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厚生労働省におけるこれからの
研究開発の推進戦略〔案〕



平成16年 6月 1日
厚生労働省大臣官房厚生科学課



政府の科学技術関係経費と厚生労働科学研究費の位置づけ


政府の科学技術関係経費

→ライフサイエンス分野の科学技術政策に関わる省庁は、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省である。

→政府全体での競争的研究資金は、科学技術関係経費全体のおよそ1割であるのに対し、厚生労働省においては、全体の3割(422億円)程度を競争的研究資金(厚生労働科学研究費)としており、資金量に占めるウェイトが大きい。

政府の科学技術関係経費のグラフ


厚生労働科学研究費の現状

1,454課題(新規採択率28.6%)に対し一件あたり約2,321万円を配分。〔平成15年度実績〕

課題重視によるきめ細かい審査配分により、個々の研究開発課題については、学術的成果・行政的成果ともに高く、コストパフォーマンスのよい運用がなされている。〔厚生科学審議会による平成15年度政策評価結果より〕


厚生労働省における科学技術政策のさらなる振興のために

厚生労働科学研究費の使命: Science to Practice/Science and Society

課題と改善の必要性
<政策リンケージによる研究成果の均てん>
○ 従来の厚生労働科学研究による課題別の研究成果を強化する一方、疾病・障害予防対策と研究成果を融合し厚生労働政策全体にさらに効果的に活用すべく、新たな次元での対応を行いたい。

○ 3大死因による死亡率の上昇、糖尿病ハイリスク者の急増等の問題等、様々な対策によってもなお改善されない健康課題に対応できる、より大型で戦略的かつ効果的な保健・医療・福祉・産業の連携による実践的研究の振興が必要である。

改善の方向性
 1.エビデンスに基づく厚生科学行政推進のため戦略的視点の強化
独立した配分機関での競争的資金配分の開始(NCがカバーしない分野も存在)
分野毎PD・POの配置、能力強化

 2.大型戦略的資金配分による確実な課題解決
  →疾患・障害ターゲット毎のストラテジー研究(成果契約型)の創設
例)糖尿病による疾病負荷を5%低減する総合戦略の確立研究
職場におけるこころの病を持つ就業者の最適ケアミックスの確立研究


厚生労働省の主な研究資金の概要と大型戦略的資金の関係

研究経費の種類 性格 成果と評価 課題 方法 応募者 期間
厚生労働科学研究費 競争 報告
年次評価
具体的に設定 公募 個人・団体 最長3年
(一部の指定課題) 指定 具体的に指定 最長3年
疾患・障害ストラテジー研究
〔成果契約型研究〕
契約 成果の公表
厳しい年次評価
戦略目標
のみ設定
契約 団体 5年
がん助成金等の委託費 委託 報告
年次評価
具体的に設定 公募 班・個人 最長3年
(一部の指定課題) 具体的に指定 最長5年
→すべての研究開発課題は、「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針(平成14年8月27日、厚生科学課長決定)」に基づく評価対象である。

→厚生労働省の全体政策に融合させる研究成果を戦略的かつ効果的に創出するねらいから、現行の研究資金の範囲では対応しがたい疾患・障害予防のための介入研究を、保健・医療・福祉・産業等の連携によって推進する成果契約型研究を創設する。

→創設する成果契約型研究は、学術団体等に助成する経費とし、疾患・障害ターゲット毎に厚生労働省が指定するアウトカムをもたらす研究のプロトコール作成・研究者公募・研究実施・成果公表を行う。
〔イメージは、ミニ・ファンディング・エージェンシー〕
→上記を適正に推進する観点から、研究経費の30%は間接経費として確保する。


厚生労働省におけるこれからの研究開発の推進戦略

成果契約による戦略研究の創設
成果契約による戦略研究の創設の図

厚生労働科学研究の一層の推進
厚生労働科学研究の一層の推進の図


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