としてはふえているのだけれども、金額としては減ってい ると、そういうご説明でしょうか。 ○尾添産業安全研究所理事長  いいえ、違います。研究所の研究用の機器・設備ですね。試験装置とか、実験装置で すとか、そういうものを施設・設備の貸与ということで、これは国立研究所時代はそう いうようなものは国のものは貸せないということでやっていなかったのが、新たに取り 組んだということでございます。 ○清水委員  いいえ。ですから、その、すみません。 ○尾添産業安全研究所理事長  それは、1件、3件、5件でふえてきて、金額もふえています。 ○清水委員  そうしますと、その部分の金額はふえているけれども、財産賃貸収入としてはほかの 部分が減ったから減っていると、そういうことですね。 ○尾添産業安全研究所理事長  そうです。財産賃貸収入は国の方針で段階的に解消という話になっていまして、それ が平成14年度から解消をしだしたということで減っていますから、来年度まだ、16年度 も減ると思います。 ○清水委員  すみません、その解消している部分の大きな減少の面というのは、どこの賃貸収入で ございましょうか。 ○尾添産業安全研究所理事長  建物です。 ○清水委員  建物を? ○尾添産業安全研究所理事長  実験用の建物というか、実験用の施設です。実験用の機器ではなくて施設。 ○清水委員  実験用施設は貸すのはやめるけれども、実験用設備は貸す、機械は貸すということで すか。 ○尾添産業安全研究所理事長  ええ、そうです。それは非常に高価な機械とかそういったものは、有効に活用しよう ということでやってきているわけですね。 ○清水委員  それでは、設備は貸すけれども、建物は貸さないということですか。 ○尾添産業安全研究所理事長  そういうことです。国の方針ですので。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。はい、酒井委員。 ○酒井委員  昨年と比べて非常に精力的に、いろんな改革と取り組んでおられるということを強く 感じました。2、3教えていただきたいのですけれども、1つは研究者で、例えばフェ ロー研究員制度を創設したということがありますけれども、それはどんなクラスの方を 招聘されて、勤務条件がどんなふうになっていて、これは賃金と言いますかそういう支 払いがどうなっているのかということを教えていただきたいのが、1点目でございます。  それから同じページ、5ページのところで、TLOへの委託の問題がありますけれど も、これについては具体例を教えていただけたら、非常に参考になるというふうに思い ます。  それから7ページで、研究員の採用について前向きに行われていて、任期付の研究員 を非常にたくさん採られているということですけれども、そのこと自体は非常に私自身 は賛成なのですけれども、この任期付というのは、3年という任期付でよろしいのでし ょうか。それで、この若手の研究員の方たちをどう中核的な研究所の研究員として養成 していこうとするのか。それで任期期が切れたときに、どんなご判断で継続するのかも しくは採用を見送るか、そういう方針がもしおありになったら教えていただきたい、と いうのが2点目です。  それから3点目は、研究の内部進行管理の充実に関連して、内部研究評価会議での評 価と、11ページ目にあります個人業績評価で、上司による評価、そのポイント、その関 連がどんなふうになっているのか、教えていただけたらというふうに思っています。と りあえずその3点です。よろしくお願いします。あっ、何点でしたか。4点? ○大久保部会長  TLOの具体例をということでしたから、4点。 ○酒井委員  ああ、そうですね。すみません。 ○大久保部会長  4点、それではよろしくお願いします。 ○尾添産業安全研究所理事長  私のほうから説明して、もし足りない点は、補足があれば、ほかの者からさせていた だきますけれども。フェロー研究員は、産業安全分野のトップレベルの人ということで お願いをしてございます。例えば静電気学会の会長をしておられました浅野先生とか、 そういう方が対象になっています。それから、手当とかそういうものは特にありません 。ただ、安研から、特にこの件について実際に活動してほしいと、来て研究のアドバイ ス的なり、実際に共同でやるなりするということにつきましては、システムとしてお金 が払える、非常勤手当みたいな格好で払えるようなシステムは、このためにまた規程を 改正してつくりました。  それから任期付研究員は国の制度でございますから、3年から5年ということで、3 年から5年の国の制度の範囲内でやっています。  それから、若手任期付研究員の採用につきましては、これは昨年も一昨年も話題にな っていましたけれども、安研でこういう若手任期付研究員を採用するかどうかについて は、本当に有効かどうかということについては私は疑問があるということを、私は基本 的に思っているのですけれども、ただ、国の全体の方針で、こういうことをやれという 話になってきていますので取り組んでいるということと、ただ、私どもの研究所で研究 をして、それがまたほかの研究所へ行かれても、産業安全の裾野が広がるという観点か らも有効ではないかということであります。  私どもの研究所は労働災害の防止の関係ですから、事業所との関連が深いので、若い ときからきちんと育て上げてきて、災害の調査とかそういう経験を踏みながら少しずつ ノウハウを積み上げていくというのが本当は一番いいのですけれども、そういう国全体 の方針がありますから、そういうことでやっています。実際に災害調査とか何かにも積 極的に連れていくというようなことをやってきております。  3年たったあと、任期が来たというときには、またそのときに私どもの研究員の採用 に応募していただける方は応募できるというふうなことになっていますから、非常に実 績さえ積んでいただければ、実績はよくわかっているわけですから、そういう面では採 用するとしては安心かなというふうな面は当然出てくると思いますけれども、国の規定 に沿って「終わったらうちに採用しますよ」とかそういうのは、制度上はないというこ とになっております。  それから、内部研究評価会議と個人業績評価の関係ですけれども、個人業績評価はあ くまでも数値であらわせるものについて実施をしていくということプラス、先ほどポイ ント制と言いましたけれども、それプラス、やはり全体的な評価と言いますか、管理す る立場の人の評価というのもあります。この内部評価会議の結果等を踏まえて、ある一 定の加算点を持っていますので、そういった格好で対応するという格好で連動をすると いうようにしています。 ○酒井委員  では、最終的にはその内部評価会議での決めというか、そこが決定する場所なんです か。 ○尾添産業安全研究所理事長  いや、違います。内部研究評価会議は、あくまでも研究課題についての評価ですので 、ある研究課題について、その社会的な意義とか学問的な意義とか、成果の意義ですと か、進捗状況ですとか、そういう観点、あくまで研究課題だけです。  個人業績評価はそうではなくて、全体の研究に対する取り組みの問題ですとか、あと 対外的な活動というものが、私どものような研究所は非常に重要でございますので、そ ういったところに何を取り組んできたかというふうなこととか、そういったことをきち んと評価をしろと。これは研究の国の評価指針の中でも、そういうこともきちんと評価 をしろということになっておりますので、特に私どもの研究所では、個人業績評価シス テムの中でそういったものは一通り見ていこうという格好で今、試行をやってきている ということです。 ○酒井委員  それは評価するラインがきちんとあって、それで内部評価会議というのは、それはス タッフ……、スタッフというような言い方がどうかわかりませんけれども、評価を…… 。 ○尾添産業安全研究所理事長  それはあくまでも研究課題について、ということになりますね。あと、災害調査の課 題とですね。もう1点、何か例というのがちょっとよくわからなかったんですけれど。 ○酒井委員  実際にこのTLOで。 ○尾添産業安全研究所理事長  TLOですね。 ○酒井委員  そうです。 ○尾添産業安全研究所理事長  ああ、わかりました。この特許に、TLOに関する契約の件も、厚労省にTLO機関 ができたのですけれども、これができるのが非常に遅くて、私どもは自分たちの中で、 独法になってすぐ、特許については重要だから取り組もうということで、非常に大変な 努力が要ったのですけれども、規程を整理をして、自分たちでやっていたんですね。  それで、厚労省のTLOはあとで発足いたしましたので、厚労省のほうからも、「T LOが発足したので、そこと何とかうまくやってくれ」というふうな要望もありました ので、1年以上にわたっていろいろと交渉をしてきて、本当に産業安全の特許がそこの TLOで実施できるのかと。医学的なこと主体で、工学的なことはあまり取り組んでい ただけないのではないかと。いろんなことを、行ったり来たりして、向こうの方の意見 を聞いたり、来て話し合いをしたり、相当協議を重ねてきた結果、昨年度には契約を結 んだということで、今年からそれに基づいてスタートというような格好になります。 ○酒井委員  ありがとうございました。 ○大久保部会長  ありがとうございます。それでは、あまり時間もございませんけれども、何かこれは ぜひという? はい、どうぞ。 ○岩渕委員  今の関連ですが、その任期付研究員の応募状況として、それぞれ通常の公募による採 用との兼ね合いがどんなふうになっているのか。対応は国全体として決まっているので しょうけれども。それから流動性。そのあとの労働市場としての研究生の流動性がどう いうふうになっているのか。先ほど、理事長、あまり基本的に賛成でないというふうな ことをおっしゃいましたけれども、どの点が最も賛成できない点なのか、ちょっと教え てください。 ○尾添産業安全研究所理事長  それは私の個人的な考えをちょっと申し上げたのですが、それをうまく対応しながら 、安研として一番いい方法でということになってきているのですけれども、若手任期付 の場合は、全員を若手任期付にはできないです。人を採用するときに、全員若手任期付 にしたら、全員が3年未満の人になってしまいますから。若手任期付で若手の研究者を 養成しながら、安研の中でずっと仕事をしていく人も養成していかないと、全員が若手 ばかりでは仕事ができませんので。  そこが、若手任期付をこの分野は採用する、この分野は若手任期付ではないパーマネ ントの人を採用する。この分野はよそから中途の人を採ってくるというふうなことを、 これはその年々に毎年度、研究分野ですとか研究の計画ですとか、あとうちの研究者の 専門分野ですとか、そういったものを考えまして、採用計画というのを毎年度つくって 、それを更新しながらやってきているのですが、その中で、「今年はこの分野は若手任 期付」とかいう格好でやってきているということです。  若手任期付だけではうんぬんというのは、私が言いましたように、私どもの研究所は さっき申し上げた、事業場と密接に連携がないといけないものですから、あと行政と非 常に連携を密にしてやっていなければいけないということで、その辺の積み重ねが必要 だということでございますね。したがって、そのために少しずつ経験を積みながらやっ ていって、ある年数たって初めて使い物になるというか、100%能力を発揮していただく ことができるということでございます。  それで、辞めたあとの労働市場の問題があるのですけれども、これは私も大変大きな 問題だと思っていまして。国からの、この任期制の問題はいろんなアンケートが毎年何 件か来るのですけれど、そこでも私はいつも言っておったのですけれども、労働市場を 確立していないのに、3年たって、あとは自分の努力でと言われても、それは技術者い じめではないかとというふうなことがありまして、もう少し労働市場をきちんと確立し てほしいと。3年やったらそのあとでどこに行けるかということを、ある程度本人が安 心できるようなものがないと、若手任期付というのはだれも応募してきませんので。と いう問題があって。  特に私どもの研究所のように、先端技術を扱っていないと、うちのほうの研究の成果 というのが、他の研究機関に行くときの看板になかなかなりにくいという地味なテーマ が多いものですから。そういう面で私どもも、優秀な研究員採用という観点からもなか なか問題があるということですけれども、これは先ほど言いましたようにいろんな手法 、いろんなチャンネルを通じて採用情報を、いろんな形での情報の提供というか広報を やりながら、それなりの数、採用してきているし、入ってもらう方につきましては、本 人の3年後を踏まえて研究テーマをいろいろと検討をして、本人に役立つような研究テ ーマということでやってきているという状況でございます。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。それでは、よろしゅうございますでしょうか。ご記入のほ どを。あるいはもうお書きになっているかもしれませんけれども。 (各委員 評価シートに記入) [個別項目5〜10の評価] ○大久保部会長  よろしゅうございますか。それでは、まだお書きになっていらっしゃる先生方もござ いますけれども、最後の部分は並行して行っていただくといたしまして、次に進ませて いただきます。それでは第2グループの、評価シートの項目5から10までの実績につい て、ご説明をお願いします。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  それでは評価シートの5から説明いたします。パワーポイント資料ですと17ページ目 に、はじめのページがございます。  これは「労働現場のニーズ把握と業務への積極的な反映」という項目でございまして 、これに関しましては、産業安全に関する情報交換会、これを毎年行っていくことにな ってございます。具体的には、15年度は11月27日に、労働安全関係団体から参加いただ きまして、討論会という形のものを開いてございます。添付致しました冊子の資料の中 にその報告書がございますけれども、状況はここのパワーポイントの背景のところにざ っと写真が出ていますが、このような状況です。情報交換会に関しましては、毎年、や り方ですとか対象などを変えて、いろいろなことを模索しているところでございます。1 5年度に関しましてはそういうことで、安全関係団体の人を集めて意見をいただいたりと いうことでございます。  労働現場からのニーズの把握ということで、2番目の●ですが、労働衛生分野の著名 研究者による講演をいただいたということで、これは実はここの委員であられます酒井 先生なのですが、3月の年度も押し迫ったころですけれども、産業安全研究所の研究員 対象の講演を行っていただきまして、そのあと討論ということで、貴重な意見をいただ いていますけれども、15年度中には特に反映できるような時間ではございませんので、 そのご意見は16年度以降、検討させていただくというところでございます。  そのほか、労働安全衛生研究連絡会議という、本省と研究所の間の連絡会議が毎月ご ざいますけれども、そういうようなところで行政ニーズを把握しております。それは定 例的なものでございますけれども、そのほか、電話ですとか、行政とのルートというの はいろいろありまして、そういうところから行政ニーズを把握しているということにな ってございます。 その次、ホームページや電子メール、直接来られる方による技術相 談というようなこともございます。  最後に、委員会などがいろいろありまして、そこで現場ニーズの把握ということが実 際には多く行われております。ちょっと多過ぎるのではないかという意見もございます が、情報交換会の席上では、「この分野の人はいないので、もっと積極的に出てほしい 」というような意見もいただいてございます。  以上のような状態が労働現場のニーズ把握ということでございますので、一生懸命、 たくさんやっているということで、Aということをつけさせていただきました。  次に、評価シート6でございますけれども、「プロジェクト研究」がらみでございま して、プロジェクト研究は産業安全研究所で行っている研究の1つのメインの業務でご ざいます。  これに関しましては、ご存じのとおり重点研究領域というものが定められておりまし て、4つの分野ですね。評価シ−ト6でございますけれども、パワーポイント資料です と18ページですが、そこに赤字で書いてございます。それぞれについて、15年度は5課 題を実施しているということであります。  パワーポイント19ページ目をごらんいただきますと、そのほかの課題も書いてござい ますけれども、中期計画中に行うべきプロジェクト研究の一覧がここにございます。毎 年すべてのテーマについてではないのですけれども、きちんとスケジュールを立てまし て、外部研究評価会議におきまして、プロジェクト研究の事前評価、中間評価、事後評 価というものを実施しております。15年度は、そこにありますとおり、一番上の「建設 労働災害」というものが中間評価、それから事前評価が下2つについて行っております 。  そういうことで、プロジェクト研究に関しましてはこのように、評価を計画的に実施 しておりますということでございます。  パワーポイントの20ページ目からは、個別の課題の概要を書いてございますが、これ に関しましては、課題名からこういうようなものだということをごらんいただくという ことでございまして、研究課題そのものにつきまして細かな説明は、現段階では省略さ せていただきます。  パワーポイント資料の25ページ目からの「プロジェクト研究」に進みます。研究課題 の評価を外部研究評価会議でなされている件でございます。これに関しましては、事前 評価の例といたしまして、「橋梁架設中の不安定要因の解明と安全施工技術の開発」と いうテーマが計画されておりまして、事前評価を受けております。その結果、「研究計 画をもう少し見直して実施されるのがよいでしょう」というような評価をいただきまし て、具体的には、日本建設橋梁協会の中で小委員会的なもので集まっていただきまして 、そこと協議会を開いております。橋梁建設に関する安全上の問題点というような、現 場の生の意見をもとにして研究計画を立て直しをして実施する予定にしてございます。  内部研究評価会議においては、これは所内の会議ですけれども、これに関しては全課 題を評価してございます。  26ページ目に行きますと、「プロジェクト研究」です。研究発表を行っておりますし 、ものによりましては外部の専門家の知恵を拝借するということで、流動研究員制度を 活用して研究を行うとか、共同研究として一部実施をするというようなことで実施をし てございます。これに関しましては、研究発表が機械学会の賞を受賞するというような ことで、内容的にも高く評価されているというように感じているわけです。  結論といたしまして、プロジェクト研究は適切かつ効果的に実施されているというよ うに自己評価をいたしております。ということで、自己評定といたしましてはAをつけ させていただいております。  パワーポイント資料27ページ目から、評価シート7ページ目でございますが、これは 基盤的研究についてでございます。基盤的研究はプロジェクト研究と違いまして、もう 少し規模の小さい、コンスタントに行っている研究でございますけれども、27ページ下 のほうにありますように、赤字で3種類のポイントを書いてございます。1つは基礎的 研究、それから萌芽的研究、継承的研究というような位置づけを、これは産業安全研究 所として行ってございます。  具体的には、28ページ目にまいりまして基盤的研究の研究領域の1から13まで、文章 にありますようなものでございます。それにつきまして、当初35課題を実施しておると いうことですが、それを全部説明していきますと時間がかかりますので、パワーポイン ト資料の29ページ目から36ページ目までは、その内容の最小限の記述ということで説明 は省略いたします。37ページ目に入りまして、基盤的研究では、年度当初は30課題を予 定しておりましたが、年度途中で5課題を開始しているということで、研究を実施して ございます。年度途中開始の中には、大規模事業場での災害多発という平成15年の緊急 的な事例がございまして、それに対応して2課題を年度途中に緊急に立ち上げをしたと いうようなことが1つあります。  そのほか、競争的資金による新規課題というのは、年度当初は予定できませんので、 そういうようなものを含めまして、最終的に35課題を実施しております。この基盤的研 究に関しましては、内部研究評価会議において、何度も申しますとおり年2回、全課題 についてヒアリングを実施しております。外部研究評価会議におきましても内部研究評 価会議の評価は高いということを、ここに書いてございます。  38ページ目に行きまして、基盤的研究に関しましても、論文発表、学会発表、そして 特許出願等、積極的な成果の発表がなされております。それから外部と共同研究、それ から研究グループ間の研究課題というようなこともありまして、柔軟な対応と効率的な 実施を目指してございます。そのほか、受託研究2件などもやっているということで、 この緑色の枠の中がある意味で結論でございますが、基盤的研究は、適切な取り組みが なされるために状況の変化に応じて適切な対応をなしているというように自己評価して ございます。それで、自己評定といたしましてはSをつけさせていただきました。  次、39ページで、評価シートの8に入らせていただきます。これは「労働災害の原因 等に関する調査・研究」ということで、純粋な研究ではなくて災害調査という部類に入 るものです。産業安全研究所の大きな役割の1つと考えております。平成15年度の災害 調査研究といたしましては16件、ここに略称と発生地を表示させていただいております 。その他、災害調査ではないのですが、鑑定依頼というようなもの、これにつきまして も一覧表は事業報告書の後ろのほうの添付資料の表15というところに記載されておりま す。  災害調査そのものもいろいろ時間がとられますが、40ページ目をごらんいただきます と、通達に反映するというような事例もありまして、行政的にも大いに貢献していると いうように自負してございます。  41ページ目へ行きますと、調査がどういうようなルートでなされて、報告がどのよう な形で返されているかというようなことで、これの災害調査に関する体制の図はこのよ うになっています。災害調査委員会という組織が研究所内にありまして、直接の窓口は 研究企画調整部なわけですが、本省安全課との連絡のもとで、調査を実施するべきか、 できない内容のものか、担当をだれにするかというようなことを決めまして、担当が決 まったあと報告が上がるまで、このような流れで調査をして報告書を返すというような 体制になってございます。  42ページ目へ行きますと、補償と括弧書きしましたけれども、災害調査で研究に悪い 影響があるか、どういうような見返りを考えているかというようなことを示したもので す。業績評価において評価するというようなこと、それから災害調査の知見とかノウハ ウが、それ以降の研究に活用できる。それから、災害事例等を学会において発表できる というようなことが、災害調査をする影響の分を取り戻したということになると思いま す。  災害調査の活用につきましては、その下ですが、行政での活用ですとか、災害調査結 果というのは行政の指導などにおいて非常に役に立っているというようなことです。  結論といたしまして、災害防止に極めて有効に行動しているというように考えており ますので、これに関しましては自己評定をSとさせていただいています。  次に評価シートの9ページ目でございますが、国内外の基準制改訂への科学技術的貢 献ということでございまして、パワーポイント43ページ目は、どのようなルートで研究 報告が生かされているかというようなことでございまして、右が、1つは研究所の報告 として研究報告から技術指針、安全資料、安全ガイドというようなものとして出すとい うのが1つのルートでございます。それからもう1つは研究成果を、下のほうに行きま して、これらの委員会において貢献するというようなことがございます。  44ページ目に行きますと、具体的にどのようなものがあるかということでして、先ほ どのお話にもありましたが、「安全帯使用指針」、それから産業安全研究所安全ガイド 「圧縮空気駆動式小型研磨機の静電気対策」という、ある災害をもとにした安全ガイド でございますが、というものを刊行しております。そのほか、当委員会において、IS Oの国際会議に日本代表としての出席をはじめ、国内外でそのほかいろいろなものに派 遣してございます。結論といたしまして、国内外の基制改訂等に数多くの革新、多くの 成果の反映がなされているというように考えてございます。  ということで、ここの基準制改訂に関しましては、自己評定をSとさせていただきま した。 45ページ目に、制改訂の貢献した規格の題名を参考に書いてございます。  46ページ目は、国内外の科学技術情報の資料などを調査するという点で、これが評価 シートの10ページ目でございます。行政から要請があったものに基づき、そのような情 報を適切に報告しているかということでございまして、平成15年度はいろいろなものを 行っております。列挙いたしますと、ここの46ページにありますようなものでして、大 規模製造事業場で爆発火災が頻発したというようなことについて、その辺の事例情報収 集から、アンケートを分析するときにどのようなことが多いかというようなことに技術 面の協力、それから米国でどうなっているかというような調査、等々というようなこと でございます。個別に一つ一つの例につきましては研究報告というほどのレベルではご ざいませんけれども、このような要請につきましての報告をしているということで、こ れに関しましては自己評定Aとさせていただいてございます。  10項目まで、以上でございます。 ○大久保部会長  どうもありがとうございます。それではただいまの項目に関しましてご質問ございま すか。それでは清水委員。 ○清水委員  私、専門的なことはよくわからないのですけれども、基本的なことをお聞きして恐縮 ですが、パワーポイントの41ページ。昨年もちょっとお聞きしたかもしれませんが、こ のときの災害調査をやるのかやらないのかといったところで、「検討」と書いてありま すが、これをやるかやらないかを決めるときの基準といったものは、どういったような ことになるのでしょうか。この場面では、本省のほうの意向というものが強く考慮され るのか、あるいは、同じことかもしれませんが、行政通達に生かすというふうなことが 最終的な目的になるのかどうかといったことを、ちょっとお伺いしたいと思います。  もう1つは、同様のことで、39ページにその調査・研究等、災害調査等、それから鑑定 依頼というのがございますが、これは昨年の19件から23件にふえているということです けれども、こういった調査をやる機関、あるいは鑑定依頼を受ける機関というのはほか に、官民合わせて、あるのでしょうか、ないのでしょうか。そういったところをお尋ね します。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  では、私のほうからお答えします。初めに災害調査をする、しないの判断の基準とい うのは、原則はやります。それで、内容的に産業安全研究所ではとても不可能な内容で あるとか、そのほかの特殊な事情があれば、これに関してはちょっとできないのではな いかというようなことで、協議をして実施をしないということはあり得るところでござ います。原則は行う、ただ、できないことはやらないということで、そこの可否の検討 ということになってございます。それが第1点。  それから第2点は……。 ○尾添産業安全研究所理事長  第2点は私が答えます。鑑定をやるような機関がほかにあるかということですが、鑑 定はほかに例えば大学、例えば警察とかそういうところですけれど、大学にお願いをさ れる場合もありますし、ほかの国立研究機関に依頼をされる場合もあります。大体公的 なそういう機関に依頼をしておられると思います。災害調査の関係は、監督署からの依 頼ですと、まずみんな、最近は私どものところに来ると。昔は安研もいろいろと、現状 忙しかったり、専門家がいなかったりということで、地元の大学とか何かに鑑定依頼を していたケースもありましたけれども、今はほとんどうちに来るという状況だと思いま す。 ○酒井委員  1つ、確認をよろしいですか。 ○大久保部会長  はい、どうぞ。 ○酒井委員  この災害調査は本当に、理事長も強調されているように大事な安研の仕事だというよ うに思います。これ、39ページの一覧表を見ても、世の中に非常に注目されたといいま すか、そういう災害がたくさん含まれているわけで。この災害調査をやった結果の公開 性というのですか。学会発表は保障されているようですので、公開されるというふうに 見ていいのかもしれませんけれども、多分、原因とか責任とかというところにも触れる ような中身になると思いますので、一般的に公開されているのかどうかということを教 えていただきたいと思います。 ○尾添産業安全研究所理事長  災害調査は、私どもに調査権限は法律上はございません。権限を持っているのは厚生 労働省です。これは地方労働局や労働基準監督署ですから、そこの依頼を受けて、その 捜査権限の中で私どもが調査をする。したがって、調査報告書もすべて依頼をした国の ほう、監督署なり労働局なり、そういうところにお渡しをするということであります。 したがって、公開する、しないは、そちらの国のほうのご判断ということですが。ただ 、学会発表とかそういうことをぜひしてほしいというふうな要望は最近いろいろありま すので、そういったものにつきましては、労働安全衛生法違反とか何かの問題があって 捜査をしている最中でありますから、むやみに公開をすると問題があるというような点 があるわけですから、私どもは国のほうと相談をしながら、どこまで出していいのかと いうことで相談をしながら、できるだけ出すようにすることで対応をとらせていただき ます。 ○酒井委員  これはここでの議論ではないと思いますので、今の理事長のお答えであれですけれど も、例えばごみ固形化燃料の危険など、いろいろなところが調べていて、いろいろなと ころが公開する。私の調べ方が悪いのかもしれませんけれども、いろんなところでやっ た結果が出ているのですけれども、これだけ安研がやっていて、あまり安研にフィット しないんですよ、こういった貴重な調査が。だから、行政的なことで理解できますけれ ども、要望としては、やはりこういったような結果がもっともっと公開されてくると、 安研の位置づけが社会的に非常によくわかるのではないかという。これはすみません、 印象ですけれども、意見だけ述べさせていただきました。 ○大久保部会長  武見委員、よろしくお願いいたします。 ○武見委員  やはり関連したことですけれども、この件数がふえたということ、それ自体は社会的 にいいかどうかはあると思いますけれども、依頼があってから回答が出るまでの期間と いうか、そうしたこと……。できるだけ迅速に出ることが望ましいのか、それは専門外 なので課題によっていろいろ違うのだと思いますけれども、そういった側面からの検討 みたいなことはされているのかどうか、教えていただければと思います。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  報告ができるまでの期間に関しましては、いろいろありまして、すぐ出るものから、 いろいろ調査、実験を行うとかそういうようなものまでありまして、なかなか一概には 申し上げられないなという印象があります。  それで、研究所の体制といたしましては、基本的に可及的速やかに実施するというこ とではあるのですけれども、内容によって早くできないものもありますので、その点も ありまして、ちょっと時間がかかるものもあるのではないかというふうな状況でござい ます。  理事長、何か? ○尾添産業安全研究所理事長  あと、依頼をした監督署なり労働局なりに、いつまでにやってほしいとかそういうこ とはありますから、そういうものはそこと密接な連絡をとりながら、「では、この程度 で」というふうなこととかですね。ということでやりますけれども。ただ、さっき言い ましたように本当に長くかかるものもあれば、逆に例えば2月とかそれぐらいですむも のもあるというようなことで、1件1件によって大分違います。 ○大久保部会長  黒澤委員、どうぞ。ご質問。 ○黒澤委員  質問が1つあるのですが、パワーポイントの47ページです。これは確か前にも出てき た表ですけれども、ここの真ん中のところには「爆発開催以外」となっていますけれど 、これは誤植、多分変換ミスをしたのだと思いますが、これは「爆発火災」のほうです ね。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  失礼しました。「爆発開催」というのはこれ、「い」の字が多かったことで。 ○黒澤委員  「爆発火災」ですね。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  はい ○黒澤委員  そこは多分そうだと思ったのですが、そこはそれでいいんですが、「爆発火災以外」 という意味がですね。つまりこれ、産業リサイクル、例の固形燃料のですね。 ○尾添産業安全研究所理事長  すみません。これもミスプリントでして、これは「爆発火災災害」。 ○黒澤委員  「災害」? ああ、「以外」ではなくて「災害」ですか。わかりました。  それで、47ページのこの「評価を公表する」ということになっていますが、これはど ういう方法で評価を公表していらっしゃるんですか。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  公表といたしましては、インターネットのホームページ上に出しております。この報 告書自体は、今回の添付資料にもあります冊子体で出しております。緑色のものだと思 いますが、それ全文を出しているわけでなくて、概要をまとめまして、これを公開して おります。 ○黒澤委員  ああ、そうですか。ホームページ。インターネットですね。 ○前田産業安全研究所研究企画調査部長  ええ、そうです。産業安全研究所のホームページ。 ○黒澤委員  ああ、そうですか。ありがとうございます。 ○大久保部会長  田村委員、よろしくお願いいたします。 ○田村委員  お話を伺っていますと、プロジェクト研究、そして基盤的研究、それも基礎的研究、 萌芽的研究、継承的研究といった基盤研究をやっていらっしゃいます。また、災害原因 調査、規格・指針改訂の際の貢献、あるいは委員会での貢献、そういったことでも、少 ない人数でいろいろ多くのことに取り組んでいらっしゃるので、おそらく研究員の方は フル回転ではないかという感じがします。そういった場合にどういう考え方で、優先順 位をどうするかということは大事なことではないかという気がします。そのあたり、多 分評価ともかなりつながる面ではないかという気がするのですけれども、どんなお考え でやっておられますか。 ○尾添産業安全研究所理事長  非常にたくさんのことに取り組まなければいけないということは確かでして。それは 確かに非常に悩ましいところがありまして。産業安全に対するのはうちだけしかござい ませんので、頼まれれば、忙しいからだめだと言えばそれで終わりなのですけれども、 かわりの人がいないというケースが結構ありまして。そういうことで、できるだけ対応 しようということでやっております。だからその辺は、兼ね合いをしながらということ ですが、災害調査の関係、これはできるだけ対応するということで優先的に、研究課題 は途中である程度中断をする。それは少し遅れても、それはその辺のところの評価では きちんと見るということでやっていきます。  あと、委員会活動につきましては、これは本当に非常に人的資源が乏しいので、これ は確か去年も田村先生の同じようなご質問があったと思いますが、そういうことで、代 替性、かわりがいるかどうかというような問題と、その委員会の重要性とかそういった 問題をいろいろ兼ね合いをしながら検討をして、「ちょっとこれは勘弁してください」 とか、「これはしようがないな」というような格好でやってきているということで、確 かに研究員も非常に悩ましくて、個人業績評価のいろんな意見の中でも「いったいどれ を重要視すれば、いい点をいただけるのだ」という意見も出たりしている段階です。  とりあえずは、今のところ忙しい中で、できるだけ前向きに取り組んでいこうという ことで、試行錯誤を重ねながら、一つ一つを見てどれが一番大事かということを総合的 に判断しながらやってきているということで。災害調査優先ですけれども、それ以外に ついてはそういう、総合的に見てどうしようかというようなことで、ケース・バイ・ケ ースになっているのではないかと思います。 ○田村委員  おそらくどれも非常に重要な仕事だと思いますし、災害調査に重点を置かれていると いうのは非常によくわかるような気がします。特に最近のいろんな事故を見ますと、や はり非常に大きな問題がこういったところから整理されてくるのではないかという気が しますし、災害防止の観点を、ぜひ、力を入れてほしいという気がいたしました。 ○尾添産業安全研究所理事長  せっかくの機会ですから、ちょっと私も一言言わせていただきたいのですが、災害調 査の関係は、非常に重要な関係なのですけれども、ただ、私どもの調査研究活動がある からこそ災害調査ができるわけですね。ですから、調査研究のところをやめて、災害調 査のところばかりある程度力を入れていくと、今度は本体のところもだんだんやせ細っ てくるというふうなことですから、調査研究のところはやっぱり絶対変えられないとい う中で、災害調査にどう取り組むかということがございますので。災害調査の体制づく りというかその辺はぜひ、将来に向けてきちんとした対応を、国のほうでいろいろと考 えていただければ大変ありがたいという気はいたします。 ○大久保部会長  はい、岩渕委員。 ○岩渕委員  先ほど、発表の場はどうかという話があったりなどして、考えていましたら、46ペー ジの●の上から4つ目あたりの、この「職業運転手の疲労と業務上の交通事故に関する 文献情報」などというのは、マスコミから見ると非常に興味をそそられるテーマであり まして、これは内容はどんなものかというのをぜひ知りたいというふうに、今思ってい るところでありますけれども。  ただ、もちろん、そこの上のほうに書いてありますように、「行政から要請のあった 下記についての情報提供」ということが頭についていると、これは常に、下請けという と言葉は悪いですが、「行政から言われたことの範囲内でしかやっていないのかもしれ ないな」というところで、やや、多分皆さんも欲求不満になるのかなというふうなこと もありますし、特に「職業運転手の疲労と業務上の交通事故」というのは、これはもの すごく数が多くて、社会的な問題というのは非常に大きいと思いますから、例えば産業 安全研究所として取り組むテーマとしては、少なくともこの存在価値を高めるという意 味で言いますと、こういうのに本気で取り組むと非常に社会的に有意義な結果を生むの ではないかと、私自身は思います。  それはですから、上に行政がどういうふうにかかわっているのか知りませんけれども 、何だったら行政をくどいてでも、きちんとしたと言うか、しかもなおかつ最終的に行 政による規制、そういったようなことも含めて、規制というか法改訂まで踏み込めるよ うな形での動きにしていただけると、独立行政法人たる存在感がなお一段と高まるので はないかというふうに、老婆心ながら思います。以上です。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは、まだあるかと思いますけれども、そろそろ…… 。何かございますか、特にこの場でという? ○酒井委員  簡単なことを1つだけ質問してよろしいですか。 ○大久保部会長  はい。どうぞ。 ○酒井委員  国内外の基準制定改訂にたくさんの貢献をされているというお話でしたけれども、こ のISOにしろ、ほかの基準にしろ、安研発のISOなりJIS化が実現したケース……、委員と して参加していてたくさんのことに貢献した、これはよくわかりましたけれども、そう いうことがあったら、事例を教えていただきたいと思います。 ○大久保部会長  よろしくお願いします。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  安研発の、フルバージョンと言いますか、最初のページから最後のページまで安研発 というのは、ちょっと私の記憶にないのですけれども、委員としてかなりの部分を安研 側で作成したというような例は、この45ページの例でJISの安全靴などは、かなりの部分 が安研スタッフ製だったと思いますし、番号未定、まだ決まっていませんが、先行型手 すり、つま先板なども、これもかなりの部分、安研側でつくっているというような例で はございますが。安研がすべて、最初から最後までというのまでは、今のところ、そう いう体制にはないということでございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは評価のご記入をお願いします。  (各委員 評価シートに記入) [個別項目11〜17の評価] ○大久保部会長  それでは、今回は8分ぐらい経過をしておりまして。そろそろよろしゅうございますで しょうか。それでは次に進ませていただきまして、次は評価シート項目の11から17まで の実績についてです。ご説明をお願いします。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  それでは評価シートの11ページ目以降について、ご説明いたします。パワーポイント 資料といたしましては、47ページになります。  47ページは、先ほどおっしゃったミスプリントの訂正もありましたけれども、このよ うなスケジュールに基づきまして、外部評価会議を行っているというような状況の説明 でございます。  それと48ページ目。これは背景にその外部研究評価会議の状況の写真を薄く出してご ざいますが、結果の概要といたしまして、平成15年度に関しましては、5段階評価にいた しましても、社会的評価というものが高いというような、主要な評価結果をいただいて おります。  産業安全研究所の機関運営に関しましては、少人数であるけれども、産業安全に関す る多方面の研究や災害調査で成果を上げているというような評価をいただいてございま す。内部研究評価会議につきましても、非常に妥当な評価が実施されており、その意義 は極めて大きいというような報告があります。プロジェクト研究の事前評価に関しまし ては、そこに「橋梁架設中」、これは平均点におきまして3.6点。ちょっと低うございま す。「液体噴霧時の静電気による爆発・火災防止に関する研究」、これが4.2点。中間評 価といたしまして、「建設労働災害の発生原因としてのヒューマンエラー防止に関する 研究」、これが4.2点でございます。  というようなことで、事前と中間評価を実施しておりますが、事前でポイントが低か った「橋梁架設中の不安定要因」に関しましては、次、49ページ目に行きまして、問題 点の再洗い出し等の検討が必要だというようなことで、日本橋梁建設協会と検討する会 を立ち上げるということで検討するということは、実際に走ってございます。ただし、 この課題につきましても、橋梁建設というものが国家政策上、社会的意義が非常に高い というような評価はいただいております。実行上で問題点がちょっとあるのではないか ということで、それにつきましてはこの評価結果をいただいて、修正して、実施計画を 練りなおしているところでございます。  「液体噴霧時の静電気による爆発・火災の防止に関する研究」という、これは事前評 価でございますけれども、これは社会的意義、学術的意義とも高いというような評価を いただいてございます。  中間評価の「建設労働災害の発生原因としてのヒューマンエラー防止に関する研究」 、これにつきましても、社会的意義、学術的意義とも高いというような評価をいただい ているというような状況です。  外部研究評価会議につきましては、このような結果でありまして、評価の結果は業務 に適切に反映していると言えると思いますし、その反映結果などにつきまして、ホーム ページへの掲載もやってございます。  ということで、この項目につきましては自己評定をAとさせていただいております。  次、評価シート12ページ目でございます。パワーポイント資料で行きますと、50ペー ジ目。「学会発表等の促進」ということで、これにつきましては、国際学会、国際ジャ ーナルなどに、こういうようなところに出している、国内ではこのようなところ、とい うようなリストを、50ページ目では説明してございます。  51ページ目では、内部評価会議等におきまして研究の進捗管理をということで、研究 発表等の進捗等の促進を図ったということで、このような点数の成果の公表がございま した。その中には、レビューが厳しいというものがいろいろありますけれども、土木学 会論文集ですとか、Journal of Loss Prevention in the Process Industries、そうい うようなところにも出してございますし、受賞した講演もあるというようなことで、結 論といたしまして、この緑の枠の中でございますが、件数で行きますと、中期目標の目 標数値(論文が5年で200報、学会発表が5年で300報)というところを大きく余裕をもっ てクリアできる状況にあるということでございますし、論文の質に関しましても、十分 高い水準に確保されているというように判断してございます。  以上のことをもちまして、ここの自己評点といたしましては、目標を大きく上回るSと させていただきました。  次、評価シートの13枚目。「インターネット等による研究成果情報の発信」というこ とで、パワーポイント資料ですと52ページ、53ページの両方になります。これはパワー ポイントの52ページでご説明いたしますと、研究所の年報、これは全文を、発行後ホー ムページにPDFファイルを公開してございます。平成15年に初めて行ったものとしまして 、研究論文に付録、CD−ROMをつけたことがございます。そこでは、動画のファイ ルを入れまして、実験状況、これは地震関連の研究ですので、振動がどうなっているか というのを具体的に目で見るということが非常に成果の普及上重要であると思われます ので、これをCD−ROMにして研究報告を発行してございます。  そのほか、技術ガイドライン等、「安全帯使用指針」、「圧縮空気駆動式小型研磨機 の静電気対策」を刊行ということになっております。この圧縮空気用の1点が、これは技 術安全ガイドという部類の刊行物ですが、これは災害調査をベースにいたしまして、そ の中身を解説することに加えまして、このような対策が有効であるというようなガイド ラインというような性格のもので、これがもっとたくさん出ると非常によろしいかなと 、個人的にも思います。現段階では、これが第2番目の安全ガイドということになりま す。そのほか、刊行物は一応予定どおり、読み上げませんが、それぞれの分の報告書、 パンフレットなどを出してございます。  それから、下から3番目の●になりますが、研究所内外、研究所の報告だけではなく て外の論文も入りますが、そこに発表した論文等の題目を研究所の外部向けのホームペ ージに公開するということを一応やっていたのですが、きちんとした形でなかったので すけれども、平成15年には、さかのぼりまして平成3年以降の全数ということで出して ございます。これは15年の成果の1つということでございます。  そのほか、特別研究報告などの抄録、アブストラクト(和文、英文)がございますが 、それをホームページに公開するということ。それから技術誌、一般誌に寄稿、投稿し て解説記事をのせるということを30件。毎年ふえていくというところでございます。  インターネットのアクセスなどはここに書いてあるとおりでございまして、結論は53 ページの緑の枠の中ですが、研究所の成果は計画どおり発行していること。積極的に一 般誌に公開していることがありますし、ホームページ上にも公開していること。しかも 、ホームページに公開するときに今年から、ホームページだけではないのですが、若干 の工夫をしているというようなことがありまして、自己評定に関してはAをつけさせて いただいております。  続きまして、評価シート14ページ。「講演会等の開催」という項目でございますが、 パワーポイント資料54ページ目からでして、講演会といたしまして、1つは安全技術講演 会。これは研究所主催の研究成果をもとにした一般向けの講演会でございますが、毎年 、東京、大阪プラス1か所ということで、15年度は東京、大阪と福岡で開催しておりま す。参加者がここに書いてあるとおりに、多くの参加者を得られたということでありま すし、満足度といたしましては、アンケート調査を実施しまして、その84%が「良い」 というような回答をいただいております。アンケート調査の表につきましては55ページ に、東京、大阪、九州という形で、「良かった」、「非常に良かった」というような形 の回答があり、集計して84%が「良い」というような回答であったということが1つござ います。  それから、「水素爆発危険性に関する講演討論会」といいますのは、ここに裏に写真 が出ていると思いますが、これは研究課題の一環として実施しておりまして、厚生科学 研究費補助金で海外から招聘できるということで、招聘された研究者が産業安全研究所 において、内外の研究機関の関係者を集めまして、こういう講演討論会を開いたという ことでございます。  次に56ページに行きますと、研究所の一般公開ですが、これは4月の科学技術週間に おいて、毎年実施しております。平成15年は105名の参加者ということで、ポスターも作 りまして、いろいろ広報もさせていただいております。それから、方式といたしまして は、前年度のアンケート結果を踏まえて、事前登録によって班をつくって、少人数で案 内して回るというようなグループ制をとっております。そのほか、随時の見学もここに 書いてありますようなものがありまして、これは19件というようなものであります。  57ページがその部分の後ろにありますが、研究所の講演会に関しましては、年3回、 きちんと開催してございます。アンケートの結果も良好であり、参加者は前年を若干上 回っているというのが、1つの結果でございます。一般公開に関しましても、これは毎年 開催してございます。参加者も前年度を上回り、アンケートの結果も良好であります。 この方式だとおそらく参加人員の限界に近いのではないかと思います。  以上のことで、ここの部分に関しましては自己評定Aをつけさせていただきました。  次、評価項目15。「知的財産の活用促進」ということでございますが、15ページ目、 パワーポイントで58ページ目でございます。これにつきましては、先ほどの話にありま したが、所有特許が、特許取得は今までありましたが、製品化されて収益となったのは1 5年度が初めてでございます。そのほか、特許権の出願なども積極的に取り組んでおりま すし、ホームページでの公開、これは実施予定のない特許権について、特許流通データ ベースへの登録を行って募集をかけているところでございます。  15年度に関しましては、TLOの特許運用依頼を開始するということで、まだこれは 年度末にバタバタとやっていますので、具体的なものは出ないのですが、それに関連し て特許関連規程の見直しを図っているというようなところでございます。  刊行物につきましては、新たにコピーサービス委託の開始ということがございますこ とと、特にこの年度、特許の収益が開始されたということで、自己評価をSとつけさせ ていただきました。  続きまして評価シート16ページの、パワーポイント59ページ1枚でございます。「国内 外の若手研究者・技術者の育成への貢献」ということでございまして、これにつきまし ては、書いてあるとおりの人数でございまして、他機関に所属する研究員等の受け入れ 、これは規程がきちんとございます。それに基づきまして、国内の大学から10名、民間 から2名、それから国際協力協定に基づきまして、研究員3名を受け入れているというこ とがございます。  それから、先ほども話がありましたが、講演会でございますけれども、学術団体との 共催によるセミナーの実施ということで、若手研究者、技術者の育成に貢献していると いうことでございます。  それから、他機関への協力・支援で、外部から65件の依頼に対し、技術指導、講演、 技術移転などの協力・支援ということで、研究員の派遣を行っているということでして 、この点につきましては、若手研究者等の受け入れ制度も、これに関しましては規程等 が整っているということが言えます。それから、外部からの求めに応じて職員を派遣し 、講演等を行っているということでございますが、これは人的資源が非常に少ない中で 積極的に、貢献していると感じております。  以上で、この「若手研究者」につきましては、自己評定をAとさせていただきました 。  今回の最後で、評価シートの17。「研究協力の推進」。パワーポイント資料ですと60 ページ、61ページの2ページにございます。これは今まで述べたことと大分重複してく るものもありますが、1つ、研究協力の推進、フェロー研究員制度の創設ということで3 名、フェロー研究員に委嘱をしてございます。それから流動研究員制度の活用でありま して、これは3名の招聘がございました。  それから、ちょっとテニヲハが間違っていて申しわけないですが、研究員を派遣し、 技術指導、講演等が65件。それから、大学等からの求めが6件11名、民間等が3件7名 。それから研究協力協定で、英国HSL、韓国産業安全保健研究院、韓国釜慶大学校、 フランスINRS、ソウル産業大学校、中国海洋大学、こういうようなところと協定を 継続し、もしくは新規に定めたというような活動をしております。研究協力協定による 共同セミナーも参画してございます。それから、研究交流は16名ということになってご ざいます。  ということで、61ページ目のその緑色のところでございますが、外部機関との研究協 力を積極的に推進していると。それから、その受け入れの数につきましては、外部機関 との共同研究が全課題の10%というようなこと。それから、毎年少なくとも10人程度の 研究員の派遣というような目標がございますけれども、これはいずれもクリアしている ということが言えます。大きくクリアしているということで、自己評定はSとさせてい ただいております。以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは何かご質問がありましたら。  はい。どうぞ、武見委員。 ○武見委員  評価シート11の「外部評価」のところで、事前・中間・事後評価というふうにあって 、事前・事後は全部入っているのですけれども、中間評価をやる場合とやらない場合と いうのがありますね。この辺というのは、どういうふうな判断基準でこうした形態にな っているのか。別にやるほうがいいと思っているわけではないんです。むしろ、「本当 に研究の質を高めていくために、どういう判断基準でそうしたことが判断されて、結果 としてこういうふうになっていました」というあたりを、ぜひ教えていただければと思 います。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  外部研究評価会議で中間評価を行うかどうかは、研究期間が3年を超えるか否かで判 断して、3年を超えるようなものについては、原則、中間で評価をするというようなこ とにしてございます。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。 ○武見委員  はい。 ○大久保部会長  ほかにいらっしゃいますか。どうぞ、政安委員。 ○政安委員  少人数の中で研究をたくさんなさっている。さらにその中で、外部機関との研究交流 ということで、たくさんの方を受け入れなさっていると。予定の人数よりもかなり大幅 にということ。お伺いしたのは、民間からの研修生などはどの程度のランクの方をお願 いしているのかとか、そういう規程を設けて選抜されて、それで日ごろの研究の成果と か研究に負担にならないようなことを工夫されているかどうかも、お教えいただきたい と思います。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  では、とりあえず私から。受け入れの特別な、このレベルであればよいとか悪いとか というような規程の段階にはございませんが、個別に受け入れてよいかという判断をし てございますので、その段階で、これは受け入れに値しないとか、そんなことを見ると かですね。いろいろなことがあれば考慮するというような制度になってございます。 ○大久保部会長   どうぞ、岩渕委員 ○岩渕委員  特許は大変めでたい話ですが、どの程度の腹の足しになっているのか。これは成果を 誇っていただきたいので、ぜひお答えいただきたい。  もう1つ、外国の研究機関とさまざまなところで、ものすごい勢いで交流しているの ですけれども、これは国際親善の実は上がるかも知れないけれど、研究成果としてはど んなものかというふうなことで、非常に疑問を感ずるんです。それぞれ国情あるいは労 働事情も異なるような外国と、どういう共同研究をやって、どういうふうな成果を上げ て、どういうふうに生かしているのかというところが、見えない。というのが不満です ね。もっと近間の産医研と、もうちょっと研究協力したほうがまだましではないかとい うふうに、私は思いました。 ○尾添産業安全研究所理事長  共同研究協力協定につきましては、確かに国際協力、JICAとか、あと安全関係の 団体とかが国際協力をやっているのですが、そことは明確に一線を画そうということで 、判断基準をつくっていまして。お互いにメリットがあるところでやると、一方的に一 方だけがメリットを受けるようなものはやらないというふうなことをやっています。ま ず協定を結ぶ前に何回かやり取りをするのですが、その中でそういう趣旨を徹底すると いうことを踏まえて、最初に包括的な協力協定を結んでいきまして、そのあとで少しず つ、「では、この協定に基づいてどうやろうか」ということを個別に進展をしていくと いうふうな格好になっているわけです。  昨年は確か、この辺の国際交流のようなものがあまり活発でないのではないかという 指摘があったと思いますが、やっと独立行政法人になってから、こういう海外の機関と の研究交流というのをきちんとやっていこうということで取り組んできまして、一応包 括的な協定を結ぶということをいろいろやりながら、そういったものを結んで、あと個 別に協議を重ねながら、少しずつ積み重ね、昨年度、平成15年度からは、いろんなセミ ナーの開催ですとか、向こうの集会での研究発表ですとか、向こうから来るですとか、 そういった格好でだんだん、3年目ぐらいから非常に活発に活動がなされてきたという のが、実態としてございます。  ただ、アジアの地域の研究機関が多いので、どうしても我々のレベルと向こうのレベ ルに差があるのも確かなのですが、そういった中では、やはりお互いにメリットがある ような格好でやろうというようなことです。先ほど、研究者の現員につきましても、我 々人数が少ないですから、来ていただければ、うちの研究のある程度の、少し分担をし てもらえればそれで役に立つと、人的資源の不足も補えるということもあって、研究員 の受け入れは積極的にやろうと思ってやっているのですけれども、ただ、来る方が「全 くとか」「ちょっとこの人はどうかな」というふうなことで、いろいろと折衝してお断 りしたケースもございます。  ということで、少しずつ前進をしながらやっていきたいということで考えております 。まさに、岩渕委員がおっしゃったことはよくわかりますので、今後はいろいろと我々 に役に立つような格好で積極的にやっていきたいと思います。  それから特許の関係につきましては、これは確か35万円ぐらいで、今、未収金になっ ていますから、今年の収益には上がっていません。未収金であがっていますけれども。 この辺のところは、安全の研究というのはなかなか商売になりにくいというふうなこと もありまして、腹の足しになるかと言われると、なかなか難しい。  ただ、私どもが取った特許が、それなりに実際に製品化して役に立てば、これは世の 中にやっぱり貢献をするわけですから、もうかる、もうからないに関しては、たくさん あればあるでいいのですけれども、そうでなくて、やっぱりそのような、きちんと民間 に使われるということがより重要ではないかということで取り組んできているというこ とでございます。ですから実施を許可した先も、非常に中小、零細なところもあり、1 つとか2つとか売れてやっと収益をいただいたというところもあります。今後ぜひ、た くさん売れればいいと思っています。 ○大久保部会長  酒井委員。 ○酒井委員  今ご説明いただいたグループの全体的な印象ですけれども、特に評価シートでいくと1 6になるでしょうか。研究所ですので、非常に学術的に進めていこうと。ですから、一緒 に国内外で共同してやる人も、学術機関の若手の研究者という印象が非常にあるのです けれども、安研の業務からいったときに、産業界の、実務家と言ったらいいのかどうか わかりませんけれども、そういう方たちをもっと取り込んでいってですね。確かに企業 の中で今、安全をどうしていくかというのは、設備のことも含めて大変な問題であって 、そういうところに安研の門戸がきちんと開かれているということだと、受託研究もす ごくふえるのではないかというふうに思うのですけれど、その辺のポリシーはいかがで しょうか。 ○尾添産業安全研究所理事長  私どもの研究成果というのは、実際の産業現場で究極的には役に立たなければいけな いということは非常に承知しています。それで、民間からの研修生の受け入れというも のも、きちんと受入規程というのを設けていまして、積極的にPRもしていますけれど も、要請があったら受けるということで、昨年は民間の企業から7名の方を受け入れてき ているというような状況があります。  あと、産業現場の実際の安全担当者について何かあるかというと、これは技術講演会 ですね。毎年3か所でやっているのですけれども、ほとんど企業の関係者、あと大学生 とか、安全の専門家とかコンサルタントをやっている方とかいますけれども、ほとんど が企業の方ということで、企業の方にたくさん来ていただくようなということで、テー マとか何かもいろいろと考えながらやるということとかですね。できるだけうちの成果 が現場に届きやすいような工夫というのは、非常に重要だと思います。技術ガイドライ ンとか、安全指針とか安全ガイド等を発行したと言いましたけれども、これも独法にな ってから、そういう趣旨で新しくこういったものをつくろうということでやったという ことで、その辺はできるだけ前向きに取り組みたいと思っています。 ○大久保部会長  ほかにどなたか? どうぞ。 ○武見委員  パワーポイントの56、57にある一般公開のことでお伺いしたいのですけれども、これ は何の目的でだれを対象に一般公開なさっているのでしょうか。というのは、今の酒井 委員の質問とも関係するのですけれども、いわゆる関係者とか現場の方というのに対し ては、これだけいろんな出版物があり、インターネットがあり、講演会があり、研修会 があり、さまざまな形のことをやっていらっしゃる中で、この一般公開、ポスターを作 製してPR活動をやって実施していらっしゃいますよね。それは何のために、だれのた めに、というところをお聞きしたいのですけれども。 ○尾添産業安全研究所理事長  施設の一般公開は、いろんな目的がありまして、我々の知名度のアップというのが一 番大きな目的です。安研というのは結構、安全の専門家の方は知っていますけれども、 ほかの人は、一般の働く人たちにはあまり知られていないという問題がありまして、知 る人ぞ知る安研ということになっています。そういう面では、ある程度知名度を高めよ うということもありまして、できるだけわかりやすくしたいということで、例えば地元 の人、地元の主婦の方ですとか、あと学生さんですとか一般市民の方ですとか、そうい った方にも来ていただこうということで、最近はそういったことを地元の掲示板に出し たり、駅に広告をするとか、そういった格好でやるというふうな形でやっております。  ただ、一般の企業の新入社員の方が安全教育の一環のような格好でも来られるという こともありますし、一般公開ですからどうしても研究の具体的な、細かな範囲まではち ょっと行けませんので、できるだけわかりやすく産業安全というものを知っていただく 、その中で安研の知名度も高めていきたいということで、今のところはやっているとい うことでございます。 ○武見委員  例えば、学生と今おっしゃいましたけれど、中学生とか、まあ小学生はちょっと難し いかと思いますけれど、中高生あたり、そういうふうな受け入れとかいうものは一般に あるんですか。 ○尾添産業安全研究所理事長  この一般公開以外に先ほども年間19回、随時見学受け入れと書いてありましたけれど も、こういった格好でグループで要望があった場合は、半日ぐらいのツアーでやる、そ のときはそのときのレベルに合わせて、見るところとか説明を変えるというふうな格好 でも対応しています。中学生とか小学生については、これは去年でしたか、小学生の方 がグループで、市役所を通して来られたことがあります。その辺のところが、もっと積 極的に、工夫して何かやるというようなことも、今後考えていかなければならないかな というふうなことは考えています。 ○武見委員  すごく大事な分野だと思うので。やっぱり若いうちから、こういう分野があって、将 来そういうような仕事をしたいと思う、そういう動機づけも含めて、そういう子供たち にやっていくということはすごく意義があるのではないかと思ったので、お尋ねしまし た。 ○大久保部会長  はい。ございますか。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  ちょっと補足ですが、小学生、中学生の場合ですと、おそらく平日の開催だと参加さ れにくいということで、休日開催はどうかということも今、検討はしてございます。た だ、現状ですと、アンケートをとりますと平日開催してくれたほうがありがたいという のが多いんですね。来ている人はそうなんですけれども。そういうことで、ほかの研究 機関でも、夏休みですとか日曜日に開催しているような例もありますので、検討はして みたいと思ってはいます。 ○大久保部会長  大体よろしゅうございますか。それではご記入のほどをお願いします。 (各委員 評価シートに記入) [個別項目18〜21の評価] ○大久保部会長  そろそろよろしゅうございますか。それでは進めさせていただきまして、最後の評価 項目になりますが、第4グループ、評価シートの項目で言いますと18から21までという ことでご説明をお願いいたします。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  それでは最後のブロックのご説明をいたします。まず評価シートの18でございまして 、これに関しましても、パワーポイント資料が62ページでございます。申しわけありま せんが、62ページ、頭のほうの行がちょっと編集ミスで間違っていましたので。内容は よろしいのですけれども、右上の「評価シート18」というのは正しいのですが、そこ、 「研究協力の促進」となっていますけれども、それは「運営交付金以外の収入の確保」 ということで、訂正いたします。それから、大タイトルといいますか、「業務運営の効 率化に伴う経費削減」という、これがちょっと違いますので、それを削除させてくださ い。内容は、そのブルーの枠と、それから結論の緑枠というのは、これで間違いござい ません。  ここの、運営費交付金以外の収入の確保に関しましては、競争的資金6件ということ で、新規1件、継続5件です。新規といいますのは、いわゆる文科省の科研費でござい ますが、学術振興会科学研究費補助金が1件というのが新規獲得。それから継続5件は 、厚生労働科学研究費補助金も含む継続財源の分でございます。そのほか、科学技術振 興事業団の重点研究支援協力員事業に基づく支援費、これも継続でございます。  それから、アメリカ、カナダに1名ずつ、新規に研究員の派遣というのもして、運営 費交付金以外の費用を足すことになります。それから受託研究を2件して、貸与を5件 ということでございます。成果物の有償頒布、それから講師謝金等による機関収入とい うものも前年と同様に入っておりまして、収入に立ってございます。  結論といたしまして、この緑の枠の中でございますが、競争的資金への応募、受託研 究の獲得、施設設備の有償貸与、知的財産の有償実施等、そういったことに取り組むと いうことで、これに関しましては若干努力があると考えまして、自己評価をAとさせて いただいております。  続きまして、評価結果の19でございますが、パワーポイント資料でいくと63ページに なります。これは「予算、収支及び資金計画」でございまして、これは中期目標、中期 計画に従って実施しているということでございます。「運営費交付金以外の収入の確保 に積極的に努力し」というのは前の項目とダブるところもございますが、計828万2,000 円を得ています。競争的資金についてもここでということで、予算収支及び資金計画に 関しては財務諸表及び決算報告書のとおりに執行されているというようなことでござい ますので、これに関しては特別な赤とかはなしで、自己評価Bをつけさせていただいて おります。  評価シートの20ですが、「人事に関する計画」。人事に関しましては、採用計画を策 定し、毎年これを更新しながら採用を進めているということでございます。先ほども話 題になりましたが、新規研究員の採用において、若手任期付研究員の採用に積極的に取 り組んでいるということでございます。採用にあたりましては、すべて選考採用としま して、選考採用も「個別に応ずる」的なものではなくて、いろいろなチャンネルを使い まして積極的に広報を行って集めているという現状です。  それから、業務の遂行上必要な資格です。いろいろ安全衛生上の資格が必要な場合が ありますが、この点につきましても必要メンバーをきちんと把握し、計画的に資格の取 得を実施してございます。それから職員に対する勤務に関する希望調査、それからヒア リングを実施して、それを管理する計画を適切に実施してございます。  人件費総額は年度計画の範囲内であるということでございまして、これに関しては、 若手任期付研究員の積極的採用の推進ということで、自己評定をAとさせていただいて おります。  最後、評価シートの21ページの「施設・設備に関する計画」でございますが、これに 関しましても、平成15年度は年度計画どおり、遠心力積荷実験装置とその設備環境の整 備と実施ということで、計画どおり実施してございますので、これが特に変わる点はな く、自己評点Bとさせていただきました。以上で、評価シートに関します説明を終えさ せていただきます。ありがとうございました。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは、何かご質問ございましたら。  はい、清水委員。 ○清水委員  昨年お聞きしたのですけれど、ちょっと手元に資料がないので確認させていただきた いのですが、まずパワーポイント62ページの競争的資金6件ですが、これは昨年は何件 でしょうか。5件ということでよろしいのでしょうか。それが1点です。  それから同じページ、62ページの5つ目の●、成果物の有償頒布、これの内容。これ が先ほどの知的財産権みたいに何かあるのかどうか、ということです。  それから、評価。評価シートの19、21につきましては、Bという御法人としては相対 的に低い評価をつけていらっしゃるのかと思いますけれども、19ページに出てくる項目 というのは比較的、一番最初の項目で出てきた項目と共通するところが多いのだと思い ますけれども、ここのところにそのBということをつけられた理由というのは? イベ ント計画に従った執行ということだろうと思うのですけれども、ちょっと聞き取れませ んでしたので、そこのところを確認させていただきたいと思います。 ○前田産業安全研究所研究企画調整部長  まず初めの、この競争的資金6件の前年度に比べてどうかということですが、競争的 資金として動かせるものは、14年度は、この計画課題としてあげてあります5件がござ います。そのほか、確かこの62ページの2番目の●に書いてございますけれども、重点 研究支援協力員事業の支援員というようなものがございますが、これにつきましては、1 5年度は支援員の人件費だけをカットということでございますが、14年度はこの支援員に 対して若干の研究費がついていたということがございます。ただ、これは制度でなくな りまして、研究費としては15年度、入らないということになってございます。  それから14年度、STAフェロー制度というものがありまして、それが2件ございま した。これは海外からの研究生を日本の関係府庁の側で、研究費込みで国内の研究機関 に派遣するという制度でございますが、これもSTAフェロー制度が14年度でなくなり ましたので、15年度はそのことはカウントできないということで、そういう変化になっ てございます。それが1点です。  それから次の質問で、成果物の有償頒布ですが、成果物として研究論文の販売といい ますか、実際には販売を委託していまして、ここで著作権料というのでしょうか、特許 収入以外にございます。それ以外に成果物を有償で頒布しているというものは、今のと ころ、安研についてはございません。  それと、もう1点……。 ○尾添産業安全研究所理事長  では最後の、評価点の考え方だと思うのですけれども、それについてちょっとお話を いたしますと、評価委員会全体として、S、A、B、C、Dということで、「中期計画 を大幅に上回っている」とか、「中期計画を上回っている」、「おおむね合致している 」というふうな基準がありますけれども、具体的に私どもに自己評価をつける場合は、 これだけではあまりにも漠としてよくわからないということで、私ども自身としてはも っと細かく、ある程度の自分なりの評価を考えて、これに従って、SとかAとかBとか というような格好でつけています。それで、Bをつけたのはあくまでも、おおむね計画 どおりに実施されているものはBだというふうに考えておりまして。  これも先ほどの「資金計画、予算」のところは、この評価シートの19ページで説明書 は63ページのところですけれども、これの青いところの2つ目と3つ目のこの●印は、 これはその1ページ前に説明いたしました交付金以外の収入の確保というところのもの が、事業報告の建前上ここに入ってきているのでこうあるわけで、実際はここのところ については、一番上の●の「中期目標・中期計画に従って実施」というところと、「予 算、収支、資金計画については財務諸表及び決算報告のとおり」というところになって まいりますので、これは予定どおり、計画どおりにやっているというふうなことでやっ ています。  ちなみに私どもの評価点の考え方ですけれども、判断の視点を定めておりまして、「 働く人の安全にいかに貢献できるものか」ということを踏まえながら、「計画に対して どうであるか」と。それから、「画期的な事業に新たに取り組んだか。その質はどうだ ったか」ということ。それから、国研時代に比べて質の向上がいかに図られたかという ふうな視点とかですね。あと、数的な問題で判断できるものは数字で判断しますが、そ うでないものは包括的に、相対的に判断して、それを数字的に置きかえながら判断をし ていくというふうな格好で、少し細かな判断基準をつくって、させていただきました。 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。  ほかにいらっしゃいますか。どうぞ、黒澤委員。 ○黒澤委員  このパワーポイントの中で、63ページですけれども、この2番目のところの「運営交 付金以外の収入」ということで、計828万2,000円と、こうなっていますね。これは純然 たる民間ですか。競争的研究資金も含まれているんですか。 ○尾添産業安全研究所理事長  これは、ここに書いてありますように競争的資金は入っていなくて、受託研究と施設 の貸与と講師謝金、そういったものです。民間から純粋に入ってきたもので、競争的資 金のものにつきましては、また別途です。 ○黒澤委員  別途ですか。では、この競争的研究資金というのは、100%自己負担のないものですか 。 ○尾添産業安全研究所理事長  すべて国庫負担です。 ○黒澤委員  この競争的研究資金というのは、ものによっては50%自己負担とか何かあるのですけ れども、そういう意味で。 ○尾添産業安全研究所理事長  100%国のものであり、これは「1,000万円でこの研究をします」と応募をして査定を 受けて、「では、800万円でいきなさい」ということとなります。 ○黒澤委員  ああ、そうですか。では大体これ、そうするとその競争的研究資金がどのぐらいです か。おおよそでいいです。 ○産業技術研究所総務課長  後ろのほうから失礼します。産業安全研究所の総務課長でございます。ただいまの、 政府受託収入になるかと思いますが、15年度におきましてはゼロでございます。前年度 におきましては700万ほど収入があったところでございます。今年度は、265万5,000円が 民間受託として上がっておりまして、政府受託は今ないといったところですが、昨年、 前年の14年度に政府受託で受けていた金額700万円ですが、重点研究支援協力員事業、そ れとSTAフェローという制度の補助金を受けておりました。この2つでございますが 、STAにつきましては15年度は廃止になった。それと重点支援協力員事業というのに は、人はついているけれども補助金のほうは廃止になったということで、前年と比べま すと、委託側の要因といいますか、そういうことで今年度においては政府受託はゼロに なったということでございます。 ○黒澤委員  ああ、そうですか。わかりました。 ○尾添産業安全研究所理事長  ちょっと補足説明します。今の説明は、説明の限りでは正しいのですが、それプラス 、競争的研究資金、例えば厚生労働科学研究費は、これは建前上は研究者に行くことに なっています。運営管理だけはうちの研究所でやりますけれども、建前上は研究者に行 くことになっていますから、その部分は……。 ○黒澤委員  計上されていない? ○尾添産業安全研究所理事長  計上されていないということで、この5件と、もう1つ新規の1件ですか、これは金額 は計上されていないということです。国として受けていた今までの重点研究支援協力員 に対する研究費みたいなものは制度上なくなりましたので、15年度はゼロになりました というふうな格好でできているということです。 ○黒澤委員  ああ、そうですか。はい、わかりました。実は私がこの質問をした意味は、交付金が1 0億円ぐらいあるわけですね。その中で割合が非常にどの程度か。0.0何%になるかわか りませんが将来的にこの運営交付金以外に収入を増加させる方法と言いましょうか、こ れは見通しですね、その辺はどうでございましょう? ○尾添産業安全研究所理事長  競争的研究資金の問題は、これもちょっと難しい問題がありまして。今、国が第2次 の科学技術基本計画をスタートさせて、今度は第3次をつくろうという検討を始めており ます。第1次の科学技術基本計画のときには、科学技術立国ということで、国は非常に 力を入れて、その当時、私どもはまだ国立研究所時代だったのですが、国立研究所も、 国立研究所枠のような形で予算がある程度ありまして、その中で競争的資金というとこ ろなのですが、第2次科学技術基本計画になってさらに資金は相当ふえたのですけれど も、これは先端技術とか先端医療だとかそういうところにもっと特化をいたしまして、 それで、現実問題として私どものような研究で応募しても、ほとんど全滅に近い状態で あるということで、去年は1件取れたのですけれども、積極的にやっているのですけれ ども、そういったものが非常に取りにくいという実態があるのは確かです。  そうした中で、厚生労働科学研究費につきましては、まさに安全衛生のところが入っ ておりますので、そういったものを積極的に取っていこうというで、5件取れたという ことです。今年度は新しく1件、また別途取れています。これは16年度ですけれども。そ ういった格好で、非常に厳しい状況にあるということは確かにあります。 ○黒澤委員  私は、やるべきことが非常にふえているような感じを受けているんです。ですから本 質的には、予算がもっとふえてもいいとは思いますが、枠がありますからしようがない 。ところがそれ以外の、交付金をふやす方法以外で収入の確保ができれば、そのほうが 、むしろ積極的に別の切り口で展開できるだろうという感じを持ったりすものですから 、そいう戦略的な方法があるのかどうか、この辺が非常に重要ではないかと、こういう ふうに思います。 ○尾添産業安全研究所理事長  その辺は先ほど言いましたように、今、厚生労働科学研究費があるので、そういうも のへの積極的な応募以外に、あと大学との連携とか、あと競争的研究資金のいろんな情 報を早期に入手して、早期に研究者のほうにどんどん流すと、そういう工夫ということ をやっていくということで、そういうことも今、いろいろと考えながらやっているとこ ろでございまして。前向きに、応募はきちんとやっていこうということでございます。 ○黒澤委員  ぜひご努力いただきたいと思います。 ○大久保部会長  ほかにいらっしゃいませんですか。それでは、評価用紙にご記入をお願い申し上げま す。 (各委員 評価シートに記入) (4)その他 ○大久保部会長  よろしゅうございますか。それでは一応評価は終わりましたけれども、最後に総括と いたしまして、委員の先生方、何かご質問あるいはご意見、ありますれば。  特にございませんでしょうか。それでは長時間にわたって本当におつかれさまでした 。また、何かご質問ですとかご意見があります場合は、あと2回ございますので。来週 ですね。その際に、コメントあるいはご質問をいただきたいと思います。  本日の会議はこれで終了させていただきますけれども、今後の予定につきまして、事 務局のほうからご説明をお願いします。 4.閉会 ○川尻政策評価官  それでは、委員の皆様方には次回、それから次々回の開催通知を置かせていただいて おりますけれども、来週はまず29日(木曜日)に産業医学総合研究所の、本日のような 個別評価、それから30日(金曜日)、連続になりますけれども、国立健康・栄養研究所 の個別評価を行っていただく、こういうことになっております。  それで、事務的なことで恐縮でございますけれども、そのあとまた総合的な評価とい う形になりますので、本日お配りさせていただいた各種資料というのは、何かご希望が ありましたらまたやりますけれども、できれば置いておいていただければ、各委員ごと にファイリングをさせていただきますので、お持ち帰りいただかないようにお願いでき ればと思っております。特にこれが欲しいということであれば、それはまた別途用意い たしますので、お持ち帰りいただいても結構でございます。 ○大久保部会長  本日の部会は以上とさせていただきまして、評価シートへの書き込みがまだお済み でないという方がいらっしゃいましたら、お帰りになるまでに、これは回収しないとい う事務局のお話でございますので、この場で引き続きご記入いただいて、この場所にお 置きいただいてお帰りのほどをお願いいたします。  大変暑い中を、本当に長時間にわたりましてご出席の委員並びに事務方の皆様方、ま たご報告いただきました各研究所の諸先生、本当にありがとうございました。またよろ しくお願いいたします。きょうはこれで終わりにさせていただきます。                                    (終了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係  電話:03-5253-1111(内線7783)