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資料2

国庫補助基準及び長時間利用サービスの在り方に関する議論の整理(案)


 国庫補助基準について

(1)国庫補助基準の役割について

 現在の基準は、以下のように国庫補助金の市町村への配分の基準であり、市町村によって、それぞれ策定されている個人の支援費支給決定の基準とはその役割を異にするものである。

現行の国庫補助基準は、「予算の範囲内で補助することができる」こととされているホームヘルプサービス等に係る国庫補助金を、サービス水準の低い地域の底上げを図るという観点から、障害種別等ごとの平均的な利用量の違いを考慮しつつ、一人当たりの平均サービス量の少ない自治体に相対的に手厚く配分する基準である。

また、この基準を一律に適用した場合、サービス量の多い自治体の補助金額が減少するため、従前のサービス水準が確保されるよう、経過措置として一定の従前額保障を行っている。


(2)国庫補助基準の在り方について

 ホームヘルプサービス等に係る国庫補助金の確保については、国は所要額の確保について最大限努力するとともに、支援費制度の運営の実態を踏まえて、サービス利用の要件や単価を見直し、より効率的に制度が運営できるようにしていくことが重要である。これを前提として、当面の国庫補助基準については、本検討会では、以下のとおり議論の整理を行う。

現在、ホームヘルプサービス等の利用量が地域により大きく異なっているという現状を踏まえると、サービス水準の低い地域の底上げを図るという観点から、サービスの進んでいない自治体に国庫補助金を手厚く配分することが合理的であると考えられる。

また、障害種別等により、一般の障害者、視覚障害等特別のニーズを有する障害者、全身性障害者に区分して基準を定めていることについては、障害種別等ごとにサービスの平均的な利用量が異なることから、国庫補助基準としては合理性があると考えられる。

障害種別等による基準の区分については、よりきめ細やかな区分を設けることも可能であるが、直ちに納得の得られる合理的な区分が可能か、その区分について実務が可能な具体的かつ明確な要件を設けられるかといった問題があると考えられる。

国庫補助基準については、今後の実績から、市町村ごとのサービス利用量の変化や、市町村への国庫補助金の配分の具体的状況を把握し、サービス水準の低い地域の底上げという役割が適切に果たされているかを検証するとともに、より細やかな障害種別等の区分の必要性等を含め、その見直しを検討すべきである。


 長時間利用のホームヘルプサービス等の在り方について

 国庫補助基準は、国庫補助金の市町村への配分についての基準であり、支援費制度における長時間利用のホームヘルプサービス等の在り方については、国庫補助基準の在り方の問題とは別に検討することが必要である。

 長時間のサービスを必要とする障害者については、そのサービスを確保することは必要である。しかし、公費によるサービスである以上、その費用については一定の制約があるのはやむを得ない。
 したがって、サービス提供体制や、費用の在り方について検討が不可欠と考えられる。
 このような観点から、長時間利用サービスの在り方については、以下のとおり議論の整理を行う。

(1)平成17年度の対応について

以下の対応を行うことを検討する。

 サービス利用者間の公平を図る観点等から、一月当たり相当量を越えるサービス提供については、包括的な報酬体系を導入するとともに、定常的に長時間サービスを行う従事者を確保するため、一定の条件の下にヘルパー資格要件を緩和すること

 ガイドヘルプサービスについては、身体介護の有無の区分の是非も含め、その在り方等を見直すとともに、長時間利用にかかる加算単価を見直すこと

 ホームヘルプサービスの類型ごとにその利用条件が守られているかについて事業者等をチェックする仕組みを構築すること-

(2)今後の長時間利用サービスの在り方について

現に長時間サービスを利用している障害者を大別すると、次の類型がある。

1.生命・身体の維持等に重大な支障が生じるため、長時間の継続したサービスを利用している者

2.1.以外の者で、社会参加活動のために長時間のサービスを利用している者

 1の類型に属する多くの者は、日常生活において多くの場面で人的支援を必要とする障害の重い脳性マヒや、進行性筋ジストロフィー、頸椎損傷、ポリオなどの全身性障害に加えて、吸痰、人口呼吸器など医療的ケアと介護を日常的に組み合わせて利用することが必要な者や強度の行動障害のため、常時見守りが必要な者等である。

 2の利用実態については、個々人の社会的な立場やライフステージ、あるいは個人の選択を反映して極めて多様な利用がされるという特長がある。

上記1,2の類型ごとにサービスの在り方について検討する。

1の類型について

 医療や介護など必要なサービスが一体的・包括的に提供されるサービスの在り方やそのようなサービスを実施できる事業者の要件等

 上記の要件を満たすサービスについて、身体の状況等により、日々、内容や量が変動するような場合にも一定範囲の費用で賄えるような包括的な報酬の在り方

2の類型について

 事前に支給決定が必要な支援費制度によるガイドヘルプサービスでは、視覚障害者等のあらかじめ予期できないニーズに臨機応変に応えられない面があることを踏まえ、社会参加を支援する事業者の活用などこのようなニーズにも柔軟に対応できる仕組みへの移行の在り方


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