(1) | 現状 二重就職者は、2つの事業場で働き、賃金を受け取っているものであるが、二重就職者が業務災害にあった場合には、業務災害の発生した事業場から支払われていた賃金をもとにして平均賃金が算定され、原則としてそれが保険給付の額の基礎となる給付基礎日額となる。通勤災害についても、現行制度で保護されるものは住居と就業の場所の往復に限定されるので、業務災害の場合と同様、当該通勤に係る事業場から支払われていた賃金をもとにして平均賃金が算定され、原則としてそれが給付基礎日額となる。 |
(2) | 論点 労災保険制度は、労働者が被災したことにより喪失した稼得能力を填補することを目的としているが、二重就職者が被災して労働不能になった場合に、実際には双方の事業場からの賃金で生計を立てていたとしても、労災保険からは片方の事業場の賃金に見合うものしか給付されないとすると、稼得能力の喪失が給付額に的確に反映されているとはいえないのではないか。
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※ | 上記の二重就職者に係る論点のほか、単身赴任者の赴任先住居及び帰省先住居間の移動を通勤災害保護制度の対象とすべきか等についても、論点として検討している。 |