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参考資料 JAS制度のあり方検討会中間とりまとめについて

JAS制度のあり方検討会 中間取りまとめ の概要

JAS規格のあり方

1 JAS規格のコンセプトの明確化
 JAS規格の趣旨・内容を分かりやすいものとするため、個々の規格の性格について、(1)品質や生産プロセス等の特色を相当程度明確化した「特色規格」か、(2)生産、取引又は使用の合理化、まがい物防止等の観点から標準となる定義・品質を示した「標準規格」かを明らかにした上で、制定・見直し。

2 新たな社会ニーズに対応したJAS規格
 飲食料品等に関する情報開示を促進するため、義務表示事項以外の表示内容の真正性について第三者が認証するJAS規格の制定を可能とする制度を整備。
 登録認定機関に認定された事業者に対し、ICタグ等の方法で一部の義務表示事項の表示を行うことを認めるJAS規格を検討。
 トレーサビリティの推進等の観点から、「生産」だけでなく「流通」の方法についての基準を定めるJAS規格の制定を可能とする制度を検討。
 生鮮食品についてのJAS規格制定を検討。
 品目横断的な品質又は生産プロセス等の特色を有する新たなタイプのJAS規格の制定について、国家規格としての必要性、他法令との関係を踏まえながら対応。

3 JASマークのあり方
 JASマークにより保証された内容を消費者に分かりやすく示すため、「特色規格」の内容をJASマークに近接して強調表示することを推奨。
 マークの不正使用防止等の手段として、JASマークに登録認定機関名を併記。

4 JAS規格の制定・見直しの基準への反映
 1から3までの考え方をJAS規格の制定・見直しの基準へ反映。
 規格の廃止を検討する基準を、「格付率が著しく低い」等の基準から「特色規格又は標準規格としてコンセプトの明確化が困難な規格」「規格や認定の技術的基準が生産、取引又は使用の際の一定のスタンダードとして機能しなくなっている」等の基準へと変更。

JAS規格の認証のあり方

1 「改革実施計画」に係るJAS制度の対応方向
 「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」(閣議決定)に従い、
 製品のJAS規格適合性の認証は、国に登録された行政代行性のない「民間機関」による事業として位置付け。
 登録基準として国際的に認められたISOガイド65を採用し法律に明記するとともに、認定業務規程及び手数料の認可制を届出制に変更。
 登録認定機関に対する事後チェック体制を整備する観点から登録基準適合命令、業務改善命令を創設。
 登録認定機関に認定取消権限を付与するとともに、認定事業者が登録認定機関の定期的な監査を受けるべき旨を法定化。

2 登録外国認定機関の登録に係る同等性要件
 市場開放問題苦情処理対策本部決定を受け、登録外国認定機関の登録に当たっての同等性要件は撤廃の方向で検討。

3 登録格付機関等によるI種格付
 多くのJAS規格において製造方法や原材料が規定され、製品検査のみによる格付(I種格付)では規格適合性の判断が困難であるとともに不正格付の余地が大きいことから、全数検査を行う場合を除き、事業者認定を通じた製品認証制度に一本化する方向で検討。その上で、製造業者に加え、販売業者・輸入業者等が認定を受け、格付を行うことも可能な制度とすることを検討。

4 その他の検討課題
 認定事業者自身による検査・格付に加え、登録認定機関が少なくとも認定時及び監査時に最終製品の規格適合性について検査を実施する仕組みを検討。
 第三者認証の信頼性を高めるため、登録認定機関が事業者を認定するための技術的基準の内容を明確化するとともに、格付検査の際のサンプリング・測定・判定の方法について、妥当性を科学的に検証。
 登録基準としてISOガイド65が採用され専門的知見が必要となること等から、農林水産消費技術センターが、登録認定機関の登録審査のための技術上調査を実施し、また、登録後の業務監査や立入検査等のチェック機能を担えるよう法定化。

品質表示基準のあり方

1 名称規制のあり方と個別品目の品質表示基準の統合
 個別品目の品質表示基準による名称規制は過剰規制であるため、消費者に重大な誤認が生じる等の懸念がない限り、原則として廃止を検討。品目横断的な品質表示基準で定める「一般名称ルール」及び「一般誤認防止ルール」により監視・指導。必要があれば「標準規格」の定義・品質により一般的な名称の拠り所を示す。
 個別品目の品質表示基準における名称・定義以外の項目(原材料表示等の特例)は、必要性を精査の上、横断的品質表示基準に整理統合する方向で検討。

2 表示規制の対象の拡大の検討
 インターネット販売やカタログ販売の広がりに対応し、消費者が商品を選択し購入を決断する媒体を品質表示基準による規制対象に含められるように制度を整備。

3 表示の適正化の実効性の確保
 現行の強力な監視指導および違反への厳正な対処を引き続き実施するとともに、JAS法上の措置以外にも消費者保護法制全般の仕組みを活用。
 行政の監視の実効性確保及び事業者による表示の適正化の推進の観点から、事業者が表示に際し何らかの根拠書類を保持することの義務付けを検討。



JAS制度のあり方検討会 中間取りまとめ のポイント
〜食の安全・安心に資する21世紀のJAS制度を目指して〜

現状 展開方向
1.JAS規格(任意)のあり方 〜消費者ニーズに対応したJAS規格の制定〜
 JAS規格・マークが示す内容が不明確
矢印
 個々のJAS規格について、(1)製品の特色を明確化した「特色規格」か、(2)取引の合理化等の観点から標準となる定義・品質を示した「標準規格」かを明らかにした上で、制定・見直し
 JAS規格の内容は、「成分」や「生産」に関する基準に限定
 「表示」のみに関する基準を内容としたJAS規格は認められない
矢印
 「生産」のみならず「流通」に関する基準もJAS規格に取り込む
 表示内容が正しいことを認証できるよう「表示」のみに関する基準をJAS規格に取り込む

現状

展開方向
2.JAS規格の認証のあり方 〜行政改革の流れに対応した信頼される認証制度の整備〜
 登録認定機関が、大臣の代行として製造業者等を認定
矢印
 大臣の代行ではない「民間機関」として製品のJAS規格適合性を認証
 登録認定機関に対する国の関与は事前チェックが中心(事前の厳格な認可による違反防止)
矢印
 事後チェック体制を整備(事前の届出+違反時における厳格な事後的処分)
 認定を受けない一般事業者の製品の格付も製品検査のみで可能
矢印
 事業者認定を通じた製品認証制度に原則として一本化し、問題発生時に事業者の責任を問いうる仕組みへ
 外国の認定機関の登録は、当該国と我が国との間の制度同等性の合意が要件
矢印
 国際基準により登録審査を行い、制度同等性の要件は廃止


現状

展開方向
3.品質表示基準(義務)のあり方 〜わかりやすく信頼される表示制度の充実〜
 品目横断的な表示ルールに加え、特定の食品のみ厳格な名称規制を含む個別の表示ルールが存在
矢印
 個別品目の表示ルールは、品目横断的な表示ルールに整理統合を検討
 必要な場合には個別品目の厳格な名称規制に代え、「標準」としてのJAS規格で名称を規定
 食品に物理的に貼付する文字としての表示が規制の中心
矢印
 インターネット販売等に対応した新たな表示形態も規制の対象に
 表示の根拠書類保持は不要
矢印
 表示の根拠書類保持を品質表示基準により義務付け



参考資料

JAS制度のあり方検討会開催要領

農林水産省消費・安全局

第1 趣旨
 1  行政改革大綱に基づく「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」(平成14年3月閣議決定)において、JAS規格について、行政の裁量の余地のない形で国により登録された公正・中立な第三者機関が製造業者の認定等を行うこととされていることを踏まえ、認証制度の今後のあり方について検討を行う必要がある。
 2  一方、(1)「食の安全・安心のための政策大綱」において新しいニーズに対応したJAS規格の制定を進めることとされていること、(2)不正表示事件の多発により消費者の関心が高まる中で、より信頼される食品表示を目指していくための方策を検討する必要があることから、JAS規格の今後のあり方について、品質表示制度との関係も踏まえながら検討を行う必要がある。
 3  このため、新たなJAS制度のあり方を検討することを目的に、農林水産省消費・安全局長の検討会を開催することとする。

2 検討事項
 次の事項について順次検討を行う(なお、既存のJAS規格や品質表示基準の見直しについては、JAS調査会や食品の表示に関する共同会議において引き続き検討を進める)。
 1  行政改革への対応方向の検討
 2  新たなJAS規格・認証制度のあり方の検討
 3  その他

3 構成
 検討会は、別紙に掲げる者をもって構成する。

第4 座長
 1  検討会に座長及び座長代理を置く。
 2  座長は、委員の互選によって選任し、座長代理は、委員のうちから座長が指名する。
 3  座長は、検討会を統括する。
 4  座長代理は、座長を補佐するとともに、座長に事故があるときには、その職務を代理する。

第5 運営
 1  検討会の運営については、次のとおりとする。
 ( 1)会議は公開とする。
 ( 2)会議の資料は、会議の終了後、ホームページ等により公表する。
 ( 3)会議の議事概要については、会議の終了後、座長の了解を得た上で、ホームページ等により公表する。
 2  座長は、上記によりがたい場合が生じた時には、検討会の了承を得て、その取扱いを決定するものとする。



(別紙)

JAS制度のあり方検討会 委員名簿

  有馬 孝禮 宮崎県木材利用技術センター所長
  井澤 俊正 社団法人日本農林規格協会専務理事
  岩崎 充利 財団法人食品産業センター理事長
  岩田 修二 社団法人全国清涼飲料工業会技術委員長
  大木 美智子 消費科学連合会会長
  小笠原 荘一 日本チェーンストア協会常務理事
沖谷 明紘 日本獣医畜産大学応用生命科学部教授
  奥野 和雄 全国農業協同組合連合会コンプライアンス・業務監査部次長
  高野 ひろみ 全国消費者団体連絡会事務局
  田中 隆行 前 社団法人全国木材組合連合会副会長
  丹 敬二 日本生活協同組合連合会テストキッチン・表示企画室長
畑江 敬子 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授
  増田 淳子 ジャーナリスト
  丸井 英二 順天堂大学医学部教授
  水野 葉子 特定非営利活動法人日本オーガニック検査員協会理事長
  森澤 重雄 全国農業協同組合中央会食料農業対策部長
  山根 香織 主婦連合会常任委員
  山本 隆司 東京大学法学部助教授
(◎は座長、○は座長代理。五十音順、敬称略)



JAS制度のあり方検討会の検討経過

第1回 平成15年10月1日
座長の選任について
現行JAS法の規格・表示制度について
JAS法を巡る現状と課題について

第2回 平成15年11月13日
第1回検討会で委員から出された意見の整理
JAS規格を巡る現状の紹介
「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」に係るJAS制度の対応方向について

第3回 平成15年12月12日
第2回検討会で委員から出された意見の整理
「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」に係るJAS制度の対応方向について

第4回 平成16年1月28日
第3回検討会で委員から出された意見の整理
JAS規格制度の今後のあり方について

第5回 平成16年3月16日
第4回検討会で委員から出された意見の整理
JAS規格制度の今後の展開方向について

第6回 平成16年4月16日
第5回検討会で委員から出された意見の整理
品質表示の適正化に向けたJAS制度の対応方向
登録外国認定機関の登録に係る同等性要件について

第7回 平成16年5月19日
第6回検討会で委員から出された意見の整理
JAS制度のあり方検討会 中間取りまとめ(案)について


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