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平成16年5月21日

障害者の就労に関する今後の施策の方向性


 障害者の就労支援に関する省内検討会議(平成16年2月発足)においては、以下の方向で検討中

 基本的考え方

 ○  障害者基本計画(平成14年12月24日閣議決定)に基づき、「施設等から地域生活への移行」という大きな流れを支えていくことをはじめ、障害者が地域で自立した生活を支援していくことは、厚生労働省として極めて重要な政策課題。

 ○  この「障害者の地域生活の支援」を支える重要な柱の一つが「就労支援」であり、施設利用者や新たに養護学校を卒業する者、事故・疾病により障害状態になる者(中途障害者)等について、働く意欲と能力をもてるように支援するとともに、その働きたいという意欲と能力に応じて働けるようにしていくことが重要である。

 ○  このため、福祉部門と雇用部門の連続性を確保し、福祉的就労から 一般就労への移行を円滑に行えるようにするとともに、障害者が自らの職業生活を設計・選択し、キャリア形成を図ることを支援する。

 ○  このように、障害者が意欲と能力に応じて働けるという観点に立って、授産施設等の福祉施設の体系を、その果たしている機能に着目して見直し、(1)一般就労に向けた支援を行う類型、(2)企業での雇用が困難な者が一定の支援のもとで就労する類型、(3)就労が困難な者が日中活動を行う類型の3類型とする。

 ○  また、労働市場におけるミスマッチ解消、就職後のフォローアップ等による就労の安定・継続等の施策を強化するほか、離職した場合の再挑戦を可能とする施策の充実を図る。



新たな障害者の就労支援策の流れ

新たな障害者の就労支援策の流れの図



障害者の企業雇用に向けてのステップ

障害者の企業雇用に向けてのステップの図



福祉部門から一般就労への移行支援施策の確立



現行

(問題の所在)
盲、聾、養護学校高等部卒業者の進路 2割が就職、6割弱が施設・医療機関
授産施設から一般就労への移行率 1.0%
授産施設の工賃 1万8千円弱/人・月
(4万円以上6%、1万円未満55%)
現行の図

施策の方向

〈基本コンセプト〉
 一般雇用・在宅就労の支援の強化(送り出し施設のフォローなどの充実、離職した障害者が戻り、再挑戦ができる仕組み)
 働く場の拡大)
 雇用施策と連動した社会福祉施設の再編と機能強化、デイサービス(デイケア)事業等との役割分担の明確化)

 以上のような仕組みにより、障害者が安心して働けるようにするとともに、企業も安心して障害者を雇用できるようにする
施策の方向の図



障害者の就労支援に関する当面の方向(案)

1 福祉部門から一般就労への移行支援施策の確立
 (1)  就労移行支援タイプの施設から一般就労への移行を促進する ための抜本的な施策の強化・見直し
 (2)  就労移行支援タイプの施設の機能に応じた費用体系等の見直し
 (3)  就労が困難な者の日中活動の場(デイサービスタイプ)の確保

2 多様な雇用・就業機会の確保と能力開発の促進
 (1)  継続的就労タイプの施設の拡充による働く場の拡大
 (2)  精神障害者に対する雇用率制度の適用と支援策の拡充
 (3)  ITも活用した在宅就業による就業機会の拡大
 (4)  一般就労への移行に係る重度障害者対策の強化
 (5)  精神障害者社会適応訓練事業の見直し
 (6)  公共職業能力開発施設における障害者訓練の拡充
 (7)  多様なニーズに対応した委託訓練の実施

3 雇用と福祉を結ぶネットワークの整備
 (1)  地域資源の一層の連携による障害者が自らの職業生活を設計・選択するための支援の強化
 (2)  障害者就業・生活支援センターによる支援の強化
 (3)  就業に関する各種情報やノウハウの共有、共通に活用できる 評価手法の検討


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