04/04/23 第18回社会保障審議会児童部会議事録            第18回社会保障審議会児童部会 議事録 日時 :平成16年4月23日(金)10:00〜11:54 場所 :厚生労働省 専用第18・19・20会議室 出席者:岩男部会長、阿藤部会長代理、猪俣委員、遠藤委員、大日向委員、小笠原委員     服部委員、堀委員、前田委員、無藤委員、山縣委員、吉田委員、渡辺委員     伍藤雇用均等・児童家庭局長、北井審議官、中村総務課長、唐澤保育課長 議事 :1.開会     2.総合施設について     3.中央教育審議会初等中等教育分科会幼児教育部会との合同の検討について     4.その他     5.閉会 ○岩男部会長  定刻になりましたので、ただいまから第18回社会保障審議会児童部会を開催させてい ただきます。本日は、大変お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございま す。  まず、本日の委員の出席状況につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。 ○事務局  本日の出席委員の出席状況ですけれども、網野委員、柏女委員、津崎委員、松原委 員、山崎委員におかれましては御欠席でございます。なお、山縣委員が少し遅れるとい うことでございます。 ○岩男部会長  それでは議事に入ります。本日は総合施設について議論を深めてまいりたいと思いま すが、その前に事務局から、本日の進め方や提出されている資料について御説明があり ますので、事務局の方でよろしくお願いをいたします。 ○事務局  担当課長、ちょっと国会の方に出ておりますので、若干遅れますので、代わりに私、 西川が説明させていただきます。  本日は、総合施設につきまして、先生方に概ね1時間半程度御議論いただきたいと考 えております。  その前に、本日提出させていただいております資料につきまして御紹介させていただ きます。まず資料1でございます。これは社会福祉法人 全国社会福祉協議会 全国保 育協議会の方がこちらに意見書として提出いただいたものでございます。ポイントを簡 単に御説明させていただきますと、この点線で囲っている部分については概略というこ とで、この中では、ポイントといたしまして、4つ目の「○」にありますとおり、現行 の保育所制度というものは基本的に変えないということを前提として総合施設について 検討していくべきだということで、1.以下で具体的に御提案が述べられております。  まず1.の総合施設の位置付けでございますが、第三の選択肢ということで、保育所 と幼稚園のいわば中間的な施設類型ということで位置付けるべきだということでござい ます。  2.の総合施設の基本的機能・役割でございますが、基本的な機能を(1)から(3)のよ うに設定した上で、それ以外の部分については、地域の実情に応じて様々なオプション という形で組み合わせられるようにしてはどうかということで、弾力的な制度設計を御 提案されております。  1枚おめくりいただきまして3.になりますと、(6)で設置主体に関しましては、基 本的にはすべての設置主体、恐らくこれは株式会社、NPO、すべての設置主体につい て開放するべきだということでございます。  4.の(7)でございますが、いつでも必要な時に子どもを預けたり、気軽に相談・助 言・支援を受けたりすることができるよう、総合施設に利用の申込みができる、直接総 合施設の方に利用を申込むというような、市町村に申込むということではなくて、施設 の方に利用を申込むということでございます。  (8)利用料につきましては、市町村ごとに一律の利用料基準を設定するということ で、自由料金ということではなくて、少なくともその自治体の中では統一的な利用料金 を設定するべきである。そして所得や就労などに応じて利用者に補助する仕組みという ことで、公費の流れ方としては、供給者に対して流すのではなくて、利用者に対して補 助をするという仕組みを御提言されております。  5.の(9)でございますが、これは次世代育成支援の考え方に基づきまして、幅広 く費用負担についてはいろんな者が負担していく仕組みをするべきだということでござ います。  以上がポイントでございます。  次に資料2でございますが、これは、これまで1月以降、この総合施設に関しまし て、児童部会の委員の方々の御意見あるいは有識者の方々からのヒアリングを通じての 御意見がございましたので、これをそれぞれの検討事項ごとにまとめたものでございま す。 ○唐澤保育課長  国会で少し遅くなりまして申し訳ありません。  資料2は、これまでいろいろいただきました御意見を整理をしたものでございまし て、1つずつは御説明をさせていただきませんけれども、1ページ目は総論ということ で、全体的な御意見でございます。2ページ目は利用の方法でございますとか、例えば 利用の最初のところをご覧いただきますと、対象は親子にし、親と子が相互に利用でき る施設にすべきでありますとか、利用者の年齢、いろんな御意見をいただいておりま す。3ページに入りまして、基準、4ページ目に費用負担ということになりますが、こ このところは、きょう主に御議論をいただきたいと思っております。こちらの方は、追 って追加の御意見などもまだいただくことになると思いますので、全体として、いただ いた御意見を整理して、中をご覧いただけるような形にいたしたいと思っております。  次に資料3を少しご覧いただきたいと思いますが、前回の御議論の中にございまし て、いろいろな見方がございますけれども、何か少し手がかりになるようなものがない と、なかなか意見がうまく合わないのではないかということで、ちょっとイメージ例と してつくってみたものでございます。これが総合施設だということではございませんけ れども、少しイメージとして議論をする際の材料にしていただければということでござ いますが、ちょっとご覧いただきますと、中央の大きな矢印から左側の方は、現在の社 会構造、就業構造の変化ということで、これは子育てをめぐる環境の変化を書いたもの でございます。1つは、女性の社会進出、核家族化、地域社会の関係、少子化というよ うな現象を踏まえた仕事と子育ての両立の負担の増大、子育ての孤立化、ストレスとい うような問題、あるいは集団の中での子どもの体験の欠如というようないろいろな問題 ございまして、そういうような環境の変化の中から子育て支援サービスというものをき め細かな対応、様々なニーズが出てきているということでございます。仕事と子育ての 両立を可能とするような幼児教育・保育サービスというようなものでございますとか、 地域における子育ての支援、レスパイトケア、親育ちの支援。あるいは同年齢、異年齢 の子どもたちが共に育ち合うような機会の保障というような要請がございます。  そして真ん中から右側の方は、これがイメージ例になるわけでありますけれども、総 合施設というのは、子育て支援のサービスを総合的に提供するための1つの手法である ということでございます。それは地域の実情に応じて、それぞれの地域がいろいろ主体 的に設計をしていただければいいのではないかということでございまして、上段の方に ございますのは、今のいろんな資源を組み合わせて対応する場合、これは保育所があ り、幼稚園があり、つどいの広場でありますとか、地域子育て支援センターというもの をいろいろ組み合わせて対応していく。  そして下の方は、1つの方法として総合施設というものを活用して、いろいろなサー ビスのメニューを用意いたしまして、先ほどのようなニーズに応えていくというような ことで、ただ1つだけの方法ではないということで、ちょっとイメージの手がかりとし てつくらせていただいたものでございます。これが総合施設ということではなくて、御 議論の材料ということでございます。  以上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。それでは、ただいまから議論を開始したいと思います。資 料4をご覧ください。ただいま課長からもお話がございましたように、前回は総合施設 に係る主な検討事項の中で、1の総合施設の機能・サービス、2の利用、このあたりを 中心に議論をしていただきましたので、本日は3の総合施設の施設・人員・運営の基 準、4の費用負担の在り方、5のその他、ここを中心に、これまで、まだ十分に議論し てない点も含めてですけれども、御議論をいただきたいと思います。それでは、どうぞ 御自由に御発言をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。大日向 委員、お願いいたします。 ○大日向委員  前回はイメージがなかなかつかみづらいというような御意見も最後の方で出ました が、きょう資料3で図で示していただきまして、イメージがよくつかめたような思いが しております。これを見ながら、きょうはまず、設置主体・人員・運営基準について議 論するということだと思いますが、この総合施設というのは3つの機能が託されている わけですね。従来の保育所が持っているいわゆる保育機能と、幼稚園が持っている幼児 教育機能、そしていわゆる在宅家庭支援の子育て支援センター的機能。  そうしますと、一番大切なのは職員配置とか施設の設置基準をどこに合わせていくか ということだろうと思います。私は現行、子どもたちの置かれている環境が親の就労の 有無によって幼稚園・保育園と分かれていることは、そろそろ検討すべきときだという ふうに思っておりましたので、方向性としてはいいかなと思うのですが、この設置基準 をどちらに合わせるかということによって、この総合施設の在り方が、よくも、あるい はいろいろ問題を抱えることにもなろうかというふうに思うわけです。まず、保育所の 持っている設置基準、幼稚園の設置基準、それぞれ違うわけで、内容ごとにより高い方 に設置基準を合わせるということがとても大切だと思います。  それから、資格の点で言いますと、在宅家庭の場合、あるいは0歳、1歳、2歳、3 歳未満児の場合にはやはり保育士の資格というのはとても必要だと思っております。幼 稚園の資格だけでは到底できない点があろうかと思います。  それから、地域の子育て支援センター、これは保育所と幼稚園の設置基準と若干違う ものがありまして、私もこの地域子育て支援センターにかかわっておりますが、1つの 総合施設の中に必ずしもこれが入っている必要がないところも地域によってはあると思 います。非常にファジーな形で存在しうる面もありますので、子育て支援センター機能 の人員配置や設置基準というのはまた別途議論が必要かと思っております。以上です。 ○岩男部会長  ありがとうございました。ほかにいかがでございましょう。無藤委員、お願いいたし ます。 ○無藤委員  やはりイメージ例というのでしょうか、それで大分頭が整理されたのですけれども、 総合施設が必要なところで、「子育て支援サービスの提供」で「・」が3つあるわけで ありますけれども、全くそのとおりなのですが、もう少し踏み込みますと、1つは幼児 教育の側で考えてみたときに、従来、幼稚園でやっている通常の幼児教育を保育所でも 総合施設でもできるようにするのは当たり前というか、既に保育所でなさっているわけ で、そう特別なことではないと思うんですけれども、むしろ左側にあるような地域の同 年齢、異年齢の子どもの育ち合いとか、もっと根本的に言えば、少子化によって、地域 や家庭が大きく変貌してきたということがあって、つまり幼児教育の在り方自体中身が かなり拡大していくといいますか、あるいは高度化していくといいますか、多分そうい う必要があるのではないかと思います。  それは特に幼稚園で見ていると、1つは小学校とのかかわりの中で幼児教育の基盤を もっとしっかりしなければいけないのではないかということがありますし、従来以上に カリキュラム・指導法をもうちょっと充実させる必要がいろんな意味であるだろうと思 います。  それから、いわゆる満3歳児あるいはその前の満3歳直前の2歳児あたりも幼稚園あ るいは幼児教育として何かやっていくべきだという機運が相当出てきているように思い ます。以前に申し上げましたけれど、障害のあるお子さんが幼稚園にはかなり入ってき ているということもあるわけで、いろんな意味で幼児教育の充実・拡大ということが1 つは背景にあるのではないか。それは幼稚園でも保育園でも当然しなければいけないわ けですが、総合施設も当然、特に新しい制度としてはそこを意識した方がいいのではな いかというのは1つ思うわけです。  もう一つは、「親育ち支援」という表現があるわけでありまして、私はそのとおりだ と思うんですが、私自身は最近親育ちというよりはもっと具体的に、「育児力向上支援 」という言い方が例えばいいと思っているんですけれども、その方が親御さんに抵抗が ないという意味なので、「親育ち」と保護者の方に言うと、何というか、恐れ多いとい いますか、非常に発言しにくいときがあるので、もうちょっと具体的に子どもを育てる やり方というか、「育児力」という方が何か通じるように思いますけれども、ですから 子育て支援という場合に就労支援といいますか、仕事と子育ての両立という面と同時に 家庭や幼稚園の場合であっても、親御さんの育児力をいろんな意味で向上させることが 必要であろうと。今の親御さんたちは既に少子化時代の中で生まれ育ってきた人たちで すから、どうも人間関係的な面で弱さがあるのではないかと思います。  そういう意味では、左側の「・」で書いてあることを、さらに細かい文章にしたとき に、今のようなことを意識してお書きいただくといいなと思っております。以上です。 ○岩男部会長  ありがとうございました。ほかに、堀委員、お願いいたします。 ○堀委員  3の「総合施設の施設・人員・運営の基準」については、総合施設をどういう形にす るかによって決まってくると思います。考えられるのは2つで、残余型と総合型という ような形ですね。残余型というのは保育所と幼稚園でやってないことをやるという総合 施設です。2つ目の総合型というのは、幼稚園・保育所を含めた総合施設です。  どうもイメージ図はこの総合型であるような感じがするわけですが、総合型で保育所 もやれれば、幼稚園もやれるとなると、両方の基準、施設・人員・運営の基準を満たす 必要があるのではないかという感じがします。それから残余型であれば、必ずしも幼稚 園・保育所の基準に合わせずに自由に設計できる、そういうことになるのではないか。  費用負担の在り方も、そういう総合施設型と残余型では変わってくるのではないか、 そういうふうな感じがします。 ○岩男部会長  ありがとうございました。ほかに、吉田委員、お願いします。 ○吉田委員  基本的にそれぞれおっしゃったとおりだと思うんですけれども、3つの機能をただ足 しただけでいいのかというふうに私は思っていまして、それぞれで相乗効果を発揮でき るような視点というのを大事にして、そのための施設機能は何かと。逆にそこから、そ の機能を発揮するために必要な基準というのはどういうものかと、むしろそちらの発想 を大事にすべきではないかと思うんです。  その際に、もう一つは、既存の幼稚園・保育園がそれぞれ基準がございますので、そ の基準を経済財政諮問会議等は低い方の水準という視点があって、私もいかがなものか と思っていますが、単純に高い方の基準だけそれぞれとっていいかというと、これもそ う単純ではないのではないか。というか、むしろそれぞれの今までの基準自体がまだ必 ずしも高い方をとったとしても十分ではないものもありまして、保育所で言えば、0、 1歳は3対1、6対1ですけど、その次が20対1という職員配置で急にはね上がってし まう。それから、幼稚園は一応形の上では、3、4、5歳を問わずに35人ということ で、3歳児はそれはいくら何でも無理だろうと、実態として。  そうすると既存の基準自体が必ずしも十分でない部分がある。その検証をした上で、 かつ相乗効果を発揮できるような機能のための基準という視点を大事にしたいなという ふうに思うんですけれども。 ○小笠原委員  このイメージ図は、大よそ、保育界の考えと極めて近いイメージ図ではないかと思っ ています。  何といっても、子どもの最善の利益を保障することを根本理念におくことが大事かと 存じます。今まで、総合規制改革会議は職員配置基準を『幼稚園、保育園と比較して低 い方に』と、しきりにおっしゃっていますが、職員の労働条件が悪くなるような基準に なりますと、職員が育っていかない、定着していかないということになります。総合規 制改革会議は、コストの面や経済効率性みたいなことばかりで果たして、総合施設が継 続していくのであろうかと不安になります。安定した形を作って労働条件がぴたっと守 れる環境でないと、親にも子どもにも質のいい保育がフィードバックできなくなると信 じています。  したがいまして、今、吉田さんがおっしゃいましたように、職員配置につきまして は、確かに現状の保育所の配置基準より改善したものをすることに超したことはないの でしょうが、3歳以上児の保育でも35対1の線でやっていくことになりますと、施設自 体が機能しなくなるのではないかと心配します。  それから、無藤先生がおっしゃいましたように、親が他の子どもさんを見ながら育て ていけるという環境の整備をしっかりしておくことは大事だと感じます。子どもと親と を一緒にセットで考えるところも、総合施設の一番大きな役割ではないかと思います。  保育所では今、確かに一時保育でそのようなことを実践しておりますが、けっして、 一時保育は普遍的、一般的ではありませんで、保育所の中には、他の子どもさんが一時 保育を利用することで、入園されている子どもさんたちの保育に影響が出るという声も 保護者から聞かれるわけです。総合施設ではそういう意味も考えていただきたいと思い ます。 ○山縣委員  遅れて申し訳ありませんでした。3点だけ話をさせてください。1点は、先ほど大日 向先生からあったことなんですけれども、職員の資格に関して、追加する必要があるの ではないかと思っていますのが、親の子育て能力、親育ち、どちらでもいいのですけれ ども、というふうにかかわるときに、保育士の今までの研修とか実績だけでできるかと いうと、現場で出会った方々、支援センター等の職員に聞くと違うとおっしゃられるこ とが多いんですね。そういう意味で、今の、だからどちらかの資格を一本持っておられ れば、最低保育士を持っているという条件ではなかなか難しい部分があるのではない か。資格を新たにつくるというよりは、研修等補足することで何か充実すると、そうい う手だてを考える必要があるのではないかと思います。  2点目ですけれども、前回、私、1のところだけ話をして、全体の話できなかったの ですが、そのときにお話しをしようと思っていた点が、今書かれているこのイメージ図 でもそうなんですが、個々の事業が列記してありまして、これ自体は全く否定するつも りはないのですけれども……。 ○岩男部会長  これは1つの例示にすぎないという。 ○山縣委員  ええ。プラス、この総合施設に求められるのは、恐らくネットワークとかコーディネ ートの拠点ではないかと考えるんですね。それにふさわしい設備なりシステムが、でき たら図式の中にも十分に反映した方がいいのではないかと思います。  3点目は、先ほど堀委員が非常にユニークな整理をされて、残余型と総合型とそうい う整理、なるほどなと思ったのですが、思いつつも、私は残余型についてはやや否定的 です。といいますのが、残余型というのをつくると、結局幼稚園と保育所と全く別、全 くはちょっと言い過ぎですが、新たな機能を持った3番目の施設が完全に並列すること になるのではないかと考えますね。そうすると今の少子化の状況と地方分権化の状況を 考えたときに、もう少し将来の柔軟性を担保するためには、総合型というのを基本にし て、地域の選択の中で残余型という仕組みを導入することは可能であるというぐらいの 方が、基本の路線としては総合型の方が私はふさわしいのではないかなという感じで聞 かせていただきました。以上です。 ○岩男部会長  今の点、堀委員、何か御発言ございますか。 ○堀委員  地域的にニーズが違ってくるのかなと思います。例えば保育所・幼稚園が整備されて いる都会などでは残余型でもいい。しかし、幼稚園も保育所も2つある必要はないとい うような地方では、総合型が合うのかなと思います。総合施設に残余型と総合型があっ てもいいのではないかなと、そういうふうな感じを受けています。 ○岩男部会長  今、配ってくださっております資料は、保育所と幼稚園の比較というものでございま して……。 ○唐澤保育課長  すいません、いつも入っているのですけれども、今回抜けましたので、念のためお配 りしているだけでございます。 ○岩男部会長  大日向委員、資格について何か、先ほど先生の御意見とまた違うような御意見が出た ように思いましたけれども、いかがでございますか。 ○大日向委員  特に違うというのではなく、補足をしていただいたというふうに考えております。つ いでに発言させていただいてよろしゅうございますか。この総合施設の在り方といいま すのは、私は基本的に、今、山縣委員がおっしゃった方向がいいかなと思っています。 総合施設をつくるということは、社会全体、地域全体で子育て支援をするんですよとい うことが根幹にあるというように思います。そうしますと、ここで子育て支援に携わっ てくださる方々の資格ということも、従来の枠を超えていろんな意味で広い研修制度を つくっていく必要があろうかと思います。特に親育ち、育児力向上、支援ということに 関しては、地域のリソースを活用して、具体的には主任児童委員さん、NPOの方、そ の他、子育て支援の方々の力をどうやって結集してこちらに持っていくか。あるいは保 育士・幼稚園の先生方のスキルアップをどう図っていくかということに関して、新たな 研修制度のようなものを構築していく必要があろうかと思います。  それから先ほど吉田委員がおっしゃったことをうかがって、私、冒頭、高い方の基準 に合わせた方がいいと申しましたが、確かに言葉が足りなかったと思っております。た しかに、現行の高いのでも十分でないものがあるわけですから、そこを精査していく必 要性が非常にあるでしょう。そうなりますと、いかに財源というものを覚悟して確保す るということも今後の議論だと思いますが、費用負担も含めて、重い課題がかかってく るかなというふうに思っております。 ○岩男部会長  ありがとうございました。無藤委員、どうぞお願いいたします。 ○無藤委員  私、総合施設というものはもちろん柔軟に地域の事情でいろんなタイプが生まれてい いと思いますけれども、そもそも総合施設の必要性がこれだけ強く出てきたのは、従来 の幼児教育、乳幼児保育の枠におさまらない大きな社会的な変化があるからだと思うん ですね。それは一言で言えば、少子化ということだと思うんですけれども、そういう意 味では、乳児保育と幼児教育が分離するのではなくて、本当に総合する中でいろんなタ イプをつくらなければならないということになってきたと思うんですね。ですから総合 施設という形でそれをしっかりと形に出しながら、総合施設化しない幼稚園・保育所で もそれをある程度取り入れていただくというのがいいのではないかと思っているわけで す。  そういうふうに考えてみたときに、先ほど申し上げたことに加えると、1つ資格につ いては、もちろん従来議論されているような幼稚園・保育所の資格をベースにして、3 歳未満は保育所は不可欠であるとか、そういうようなことになるのだろうと思いますけ れども、既に議論がありますように、やはり従来、幼稚園あるいは保育所で働いていた 方々が経験していないような種類の仕事といいますか、課題がいろいろ入ってくるわけ で、そういう意味では、新しい研修とか、ゆくゆくはもしかしたら新しい資格も要るの かもしれませんが、それが1つ要るのではないか。  もう一つは、従来の基準、私よくわかりませんけれども、ある程度の経験年数の方も 働けるような基準というのですか、給与水準も含めてですけれども、必要ではないか。 つまり子どもをただ預かっていればいいという以上の様々なニーズ・目標が入ってきて いるわけですね。そうするとあまりデータを持って言っているわけでもないのですけれ ども、経験的に言うと、10年前後ぐらいは働いている方が半数以上いるというのが、健 全な施設の在り方かなという、健全というのも変な言い方ですけれども、信頼できると いいますか、そういう気がします。  そういうふうに見たときに、例えばほとんど新任の先生でいくとか、非常勤が大半で あるとか、一部の私立幼稚園などではやむを得ずそうなっているかもしれませんが、数 年で先生方がどんどん交代していくとか、あまりそれは好ましい事態でないと。それは ある場合にはしようがないでしょうけれども、少なくともある程度の経験年数の方が雇 えるような状況をぜひつくっていただきたいということを思います。  3番目は、これも既に出ておりますけれど、保育士や先生方だけでは手に負えない様 々なことが出てくるわけですので、地域のネットワークの活用とか、あるいは活用する ためのコーディネーターの機能をどう入れていくかという問題と、もう一つは、ソーシ ャルワーク、カウンセリング、障害児の教育、そういうことがかなりわかる専門家が外 部から関与して援助できるようなシステムであるとか、つまり全部の援助がその施設の 中で完結型としてとらえるだけではなくて、地域なり外部専門家を活用できるような何 か重要なシステムをつくっていかないと、到底ニーズに応じきれないのではないかと思 いました。 ○岩男部会長  ここで検討している総合施設が、ほかの施設、三立でいくわけですけれども、ほかの 施設にもプラスの波及効果が期待できるような、そういうものになればいいなと思いま すし、そういうものを目指して考えていくということだろうと思います。  2番目の、今、無藤委員が言われたことと若干関連するのですけれども、日本が非常 に急速に高齢化していて、地域にたくさん元気なお年寄りもいらっしゃることで、こう いう方たちにもいろいろと活躍していただかなければいけないと私考えておりますの で、その資格云々とは別に、ボランティアでそういう方たちもいろいろと手伝っていた だけるような開かれた施設というのでしょうか、何かそういうものも含めて考えていた だけるといいのではないかと思っております。  途中で余計なことを申し上げたかもしれませんけれども、どうぞ、堀委員、お願いし ます。 ○堀委員  イメージ図では、ヘルスという意味での保健機能がどうなるかよくわからない。子育 てについては、子どもの健康の問題も重要です。もちろん別な機関、例えば市町村保健 センターとか、そういったところもありますが、総合施設に保健師とか看護師とかを置 いて、子どもの健康相談に応じるといった機能を付加することも考えられます。全部の 総合施設にそのような機能をもたせるのでは無理だと思うのですが、そういう機能も付 加できるようにしたらどうかなというふうな感じを受けています。 ○渡辺委員  皆様方と同じ流れの意見だと思うのですけれども、特に3歳未満の乳幼児には一番安 心して、やはり楽しい日々をということだと思うんですけれども、その場合にそういう 思いはみんな持っているのですけれども、国の政策というのですか、国の姿勢として、 乳幼児の発達や幼児教育に関してはベストの、本物の専門家をちゃんと配置した、そう いうシステムにすべきだと思うんですね。北欧は多分そうだと思います。  それで、みんなが頭を悩めている問題は、例えば「健やか親子21」で既に数として 出ています産後うつ病の率、10人に1.34人、これは例えば7〜8人のお母さんの一人が 数か月間うつ状態になるわけで、それを見ているのは夫ではなくて子どもであって、敏 感な子どもは、そこから自然な自分の本来の発達が遂げられなくなる。萎縮したり、や けにおとなしくなったり、やけにギャンギャン泣いたりと。今、現在、保育園や幼稚園 に来ている子どもさんたちの現状がそうだと思うんですね。  ですから、先ほどどの先生もおっしゃっていると思いますけれども、保育現場を担当 する人たちの勉強の基盤をもう一度、現状のバージョンアップというのでしょうか、つ まり私どもの保育の現場や臨床の現場に来る親御さんたちはすごく苦しんでいて、人知 れぬ苦しみの中で、でも精いっぱい育児をしようとしている。だから、こういった社会 心理的な状況をよく勉強して、そして困難な事例にさりげなく乳幼児期で予防してしま おうという人たちが、全員である必要はないのですけれども、やはり主任さんとか園長 先生とかリーダーになっていくようなそういう拠点をつくっていく必要があると思うん ですね。そのことによって、例えば児童相談所がパンクしている状態を私は変えられる と思うんですね。児童相談所がパンクする前に、保育現場に状況をいち早く見抜ける、 そういった身体と心の発達のプロをちゃんと、若くて構わないと思うんですけれども、 若い方でも何でも、きちんとしたトレーニングを受けているチームワークの中で専門性 を発揮できる人を配置していく。  そういう意味で、私はかねてから思うのですけれども、保育園の保育士さんたちに最 大の教育、そして最大な社会的な保障と地位をちゃんと与えていかなければいけないと 思うんですね。それはバックとしては、それぞれの大学の乳幼児発達の研究の現場が、 それぞれ学生の研修の場としても使わせていただくかもしれないし、同時にスーパーバ イザーとしての役目を果たすし、それから、それぞれの精神保健や精神医療やソーシャ ルワークの専門家たちが、やはりそういう現場に応援していくしといったような、日本 の社会の最大のレベルの人間学をちゃんと乳幼児期の子どもたちが集まる場にさりげな く配置していくと、そういうことがすごく大事なのではないかと思うんですね。 ○岩男部会長  いかがでございましょう。山縣委員、どうぞ。 ○山縣委員  先ほど焦って飛ばしてしまいまして、ネットワークの話をしたのですが……。 ○岩男部会長  時間はたっぷりきょうはございますから、どうぞ。 ○山縣委員  ネットワークのところで、その次に言おうとしていたのを忘れておりまして、ネット ワークあるいはコーディネートの仕事というのは、従来の保育士さん、幼稚園教諭では なかなか難しい部分があると思いまして、そこの部分に、今、保育界では保育ソーシャ ルワーカーとか保育ソーシャルワークという言葉が非常に使われ、研修が進められてい るのですが、もう少し「保育」という言葉をストレートに使うと幼稚園の関係者の方々 は自分たちと関係ないと思われるかもしれませんので、そこを少し広げて、子育て支援 ソーシャルワーカーとか、そういった形の専門職を配置していくことがいいのではない かと。とりわけ福祉事務所を設置しない町村にも虐待の通告が、児童福祉法の改正で来 るようになってくるといったときに、町村で総合施設が当面期待されるという何となく 流れで出てきていますので、そうするとそういう福祉事務所がないところにソーシャル ワーカー、町村役場にはいませんから、それがこういう形で実現してくると。  入所施設の方でも、ファミリーソーシャルワーカーを厚生労働省の努力で配置される 状況が出てきております。その辺とリンクした1つの新しい研修資格のようなものでも つくっていく、そういう可能性を求めたらどうかなと思います。 ○渡辺委員  私も抽象的な言い方して申し訳ないです、ちょっと具体的に補足させていただきます と、例えば病院の耳鼻科病棟に赤ちゃんとお母さんが入院して、お母さんが子どもの 耳、鼻の問題があって、すごくイライラして虐待している場面があるとすると、例えば 私がポケットベルで呼ばれて、さりげなく、「こんにちは」と言って、さりげなくよも やま話をして、お母さんよく頑張っているわね、大変なのよね、ということを言ってい くだけでも虐待がそこで変な悪循環が食いとめられるわけですね。  それと同じように、例えばフランスのスラム街の保育園を私が見たときに感心したん ですけれども、ベテランの乳幼児期の専門家が、おんぼろ車で自分の持っている園5軒 ぐらいを次々と回って、「こんにちは」と言って、きょうは大丈夫、あのお母さん大丈 夫と言って、だめだったら、お母さん来ていたら、ちょっとおしゃべりしましょうか、 と言って、現場の保育の先生たちから情報を得て、あの園には今何例、虐待になるリス クの高いケースがあって、それは今うまく防げているとか、うまく防げないから、もう ちょっと応援しなければいけないとかということを常時、本当にさりげなくラウンドを しているというのですか、回診みたいに見ていて、そして事態が形として虐待にならな いようにしているシステムが特にスラム街に配置されているんですね。  やはりそういう形にしてあげないと、仮に立派な幼児虐待の受け皿があっても、一度 その体験をした人たちの後のトラウマとか、自己評価の低さとかということが、これか らまた新たな問題になりますし、ですから具体的なイメージとしては、普通の集団の中 に、実際に障害を持っている子どもとか、育てにくい子どもたちがこれからたくさん混 ざってくることはまず予測できると思います。  例えば生殖補助医療も、100人に1人が生殖補助医療で生まれているということは、 不妊治療でくたびれ果てているお母さんで、緊張しきっているお母さんの育児を受けて いる子どもがいるとか、ですから、そういう具体的に本当の頼りになる専門職と、一般 に集団を上手に育てていく人たちがコーディネートしているような、そういった内容の ものということを具体的に思っております。 ○岩男部会長  どうぞ、阿藤委員。 ○阿藤部会長代理  こういう具体的な制度については特に専門でもないので、御意見を聞いていて頭の整 理をしているのですが、私の最初に描いていた総合施設というのは、皆さんが前回、前 々回からお話があったように、幼稚園で例えばそういう保育機能を付加していくと。も う一方で、保育所に幼児教育機能を付加していくと、そういう2つの流れがあって、し かし、いろんな規制があってなかなか一体化するのは難しいというので、一種のモデル ケースとして、そういういろんな規制を取り払ってといいますか、そういった両方を兼 ね備えるような、まさにモデル的なものをあちこちにつくってみたらどうかと考えてい たのですが、きょう伺っていると、随分それよりもう少し質の高いといいますか、その 地域に総合施設ができると、それが地域のネットワーク拠点になるとか、あるいは調整 機能を持つとかと、ある種幼稚園と保育所の、言葉は悪いですけど、上に立つような、 そういうイメージの御議論が随分出ているのですが、私はそういうのをあまりイメージ していなかったものですから、そういうふうにちょっと今までのものとレベルが違うと いうか、上に立つような組織としてネットワーク拠点というような言葉を使われるのか どうか、その点をお伺いしたいと思ったんですけれども。 ○岩男部会長  つまり単に足し合わせではないという御意見がきちんと御説明があり、恐らく皆さん も同じようなお考えだと思うんですけど、吉田委員でしたかしら、そういうお話をして くださったのは。 ○吉田委員  補足をしますけれども、例えば保育所というのは児童福祉最低基準で、どちらかとい うとハード面を中心にした認可の事前規制だと私は思っているわけです。幼稚園の方は 幼稚園設置基準で、これまで基本的には同じ発想で、どちらも仕組みは最低基準という 発想なわけです。保育所の児童福祉最低基準も幼稚園の幼稚園設置基準も、いわゆる最 低基準という形で、認可を前提にした、きつい言葉で言えば事前規制の基準であるわけ ですけれども、今回の総合施設に当たってはかなり多様な機能を持つ。しかも総合施設 で全国どこであっても、コアとして共通する機能と、かなり過疎に近い子ども集団が形 成されにくい地域の総合施設と待機児童がかなりいる都市部では、恐らく総合施設とい ってもかなり違う部分もある。  そうするとコアの機能とオプションの機能と出てくると、これを最低基準という発想 で全部括れるかというと、私はこれは無理だろうと思っていまして、共通するコア機能 には最低基準に近い基準はあってもいいと思うんですけれども、それに付加していろい ろ地域事情に応じた多様な機能に対しては、最低基準という発想はなじみにくいのでは ないか。何か違う発想の基準、むしろ弾力的な運用ができるような基準を考えていかな いと、これを一律にやってしまうと、せっかくの総合施設機能が何か1つの型にはまっ た、違う意味で第三のコンクリートされたものになるのではないかと思うので、そうい う発想も大事にしてほしいなと思いますね。 ○阿藤部会長代理  問題提起の意味でお伺いしているのですけれども、ですからそういうものが、さらに ある地域の、どちらかというと保育所に特化しているもの、あるいは幼稚園に特化して いるものを何か束ねるような、あるいはネットワーク拠点というような言葉の意味は、 つまりそこが中心になっていろいろ情報を集めたり、情報を提供したりと、そういうふ うなファンクションも持つようなものとして想定されているのかどうか。 ○吉田委員  それはむしろ必要だと思います。今、申し上げた児童福祉最低基準も、幼稚園設置基 準も、それぞれの幼稚園・保育園の施設をベースとした基準で、あまり子育て支援機能 はもともと基準をつくったときに今ほど想定はしてなかったと思うんですよ。また、そ ういう最低基準的な発想が子育て支援機能に当てはまるかどうかもかなり微妙な問題で して、例えば、たまたまこの間、私、神奈川の中核市にちょっとかかわっていまして、 幼稚園の保護者にいろんな意識調査をしたら、幼稚園の子どもを持っている母親でも、 54%が親になる前に乳幼児にかかわった経験は全然なかったと。過半数の方がそういう 経験もなしに親になり、子育てをしていると。  そういう状況に対して、今まで以上の新しい子育て支援機能が必要だと思うのです が、それは多分今まで基準という発想では組み立ててなかったのではないか。むしろ新 しく何かこういう議論をしながら、そこに新しい光を当ててつくっていくしかないので はないかと思うんですけれども。 ○遠藤委員  私も恐らく基準の前に、先ほどコアとオプションというふうなことをおっしゃられま したけど、今回の総合施設とは何なのかというコアになる部分というのがやはり不明確 なのかなと思います。いわゆる育児力強化という子育て支援機能を持つことをコアとす るというふうに例えば置いたならば、それは現在の保育所であっても、もちろん幼稚園 であってもいろいろな既にオプションなさっていらっしゃいます。そういう意味で見ま すと、今後、現行の保育所・幼稚園に関しては、限りなく総合施設の方に将来収れんさ れていくように聞こえてしまう。そういう流れなのか、それとも子育て支援センター的 なところを特化した、そこにユニークさを出したものを総合施設というのか。しかし、 この間からヒアリングでかなり地域の特徴があるということはわかっておりますので、 保育所が幼児教育をやるのも総合施設というふうにすると、やはり将来的にはすべての 子どもに、就学前の子どもが住むところというのは、すべて総合施設という名の下にな ってしまうのかなというふうに感じたりもいたしますが、そのあたりはいかがなものな のでしょうか。 ○唐澤保育課長  難しくなると私の方にきちゃうのですが、先生のお話の点はとても大事な点なんで す。つまりわかりやすく申しますと、この新しくできる総合施設と保育園と幼稚園とい うものは、全国に群雄割拠として存在するのか。最初は存在するけれども、将来は世界 は統一されるのかとか、そういうような問題なんですよ。そういう見方の問題が1つあ るのと、もう一つは、この総合施設というものを検討して新しくスタートするときに、 それを決めておかなければいけないのかどうかということもあると思うんです。  と申しますのは、例えば、前田委員のご地元の横浜市のようなところはたくさん待機 児童の子どもさんがいらっしゃいまして、恐らく地方の過疎地のような状況になるに は、これは阿藤先生にちょっとお聞きした方がいいのですが、20年くらいかかるのでは ないかと思うんですね。人口の瞬間的な状況という点では、同じ時間に存在をしている のかどうかと、歴史的な点で。だから、その時点で必要とされているサービスが、箱も のの機能としては異なるという面があろうと思いますね。  ただし、本日の御議論の中で、どの先生方もございましたのは、建物がどういう役割 を担うかは別にして、今の時代の子どもたちには、機能として求められていることは共 通ではないかと。子育て支援とか、親になる前の経験であるとか、そういうものはオー ルジャパン・日本全体として何らかの今の時代に合った支援を必要としている。これは ファンクションの機能としての問題だと思います。それをどの施設が、あるいは施設だ けではなくて、ほかのサービスがどういう形で担っていくかは組み合わせがあるのでは ないかと私は思いますが、将来を1つにしないとどうも気持ち悪いという方も世界じゅ うには、この幼保一元化論議にはそういう議論がつきまとうのですが、そうする必要が あるのか、ないのか。それもスタートするときに、そういうことを決めなければいけな いのか、選んでいった結果として推移をしていけばいいのかという点だと思います。大 変本質的な御指摘だと思います。 ○岩男部会長  それから、今おっしゃったことに加えれば、20年先のニーズはわからないわけですよ ね。世の中がどう変わり、ニーズがどう変わっているか、当然求められる機能も変わっ てくるでしょうし、そこまでの予測は難しいと思います。 ○唐澤保育課長  阿藤先生に、大都市と地方とでは、子どもさんの時代的な違いでは、どのくらいの時 間的な離れがあるものなのでしょうか。 ○阿藤部会長代理  時間とも言えない部分がありますから、要は過疎地の方は、昔は若い人が表に出て、 今も若い人は出て行って、残った人が細々と子どもを産んで、しかし人口は全体として 減少していくと、そういう状況が変わることも考えにくいですよね。ですからそこは多 分そのままそういう状態が続くのだろうなと考えざるを得ませんね。  ところが、今、都会というのは、確かに一人当たりの出生率は低いのですけれども、 意外に若い人が集まっていますので、人口構造としては比較的若いわけですね。そうす ると、そういう自然増加率みたいなものは今むしろ農村よりも高いと。だから都市多産 のような状況がマクロとしてはあるわけですね。  そういうことがあって、まさに横浜市が象徴するように、特にそういう保育ニーズは 高いけれども、施設は不足しているといった状況が生まれているので、その辺が20年後 どうなるかということですけれども、もちろん日本全体が少子化があくまでもさらに続 けばという前提でいけば、そういう大都市自体もやがては人口減少に向かいますけれど も、しかし、それはかなり緩やかなテンポとも言えますよね。 ○小笠原委員  総合施設を保育所という立場から考えますと、保育所では「子育て機能」を社会化す るための努力を今日までしてきたわけです。  子育て支援でありますとか、地域社会に向かって園庭開放もしてきました。保護者の 方々には、子どもたちの生活や遊んでいる姿も目の当たりに見てもらい、少しでも子育 てのヒントになれば良いと取り組んでいる所もあります。  あるいは出産前の方であれば、保育所で赤ちゃんを見て、お母さんになるためのお役 に立てるようなことをしている所もあり、これは保育機能を社会化しているわけです。  しかし、保育現場というのは、先ほどからちょっと出ておりますが、規制というのが ありまして、行政監査では、『なぜ、他の子どもさんを一般の運営費でまかなうのか』 と、指導があったりしまして、「子育て機能」を社会化しようと思ってもできないとい う面があったんです。  日曜日に他の子どもさんの保育をすると、この子どもの電気代・水道代を運営費から 払うのはけしからんとか。  したがって、総合施設では、現状の幼稚園でも保育所でも困難なことをクリアするよ うな、はっきりとした形で表してほしいと思います。  それからもう一つは、保育所の仕事の中で、保育士資格者が子どもの処遇を保障する ことは当然のことなんですが、総合施設においては、ボランティアでありますとか、子 どものために役に立つ資格の方がお入りになってお手伝いするということが可能になる ことも考慮されていいのではないかと思います。  確かに現状では、最低基準以上に職員が配置されていて、プラスアルファの部分であ ったら資格にこだわる行政指導はないのですが…。  誤解のないように申しますと、保育士が不足しているからボランティアを入れると か、看護師さんに来てもらうという意味ではなく、子ども処遇を社会化していくかとい うことは、保育所でも幼稚園でもできなかったことなので、「機能社会化」と共に「処 遇社会化」というのも大事だと思うのです。たとえば、保健師が保育所を訪問し乳児保 育で助言指導する機会はなかなか少ないのです。保育所から呼びかけましても、近くに 保健所がありましても、近くて遠い関係にあるのです。お医者さんには健康診断で来て いただきますが、それでも年に2回程度です。  障害のあるお子さんがいれば手助けしてもらえるボランティアの人とか、保健師さん や、子育て助言の人をたくさん登録して、施設での保育処遇というものを社会化できれ ばと思います。  たくさんのお金がなければ運営できないという論理だけでスタートするのではなく て、あらゆる保育の専門の人たちが入って来れるように、システム化していく必要はあ ろうかと思います。国がお金がないのに総合施設を創るわけですから、「それを入れ ろ、これも入れろ」といったら、利用者負担どうなるのか、運営費は誰が負担するの か、になると思います。  財政の考え抜きでやれるようなお話ではないわけですから、処遇の社会化も必要と思 います。  さらにもう一つは、第三者評価による「保育の質を公開」と、経理は、法人の理事会 だけでなく評議員会も作り「財務諸表を公開」することになったこと、また保護者から の苦情は「苦情解決を公開」するという時代になってきました。  このことは、地域住民が施設運営に間接的に参加する、「運営の社会化」という時代 が来たといえましょう。  子育て支援というものが、単に絵にかいたような形でなく、地域と一緒になって協働 運営していくことが求められている時代になったということでしょう。繰り返します が、「保育機能の社会化」を求めていくということ共に、「処遇の社会化」も必要です し、「運営の社会化」もこの機会に検討されていくべきではないかと感じております。 ○無藤委員  総合施設というものがどういうニーズに対応するかというのがしばしば議論になって きたのですけれども、多少繰り返しなのですが、私、いろんな保育所・幼稚園回ってい て、簡単に言えば、2つのタイプの大きなニーズだろうと思うんですね。1つは、既に 出てきているように、地方の過疎地に典型的にあるような、幼稚園も保育所もあるけれ ど、それぞれが少人数で一緒にやりたいと。非常にわかりやすいニーズが一方にあるわ けです。  もう一方は、都会に多いタイプだと思いますけれども、中間的なニーズが 多くなってきた。つまりパートだの何だので、幼稚園でも預かり保育園に預ける人が増 えてきたとか、今のような土日でも何かいろんなことを園に依頼したいとか、幼稚園の 3歳未満でもサービスを求めるとか、逆に保育所でもかなり高度な幼児教育機能を期待 するようになってくるとか、いろいろ意味での中間ニーズが増えている場合があって、 そうすると従来の典型的な幼稚園と典型的な保育所で満たされている人たちとは違う層 が相当出てきているのではないかということなんですね。  ですから地域によって典型的な幼稚園と典型的な保育所でニーズがほとんど満たされ て、総合施設化する必要は全くないというところも当然あると思うんですが、総合施設 でかなり期待されるところもあるだろうと思うんです。ただ、現実には、特に大都会で 言えば、すべての施設を総合化するということをこの数年でやるべきだという根拠は何 もないので、従来の幼稚園・保育所で相当数はいけるのではないかと。ただ、一部今申 し上げたようなことがあって、そうするとその中間ニーズを満たそうと努力されている 保育所や幼稚園は相当に苦労されていると。行政から見ると、要らざるをことをやって いると、時には言われるような、今おっしゃったような問題があって、それはやはり公 認しながら、もうちょっとやりやすくしていくと。そのあたり、私は最低限総合施設と してはやってほしいなということなんです。 ○前田委員  お金の話をしてもいいでしょうか。 ○岩男部会長  先ほど大日向委員から非常に難しい問題という御指摘もあり、小笠原委員からも御発 言があって、まだ十分な議論してないので、そこをぜひと思っておりますので、どう ぞ。 ○前田委員  先生方に、今まで総合施設がどういう機能を果たすべきかというお話をいただいて、 実は私自身、一番下の子がまだ2歳ですので、待機児童なんですね。保育園へ入れてな いんですけれども、育休中はつどいの広場に行かせていただきましたし、横浜市は、い つもは虐待のおそれがある子の緊急一時保護が年度始めにはすいて、年度途中で満杯に なって何とかしのげるというのが実態なんですけれども、それが4月1日から満杯で、 児童福祉施設も児童福祉士が、ケースがこなせなくて満杯な状態ですので、渡辺先生が 言っておられたとおり、予防的な措置も力を入れなければいけません。また、無藤先生 が言われたように、横浜は、先般の委員会でベネッセの人がおっしゃったような、多様 な都会的なニーズをお持ちの方もおられるということ。プラス、こういう多様な子育 て、今までフォローしてこれなかった子育て支援をコーディネートする場所がどうして も必要ですので、つくっていきたいと思っています。けれども、一方では、私はお金の 計算もしないといけない人間なので、考えますと、こういうのもああいうことも付加し たいという夢は広がるのですが、まず1つ、財源をどうするかが大きな問題ですし、今 も横浜でも問題になっておりますのが、子育て支援の現場は、医療関係から保健所の健 診のお金が出て、いろんな子育て支援のお金は、こちらの保育課から来ますので、その コーディネートの書類をつくるのがすごく大変だと、そういう助成方法も実際にどうな るかということがあります。  ここは子育て支援に興味がある方ばかりおられますので、私もその高い基準を担わせ るべきで、それよりもむしろもっと高い基準を目指すべきではないかとも、子どもを持 つ親としては思うんですけれども、一方では、今、地方財政は非常に厳しいので、横浜 市のように突出して子育て関係の予算が増えていますとすごく反論も来ます。子育て支 援にお金をかけることが必ずしもいいと思っている人ばかりではございませんので、や はりこういうものも横浜などで、1つか2つつくるのなら、今の既存の枠組みで、お金 を何とか捻出してやっていくことができると思います。ですがここで高い基準をつくれ ば、既存の保育園・幼稚園の人たちも、自分たちはどうかとおっしゃるでしょうし、一 方では、今まで公的にケアしてなかった部分にお金を入れますと、じゃあ、これからも どんどんやっていくのかということになります。市の財政全体を考えますと、どこかを 削らなくては、子育て関係にお金はつぎ込めませんので、どこを削るかという熾烈な議 論が始まるわけです。本当に子どものためにこういう施設が必要だという議論が始まれ ば、一方で、お金をどうするかの議論もしていかないと、それも私の役割になっている わけですけれども、自治体の現場はやりきれないといいますか、1つか2つ本当にでき て、そこを利用できるラッキーな人には供給ができても、すべての子どもたちにはなか なか行き着けない状況があるということがございます。国と地方の負担の財源の在り方 ということもございますが、すべての子どもたちや親子支援として、本当に本格的に目 指していくなら、子どもに対するお金や財源の調達をどういう枠組みでしていくかとい う議論も、早急に始めなければいけない時期に来たということは皆さんに認識していた だく必要があると思います。  それから、子どもにはある程度お金を投下しなければならないということの理解を社 会的に広めていただく必要があるということ。それから、もう一つ、これは細かい議論 になるのですけれども、利用者の利用料負担の在り方なんですけれども、例えば総合施 設、幼稚園の枠組みで入る子と保育所の枠組みで入る子がおりますね。私もこういう施 設で親の就労状況で分断されない子どもを中心とした世界が広がることが必要だと思い ますが、実際のお金の支払う場面は、保育所は応能負担で幼稚園は応益負担ですので、 同じ子どもで保育料が違うとか、そういう話がきわどい形で始まりますので、財源をど うするかということと、利用者負担のルールをある程度整理しないと、本当にいいこと をするためにするんですけれども、それが新たな議論を巻き起こしてしまいます。ある 程度のルールや形はこの委員会で示していただきたいと思っています。 ○服部委員  前2回欠席をしておりましたので、「総合施設」という言葉を初めて聞くような新鮮 な思いで恐縮でございます。一人失速をしておりました。皆さんの御意見を伺いなが ら、いろいろ考えさせていただき、今のテーマのどういう人材が要るのかというような ことにちょっと戻させてください。  そのためには、どういう施設かということが当然必要でありまして、先生方のお話を 伺っていろいろ感ずるわけでございますが、私は総合施設が急に出てきた名前で、私が 間違いかもしれませんが、少子化によって非常に子どもの配置があるところではダブ り、あるところでは足らないという現象があること。それから女性の社会進出でいろん なタイプの働き方があるから、従来のようなフルタイムというようなことでは到底割り 切れないこと。それによって幼児保育と幼児教育それぞれが非常にご努力なさって、拡 大できるところまで拡大をしてきたがという歴史の中で、どちらかというと、1つにし ようというような動きがもう少し前にあったような気がしておりました、一元化とい う。  これはなかなか難しいだろうなと個人的に思いましたのは、それぞれ持っている文化 が長い歴史の中で、いいとか悪いとかではなくて、片方は教育、片方は保育、生活その 他、親が働きに行っている間の保育という大変重要な目的の下に蓄えてきた多くの遺産 といいましょうか、地域文化を持っている中で、いきなり1つというのは、これは大変 だろうと思いましたが、「総合施設」という言葉が出てきまして、ああ、なるほどなと 思って伺っていて、いまだに私はイメージがもう一つわかってはいないんですが、無藤 先生のおっしゃる地方型の全く過疎化しているから一緒にしてしまうと、一緒になると いう希望があるでしょうし、都会はまたそうはいかない。ニーズも違うでしょうし、堀 委員がおっしゃいましたような残余型とか総合型いろいろあるのだろうと思います。  まえおきが長くて恐縮ですが、課長さんおっしゃいますように、とりあえずこうして しまうでなく、今ニーズでこういう形になってきたのだろうということを考えますとき に、ある意味では、総合施設ができるということをポジティブに考えますと、就学前の 人生の6年間を家庭にいる、在宅で専業母に育てられている人も、働きに行っている人 も、あるいは教育を望んで幼稚園にやっていく人も、ある意味では就学前のすべての人 がここにつどい合えると、初めての日本での経験かなというふうにポジティブにとらえ てみたいなと1つ思います。  そうなりますときに、総合施設の人員がどのような力を要求されるかといいますと、 私はまず1つは、すべての人が就学前の人間の発達として何が必要なのかという一貫性 のある連続性のある、保育ではこうしたい、教育ではこうしたではなくて、そういうも のを全部超えて、人間として乳児期は何か、幼児期は何かということについての深い教 養を、研修も含めてですが、すべての職員がまず基本的に持つべきだと思うんですね。 保育士の方も幼稚園の方も。教育だとか保育といわず人間というものの基本的な人格形 成についての深い理解、これがまず第1の私は必要と思われるものです。  私は思春期屋ですから、思春期に子どもに出会いますが、この基礎ができていません と、思春期を乗り越えられませんので、これを強く要望し、むしろすべての立場の人も 共通の地平に立って、人間の発達ということを考えられる初めての機会が来たのかな と、ポジティブにとらえたらいかがなものかというのが第1です。  第2は、これは各論になります。0歳、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳と6年 あり、もっと細かく月でも分けられるわけですが、子どもの育ちというもので、より重 点を置かねばならぬものが年齢によって違います。だから保育が0歳からしていたから 全部できるのでなく、教育が3歳からしかわからなかったじゃないので、0歳から6歳 までの重点の置き方を考えますときに、私の個人的経験で恐縮ですが、旧ソ連で三十数 年前に、私は2人の子どもを0歳から上の子は5歳まで育てました。旧ソ連のやり方と いうのは大変ユニークで、今そういうところもあると思いますが、3歳までは厚生省の 管轄下で、ヘッドは医者ないしは医療関係者です。3歳までは非常に脆弱さもあり、心 身共にまず生活を通して子どもが豊かな日々を暮らすという生活中心の健康、先ほどヘ ルスという言葉がありましたが、3歳まではというふうにソ連は考えていました。検便 から何から全部面倒見てくれまして、食事のことから日々の生活習慣についても専門家 たちが見ておりました。 そして3歳から7歳までが幼児教育で、これは教育省・文部 省の管轄下です。幼児教育と考えていたわけです。日本に似ているようで似て非なるも のは、年齢によって分けていた。目的が違うということです。ソ連に関しましては、初 等教育というのは3歳から7歳までを言い、いわゆる7歳から17歳までを中等教育と日 本の小・中・高全部一括した中等教育、そして高等教育という表現をしておりまして、 教育ということが、3歳から非常に深く始まるという感覚で配置をそのように考えてい ました。  私は今回1つの施設になるときに、ソ連式がいいとか悪いとかではないんですが、な るほどなと。重点の置き方は、0歳ほど全人的なかかわりが必要であり、しかも心身の 非常に安定した持続的な本当に守られた環境づくりがいるわけですね。ですから、そう いう0歳児、人員の配置も機械的に考えず、あるいは専門性も機械的に考えず、0歳や 1歳、2歳の非常に幼弱なときには、むしろ各論的に言いますれば、非常にヘルス、心 身の健康をベースにした全人的な支援ということ、これは子育て支援に相談に来られる 方にも、0歳から3歳あたりまではそれが中心になるべきで、3歳から5歳までは知的 な伸び上がりがありまして、好奇心や興味をいかに育てるか、学校教育の小型では決し てありません。本当に子どもの内発性の知的関心をどのように育て、育成するのかとい うのは、恐らく幼稚園で相当培ってこられたものもあると思いますから、むしろそれが 各論的に言えば、年齢的に発達段階的に言えば、それが重要という、だから、恐縮です が、もう一度申しますが、基本的な全員が持つべきのは連続性、一貫した人間の発達と いう知識。  そして、入ってくる子どもに対する人員配置や専門性のより味つけをする際に、それ ぞれの発達年齢に最も必要な専門性をよりアクセントをつけながら考えるという発達年 齢的な考え方と、その総論と各論の合わせる中で、何か考えていただくと、初めての、 日本である意味で、厚労省と文科省の枠がとれて、就学前というところで全員が参加す る、日本の初めての経験かなと思いますので、うっかりしますと、ばらばらになる。で もポジティブに考えれば、6歳までを本当に人間としてどう育てるかということを確実 に考えたベースをつくっていただくとしたら、私はこの総合施設が、ある意味で、今後 これに収れんされるのかどうかわかりませんが、よい形であれば、そういうふうな方向 性も出てくるかなと思いまして、ポジティブなむしろ理念を持った専門性、子どもの育 ちをどのように考えるかということを高らかに打ち出していただけたらいいのかなとい うふうに思いました。○堀委員  今のお話の中で、多様な機能を付加するという御意見がある一方で、前田委員がおっ しゃるように、財政の制約があって、どこまで理想的な施設ができるかわかりません。 ただ、このイメージ図を見ると、どうも今まで幼稚園・保育所がやっていたものばかり で、違うのは地域における子育て支援と親育ち支援だけという印象を受けます。付加的 な機能は非常に貧弱だという感じがするわけですが、そこはお金との関係もあるのだと 思います。そこで、どこまで付加的機能を加えることができるのか、事務局にお伺いし たい。私が児童部会の第1回目か、第2回目に言ったように、ニーズを中心に考える必 要がある。そうした場合、ニーズとしては、遊び場がないとか、友達がいないというニ ーズに対し、現在では例えばつどいの広場だとか、児童館とか、そういったところで現 在は対応しています。これらのニーズを満たすことを付加的な機能として総合施設に付 け加えることが可能なのかどうかを、お聞きしたい。  もう一つは、学童保育との関連で、総合施設は就学前の児童だけを対象にするのか。 放課後児童健全育成事業は、まさに教育サイドと児童福祉サイドがからみ、これまでは 主としては教育サイドでやっていると思いますが、そこまでも総合施設の機能に含めて 考えるのか。そういった問題があると思うのですが、それはどう考えているのでしょう か。 ○唐澤保育課長  これは堀委員のお話のように、ちょっと図がよくなかったんです。すいません。もっ とここに、これからの時代に要請されるサービスが必要なものはあるのだと思うんです ね。それは必須にするかどうかというのは別の議論ですので、ただ、そういうものをや れるような枠組みというものは必要だと思いますし、それから、今、お話の小学校に就 学した後の子どもさんのケア、これは放課後児童ですとか、学童保育とかいろんな形で やられておりますけれども、そういうものは、今の時代でどういうふうにやっていくべ きかと。子どもが小学校1年生になったら、いきなり夕方から自立して生活できるわけ ではありませんので、そういうようなサービスや役割もやれるようにしておくことはい いのではないかという御議論は大いにしていただきたい。  ちょっとこの図が、今やっていることしか書いてないのではないかという御議論、も うちょっと夢があるようにすべきだという御議論は確かにそのとおりだと思います。図 をもう少し美しくしたいと思っております。すいません。 ○岩男部会長  色だけではなくて、実質的に美しくしてください。 ○唐澤保育課長  大分美しくしたのですが……。 ○堀委員  私が児童部会で最初に言ったのは、屋上屋を架すようなものではなくてという、そう いうことです。 ○岩男部会長  この費用負担の在り方についてももう少し議論をする必要があると思うんですけれど も、どなたか御意見ございましたら、御発言をいただきたいと思います。 ○小笠原委員  費用負担につきましては、全国保育協議会から提案されていますように、基本的に は、すべての親、在宅の子どもさんを含めて保育・教育するわけですから、「直接利用 申込み制度」にして、応益負担を原則にした方がよろしいかと思います。  メリットとしては、施設を利用したい人の手続が簡素化になるということ。本人負担 することによって、意見もちゃんと言えるということ。しかし、利用者負担だけで運営 できる面と運営できない部分もあると思います。  利用者の中には、生活に苦しい方もいらっしゃいますので、そういう方たちの援助も しなければならないでしょう。運営費を市町村だけで負担することは到底無理ですの で、「次世代育成支援」の資料に出ていますように、国全体・国民全体で等しく負担し ていくような仕組みが構築できないものかなと思います。  以前、「次世代育成支援」の資料に出ておりましたように、保険制度みたいなものを 創り、企業も施設が増えれば育休制度を含めて労働力の確保等でメリットや恩恵がある わけですので、少し負担をしていただくということはいかがかと。  それから、前田委員がおっしゃいました『施設の整備を進めるだけで果たしていいの か』ということですが、施設を造れば造るほど、言葉は悪いのですが、利用者の権利意 識がどんどん高まってくる恐れが出るのでは、と危惧します。『隣の人が利用できて、 なぜ私は入れないのだ』という論議は必ず都市部で出てくると思います。その調整がま た、市町村は苦しいところになってくると思いますので、利用の際のプライオリティー といいますか、そういう基準も作っておくことが大事かと。高齢福祉のようなサービス 利用を援助するケアーマネジメントみたいな仕組みを構築しておくと、地方も少しは気 力が上がるのではないかと、こういう思いでございます。 ○堀委員  財源の問題は、政府の力にかかってくるという感じしかないのですが、新たな財源を どう確保するかが最重要課題です。税財源には限界がありますので、新たに社会保険の システムをつくるとか、企業が負担している児童手当の拠出金を拡大して財源を確保す るとか、そういった意見もありますが、それは我々のような委員が議論できるような問 題ではない。 しかし、議論できるのはいくつかあり、例えば国と地方の役割をどうするかという問題 があります。子どもの生活というのか、育成にかかわるものは、原則としては地方が負 担するということではないかと思います。これは地方分権とか三位一体改革とかが主張 されている現在で、そういうふうにいえるのではないかと思います。ただ、子どもの健 全育成というのは国の将来にかかわる問題で、次世代育成支援は国家戦略として推進す る必要があるというふうに考えると、国も何らかの負担をしていく必要があるのではな いかと私は考えています。  それから、利用者負担ですが、大変難しい問題です。次世代育成支援の一環という形 で、できるだけ低額でサービスを提供する、そういう考え方もあると思います。ただ、 利用者負担の反面は公費負担ということです。公費負担をするには何らかの公益的な理 由が必要です。他方、あまり利用者負担が高いとサービスを受けない人たちが出て来 て、制度をつくる意味がなくなる。そういうことも考慮する必要があるのではないかと 思います。  保育所と幼稚園は、それぞれの財源なり、あるいは費用負担について今の形を続けて いくか、もう少し変えていくのかという問題があります。それとは別に、保育所・幼稚 園では行ってないサービスについて、これからどう利用者負担を考えていくか、そうい う問題もあるのではないか。具体的な額とかそういうことまでは我々が判断できるよう な問題ではないと思うのですが、一応そういった整理は可能かなと思います。 ○吉田委員  私、2つお話をしたいのですか、1つは、利用者側の費用負担の問題は、単純に言え ば、保育所というのは、応能負担を原則にしながら、やや応益的な要素を入れてきてい る。一方で、幼稚園は応益負担を原則にして、就園奨励費の補助金のような応能負担の 要素も少し入れてきている。今回の総合施設は、今までいろいろ御議論あったように、 基本的には応能負担を原則としながらも、しかし、かつそこにある種の所得等も考え た、就園奨励費がいいかどうか別として何らかの応益負担要素も当然入れるべきだろう と思います。  それから、費用負担と財源の方は、堀先生おっしゃったとおり、大き な部分は、これはいかんともしがたいので、それこそ育児保険とか児童年金ができれば またいいのでしょうけれども、ただ、今いろんな分野にまたがって、医療分野も何らか の、例えば出産祝金を出すとか、あるいは雇用の分野も育児休業等の分を出すとか、福 祉も教育もということで、かなりその辺自体も縦割り的な部分がありますので、何かこ れは1つ総合的な視点で組み替えられないかと同時に、お金の問題だけではなくて、地 方自治体においても、ある種の総合行政化という中で、総合施設の運用を財政の面でも トータルに考えていかないと、小出しに幼稚園も保育園もそれぞれに違う所轄で似たよ うな事業を重複してやっているとか、実態としてあるわけですから、地方行政も行政体 制と同時に、地方行政の財政運用も何か総合的なことができるか、その辺少し考えた方 がいいのではないかと思います。 ○山縣委員  その他の基盤整備の在り方と、既存制度との関係もからめて費用負担のことを少し意 見を言いたいのですが、1点目は、今、保育所でほぼ200万強の子どもたちの利用がで きていますね。さらに今後もう少し進むだろうと。幼稚園は百七十数万だったと思いま すけれども、定員割れが続いてありますから、恐らく200万程度の実際の受け皿は枠と してあるのではないか。200万以上あるかもしれません。プラス小学校が恐らく割れて きておりますので、地域の偏りを無視して考えますと、これから出生数100万時代が10 年以内に来るとしたら、就学前人口600万と。ほぼ既存のものをうまく組み合わせるこ とによって、大きな基盤投資、改修とか当然要ると思いますけれども、膨大な投資は必 要はないのではないかというふうに考えるんですね。1つはそういうことで、財源も全 く新しいものを全部想定する必要はないのではないかと考えています。  2点目は、とりわけ保育所との関係になるのですけれども、待機児童等もありまし て、そこの解消をしないといけないわけですが、前回申しましたように、私は待機児対 策をメインにするというのは必ずしも賛成ではありません。この総合施設においても、 いろんな議論の中で、団体等の御意見の中で、「保育に欠ける」子どもたちをターゲッ トにしっかり入れるべきだというふうに書いてありますけれども、私は「保育に欠ける 」子どもたちも当然利用できる施設であって、「保育に欠ける」子どもたちのための施 設にする必要はないのではないかと。地域で親子が一緒に育っていくことを目的とする 施設で、その中には、当然「保育に欠ける」状況にあっても申込むことができるのです よと、そういった方向で考えて、基本は、先ほどの小笠原委員からもありましたよう に、直接契約で利用者が主体的に選択をするというスタイルが望ましいのではないかと 思います。  3点目、最後になりますけれども、費用負担の方ですが、これも吉田委員、小笠原委 員と共通の意見を持っています。基本は応益の原則で、何らかの利用者補助という給付 を設けると、それが新しい仕組みにはふさわしいのではないかと感じています。 ○猪俣委員  私は既存の制度をどう活用するかというところに一番関心があります。今、山縣委員 がおっしゃいましたように、既に保育所が果たしている役割の中に、相当たくさんのサ ービスを抱えて苦労しています。ただ、量的にも質的にもキャパシティーを超えている 場合が多いように思います。先ほど先生方からもご意見がありましたように、専門性の 点でも、不備な状況の中で努力しながらやっています。そこで、総合施設の論議の中で は、こうした状態を改善し得る策を、と願っています。  総合施設として国が一定のモデル的形を示すことは必要だと思いますが、それを地域 や事業者の実情に応じて、アレンジすることができる仕組みが大事だと思います。  既存の保育所、幼稚園などいろいろなところを活用できる、いわゆる「保育所活用型 総合施設」のようなものを望んでいます。現行の保育所のサービス内容を分解して、保 育所本来の事業とそれに付随するサービス、付加するサービス、更に選択的サービスな どと、サービス内容別に整理してみる必要があると感じています。そして、個々のサー ビス事業ごとに、責任者・経営、負担者、事業内容の条件等々を示し、そのサービスを 事業者が主体的に選択していく仕組みをとも思います。総合施設は、実態に応じて応用 しやすい概念図と、一定の建物を想定した図と二通りあるとよいと思います。 ○岩男部会長  既存の施設の活用ということでは、保育所と幼稚園に限りませんで、統廃合されてい く小学校なども利用の対象として可能だと私は思っています。 ○猪俣委員  そうですね。放課後児童もやっていますし、NPOもありますし、認可外もあります ので、その地域が、次世代育成支援の活動の中で、それをどう取り込んでいくかだと思 います。どうしても教育委員会系に流れるお話が多いのですけれども、そこも縦割りで はなくて総合的にとらえていただけたらと思います。 ○大日向委員  財源の問題ですが、まず1つは、社会保障給付金が高齢者が68%と子どもが3.5%、 このアンバランスをこのまま認めた上で、限られたパイの中で費用負担を考えるのか、 私ども委員が言えることには限界があろうかと思いますが、そのあたりの財源の問題を もう少し子どもの方に移していただくということを前提として考えるかということがま ず1つあろうかと思います。  それから、2つ目は、基本的に公費から支払えるものと、利用者が支払うべきものの バランスをどう考えていくか。そこにどういう一定基準を設けていくかということも考 えていかなくてはならないと思います。  それと関連して、先ほど利用者が直接入所契約がいいだろうと、そういう御提案があ りまして、私も総合施設に関してはそういう自由な入所を可能とする余地が増えていく ことは望ましいだろうと思います。ただ、しかし一方で「保育に欠ける」という「欠け る」定義が今非常に広くなっておりまして、家庭の養育力の低下とか親が子育てにあた ってのいろんな困難な問題を抱えている実態もありますので、すべての子どもたちが 「保育に欠ける」という観点で、この問題を考えていかなくてはならないだろうと思い ます。  そうしますと、やはり入所決定の基準というのは、定員内の一定部分に関しては、あ る程度要保育認定を公的なものが基準を示し、優先度の判定を示していくということも なくなってはならないだろうと思います。そのほかの余った部分についての配分はいろ いろ地域によって違うとは思うんですが。いきなり全部入所自由な直接契約というの は、まだ地域によって、あるいは事情によっては問題を残すかなということは考えま す。 ○岩男部会長  ただいま大日向委員から御指摘がありました社会保障費のアンバランスの点につきま しては、社会保障審議会でも私も申しましたし、ほかの委員からもセカンドがあったの ですが、考えてみると、ある意味では言いっぱなしでしかすぎなかったなと今思ってお ります。総合施設のような新しいものができたときに、それがきっかけとなって、少し 変わるような方向にいけばいいなと、今、改めて思っているところでございます。どな たかほかに御意見ございましたら、あと少し5〜6分時間がございますので。  本日、主として、3、4、5のあたりを御議論いただいたわけですけれども、前回、 議論いたしました1、あるいは2の点につきましても、もし何か補足的な御意見がござ いましたら、どうぞ、御発言いただきたいと思います。  「利用できる者の範囲」というところで、事務局の方で整理をして、これまでの意 見、この部会での意見、それからヒアリングで有識者から伺った意見を整理してくださ っておりますけれども、若干、有識者の御意見と違うといいますか、有識者の中にはか なり年齢を限って利用者を限定をするというような御意見であったかのように記憶をし ておりますけれども、たしかそういう整理になっていたのではないかと思いますが。 ○唐澤保育課長  そういう御意見もあったということでございます。これは並びでありますので、正反 対のものが並んでいたりいたしますけれども、そういう御意見もあったということでご ざいます。 ○岩男部会長  この部会では、どちらかというと、未就学者全員という御意見であったかのように思 っております。よろしゅうございますか。特に御意見がなければ、どうぞ、山縣委員。 ○山縣委員  補足的になるのですけれども、先ほど直接契約の話で少し誤解があったようなのです が、大日向先生がおっしゃるとおりで、私は待機児がある地域とか、適切な子育て環境 のない家庭の者に対する配慮は当然一定必要ではないかと考えます。  それから、もう一点、ほとんど今まで議論になっているような、なってないような感 じがしているのが、学校法人さんの幼稚園、私立幼稚園について、この総合施設は私は 恐らく市町村ベースで考えていくことになると思いますので、そうしたときに、市町村 がこの協議をされるときに、ついつい公私の保育所と公立の幼稚園を視野にしてしまっ て、直接関係がない、都道府県としか結びついていない学校法人に対する情報提供とか 理解が遅れる可能性があるのではないか。その辺の仕組みといいますか、やはり子ども たちを一緒に守ってきた4つの大きなグループ、これが一緒になって、今後考えていけ るような配慮は当然すべきではないか。学校法人だけが遅れていくようなスタイルは必 ずしも好ましくないというふうに考えます。 ○岩男部会長  私の記憶では、設置できる主体の中に株式会社も認めてほしいと、そういう御意見が あったように思いますので、今の御意見にちょっと加えておきます。堀委員、どうぞ。 ○堀委員  施設整備費の問題ですが、これは、かねてからの懸案だと思うのですが、この問題 は、規制改革会議で問題になっていると思うんですが、従来は社会福祉法人しか認めな いと。ここもこの施設をつくる際には、社会福祉法人がつくる場合には税制的に補助が あって、それに合わないと、そういうふうな形になるとしたら、少し問題かなと、そう いう点だけ指摘しておきます。 ○山縣委員  今の話で思い出しました。過疎地で、学校法人でも社会福祉法人でも全く共通なんで すけれども、1法人1施設のところが総合施設の転換を図るということをされた場合 に、今の現行制度では、総合施設をどう位置付けるかによって、福祉事業でもないし、 教育事業でもないということは、場合によっては、本来の法人目的の事業を全く持たな い組織をつくってしまうことになる。そこに対する経営の配慮ですね。いわゆる福祉事 業をやっていない社会福祉法人が存立できるのかどうか、教育事業をやってない学校法 人が存立できるのかどうか、そこのところが、現場の方々とお会いをしていて、特に経 営者の方々とお会いをしていて大きな関心になっておるということ。私はどうすべき か、ちょっと今答えは持ってないのですが、そういう大きな話題がありますということ だけをお話しておきます。 ○唐澤保育課長  それはまた御議論をいただきます。ちょっと技術的なお話になりますけれども、基本 的には総合施設になっても、今、流れたところがあっても、今やっている事業を中心に 新しいものをつけ加えて少し始められますので、既存の事業が全然なくなったまま法人 の事業が空になるというわけにはまいりませんので、それはきちんとした仕組みを考え なければいかんとは思っております。 ○岩男部会長  よろしゅうございますか。  それでは、大体時間がまいりましたので、議論をここまでにさせていただきたいと思 います。何か事務局の方で、今後の総合施設の議論の進め方について御説明ございまし たら、お願いいたします。 ○唐澤保育課長  それでは、私から御相談をさせていただきます。まず1つは、きょういろいろの御意 見をいただきましたけれども、何といっても範囲が広いし、イメージもかなり広いお話 でございますので、追加の御意見がございましたら、私どもの方にファックスでもメー ルでも構いませんので御指示をいただければと思います。よろしくお願いいたします。  それから、今後の部会の、きょうひとわたりの1回目の御議論をいただきましたけれ ども、以前にお話をさせていただきました文部科学省の幼児教育部会との合同の検討に ついてちょっと御相談をさせていただきたいと思います。この合同の検討の場とござい ますけれども、大体連休を明けたら、そういうものを設置して始めたいということを以 前お話させていただきましたけれども、ちょっと部会長とも御相談をさせていただきま した。そういうことで、今、私ども文部科学省の方とも事務局的にお話をさせていただ いているベースで、それぞれの部会から、まず人数でございますけれども、7名ずつ委 員の方に合同の検討の場に入っていただきまして、両方足すと13〜14名ではないかと思 いますが、そういう形の規模にしてはどうかということが1つでございます。  それから、どのくらい開催をするかということでございますけれども、1回目は5月 の中旬、連休明けにまず開かせていただきまして、7月に中・下旬ころまで、このころ には何か中間的なものが必要ではないかということをお話をさせていただきましたけれ ども、そのくらいまで3回ないし4回程度、これは始める前の見通しでございますの で、多少増えたり、減ったりすることがあるかもしれませんけれども、1つの見通しと して3〜4回程度開催をさせていただくようにしてはどうかということが2番目でござ います。  それから、3つ目は、どんなことを御議論をいただくかということでございますけれ ども、これはまずそれぞれの部会で、これまで御議論をいただきましたので、その御意 見を持ち寄って、そして御意見の交換をしていただきたいと、こういうふうに思ってお ります。  そういうことで、きょういろんな意見表ということでちょっとご覧いただきましたけ れども、本日もたくさん御意見をいただきました。これを加えさせていただきまして、 この1回目の合同の検討の場に提出をさせていただきたいと思っております。何分新し いものですので、私どもの意見の要約が不適切な、十分適切でない場合もあると思いま すので、整理表の方は、先生方にまたご覧をいただいて、確認をいただきましたものを 提出をさせていただきたいと、こういうふうに思っております。これが3つ目でござい ます。  最後の4つ目でございますが、この合同の検討の場を設置したら、この部会はどうな りますかと、こういうことがあると思いますが、合同の場は合同の場でそれぞれの御意 見をしていただきまして、こちらの部会は、これまでどおり、開催をさせていただくよ うな形にさせていただきまして、この合同の場でどういう議論があったかとか、資料が どういうものを提出されたかは、それぞれの委員の先生方にも随時御報告あるいは資料 についてはお送りをさせていただきたいと、こういうふうに考えているところでござい ます。  それから、幼児教育部会の方の審議状況でございますが、資料6という1枚の紙がご ざいますので、ちょっとご覧をいただきたいと思いますが、2月2日から総合施設の在 り方について検討を始めておられまして、これまで6回の部会を開催をされているとこ ろでございます。こちらの方と併せて、この合同の検討の場で御議論をいただきたいと 思っております。  以上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。それでは、人選及び提出資料のまとめであるとか、合同の 検討会の進め方の詳細につきましては、私と事務局で調整をさせていただいて進めたい と思いますので、御一任いただけますでしょうか。よろしくお願いをいたします。  それでは、最後にその他の資料、次回以降の日程につきまして、事務局から御説明を お願いをいたします。 ○中村総務課長  それでは、資料7と8について御説明をさせていただきます。  これはいずれも今国会で成立をしております法律でございますが、資料7は、児童福 祉法等の一部を改正する法律ということで、いわゆる三位一体の関係で、厚生労働省関 係の国庫補助負担金の廃止をするための法律でございますが、これにつきましては、3 月末に成立をいたしております。その中に保育所の公立分の運営費について、国の負担 あるいは都道府県の負担を廃止するという規定が盛り込まれております。  それから、もう一つ、資料8でございますが、これは当部会でも児童の虐待の問題に ついて御議論をしていただきまして報告書をまとめていただきました。政府としては、 児童福祉法の改正ということで提出をしておりまして、まだ年金の審議の関係もありま して、審議がされておりませんけれども、今後を審議をしていただくことになろうかと 思います。  その一方で、国会の方で、衆議院の青少年問題特別委員会の委員長提案ということ で、議員立法で児童虐待防止法の改正が、これは4月早いうちに成立をしておりまし て、去る4月14日に官報に公布をされたものでございます。簡単に1枚紙で概要が出て おりますけれども、児童虐待の定義の見直しでありますとか、国・地方公共団体の責務 の改正、さらには通告の範囲の拡大、それから岸和田の事件に関連して議論になったわ けでございますが、警察とのかかわりのような規定が入っております。  このうち、保育所・幼稚園とかかわり合いのあります規定について若干御紹介をさせ ていただきますと、1つは5条のところでございますが、これは児童虐待の早期発見等 の規定でございます。新旧対照になっているものでございますが、この中で従来は児童 の虐待があった場合、発見の努力というようなことで学校であるとか、児童福祉施設の 職員、お医者さん、保健師というような個人の立場で期待がされていたのですが、それ を個人だけではなくて、学校あるいは児童福祉施設とか、団体としての立場としても早 期発見に努めてくださいということになっています。あるいは新たに2項、3項がつけ 加わっておりますけれども、そこにございますように、1つは、児童虐待の予防、その 他の児童虐待の防止、児童の保護、自立に関します国、地方公共団体の施策に協力をし ていただきたい、そういうことの努力義務でありますとか、あるいは児童や保護者に対 しまして、児童虐待の防止のための教育又は啓発に努めていただく、そんな責務がかか ってくるようになっております。  それから、最後のページでございますか、第13条の2でございます。その1項でござ いますが、「市町村は、児童福祉法第24条第3項の規定により保育所に入所する児童を 選考する場合には、児童虐待の防止に寄与するため、特別の支援を要する家庭の福祉に 配慮をしなければならない」というような規定が今回盛り込まれたところでございま す。  以上でございます。  それから、今後の日程でございますけれども、ただいまおはかりしましたように文科 省の幼児教育部会と合同部会を実施していただくということが連休明けから始まります ので、その状況も見ながら、また御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろし くお願いいたします。 ○岩男部会長  それでは、これをもちまして、本日の部会を閉会とさせていただきます。どうもあり がとうございました。                    (照会先)                    雇用均等・児童家庭局総務課 (担当)水口                    03−5253−1111(内線7823)