04/05/19 独立行政法人評価委員会 第4回国立病院部会議事録      厚生労働省独立行政法人評価委員会 国立病院部会(第4回)議事録                              平成16年5月19日(水)                                 10:00〜12:00                              厚生労働省9階省議室 出席者:大道委員、開原委員、黒川委員、住田委員、辻本委員、夏目委員、山田委員 1.開会 ○黒川部会長  定刻になりました。おはようございます。お忙しいところありがとうございます。第 4回独立行政法人評価委員会の国立病院部会を開催いたします。本日は渡辺委員、井伊 委員が御欠席ということで、残念ですがこのメンバーで御意見を交換できればと思って おります。まず事務局の方から議事についてお願いします。 ○政策評価官  本日の議事次第について御説明いたします。本日は国立病院機構が設立されて初めて の部会ということもございますので、病院機構の冨岡理事の方からごあいさつをいただ いた後、3月30日のこの委員会の総会で決定されました委員会運営規程の改正、あるい は総会と部会の役割分担の一部改正について御報告させていただこうと思っておりま す。それから2点目ですが、国立病院機構が既に定めております役員報酬規程、役員退 職手当規程、それに総会で決定いたしました退職金に関する業績勘案率の決定方法、こ ういうことについてまとめて御報告させていただいた後、御審議をいただきたいと思っ ております。それから3点目は、国立病院機構の平成16年度計画について御報告させて いただこうと思っております。  それから、議事ではございませんが、皆様のお手元に新しいファイルを御用意させて いただいております。今まで各部会では部会で配られた資料もそのまますべてファイリ ングする形にしておりましたが、国立病院部会はそれほどでもないんですけれども、全 部ファイリングすると中期計画の途中段階のものが入っていたりということで非常に見 にくくなっておりましたので、すべての部会に共通のものとして、例えば独立行政法人 の通則法ですとか、あるいは評価の基準ですとか、共通的なものを入れ、そしてオレン ジ色のファイルの後に国立病院機構の個別法ですとか関係政令等々を入れるという形で 整理させていただきました。最終決定された法令等を基本ファイルとして用意させてい ただいて、それ以外の途中段階のものはその回の部会限りという形で特段ファイリング しないということを考えておりますので、よろしくお願いします。 ○黒川部会長  ありがとうございました。そのようなことで、資料も多くなりますし、タイミングと しては先日総会がありまして、多くの方に出ていただいておりますので、比較的共通の 認識がかなり深まっているところですので、できるだけ議事はスムーズにと思っており ますけれども、特に総会の後で行われているという有利なところがあるのかなと思って おります。ということで、初めに国立病院機構の冨岡理事からごあいさつをお願いいた します。 ○国立病院機構理事  冨岡でございます。前回の御審議の折は国立病院部長でございまして、大変お世話に なりました。4月1日をもちまして国立病院機構は154病院、4万6000人の職員で、混 乱もなく移行することができました。また、私どもは周りからも好意的な目で見られ、 また活躍を期待されて発足したものと思っております。これもひとえに設立に至ります までには幅広い方面の御配慮をいただきましたし、大変たくさんの方からアドバイスを いただいて発足したわけでございます。そのおかげでございますし、また長い間かかっ て本省はもちろんのこと、現場の職員、大変長い間努力してまいりました。その結果で はないかと思っております。  これからは矢崎理事長のもとで、安全で良質な医療の提供に努めてまいるわけでござ いますが、それはもとより、154病院のネットワークを利用して臨床研究や治験の集積 といったほかではできない事業に着手してまいることとしておりますし、また、治験と いった面でもネットワークを利用して大規模な治験を手がけてまいりたいと思いまし て、既に本部におきましてそのための組織を設置いたしております。  また経営面におきましては、新たに企業会計原則のもとで月次決算を行うということ にしておりますが、早速この4月の決算につきましては全国の病院で月末の25日をもち ましてすべての病院で分析し、次の対応を検討するという手はずにしておりまして、そ ういったものを本部でも集約しまして、新たな発展のための努力を重ねてまいりまし て、当初予定されておりました目標を達成したいと思っております。今後ともよろしく 御指導賜りますようお願いいたします。 2.議事 (1)評価委員会運営規程の改定、部会の役割分担の一部改正等について ○黒川部会長  御苦労さまでございます。またよろしくお願いいたします。それでは運営規則の改定 及び委員会・総会と部会の役割分担について議論したいと思いますが、先日総会で決定 いたしましたけれども、まずこれについて事務局から報告をお願いいたします。 ○政策評価官  資料1をごらんいただきたいと思います。資料1が評価委員会の運営規程一部改正と いうことでございまして、3月30日の総会でお決めいただいて、4月1日から施行され ているものでございます。従来の規程が右、新しい規程が左という形で新旧対照表にな っております。どこを変えたかということでございますが、部会の議決の位置づけ、第 3条を変えております。今までは部会の議決は委員長の同意を得て委員会の議決とする ことができるということでございました。この部会は部会長イコール委員長でございま すのであまり問題はないのですけど、ほかの部会ですと、議決をした後に黒川委員長の 方に御説明をして、御同意をいただいた後で初めて評価委員会の決定となるというのが 法的な位置づけでございましたけれども、ここ半年ばかりで11法人厚生労働省の関係で も設立されました。その都度中期目標、中期計画、いろいろなものが部会の議決をされ たわけでございますが、それをすべて黒川委員長の方に御説明いたしまして御同意をい ただいてきたということでございますけれども、なかなかそれでは大変であると。黒川 委員長の方でも各部会でしっかりやっていただいているのであれば部会に任せていいだ ろうという話もございましたので、この間の総会で、一定の事項につきましては各部会 に完全に権限委譲するという形で決定されたものでございます。  第3条の新しい方は、「委員会が定めるところにより、部会の議決を委員会の議決と することができる」というふうに書いてございます。「委員会の定めるところにより」 という関係が次のページでございます。左が総会の決定事項、右が部会の決定事項とい うことでございますが、一番変わったところは部会の関係でございまして、委員長の同 意が要らないという形で、部会の議決を委員会の議決とできることとする事項というふ うに書きかえたということでございます。  改正点としましては、従来は通則法に基づいて何がこの評価委員会で決定が必要かと いうことだけ書いていたわけでございますが、それぞれの独立行政法人の個別法あるい は法人の諸規程で評価委員会の決定が求められることがございますので、そういうもの につきましては基本的な事項は総会で、それ以外の個別的な事項は部会でという形で書 いてございます。例えば役員の退職金の業績勘案率につきましては、個別の役員の業績 勘案率を決定いただくのは部会マターということでございますけれども、基本的な大枠 のところをお決めいただくのは総会という形で分けてございます。それから、評価基準 につきましては、評価基準そのものは総会で決定していただき、評価基準の細則は部会 で決定していただくという形で整理させていただいたものでございます。以上でござい ます。 ○黒川部会長  これについて何か御質問ございますでしょうか。先日の総会のときにかなり議論され たことでありまして、確かに事務局としても、それぞれの部会の先生方にかなりお任せ していいところが随分あるんじゃないかという話になりまして、総会で皆さんと御相談 した結果をもう一回この部会でコンファームして、これでいいかという話が下りてきて いるという格好になると思います。いかがでしょうか。  もしよければ、それに従って通則法を直していただいておりますので、大枠のところ は総会に持ってきていただくという格好で決定させていただければと思います。事務局 が共通しておりますから、問題が広がってくればその都度総会あるいは部会のフィード バックを受けながら改善していけばいいのではないかと思います。よろしくお願いしま す。 (2)独立行政法人の業務実績に関する評価基準について ○黒川部会長  それでは議題の2になりまして、独立行政法人の業務実績に関する評価基準につい て、これも先日総会で決まったところでございますが、事務局からお願いいたします。 ○政策評価官  それでは、続きまして資料2でございます。各法人の業務実績に関する評価の基準と いうことでございますが、最初に決定されたものは平成13年6月でございます。この時 点ではどういう状態であったかといいますと、国立研究所が母体となりました三つの法 人のみが存在しておりまして、部会もなく、総会ですべて評点づけをしていただいてい たときに決めた基準ということでございます。したがって、かなり細かな観点が書き込 んでありますのと、各法人の業務内容が調査ないし研究に特化しているという前提で整 理されておりましたけれども、11法人がつけ加わりまして、なかなか実状に合わない。 各部会で基本的には評点づけをしていただくということともマッチいたしませんので、 見直すという形で御提案を申し上げ、総会で御了解いただいたものでございます。  ポイントだけ御説明いたします。まず柱書きのところでございますけれども、評価に 当たりましては本基準に基づき行うものとするというのがありまして、各部会におきま しては、本基準に基づき評価の基準についての細則を定めることができるという形で、 総会で基準を、各部会で細則をという使い分けをしております。  評価の概要でございますが、以下は、どういう評価を行うか、どういう内容の評価を 行うかということは共通でございますが、細かな文言の整理等々をしたものでございま す。まず各事業年度の業績評価を書いてございますし、中期目標、全体を通じた実績の 評価、こういう2種類のことをやるんだという整理でございます。  2にまいりまして、各事業年度の評価でございますが、これにつきましては二つの区 分があるということでございまして、(1)では総合的評価ということで、総合的評価 は点数づけをするのではなくて文章で法人の業績について評価をいただくというもので ございます。  (2)は個別的な評価ということでございます。こちらが各委員に評点づけをしてい ただくものでございまして、いずれ国立病院機構でも資料を用意して評点づけをいただ きますけれども、厚生労働省の評価委員会としては5段階評価を行っていただいており ます。S・A・B・C・Dということで判定基準が書いてございますが、Bというのが 基本ということで、中期計画におおむね合致している場合にはB。上回っていればA、 下回っていればCという形で評点づけをしていただくという形になってございます。  その関係で最後のページをごらんいただきたいと思います。当たり前の表がついてご ざいますけれども、S〜Dというのは各委員がまず評点づけをしていただくわけでござ いますが、その平均点がいかようであればこの部会全体として5段階評価の何に当たる かというところを整理させていただいたものでございます。換算点数3の場合をBとし まして、それを全委員の平均をとって2.50〜3.49、要するに四捨五入して3であればB であるという形にしまして、4であればA、2であればCという形で、いずれ評点づけ していただいたときに整理したいと思っております。  (3)は年度評価の具体的な実施方法でございます。毎年6月末までに前年度の業務 実績に関する報告を提出していただきまして、各部会において法人からヒアリングを実 施して、そして評価を行う。そして、法人あるいは総務省の評価委員会の方に通知・公 表を行わなければいけないということが書いてございます。  3にまいります。中期目標に係る業務実績の評価は、必ずしも従来総会の基準でもは っきり書いていなかったところがございます。まだ一回も中期目標に関する業績評価は 行っておりませんけれども、今回総会では、特にプロセスの関係をきっちり書いていた だいたものでございます。どういう区分で評価を行うかというところにつきましては総 合的な評価、個別的な評価と書いてございますが、これは各年度の評価と全く同じでご ざいます。(3)をごらんいただきますと、ここは若干新しく総会で整理をいただいた ところでございまして、いつ中期目標期間を通じた評価をやるのかということでござい ますが、中期目標期間が終了してから実績を取ってということになりますと、もう次の 中期目標期間がスタートしているという形でありますので、そのときには次の中期目標 ができていかなければいけないということで、前の中期目標期間を通じた評価が次の中 期目標あるいは中期計画に反映されないということになるものですから、1年前倒しで 暫定的な評価を行うということが(1)に書いてございます。評価結果を次期中期目標策 定等へ反映させる観点から、中期目標期間最終年度において暫定評価を行うということ で、中期目標期間最終年度の6月末までに暫定報告を法人から提出いただいて、各部会 でヒアリングを行って、こちらは各部会が一次評価を行った上で総会において暫定評価 を決定する。中期目標を通じた評価は最終的には総会で決定いただく形になっておりま すので、部会でまずある程度整理をいただいて、最終的には総会で決定いただくという ことにしております。  これでかなりの部分は決定するわけでございますが、当然中期目標期間全体の実績が 上がった段階で、それを確認するという手続が(2)でございます。中期目標期間終了後、 各法人は翌年度の6月末までに最終報告を提出していただいて、各部会において必要に 応じてヒアリングをし、一次評価を行っていただいた上で総会に上げて、最終評価とし て決定いただくという流れにしております。  簡単ではございますが、以上でございます。 ○黒川部会長  いかがでしょうか。これもプロセスとして非常に難しいというか、資料を集めて一回 評価をしていただいて、それに従って次をある程度かじ取りするのに、実際は紙で書い てあるのと実際にやる作業というのはかなりずれがあるんじゃないかということがこの 間も提起されまして、このように直したらどうだろうかということでございます。これ については総会でも議論がありましたけれども、何か御質問その他ありましたら。  この間もかなり議論されたところですので皆さん御存じだと思いますので、この間の 総会の結論を受けて事務方で整理されたものがもう一回出てきているということですの で、これは基本的にお認めいただいて、また進捗状況を見ながら問題が出てくればとい うことになると思います。よろしいでしょうか。 (3)独立行政法人国立病院機構の役員報酬規程及び役員退職手当規程について (4)役員退職金にかかる業績勘案率の決定について ○黒川部会長  それでは次に、独立行政法人国立病院機構の役員報酬規程及び役員退職手当規程につ いて、これもこの間かなり議論したところですけれども、事務局から説明をお願いいた します。 ○国立病院機構総務部長  総務部長の黒川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。資料3につきまし て御説明させていただきます。ポイントだけ説明させていただきたいと思います。  役員の報酬は、年俸と手当からなっております。独立行政法人で年俸制を取り入れて いるのは私どもと産業技術総合研究所の二つでございます。年俸は月例年俸と業績年俸 から構成されております。月例年俸は12分の1を毎月支給いたしまして、業績年俸は年 2回、6月と12月に支給するということになっております。イメージ図をごらんいただ きたいと思いますが、月例年俸につきましてはずっと同じということで、業績年俸につ きましては前年度の業績年俸を評価委員会の業績評価等を参考にして理事長が定める率 を増減いたします。これにつきましては、資料3の3ページの8条でございますが、S 〜Dの評価、この基準に沿って増減額といたします。  手当につきましては、調整手当、通勤手当、単身赴任手当を支給するということにな っております。俸給の額でございますが、理事長は国家公務員の指定職11相当、年額に して2435万円。副理事長は国家公務員の指定職8相当、年額にして2000万円でございま す。理事は指定職6相当で年額1696万円でございます。非常勤理事・非常勤監事でござ いますが、月額12万円となっております。以上が報酬でございます。  退職手当でございますが、平成15年12月19日の独立行政法人等の役員の退職金に関す る閣議決定に基づきまして、そのとおり決めてございます。支給額の出し方としまして は、月額年俸の12分の1×0.125×在任月数×業績勘案率でございます。  以上でございます。 ○政策評価官  それでは資料4をあわせて御説明いたします。こちらは退職金に関するものだけでご ざいますが、役員退職金に係る業績勘案率の決定方法について3月30日の総会で決定さ れたものでございます。一部ペンディングというのがございますが。役員退職金につき ましては、評価委員会で倍率を決めていただくという形になっており、国立病院機構の 第1回総会でも関係の閣議決定については御報告させていただいておりましたけれど も、大枠はまず総会で決めていただいた上で各部会で見ていただくのがいいのではない かということを申し上げておりました。  まず業績勘案率の算定方法でございますが、法人の各年度の個別評価項目ごとのS〜 D評価を点数化いたします。先ほどはBを3と言っておりましたが、こちらは1が基準 でございますので、Bであれば1.0。Aであれば1.5。Cであれば0.5という形で20項目 ぐらい出てきますけれども、それを平均しまして、その値を各年度の業績勘案率という ふうにいたします。  二つ目の○は、通常各役員というのは複数年度にわたって在職されることがあります ので、そうすると在職月数に応じて各年度の業績勘案率を加重平均して、退職される役 員の業績勘案率とするということが二つ目でございます。  三つ目の○でございますが、幾つかの経過措置が必要な場合がございまして、それを 書いてございます。一つ目は、退職時点においていまだ評価が行われていない、例えば 年度の途中で退職されますと、その年度の途中評価はされていない場合がございますの で、そういう場合には直近年度の業績勘案率を用いるということが原則で書いてござい ます。それから、法人設立直後で一度も業務実績評価がなされていないという場合に は、割り切りで1.0としようということが書いてございます。  3ページ目の参考というイメージ図をごらんいただいて、今申し上げたことを確認い ただければと思います。個別項目ごとの評価、例えば効率的な業務運営体制の確立とい うものの評価結果が部会としてBであったということであれば、勘案率は1.0になると いうことで、それぞれの項目でAもあればBもCもあろうかと思いますけれども、そう いう形で20項目足し上げまして20で割ると平均が出てくるということで、このイメージ 図では合計が1.05という形になると。16年度も同じ計算を行いまして1.10になると。17 年度は「―」になっていますが、これはまだ評価が行われていないということでござい ます。そういう前提で、一番下の算定式でございます。16年1月〜17年9月いっぱいま で在職された役員の業績勘案率をどう加重平均するかということでございますが、15年 度分ということでは3カ月分でございますので1.05に3カ月を掛ける。16年度は12カ月 を掛ける。17年度につきましてはまだ評価がなされていないということなので、直近の 16年度の1.10という値を使って6カ月分を掛けるということで、それを足し上げて在職 期間合計の21カ月で割るということで1.09という値が出てきます。小数点以下は第1位 にするという形で1.1という値で計算してはどうかということでございます。  資料の1ページに戻っていただきまして、今申し上げましたのは各年度の評価を使っ てやるという形でございましたが、ある役員について中期目標期間の全期間を通じて在 職されたような場合にはどちらを使うかということでございますが、そうであれば中期 目標期間全体の評価を使った方がよろしいであろうということで、そちらを使うという ことが書いてございます。  それから2ページの「・」でございますが、こちらが「P」とついておりまして、総 会でももう少し議論をしようという形でペンディングになっている事項でございます。 1.5を超えるような非常に高い業績勘案率を決定するという場合には、経営努力が客観 的に明確となるよう、原則として在任中のいずれかの年度、複数年度あった場合は少な くとも1年度という意味でございますが、目的積立金が積み立てられたことを条件とす ると。内閣官房の方から示されたひな型がこうであって、各省ともこれに似たようなこ とを書いているんですけれども、両方の意見がございまして、一つは在任期間中のいず れかの年度ということで、一回積み立てればいいということでは甘いのではないかとい う意見と、目的積立金というのは積み立てるのが非常に難しゅうございまして、当然剰 余が出てこないといけないということと、どういう場合に目的積立金が積み立てられる かという基準につきまして、あまりきっちりしたものがなくて、極論すれば財政当局が 厳しいことをいえばアウトになるということもございまして、ここはペンディングにし ようじゃないかと。恐らく1.5を超えるような高い業績勘案率というのはなかなか出て こないとは思うんですけれども、そういうこともありましてペンディングになっている ということでございます。  それから、2のプロセスを簡単に御説明いたします。法人の方からまず評価委員会に 対して文書で業績勘案率の決定の依頼をもらうというのが1点目。2点目としまして は、算定方法に従って機械的に業績勘案率を算定しまして、各部会長の了承を得た上 で、総務省の評価委員会にあらかじめ通知するということになっているものですから、 まず通知をする。そして総務省の評価委員会の方からの意見の有無を確認した上で、最 終決定ができた場合には速やかに法人に通知するということを書いてございます。な お、1.5を超えたり0.5を下回る場合には厚生労働大臣に評価委員会名で通知をする。厚 生労働大臣は内閣官房長官に通知するというプロセスもございます。  というようなことで、ここでの提案は、機械的な計算方法でできますので、部会長の 御了承を得るわけでございますが、基本的には部会をこのために開催することをせずに 業績勘案率を決定するというプロセスを考えております。したがって、政策評価官室の 方から直後の部会において最終決定された業績勘案率を報告させていただくというプロ セスをとってございます。いずれにしても、どういう形で業績勘案率を御審議いただく かというのは、各部会が最終的には御判断いただくということでございますので、総会 でそこまで決めてしまうのはいかがかということで、以上のような算定方法及び手続に よって各役員の業績勘案率を算出することについて、各部会の了承を得ることとすると いうのが最後の規定でございます。  以上でございます。 ○黒川部会長  これもかなりこの間議論したところですが、何かございますでしょうか。 ○住田委員  非常勤理事、非常勤監事、この報酬12万円は、常勤の場合は指定職11とか9とか書 いてありますけれども、これはどうやって決めるんですか。また、常勤、非常勤の理事 ・監事の役目というのはどういうことを想定されているんですか。それともう一つ、非 常勤の方には退職金は払わないんですか。 ○国立病院機構総務部長  まず1点目の12万円の決め方でございますが、これは監事の指定職4相当を日割りに しまして、月約2回ぐらい出席するだろうということで、月額で12万円ということであ ります。  それと、非常勤役員には退職金は払いません。 ○住田委員  退職金のことですけど、払わないと僕も思うんですけど、資料3の8ページに第1 条、非常勤の役員は除くと書いてありますけど、この書き方は、非常勤の場合はどうす るかということをどこかに書いておかないと規程としてはちょっと欠如しているんじゃ ないですか。どこかに規程として書いておかないとと私は思うんですけれども、いかが ですか。 ○国立病院機構企画経営部長  退職手当などは規程がない場合には払わないという形が通例かなと思っておりました ので、このような形をとっておるわけでございます。  参考までに、3月30日の記者発表資料でございますが、その4ページに実際の理事の 固有名詞が書いてございます。常勤、非常勤の区分けを申し上げますと、理事につきま しては右側の半分はすべて理事としては非常勤でございます。また、監事の2人も非常 勤でございます。役職を見ていただきますと、非常勤をお辞めになったから退職金を支 払うべき方ということでもないわけでございまして。退職手当を出す場合には規程が要 る、逆に出さない場合ですから規程を設けていないという形で御理解賜れれば大変あり がたいわけでございます。 ○夏目委員  私どもも子会社に対して業績評価ということを導入してやっているので、それとの混 同があるのかもしれませんが、幾つかの点について御質問させていただきたい。まずこ の業績評価を取り入れる報酬については、個人単位はしないで、機構の役員・理事は皆 同じになると。例えば私どもは子会社の評価を親会社がして、その社長がS評価を受け たらその下の役員はS評価以下のことをしていいと。要するに、上限が組織の評価で、 それ以下だったらあとはその社長に任せると。そうすると社長の評価がある程度個人ご とになされるんじゃないかということで、そういうことを導入しているわけです。ここ ではあくまでも機構がAと決まったら、理事長も副理事長も理事もみんなAという評価 になっていくのかというのが1点です。  それから2点目は、この評価はあくまでも業績の方に対して2割増であるということ で、月例年俸は動かないということになっているので、そうすると例えば副理事長の 2000万のうち業績でいくら、月例でいくらというのをあらかじめ決められているという 理解でいいんだろうと思うんですが、業績で仮に500万と決まっていれば、500万が2割 の増減をしていく、1500万の月例年俸はあくまでも動かないという理解でいいのかとい うのが2点目。  3点目ですが、業績年俸の方はイメージ図によると、減額した、そしてまた今度は増 額という形で、これが変わるということになると、仮に2割上がると、翌年またS評価 の場合、S評価がダブルで効く、2割、2割で大分よくなっていっちゃうと。逆にD評 価を受けると2割減額、また2割減額と、評価が2年連続していくと大変大きな影響が 出てくるんじゃないかという気がするんですね。私どもはあくまでも、基準を決めて、 その年度ごとにSなら2割上げる、翌年がSだったらまた基準から2割という、累積は していかないというやり方をとっているんですが、このイメージ図だと累積していって しまうのかどうかという点。  とりあえず3点、私どもがやっているのと大分違うのかどうか、そこら辺も含めてお 聞きしたいんですが。 ○国立病院機構総務部長  個人単位に評価いたします。 ○夏目委員  個人単位に評価するんですか。だけど、評価制度はあくまでも機構全体を評価するん ですよね、この部会では。個人単位の業績まで部会で評価するわけではないですね。 ○国立病院機構総務部長  評価委員会の結果を受けて、理事長が個人ごとに評価をするということになっており ます。 ○夏目委員  そうすると、仮に機構全体はAだけれども、この理事は大変がんばったと。非常によ くやったということになれば、その理事はSということにしてもいいんですか。 ○国立病院機構総務部長  考え方はあり得ますが、それはないと思います。 ○国立病院機構企画経営部長  それは3ページをご覧いただきたいわけでございますけれども、例えば、S評価であ れば120ということになるわけですが、「それ以内で」とも書いてございますので。機 構全体がAであれば110を超えることはないということでございます。 ○国立病院機構総務部長  それと2点目でございますが、資料3の7ページをごらんいただきたいと思います。 役員基本年俸の月例年俸額と業績年俸額はここで決めてございます。  それと3点目は、単年度じゃなくてどんどん累積していくと。 ○夏目委員  累積していくと。 ○国立病院機構総務部長  はい。少し厳しく取り組むということです。 ○夏目委員  そうすると、悪ければ業績年俸がだんだん2割ずつ下がっていっちゃう、よければ2 割ずつ上がっていくと。 ○国立病院機構総務部長  はい。そのようにならないように努力するということでございます。 ○黒川部会長  これは総会でもみんなアグリーしてることなのかな。なかなか難しいですよね。結局 理事の指名権というのは誰にあるんですか。理事長でしょ。そうすると、財務担当の人 と企画担当の人というのはかなり意見が変わっちゃうことがあるんだけど、全体として どうするかというのは最終的には理事長が権限を持っているわけだよね。全体の業績が いいか悪いかというのは、それぞれ役員は役割が違うから、ブレーキをかける人とアク セル踏む人といろいろ戦略的にならなくちゃいけないから、そうなると全体の評価は理 事長になって、しかもそれぞれの役割はどういうふうに協調できたかは理事長の腕の問 題だから、そうなると今夏目委員がおっしゃったような個々の理事を評価するといわれ ても、財務だったらなるべくケチにしていればいいわけだし、という話になって、しか も積立金を残すといいんだよなんていわれると、今回何とか借金をしないでためておい て、来年新しい企画をするふりをしようなんていう話でもいいのかもしれないけど、実 際は次の年になっても何も具体的にあるわけでもない。積立金を残したよというだけ で、総務省に上がったときに、何だ余ったのかといって財務省から取られかねない。病 院の場合は交付金が少ないからいいんだけど、交付金がかなり多いところはそういうふ うになりかねないので、これをどうするかというのは結構大事な問題だと思うんですけ どね。最終的には理事長の決裁で、全体としては任命権もあり責任もあり、全体として 責任があるのであれば、その辺が全体の評価で割り振りをしてくださいなんていう話に ならないかなという気がするんですけどね。会社だと、あれは財務担当の役員がだめだ ったからなんて株主総会でいわれることもあまりないんじゃないかという気もするんだ けど。どうでしょうかね。 ○夏目委員  ないでしょうね。会社全体の評価で上限を決めて、あとは貢献度ですね。それは社長 に任せないと。僕は理事ごとの評価を理事長に任せるということは非常にいいことだと 思いますけどね。 ○黒川部会長  その辺も一応いろんな部会でまた視点が変わってくるかもしれないし、さっきペンデ ィングになっていた積立金を残さないとなんていわれたって、残し方なんてどうにでも なるわけだから、かえって総務省とか財務省としては、がんばって余らしたら取ってや ろうなんて思う人もいるに決まってるから、この辺は難しいですよね。 ○政策評価官  すいません蛇足ですが、私の方が御説明した退職金の関係は、個々人の役員の違いと いうのは勘案せずに、とりあえず法人の業績評価だけでやってみようということです。 一方で、ボーナスの関係につきましては、法人の業績評価がいわば上限であるけれど も、個々の役員の貢献度も見るという形で、ボーナスの関係と退職金の関係は若干取り 扱いが違っておりますので、よろしくお願いします。 ○黒川部会長  ボーナスは個々の役員とはいっても、最終的には理事長がその辺を勘案するわけでし ょ。業績年俸は、上がるとそれにまたさらに2割増となってくるわけだ。前年度につい てのパーセントにするわけですよね。夏目委員、それでいいですかね。 ○夏目委員  民間よりも激しいんじゃないかという気がしますけどね。累積していきますから、い い成績を上げたところは1割増の1割増になっていきますから。まあ、やってみてよろ しいんじゃないですか。 ○国立病院機構企画経営部長  ただ、上がる場合は、Sだとしてもあくまでも120「以内」ということでございます。 当然一般職員もいていろんな方もいらっしゃるわけですので、上げる場合はそのあたり のバランスも十分見てということに、結果的にはなるかなと思います。 ○黒川部会長  確かに、あまり細かいことを書いちゃうとフレキシビリティがなくなっちゃって、単 なる数字の平均値が出てくるだけの話になってしまうので。いろいろ議論があったとい うことで、これは毎年総会あるいは各部会からのフィードバックをやって、これは改正 できないというわけでもないんだろうから、そういうことでよろしいでしょうかね。  それでは、これからキックオフしてみるかということですが、ペンディングになって いる積立金を一回は残さなくちゃいけないというのをどう評価するかというのは、交付 金の割合が高いところとそうじゃないところと、事業性によってもかなり違いますか ら、この辺はなかなか難しいかもしれないところで、ペンディングということでよろし いですかね。それではよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 (5)独立行政法人国立病院機構の平成16年度計画について(報告) ○黒川部会長  それでは16年度の計画についてということで、御報告をお願いいたします。 ○国立病院機構企画経営部長  申し遅れました。国立病院機構本部企画経営部長の清水でございます。私の方からは 16年度の年度計画について御報告申し上げます。資料は5と6でございまして、「5」 が年度計画の本体でございます。「6」の方は中期計画の対比表でございます。主に 「5」に基づきまして御説明申し上げたいと思います。  3月8日までこの部会におきまして精力的に中期目標及び中期計画を御論議いただい たわけでございます。それからそれほど時間を置かずに16年度計画を作っておりますの で、3月までに御論議いただきました中期計画と大体似たような内容になるわけでござ います。ただ、その後いろいろと数字を詰め、具体的にこういうことをやろうと中で揉 んだものもございます。そういうものを中心に御説明申し上げます。  このゴシックのところ(見出し)は、中期計画に合わせた形で書いてございます。 「第1・1・診療事業」。「患者の目線に立った医療の提供」。「わかりやすい説明と 相談しやすい環境づくり」。あるいは「セカンドオピニオン制度の実施」。「患者価値 観の尊重」の辺りは、基本的に中期計画と変わってございませんが、「患者価値観の尊 重」のところの末尾でございますが、16年度中に患者満足度調査を実施するということ を一段踏み込んでございます。  「(2)患者が安心できる医療の提供」。「(1)医療倫理の確立」は変わってござい ません。  2ページをお願いします。「医療安全対策の充実」、「救急医療・小児救急等の充実 」、この辺りは変わってございません。  「(3)質の高い医療の提供」。「クリティカルパスの活用」のところでございます が、これは中期計画におきましては、期間中に50%クリティカルパスの総作成数を増や そうということでございました。それを1年間で20%ということにしようというのが16 年度計画で明示したものでございます。「EBMの推進」、「QOL」、「病診連携」、「政 策医療の適切な実施」。この辺りは変わってございません。  「臨床研究事業」も、具体的な臨床計画を作成するというところで若干踏み込んでご ざいますが、基本的に変更はございません。  3ページの「(2)治験の推進」でございますけれども、治験は積極的に推進してい くというふうに中期計画に書いてございましたけれども、より具体的に、16年度中に本 部に中央治験支援室を設けて治験の窓口を明確にするとともに、治験を支援するための チームを編成するということで、諸外国に比べて非常に時間がかかる、あるいは必ずし も質が高くないと言われている国立病院関係の治験の質を上げ、スピードアップもした い。そのために具体的にこういう形で動いていきたいということでございます。  「3教育研修事業」、基本的には変わってございませんが、「(4)質の高い看護師等 養成」のところで、第三者カリキュラム評価実施の対象養成所を数量的に明示した。ま た、地域に開かれた公開講座を行う養成所数を数量的に明示したというところがポイン トでございます。  4ページに行きまして、「災害等における活動」、基本的に変わってございません。  「第2、業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置」というの も、基本的には大枠の中でございますが、「1の(1)の(1)役割分担」のところで、 本部の何部何課体制、ブロックの何部何課体制というのを明示してございます。その後 は基本的に中期計画と変わってございません。  5ページまでお願いしたいと思います。上から二つ目の「オ」でございます。各々の 病院の事務部門をどうするかということでございますが、3月31日までの3課体制から 2課体制にスリム化するというのは年度計画で初めて書かせていただいたものでござい ます。  「(6)看護師等養成所の再編成」でございますが、中期計画では15年度の80カ所を 20年度までに49カ所にする、31カ所減というところまで書いておったわけでございます が、具体的に16年度につきましては5施設の廃止ということを明確にしたわけでござい ます。また、17年度は24校で学生募集を中止するということを明示してございます。  「2業務運営の見直しや効率化による収支改善」の「(1)の(2)」のところでござ いますけれども、業務委託を進めるということをより具体的に書いたわけでございまし て、業務委託についても平成16年度からモデル病院で新たに検査部門におけるブランチ ラボの導入及び給食業務の全面委託の導入の実施ということに踏み込んで書いてござい ます。  6ページでございますが、中期計画では、建築単価の高いものを是正するというスタ ンスは書いてございましたが、年度計画では、そのための検討会を設置するというふう に踏み込んで書いてございます。「医療資源の活用」は基本的に変更ございません。 「診療事業以外の事業に係る費用の節減等」の「(1)臨床研究事業」では、競争的資金 の獲得を推進するために相談窓口を設けて、各病院の研究者にがんばってもらおうとい うようなことで踏み込んでございます。また、「教育研修事業」でございますが、検定 料や入学金の若干の値上げをさせていただいて、収支率を改善するということを具体的 に書かせていただいております。  7ページでございます。「第3予算収支計画及び資金計画」のところでございます が、16年度の収支率を98.5%とするということでございまして、これを額で示すものが 10ページのP/Lベースの収支計画でございまして、一番下にございます▲110億9000万円 というのが1.5%に相当するものでございます。  なお、御承知のとおり、国立病院機構は新たに独法期間分の退職手当引当というもの が200億円強ございます。新たな負荷が200億円強掛かった一方、P/Lで▲110億円という ことは、90億円以上収支改善させるという見込みの収支計画であるということを御理解 賜りたいと思います。他の独立行政法人がP/Lベースで収支とんとんのところになるよ うに運営費交付金措置されているのに比べますと、私どもは措置されていない。我々自 身の今後の努力で収支とんとんを目指していかなければいけない。スタートラインが大 きく違う。したがって、目的積立金云々という議論が先程ございましたけれども、その 辺りも他の法人と同列に論じることができないのかなと思ってございます。  長期借入の予定枠は、441億円ということで絞り込む形にしてございます。  最後8ページでございますけれども、「人員に関する計画など」。技能職いわゆる労 務職と言われている方々でございますけれども、その143人の純減を図るということを 明確にうたっている。また、再編成も国の時代からやることになっております甲府、西 甲府等の5件の再編成を着実に実施することをうたっております。  簡単でございますけれども、16年度計画についての報告説明でございます。以上でご ざいます。 ○黒川部会長  どうもありがとうございました。いかがでしょうか。御意見を頂ければと思います。 ○開原部会長代理  診療のところで、例えば医療機能評価機構の認定を受けるとか、そういうことをやれ ばここに書いてあるようなことを一々いわなくても、ある程度のことは満足されるので はないかという感じもするんですけど、例えばそういうような計画の立て方というの は、幾つ受けさせるとか、そういう計画はないのかなということで、もしないとすれ ば、そういうことは病院が自由にやってもいいのか、機構としていいとか悪いとかいう のか、この辺どこまで各病院に任されているのかというところを伺いたいのが一つ。  それからもう1点は、例のDPCの話なんですけど、最近診療のやり方が民間病院でも DPCを試行される病院がかなり出てきているわけですね。こういう国立病院機構の中で も多分そういうことをやりたいという病院が出てくるのではないかと思うんですが、こ ういう場合に各病院が自由にやれるのか、それとも機構として中期計画に持ってないと いかんとかいうのか、その辺の関係はどんな感じになるんでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  御指摘のございました2点、やはり病院でも相当考えていただきまして、私ども本部 とも相談しながらやっているというのが実状でございます。  医療機能評価につきましては、それなりの数の病院は既に受けております。ただ院内 で一つの理念を徹底させるとかそういう様々な準備が必要となりますので、3月31日ま でであれば本省、4月1日以降は本部でございますが、幾つか受けろというところまで の指示というのは具体的には難しいと思っております。ただ、幾つかの病院が受けよう ということで、院内体制を変えてとかいうことでやっているわけでございます。  またDPCにつきましても、そもそもDRGの試行事業を国立病院で1998年に始まったと き、相当フィールドとしてやっていただいたわけでございます。また、今年の4月から 九州医療センターでDPCに移行してございますし、7月からは7施設が予定してござい ます。ただ、これもいろいろと施設によって様々でございます。赤字体質のところで経 営資源をどこに投入するかという選択と集中の問題がございますので、ある程度のポジ ションのところはDPCへ行くのが良いし、やはり今は別の形で経営改善に取り組みたい というところもあります。  そういう病院で十分詰めていただくのと、私どもと対話しながらやっていく。3月31 日まで国だったということもありまして、なるべく前向きにDPCに取り組むようにとい うことでやっておりました。基本的スタンスは変わりませんけれども、その辺り十分論 議しながら前に進んで行きたいと思っております。 ○開原部会長代理  今の答えを私なりに解釈すると、ここに書いていないことに関してはやってはいけな いということではなくて、病院が自由に病院の裁量でやってもよろしいというふうに理 解していいということでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  病院が合理的に判断して、それによって収支改善等々の中期計画・中期目標に沿うこ とであるならば、それは病院が自由にどんどんやっていただく、それを本部が支援する ということか、と思っております。 ○開原部会長代理  わかりました。その点が確認されればいいんですけど。今の二つについては決して国 の立場からすれば悪いことではないと思うので、具体的に幾つの病院がどうだというこ とまでは書き込めないにしても、そういう方向もあり得るということが計画の中に書い てあってもいいような気もするんですけどね。以上です。 ○国立病院機構企画経営部長  医療機能評価はある程度の費用もかかりますし、DPCになりますと病院の収入にも相 当影響が出てまいります。測定対象期間にどういう患者さんが来るかとか様々ございま す。その辺りは各々費用対効果を十分考えてやるというのが独法化の精神かと思ってご ざいます。  その辺り十分見渡せない時期に年度計画で書くというのは若干ためらいがございま す。それなりの費用対効果、詳細な数字等を見渡せる段階で計画に乗せる、あるいは実 施に移すということで考えていきたいと思っているところでございます。 ○開原部会長代理  もう1点、研修指定病院に対して国立病院機構がどういう立場をとるのかということ も、何か一言ぐらいふれてあってもいいような気がするんですけど、その辺はどういう ことなんでしょうかね。 ○国立病院機構企画経営部長  「臨床研修指定病院」という言葉ではございませんが、臨床研修は新制度に切り替わ ったこともございまして、大変重要だと思っております。また、臨床研修を受け入れる ということで病院に良い人材が来ていただくという点、さまざまな点で重要だと思いま す。16年度中に国立病院機構の病院を中心とする独自の臨床研修プログラムを作成し て、臨床研修医の募集も行う。また、臨床研修が終わった時期に当たる社会人3年生、 4年生のドクターを念頭に置いて、その養成プログラムも検討するということで、臨床 研修関係につきましては積極的に進めていきたいということです。具体的には、ブロッ ク単位で、副院長ですとか統括診療部長さん辺りに集まっていただいていろいろ論議を していただいているという現状にございます。 ○大道委員  人材養成関係で御質問させていただきます。5ページで、先ほど看護師等養成所の再 編成ということで、実質的には廃止の方向の事業計画なんですが、確かに従来からの国 立病院としての人材養成についてはいろいろ問題が指摘されていた中での再編成という のはよくわかるんですが、今や国立病院機構として経営主体が変わったとはいいなが ら、地域の人材確保との整合性の問題とか、あるいは国の人材養成所のさまざまな方向 ・方針があると思いますが、これらを勘案された上での配慮というのは、実際のところ どういうことでおやりになっているのかというのが一つです。  それと、今の臨床研修制度とかかわりますけど、先般矢崎理事長がおいでになって、 医師の問題は地域格差というべきか、あるいは一部北海道、東北等での名義の貸し借り 等の社会問題化した、この問題について今回の国立病院機構としてネットワークを生か した対応を考えたいというような趣旨をちょっとだけお漏らしになったような気がする んですけど、きょうの事業計画の中で医師の適切な派遣、そのほかについての方向はい かがでございますでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  まずドクターの関係でございますが、御承知のとおり新臨床研修制度の影響というの がございます。また、国立大学も私どももそうですが、独法化になると同時に労働基準 監督署の御指導を受けるようになったわけでございますが、そうしますと夜勤の関係で なかなか難しいというところが出てまいっておりまして、相当苦しいところもございま す。  ただ、キャリアパスをつくって行こうと、ここにも書いてございますけれども、国立 病院機構としてドクターを、最初からたくさんの数は無理だと思いますし、大学の御理 解、御協力もいただかないといけないと思っておりますけれども、そういうものもやっ ていこうと。即効性のあるものではございませんけれども、さまざまな取り組みを進め ていこうと思っているところでございます。現下の医師不足、一部の地域における医師 不足に対する特効薬はございませんけれども、地道な積み重ねをやっていこうと考えて おります。  養成所につきましては、看護師養成所以外にOT、PT、あるいは視能訓練士、助産師等 の養成所を持っておるわけでございます。これらにつきまして全体的な需給が緩んでき たということが1点。それから、15年までは看護師の養成施設の指定規則の附則の経過 措置の適用を受けていたわけでございますが、いつまでも経過措置ではないだろうとい うことで、教官を増やさなきゃならんという状況を勘案して、このような形で再編成す る。また、再編成の具体的な基準でございますが、地域バランスということも考えまし て、1県に1校以上という形などを勘案して、このようなことにするということでござ います。 ○大道委員  わかりました、了解しました。キャリアパス制度という言葉をお使いになって、シス テム化の方向で目指されるのは国立病院機構の新しい方向性としては非常に重要だと認 識します。医師不足云々ということだけではなくて、医師の一連のキャリアのパスウエ イを国立病院機構としてある程度明確にしていかれるんでしょうけど、現下の状況は医 師不足というのは正確にいうと病院医師不足であって、開業医師はかなり増加傾向なん ですね。わずか10年で1万数千施設の診療所が実増の状況にあるということで、地域で の開業に向けた動きというのは国立病院機構も無関係ではないと思うんですが、大変増 加する中で、プライマリーケアともかかりつけ機能ともいわれている診療所に向けた医 師のパスウエイというのは極めて重要な課題だと。これは国の立場でももちろんそうで すし、国立病院機構としても地域医療にかかわる重要なことで、即効性がないとおっし ゃいましたけど、確かに時間のかかることですけれども、医師のキャリアパスというも のをしっかりと取り上げられていますので、ぜひ日本の医師の新しいキャリアパスとい うものの中に、地域医療の基本的な枠組みなどもしっかりと受けとめたキャリアパスの 構築を御検討いただきたいと思います。  それと追加の質問になりますが、小児科医療とか一部産科等々、従来から国立病院と してそれなりに対応してきて実績がある中で大変厄介な状況が今出てきているわけです けれども、きょうの事業計画を見る限りでは必ずしも言及はございませんが、政策医療 の枠組みの中に入っているということなのかもしれませんが、とりわけ我が国の医療の 中での幾つかの分野での地域医療、いわば診療領域での今言ったような課題についての 国立病院機構あるいはそのネットワークとしての事業計画というのは、何かあるのでご ざいましょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  その辺りは計画というより、まさに日常業務でございまして、その辺りのドクターが 確保できにくいところをどうしていくか、これは日常業務の中でしっかりがんばってい こうということでございます。 ○辻本委員  2点お尋ねしたいと思います。まずはセカンドオピニオンのことですけれども、医療 者側も患者側の意識もまだまだ地域差が解決していません。そこで一律に154病院が同 じ方向でというようなセカンドオピニオン制度として進めていくことに、患者の立場と して一抹の不安を感じます。それ以前に取り組むべき課題があるのではないかというこ とが1点。  それから、治験の問題なんですけれども、本部に中央治験支援室を設けてという、そ この役割なのかもしれませんが、IRBの質の担保ということです。多少私もかかわって おりますが、非常に形骸化しているというか、中身の議論が不十分だなと感じるときも 多々ございます。そういったことで、国立病院機構のIRBの質の担保、そのあたりもぜ ひとも努力していただきたいと思います。 ○国立病院機構企画経営部長  御指摘のとおりでございまして、セカンドオピニオン制度をちゃんとやるということ はインフォームドコンセントをしっかりやるということが必要になってまいります。個 々の病院いろいろと異なっております。セカンドオピニオンをやると明言できるような 病院もあれば、これから本部と相談してやっていくという病院もございます。そういう 中で各々の病院の特性も踏まえて、基本は患者の目線に立つわかりやすい医療というこ とで推し進めていきたいと考えております。  治験に関しては、IRBの重要性につきましては理事長の矢崎も十分認識しているとこ ろでございまして、それにつきましては年度計画の1ページ目「患者が安心できる医療 の提供」で、「医療倫理の確立」の方で倫理委員会のことについて書いてあるわけでご ざいます。具体的に治験を進めていく上で重要でございますから、その辺りの内部での 検討も現に行っているところでございます。御指摘も踏まえてしっかりしたものにして いきたいと考えております。 ○開原部会長代理  もう1個なんですが、救急医療と小児救急との充実ということなんですけれども、こ れは中期目標は期間中に受け入れ患者数を10%以上の増加を目指すと書いてあるわけで すよね。ところが16年度の計画に書いてあることというのは、医療従事者の研修を行う としか書いてないんですよね。ただ研修を行うというのでは余りにも具体性がなさ過ぎ るというか、あまり前向きな姿勢が感じられないんですが、もう一歩踏み込んで書くと いうことはできないんですかね。救急というのはいくら研修をやってもだめで、ある程 度制度の問題が絡むところがあるんだと思うんですね。当直体制とかいろんなですね。 ですから研修をやるだけでどれだけ効果があるかなというのは心配なところがありま す。 ○国立病院機構企画経営部長  御指摘も十分わかるんですが、ただ、御承知のとおり一部の地域における小児科医の 不足とか、新臨床研修制度に伴うものということが1点あるのと。先ほど申し上げまし たように、労基署の関係の御指導が4月から新たに、労基署と相談して、夜勤にしなけ ればいけないのかそれとも8時間の勤務の後に引き続き当直ということができるのかと か、相当な論議をしたわけでございます。  3月までと同様の救急受け入れ体制をとるために、それだけのためにドクターも増や しているとか。別に患者さんが増えるとか、受け入れの時間数が増えるわけではなく て、3月までと同じような患者受け入れ体制をとるためだけに、ドクターを増やしてい る、あるいはナースを増やしているところもいくらでもあるわけです。その一方で、3 月までと同じ体制をとることが費用対効果が悪くなるならば場合によっては救急を止め なくちゃならないというところもあったかと思うんです。そういう適用関係、労基法関 係が適用になるかどうかの関係で、非常に救急の体制を組むのにしんどい思いをしたわ けでございます。そういう根っこの足許が変わりましたので、16年度については「研修 を行う」ということしか書けなかったわけでございます。17年度等に向けて一生懸命や っていきたいと思います。急性期病院が急性期病院であるためには、がんのような特別 な場合を除きまして、救急医療に取り組むということが、地域のためにも、あるいは当 該病院が本当の急性期病院になるために必要でございますので、その辺りは各病院も判 ってございます。ただ、16年度につきましては足許の大きな変化がありましたので、研 修ということに留めさせていただいたということを御理解賜れればと思います。 ○山田委員  収支改善の問題で、平成16年度業務収入が約6000億ということですけれども、これが 平成15年度に比べてどれぐらいふえているのかという数字はつかみ切れていないんです が、主体は費用の抑制ということになっていると思うんですね。ただ、今の国立病院機 構の病院はまだまだ診療報酬上とれるものはたくさんあるんじゃないかと。ですから平 成17年以降そういう方面の努力をぜひとも計画の中に盛り込んでいただきたいというお 願いが一つでございます。  それから、看護学校のことですが、かなりの授業料のアップがされていますね。入学 金について6万円、授業料について5万円、トータル11万円のアップ。総額入学時に34 万円払うという形になっておりますが、授業料が上がると学生数はどうしても減ってく るんですね。安い方へ流れるということがありますので。これが各専門学校の中のどれ ぐらいのランクにあるか、もしおわかりになったら教えていただきたいと思います。  募集する学生は地域差があると思いますので、各専門学校別に授業料に差をつけるこ とをお考えになっていらっしゃるかどうか、その辺をお聞かせいただきたいと思いま す。 ○国立病院機構企画経営部長  いろんな費用の抑制、例えば薬剤の購入価格、なるべく共同購入を進めて安くすると いう努力も既にやってございます。一方、今の医療の流れの中で、必要な医療をやるこ とによって拡大ということも織り込んだ上での16年度計画でございますし、16年度点数 改定が行われたことを踏まえ、17年度に向けていろいろと考えていく。あるいはより高 い看護基準をとれるように平均在院日数を減らしていくということは当然やっていきた いと思っております。  看護学校等の授業料、入学金の関係でございますが、厳密な比較をしたわけではござ いませんけれども、相場等を見て一応16年度については全国一律で決めたところでござ います。私立の高校ですとか専門学校とか、結構良いお値段を東京でもとっていらっし ゃいますので、当方の看護学校の学費がそう高いとは思いません。ただ、これだけの値 上げをしますと、良い教育をしなければ学生さんが離れていくことになるかと思います ので、学校数は減らすけど1校当たりの教官数を増やす、あるいは教官自身に研鑽を積 ませる等々で魅力ある学校にして行きたいと思っております。将来的には、より特色を 発揮する中で、「我が校は学生さんにも親御さんにも評判がいいから、もうちょっと値 上げも」というのが出てくると良いなと思っておりますので、その辺りの自由度も高め ていきたいと思っております。 ○夏目委員  ちょっと細かいかもしれませんが、別紙2の収支計画は御説明あったんですが、別紙 3に資金計画が出ています。その中の財務活動による収入で、長期借入による収入が 442億はわかるんですが、その他の収入で966億という非常に多額の額が挙がっているん ですが、これは財政融資かなんかの話ですか。 ○国立病院機構企画経営部長  社会保険診療報酬の払い方でございますが、2月なら2月に診療が行われますと、3 月に請求して、入ってくるのが4月になるわけでございます。ここに書いてございます のは国時代の年度末、16年2月、3月に診療が行われたものを本部の方で受けるという 形にしてございます。企業でいえば未収金といいますか、制度的に2カ月遅れの形にな ってございますので、そうなるわけでございます。 ○夏目委員  それから別紙1で、16年度予算と書いてあるんですが、これはどういう位置づけのも のなんですか。企業会計で収支計画を組んで資金計画も組んでいれば予算というのは何 のためにつくっているのか。 ○国立病院機構企画経営部長  独立行政法人ではなべて作れという御指摘がありますので作っているんですが。今ま で予算に慣れていますので、一つの目安としてはあるのかなと。ただし、余り規範性が ないということは私ども自身もよく認識しなければいけませんし、各病院にもよく認識 してもらわなければいけないと思っております。 ○住田委員  今の資金収支計画ずっと見てたんですけど、最後の臨時損失というのは何でしたっ け。 ○国立病院機構企画経営部長  極めてテクニカルなところのようでございまして、50万円未満の物品を受ける形が臨 時利益で立って、それを臨時損失で落とすという。50万円未満はB/Sには計上しないの で、P/Lで計上するという極めてテクニカルなものだそうです。 ○住田委員  言いたいことは、例えば収支計画から発生主義の損益計算、これは非常にいいことで すけれども、僕の予想以上に非常にいいんですね。初年度からものすごくもうかるんで すね。収支計画・資金計画の妥当性は誰が検証したんですか。今の臨時損失はないもの としたら、当初から50億ぐらい利益出ますね。減価償却を外したら500億円以上のキャ ッシュフローが残りますね。望ましいことは言うまでもないんですけれども、個人的感 覚ではよすぎるのではないかと思うんです。この計画を作るまでにどういうふうにして これを積み上げてきたか。既に監事のあれは受けるわけでしょ、妥当性について。ちょ っとその辺が、来年度になって計画はこうだったけど実際はこうだったと大きく違った ら、ちょっとおかしいですよね。ですからこの収支計画、いろんな計画をどういうふう にして作って、誰がそれに対しての評価をしたかということをお聞きしたいんですけ ど。 ○国立病院機構企画経営部長  これは独立行政法人機構として一番根本になる財務関係の書類でございますから、私 どもが期間的にも作業量的にも相当の作業をして作ったものでございます。もちろんそ の作業は極めて膨大なものでございますから、その途中過程において数字について公認 会計士さんのチェックを受けているというものではございませんけれども、例えば臨時 利益と臨時損失が相対しているという形、50万円未満のものはB/Sに上げられないから P/Lに上げて、それは臨時利益で掲げると同時に臨時損失ででも掲げるという形、各々 の考え方は私ども悩んだ際、あるいはちょっとでもチェックを受けなければならないと いうときには御相談をしています。公認会計士に毎週1回ぐらい来ていただいて御相談 しているという形です。そういうもので作り上げたものでございます。  また、それを月次決算ということで12分の1ずつになっているかどうかというのは毎 月チェックする予定にしてございます。そして1年経ってこの場でも、あるいはその前 でも私どもの方の監事のチェックも随時受けるという形でやっていこうと思っておりま す。  これは、P/Lでございます。一方、私ども国時代の権利義務を全部引き継いでござい ます。15年度末あるいは出納整理期間までに十分支払えなかったものというのが現実に は若干出てきたりしております。そういうものもお支払いするということになります と、P/Lの形はよくても、実際のキャッシュフローはそこまでいかないということにも なるかなと思っております。  減価償却の点の御指摘がございましたけれども、当然資金運用部の方にお返ししなけ ればいけないものもございますので、減価償却の分は、官庁会計でいえば今まで実際資 金運用部に元本償還として返してございましたので、そこは相殺かなと。新たに増にな るのは独法期間分退手200数億円かなと私どもは思っているところでございます。 ○開原部会長代理  これは中期計画に直接関係あるかどうかわからないんですが、医療事故が起こった場 合の処理の仕方というのは、国立病院であった場合と機構になった場合とで扱いに違い が出てくるのかどうかという話なんですけど、国立病院の場合だったら全部厚生労働省 の方が引き受けてくださって法務省と協議してくれた。ある意味では病院に負担がかか らないようにしてくださってたわけですけれども、国立病院機構になったときにはその 辺の扱いがどうなるのかということが1点と、そのときの賠償金のようなものがこの収 支決算の中のどこかにちゃんと入っているのかどうなのか。  あと、お医者さんなり看護師さんなりの保険みたいなものに関しては機構として何か 方針を持っておられるのかどうなのか。そこは個人の自由だということなのか、なるべ く掛けるようにというのか。どこまで個人に賠償させるかとか、その辺の方針というの はある程度決まっているんでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  医療事故に関しまして、報告の点につきましては、医政局等の方針に全面協力すると いうことでやってございます。  それが裁判になったときどうなるかということでございますが、機構になってから提 起された訴訟については法務省の御協力をいただけないわけでございますので、自前で やらなければならない。そのためには当然弁護士さんが要るわけでございまして、6ブ ロックで顧問弁護士契約をすると同時に、必要な弁護士の確保を図っているところでご ざいます。弁護士さんたちも法律知識は詳しいかもしれませんが、医療関係は必ずしも お詳しくないので、連絡をとって質の担保等、我々がやっていかなければならないかな と思っております。  医療賠償でございますが、特別なことを除けば毎年6億円ぐらいでございまして、10 ページで注2のところに、こういうものが毎年6億円弱出ているわけですが、予定P/L ではこういうものを書いてはいかんというルールだそうでございます。ただ、決算P/L では当然出ていくわけでございますので注記として書いてあるわけでございます。5億 6500万円が過去の平均でございます。この辺りを外の保険会社に外出しするか、あるい は154のスケールメリットを使って自家保険でやるかという論議を大分中でやりまして、 とりあえずは医療賠償については外出しせずに154のスケールメリットを使って自家保 険でやっていったらどうかということになってございます。この辺りの保険ということ は医療のあり方自身も深く関わることでございますので、私ども機構全体としてコント ロールすべきかと思っております。  個人の保険でございますが、これは共同被告になって訴えられるかどうか、あるいは 我々が負ったものを求償するかどうかということにも関わってくるところでございます が、個人に「入れ」とはなかなか言いにくいところがございます。ただ、結果としまし てはドクターは多くの方が医師会の保険に入られているかなと思います。国時代、ナー スに対して求償を掛けたという事例はなかったかと思っております。ドクターについて は求償を掛けた事例はございます。基本的には、保険加入の有無は個々のドクターやナ ースの判断にお任せしているというところでございます。  なお、ナースも7割程度保険にお入りになっているようでございます。 ○大道委員  医療安全関連でお尋ねします。先般厚生労働省の医療法の省令の改正により、重大な 医療事故の報告義務を特定機能病院と国立病院に課するということですが、国立病院機 構の150余りの病院もこの規則の適用を受けるのか、その確認が一つです。  もう一つは、私が多少関与しております財団法人日本医療機能評価機構が、この法律 に基づいた医療事故の報告を受けることに正式決定し、準備中でございます。これにつ いては、他の医療機関、病院からの報告もお受けすることになっているんですが、認定 された病院の中でかなり厄介な事故が頻発しておりまして、その中に旧国立病院も含ま れています。認定病院は毎月50〜60あるいはそれ以上のペースで増えて現在1200病院以 上になっているんですが、その中でかなり重大な事故が起こっております。この病院機 能評価は契約行為でございますので、医療事故を起こされた場合、認定を維持するかど うかというのは非常に厄介な問題になっています。重大な医療事故を起こした場合は認 定証の返還をお願いしなければいけないんじゃないかということで契約手続の見直しが 進んでおります。今後は重大な医療事故を起こされた場合、重大な医療事故の範囲とい うのは国の方で検討会を持たれて、昨年12月に出た医療事故の重大性に関する区分がご ざいますが、それに準じているんですけれども、そういうことがあった場合については 契約として迅速に詳細な御報告をいただくということにならざるを得ないんですね。一 応45日以内にということでおおむね合意を得られそうなんですが、認定された病院につ いては契約上の義務として医療事故の報告をいただく。そうしませんと認定の継続がで きないだろうという流れにございます。旧国立病院の数でいいますとおおむね18%ぐら いの病院が受審されているんです。特定機能病院については5割近いです。こういう中 で、認定されると事故報告をいただかないと認定の継続の判断ができない。申し上げた いことは、認定事業をやっている財団法人が、一方で特定機能病院、国立病院の医療事 故の報告を受けるという二重構造がございます。同じ主体で報告を受けますが、筋が明 らかに違いますので、しっかりと受けとめ方は分けるということはできてるんですが、 国立病院機構としての重大な医療事故の発生時のお取り扱いについては、内部的には同 じ財団法人ですから当然連携を図るんですけれども、情報は極めて守秘性を求められま すので扱いが非常に難しいんですね。そんなこともあって、準備を進めているとはいい ながら、まだ判断できないようなところがございます。そもそもの趣旨がこういう状況 ですので、御理解をいただいて、ぜひ連絡調整的なところをお願いしたいと思っており ます。これは意見というよりはお願いということで受けとめていただきたいと思いま す。  最初の1点はひとつよろしくお願いいたします。 ○国立病院機構企画経営部長  最初の御指摘の規則の適用を受けるわけでございますから、したがって淡々とやりた いと思います。その辺りをしっかりやることが患者さんの目線に立ったということの一 つの表われかなと思っておりますので、しっかりやっていきたいと思います。 ○黒川部会長  これでいよいよスタートということですが、今までの御意見を見ているとまだ課題が たくさんあって、この病院部会にも特有の問題が一つある。病院の場合は、医療政策と いうのは国の社会基盤の一番大きなところです。特に日本は右肩上がりの経済成長と医 療・医学が進歩しているところにもってきて、経済が調子悪くなって、しかも5人に1 人が65歳以上になったという話と、今までの保険制度だと患者さんの方にも自分で生活 習慣病のコントロールについてのインセンティブがないとか、はしごしても全然困らな いとかいうような医療制度で今まできていましたから、その辺が大転換期になっている ので、厚生労働省にしても政治的には大きな問題を抱えているわけです。そういうとき に独法化されてきて、国立病院は明治以来日本の医療の基盤を支えてきたにもかかわら ず、それが全体として余りにも大きい組織になってしまったというところで、一番困る のは恐らく、従来の日本的な考え方でいうと、これを使って非常に全体主義的な病院の あり方になってしまうと非常に困るんじゃないかなと思いますので、それをよく考えて いただきたい。  つまり、地域の特性によってそれぞれの病院の役割、立場、救急なんかもそうだと思 うんですけれども、めりはりとパートナーシップがないと、最終的には地域医療の提 供、質のいい医療の提供というのはどういうふうに機能していくかということを、ある 程度地域の特性のめりはりを考えなくちゃいけないし、政策医療もあります。ここの病 院部会に出てくるとどうしても全体の問題になってしまうし、総会になるとまた全体の 問題になってしまうので、その辺を十分に評価にも入れないと。あるところは極めて赤 字だと、それは身体障害者の療養所であるからというような話が全体として説明できれ ばいいわけなので、その辺をぜひ考えていただければと思います。どういうふうにそれ を評価に反映させるかというのはまた考えさせていただいて、また皆さんの意見をいた だきたいと思います。  それから、今度は全部公務員のままでいくわけですよね。そうすると公務員の服務規 程そのものに準じた活動になるわけですね。ということがあるので、これが非公務員型 になった独立行政法人とかなり違うわけで、例えば産総研も最初は公務員型で出たんだ けど、非公務員型に変わりましたから、それをどうするのかというのはそれぞれ考えて いただいて、今のところは公務員型でいくぞという話ですので、それなりの枠組みで皆 さんの服務規程がかかっているということで、それはそれで結構だと思います。  2番目に、全体として余りにも組織が大きいので、先ほど言ったように地域の特異 性、それぞれの診療所のもともとのミッションというのはありますので、その辺につい ての全体の評価はこちらとしても十分意識しておかなければいけないと思います。  もう一つは、とはいってもたくさんの病院がありますので、それぞれの病院の自主 性、主体性をある程度担保しないと、全体のトップダウンでいってしまうと非常に窮屈 になってしまって活力がなくなっちゃうと思うんですね。受け身の医療になってしまう ので。今言った評価機構なんかもそうですけれども、それぞれの院長の主体性を許容し ておかないと、リスクをとることはマイナスだということになってしまいますから、常 に指令待ちになってしまって全然新しいイノベーションが起こらないということになり ますので、ある程度リスクテイキングのプロポーザルを許容しながらトライすると。そ れでそれがいいアウトカムになってくると、よかった点、悪かった点、いろいろ評価で きますから、それを共有の財産として次への施策に反映できると思うので、個々の自主 性をどの程度許容するかというのもすごく大事で、そうじゃないと全体が待ちの姿勢で 萎縮してしまうというのは具合が悪いだろうと思います。  それから、人材の育成というのはお医者さんの研修ももちろんそうだと思いますが、 これも地域の中核病院としての役割と、ほかの病院もあるわけですから、その辺の主体 性と独自性のバランスが大事だし、コーメディカルのトレーニングもかなりフィーが上 がってきちゃいますと国じゃないところのフィーとの釣り合いとか、今まで国が一番安 かったとすると、これじゃお金がかかり過ぎて人材がいなくなっちゃうというわけにも いかないので、この辺もどういうふうにするかというのはむしろ政策的な問題ですの で、その辺も厚生労働省とよく考えて政治的に持っていかないと、日本の医療は全体と してかなり沈没しちゃうんじゃないかという懸念がありますので、その辺は十分考えて おいていただきたいと思います。  それから、皆さんの意見を聞いていると、さっき言ったような機構の問題とかDPCも それぞれの病院の自主性、主体性と、リスクテイキングをある程度許容していかない と、それはでかくなっているバッファである利点ですから、ぜひそういうことをやりな がら新しい医療の施策の方策について厚生労働省にフィードバックしながらやるという のは、非常に大きな社会的責任じゃないかと思います。  それから、医療事故は確かにそうで、保険の問題、掛金の問題、賠償金は今まで税金 から出てたから気楽なものだというので、訴えられたところで自分が払うわけでもない し、国が払ってくれるからいいかなんて、国立の病院や大学はちっとも勉強にならない ケースばかりだと、意識は変わらないんだという話をしょっちゅう書いてますけれど も、最近は社会的問題になってるから仕方なくやってるようなところもないわけじゃな くて、それがないようにぜひお願いしたいと思います。先ほど言ったように、顧問弁護 士もそうで、医者と同じで弁護士は免許持ってれば何でもできるかというととんでもな い話でしょ。医者も同じです。医者の免許あるから皆同じだと思ったらとんでもない話 で、そんなことは決して信用しないように、お医者さんだからできないのはけしからん なんて言わないように厚生労働省もしっかり言ってくださいね。ミニマム、医師の免許 を持っていることにふさわしい人をつくろうと思ってやってるわけなので、弁護士の方 にも、ミニマム弁護士免許を持っていればちゃんとできるんだろうなぐらい言っておい てくださいね。それがわからないわけなんだから。弁護士同士で話し合いをしてお客さ んがだまされるということが非常に多いわけですから。  それから、医療事故はヒヤリハットなんかももちろん協力していて、その辺のインタ ーアクションがある程度モデル病院としてのシステムづくりと主体性と、大きいことの スケールメリットからのバッファリングができるということをよく硬軟使い分けない と、あまりトップダウンの待ちの姿勢もよろしくないということをぜひやっていただけ ればと思います。  それから、御存じだと思いますけれども、今医療事故が起こると、まず起きたときに 地元の警察に届けなくちゃいけないんです。これは日本の国の在り方と、また厚生労働 省の問題なんです。ほんとは地元の保健所にいって、それから厚生労働省に上がらない と、直接厚生労働省にいくと地元の保健所は知らなかったなんていって、また衛生部長 が怒ってきたりするんですね。警察にいっておかないと警察が後で怒っていて、実に行 政のばかげた対応がある。医療事故が起こったら警察に届けるなんていうのは日本だけ です。そういうことを、このような大きな機構がモデルになって、警察に届けるなんて いうばかなことやめましょうということをちゃんとやっておいてくださいね。警察は届 けられたらすぐ調べに来ますよ。カルテから何から証拠を押さえるのはしょうがない。 届けなくちゃならないからそういうことをされるわけで、ますますお医者さんも看護師 さんも萎縮しちゃいますよ。向こうは届けられれば聴取するに決まってるんだから。だ から警察に届けるなんていうのはまずやめましょうということを出してくださいね。国 の常識として、少しは品格のある国になってほしいと思ってます。  それから、テレビで謝れなんて、実におかしな国だと言わなくちゃいけないんだけ ど、頭を下げる相手は家族であってテレビじゃありませんよ。そういうことをちゃんと そちらで、大きな機構であるということを考えてやってくださいね。  そういうわけで、いろんな医療政策の問題が山積してるんですね。これは厚生労働省 が医療費ふやそうなんていって財務省に交渉したって負けるに決まってます。だけど国 民の声を背にして、医療にもっとお金を投資すべきだと。まだ380カ所もダムをつくっ てる方がハッピーなのか、9000キロもハイウエイをつくってもらいたいのか、国民の心 配というのを見ると圧倒的なナンバーワンは健康と病院の心配ですよ。それを3割負担 にふやそうとか、保険料ふやそうとかいっていれば萎縮しちゃって何もできないんだか ら。それを決めるのは政治的な決断で、公共投資はどこにするかというのは厚生労働省 の役割なんだけど、国立病院がこれだけ大きくなったときに、その力を政治的に医療の 方への公共投資にシフトする。シフトすれば労働人口もどんどん入ってきます。医者や 看護師さんがストレッチャーで患者さんをレントゲン室に運んでいくなんていうばかな ことしなくていいんだから。そういう人たちへの雇用をふやしてあげればいいわけで、 土建の力のある人たちが病院で仕事できるようにすればいいだけの話ですから。ぜひそ ういう大きな医療政策のミッションを持っている一つのツールになり得るんだというこ とを考えてやっていただければいいなと思います。そうでないと日本の医療は壊滅する と思います。国立病院、独立行政法人だけが自分たちだけがサバイブすればいいやなん て無責任なことをしたら日本は沈没するだろうと思っておりますので、よろしくお願い いたします。  十分御存じだと思いますけれども、医療事故への対応、賠償金の問題、弁護士の免許 があれば何でもいいかという話、そういうような大きな問題を抱えていますので、独立 行政法人になったことを契機に、こちらも細かいことを言うつもりはないんだけど、何 のために独立行政法人になって、一つの大きな組織にしたという社会的なミッションは 何なんだということを十分考えてもらいたいと思っております。よろしいでしょうか。 何かつけ加えることありますか。  健全で透明性の高いインターアクションをしていただきたいと思っておりますし、従 来の日本の国家主義的な、全体社会主義的な社会構造を変える一つの大きなツールだと 思いますので、しかも健康は社会的に大きなイッシューですから、それをどうポジティ ブに向けるかという大きなビジョンを持ってやっていただきたいと思います。  そのほかによろしいでしょうか。それでは今後の予定について、お願いします。 (6)今後のスケジュールについて ○政策評価官  それでは最後でございますが、資料7をごらんいただければと思います。国立病院部 会の今後のスケジュールですけれども、具体的に御評価いただくのは来年度という形に なりますので、今年度の主な予定としましては、秋口に各委員からの御希望に応じまし て国立病院機構の現地視察をさせていただきたいと思っております。実際に年度評価を 行うに先立ちまして評価基準の細則、これを当部会はまだ定めておりませんので、その 細則、それから中期目標、中期計画等に沿った評価の視点、こういうものを3〜4月あ たりに作成していただいて、それに沿って法人の方で実績報告をこの部会に上げてもら いたいという流れで考えております。7〜8月は実際に評価を実施していただくわけで すけれども、恐らく3回とか4回ぐらいかかるのかもしれませんが、そういう形で御承 知おきいただければと思います。以上でございます。 3.閉会 ○黒川部会長  ありがとうございました。それでは今日の部会はこれで終了させていただきます。ほ んとにありがとうございました。                                     (了) 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電話 : 03−5253−1111(内線7784)