04/06/29 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録      薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日時 :平成16年6月29日(火)9:29〜11:48 ○場所 :ホテルフロラシオン青山(ふじ) ○出席者:   委員   豊田委員(部会長)、青木委員、井上(達)委員、岡田委員、        小沢委員、加藤委員、米谷委員、山添委員、吉池委員   関係省庁 農林水産省消費・安全局衛生管理課薬事・飼料安全室 嶋崎課長補佐        農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 田雑課長補佐        農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 東野課長補佐   事務局  遠藤食品安全部長、高井企画情報課長、中垣基準審査課長、宮川課長補佐、        鶴身専門官、浦上係長、渥美係員 ○議題:   (1)食品中の残留農薬等に係る基準の設定について     ・エチプロール(農薬)     ・ウシ用インターフェロンアルファ経口投与剤(動物用医薬品)   (2)食品中に残留する農薬等へのポジティブリスト制の導入について     ・暫定基準について     ・一律基準について     ・対象外物質について   (3)その他 ○事務局  それでは、ただいまから「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 農薬・動物用医 薬品部会」を開催させていただきます。  本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。  開会に当たりまして、遠藤食品安全部長から御挨拶を申し上げます。 ○食品安全部長  おはようございます。食品安全部長の遠藤でございます。  「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 農薬・動物用医薬品部会」の開催に当た りまして、一言御挨拶を申し上げます。  委員の先生方におかれましては、日ごろより食品衛生行政の推進につきまして、種々 御指導いただいておりますことを厚く感謝を申し上げます。また、毎月開催されており ます本部会への御出席に御礼を申し上げます。  本日は、食品中の残留農薬等の基準設定につきまして、農薬の「エチプロール」と動 物用医薬品の「ウシ用インターフェロンアルファ経口投与剤」につきまして、御審議を いただくこととしております。いずれも、既に食品安全委員会専門調査会において食品 健康影響評価が終わっているものでございます。  また、本日は前回に引き続きまして、農薬等のポジティブリスト制に係る暫定基準、 第一次案に対してお寄せいただいた御意見、御質問について御審議をいただくほか、ポ ジティブリスト制の施行に当たって、食品衛生法第11条第3項に規定する人の健康を損 なうおそれのない量、いわゆる一律基準の設定やポジティブリストの対象外とする農薬 等についても御審議をいただきたいと思っております。  審議事項がたくさんありますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  御挨拶に代えさせていただきます。 ○事務局  本日は、井上松久先生、それから大野先生、下田先生、中澤先生から欠席の御連絡を いただいております。農薬・動物用医薬品部会の委員13名中9名の御出席をいただいて おりますので、本日の部会が成立しておりますことを初めに御紹介を申し上げます。  それから、本日の部会の審議には、関係省庁から、左右に分かれておりますが、農林水 産省から3名の農薬の担当の方と動物用医薬品の担当の方に出席をいただいております ので、御紹介申し上げます。  それでは、部会長の方に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議をお願 いいたします。 ○豊田部会長  今日は、朝早くからお集まりいただきましてありがとうございました。  それでは、議事に入らさせていただきたいと思います。  初めに、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。 ○事務局  議事次第の後ろに配布資料の一覧が付いてございます。  その次に委員の名簿、一番下に出席をしていただきました関係省庁の方のお名前も付 しております。  座席表に続きまして、右方の資料1−1と書かれているもの。  それから、資料2−1と書かれているもの。  それから、資料3、資料4、資料5がございまして、その後、参考資料の1、参考資 料の2、参考資料の3でございます。  不足等ございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。 ○豊田部会長  配布資料の不足等がございますでしょうか。もし、ございましたら事務局までお願い したいと思いますけれども。ございませんですか。  それでは、審議に入りたいと思います。  最初に議題の1番目の「食品中の残留農薬等に係る基準の設定について」で、本日は 農薬1品目、動物用医薬品1品目について審議を行うことにしております。  最初に農薬のエチプロールにつきまして、資料1に基づいて事務局の方から御説明を お願いします。なお、この農薬の基準案の作成に当たりましては関係委員に、既に資料 等について御検討いただいているところでございます。  それでは、お願いいたします。 ○事務局  それでは、資料1−1と書いてある資料について、説明させていただきます。 ま ず、1ページ目からは資料1−1で、食品安全委員会の農薬専門調査会の方でとりまと められまして、今月の17日に公表されて、現在は食品安全委員会の方でパブリック・コ メントを募集しております評価書の案でございます。  同じ冊子の31ページからは資料1−2となってございまして、これは本部会の報告書 案となっております。  中身の説明に入る前に、ちょっと少し訂正がありますので、33ページの方をごらんく ださい。上の表のすぐ下のところで「申請の範囲内で最大散布量となる試験条件」とい うところなんですけれども、ここを「最大使用条件下の作物残留試験条件」というふう に訂正させていただきます。同じ訂正をその下の同じページの下の表の一番最初のとこ ろにも同じ文章が出てきますが、そこも同じように訂正をお願いします。  それと、もう一カ所ですが、下の表の稲わらの上の段の回数のところで「1,2回」 とありまして、1の下にアンダーラインがあるんですが、これを訂正して2の下にアン ダーラインをお願いします。  以上が訂正箇所です。  それでは、資料の説明に移らさせていただきます。  3ページをごらんください。審議の経過ですけれども、厚生労働省の方には、昨年10 月に農林水産省の方から農薬の登録申請に係る連絡がございまして、それを受けまし て、食品安全委員会に対して、残留基準設定に係る食品健康影響評価について要請をい たしました。今月の17日に食品安全委員会で報告書の案がとりまとめられまして、来月 の14日までこの評価書に対して、国民からの意見聴取が行われているというところで す。  4ページに移りまして、「要約」ですけれども、本剤エチプロールはフェニルピラゾ ール系の殺虫剤でございます。結論を先に申し上げますと、本剤の許容一日摂取量、A DIはエチプロールとして0.005 mg/Kg 体重/日と設定されました。  試験結果より、遺伝毒性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び試験毒性は認められて おりません。  また、発がん性試験では、ラットで甲状腺腫瘍、マウスで肝腫瘍が認められました が、いずれも作用機序は非遺伝毒性メカニズムであり、閾値を設定することは可能であ ると結論付けております。  概要にまいりますと、6ページから試験結果の概要が記載されておりますが、まず、 ラットにおける動物体内運命試験から始まりまして、8ページにまいりますと稲、綿、 ピーマンを対象としました植物体内運命試験が実施されております。  そのほか、各種環境中における運命試験が実施されておりまして、それらの概要につ いても9ページ以降、11ページにかけて記載がされております。  また、作物残留試験、それから12ページ、13ページの方にいきますと、乳汁への移行 試験及び土壌残留試験の概要が記載されておりまして、14ページ以降になりますと、急 性毒性試験や慢性毒性試験、発がん性試験といった各種毒性試験の結果について概要が まとめられております。  以上の試験結果を踏まえまして、22ページの方に総合評価という形で全体の概要が記 載されております。  かいつまんで申し上げますと、まず2行目の方にラットを用いた動物代謝試験から主 な排泄経路は糞中であること。また、その下の段落の植物体内運命試験では、水稲の試 験でエチプロールとその代謝物Bなどが検出されたという報告がなされております。  また、今回は乳汁移行試験が行われておりますけれども、これは稲わらの作物残留試 験の結果、残留が認められたため実施されたものでございますけれども、いずれも結果 的には検出されなかったということです。  また、真ん中より少し下のところの記載では、各種の動物を用いました毒性試験や発 がん性試験等の結果について記載されております。  1行あいたところから、3行目のところで亜急性毒性試験の結果、神経毒性は認めら れなかったと報告されております。  また、その次のパラグラフを見ていただきますと、ラットの慢性毒性試験及び発がん 性試験において、甲状腺腫瘍が認められ、また、マウスの発がん性試験においては、肝 腫瘍が認められたことから甲状腺及び肝腫瘍についてのメカニズム試験が実施されてお ります。 そのメカニズム試験の結果、甲状腺腫瘍についてはエチプロールの投与によ り、T4の胆汁排泄が肝臓薬物代謝酵素誘導により、促進された結果として「視床下部 −下垂体−甲状腺軸系に変化が生じ、TSHが増加し甲状腺を持続的かつ過剰に刺激す ることで生じる間接的な原因によるものと考えられ」ており、また、肝腫瘍につきまし ては「エチプロールがフェノバルビタールと同様な作用機序によって発がんプロモータ ー的に作用したことが原因で生じたと考えられる」というふうに報告されております。  次のページにまいりまして、後ろから4行目に遺伝毒性試験についての記載がありま すけれども、結果はすべて陰性ということでありまして、もう一度前のページの今のと ころに戻っていただきまして、下から4行目のところで結果としましては、甲状腺腫瘍 及び肝腫瘍のメカニズムに加えまして、生体にとって問題となる遺伝毒性はないという ことから、これらの腫瘍は非遺伝毒性メカニズムであり、閾値が存在すると考えられる と結論付けております。  23ページの方にまいりますと、2世代繁殖試験の結果についは、繁殖能に対する影響 は認められず、発生毒性試験の結果については、催奇形性は認められないと報告されて おります。  以上の各種毒性試験の結果につきまして、24ページの方に表9という形でマウス、ラ ット、ウサギ、イヌを対象としました各毒性試験における無毒性量の記載がなされてお ります。  最終的に、農薬専門調査会において行われた評価案がその同じページの下に記載され ておりますけれども、これはウサギの母動物及び胎児を用いた23日間の発生毒性試験か ら得られました無毒性量0.5 mg/Kg 体重/日を採用しておりまして、それに安全係数 100 をかけて、エチプロールの親化合物のみのADIとして0.005 mg/Kg 体重/日と 設定されております。  以上が食品安全委員会がまとめました食品健康影響評価の案でございます。  それに基づきまして、私どもの方で作物残留試験等々から残留基準値の案をまとめさ せていただいたものが、資料1−2、31ページからになってございます。  資料1−2については、食品安全委員会の方の評価結果で規制の対象がエチプロール であることから、エチプロールのみについて記載をしております。  まず、31ページの項目5のところに申請されているこの農薬の適用範囲とその使用方 法を記載しております。  まず、(1)の粉剤DLとしまして、稲への適用が申請されておりまして、次のペー ジを見ていただきますと(2)フロアブル剤として、稲、りんご、茶への適用の申請が なされております。  使用方法については、稲に対しては粉剤DL、フロアブルともに使用回数2回以内、 使用時期については収穫14日前まで。  りんごに対しては、使用回数2回以内で使用時期については収穫21日前まで。  茶に対しては、使用回数1回、使用時期については収穫7日前までということで申請 がなされております。  それらにつきまして、作物残留試験を行っておりまして、適用される範囲内で一番た くさん残っている最大残留量をまとめた表が33ページにございます。上の表です。基本 的には、最も大量かつ最終的な収穫からの期間が最も短い場合、つまり最大使用条件化 の作物残留試験、これについては回数と経過日数のところに下線を引いてある条件がそ れに当たりますけれども、そのいわゆる最大使用条件下で得られた試験の結果を最大残 留量として、一番右の欄に記載してございます。一部、その申請の範囲内であっても最 大使用条件下以外で高い数字が出でいるものがありますので、そちらの値を記載した農 作物については※を付けております。  33ページの下にまいりまして、7の乳汁への移行性試験結果をごらんください。エチ プロールについては、水稲について適用されることから、飼料として用いられる可能性 がある稲わらについても作物残留試験が行われておりまして、その結果を下の表に示し ております。  稲わらでの残留が若干認められましたことから、2頭の雌の泌乳牛を用いた乳汁への 移行性試験、具体的にはエチプロールをコーンスターチで10倍希釈して調整したカプセ ルを7日間連続投与しまして、投与開始1日後から最終投与5日まで搾乳した試験の結 果エチプロールは検出されませんでした。  34ページにまいります。この農薬のADIは先ほど御説明申し上げましたとおり、食 品安全委員会での評価のとおりでございます。  項目9の「諸外国における使用状況」といたしましては、コーデックス、アメリカ、 カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドについて調査しました結果、いず れの国においても残留基準は設定されておりませんで、その使用も認められておりませ ん。  なお、インドネシアでは水稲への適用が登録されておりますけれども、基準はござい ません。  10番の「基準値案」に移らせていただきます。  基準値案につきましては、規制の対象となるのはエチプロール本体で、基準値の案を 次の35ページの方に記載しております。  これは、作物残留試験の成績を基にEDI 試算しておりまして、34ページの方を見てい ただきますとBですけれども、本薬の一日当たりに摂取する量、推定一日摂取量EDI の ADIに対する比率は国民平均が8.6 %、幼小児が17.7%、妊婦が7.8 %、高齢者が 10.0%という結果になっております。  具体的に、その算出方法ですけれども、国民栄養調査の結果から得られた各食品の摂 取量を基にしておりまして、今回の場合ですと米、りんご、茶のそれぞれについて国民 平均、1歳から6歳までの小児、妊婦、そして65歳以上の高齢者の4つに区分された1 日当たりの摂取量データを用いております。  具体的には、米ですと、国民平均の1日当たりの農作物の摂取量、国民平均としては 185.1g、小児では97.7g 。りんごの場合ですと、国民平均が35.3g で、小児ですと 36.2g 。茶の場合ですと、国民平均は3.0gで、小児の場合ですと1.4gというデータとな っておりますが、それらの同じように妊婦、高齢者についてもそのデータを用いまし て、それらの値に作物残留試験の成績の値を掛け合わせてEDI 試算をしております。  結果としまして、35ページの方に示しております基準値の案でADIの範囲に収まっ ているということになります。  それから、追加的な情報でございますけれども、昨年の10月末に公表いたしました暫 定基準第1次案には、このエチプロールにつきまして記載はございません。  以上がエチプロールに関する資料1の説明でござまいす。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  それでは、この報告案につきまして、御質問、御意見ございますでしょうか。 ○米谷委員  よろしいでしょうか。 ○豊田部会長  米谷委員、お願いします。 ○米谷委員  まず、3点ございますけども、1点目は33ページの下の方の表の中の一番右上の圃場 Aの数値なんですが、ここに0.12とございますけども、それで食品安全委員会の方の対 応する数値が12ページだと思うんですが、12ページのところの水稲稲わらのところで探 しましても、0.12がないものですから、ひょっとして0.13の間違いかなということで す。ほかの0.2 とかその下の0.8 、0.5 はあったんで間違いか、あるいはここに出てい ない数値をこちらに持ってきておられるのかそれをお聞きしたいということです。それ が、1点目です。  それから、稲わら中の残留量を測定、分析しておられるんですが、稲わらというのは どれぐらい食べるというふうに計算するのでしょうか。これは、農水省の方のお答えで もよろしいんですけれども、お聞きしたいということです。  それから、3番目に一番最後の基準値のところにお茶で5ppm がございますけれど も、これは荒茶のときの数値からきているかと思いますけれども、当然分析するときに は抽出浸出液ではなくて、お茶を直接測るという、そういう分析法を採用するというこ とでよろしいのでしょうか。  その3点でございますけども。 ○豊田部会長  それでは、まず最初の3つございましたけれども、最初の33ページの圃場の数値の方 は事務局何かございますでしょうか。 ○事務局  最初の御質問なんですけれども、食品安全委員会の農薬専門調査会の方では、33ペー ジの真ん中ぐらいに記載を一応しておりますけれども、作物残留試験の最大残留の定義 が食品安全委員会と私どもが設定しております最大残留量の定義と異なっておりますの で、結果として当方では、32ページの下の方から記載がありますように、「当該農薬の 使用の範囲内で最も多量に用い、かつ最終使用から収穫までの期間を最短とした場合の 作物残留試験」それを実施した場合に得られた残留量を採用しておりまして、この場合 は特に括弧書きの条件が、記載がないので基本的にはそのようなやり方で取った値で、 食品安全委員会の方で抜粋したデータと異なっているという結果になっているのだと思 います。 ○農林水産省  農林水産省でございます。  稲わらの利用率はどのぐらいかという御質問ですけれども、稲わらの利用率につきま して、全体の稲わらの生産量に対しまして、飼料として使われる利用率としては約10% 程度ではないかというふうに見ております。それは、稲わら自体が提出総飼料というこ とで、主に肥育用牛とか、乾乳中の乳牛にわずかに利用されている程度ということで、 飼料への使用量としては最大給餌量としましては、1日2キロぐらいではないかと推定 しております。 ○事務局  それから3番目の御質問の件ですが、基本的にはお茶も摂取するという計算のものを 見ておりまして、それで荒茶の方のデータを代表して使っているということにしており ます。 ○豊田部会長  米谷委員、お願いします。 ○米谷委員  それで、実際に分析する場合に浸出するか、そのまま測るかということに関わってく るような感じがするんですけれども、規制する場合にどちらでするんでしょうかという ことなんです。 ○事務局  荒茶の方のデータを使っていますので、お茶本体を測るということです。 ○米谷委員  普通の野菜と同じように、直接抽出するということですか? ○事務局  という形だろうと思います。 ○米谷委員  どうもありがとうございました。 ○豊田部会長  よろしゅうございますか。ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。山添委員、お願いします。 ○山添委員  この評価案、ここの案ではなくて、最初の食品安全委員会の方のところのページでも よろしいですか。  ページの22ページ、総合評価のところなんですか、そこで上から6行目「主要代謝経 路はカルボニトリル基の酸化、スルホニル基の酸化・・」と書いてあるんですが、そこ のところで、その上の行に記載された代謝物のF、I、Jから糞中からB、E、H、 I、Jとか書いてありますが、ここに記載されている代謝物はいずれもカルボニトリル 基、シアノ基が残ったままなんです。実際、そのデータにはマイナーな代謝物でC、D というのがほかの資料には書いてありまして、それはカルボニトリル基が酸化をされて いるんですが、この表に書かれているものはいずれもカルボニトリル基は酸化されてい ない、マイナーな代謝なのでここからは少しここの部分だけ削った方がいいのではない かと思います。 ○豊田部会長  ただいま、代謝経路の話がございましたけれども、何か事務局ございますか。 ○事務局  前回も山添先生から御意見をいただいたのがありますし、今回の件も安全委員会の事 務局にその旨、伝えたいと思います。 ○豊田部会長  わかりました。そういう処理をいたしますということです。  ほかに、井上先生お願いします。 ○井上委員  それでは、ついでに申し上げます。  22ページの発がん危惧に関するところですけれど、下から6行目の終わりの方に「エ チプロールがフェノバルビタールと同様な作用機序によって発がんプロモーター的に作 用したことが原因で生じたと考えられる」というのは、プロモーター的というのは余り 使わない言葉ですので、何らかの形でもし訂正できるなら訂正なさった方がいいと思う んですけど、ただ、ここが言うことではないんだろうと思うので、いつも困るんですけ れど。ちょっとコメントだと思って聞いてください。 ○豊田部会長  ありがとうございました。また、事務局の方から申し伝えるというスタイルにさせて いただきたいと思います。  そのほか、ございますでしょうか。  では、ちょっと教えてほしいんですけど、34ページの「諸外国における使用状況」と いうところで、まずヨーロッパの方、残留基準は設定されていないし、本剤の使用も認 められていないという、ここのところです。ちょっと理由を教えてほしいということ と、それからインドネシアでは、登録されているが基準がないというところの理由も併 せてお願いします。 ○事務局  この剤自身がかなり新しい剤だと聞いております。したがって、我が国の特にお米に 使おうということのようです。したがって、まだ海外では申請がなされていないという ような状況だというふうに聞いております。  それから、インドネシアは申請者の方から連絡をいただいた範囲では、インドネシア で残留農薬基準というと、通常コーデックスの基準を準用しているんだと。したがっ て、新しい剤ですから、コーデックスの基準がございませんので、残留基準がつくられ ていないんだという、そういう説明を聞いております。 ○豊田部会長  わかりました。ありがとうございました。  そのほかにございますでしょうか。特にございませんでしょうか。  それでは、もし特に御意見がないようでしたらば、本報告案を持ちまして当部会の報 告というふうにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、ありがとうございます。  それでは、本報告案を持って、当部会の報告書としたいと思います。事務局から今後 の手続につきまして、御説明お願いいたします。 ○事務局  本件については、食品安全委員会からの正式な通知を受けた上で、食品衛生上の修正 が必要でなければ、本報告案を部会報告書といたしまして、WTO通報及びパブリック ・コメントを求めまして、所要の手続を終了した後に食品衛生分科会に諮る予定として おります。 ○事務局  済みません。原稿が古かったようで済みません。  食品衛生分科会の方にかけるのは、前回分科会で諮っておりますが、直近の分科会が 開催されたときに、この報告案を報告いたしまして、それでその後、WTO通報の結 果、意見等があったものについて分科会の先生方にお諮りをして、答申をいただくとい う形にさせていただきます。前回の部会の後に開かれました分科会で、審議をより充実 する、それから迅速に行うという観点から分科会での審議について、WTOの通報の期 間が終了した後に答申を求める分科会を開いていただくという形式を改め、WTOの通 報期間中にとか、分科会がある機会にこの案を御報告をして審議をいただくという形に させていただいております。そういう手続で進めていきたいと思っております。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  それでは、次に議題の動物用医薬品の「ウシ用インターフェロンアルファ経口投与剤 」について、資料2に基づきまして事務局から御説明をお願いいたします。この動物用 医薬品の基準案の作成に当たりましては、関係委員に既に資料等について御検討いただ いているところでございます。  それでは、お願いします。 ○事務局  それでは、資料2に基づきまして、説明させていただきます。  1ページ目からごらんください。平成16年3月19日付けで動物用医薬品の承認に係る 意見について、農林水産大臣から厚生労働大臣宛てに意見を求められております。本 日、御審議いただくものにつきまして、記の1にございます「牛用インターフェロンア ルファ経口投与剤(商品名ビムロン)」でございます。  続きまして、2ページをごらんください。こちらも農林水産大臣からいただいている ものでございまして、1ページと同じ品目について動物用医薬品の使用基準の設定、使 用者が遵守すべき基準を定めることにつきまして、意見を求められているものでござい ます。これらの通知を受けまして、厚生労働大臣から食品安全委員会委員長宛てに食品 健康影響評価を依頼しているものでございます。  続きまして、3ページ目をごらんください。「ウシ用インターフェロンアルファ経口 投与剤(ビムロン)に関する食品健康影響評価について(案)」ということでございま して、これは食品安全委員会の動物用医薬品専門調査会での審議が終了いたしまして、 現在パブリック・コメントを募集しているものでございます。  まず、1番といたしまして、インターフェロンについての説明が記載されている部分 がございます。「インターフェロンは1950年代にウイルス干渉作用(ウイルスの感染を 阻止する現象)の研究中に干渉因子として発見され、その後、生体内抗ウイルス物質で あることが明らかにされた」ということでございます。  インターフェロンの作用といたしましては、抗ウイルス作用、それから細胞増殖抑制 作用、免疫増殖作用等を示すことが知られているということでございまして、これらの 作用が確認されたことから、人体用医薬品としての研究開発が進み、1980年代後半には がん等の治療薬として実用化されているということでございます。  それから、現在、人体用の医薬品として実用化されておりますインターフェロンに は、培養細胞によって生産される天然型のものと遺伝子組み換え大腸菌を利用して生産 される遺伝子組み換え型があるということでございますけれども、今回のものは天然型 ということでございまして、天然型のインターフェロンアルファの場合は混合物であ り、その用量は通常抗ウイルス活性を基にした、力価IUで示されるということでござ います。  続きまして、2番といたしまして、今回農林水産省の方に申請がありました「ウシ用 インターフェロンアルファ経口製剤(商品名;ビムロン)」についての記載がございま す。  ビムロンにつきましては、有効成分して天然型のヒトインターフェロンアルファBALL −1を含む散剤でございまして、牛に対して1日1回、体重1Kg当たり2.5 mg(IFN-α としては0.5 IU)を5日間経口投与するというふうにされております。  本剤の効能効果としましては、1か月齢未満の牛におけるロタウイルス感染症による 軽度下痢の発症日数の短縮、症状改善、増体量低減の改善ということでございます。  この製剤に使用されておりますヒトIFN −αにつきましては、医療用医薬品の製剤原 料として既に承認されておりまして、現在も人に使用されているものということでござ います。  この製剤は、筋肉内に注射により用いるヒト臨床用量と比較しまして、経口投与によ り極めて微量を投与するとされております。また、IFN −αは蛋白質でございまして、 経口投与後は速やかに消化吸収され、活性を失うと考えられるということでございまし て、このためこの投与法による作用機序は定かでないということでございますけれど も、口腔内、あるいはその近傍の細胞に作用して投与局所の免疫反応を亢進させるとと もに、何らかの情報を伝達機構を介して全身的な免疫賦活作用を示すのではないかとい う仮説が報告されているというところでございます。  4ページ以降につきましては、毒性試験の概要等が12ページ辺りまで記載されており ます。詳細は省略させていただきます。  それでは、12ページにまいりまして、下から7行目の辺りでございますけれども、各 試験結果を踏まえました食品安全委員会の評価結果案が6番、「食品健康影響評価につ いて」というところに記載されてございます。  内容といたしましては、「主剤である天然型のヒトインターフェロン−αは、臨床予 定使用量の数億倍の用量でも急性毒性を認めない。また、各種の遺伝毒性試験、発生毒 性試験の結果から、遺伝毒性発がん性や催奇形性はないと認められる」ということでご ざいます。  「また、各種ほ乳類における本製剤の臨床予定使用量の数百万倍用量を経口投与した 場合でも、糖蛋白質であるヒトインターフェロン−αが経口投与された場合速やかに分 解されるため、血液中から薬理活性のある成分は検出されておらず、また、静脈中への 強制投与試験から、動物体内への蓄積性も認められていない。このことから、本製剤が 適切に使用される限りにおいて、ヒトが食品を通じて薬理活性を有するヒトインターフ ェロン−αを摂取する可能性はほとんど無いと考えられる。なお、本製剤の使用量はヒ トの臨床用量の数百万分の一である」というところでございます。  これらのことを考慮されまして、牛用インターフェロンアルファ経口投与剤(ビムロ ン)につきましては、適切に使用される限りにおいて、食品を通じて人の健康に影響を 与える可能性は無視できるものと考えられるという案が示されているところでございま す。  続きまして、17ページをごらんください。資料2−3といたしまして、本部会の報告 案でございます。  まず、1番、概要といたしましては、品目(1)品目名としまして、「ウシ用インタ ーフェロンアルファ経口投与剤」、商品名は「ビムロン」。  (2)用途といたしましては、「牛(1か月齢未満)におけるロタウイルス感染症に よる軽度下痢の発症日数の短縮、症状改善、増体量低減の改善」というところでござい ます。 製剤の説明といたしましては、有効成分として天然型のヒトインターフェロン アルファ(BALL−1)を含む散剤であり、ヒトインターフェロン−α医療用医薬品(製 剤原料)として既に承認されており、現在もヒトに使用されているものである」という ことでございます。  (3)有効成分としましては、「インターフェロン−アルファ(BALL−1)原液」  (4)適用方法及び用量といたしましては、「1日1回、体重1Kg当たり2.5 mg[イ ンターフェロンアルファ(BALL−1)として0.5 国際単位]を5日間経口投与する」。  「(5)諸外国における使用状況」ですが、動物用医薬品としては「諸外国におい て、承認、使用されていない」ということでございます。  2番「残留試験結果」につきましては、「本製剤が適切に使用される限りにおいて、 ヒトが食品を通じて薬理活性を有するヒトインターフェロン−αを摂取する可能性はほ とんど無いと考えられる」というふうに食品健康影響評価の案で示されているというこ とでございます。  3番「ADIの評価」につきましては、先ほど御説明差し上げましたような評価案が 公表されているところでございます。  18ページにまいりまして、「4.残留基準の設定(案)」でございますけれども、食 品安全委員会における評価結果を踏まえまして、残留基準を設定しないということとす ることとして取り扱うこととしたいという案でございます。  以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○豊田部会長  御説明ありがとうございました。  それでは、この報告案につきまして、御質問、御意見がございますでしょうか。 ○米谷委員  よろしいですか。 ○豊田部会長  米谷委員、お願いします。 ○米谷委員  今回の食品安全委員会からの評価と、それからこちらの方の報告案、両者ともインタ ーフェロンアルファとしての評価としては、これで結構だと思うんですけれども、今回 これは商品名ビムロンという散剤に対する報告になるので、一言だけ、散剤でこういう ものしか入っていないので、剤としても何ら問題はありませんとか、そういう文章が入 っておった方がいいのではないかと思うんですが。この書きぶりですと、インターフェ ロン−アルファの評価、あるいは報告のような形になっていますので、その辺ちょっと 考えていただければと思います。 ○豊田部会長  ただいま、本製剤のところの御質問がございましたけれども、事務局の方では、これ はどういうふうにしたらという何か御提案等ございますでしょうか。 ○基準審査課長  米谷先生がおっしゃることは、もっともだと思いますが、一方においては製剤ごとに 評価をしていくとなると、例えばゾロみたいな賦形剤が若干変わったとかいうものも全 部評価してかなければならないということになりますので、基本的には有効成分とその 投与経路みたいな形で評価をしていかざるを得ないんだろうと、そのいわゆる製剤とし て、そこに使われる賦形剤、安定剤、何とか剤、いろんなものが若干変わったにして も、それはその範囲で前に評価したものと同じかどうかというのは農林水産省の方で一 義的にチェックしていかれるんだろうというふうに考えている次第でございます。 ○米谷委員  実は、前回ですか、前々回ですかワクチンのときに抗生物質がごく微量入っていると いうことで、それが保存剤ということで質問をさせていただいたんですが、今回も散剤 ですので余り入っていないのかもしれませんけれども、前のワクチンの場合ですと、賦 形剤と食品添加物、あるいは医薬品添加物として使われているものしか入っていないの で、安全ですよというふうな、剤としての評価をしたような記憶があったものですか ら、こういう質問をさせていただいたんです。片っ方で農薬の方は主剤の方で評価をず っとしておりますので、動物薬の方もそういうふうな主剤を対象としてここで議論をす るということであれば、それで結構なんですが、全体的な方針をどうされるかだけちょ っとお聞かせいただければと思います。 ○基準審査課長  安全委員会との関係で、リスク評価を安全委員会に頼む、頼まないという議論を安全 委員会の中でやっていただいたことがございまして、基本は主剤で評価をしていくとい うことでございますけれども、前回のワクチンの例で挙げられましたように、気になる というか、懸念があるというか問題が指摘されそうなというか、そういう場合にはその ものについても言及していこうというような方針だろうというふうに考えております。 ○豊田部会長  ということでございまして、今の御説明で大分中身がわかってきたような気がいたし ますので、確かに剤の中に何かほかのものを、気になるようなものが入っている場合に は特にそれについて評価も付けていただくと、多分そういうことではなかろうかと思い ます。  そのほかにございますでしょうか。特にございませんでしょうか。  それでは、御意見がないようでしたら本報告案をもちまして、当部会の報告というこ とにさせいただきたいと思いますがよろしいでしょうか。  ありがとうございます。それでは、本報告案をもって当部会の報告書としたいと思い ます。事務局から今後の手続について御説明お願いいたします。 ○事務局  本件につきましては、食品安全委員会から正式な通知を受けた上で、修正等必要なも のがなければ、本報告案を部会報告書として食品衛生分科会に報告するとともに、農林 水産省の方に通知をさせていただきたいというふうに考えております。 ○豊田部会長  ありがとうございます。それでは、本報告案をもって、当部会の報告書としたいと思 います。  それでは、続きまして2番の方です。「食品中に残留する農薬等のポジティブリスト 制の導入について」ということでございます。この議論に入りたいと思います。  まず、暫定基準の第1次案につきまして、既に前回、それから前々回の部会でこの第 1次案に寄せられた主な意見についてご審査いただいたところでございますけれども、 本日も引き続き御審議いただきたいと考えております。  最初に資料3につきまして、事務局の方から御説明をお願いいたします。 ○事務局  資料3について、御説明をさせていただきたいと思います。  既に何度が御審議をいただいておりまして、またワーキンググループ、作業班の方で も個別の意見について回答案を御審議現在もいただいているところでございまして、何 点かこれまで御審議いただいたもので修正の点がございますので、その修正の点につい て御説明をさせていただきたいと思います。  4ページをごらんください。1−13のところですが、トナカイやいわしゃこなどの非 常にマイナーな食品について、まとめるべきではないかという御意見がございました が、ご指摘を踏まえて、国民栄養調査における1日当たりの摂取量が約1g以下のもの について、具体的には羊であるとか、馬であるとかシカ、その他ウサギ、トナカイで す。家禽について言えばアヒル、七面鳥、うずら、がちょう、いわしゃこ等について は、整理をさせていただきたいと、それから魚介類の分類につきましても、薬事法との 整合性を図りまして、整理をさせていただきたいというふうに考えております。  それから、14ページをごらんください。4−9でございますが、(3)として、問い を追加しております。  (1)から簡単に御説明をいたしますと、(1)のところでは、動物の残留基準の設 定について、臓器を用いた管理をすれば、具体的なマイナーな臓器等に基準は要らない ではないかというような御指摘でございましたが、50%以上が輸入に頼っている我が国 では、なかなか臓器を用いた管理というのは難しいでしょうと。  (2)といたしましては、ADIからフードバスケットを用いて、割り振るというよ うな暫定基準の設定にしてはどうかというような御指摘をいただいているんですが、今 回の暫定基準についてはADIの評価を行っていないものですから、なかなかそれも難 しいと。 それから(3)についてでございますが、同一動物であって、つまり同じ牛 なら牛という動物であって、筋肉、脂肪、または肝臓、腎臓等一部の組織、臓器に基準 が設定されている場合、それ以外の組織、内臓、いわゆるその他の内臓等の基準をつく っているわけですが、当該動物に対してその使用が認められていること、それから米国 等においては標的臓器による管理、検査体制が取られておって、すべての組織、臓器に 基準が設定されているわけではないということから、同一動物で基準が設定されている 組織、臓器のうち最も低い値をその他の内臓であるとか、基準が設定されていない臓器 に対して設定をしたいというふうに考えております。  それから、4−10についてですが、検出限界をもって基準値としている国の取り扱い です。平均値を算出する場合には、検出限界をもって基準値としている国の値を参考と していたわけですが、一方、参考とする国の基準値がそれしかない場合、検出限界はも って基準値としている国の値しかない場合には、我が国としては一律基準を持って対応 するというふうにさせていただいていたところですが、作物等に対して、使用が認めら れている場合で、検出限界値をもって基準値としている場合には、暫定基準設定の参考 としたいと。具体的には、当該国でその使用が認められているというようなことを政府 機関の公式文書、米国であればFederal Registerのような政府機関の公式の文書の写し 等によって確認ができるものについては、それらの検出限界値をもって基準値としてい る場合には参考としたいというふうに考えております。  変更点としては、この3点、以上でございます。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  前回から、この資料につきましては、御意見、御説明等いただいているわけでござい ますけれども、この3か所の変更点について、今日は御説明ございましたけれども、何 かここの資料3の部分につきまして、委員の方から御意見ございますでしょうか。  小沢委員。 ○小沢委員  今、御説明なかった部分でもよろしいのでしょうか。  不検出のところのリストが新しくというか、前回申しまして今回付けていただいてい る9ページの3−3の不検出とする農薬等の一覧の中で、フルメキンが前回まであっ て、今回抜けている理由がこの下に説明があって、JECFAでADIが取り消された ので、前回の表では別表1に入れていたけれども、今回、今年の2月のJECFAの会 議で再度審議されて、ADIが設定されたことから、別表1から削除するという御説明 があるんですが、このADIが設定されたので、別表1から外したという理由はわかる んですが、その経緯についてちょっと伺いたいんですが、日本が以前フルメキンについ て多少安全性について疑義があったのではないかというふうなことを認識しておりまし て、コーデックスに出されたレポートを見ていますと、フルメキンについて日本が再評 価するために、新しいデータを出すというふうなことを参加者が発言しているというレ ポートがあるんですが、何かしらそういう日本が関与してフルメキンを再評価するとい うことがあって、今回JECFAでADIが設定されたのか、その経緯が非常によく見 えにくいので、ちょっと教えていただきたいと思います。 ○事務局  我が国からデータは提出しております。だた、それは15年2月のJECFAに向けて データを提出しておりまして、それらのデータを基にJECFAで評価をされて、AD Iが一旦取り消されたということです。  その後、EUからさらなるデータの提出がございまして、ADIを設定することが可 能であろうというふうな最終的な結論になったというふうに理解をしております。 ○豊田部会長  そのほかにございますでしょうか。  特に御意見がなければ、また次の議題に移りたいと思いますが、よろしいでしょう か。 ポジティブリスト制のうち、人の健康を損なう恐れのない量、いわゆる一律基準 について、前回事務局から資料の御説明が上がりましたけれども、資料に少し追加がご ざいますようなので、初めに資料4の説明をお願いいたします。 ○事務局  お手元にございます右方に資料4と書かれているものであります。  前回から、前回終わりの方にざっと説明をさせていただいたところですけれども、1 ページ目「法的背景等について」。  それから2ページにいきまして、諸外国の事例というふうに続いております。  1ページ目、2ページ目には変更はございませんが、3ページ目の2つ目のパラグラ フ、それからその次の「(3)ポジティブリスト制を行うニュージーランドの事例」 と。このところが追加をしているものです。  2ページの下から「ポジティブリスト制の移行を検討しているEUの事例」につい て、そこにございます文献資料に基づいて説明を加えておるわけですが、要すればEU はそこの2ページ目の下の資料の下のパラグラフにありますが、Aのところにあります が、分析上ゼロトレランスが達成できない。それからBの既存農薬では、その基準によ り消費者の保護が達成されると。ただし、設定が例外となる場合には、更に低い基準を 設けると。それからCは、詳細な検査よりも検査の効率が優先されることから、残留基 準を0.01mg/Kg という考え方を示しているということになっています。  その辺りについて、私どもの方から欧州委員会の健康消費保護局、直訳ですのであれ なんですが、そこの植物「貿易」は間違っています。「防疫」です。  その担当者とお話をしまして、一律基準値について、その内容について幾つか確認を しました。ABとしているところが、その考え方に関連するような部分で、3番、4番は その根拠に関係するような部分です。  Aは、この一律基準値0.01ppm は、これまで設定した残留基準値の中で最小のものであ ったと。だから、そういうものを選んでいただきましたと。しかしながら、前のパラグ ラフにもありましたけれども、GAP、農薬適正使用に基づいて基準、一律基準値より も低い、厳しい基準を設定するという場合は当然ありますと。  それから、Bの方はこれは現在の規則案の関係、審議状況ですが、欧州議会及び欧州 理事会において協議をしておる段階で、現段階では一律基準案を0.01ppm という規定と して残しておるわけですけれども、分析法に基づくLOD、検出限界値とする可能性も あるということを伝えています。  それから3番目は、その0.01の設定根拠について、もう少し資料をくださいとお願い をしたところ、1997年に欧州の食品科学委員会、Scientific Committee on Foodで、ヘ ビーフードにおける農薬等の残留基準について、その数字が適当であるかという諮問を 行っていて、この答申では人口の中で最も感受性が高いグループである乳児について、 0.01ppm がほとんどの場合において安全であるという結論になっていると。それがベー スになっているということです。  この0.01を導き出した計算でありますが、食品科学委員会の評価では乳児の食事の 量、これはヨーロッパでの推計ですけれども、1日当たり体重当たり48g という推計に 基づいて、仮にその0.01ppm とした場合にADIがそこにあります0.0005〓mg/Kg/day 、 0.5 μg/Kg/day以下であれば、0.01を超えませんと。したがって、これを上回るものに ついては乳児の0.01を超えるものについて人の健康を損なうリスクを必ずしも示すもの ではないというふうな結論を付けているというものであります。それを追加をさせてい ただきました。 それから、もう一つ、これはニュージーランドの事例、ニュージーラ ンドも2ページの2の(1)のところにポジティブリスト制を採用している国の事例と して0.1ppmというふうに紹介してございますが、それにつきまして、ニュージーランド 政府の植物防疫の担当者に確認をしたものが3ページのところであります。  ニュージーランドにおいては、そこの食品法という法律に基づいて残留基準値を規定 しておるわけですが、この一律基準値については、個別の基準を定める農薬以外の農 薬、つまり、基準を設定していない農薬、それから個別の基準が設定されている農薬で あって基準のない作物、こういうものに適応される場合、0.01ppm を超えなければ、販 売しても構いませんという規定になっているということです。  その設定根拠ですが、これは1987年にカナダの事例などを参考にしてつくったという ふうにおっしゃっておりまして、その当時0.1ppmが一般的な検出限界と考えられてい て、個別の検出限界とするのではなくて、一律基準を設定することが効率的と考えた と。  それから、当時使用していたすべての農薬の毒性評価とTMDIの暴露評価の結果か ら、0.1ppmであれば長期暴露の影響がないことが明らかになった。そういうことからこ の基準を選んだということです。87年以来、随分時間が経っておりますので、今日でも どうしているのかということを確認をしたところ、農薬の表示に記載されていないマイ ナー農薬の使用について、柔軟性を持たせるために0.1ppmの一律基準として定めている けれども、先ほどのEUと同様ですけれども、その適正な農薬使用、GAPの確認の手 段であることから、残留基準がそういう性格のものでありますから、GAPに基づいて 0.1 よりも低い基準、適正な基準を設定するという方針を取っているということになっ ています。  それ以外のところ、以下、安全性の評価の部分、それから考え方の部分、一番最後7 ページに一律基準の設定についての案がございますが、こちらは前回と変更がござませ ん。 以上でございます。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  ただいま資料4につきまして、追加の部分2ページ、3ページにわたりまして、諸外 国における事例につきまして、御説明がございました。  何が御意見、御質問等がございますでしょうかということなんですけれども、井上先 生の方に事前に毒性学的閾値につきまして、御説明いただけたらということで、済みま せんが、よろしくお願いいたします。 ○井上(達)委員  考え方の問題を少しコメントさせていただきたいと思います。  先ほどの農薬の評価のときにも話題になりましたように、この委員会は言わばリスク 評価というよりもリスクマネージメントに関する考え方をどう置くかということだろう と思います。それで、この0.01ppm に一律基準値を設定するということの意味なんです けれども、これはそれがリスク評価の一環としてそういう位置づけ、そういう基準値を 設定するのではないというのが、私の考え方です。  これがリスク評価として位置付けようと考える場合には、これは当然それぞれの化学 物質に対して、それぞれの安全性試験をやらなければならないわけで、そうではなく、 これは1つのマネージメントの問題であります。0.01ppm に設定したときにプラクティ カルにこれまでさまざまな農薬であるとか、いろいろなものがどのようなADIが設定 されたのか、そういったものと比較すると、そうしたときにプラクティカルに十分それ らのADIはカバーされるということです。したがって完全にゼロリスクかというと、 これはもともとゼロリスクを考えないということが前提で、このリスクマネージメント というのは成り立っていると思いますので、したがいまして、リスクはゼロにはならな いんです。  ですから、ここの答申案の中にもそういったものはリスクマネージメントとして見た ときにリスクがゼロになるとは言っていない、(そういうふうに私は読んでおりますけ れども、)どうしてもそういうふうにならざるを得ません。それで、そういう考え方で 御説明があった資料の5ページなどをごらんいただきますと、(私、以前農薬のリスク 評価の評価案のようなものをつくっておりましたので、そういう立場から御説明します と、)アルドリンであるとかディルドリンであるとかを見ると(これらは大変ADIが 極めて低い物質の部類に属します。)、こういったものもプラクティカルに十分カバー される値であるということになります。そしてリスクマネージメントの問題としては、 ゼロリスクでないなら、ゼロリスクでないでどのぐらいのリスクなのかという値を想定 していただいて、そして、それが多くの国民に受け入れられると皆様方がお考えになる かどうかという、そういう問題だということになります。  したがいまして、例えば今見て頂いている表の上にある交通事故から落雷に至るまで のそういったリスクとの比較をいたします。あるいは、リスク評価というのは例えば自 動車の性能などに基づいて、性能を見ることに相当しますけれども、それを実際にマネ ージメントの方々は、どのぐらいのスピードで公道を走らればいいかどうかということ を許可なさる立場です。自転車といえども危険だから、30キロ以上で走ってはいけない よと言っても、実際に自転車を30キロ以上で走らせることのできる方はプラクティカル にはいないという場合もありますし、自動車は、止まっていても、自転車は、止まって いてもリスクは実はゼロにはならないのであります。 ですから、そういう視点からお 考えいただくべき問題なんだというふうに御理解いただいて、これを考えていただくと いうことだと思います。そしてリスク評価の立場からしますと、プラクティカルには十 分安全性をカバーするということを申し上げたいと、こういうことでございます。 ○豊田部会長  井上先生、ありがとうございました。  ただいま、井上先生の方からここでの先ほども出てまいりましたけれども、EUの 例、あるいはニュージーランドの例とか、いろいろな数値が出ておるわけでございます けれども、そういったものについて、まず考え方というか、井上先生のお話はそういう ものだったと思いますけれども、考え方についてゼロリスクというものはいろいろなす べてのあらゆる、現象等において自然界等において、あり得ないんだろうと。では、ど のようなリスクというふうなところで納得していただくかということに最終的にはなる のではないかという御意見のように思われましたが、間違えていたら御訂正願いたいん ですけれども、こういったことは非常に大事だと思うんです。そのほかの委員の方から 何か御意見がございましたら、また事務局の御説明につきまして、御意見、御質問等が ございましたらお願いしたいと思います。  小沢委員、お願いします。 ○小沢委員  御意見がないようですので、前回EUだとかニュージーランドの背景を知りたいと申 し上げまして、お調べくださいまして非常に考え方というかスタンスがよくわかった意 味でありがとうございました。  それで、今回提案されている0.01ppm を消費者の立場から言うと支持したいと思いま す。今回の暫定基準をつくることの意味、目的自体がやはり国民の高い健康保護を目的 とするということからすると、できるだけ低い方がいいというふうに考えますし、現実 問題としては、試験法のことだとか、それから実際にその産業界のいろんなお声も拝見 していますと、なかなか難しいというふうなこともかなりうかがわれるんですが、やは り、できるだけこの0.01ppm ということで全体でサポートしていくという方向が望まし いのではないかと思います。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  では、加藤委員お願いします。 ○加藤委員  済みません。1つ質問させていただきたいんですけれども、EUの考え方について調 べていただいて助かったんですが、その中で3ページのBのところで、規制案は云々と いうことで、一律基準値を分析法に基づく検出限界値default LODとする可能性もあ るということ。これは、どちらの意味で欧州は考えているのかという点なんです。  つまり、LODが0.01よりも低くなる場合、それから高くなる場合、いろんな作物に よってはLODが0.01まで、これがLODで定量限界と同じ意味で使っておられると思 うんですが、0.01まで下げることはなかなか難しい例もあると思いますので、そのどち らが多いかということを前提にして欧州委員会では考えているのか、そこの点、調べて いただいた内容をちょっと教えていただければと思います。 ○事務局  どちらが多いかという観点では、ちょっと聞いていなかったもので、ちょっとそこに 的確にお答えできるものはありません。  ただ、前回のときにもたしか申し上げたと思うんですが、その恐らく上のパラグラフ だったと思うんですが、ちょうど真上のパラグラフだと思いますけれども、今、欧州で は加盟各国において使用されている多くの農薬が再評価されるという状況にあって、そ の評価を行おうという資料を出すのにいろいろ経済的な観点から、そこまで出してまで 農薬の使用、登録を維持していこうと考えてらっしゃらない場合があって、非常に多く の農薬が使用できなくなると。そういった観点からその域内で基準の設定されていない ものの流通とか、域内に入ってくるものなんかに、どういうふうに判断をしていこうか ということなんですが、そういう観点で恐らく技術的な観点で数字としておくべきか、 分析法としておくべきかという、そういうようなポイントがあるというふうに理解をし ております。それは上のポイントに書いてあったところであります。 ○豊田部会長  ほかに。米谷委員お願いします。 ○米谷委員  もう前回か、前々回にも申し上げたんですが、厚生労働科学研究で農薬等の一律基準 に関する研究を現在スタートしております。その中で、一律基準に関しましては、お二 人の分担研究者の方に研究をお願いしておりまして、お一方はADIの観点からと、も う一方の分担研究者の方は検出限界の分析上の観点から一律基準をどの辺に設定するの が適当かというのを一年間で研究していただくことになっております。  多分、ここにニュージーランドの例がありますように、ADI等から考えますと、検 出限界よりも低めの値、逆に言いますと、検出限界を考えると少し高めの値を報告して いただく結果になるのではないかと予想しておりますけども、まだ一年経ってみないと わからないという状態でございます。両方が一致すればよろしいんですけれども、現 在、研究の方は進めているところでございます。 ○豊田部会長  ほかに、御意見ございませんでしょうか。  委員の方がほかにもおられますんですけれども、何か全般的な話でここら辺の資料4 の全体的なことにつきまして、御意見を何でも言っていただけるとありがたいんですけ れども。  山添先生、お願いします。 ○山添委員  私も一番最初にお話になりました井上先生の考え方でリスクのマネージメントだと思 うんです。セーフティーから言えば、絶対に個別にせざるを得ないと思うんですけれど も、この0.01ppm という値であれば、我々の実際の生体の代謝機能という面で、構造の 代謝動態という面から見れば、現実的にはほとんど何らかの形で解毒の代謝の能力とい うものは、クリアーできる値ではないかというふうに、代謝の面から考えると理解はで きます。そういう面で見ると、この量というのは現実には生体に対してトキシックな作 用を示すというのは現実的に人の場合、成人で考えた場合には考えにくいというので、 妥当な数値ではないかというふうに私は印象を受けています。 ○豊田部会長  そのほかの委員の方はいかがでしょうか。  吉池先生、何かございますでしょうか。 ○吉池委員  基本的な考え方としては、井上委員、山添委員がおっしゃられたようなリスクのとら え方で良いと思います。あとは、それをどう一般の人々に伝えていくかという表現の仕 方ですが、6ページの暴露評価で、食品摂取量として表したときに、例えばアルドリン に対してのADIを想定したときの、この500 gまたは、あるいは隣の150 gというよ うな数字をどうとらえるかといったときには、現実的にいろいろいなマージン、先ほど の代謝の問題ですとか、実際の作物への残留等を考えると、これよりはオーダーもかな り小さいものであると考えてよろしいかと思います。しかし、こういう摂取量がグラム として表されたときに、いろいろなとらえ方というか、考えが起こって来るかと思われ ます。  そうしたときに、7ページ目の(4)のところには、その辺のところが丁寧に書かれ ていると思います。150 gと言った場合も、実際には米のみであり、国内の農薬等の使 用が厳正に規制されているというようなことが考えられているので、1.5 μg/dayを一 生涯にわたり摂ることはありえない。こういうような整理で基本的には良いと思うので すが、更に言うと食生活全般のバランスとして、リスクをより総体的に下げるような事 柄を一般国民は考えた方がいいのか、それともそこまでは余り意識しなくていいのかに ついて、リスクコミュニケーションという観点からも少し考えていかなければいけない のかと思いました。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  そのほかの委員の方はいかがでしょうか。  岡田委員、お願いします。 ○岡田委員  安全と安心というのは大きい方がいいということはよくわかるんですが、使う方の立 場からすると、検出限界値まで持っていくとか、必要以上に検出値を下げるとか残留量 を下げるとなると、実際に栽培している者たちからすれば非常に使いにくくなってきま す。現在もいろんな作物を作っていますと、普通の作物からマイナー作物までいろいろ なものがありますが、現行の制度においても防除できにくい病害虫雑草がかなりありま す。そういう状況の中でいろんな農薬に対して非常に厳しくいたしますと、土が飛んで くるというのもありますから、必要以上に厳しい数値というのは設定しないようにお考 えいただきたいと思っています。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  青木委員、いかがでしょうか。ちょっと、御専門と違うかもしれませんけれども。何 か御意見ございますか。 ○青木委員  特に異論はございませんけども、本当にMRLで安全かどうか。更に、すべての農薬 で0.01、あるいは0.1 の検出限界でございますと、やはり農薬も種類によって、それは 井上先生が言われたことだと思いますので、あえて申しません。  しかし、これはポジティブリスト制というのは、やはり暫定的なものでして、今後、 安全評価についてもう少し新しい手法をなるべく早く開発して、これだけ、モレキュラ ー的な分子レベルの研究、いろいろ手法が開発されてきているんですから、そこら辺の ことを導入していけば、もっと評価が多面的にできるのではないかと思います。  それは、感想です。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  今の御意見は確かに大変ごもっともだと思いますけれども、今、多分そこら辺のとこ ろはモニキュラー的な話というものは、かなり現在進行形で進行中だというふうに考え られるので、多分、もうしばらく経てばそういったことは導入されてくるようなことに なると思います。また、そちらの方はいろんな代謝とか、そういったことをやっておら れる方々の方が特に皆さん分子的に検討を加えておられるところだと思いますので、ま た、将来的には恐らくそういった点を是非入れていただきたいというふうに考えます。  ありがとうございました。  あと、私の方からちょっと教えてほしいことがございますけれども、たしか、前のど こかのところに諸外国の状況というものを書いてあったのが、以前にあったと思うんで すけれども、それにつきまして、こういうふうに追加の形でEUの話、それからニュー ジーランド等の話が出てきて、大変に参考になるんですけれども、もう一つたしか、ど こでしたっけ。ドイツ辺りでたしか0.01とかいうのがあったと思うんですけれども、例 えば、そういった国で実際にそういうことが取られている場合に、実際の応用面でどの ようなことがされているのかです。  現実の例えば、先ほどちょっと出てきましたけれども、フィールドの話です。例えば ある特定の農薬については、非常にやけに低い数値になる場合もあり得るわけです。そ ういった場合には、そういったものがもうむしろ使えなくなってしまうというふうな例 もあるでしょうとか、そういったような話。  それから、あるいはもう一つ先ほどちょっと出てきました、ほかの委員からも出てき ましたけれども、分析法上の問題からありえないような高いレベルを設定しなければい けない場合もあるであろうと。そういう場合についてどういうふうにされているのかと いう、要するに定めるのはいいのですけれども、実際にマネージメントとしてやる場合 にどういうふうにされているのか私としてはちょっと疑問に思っているところでなんで す。現実と何かギャップがあるのではないかという気がするんです。そこら辺について もし、これからお調べいただけるのなら、大変ありがたいなと思うんですけれども。 ○事務局  現実的にどうしているのかという部分について、正確に一律基準として、一律基準を モニタリングしているのかというか、そういうことがあるのかどうかはよく調べてみた いと思いますが、私の知る限りといいますか、私自身が知っている限りにおいては、例 えばアメリカなんかではモニタリングとして農薬なんかのプログラムを進めているわけ ですけれども、通常はそういう範囲の中で調べられるという運用がされているのではな いかなと。要するに、実際に使われているものが適法であるのかどうか、それからその 分析がどうであるかみたいなようなところでやっているんだと思っております。  いずれにしても、少しわかる範囲があるのかどうかで、よく調べてみたいと思いま す。 ○豊田部会長  ありがとうございます。  こういった委員の方の御意見というのは、今日は御欠席されておられる先生も大分お られますので、また次回等に御意見を是非お伺いしたいというふうに考えおります。  ほかになければ、またこれは引き続き、また先ほどの米谷委員のお話にございますよ うに、よそのところでも、他の分野でも御検討されているというお話もございますの で、引き続き検討していきたいというふうに考えております。  それでは、次のは議題に移りたいと思います。  ポジティブリスト制のうち人の健康を損なう恐れがないことが明らかな実質、いわゆ る対象外物質について、事務局で資料5を作成しておりますので、御説明お願いいたし ます。 ○事務局  右肩に資料5と書かれているものであります。資料4と見た目が非常に似ていますの で、紛らわしくて大変申し訳ありません。最初の部分は、法律の背景とかを貼ったもの で形が非常に似ております。  それで、まず一つ目、1ページ目から順次説明をしていきたいと思います。この紙、 資料5は、2つ目のパラグラフでございますが、「人の健康を損なうおそれのないこと が明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質」について、その設定の考え方に ついて、とりまとめようとしているものであります。  法的には、食品衛生法第11条第3項の施行に当たりまして、そこの1「法的背景」の ところに点線で囲んであるのが条文でございますが、ちょうど真ん中辺りDとアンダー ラインの引いてあるゴチック体のところですが、「人の健康を損なうおそれのないこと が明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質」を除くという規定がございま す。つまり、ポジティブリストの対象とならないものという規定になります。  点線の下にありますが、繰り返しになりますけれども、「人の健康を損なうおそれの ないことが明らかである物質として厚生労働大臣が定める物質」、簡潔に対象外物質と まとめさせていただきたいと思いますが、これは農薬、動物薬、添加物、飼料添加物の うち、その当該物質について一律基準を超えて、残留する食品の販売禁止をするものの 対象外とするものであります。  対象外物質というものは、その次のパラグラフでございますが、農畜水産物の生産時 等に農薬等として使用された結果として、生じる食品中への残留について、その残留の 状態、程度から見て、人の健康を損なう恐れがないことが明らかである場合、その基準 について規制を設けないもの、こういうふうに法的には考えられるのではないかという ことです。 2番目に、現在の農薬取締法の規制について、それ以外のものもあります が、規定を設けております。解説を書いております。  まず、一つ目が農薬取締法の関係です。  まず、Aに特定農薬の取り扱いというものがあります。特定農薬というのは、そこに もございますが、農薬取締法第2条第1項、これは資料の次のページ、2ページ目に条 文が書いてございますが、ただし書き以降、農薬取締法第2条の第1項で、その原材料 に照らして農産物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼす恐れがないことが明らかなもの として、農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬、以下特定農薬というのを製造、も しくは加工、または輸入する場合、農林水産大臣の登録を要さないという規定になって います。  現在は、既に食酢、酢でありますか、それから重曹、それから使用場所の周辺で採取 された天敵というものが、そのもののようであります。  農林水産省と環境省は平成16年3月1日に特定防除資材(特定農薬)の指定のための 評価に関する指針というものを定めています。これは、資料の7ページ以降に付いてご ざいます。3月1日、農林水産省がプレスリリースをされているところですが、これが その評価指針ということになります。  ポイントから申し上げますと、安全性に関する部分は、10ページの真ん中から下、こ れが(4)として「安全性に関する資料」として、こういう資料を出してくださいと。  それから、11ページの下のところ、3の(2)というところに「人畜に対する安全性 」、評価に必要な資料というのはアとして、原則としてGLP試験機関において実際に された以下の文献等、学術論文等で発表されたものではなくても可ということで書いて ありますが、急性経口毒性試験、それから変異原性試験、90日間の反復経口投与毒性試 験、それから有害性が報告されたものについては、暴露評価と。それから物質の構造活 性というようなものであります。  特定防除資材をどういうふうに整理するかというフローチャートが13ページに書いて ございまして、病害虫を防除する資材が、それが薬剤かどうか。あとは過去に登録があ って、それで使用すべきではないとされたかどうかとか、化学物質であるかどうか。ま た、その最後に指定の要件というので、振り分けていって、ノーになったものの中で は、薬効がないとかもう薬剤でないとか、天敵でなかったら農薬ではありませんよと。 安全性に問題があれば、農薬登録の申請をしないとだめというような、こんな流れにな っているということであります。  済みません、資料の2ページに戻りまして、したがいまして特定農薬につきまして は、人畜に関する安全性について急性経口毒性試験、変異原性試験等々の安全性が確認 されるということが求められているということになります。  それから、現在、登録されている農薬に中には次のような事例があります。  (ア)として、食品であるようななたね油、でんぷんとか、添加物であるような金属 銀とかを、そういうようなものがあると。  それから、微生物農薬に該当するものとして、バチルスチューリンゲンスのような菌 のもの。  それから、天敵農薬としてアリガタシマアザミウマとか、こういうような天敵がいる と。 それから、あとは種子消毒などの使用から残留する可能性がないものとして、イ プコナゾール、こういうものがあって、これらのものについては現在、登録保留基準が 設定されていないと、そういうものもあるということになります。  それから、農薬取締法以外での話になりますと、食品安全基本法によって、例えばA DIの設定が必要ではありませんよと言われたもの、アスタキサンチンなんかがござい ますし、それから適切に使用される限りにおいて人の食品を通じて、人の健康に影響を 与える可能性が無視できると評価されたものとして、そこにありますような牛マンヘミ ア・ヘモリチカ不活化ワクチンでありますとか、そういうものがあるということになり ます。  それで、海外の対象外物質の取り扱いですが、動物薬の関係は私も詳細が分からない 部分があるので、後ほどちょっと事務局に助けてもらわないといけないんですが、農薬 のことに関して申し上げますと、3ページにいきまして、アメリカでの取り扱いを御紹 介をさせていただきました。アメリカでは、これは連邦規則の中でまず一つとしては、 安全と考えられる農薬、もうこれは安全ですと言って規定をしてしまっているものが一 つはございまして、Aの1番最初のパラグラフですが、この中には例えば、硫酸第一鉄 とか、ベンズアルデヒドはちょっと特殊な使い方のようですが、それ以外の硫酸第一鉄 とか生石灰でありますとか、ソルビン酸カリウムだとか、こんなものがあると。  それとは別に規定の仕方が違うんですけれども、残留基準を免除すると、こういうも のは免除しますと。その中に日本でもあったようなものですけれども、一般に食品とし て消費されるもので、砂糖とか香辛料とかハーブでありますとか家畜の飼料、食肉のミ ールでありますとか、油脂です。  それから、化学物質の中で酢酸でありますとか、セルロース、デキストリンとか、こ ういったものが基準が要らない低リスク物質として除かれている、残留基準が免除され ている。  それから、高分子物質の免除等々です。  あと、例えば添加剤にされているようなもの、それからその下に適用免除というふう に書いていますが、公衆衛生上問題がないことが明らかで、残留基準の適用化から免除 されるとして、例えばペトロリウムオイルなどというものもありますが、そういうもの があると。  それ以外には、例えばもう個別の物質ごとに特定の作物への適応について基準が要り ませんと言って、示しているものがセクションの180 の1,002 番から1,240 までとい う、かなり膨大な量の個別物質ごとに基準がないというような例があるということにな ります。 ちょっとここで、鶴身さんに説明を追加をしてもらったらいいかと思うんで すが。 ○事務局  動物薬の関係について御説明をさせていただきます。  ちょっと戻っていただいて2ページ目ですが、大きな3番の海外における取り扱いの 中でコーデックスにおける動物用医薬品ですが、残留基準値の設定といたしまして、当 然のことながらADIが不要とされているものについては、MRLは当然つくらないと いうふうに明記がされています。  それから3ページ目にいきまして、コーデックスにおいて残留基準値、MRLが不要 とされている物質の例といたしましては、ここに記載しているようなものがMRLは不 要であるというふうにされております。  それから、4ページ目にまいりまして、ちょうど中ごろのB米国における動物用医薬 品、残留動物用医薬品の基準の適用除外の規定ですが、農薬と同じようにCFRに規定 をされておりまして、残留していることが測定できるかどうかわからないが、残留して いることが予測できないものについては、トレランスの設定の必要はないと。  また、動物薬が代謝される、もしくは、そのような形で吸収され、その残留が普通の 臓器の構成成分、もともと持っている成分ということだと思うんですが、それらと区別 がつかない場合、トレランスの設定の必要はないというふうにされております。  また、これらに基づいて個別の動物薬で残留基準が不要とされている物質として以下 のようなものがある。アのColistimethateという物質、具体的にどういう物質か、今、 ちょっと資料を持っていないので、御説明ができないんですが、このような物質は残留 基準を設定する必要がないとされているものです。  「(3)EUにおける残留動物用医薬品の適用除外規定」ですが、EUの場合、残留 基準を設定する必要がないという物質についてANNEXIIというリストがつくられて おります。公衆衛生の保護のためにMRLを設定する必要がないことが明らかな物質に ついては、当該物質をANNEXIIのリストに含めるというふうに規定がされておりま す。  それらの注意事項として出されている書物に注意事項が下のところに書いてあるもの ですが、評価が終わった物質はANNEXIIを含め、4つの付属書にそれぞれ掲載され ている。使ってはいけないとされているものを除いて、残りの3つに掲載されたものが 使用ができると。  次のページにまいりまして、付属書にANNEXIIですが、これらについては個別に 確認をしたものであって、決して休薬期間が要らないというようなものではないという ことが書かれております。  Bといたしまして、EUにおいてMRLが不要とされている物質として、約508 物質 がMRLが不要というふうにされておりまして、このうち214 の物質について、限定的 に対象動物であるとか、使用の方法、こういう動物であるとか、こういう使用の方法で あれば、残留基準は要らないですというふうに記載がされております。以下のような分 類アからカの分類にしたがってANNEXIIは分類されておりまして、例といたしまし て、そこに記載してあるような物質が掲載をされております。  それから、(4)オーストラリアですが、オーストラリアの場合は動物用医薬品、そ れから農薬についてはもう一緒になって規制がされております。そこに記載しておりま すとおりTable 5というところで、残留基準値を設定する必要がない場合の物質の使用 というところで、ア)食品や飼料に残留しない、残留が想定されない場合。イ)として 残留物が自然に食品に含まれるもの、それらと区別がつかない場合。ウ)として残留物 が毒性的に重要でない場合とされておりまして、Bのところに記載しておりますような 物質が、具体的に掲載がされているというような状況でございます。 ○事務局  それで、対象外物質の設定の考え方についてを5ページの下のところからこんな感じ で考えられるのかなというのを今までのような情報に基づいてつくったものでありま す。  一つは、(1)として「対象外物質は、農薬等として使用される物質のうち、その残 留の状態、程度などからみて、これらの農薬等が残留する農畜産物が、人の健康を損な うおそれがないことが明らかであるものとすることが適当である」。  2番目として、対象外物質には、例えば「我が国の農薬取締法に規定される特定農薬 のほか、現在、登録保留基準が設定されていない農薬のうち当該農薬を使用し生産され た農産物の摂取により直ちに人の健康を損なう恐れのないものについて設定することが 適当である」。  それから、3番目として海外において残留基準を設定されていないとされる物質のう ち、対象動物や使用方法に制限があるものがありますけれども、今回の規制の対象外物 質については、使用方法の制限を付与する、使用方法等の制限を付与することは残留基 準ですので、困難であることから海外において残留基準の設定が必要ないとされている ものの中で、使用法など、特に制限を設けないものについて対象外物質とすると。こう いうことが適当ではないだろうかと考えております。  それから、最後にこういうものについて、対象外の物質のうち、使用方法など残留基 準が設定の必要とないとされている農薬について、施行後に実態調査を踏まえて見直す ことも必要でありましょうと。こういう考え方をまとめております。  以上が資料の説明であります。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  ただいま、事務局の方から一律基準に多分入らないと思われる人の健康を損なう恐れ がないことが明らかであるものとして、厚生労働大臣が定める物質についての御説明が ございましたけれども、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問等がご ざいましたらお願いいたします。  特にございませんでしょうか。  私の方から、ちょっと教えていただきたいことがあるのでよろしいでしょうか。ちょ っと我々の方とは関係ない。農林水産省の方の別添の方のことについて、私は詳しくな いので、教えてほしいんですけれども、特定農薬指定のための評価に関する指針につい てというもので、この一番最後のところに今後、特定防除資材の指定はこの指針を踏ま え、薬効と安全性の評価を行っていくことにしていますというふうに書いてございます けれども、これについては、これまでのもの、これまで何かリストがあるような感じが するんですけれども、そういったこれまでについてはどういうふうにしようとしている のかということを教えていただきたいんです。 ○農林水産省  申し訳ございません。これまでのものとおっしゃいますと? ○豊田部会長  要するに、特定の農薬というんですか。ここにリストが何か載っているもののように 思われたんですけれども、天然物とか天敵とか、そういったものについてのことです か、これは。 ○農林水産省  この資料5の1ページにもございますように、既に食酢と重曹と使用場所の周辺で採 取された天敵が指定されたところなんですが、この指針ができる前にこれについては指 定のための用件を満たすものとして認められておりまして、この指針が策定された後 に、特定農薬として指定されたものはないんですが、現在、こういった指針の策定を踏 まえまして、関係者から資料の提供、または農水省、環境省による資料の収集を進め て、この指針の要件を満たすようなものがありましたら、食品安全委員会に諮問してい って、検討していく方向で、今、作業を進めているところです。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  それから、あと、これもちょっと関係がないかもしれなんですけれども、今のお話の ところで、2ページのところで、B農薬取締法により、農薬であって登録保留基準が設 定されないものには、今、ちょっとお話が出てきたんですけれども、ここのところに、 などと出ているので、ここのなどというのはちょっと余りなじみのない、我々としては ちょっとよくわからないんですけれども、それについては何か詳しい表とかそういった ものがございますでしょうか。 ○事務局  済みません。資料を作成した私の方で、かなりたくさん、特に天敵もたくさんありま すし、それからエに該当するような部分というのも結構あるもので割愛をしてしまいま して、その他などなどということで書いておるわけですけれども、これは調べればつく れるものですので、先生方にお配りをすべきかなというふうに思います。 ○豊田部会長  ありがとうございます。  この中の、例えば食品または食品添加物に該当するものとか、微生物要薬に該当する もの、天敵というのはちょっと余りなじみがないんですが、そのあと、エの種子消毒な ど使用方法から残留する可能性のないものということについて、もうちょっと知りたい なと思います。よろしくお願いしたいと思います。 ○米谷委員  よろしいですか。 ○豊田部会長  米谷委員、お願いします。 ○米谷委員  座長と同じところの質問なんですが、農薬取締法の改正のときに、昔は特定農薬、今 は特定防除資材と言っていますけれども、それについてリストを作った結果1,000 幾つ ありまして、それで絞り込んで、数百残っていまして、最初に3つだけ特定防除資材に 指定されたんですが、その残りについては資料が申請されてから、国が責任を持って判 断していくということになっていると思いますし、実は私そちらの方の委員もさせてい ただいていて、井上委員もされていますけれども、今そのリストに数百残っていると思 うんですが、こちらの方のポジティブリスト制のスタートが食品衛生法の施行の3年以 内ということで、先になると思うんで、その辺の途中経過はどうなるんでしょうか。ま だ、特定防除資材に認定されていないんで、対象になるということなんでしょうか。 ○農林水産省  農薬取締法改正の際に、地方公共団体などから情報を集めまして、重複を整理して 700 以上の資材が検討対象になったわけなんですが、その中でこうやって既に指定した ものと、それから指定が保留されているもののほかにも農薬でないもの、それから農薬 として使用すべきでないもの、過去に農薬登録があったものなども含めて、第1回の判 断を行ったところなんですが、そのほかのものについても引き続き取り扱いを明確化し ていく判断をしているところです。  その中で、やはり資料の収集がないと、評価ができないものがありまして、一つはこ ういった資材を農業用として販売しているような業者などから資料を求めて、資料の提 出を求めて、それを基に検討していくものと、それから農水省、環境省が事業などを活 用しまして資料を集めて、優先順位を付けて検討していくものがあります。  ただ、この検討の周期というのは今の段階ではちょっと明確に申し上げることは難し いと思いますが、事業の進捗状況、それから資料の提出の呼びかけなどを働きかけてい って、この明確化を進めていきたいと思います。 ○豊田部会長  よろしいですか。 ○米谷委員  保留になっているものについては、厚労省の方が考えればよいということなんです か。そのところは。 ○農林水産省  保留になっているものについては、引き続き情報を集めていきますが、それについて は農水省と環境省が情報が集まってわかったものについて、取り扱いの明確化を進めて いくということです。 ○米谷委員  それを除外するかどうかは。 ○基準審査課長  今、保留になっているものというのは、登録されていない、あるいは登録が要らない という認定がされていないわけですから、農薬取締法上、農薬としての使用が禁止され ているんだろうと思うわけでございます。したがって、登録が保留されているものにつ いては考える必要がないということではないかと思うわけでございますが、いかがでご ざいましょう。 ○米谷委員  済みません。使用禁止農薬を使った場合に残留が認められれば、それは厚労省の方 で。 ○基準審査課長  それは、一律基準の対象となって、農薬取締法違反でもあるし、一律基準を超えるよ うであれば、食品衛生法違反でもあるという形になるんだろうと思います。要するに、 農薬取締法上登録がない、更に特定農薬として認められていないわけですから、使用が 禁止されておるわけです。それでも使ったということであれば、まず、農薬取締法違反 です。  その次に、この対象外物質にうちも入れてないということになりますと、一律基準を 超えるようであれば食品衛生法違反でもあるという形になります。 ○米谷委員  よくわかりました。 ○豊田部会長  ほかに、何かございますでしょうか。  岡田委員、お願いします。 ○岡田委員  2ページのBのところで出てくる物質、天敵生物などが5ページのIVの(2)のとこ ろで関係してくると思いますが、これは「登録保留基準が設定されていない農薬のうち 当該農薬を使用し生産された農産物の摂取により直ちに人の健康を損なう恐れのないも のについて設定することが適当である」というのは、2ページのBのところのものは、 ここへ来るということですか。 ○事務局  基本的な考え方として、登録保留基準が設定されていないものという辺りで中身を少 し見ていただいた方がいいのかなというところがあります。このもの全部が果たして、 その対象外にする必要があるのかどうか、例えば食用に使われていないようなものなん かも登録されているものがあるとか、いろいろ登録されて、登録保留基準が設定されて いない理由は多々あるようですので、その辺りも含めて検討すべき部分であろうかなと いうふうに思っています。  ただ、例えば、その微生物農薬とか天敵の問題でありますとか、およそ食品として摂 取する分には、それらの残留の度合いとか程度というものが考えられないというような ものであると合意ができるようなものであれば、これは(ア)の食品なんかもそうでし ょうけれども、そういうものについては、そういうものだと言って抜いてしまうという のがあれだと思って、少しややこしいのが、例えば(エ)のところはまだちょっと私も 残留の可能性がないというふうにここで簡単に書いてしまっているんですけれども、や やそこは議論が分かれるところかなというふうに思っております。 ○豊田部会長  ありがとうございました。  今日は、特に結論を出すということではなくて、いろいろな皆様の御提示いただきま した案につきまして、御意見をお聞きするということでございますので、特にほかにこ のことについて御意見がなければ、本日の審議はここまでといたしたいと思います。  事務局におかれましては、資料等につきまして、改定などもございましたら、改定は 特にないですか。資料の追加等などをまたよろしくお願いしたいと思います。  それで、議題のところでございますけれども、その他ということがございますけれど も、事務局から連絡事項等があればお願いいたします。 ○事務局  参考資料の1について、御説明をさせていただきたいと思います。  6月24日付けで、農林水産大臣から「動物用医薬品の使用基準の改正に係る意見につ いて」ということで、御意見を聞かれております。  1つは、「セフチオフルナトリウムを有効成分とする注射剤」。  それから2番といたしまして、「フェバンテルを有効成分とする馬用の強制経口投与 剤」です。  これらについて、動物用医薬品の使用者が遵守すべき基準を改正したいということ で、昨年法改正がありました連携規定に基づいて、意見の聴取がなされていると。  1番のセフチオフルナトリウムですが、これは平成13年の10月に食品衛生法に基づく 残留基準を設定しております。そして、その残留基準に基づいて、その休薬期間をもう 少し短くすることが可能ではないかということで、要請者からの要請に基づいて変える ものということでございます。  具体的には、次のページで1枚めくっていただいて、別添というものが付いておりま すが、1番セフチオフルナトリウムの有効成分とする注射剤については、現在の食用に 供するために搾乳する前36時間から24時間に短縮をすると。これらについては、本製剤 の保有者から食品中の残留基準、これらが設定されたことに基づいて使用禁止期間の短 縮の要望書がなされ、薬事・食品衛生審議会の中の薬事分科会の方で、それらについて 審議がされて、それらが妥当であるというような御結論をいただいて改正をしたいとい うことでございます。  それから、2番フェバンテルを有効成分とする馬用の強制経口投与剤ですが、これら についてはせんだって、ふぐ用のフェバンテルということで、新規の要請がございまし て、ふぐに残留基準を設定するのと併せて、哺乳類、牛とか馬とか豚とかについても残 留基準を設定をするということで、この部会でも御了承いただいたかと思うんですが、 併せて馬用が国内でも既に使用がされているということで、それらの残留基準値、現在 のところまだ案ですが、それらに対して残留基準が守れるように使用基準を改正をする というものでございます。こちらについても、薬事分科会の方でその残留性等について 評価がなされまして、いずれもこれらの期間を持って残留基準を守ることは可能である というような結論をいただいております。  つきましては、まず1番のセフチオフルの方ですが、これらについては特に当方とし ては、意見がないものとして回答をいたしたいと。  それから2番のフェバンテルについては、最終的な分科会での答申が得られ次第、同 じようなお返事をしたいというふうに考えております。 ○豊田部会長  ありがとうございます。  このことにつきまして、一部改正ということでございまして、セフチオフルナトリウ ム及びフェバンテルでございますけれども、何かこれにつきまして御意見等ございます でしょうか。  1のセフチオフルナトリウムについても、既に御説明のあったとおり審議会でも済ん でいるものでございます。  それからフェバンテルにつきましても、薬事分科会の方では済んでいるものというこ とでございます。  特に御意見ございませんでしょうか。なければ、一応この案を御了解いただいたとい うことにさせていただきたいと思います。あとは、事務局の方でよろしくお願いしたい と思いますけれども。 ○事務局  参考資料があと幾つがございますので、御案内だけ申し上げたいと思います。 参考 資料の2でございますが、「食品中の残留農薬検査の結果の公表について」という表題 のものを参考資料の2として付けております。これは、毎年公表するということでやっ てきていたわけですが、ちょっと途中作業が滞っていた関係もありまして、13年度、14 年度の一日摂取量調査結果、それからマーケットバスケット調査、それからあと加工食 品の残留農薬検査結果、これも13年度、14年度、それから農産物の残留農薬の検査結果 が、これは12年度と13年度でございますが、その結果について、それから畜水産物の残 留農薬の検査結果が12年度、13年度の結果としてまとめられています。  この資料につきましては、6月21日に厚生労働省の食品安全情報のホームページの方 に掲載をしてございますが、参考まで部会の方に御報告を申し上げます。  それから参考資料の3は、現在までの安全委員会への意見聴取、それから食品健康影 響評価結果の出てきているもの、状況をお示しをしているものです。これも参考までと いうことであります。  あと、次回の予定でございますが、7月末を目途に調整をしたいというふうに考えて おります。日程つきましては、部会長などとも御相談をして、7月の末かもしくは8月 の頭になるのかもしれませんけれども、追って事務局から各委員の方に御案内を申し上 げたいというふうに思っております。  報告事項、連絡事項等は以上でございます。 ○豊田部会長  今、参考資料2と3について御説明をいただきました。ありがとうございました。  特にほかにございませんでしょうか。  特になければ、それでは、以上を持ちまして、本日の部会を終了いたします。どうも 皆様ありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係・乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線2487,2489)