04/07/05 振動障害の検査指針検討会第１回議事録



　　　　　　　　　振動障害の検査指針検討会（第１回）議事録


１　開催日時及び場所
　開催日時：平成１６年７月５日（月）　午後５時から午後６時４５分まで
　開催場所：中央合同庁舎第５号館専用第１２会議室

２　出席者
　医学専門家：木村彰男、重松宏、髙山真一郎、樋端規邦
　　　　　　　原田規章、本間浩樹、宮下和久、梁井俊郎
　厚生労働省：菊入閲雄、小池廣治、黒谷一郎、藤本龍太郎、伊作城青他

３　議事内容
○職業病認定対策室長補佐（黒谷）
　只今より、「第１回振動障害の検査指針検討会」を開催します。座長が選任されるま
での間、進行を務めさせていただきます。私は職業病認定対策室室長補佐の黒谷です。
よろしくお願いいたします。改めまして、本日御参集いただいた各先生方におかれまし
ては大変お暑い中、またお忙しい中をお集まりいただき、厚く御礼申し上げたいと思い
ます。
　初めにお断りですが、当検討会は原則として公開とさせていただいています。改めま
して傍聴者の方々におかれましては、別途配付をしております留意事項をよくお読みの
上、会議の間はこれらの事項を守って傍聴いただくようお願い申し上げます。万が一、
留意事項に反するような行為があった場合には、当会場からの退室をお願いすることも
ございます。あらかじめ御了承いただきたいと思います。
　第１回検討会ですので、本検討会の参集者の先生方を50音順で御紹介いたします。ま
ず、慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター所長の木村先生です。東京大学医
学部附属病院手術部長の重松先生です。国立成育医療センター整形外科医長の髙山先生
です。徳島健康生活協同組合名誉理事長の樋端先生です。山口大学医学部教授の原田先
生です。岩見沢労災病院健康診断センター診断部長の本間先生です。和歌山県立医科大
学医学部長の宮下先生です。九州労災病院勤労者予防医療センターの梁井先生です。
　続いて、事務局を紹介いたします。補償課長の菊入です。職業病認定対策室長の小池
です。中央職業病認定調査官の藤本です。同じく、中央職業病認定調査官の横内です。
職業病認定業務第２係長の伊作です。
　会議の冒頭に当たり、補償課長の菊入より一言ごあいさつ申し上げます。

○補償課長（菊入）
　本日は御多忙にもかかわらず、当検討会に御出席いただき、誠にありがとうございま
す。本日御参集の先生方には、日頃から労働基準行政、とりわけ労災補償行政に対して
大変御協力をいただいているところです。この場をお借りして厚く御礼申し上げたいと
思っています。
　さて、振動障害に係る検査等については、昭和52年５月28日付け「振動障害の認定基
準について」、この中で示されているところです。その中で示されている各種検査につ
いては、被検者の検査に対する協力状況等により、結果が左右されることが多いために
客観性に乏しい、さらにまた、検査に当たって被検者への身体的負担が大きい等々、様
々な御指摘を受けているところです。
　こうしたことから、平成11年10月に「振動障害の検査手技に係る技術専門検討会」を
設置し、平成13年11月にその検討結果が取りまとめられました。その中では、現行の検
査手技を補うために新たな検査手技が示されましたけれども、実用化が可能な検査手技、
あるいは測定条件、検査基準等について、さらに継続的な検討を行う必要がある。その
ような結論に達したところです。当該検討結果を受け、有効な検査手技、あるいはその
可能性が示唆された５種類の検査手技について、平成14年度、平成15年度の委託研究等
において実証の検査を実施するとともに、国際的動向等に関する情報及び医学文献の収
集等を行ってきたところです。これらの基礎的な研究等を継続的に実施してきましたが、
これまでの研究成果、あるいは振動障害に係る医学的知見の集積、診断機器等の進歩、
これらを踏まえて安全でより客観的な、新たな検査手技を組み込んだ、検査体系の在り
方等の検討を行っていただく段階と考え、本日先生方にお集まりいただいた次第です。
　御参集の先生方におかれましては、大変お忙しい方が多いわけでございますが、検討
に際して御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、冒頭の挨拶とさせてい
ただきます。

○職業病認定対策室長補佐
　引き続き、当検討会の座長の選任に移りたいと思います。開催要綱上では特に座長に
関しての定めはありません。したがって、先生方の御承認をいただければ、事務局とし
て御推薦を申し上げたいと思います。当検討会の基礎になっている、いま課長の挨拶の
中にもありました平成13年度の「振動障害の検査手技に係る技術専門検討会」での委員
でもあり、その後の「振動障害診断のための新たな検査体系の確立に関する研究」、こ
れも後ほど御説明申し上げますが、そういった趣旨のもと、引き続き主任研究員をお願
いしていました和歌山県立医科大学医学部長の宮下先生に是非お願いしたいと考えてい
ます。各先生方、いかがでしょうか。

　　　　　　　　　　　　　　　　　（異議なし）

○職業病認定対策室長補佐
　ありがとうございます。宮下先生、よろしくお願い申し上げます。それでは、座長に
宮下先生に御就任いただきました。先生には座長席の方へ移っていただき、一言御挨拶
をいただいた上、議事に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○宮下座長
　只今、本検討会の座長に指名いただいた和歌山医大の宮下です。振動障害の検査指針
に関する検討ということで、大変な作業であります。先生方の御協力を得て、実りある
検討会にしたいと思っていますので、何卒よろしくお願いいたします。
　最初に、事務局で資料を用意していただいています。その内容について説明をお願い
します。

○職業病認定業務第２係長（伊作）
　お手元の資料について確認と若干の御説明をいたします。お手元にある資料の一番上
にある「振動障害の検査指針検討会第１回議事次第」の「４の提出資料」と照らし合わ
せながら御確認いただきたいと思います。よろしくお願いします。
　最初に資料１「振動障害の検査指針検討会開催要綱」、これが「議事次第」の次の頁
になります。これが本検討会の開催要綱となっています。本検討会の趣旨・目的や検討
項目等について、３頁から構成されています。
　続いて資料２「業務上疾病に関する関係法令」、業務上疾病の認定に関する法的根拠
となる法令が記載されています。これも３頁から構成されています。
　資料３「振動障害に係る労災補償状況」です。１頁目がすべての疾病に係る新規認定
件数についての総括表となっています。その２頁目が業務上疾病の新規認定件数の中で、
特に多いものから順に列記しています。３頁目に振動障害に係る新規認定件数を主な業
種別に記載しています。これが３頁から構成されています。
　資料４－１「振動障害に関する検査項目及び検査手技について」です。これは現行の
「振動障害に係る検査手技」となります。これが全体で５頁から構成されています。
　それに続いて資料４－２「検査成績の評価について」です。これは資料４－１の現行
検査手技に係る検査結果の評価基準となります。これが３頁から構成されています。
　続いて資料５「振動障害の検査手技に係るこれまでの検討経緯」です。これまで振動
障害の検査手技についてなされてきた、大まかな検討の流れを図で表しています。これ
は１枚ものとなっています。
　資料６「振動障害に係る現行の検査手技及び指摘事項」とあります。これは資料５で
示しているこれまでの検討経過の中で、現行の検査手技に対して指摘されている内容に
ついて、表にしているものです。これもまた１枚で構成されています。
　資料７「振動障害の検査手技に係る技術専門検討会及び委託研究等における検討概要」
となっています。資料５で示した検討の流れの中で、それぞれの検討内容についての概
要を記載しています。全部で２頁から構成されています。
　資料８「現在検討中の５種類の検査手技」です。これは現在検討を継続している５種
類の検査手技について、その概要をそれぞれ記載しています。
　続いて資料９「振動障害の検査手技に係る国際標準化の動向」です。これは振動障害
の検査手技をめぐる国際的な動向等について概要を記しています。３頁から構成されて
います。
　資料10「振動障害に係る検査手技一覧」です。これは振動障害に係る検査手技として
考えられているものについて、現行の検査手技と資料８で示した５種類の検査手技に加
えて、それら以外で振動障害に係る検査手技として考えられるものを表としてまとめて
いるものです。
　資料11「振動障害に係る検査手技の医学文献一覧」となっています。これは労災保険
情報センターで検索した振動障害に係る医学文献の一覧表となります。同じタイトルの
ものがいくつか見受けられるかと思います。
　いちばん端の「キャビネット」という欄をご覧いただくと、評価、あるいは文献、ア
ブと書かれています。文献と書かれているものは文献そのもので、評価と書かれている
ものはその文献に係る評価、アブというのはアブストラクトの略です。この３つが１つ
の文献で１セットで列記されています。ものによっては、３つバラバラに並んでいます。
これはシステム上の問題で、このように出てきてしまいました。それぞれ、必ず評価、
アブ、文献の３つとも列記されています。検索の結果、現在320件出てきています。以
上が提出資料についてです。不足や欠落等はございますでしょうか。
　あと、「議事次第」の後段、５の「参考資料」に資料１から資料３まで掲載されてい
ます。これについては頁数が多いという点から、傍聴の方には配付はしておりません。
ただ、既に一般に公表されているもので、厚生労働省図書館等で閲覧できますのでご了
承いただきたいと思います。以上です。

○宮下座長　
　ありがとうございました。続いて、只今説明のあった資料に基づいて、事務局から本
検討会において検討すべき内容、検討するに当たって認識しておくべき事項等について
ご説明をお願いしたいと思います。

○職業病認定対策室長（小池）
　振動障害の現状とこれまでの検討経過、検討の方向性について御説明いたします。ま
ず資料No.１、冒頭、補償課長から話しがありましたが、「振動障害の検査指針検討会
の開催要綱」でございます。「趣旨・目的」ですが、振動障害については昭和52年の認
定基準が示されていますけれども、その中で振動障害の検査手技に係る技術専門検討会
のレポートが平成13年11月、それ以降においての委託研究等があります。そういうこと
から、現行の検査手技に代わり得る安全でより客観的な新たな検査手技の可能性が示さ
れたところです。このようなことから、振動障害に係るこれまでの医学的知見の集積と
診断機器等の進歩に応じた、安全でより客観的な新たな検査手技を組み込んだ検査体系
の在り方等を検討するために本検討会が設置されました。
　「主な検討事項」は４つあります。１点目は現行の検査手技の医学的妥当性及び有効
性の限界について、２点目は新たな検査手技に係る評価基準の策定の問題、３点目は新
たな検査体系の在り方の問題、４点目としてそれに係る事項があります。３は「参集者」
です。４は「結論目途」で主な検討事項については、一応平成17年７月を目途に一定の
結論を得たいと思います。
　２頁目をご覧ください。原則、この会議は公開です。しかし、個別症例等を検討する
場合には非公開となります。
　次に資料No.２です。法令の根拠について、もう１回御説明したいと思います。資料
No.２、労働基準法から発する関係法令についての説明です。労働者が業務上負傷、疾
病に罹った場合、使用者側はその費用等を負担しなければならない。第２項のところで、
疾病の範囲については省令で定めます、という規定があります。これを受けて、○印の
３つ目で「労働基準法施行規則」とあります。法第75条第２項による業務上の疾病につ
いては、別表に定めますという規定があります。これを受けていちばん下の○印、第35
条のところで詳しく疾病がうたわれています。第１号関係が負傷に起因する疾病、よく
言う「災害性腰痛」の関係です。第２号が物理的因子に係る問題です。
　２頁が今回検討されるものですが、第３号「身体に過度の負担のかかる作業態様に起
因する次に掲げる疾病」、その中の第３号のところに振動障害の関係についての規定が
あります。さく岩機、鋲打ち等の中で、身体に振動を与える業務による手指、前腕等の
末梢循環障害、末梢神経障害又は運動器障害、これが振動障害として法令上うたわれて
います。それ以外に第４号関係が化学物質関係、第５号が粉じんの関係です。
　３頁目が細菌ウイルスの関係、Ｃ型肝炎等が言われますが、そのような関係のものが
第６号適用です。第７号はがんの関係です。例えば第七号の７のところでは、最近話題
になっていますが石綿の関係の規定があります。第九号は今言われている過労死問題、
脳・心臓疾患関係のものについてです。こういった法令の規定があります。
　次に資料No.３です。今言った第１号から第９号までありますけれども、その中でこ
の５年間の中で新規の支給決定件数がどのぐらいあるかがこの表で分かります。平成10
年から14年までの新規の疾病の認定件数をご覧ください。合計数が14年度で見ると9,045
件、年間で労働者の方々の疾病に係るものが9,045あります。この中で第１号、負傷に
起因する疾病が4,650件、全体の約半分ぐらいが第１号関係の事案です。
　第３号のところで身体に過度に負担のかかるもの、これは上肢障害や振動が入ってい
ますが、全体で1,448件ある。第５号じん肺の関係が1,139件です。ですから、この表
で見ると、「じん肺」関係と第３号の「身体に過度の負担のかかるもの」、第１号の
「負傷に起因する疾病」、これで全体の７割から８割ぐらいを占めています。職業がん
が多いと言われていますけれども、全体の94件が職業がんの関係であることがこの表か
ら分かります。
　多いと言っている中の内訳ですが、表１のとおり腰痛関係があります。先ほど言った
負傷に起因するものの第１号関係と第３号関係があるのですが、3,235件、全体で9,045
件ありますが、この中の約３割５分ぐらいが腰痛関係です。世の中で疾病関係と言われ
ますけれども、腰痛に係るものが全体の３割から４割ぐらいあることが分かります。次
にじん肺関係が1,139件です。
　第３号の中の内訳として振動障害だけ特筆しています。第３号全体は前頁にあるよう
に1,448件あります。この中で振動障害にかかわるものが632件、構成割合9,045件中、
全体の７％が振動障害にかかわるものの新規の数です。
　ちなみに平成10年頃の数を見ると、振動障害が8,811件中773件、この当時は約９％
弱が振動障害の方の新規の数ということでした。下の方は図ですが、目で見て分かるよ
うに白抜きが振動障害の数ということです。
　３頁目は振動障害を業種別に見ていったらどうかというものです。これも10年間分、
平成５年度から平成14年度まであります。振動障害を見ていくと一番右のところ、632
件振動がありますが、この中の417件、66％、約７割弱が建設業の関係です。632件中、
建設業が66％でした。昔は林業が多かったのですが、ここ最近は建設関係が多い。ちな
みに林業関係は20％弱、126件でした。ですから、全体の７割弱を建設業が占めている。
これも特筆して出ていますが、建設業が年々増えている中で、特に平成11年のところで
は912件中569件という数字になっていることがこの表で分かります。以上が振動障害に
係る補償状況の全体の流れです。
　資料No.４－１をご覧ください。先ほど資料の説明がありましたが、資料No.４－１は
認定基準の別添として付いているもの、「振動障害に関する検査項目と検査手技」です。
各先生方についてはもう十分ご存じでしょうが、一応簡単に御説明します。振動障害の
検査項目と検査手技について、一番上には検査項目ごとに特に留意すべき事項等が書か
れています。その中で１番目が末梢循環機能障害について、手指皮膚温の捉え方、常温
下の皮膚温の捉え方の問題が書いてあります。
　次の頁ではホのところ、冷却負荷については手指、手については５±0.5℃の冷水中
に手首まで10分間浸漬する。ラのところでは高血圧、心筋梗塞等、こういった疾患があ
る場合についてはよく検討しなさいということがうたわれています。それから「爪圧迫」
の検査の問題、常温下、冷却負荷の問題が入っています。
　３頁、「末梢神経機能検査」の関係ですが、これについては当然痛覚の関係の常温下、
冷却負荷の条件設定が入っています。手指の振動覚の問題も常温下、冷却負荷の問題が
書いてあります。
　４頁をお開きください。３が「運動機能検査」の関係です。これについては握力検査、
最大握力、瞬発握力の問題、維持握力の問題、それぞれ規定が書いてあるとともに、５
頁ではつまみ力、タッピング、その他ということでそれぞれ規定がなされています。
　これを受けて４－２、別添２がございます。「検査成績評価について」うたわれてい
ます。例えば「末梢循環障害」の場合には、次の（１）（２）（３）についての検査結
果を総合的に判断して、末梢循環機能の異常の有無を判定するということがうたわれて
います。末梢の手指の皮膚温、爪圧迫、その他について見る。その他としては、（１）
と（２）に掲げる検査のほか、指尖容積脈波等の検査もあるということが書かれてあり
ます。
　「末梢神経障害」についても、（１）から（３）に掲げる検査結果を総合的に判断し
てやりなさい。痛覚の関係、次が指先の振動覚の問題、その他としていくつかある。
「運動機能障害」についても同じように総合的に判断してやりましょうということがう
たわれています。
　３頁目はその他の「留意事項」としていくつかうたわれています。そこまでは各先生
方も分かっておられますので、次に資料No.５について少し詳しく御説明していきます。
　資料No.５については振動障害の検査手技に係るこれまでの検討経過、後ほど出てく
る資料と重なるところがありますが、厚生労働省がこれまで検討した経過についてビジ
ュアル的にまとめたものがあります。平成13年度は、振動障害の検査指針に係る技術専
門検討会レポートの中で、現行認定基準における検査手技以外で有効な検査手法の提案
等がなされています。これを受けて一番左側の矢印、平成14、15年度にわたり、この検
討結果を踏まえた臨床検査の集積をしています。それ以外に、真ん中のところは振動障
害に係る国際標準化の動向、国内外の動向についての情報収集を行っています。
　右の方は労働福祉事業団です。平成13年４月から、振動障害患者の予後調査に関する
研究が３カ年行われています。この中で血圧測定、ＦＳＢＰ％の関係について、山陰労
災病院の那須先生のところで行われています。
　これからやるべきものとして、平成16年度は、予定として検査条件の関係、他疾患と
の鑑別、基準値、評価方法の検討等について別途委託研究を考えています。それ以外に、
右の方では「振動障害研究センター」があります。これはこの４月から山陰労災病院に
設置されたものですが、「振動障害研究センター」の中でＦＳＢＰ％の関係について那
須先生を主任研究者として研究が行われています。これについての研究成果、情報等を
この検討会の中に取り入れていく。こういった関係で、今後進むべき方向についてのも
のでございます。
　資料No.６を御覧ください。これは「振動障害に係る現行の検査手技と指摘事項」と
いうことで書いています。末梢循環、末梢神経、運動器、それに係る検査項目と検査手
技、指摘事項を書いています。備考欄にあるように、検査項目、検査手技については、
先ほどの第307号、認定基準の別添１にあるもの、それ以外に、参考資料としてこれま
で検討した平成13年11月の「技術専門検討会報告書」、平成14、15年度に行われた委託
研究のレポートの中の抜粋、それ以外に労働調査会による「振動障害～35年の軌跡～」
というものがあります。そういったレポートをもとにして、この１枚の表にまとめてい
ます。
　検査項目、検査手技については今御説明しましたので、特に右側の「指摘事項」につ
いて若干御説明します。例えば末梢循環機能検査については、右の皮膚温検査について
は、環境条件、特に室温、室内の空気の流れや季節の影響、また、測定時の被検者の肉
体的・精神的条件に大きく左右される。それから、心血管系に危険を及ぼす可能性があ
る。
　そのほか、冷却と疼痛による血管収縮が同時に生じているものと考えられ、単純に冷
却効果を反映しているとは言えないという御指摘がありました。爪圧迫検査であれば、
検者の肉眼での判定をしているため客観性に欠ける。例えば、末梢神経障害の関係では
加齢とか、加齢による痛覚閾値への影響があるか等、いくつかあります。このようなこ
とがこれまで委託研究レポート等の中で指摘されている事項です。そういったものを１
枚の紙にまとめたものです。
　１枚にまとめたものの根拠となるべきもの、これが資料No.７です。お手元に「振動
障害委託研究」という白表紙の本があります。この中のものについて概要をまとめたも
のです。第１番目は振動障害検査手技、平成13年11月のまとめの中の概要を書いていま
す。
　検討内容ですが、現行の認定基準を前提として、安全でかつ客観的なものについて確
認するため、精密検査及び振動障害と類似疾患を鑑別しうる検査手技としてどのような
ものがあるかについて、末梢循環、末梢神経を中心に行った。この中で現在、主として、
業務上外を判定する際に使用している検査手技以外で、振動障害の診断を行う際に利用
すればより的確な診断が可能となるべきものについて、その特徴等について、スクリー
ニングとして有効なもの、精密検査として有効なもの、鑑別診断として有効なものにつ
いてグループ分けして行ってきた。
　今後の検討課題です。検討会において紹介した検査手技というものは、現在、振動障
害の業務上外を判断するに当たり、一般的に用いられている検査手技とは異なり、多く
は振動障害の類似の症状を呈する疾病の診断や原因の推定のために一般の臨床で使用さ
れている検査手技であります。検査機器は高価、技能も要するということから、各種検
査の普及状況について調査するとともに、一定の臨床が必要である。測定条件や評価基
準等について、引き続き検討する必要性があるとのレポートが平成13年11月にまとめら
れています。
　これを受けて平成14年の委託研究です。平成13年度の検討会レポートを受け、実用化
が可能な検査手技とされた、各種検査の事例収集を中心に、検査手技の確立と評価基準
について研究し、さらに、これらの研究について現行の検査手技、評価基準の問題点に
ついて研究を行った。
　振動障害に係る各検査の事例収集に関しては、末梢循環、神経、運動器について、専
門領域ごとに、新しい、客観性の高い検査法についての事例収集、知見の集積を行った。
その結果、末梢循環機能検査として、レーザードップラー血流計による皮膚灌流圧、レ
ーザー血流画像装置による皮膚血流、末梢神経障害としては神経伝導速度、運動器とし
てはＭＲＩによる筋の機能評価が新しい検査法として期待される可能性が示唆された。
　これを受けて今後の検討課題です。振動障害に係る検査法については総括的に検討を
行った結果、末梢循環、末梢神経、運動器については、各検査項目の一部には客観性、
再現性、妥当性等について、診断における有効性に問題ないしは限界が存在することが
指摘された。また、新しい検査法については、現行の問題点を整理しつつ、有効性、診
断基準、鑑別診断、検査の普及等、さらに多方面から検討する必要があるということで
した。
　それを受け、今度は平成15年度の研究内容です。レーザードップラー血流による皮膚
灌流圧、レーザー血流画像装置による皮膚血流、神経伝導、ＭＲＩの４検査について、
振動障害の認定を受けている18名を含む22名のチェンソーや刈払い機を使用した林業労
働者に対し、同一時期に実証検査を実施した。当該実証検査に基づき、新しい諸検査の
各障害に対する有効性、並びに相互の検査方法との間での関連性、現行の通達に示され
ている既存の検査方法との関連性等について検討した。振動障害における末梢循環、神
経、運動器を客観的に診断することが可能であることが示された。
　今後の研究課題について、振動障害における末梢循環、末梢神経、神経運動器を客観
的に診断することが可能であるとの結論が得られたが、引き続き、振動障害患者に対す
る検査症例を重ね、有効性を検証するとともに、評価基準、類似疾患等についての課題
がある。
　それとは別に、先ほどＦＳＢＰ％との関係で山陰労災病院のことを言いました。局所
冷却による指動脈血流測定であるＦＳＢＰ％については、従来から労働福祉事業団、現
在は「労働者健康福祉機構」と言いますが、そこで山陰労災病院の振動については、
「振動障害センター」で那須先生をセンター長として行われてきました。
　次に資料No.８、現在検討中のものについてです。１から５まであります。レーザー
ドップラー血流計による皮膚灌流圧、これは皮膚灌流圧をレーザードップラー血流計に
より測定する手法です。簡単なコメントですが、このような手法です。２つ目がレーザ
ー血流画像化装置による皮膚血流です。手指皮膚血流を連続モニタリングして測定する
検査手技です。３番目が正中・尺骨神経の運動神経・感覚神経の伝導検査、神経の伝導
速度を測定する手法です。４点目はＭＲＩの関係です。これについては２段目にあるよ
うに、画像による筋肉断面面積及び画像の輝度変化を比較するという方法がございます。
５番目がレイノーの関係です。ＦＳＢＰ％については指を局所的に冷却負荷し、レイノ
ー現象に近い状態を誘発しその状態を血圧で観察するものです。以上、現在検討中の５
種類の検査についての要約です。
　次が資料No.９、「振動障害の検査手技の国際標準化の現状」です。国際標準化機構
（ＩＳＯ）の関係ですが、検査手技の国際標準化の取り組みが行われています。この中
で知覚機能検査法については2001年に国際標準が、2003年には評価法が示されています。
末梢循環機能検査については現在標準化作業が進められています。２では「末梢循環系
検査の国際標準化作業」についてのコメントがあります。冷水浸漬手指皮膚温検査、Ｉ
ＳＯでは両手を冷水に浸漬し、手指、皮膚温の変動を測定して末梢循環機能を評価する
手法があります。冷水浸漬検査については、冷水温度は12℃を標準として、浸漬時間５
分間とすることが提案されていますが、なお議論があるとされています。
　下の「なお」書きですが、「なお、評価指標については、回復率、回復時間等が文献
的に検討されているが、ＩＳＯの検討では、まだ特定されていない」ということがあり
ます。
　（２）が冷却負荷手指血圧検査です。先ほどのＦＳＢＰ％ですけれども、これについ
ては冷却負荷、手指血圧検査というものとＦＳＢＰ％により、末梢循環機能を評価する
方法がある。方法としてその２つがあることが書かれています。
　２頁の上から５行目ぐらい、ＩＳＯでは冷却負荷に用いる環流水の温度については30
℃、15℃、10℃が挙げられていますが、10℃が採用される現状にある。冷却時間につい
ては５分間、室温については21±１℃の条件が採用される動きがある。検査は両手で行
うことが原則である。
　それから３の３行上のところで、「なお、ＦＳＢＰ％法で現在、世界的に合意されて
いる事項があります」とあります。1994年、Stockholm Workshopにおいて、レイノー
現象を確認する方法としてはＦＳＢＰ％法がゼロの場合にレイノー現象ありとする合意
がなされているということがありました。
　３が「末梢神経系検査の国際標準化」の動きです。ＩＳＯでは「振動感覚閾値検査」
の標準化が行われており、測定法、評価法については国際規格が示されている。下のほ
うでは測定方法、検査室温等が示されています。
　評価については、同一被験者に対して、異なる日に繰り返して測定された振動感覚閾
値を用いて、再現性や測定結果の表示法が示されている。国際標準化の動向等について
は、もし時間があれば、後ほど原田委員から詳しい内容等がありましたら御説明いただ
ければ幸いです。
　資料No.10、「振動障害に係る検査手技」について御説明します。左が第307号に現在
掲げられているもの、真ん中が振動障害の認定基準の検査以外の検査、右が第307号以
外の検査で現在検討中の検査について一覧表にまとめています。この中で末梢循環、神
経、運動器、下のほうに注意書きがあります。表の中の網掛け部分については、御説明
したＩＳＯの中で国際標準化及び標準化作業が行われている検査のものについて網掛け
がなされています。
　参考資料として、『振動障害の検査指針に係る技術専門検討会報告書』、『振動障害
～35年の奇跡～』、また、『手腕振動障害－その疫学・病態から予防まで－』といった
本で、これは山田先生、二塚先生がまとめられた本が書いてありますが、これはこの一
覧をまとめるに当たり参考とした本です。
　左の方は、冒頭御説明しましたので省きます。末梢の皮膚温、爪圧迫、痛覚、振動覚、
運動器の５種類です。それから、真ん中のところで307号以外の検査についてうたわれ
ています。特に御説明しませんが、このような検査がそれぞれ示されています。右のほ
うについてはＦＳＢＰ％を含むもの、現在検討中の皮膚灌流圧のもの、皮膚血流検査の
関係、神経伝導速度の関係、それから筋の機能評価の関係等があります。
　資料No.11をお開きください。冒頭、係長の方から資料の説明をしましたけれども、
これは1972年から2002年までの30年間の医学文献について、「振動障害」と「検査法」
というキーワードで検索を行った結果の一覧で、320件のレポート等があるというもの
です。
　今日、この場で御説明はいたしませんが、こういった文献等は事務局にありますので、
先生方から御注文があればその旨を御連絡いただければと思います。若干省略いたしま
したが、資料No.１からNo.11までの説明は以上です。

○宮下座長
　どうもありがとうございました。私から１点要望があります。資料No.３で補償状況
をお示しいただいています。２枚目、３枚目、年次で言うと平成５年から平成14年度の
資料になっています。この問題は長い歴史がありますので、もっと長いスパンでどのよ
うな状況になっているかを事務局でご用意いただくことは可能ですか。

○職業病認定対策室長
　はい。今平成５年から書いてありますけれども、振動障害の関係については昔は林業
が多いという時代もあり、その中で労働者の方々も減っていく問題もありました。昭和
50年代の冒頭等については林業が多い時代もありましたので、それについては次回の会
議の中でデータとしてお示ししたいと思っています。

○宮下座長
　よろしくお願いします。只今事務局から資料ナンバーに沿って、本検討会で検討すべ
き点に至るまで説明をいただきました。只今の説明について、何か御質問、あるいは御
発言はありますでしょうか。疑問点等がありましたら先に御発言いただき、ほかに検討
すべき事項、あるいは検討の進め方について、御自由に御発言をいただきたいと思いま
す。いかがでしょうか。
　まず、資料等の説明の中で御質問、あるいは御指摘事項はありませんでしょうか。
「振動障害の労災補償上の取扱い」、今ちょっとお願いしましたが「補償状況」といっ
た資料が冒頭にありました。それから「現行検査手技の問題点」、このことについては
現在までにいろいろなところで検証されています。そういったところ、先生方は既によ
く御案内のとおりです。それを手短かにまとめていただいた資料があります。あるいは、
この検討委員会で検討すべき事項、この委員会のスタンスについてのこれまで、主とし
て検査手技に係る検討経過があります。
　それから、検査手技に係る国際標準化が進んでいます。今日御出席の山口大学の原田
委員は、循環の検査についての座長をなさっております。そういった動向を踏まえた説
明がありました。従来の検査手技に係る検討を踏まえて、本検討会として検討すべき項
目（案）という説明をいただいたかと思います。いかがでしょうか。

○職業病認定対策室長
　資料No.６について時間を少し端折っていますので、特に「指摘事項」について御説
明したいと思います。この検討会を行う中で「指摘事項」が大きなワードになりますの
で、これについて各項目にわたり御説明したいと思います。「末梢循環機能検査」の関
係について、皮膚温検査、常温、冷却、５分、10分の関係がありますが、特に指摘事項
について読み上げながら御説明します。環境条件、特に室温、室内の空気の流れや季節
の影響、又は測定時の被検者の肉体的・精神的条件に大きく左右されるという指摘事項、
冷却時に強い疼痛が生じるので、冷却と疼痛の相乗効果としての全身血圧の著明な上昇
が起こり、心血管系に危険を及ぼす可能性がある、冷却と疼痛による血管収縮が同時に
生じているものと考えられ、単純に冷却効果を反映しているとはいえない、というのが
皮膚温検査の中での指摘事項でした。
　爪圧迫検査についても常温、冷却の関係があります。これについては常温、冷却負荷
直後、５分後、10分後について行っていく。その中で、爪の退色が元に戻るか。これに
ついては、右にあるように検者の肉眼で判定しているため客観性に欠ける。検者の巧緻
の差に左右される。測定値の再現性、精度管理の困難さが指摘されている。被検者が検
査時に手指に力を入れていると、血色の回復時間は延長する。
　末梢神経機能検査について、痛覚検査、振動覚検査があります。これも常温、冷却負
荷の関係で、５分、10分後にそれぞれ目を閉じて行っていく。この中では、被検者の皮
膚の角質層の厚さ、角化の程度や加齢による痛覚閾値への影響が生じる。被検者の応答
に依存する振動子への指の圧迫力等の測定条件等、検査の客観性に乏しい。加齢による
閾値の上昇が生じている。
　「運動機能」の関係については握力、最大瞬発を２回測定する。被検者の最大努力が
評価の前提となり、検査結果の客観性が問題視される。維持握力については５回測定し
ます。これも同じように、検査結果の客観性が問題視される。維持握力60％、被検者の
握力の大小により、負荷握力に差が生じ、検査値として測定される維持握力時間が必ず
しも筋の持久力を反映したものではない。
　つまみ力です。被検者の最大努力が評価の前提となり、検査結果の客観性が問題視さ
れる。タッピングは30秒やりますが、本人の意思、指機能の器用さ等に左右され、必ず
しも指機能を反映した検査結果とは言い難い。以上のようなことが「参考資料」にある
レポート、委託研究等の中で指摘され、調査会のまとめた中にもあるというものです。
以上です。

○宮下座長
　ありがとうございました。改めて、従来から指摘されている事項について説明いただ
きました。こういった指摘事項を踏まえて、できるだけ条件や手技を一定化しようとい
うことでの国際標準化がなされているかと思います。原田委員、このような指摘事項も
踏まえた形で、細かいＩＳＯでの決め事などがあると思います。細かいところはいいの
ですが、基本的な考えなりいまの進捗状況で、何か御発言いただくことがあればお願い
したいと思います。

○原田委員
　いまの「指摘事項」、まだあるかと思います。ＩＳＯでの議論の中で、指摘事項に係
るような形での検討というのはされていないと思います。末梢循環機能検査では、基本
的にはＩＳＯで検討している内容は客観的には皮膚温、あるいは指の血圧の評価です。
振動感覚検査はやはり主観的な検査を踏襲しているという状況です。
　全体的な状況を簡単に御説明いたします。先ほどご説明いただいた資料No.９にある
ような状況です。ＩＳＯのＴＣ108、その中のＳＣ４というものがあるわけですが、振
動の生体影響について評価する。これは振動障害のような手の振動だけではなくて、全
身的な振動の許容基準、ばく露基準、中には乗り物の乗り心地なども入っています。一
方では、振動障害に係るような検査方法の標準化というものも行っています。
　ワーキンググループがこれまで11ありました。私たちが担当しているのはワーキング
グループの11になります。既に活動を終えたものもありますから、現在動いているのは
多分７、８個のワーキンググループです。
　今御紹介いただきましたのはワーキンググループの11です。それからワーキンググル
ープの８、これは現在も動いているのですが、これが資料９にある知覚機能検査につい
ての検討グループです。2001年にパート１が出て、これは国際基準となっています。
2003年には評価法パート２が出ていて、これも国際基準として決まっています。
　私が担当している末梢循環機能評価法はワーキンググループの11なのですが、もとも
とフランスの血管外科教授、ガウチェリという教授が1996年に最初に（「コンビーナ」
という言い方をするわけですが、）担当して進めていたのですが、途中で私に依頼があ
って、1999年から私が担当しています。この５年間、私が「コンビーナ」を務めさせて
いただいています。
　そこではここに書いてあるような、要するに手指の皮膚温検査と手指の血圧検査、２
本立てでの作業が進んでいる。手指の皮膚温検査はパート１、手指の血圧検査がパート
２ということで基準案が作られています。
　現状ですが、この間、ＳＣ４委員会の総会が１年半ごとにあるものですから、そこで
の検討、それからその合間を縫った検討等をやってきました。国際標準ができるまでに
はいくつかのステップがあって、最初にワーキングドラフトということで作業グループ
でドラフト案をまとめます。末梢循環の評価については出来上がっています。
　次の段階として、今度はコミティドラフト（委員会案）というものがあります。これ
については一応投票して認めるか、認めないかということで、これは認められています。
　現在はとりあえず、ＤＩＳ、最終段階に近い段階に行っています。これが現在、各国
の委員会での投票にかかっています。投票の締切りは、日にちはよく覚えていませんが
８月の中旬ぐらいだったと思います。今年の10月にアテネでＳＣ４委員会の会議があり
まして。その前に投票の結果が分かるわけですけれども、それを見てまた検討すると。
順調にいくのか、いかないのかということについては、若干紆余曲折があるだろうと思
います。この間ラスベガスで、国際手腕振動の会議があったわけですが、そこでもいく
つかの議論もありました。そういうことも反映した投票、あるいはその投票の結果を受
けた対応ということを、ＩＳＯの、このＳＣ４で検討するということになります。
　それが全体状況ですが、先ほど御説明いただいた資料９の中で、１つだけちょっと誤
解というか、前にお話したかと思うのですが、手指血圧、（２）の冷却負荷手指血圧検
査の所ですが、この２頁目。文章はこれでいいかと思うのですが、30℃、15℃、10℃が
挙げられている、水の温度です。この10℃が採用されそうな状況だという話だったので
すが、ちょっとそうじゃないのです。とにかく基本的には３通りの水温を使うというこ
とになっています。例えば北欧のほうでは10℃の代わりに６℃を使うとか、そういう議
論があるわけですが、３種類の水温を使う。そのときにリファレンス、基準としては30
℃の水温を使って、それから例えば15℃前後の水温を使って、それでもやはり一定痛み
があるものですから、まず中等度の冷水を使う。そこで、もし完全に指の血圧がゼロプ
レッシャーになれば、次の検査をしない。けれどもレイノーの症状がある人でもゼロプ
レッシャーにならない方が多いものですから、そういう場合に10℃を行う、ということ
で30、15、10℃を１セットとして行うことを推奨する。
　ただし、先ほど言いましたように、例えば６℃とか、北欧等でやっているようなこと
もオプションとしては残すという形です。それだけです。あとは全くここに書いてある
とおりです。

○宮下座長
　どうもありがとうございました。ただいま原田先生から、国際標準化に係る先生ご自
身座長をなさっていることも含め、現状を詳しく御報告をいただきました。
　資料として、特に追加、質問なり御発言ございませんでしょうか。今までの検査手技
の委員会の方向性に基づいて、５つの試案として検討すべき項目というのが案として挙
げられているのですが、先生方の中で、これ以外に、例えばこれも加えて行った方がよ
かろうという御意見、ありましたら、できるだけ有効なものを本検討会でも検討してい
きたいと思っています。それについての御意見を頂戴できればと思いますが、いかがで
しょうか。
　これは資料10に一括して挙げていただいておるのですが、307号通達で掲げられてい
る検査、それから一番右が、本検討会でこれから更に検討していくべき検査として挙げ
られているものです。真ん中の検査については、いままで通達以外に、あるいは通達の
中でも参考とすべき検査として検討がなされているということですが、いかがでしょう
か。
　この検討を具体的に検証も行っていくのですが、第１回目で挙げていないから検証を
しないということではなく、また会を２回、３回と重ねていきます。ただ時間的に、少
しタイトなスケジュールもありますので、もし付け加えるようなことがありましたら、
次回あたりにまた御提案いただいても結構かと思います。
　先ほどラスベガスの国際手腕振動会議のことが原田先生からあったのですが、特にこ
の委員会で留意しておかないといけないような最近の、私は出席者の１人ですが、本間
先生もご出席だったのですが、この委員会で、これは国際動向として押さえておくべき
ではないかということが特にありましたら、御発言をお願いしたいと思いますが、いか
がでしょうか。

○原田委員
　皮膚温についての若干の議論があったということは、先ほどお話したとおりですが、
もう１つ私が思ったのは、米国あるいはカナダの人たちが検討しているセグメンタルな
神経伝達速度です。名古屋大学の榊原先生の論文に刺激されて、国際的に大規模にやら
れた検討があります。かなり肯定的なレポートでしたし、客観的な神経機能の評価方法
という点では一定程度の注目を与えただろうということがあります。

○宮下座長
　この会を立ち上げる前の検討でも、木村先生を中心にしていろいろな試みをされてい
るのですが、先生から何かございますか。

○木村委員
　我々のところの検討会でも、そのセグメンタルな、あるいはエントラップメント・ニ
ューロパシーに関してどの部分で圧迫されているか、どこに病態があるのかを検索する
ことが大切という議論がありました。また、実際の損傷の程度というか、ニューラプラ
キシアなのか、ニューロトメーシスなのか、アクセンソノトーシスなのか。そのような
観点から検討する必要があることも指摘されました。特に部位に関しては、いま原田先
生がおっしゃったような、セグメンタルなやり方が必要ではないかと思います。ただセ
グメンタルな場合をスクリーニングとしてできるかどうか、どの部分をセグメンタルに
検査するのか、などの問題があります。どちらかというとセグメンタルな検査はスクリ
ーニングというよりも、一歩進んだ次の段階のものではないかと思います。ただし、今
回はそれを大まかにセグメンタル化した方法で、すなわち肘の上と下とか、手関節の遠
位・近位とかで、神経に圧迫があるのかないのかの検査を行いました。こういう簡便な
方法により、セグメンタルな検査を用いていく必要があるのではないか、と考えていま
す。

○宮下座長
　ありがとうございました。

○木村委員
　ところで分からないのですが、国際標準化と、日本の現状というか。日本の姿勢とい
うのはどのように考えたら良いのでしょうか。

○宮下座長
　原田先生、その辺どうでしょうか。

○原田委員
　私どもからいうと、何というか、国際標準化されたものについては各国でそれを取り
入れていただきたいということがあるわけですけれども、実際にはそれは各国の状況に
よって違ってくると思います。ただ、振動のばく露の評価法だとか、そういうものにつ
いては、例えばＥＣのダイレクティブ、機械指令（機械の安全指令）というのがあるわ
けですけれども、そういうもので実際に日本で製造した工具の欧州への輸出に対して、
かなり大きな影響力を持っているというようなことです。その国際標準、ＩＳＯでの動
向、欧州標準化というのがあるわけですが、その動向がかなり各国の状況を規定してい
る。ただし、この検査法に関しては、それぞれの国の判断あるいは適用によるというこ
とです。

○宮下座長
　この検討すべき事項、国際的な動向も含めてですが、特に追加の御発言はありません
か。ないようでしたら、とりあえず次の事項について、今御意見頂戴をいたしましたが、
今後の検討会の進め方について議論をいたしたいと思います。その前に、事務局の方で
基本的な進め方について何か考えがありましたら、説明をお願いしたいと思います。

○職業病認定対策室長補佐
　１年間の大きなタイムスケジュールの中で、それぞれ欲張りな内容になっていますが、
事務局が現在いくつか整理をして、先生方にお諮りしたいと考えていることがございま
すので、説明をさせていただきたいと思います。
　先ほど資料５で、現在までの流れ、それから今後の大まかな流れをフローチャートで
お示しをいたしましたが、実は今回の検討会を開催をしながら、いくつかまだ研究を進
めるという、並行したスケジュールにもなっています。特に、私どもが現在まで検討し
てまいりましたＦＳＢＰ％を含めた５つの検査、そのうち４つの検査については先ほど
も説明いたしましたように、平成14年度、平成15年度でいくつかの実証検査もしていま
すが、症例数がまだ10例、20例と、やや不足しているかなということ。それから実際に
私ども今度の検査手技に期待しているのは、適切な診断基準が策定をできる。ここが一
番大きなポイントになろうかと考えています。これらの検査を実際にどう、この検討会、
いずれ検査体系の中に組み込めるか否かといった部分については、もう少し基礎資料を
集積をする必要があるだろうと御指摘もいただいていますし、事務局としてもそう考え
ています。
　そうした中で、実は本検討会として御承諾をいただければ、実際の振動障害の認定を
受けられた方等に対し現在の検査手技について、実証検査を行ってみたい。ですから昨
年、平成15年度に何名か実施をした症例数を少し増やしたいということで考えています。
ＦＳＢＰ％については今年度から、先ほども説明しましたように、山陰労災病院に設置
をされます「振動障害研究センター」の方で、研究グループが、旧労働福祉事業団から
の引き続きということになろうかと思いますが、さらに研究が進められるということで
す。このＦＳＢＰ％に関しては、同じような観点で、事前に当研究センターに対して協
力をお願いしています。是非そういったデータを集めていただきたいということで、い
まお願いをしており、ほぼ御承諾をいただいている状況です。
　それからそれを除きます４つの検査手技については、先ほども申し上げたように、検
討事項として当検討会からといいますか、結果的には国からということになると思いま
すが、御協力をいただける医療機関に対して実証検査の実施をしたいと考えています。
もちろん検査に必要な費用については、国が負担できるような予算を、すでに当検討会
の関係費用として計上しています。その第１候補の医療機関としては、やはり先ほど申
し上げましたように、私どもの関係ということであれば、労災病院が一番協力を得やす
いというようなこともあり、まず労災病院にご協力をいただくということで、ＦＳＢＰ
％と並行するような形になる部分もあろうかと思いますが、併せて実施ができるという
メリットもありますので、そういったシステムをひとつ考えています。それから労災病
院だけではなく、もしその他に御協力いただけるというような医療機関があれば、そち
らに対しても国のほうから委託をして、実施をしていただく。これについては、すべて
国の費用として、委託でお願いをするという形になろうかと思います。
　そうしたときに、できれば当検討会の参集者の先生方にも、その医療機関又は労災病
院での実地検査に是非同席をしていただいて、現場での、場合によっては指揮もお願い
しなくてはいけないかと思いますし、またいろいろな情報を交換していただくというよ
うなことも含めて、実施時期については改めて調整をさせていただくつもりでいます。
ひとまず、当検討会として、実証検査を動かしていくということを、御承諾いただけな
いかと考えています。
　従いまして、おおよそ100名を目途に実施ができればと思っていますが、時期的な問
題等もございますので、これからの調整次第ということになろうかと思います。
　そうしますと、この実証検査の結果、さらにはＦＳＢＰ％については３カ年の研究計
画が研究センターではなされていますが、何とか私どもに御協力いただける部分につい
ては、１年間での中間報告みたいなものを当検討会へ資料として提出いただけないかと
いうお願いをしてございます。当検討会として委託をして、お願いをした実証検査結果、
それからそれぞれの、もう１つ平成16年度、一部委託研究を並行しています。そういっ
た研究成果をいずれの時期になるか、この辺がなかなかちょっとこれからのスケジュー
ル次第ということもございますが、すべて当検討会に集約をし、それぞれの検査方法の
評価、さらには診断基準等についてのご検討をいただき、これらを踏まえて現行検査法、
または国際動向を踏まえた検査体系の検討に役立てていただければというようなおおよ
そのスケジュールを考えています。
　そういたしますと、先生方お忙しい中ではございますが、できれば２カ月に１度ぐら
いの検討会スケジュールということで、今後９月、11月前後、それから来年の１月、３
月、５月、７月ということです。これぐらいの検討会スケジュールに合わせて、実証検
査の実施、さらにはそれぞれの実地調査。実地調査は、これ以外の日にちということに
なろうかと思います。そういったことも含めて、スケジュールの方を今事務局として勝
手に作らせていただいています。
　従いまして、今申し上げました実証検査の実施については、お許しをいただければ、
次回の検討会にきちっとお諮りをし、御承諾をいただいて実行に移すという形を取りた
いと思います。
　次回の検討会について、そういったものと、先ほど少し説明いたしました現行の検査
方法の再検証といいますか、そういった部分の基礎的な部分、それからすでにいくつか
私ども研究成果として整理できているものについての検討、というのが次回の内容にな
ろうかと。
　それから11月ないし12月に予定をしている第３回。これまでに少しでも実地検証がで
きていれば、そういったものも評価の中に随時報告をしていきたい。おおよそ、こんな
大きな流れを私どもは考えています。
　いずれにしても、この実証検査についてはできるだけ先生方に直接的に関わっていた
だかなければならないということもございますし、医療機関等、また御協力をいただけ
る医療機関等の照会に当たって、いろいろと御意見を頂戴できればと考えています。以
上です。

○宮下座長　
　只今この検討会の今後の進め方について説明をいただきました。今説明ありましたよ
うに、今までの知見をこの検討会でまとめる作業の前といいますか、並行して検討会と
して確かな実証検査でもって、そして、その有効性なりを当検討会で判断しつつ、それ
がどういうような最終的に新たな評価基準なり、あるいは検査体系の在り方があるのか
というところで、まずはこの検討会の先生方に、労災病院あるいは今日ご出席の先生方
の関連の施設で、具体的に検証をしていただき、そしてまた御指導していただくという
ことも踏まえながらやっていきたい。そのための予算措置は、100名程度の範囲で確保
してあるという説明であったかと思います。具体的にはいろいろ細部には調整しないと
いけない問題等ございますが、大枠このような考え方で、検討会としては少しダイナミ
ックなやり方かもしれませんが、そういうようなやり方で進めていきたいという、基本
的なこのことについて御質問なり、御意見なりございましたら、御自由にお願いしたい
と思いますが、いかがでしょう。
　今説明にございましたように、５つの検査のうちで、ＦＳＢＰ％については振動障害
センターの那須先生の所で集中的に行われていますので、そこのデータを拝借すると言
ったらいいのでしょうか、我々の検討会にもその成果をもたらして、そして従来の検討
会で、これが候補となるのではないかという４つの検査については、この検討会に御協
力いただける労災病院等、あるいは先生方の関連施設で実際に検証していただく。それ
には我々、この検討会を催しながら、そちらへも積極的に関与していくというところか
と思いますが。

○職業病認定対策室長補佐
　今４つということにこだわってお話をさせていただきましたが、もちろん先ほど原田
先生から御説明いただいた、国際標準化が進んでいる、いくつか示されているものに則
った形で、冷却負荷の検査又は振動感覚の検査、こういったものも併せて、当検討会で
この検査是非にというものが出てまいります。予算の中で、たぶん大丈夫だろうと思う
のですが、４つの検査にこだわらずに、そういったものを追加することも可能だろうと
考えています。そうした中で同一被検者に、今いろいろ言われている検査手技を実証し
てみる。これが、いちばん大事ではないかなと我々は考えているものですから、その辺
も併せて御議論いただければと思っています。

○原田委員
　先ほどの国際的な動向というのは、例えば振動感覚閾値検査にしても、いずれは現在
の日本のやり方ではなく、国際標準化されたものがだんだん浸透してくるだろうと思い
ます。もう１つの手指の皮膚温の検査も、これはまだどうなるか分かりませんが、国際
標準化されればですが、かなり各国の状況に影響しますでしょうし、日本としても、そ
れとは全然違う道を歩いていくということはかなり不自然ですし、国際的な議論の中に
のっていけないところです。
　これを見せていただきまして、これだけでいいのかなと。もちろんこの１、２という
ようなことも重要だと思うのですが、手指皮膚温の検査等、もっと国際的に検討されて
います。この１、２については非常に限定的な検討ですね。どうもここだけの検討だと
思うのです。ですからそれだけに限定していいのかなという気がいたします。

○宮下座長
　先ほどからお話が出ていますように、限定的にこれをどうしても検討して、その成果
を載せる、載せないという議論ではないと思います。例えばＩＳＯで採択されるそうい
った手技についても、それがやはり国際的にそうすることが有効であるということであ
れば、これは規則とかそういった関係でタイムランが生じるかもしれませんが、必要性
があれば当然そういった流れに沿うべきであろうし、当検討会としてもそれに沿ったよ
うな答申を出すべきだろうと思います。その点も踏まえて、先ほど黒谷補佐からもござ
いましたように、広く構えていいのではないかと思いますので、よろしくお願いしたい
と思います。
　事務局の説明で、実施する機関、直接的には労災病院のいくつかに御協力を願うとい
うことであります。これもいろいろな機関といいますか、実際に振動障害の検査、ある
いは認定の作業をなさっている医療施設ですね。これについてもやはり積極的に、可能
な限りということになりますが、参加していただいて、症例数もあれば、その評価の観
点も充実させるということが大事かと思いますので。先ほど来申し上げていますように、
先生方の関連の機関で御協力をいただける所がございましたら、積極的にこの委員会に
お諮りいただいて、広くこの方法の是非といいますか、評価をお願いしたいと思うので
す。樋端先生の所と申し上げていいのですか、関連の施設ですね。こういった検査に御
協力をいただけますか。具体的にはまたやり方等打ち合わせをさせていただかないとい
けないのですが、基本的にこういった検証といいますか、実証検査に加わっていただく
ような可能性、いかがでしょうか。

○樋端委員
　それはできると思います。ただ、どういう患者さんかとか、それから検査の項目によ
りますし、その辺りはよく御相談してからということにはなるかと思います。

○宮下座長
　正直この検査の器具とか、その技術的なコントロールをどのようにするかというのは、
まさにあるのですが、基本的には御参加いただけるということで、よろしいですか。

○樋端委員
　それは、いいと思います。

○宮下座長
　ありがとうございます。それでは、事務局からの基本的なスタンスとして、特に実証
検査の実施について、当委員会として積極的に関わるといいますか、実証検査も含めた
検討を行っていくということで、御同意いただけますでしょうか。

　　　　　　　　　　　　　　　　　（同意の声）

○宮下座長
　では、そのように進めさせていただきたいと思います。
　具体的な実証検査をどのようにするかという、どういう施設で、どのようなテンポで
やっていくかということについては、お願いする施設の都合もございますし、我々の希
望もございますので、もしよろしかったら、座長を仰せつかっていますので、私と事務
局で予め協力していただく施設も含めて、調整をさせていただいて、次回どのような形
で実証検査が可能かどうかという具体的な案を提示して、御検討いただくという段取り
にさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

○職業病認定対策室長補佐
　いずれにしても、あまり温かい時期といいますか、８月、９月というスケジュールは
現実になかなか無理だと思いますので、11月、12月を目途に、今原田先生からおっしゃ
られた、要するに検査項目をどう絞っていくか。４つ、５つだけということではなく、
やはりこの中で取り上げるべきものとして可能性があるものは、予算を立ててはいます
が、実際に医療機関と相談をしながらどこまで出来るかということもありますが、そう
いった方向の御意見を、個別に頂戴することになろうかと思います。それを座長と相談
をし、次回検討会に具体的なスケジュールを、場合によると、日程等の設定もできるよ
うな形でとりまとめたものをお諮りしたいと考えていますので、よろしくお願いします。

○宮下座長
　逆に秋ということであれば、次回９月なら９月のこの検討会で、基本的といいますか、
具体的なところまで含めた御承認を得ておかないと、現場の調整とかもございますので、
よろしくお願いいたします。

○重松委員
　この検討会が最終的にというか、現行の診断基準にまで一応踏み込むところまでいく
のでしょうか。もしそうだとすると、例えば、末梢循環障害のところでＦＳＢＰ％と診
断基準をもし作るのであれば、できるだけシンプルなほうがいいわけですね。ですから
いくつかの、ＦＳＢＰ％もそうですし、レーザードップラーの方法論もそうなのですが、
実地で検証したときに、その検査手技による相互の相関関係ですね。これはやっぱりど
うしても出しておかないと。そうした結果、全部やってみたら結局ＦＳＢＰ％で良かっ
たんじゃないかという話になることもあり得るわけです。実地検証の特にその辺のとこ
ろを配慮していただいて、別個に動かないほうがいい面もあるかもしれません。

○宮下座長
　これは、例えば循環検査を並行して、あるいは関連性を持たせながら、どれだけやれ
るかというところにもかなり大きく影響されると思うのです。
　ただ、いま重松先生がおっしゃった、例えば１つは10月ぐらいにあって、１つは１月
ぐらいになってしまったということでありますと、今指摘いただいているような点をま
た抱えることになります。その点はできるだけ関連性、有効性、そういったことを検証
できるような医療機関にも御協力いただき、先生方にも、ある意味御無理をお願いしな
いといけないかもしれませんが、そういうことも十分踏まえていかなければと思います。
ありがとうございました。
　本日第１回目で、御検討願う事項は概ね終了したかと思います。次回以降の日程等に
ついて、事務局から特にご予定なりございましたら、お願いしたいと思います。

○職業病認定対策室長補佐
　できるだけこの検討会は可能な限りですが、欠席者のない形で進めさせていただきた
いということで、大変申し訳ないのですが、事前に12月までの予定をすでに先生方にお
伺いして、調整をさせていただいています。
　従って９月については13日の月曜日。若干の先生にはちょっと無理を申し上げ、全員
出席いただける時間が16時から18時という会議時間で調整いただいていると思います。
その後、各先生方急遽な御予定があれば、また御指摘いただければと思います。第３回
については、どうしても11月は無理。先ほど実証検査のこともあり、うまくすると11月
に実地調査を御協力いただく、すべての先生方一遍には無理かと思いますが、そういっ
たスケジュールも考えますと、12月でもということで、12月２日の木曜日の15時から予
定させていただいています。御確認をいただきまして、もし御承諾をいただければ、も
う２回と３回の会議についてはこの時間で決めてしまいたいと、勝手ではございますが
思っております。

○宮下座長
　事務局から事前に先生方にスケジュールをお聞きしまして、次回の第２回目が９月13
日の16時から18時、第３回の本委員会ですが12月２日の木曜日、15時から17時というこ
とで、お取りいただけるという事務局の説明ですが、よろしゅうございますか。

　　　　　　　　　　　　　　　　　（了承の声）

○宮下座長
　先取りの日程で恐縮ですが、是非御協力いただきますようにお願いをいたします。
　議事進行、大方終わったかと思いますので、進行を事務局のほうにお返しします。

○中央職業病認定調査官（藤本）
　まず本検討会の議事録ですが、冒頭、公開ということでやらせていただくことになっ
ているわけですが、本日の議事録については各先生方に御確認をいただき、厚生労働省
のホームページの方に掲載させていただきたいと考えていますので、御了承よろしくお
願い申し上げます。資料等について、検討の中で御指示がございましたものについては
次回までに用意させていただきたいと思います。

○職業病認定対策室長補佐
　予想以上に大変スムーズな議論で、１時間半強ということでした。逆に言いますと、
実際に次回以降、先生方には難しい御議論をお願いをしなければならないと考えていま
す。片方で資料を整えながらという、あまり例を見ない検討会かもしれませんが、それ
だけ私どもといたしましてもきちっとした検討会での御議論、それから最終的にはやは
りオーソライズされた検査体系というものを是非確立したいという思いです。今後、先
生方に検討会以外でも順次いろいろと情報をいただいたり、またこちらからも提供させ
ていただきたいと考えています。１年間ということで、ちょっと長丁場ではございます
が、是非よろしくお願いをしたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。



　　　　　　　　　　　　　　　　　〔照会先〕
　　　　　　　　　　　　　　　　　労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室
　　　　　　　　　　　　　　　　　職業病認定業務第二係
　　　　　　　　　　　　　　　　　ＴＥＬ０３－５２５３－１１１１（内線５５７１）