04/07/16 独立行政法人評価委員会第3回農業者年金部会議事録          第3回 独立行政法人評価委員会農業者年金部会                  第3回議事録 日時 平成16年7月16日(金)16:00〜17:00 場所 厚生労働省社会保障担当参事官室会議室 出席委員 安達委員、正置委員、森戸委員 〇正置部会長  定刻になりました。ただいまから「第3回独立行政法人評価委員会農業者年金部会」 を開催いたします。本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、大変ありがとうご ざいます。  最初に、今回初めて御出席された方がいらっしゃいますので御紹介いたします。  まず事務局からです。年金局企業年金国民年金基金課の藤田課長補佐でございます。  続きまして、独立行政法人農業者年金基金の方です。小倉総務部長です。姫野業務部 長でございます。  初めに、事務局から本日の議事について簡単に御説明をお願いします。 〇藤田課長補佐  その前に、本日は私どもの矢崎課長が出席の予定でございましたが、急きょ所用がご ざいまして欠席させていただくということでございます。申し訳ございませんがよろし くお願いいたします。  本日は、最初に、本年3月30日の厚生労働省の評価委員会の総会で決定されました、 「評価委員会の運営規程の一部改正と総会と部会の役割分担の一部改正」につきまして 御報告をさせていただきます。  2点目でございます。農業者年金基金の平成15年度の業務実績について、御審議いた だたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。   〇正置部会長  では、報告事項について事務局より御説明をお願いします。 〇金刺室長補佐  政策評価官室長補佐をしております。金刺と申します。私からは独立行政法人評価部 会の運営規程の改定についきまして御説明を申し上げたいと思います。  3月30日に改定されました点は、運営規程の1点だけでございます。資料1の1ペー ジ目の第3条でございます。「委員会が定めるところにより、部会の議決を委員会の議 決とすることができる。」3ページ目に新旧の対照表の形でお示しをしております。そ れまでは「部会の議決は、委員長の同意を得て」という形をとらせていただいておりま したところから、こちらの農業者年金部会につきましても、部会長の議決を得たものに ついて、改めて黒川委員長の同意をその度にとっておりましたが、今般、所管法人数が 増加し、黒川委員長の同意を得る案件も相当数増大してきたことに伴いまして、部会の 議決をもって委員会の議決とすることができる旨の改正をいたしたところでございま す。  それに伴いまして、あわせて総会で決めないといけない事項、部会で決定して部会の 議決をもって委員会の議決とする事項につきましても、整理をし直し、総会で決定した ものを資料2としてお出ししております。以上でございます。   〇正置部会長  ありがとうございます。ただいま御説明のありましたことについて、何か御意見ある いは御質問がございませんでしょうか。  続きまして農業者年金基金の業務実績についての審議ということでございます。まず 事務局から、審議にあたっての手順等について御説明いただきたいと思います。 〇藤田課長補佐  御説明させていただきます。独立行政法人農業者年金基金につきましては、農林水産 省が主管の法人でございますが、御存じのように業務の一部につきましては、厚生労働 省が共管という形になってございます。  そのために業務実績の評価は、農林水産省の評価委員会が行うということになります が、その際に、農林水産省の評価委員会は厚生労働省の評価委員会の意見を聴く、とい うこととされております。  参考で資料をお付けしております。資料3です。御覧いただくとわかると思います が、農林水産省の評価委員会の委員長から意見の要請が書面にて来ております。それに 基づき、きょう御審議をお願いするということでございます。したがいまして、今回の 手順でございますが、先々月5月25日に農林水産省の評価委員会で決定されました評価 基準について、補足的ではございますが当部会の意見の範囲につきまして事務局より説 明をさせていただき、その後、農業者年金基金から業務実績について説明をしていただ く、という手順で進めたいと思っております。  その後、その業務実績をもとにして御審議をお願いすると考えております。  なお、業務実績評価を行う農林水産省の評価委員会が8月10日に予定されているとい うことですので、今月中くらいにはこちらの部会の意見をまとめさせていただくという ことを予定しております。やり方としましては、本日の御審議を踏まえまして7月下旬 を目途に正置部会長と事務局で原案を作らせていただき、その後、各委員にお送りしま して御確認いただいた上で、最終的に農林水産省の評価委員会に意見として提出をす る、という手順で進めさせていただきたいと考えております。以上でございます。 〇正置部会長  ありがとうございました。ただいま御説明のありました手順について、何か御意見ご ざいますか。よろしいでしょうか。では評価基準についてと当部会の意見の範囲につい て、事務局より御説明をお願いします。 〇藤田課長補佐  御説明をいたします。まずポイントを絞って説明をさせていただこうと思います。最 初は、評価基準についてでございます。資料4になります。これを全部読み上げるのも なんですので簡単に申し上げます。  農業者年金基金の業務実績に関する評価を行うにあたっての基準が、この資料の通り の内容です。5月25日に農林水産省の評価委員会で決定されたということでございま す。  その内容でございます。ポイントを簡単に御説明をさせていただきます。まず1のと ころでございます。評価するにあたっての基本的な考え方ということでございます。  (1)にございますが、独立行政法人は業務の実績の評価を受けなければならない。こ ういう旨の規定がされております。  (2)は、各事業年度の実績評価。  (3)は、中期目標期間における業務実績の全体評価。これは資料の5ページ以降にご ざいます項目の右のほうに項目がいろいろとあります。総合評価とあり、その下に大項 目・中項目とありますが、中期計画の中項目を単位としまして、中項目の評価を踏まえ て大項目の評価をする。それを踏まえて全体の評価をする、という3段階で行うという ことが決まっております。  2点目でございます。具体的な実績評価の方法としましては、その下の2の各事業年 度の実績評価の方法というところにございます。  例えば、中項目の評価方法は下に書かれている小文字の小項目の達成度合いのabc というような評価、点数の合計による評価をまず行うということであります。小項目の 評価が中項目の評価になる。大項目は同じように中項目の達成度合いを見まして、まと めまして大項目の評価をするということでございます。  また総合評価の方法につきましても、同じように大項目の達成度合いにより総合評価 をする、といった内容になってございます。  この後に業務実績の説明を後ほど基金のほうからやっていただきますが、資料5とし ましてお配りしております農水省経由で参っております実績報告書がございますが、こ れと同じ内容が資料6を見ていただきますとこの中に書いてございます。それですから 基金のほうからの説明にあたりましては、業務実績と農業者年金基金の自己評価をあわ せて資料6で説明をしていただきたいと考えております。これが評価基準の関係でござ います。  資料7の意見の範囲でございます。これも以前に御覧になったことがあろうかと思い ますが、考え方としましては、農業者年金基金全体につきまして農林水産省が所管をし まして、加えて左側の上から3番目のところでございますが、「業務」というところの 1つ目の・に「経過的給付に関する事項」というものがございます。  ここの部分が農林水産省と厚生労働省が共管するということになっている部分です。 ここの部分につきましては、農林水産省の評価委員会が業務実績の評価を行うのであり ますが、その際に厚生労働省の評価委員会から意見を聴いて、その結果を踏まえて農林 水産省の評価委員会が全体をまとめるということになっております。  具体的には、経過的給付に関する事項という表現になっておりますが、どういう部分 かということでございます。資料6できょう基金のほうから御説明をいただくわけです が、資料6の中の2ページを見ていただきますと、ここに太枠で囲った部分がございま す。ここが共管部分に該当すると考えております。この部分の実績について、当部会と して意見をまとめていただくということを考えております。以上です。 〇正置部会長  いま評価基準と意見の範囲について御説明をいただきました。引き続きまして業務実 績につきまして農業者年金基金のほうから御説明をお願いします。 〇農業者年金基金・小貫室長  では業務実績について御報告させていただきます。基本的には先ほどの基準に従いま して、農水省の評価委員会のほうで右から3つ目のところにある評価指標というものを 定めております。この評価指標に従ってどうなっているか、という形で御報告をさせて いただきます。  「第1 業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置」「1業務運 営の効率化による経費支出の抑制」ということでございます。  これは一般管理費について14年度比で3.9%を抑制します。また事業費についても上 半期とあわせて平成14年度比で9.3%を抑制します、ということになっておりました。 この実績が右から2つ目の欄でございますが、一般管理費については3.9%の抑制を達 成しましたということです。実績は3.9%以上になっておりますが、この目標を達成し たということになっております。  そういうことで、評価は90%以上であったということでaにしました。  次の業務費でございます。これにつきましても上半期とあわせて9.3%の抑制を達成 したということで、aの評価としました。  なお、上の表は90%以上でここは100%となっておりますのは、計画のほうで13%以 上という言い方をしております。以上と書いてあるところについては100%ということ になっております。  次は2ページでございます。「2業務運営の効率化」の中の(1)でございます。これ につきましては私どもはいろいろな申出書等がございますので、申出書等の様式改善に ついて検討を行います、ということでございます。  右の事業実績の記述のところに2つございます。給付関係の申出書等についてはこれ は様式がかなり多いので、各種申出書の改善計画を作成しました。加入の時の資格なり 収納関係につきましては、制度が始まって新しいものですから、あまり直すところはあ りませんが、ここにありますようにアイウのような形で対応しましたということです。  基本的には申出等は本人の申請によるわけですが、アは市町村合併が大量に行われる ということを予定いたしまして、これは一々本人が出してこなくても市町村農業委員会 で一括して確認をするというやり方にする。  イにありますように、政策支援区分6といっておりますのは、旧制度加入者で特例的 に3年間国からの保険料補助が得られるという人でございますが、今年の12月でそれが 切れますので、そういう人たちの対応のために新しい様式を定めて一括して対応するよ うなやり方をする。  ウにありますように、任意脱退ができるわけですが、任意脱退をするときに未納保険 料がありますと、それの猶予という手続で書類を2枚出さないといけないのを1枚にす るというような改善を行っております。いずれも検討が終わったということでa評価と させていただきました。  (2)電算システムの開発・整備ということです。私どもは末端の市町村農業委員会・ JAに仕事をお願いしているので、そことの間で、基金の保有する被保険者等に関する 個人情報をインターネットを通じて提供するようなシステムの開発、というものについ て検討します。  (2)にありますように、申請者の記入負担等を軽減する、業務受託機関の方々の事務 の簡素化ということで、末端で被保険者情報をプレプリントできるようなシステムの開 発の検討を行います。  (3)は、来年の4月から独立行政法人等の個人情報の保護に関する法律が施行される ということに対応しまして、情報システムの安全性の確保に関する指針等の策定のため の検討を行います、ということを年度計画に立てていたのです。これに対しての実績で す。  2ページに戻ります。右側の(1)にありますように、これにつきましては、個人情報 の保護に対応できるように農業者年金基金電算システム検討会というものを設けて、そ の中でデータの暗号化、個人認証の方法、電子証明書の配布方法について検討を行いま して、この結果を電算システム開発整備計画という形でとりまとめを行っております。  (2)にありますように業務受託機関においてプレプリントできるシステムでございま すが、これにつきましてもどういう項目をどういうやり方でやるのか、ということを電 算システム開発整備計画の中にとりまとめております。  (3)の情報システムの安全性に関するものですが、これにつきましても情報セキュリ ティ委員会を基金内に設けまして、情報資産の調査、リスク分析等を行った上で、情報 セキュリティポリシーとして策定するということを、システム開発整備計画のなかにと りまとめております。  そういうことで評価の欄です。2ページの下(2)に戻りますが、そういう検討が終わ ったということでa評価とさせていただいております。  続きまして3ページの(3)でございます。業務受託機関における事務処理のためのマ ニュアルというものを整理し、順次ホームページに掲載します、ということで年度計画 を立てております。  これにつきましては右にありますように、例えばマニュアルは制度が複雑なのでかな り分厚いものですので、それにつきまして記述内容を簡潔にするということです。それ からポイント部分をカラー化するということで見やすくする、記述の中身を検索しやす いようにということで目次の整理と細分化を図るということを行いまして、被保険者資 格編、保険料編、旧制度給付編、という3つの編に分けまして、3月にホームページに 掲載いたしております。  このほか、用語辞典とか逆引き索引ページというものも掲載し見やすくしておりま す。  それ以外にも新制度の事務処理上の留意事項について、記述内容を簡潔にするなどし てホームページに掲載をしております。  そういうことで3ページの評価に移りますが、マニュアルについて必要な見直しを行 ったということで、これもa評価とさせていただきました。  次は4ページの「3組織運営の合理化」というところでございます。これにつきまし ては、(1)にありますように1月1日に1課を削減するという計画でありました。右に あるように計画通りに1課を削減したということで、評価はa評価とさせていただいて おります。  「また」のところでございますが、電子計算業務室の行う業務を拡充し、業務全般の 電算システムの開発・整備を担当するシステム開発課と改組します、ということでござ います。これにつきましても右にありますように、新たに、情報システムに係る企画調 整、開発及び運用に関する事務を追加し明確化するとともに、システム開発課として改 組をいたしました。その他、特記事項にありますが、基金の組織規程の改正を行ってお ります。  そういうことで、評価のところは明確化しましたということでa評価とさせていただ いております。  下の行の(2)でございます。常勤職員数については、期初において87人としますとい うことですが、既にスタートした時点で87人となっておりますので、これは評価の対象 とはなっておりません。  5ページの「4業務運営能力の向上等」です。(1)にあります、これは私ども農業 者年金基金の職員でございますが、10月と4月に大きな異動がございますので、10月異 動の新任職員につきまして、右にありますが全員に研修を行いましたということで、こ れは研修を実施したということでa評価とさせていただいております。  もう一つ真中辺りです。専門研修を実施しますということをいっております。この専 門研修は2つございます。右のほうにありますように年金資産の運用の関係と、経営移 譲という形で農地の権利をよそに移すので、農地制度等について専門性が必要であると いうことで、それぞれについて研修を行いました、ということです。いずれも研修を実 施したということです。  もう一つです。左側に民間の機関が主催する研修にも参加させます、ということです が、それにつきましては6ページの右にあります。これは民間機関の通信教育を受けさ せた、それから民間機関が主催する年金資産の運用等に関する研修を受講させるという 形で参加させております。  したがいまして、これにつきましても研修に参加させたということでa評価とさせて いただいております。  6ページの(2)でございます。業務受託機関担当者に対する研修でございます。一つ は(1)にありますように都道府県段階における受託機関でこざいます。私どもの仕事は 末端では市町村の農業委員会とJAでしておりますが、その指導は都道府県段階の農業 会議、それとJA中央会にお願いしておりますので、基金としましては県段階の人にま ず説明するということでございます。ただ左から2つ目の欄にありますように、こうい う研修というのは例年は年度当初に行っております。昨年の場合には10月に私どもの制 度が発足しましたので、そういう研修会をしておりませんので、秋以降にブロック会議 という形で会議を開催しております。その会議の場を通じていろいろな情報を伝えてい くということで、これを年度計画に立てております。  これにつきましては、右にありますようにブロック会議の中で資金の運用状況、検討 委員会の検討状況、さらには新しく出てまいりました資格関係の事務処理上の留意事項 であるとか、今後の加入推進というものについて強化をしていくということにつきまし て、説明をいたしました。  したがいまして、研修等を実施したということでa評価とさせていただいておりま す。  (2)でございます。市町村段階における受託機関、農業委員会とJAでございますが、 これにつきましては次のページです。基本的には都道府県の受託機関がそういう者を集 めて研修会等を行うわけですが、その場に必要に応じて私どもの基金の役職員を派遣し ますという計画になっております。これにつきましては、6ページの右下にあります が、まず都道府県の業務受託機関に対しては、5月と6月の年度当初に初任者研修会を 行っておりますし、10月にブロック別の担当者会議でその内容を周知する。あわせて市 町村段階に周知してくださいという指導をするとともに、県の受託機関が実施した研修 会等には、29件で43名を基金から役職員を派遣しております。  そういうことで、評価は指導及び役職員の派遣を行ったということでa評価とさせて いただいております。  7ページ「5評価・点検の実施」です。これは10月に業務の運営状況、3月にはさら にプラスして平成16年度の計画についての意見を聴く、という形で運営評議会というも のを開催します、ということで計画しておりました。これにつきましては、右にありま すように10月には農業者年金事業の実施状況、運用状況等を議題に、3月にはさらに加 えて16年度の計画等を内容とする運営評議会を開催いたしておりますし、さらにその時 の委員の御意見を踏まえまして、(1)(2)(3)にあるように、加入の推進をするために基 金自らがダイレクトメールを送るとか、年金資産の運用について分かりやすくするリー フレットを作るとか、年金資産のホームページでの公表です。それまでは年に1回とい うことで考えておりましたが、四半期ごとにホームページで公表するという形で改善を いたしております。  そういうことで、評価は業務運営に適切に反映させたということでa評価とさせてい ただいております。  (2)でございます。これは委託業務が適切に行われるようにということで、23道県の 業務受託機関について考査指導を行いますといっております。左の中期計画にあります ように、この期間中、4年半でございますが、そこで各都道府県において2回以上で実 施するということで、これを計算しますと年間で大体21回ぐらいになりますが、それを 上回る数23道県を実施するという計画にいたしました。  実績でございます。計画通りに考査指導を実施したということで達成度は100%とい うことでa評価とさせていただいております。  8ページです。大きな「第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向 上に関する目標を達成するためとるべき措置」というのがございます。その中に「1農 業者年金事業」がございます。その(1)の被保険者資格の適正な管理ということです。 ここの部分は新制度にかかる部分でございますが、私どもの農業者年金の加入資格は国 民年金の1号被保険者であるということが前提になっております。そのために1号被保 険者であるかどうかということをチェックする必要があるわけですが、それを機械的に 突合できるようなシステムを作るということで、右にあるように国民年金の被保険者資 格記録と機械的突合システムを構築しました。  評価としましては、両記録の突合準備が完了したということでa評価ということにさ せていただいております。  次に(2)でございます。業務受託機関に対して基金から政策支援加入者の特例保険料 に係る資格の喪失等があらかじめ見込まれる者を連絡しまして、必要な申出書等の提出 を遅滞なく行うよう働きかけを行います、ということでございます。  右にあるように期間が切れるということは、保険料補助を受けている人たち、政策支 援対象者というのは、例えば認定農業者のように経営改善計画が5年で切れるというこ とで期限が切れたままにしておきますと、保険料補助をうける要件がなくなるというこ とで、期限切れがくる前にリストを作り業務受託機関に送りまして、それぞれの方に働 きかけを行うということをやっていただいております。それを昨年度は550の農業委員 会が822名に対して行いました。  そういうことで、評価の欄は連絡と働きかけを行ったということでa評価とさせてい ただきました。  9ページでございます。(2)の申出書等の迅速な処理ということです。これは各種の 申請書類なり裁定の請求書というものがかなりあるわけですので、これにつきまして標 準処理期間を定め、これを公表しますということでございます。これにつきましては右 にありますように独立行政法人になったときに、すぐに理事長通知を出しましてホーム ページでも掲載をしていますので、標準処理期間を定めて公表したということでa評価 とさせていただいております。  (2)でございます。標準処理期間を定めた申出書等の97%以上を期間内で処理すると いう目標を立てております。また不備が発見された申出書等については、補正等が早急 に行われるように業務受託機関への迅速な返戻等を行います、ということでございま す。  もう一つは(3)です。処理された申出書等の処理状況の調査を2月に行い、その結果 を公表します。期間内に処理できなかったものについては、その原因を把握して期間内 に処理できるようにします、ということをいっております。  9ページの右に16年2月に処理した申出書に係る処理状況を調査しましたところ、下 の表にありますように期間内で処理したものが97.2%でありましたので、目標の97%に 対して97.2%というのは、100.2%になるということで、標準処理期間内での処理の達 成度は100%以上であったのでaと評価させていただいております。  また今の右の表に審査の段階で申出書等の不備等が判明した場合には、その都度不備 内容を明らかにした返戻文書を添付の上、原則として審査した翌日には受託機関に返戻 をしております。  (3)の右でございます。処理された申出書等の調査結果については、年度末に基金の ホームページで公表しました。期間内に処理できなかったものについては、その原因の 整理をいたしております。  そういうことで評価は申出書等の処理状況の結果を公表したということでa評価とさ せていただいております。  10ページ「2年金資産の安全かつ効率的な運用」ということです。これは基本的には (1)にありますが、年金資産の管理・運用については、法令の規定により定める年金給 付等準備金運用の基本方針に基づき、国内債権を中心とし、安全かつ効率的に行いま す、ということになっております。  私ども農業者年金基金法なり政令の中で、運用方法とか基本方針に定める内容とか、 投資は分散してやりなさい、というものが法令に定められているわけですが、それに基 づきまして作りました基本方針、これは業務方法書ということで大臣認可を受けており ますが、その内容に従って運用を行っております。  右にそれの内容がございます。年金給付等準備金の運用の基本方針に基づきまして、 (1)から(4)まであります。被保険者、受給権者、危険準備金毎のポートフォリオに区分 いたしまして次のように運用を行っておりますということです。  まず被保険者ポートフォリオでございますが、これは基本方針に定める政策アセット ミックスによる構成割合、基本ポートフォリオによる運用を行いました。ただ初年度、 平成14年度にマイナスになったということを踏まえて、15年度は絶対にプラスにという 話もありまして、より安全性を踏まえた運用を行うということで、「運用環境の変化に 備えた行動計画」というものを作りまして、その基準に従いまして11月から暫定ポート フォリオによる運用を開始しております。  11ページの受給権者ポートフォリオ、被保険者危険準備金等につきましても、それぞ れ定められた運用を行ったということです。  評価は10ページの下ですが、基本方針に基づき安全かつ効率的に行ったということで a評価にさせていただいております。  11ページの(2)でございます。資金運用委員会を四半期ごとの10月と2月に開催しま して、その運用状況及び運用結果の評価・分析等を行いますということです。右にある ように開催をし、定性・定量面の評価分析を行ったということで評価はaとさせていた だいております。  (3)です。資金運用委員会で年金資産の構成割合の検証を行い、必要に応じて見直し を行いますということでございます。これにつきましては右にありますように、年度末 結果を踏まえて5月に資金運用委員会を開催いたしまして検証した結果、策定時の諸条 件に構造的な変化は見られないということで、そのまま維持するということにいたしま した。   さらに「運用環境の変化に備えた行動計画」を策定する際にも、その時の状況等を勘 案しまして、そのアセットミックスを維持するということで決定をしております。  そういうことで、検証を行うとともに必要に応じて見直しを行ったということでa評 価とさせていただいております。  (4)です。年金資産の構成割合、運用成績等については、11月と2月にホームページ で情報を公開しますということで、これは右にありますように、予定どおり公開をいた しておりますので、この点につきましては年金資産に関する情報をホームページで公開 をしたということです。  ただ加入者に運用結果を通知するということは、中期目標にありますが、毎年6月末 までに個人に通知するということになっておりますので、これはこの期間には該当があ りませんでしたので、後段は該当なしということで、前段での評価でaとさせていただ きました。  12ページ「3制度の普及推進」ということでございます。これは新制度の普及推進 (1)でございます。業務受託機関が行う重点対象者に対する制度の周知・普及活動を推 進しますということで、右の(1)にありますように、加入対象者名簿の作成及び更新を 末端でやっていただきまして、対象者を明確にして研修会なり巡回相談会、個別訪問と いう形で普及・推進活動を行っております。  (2)はそういう活動をしてもらうために、基金から各受託機関に対しての指導をして いったという内容について記載を書いております。それに加えまして、アイウエと書い てありますが、受託機関だけではなく基金自らもダイレクトメールを送るとか、市町村 長やJA組合長に働きかけをする。さらには全国認定農業者サミットとありますが、こ れは認定農業者の集まる全国大会でございますので、私どもの加入対象者の方々が集ま る場に出向いていって、PRをさせていただくということも行っております。  そういうことで、ここにつきましても、制度の周知・普及活動を行ったということで a評価とさせていただいております。  13ページの(2)業務受託機関が実施する加入推進対象者への制度の周知・普及活動に 必要な広報資材を作成します、ということです。これにつきましても右にあるように必 要な資材を作成いたしておりますし、業務速報という形で各種の情報を公表するという ことをしております。  (3)です。被保険者に対して保険料の納付が大事であるということを知らせるため に、新たに交付する被保険者証に重要性を記載しますということをいっております。  この点につきましても、13ページの右にありますように、新たに発行するものにはそ ういう内容を記載しましたということで、両方をあわせて資料を作成・公表した、とい うことでa評価にさせていただいております。  14ページです。(4)加入者や受給者の方々はもとより、広く農業者の方々に分かりや すいホームページにする、情報の内容を毎月更新する、アクセス件数が9,000件以上に なるという計画を立てております。これにつきましては右にありますように、いずれも ホームページの情報は毎月更新しまして、その回数は82回になっております。  またホームページ全体のリニューアルを行っております。そういうことで情報を毎月 更新することにつきましては、達成度合いは100%ということで、a評価とさせていた だいております。  アクセス件数ですが、件数はこの表にありますようにトータルで約35,000件というこ とでございますので、達成度は100%を超えているということで、これもa評価とさせ ていただいております。  次は大きな「第3財務内容の改善に関する事項」です。私どもは、融資事業なり農地 の割賦売り渡しによる貸付金債権というものをもっております。それの担保物件の評価 の見直しを行うとともに、また貸付金債権分類に基づく適切な債権の管理回収を行いま すということで、これにつきましては14ページの右にありますように、12月までに評価 の見直しを行った、2にありますように延滞者の実態把握、督促、面談及び抵当権の実 行等により適切な債権の管理・回収を行ったということで、計画どおりにそういうもの を行ったということで、A評価とさせていただいております。  次は中期目標の第5のところで、ここは中期計画、年度計画がない欄でございます。 借入金につきまして、実際にやっておりますので、それについて評価をしたということ です。右にありますように、これは法律に基づきまして私どもは旧制度の年金等の給付 に必要なものにつきまして長期借入をするわけでございます。その借入金につきまして は、法令及び農林水産大臣の要請に従いまして市中金利情勢を反映した借入を行ったと いうことです。具体的には右の表の下に、半年間に310億円ぐらい借り入れたわけです が、借入金利は公表されている長期金利の5年利付国債の市場流通利回りに+45bpの スプレッドを加算した利率とする、という形にしております。  借入期間でございます。今後の金利情勢等を勘案して、できるだけ長いほうがいいと いうことで、5年という期限が切られておりますので可能な限りその範囲内で長期の期 間を設定するという形で行っております。  これにつきましても、極力有利な条件での借入を行ったということでa評価とさせて いただきました。  15ページ「第4 予算、収支計画及び資金計画」でございます。これにつきまして は、右にあります事業費及び一般管理については、適切な業務運営を行うことにより、 経費の節減を行ったということで、冒頭に申し上げましたような形で行っております。  取り組みは十分であったということでa評価とさせていただいております。  なお、16ページの右側の上です。私どもは勘定が4勘定ございます。その中で一部旧 年金勘定で、当期欠損金というものを計上しております。これは自己財源を旧年金等給 付費に充当したということでごさいますので、借入金を減少するために生じたものでご ざいますので、やむを得ないと考えております。  年金給付費は相当な金額はあるのですが、そのうちの一部は国から補助をいただいて おります。それに足りない分につきましては、先ほどの大臣の要請を受けまして借入金 を借りるわけです。ただ旧制度で持っていた財源がある場合には、それを一部充当して いく。それにつきましては、欠損金という形で計上されるという形になりますので、こ ういう形になっております。  これにつきましても、効果的な資金の配分は十分であったということでa評価とさせ ていただいております。  続きまして16ページ「第5 短期借入金の限度額2億円」でございます。これは実績 がなかったということで対象外にさせていただいております。  17ページ「第6 剰余金の使途」でございます。これにつきましても剰余金の実績が なかったということで対象外とさせていただいております。  「第7 その他主務省令で定める業務運営に関する事項」という中に、職員の人事に 関する計画というものがございます。その方針のところでございますが、1月1日に課 長職を1課削減しますということにつきまして、右にありますように、計画どおりに削 減したということで、a評価とさせていただいております。  (2)の人事に関する指標でございます。年度末の常勤職員を87人としますということ ですが、これにつきましては右にありますように期初の10月に既に87名といたしました ので、評価にありますように計画どおり順調に実施されたということでa評価とさせて いただいております。以上でございます。 〇正置部会長  ありがとうございます。先日、あらかじめお送りした農業者年金基金の業務実績につ いてということで、それをこちらに割り振るとこういう形になるということでございま す。がんばっていただいて、すべての評価がaということでございます。  何か御意見あるいは御質問ありませんか。 〇森戸委員  私は農水のほうで一通り言いました、それを繰り返すことは避けます。いま厚生労働 省と共管ではないところも全部御説明いただいたわけですね。それはそういうものでし ょうか。ここの太枠だけではなく、全体でもこちらでもやるということでしょうか。 〇農業者年金基金・小貫室長  農水省に出しましたものと同じものにつきまして、全体を説明させていただいたとい うことです。 〇森戸委員  これに関しての意見というのではないのですが、ぼくはやはり両方でやっているのは 無駄な気がしますので、一緒にできないのかと思います。それは農業者年金基金に申し 上げてもしょうがないのですが、共管ということで実質は同じことをやっているわけで すから、そこをスリムにするのがまず必要ではないとかということを思います。それは どちらかといえばお役所の話です。内容については前にも意見を申し上げましたので、 特に意見は今はありません。 〇正置部会長  これは資料7にある役所間のものでしょうか。このように意見を聴取しますよ、それ に答えますよ、という形でできているわけですよね。これにのっとって農水省から来た ものに我々が答えないといけないということですか。 〇金刺室長補佐  農業者年金基金を設置している法律の中で評価の仕方について定められています。毎 年度の実績につきましては、農林水産省の評価委員会が実績評価を行う。ただし、評価 を行う際には、厚生労働省の評価委員会の意見を聴かなければならない、という規定に なっております。  具体的には「前条第1項第3号に規定する業務に関し」となっておりまして、経過措 置として残されている改正前の農業者年金法による給付の支給業務に関する部分のみが 対象になります。   〇藤田課長補佐  いま御説明いただいたのは、森戸先生のほうは向こうにも御出席いただいております が、管理部門に関しても全体像は影響がないとはいえませんので、全体がわかるために ということで御説明いただいたと理解しております。 〇森戸委員  ただ、もしこっちで意見を何かいうとすると、共管部分にしか言えないということで すよね。そういう整理ですね。 〇正置部会長  完璧にやっていただきましたが、特に御苦労された点は何かございますか。 〇農業者年金基金・小貫室長  全体に、評価というのは初めてでございますので、実績等を把握するのがなかなか難 しいことでございます。末端が全国に散らばっているということもございます。実績報 告の説明のところは、そういう御指示をいただければ、次の機会からは省かせていただ きます。 〇藤田課長補佐  それはまた会長とも御相談しまして、ということにいたしたいと思います。 〇正置部会長  逐一ではなく、全体に簡単に御説明をいただくというのが良いのかもわかりません ね。共管でないところについてはですね。  では農林水産省の評価委員会に提出する意見につきましては、先ほど事務局の藤田さ んから御説明をいただいたように、事務局と私で相談しまして案を作りまして、それを 書面で委員の方にお送りしてお諮りする。また御意見を頂戴しまして、もし修正すると いうことがありましたら修正させていただきますが、軽微なものにつきましては私に御 一任いただければと思います。重いものがございましたら改めてお諮りをさせていただ くということにしたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうご ざいます。ではそのようにさせていただくということにいたします。  引き続きまして、今後の予定等につきまして事務局から御説明をお願いします。 〇藤田課長補佐  今後の予定でございます。いま部会長から御説明いただきました。資料8にちょっと ございまして繰り返しになりますが、7月下旬に向けまして皆様の御意見をこちらでた たき台を作りまして、御了解を得た上で提出をする、ということで進んでまいろうと思 います。よろしくお願いいたします。 〇正置部会長  ありがとうございました、全体的に何か御意見あるいは御質問ありませんか。では私 から一言。  いま個人情報保護の重要性ということがいわれております。農業者年金基金さんのほ うでは、その辺はどういうふうな対策をやっておられるのでしょうか。 〇農業者年金基金・姫野部長  私からお答えいたします。現在、私どもの業務につきましては、JAとかあるいは農 業委員会に業務受託機関として仕事を委託しているという形になっております。幸か不 幸か現在非常に受給者なり加入者が、受給者が70万人、新制度の加入者が7万人という 状態ですが、業務受託機関の数が多いのです。  例えばJAの場合ですと支所等を含めますと1万近くなるということです。基本的に は紙ベースの情報のやりとりということになっております。ただ、先ほどの計画にもあ りますように、今後、業務の効率化を図るということで電子情報でいろいろな加入者の 情報を提供するというような必要性が出てきます。そのためにはセキュリティポリシー をきちんと策定しまして、個人情報の漏洩、あるいは保護等に十分に留意した形でやっ ていきたいと思っております。  現状は、私ども内部の職員が電子情報にアクセスをするという状態になっておりま す。外部の業務受託機関につきましては、基本的には私どもがそれぞれ管轄をしている 被保険者なり受給者の部分のデータを紙で送るようにしているということです。紙につ きましも最近は情報漏洩ということも問題になっておりますので、この4月には改めて 徹底ということで指示をしております。今後そういう電子情報をいろいろと活用してい くということになりますと、その辺の管理ということにつきましては、さらに考えなが らやっていきたいと考えております。 〇正置部会長  わかりました。ほかに御意見ございませんか。 〇安達委員  これだけ加入者が少なくなって、管理をするJAの数が非常に多いというのも非効率 ですよね。これをもう少し考えるべきではないかという気もします。今までのJAでの 加入者管理というのは、効率が悪すぎるという感じがします。 〇農業者年金基金・小貫室長  確かに3,000の市町村、それからJAが合併しましても本所だけでも900ですし支所を 入れますと10,000以上になるということで非常に効率が悪くなっているのは事実でござ います。  ただ農家の方が全国的に普遍的におられる以上、末端でやるとすれば今の方法でやる しかないのかなと思います。今後さらに減ってきたときにどうするのかというのは、今 のところ特にはないですね。 〇農業者年金基金・小倉部長  ただ旧制度の受給権者は71万人規模ございますので、そちらの仕事というのはかなり 残っております。 〇安達委員  そうですね。なかなか簡単には簡素化・効率化といっても進められない部分もたくさ んありますよね。末端からいうとあまり進められても困るのでしょうが、我々もこうい う場所に座ったときには、どっちの立場もあるのですがね。 〇農業者年金基金・小貫室長  単に事務処理だけであれば、直接という話も郵便とかインターネットがあると思いま すが、私どもは入るときに、農地があるとか農業に従事している人であるとか、それか ら給付をするときに、今度は土地の権利を処分したのかということになりますと、どこ かで現場で確認をしていただかないといけないということになります。ですから末端の 機関が必要ということになります。 〇安達委員  そうですね。どちらの立場で見るかということによって我々もある程度は違ってきま す。そういう難しさがあると思います。 〇森戸委員  さっきのことですが、法律を変えてもらうか、一緒にやるとかしたらいいのではない かと思います。私が二度出るということを嫌がっているわけではなく、そのほうが効率 的であると思います。同じことをやるわけですし、皆で意見を一度に聞けばいいのでは ないかと思っています。ですからそれは基金さんではなく政策の問題です。検討してい ただければいいかなと思います。 〇正置部会長  時間も参りました。本日はこれで終了させていただきます、ありがとうございまし た。                                    −終了−              照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係              電話 :03-5253-1111(内線7780)                  年金局企業年金国民年金基金課 国民年金基金係                  03-5253-1111(内線3325)