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平成16年3月19日
医薬食品局血液対策課

輸血医療の安全性確保のための総合対策のフレームワーク
(薬事・食品衛生審議会血液事業部会決定)


フレームワークの考え方
 輸血医療の安全性を確保・向上するため、健康な献血者の確保から輸血後感染症対策の推進までに至る各段階における対策をフレームワークとして取りまとめた。今後、このフレームワークに従い、総合対策を講じるものとする。
 なお、()の方策については、直ちに実行に向けた対応や検討に着手すべき項目である。


1.健康な献血者の確保の推進
【目的】
 献血者が、AIDSやウイルス肝炎等の感染症に罹患しないような社会環境の整備を関係機関等の連携の下、促進するとともに、健康な献血者の確保に努め、献血血液へのウイルス等の病原体(以下「病原体」という)が混入する頻度を軽減する。

【主要な方策】
献血者に対する健康管理サービスの充実
献血制度の仕組みについての普及啓発
我が国における血液事業の現状に関する年報の発行
少子高齢化への対応(継続的な献血制度の在り方を検討)


2.検査目的献血の防止
【目的】
 感染直後のウインドウ期にある可能性のある者が、検査目的で献血することを防止することにより、病原体を有する血液の検査のすり抜けを防ぐ。

【主要な方策】
無料匿名の検査体制の充実
献血手帳のIT化推進
採血時の問診を実施する医師の一層の資質向上


3.血液製剤の検査・製造体制等の充実
【目的】
 採血時における病原体の混入防止対策を充実するとともに、検査による排除や製造工程における不活化等の充実により、安全性を確保する。

【主要な方策】
日本赤十字社における8項目の安全対策の確実な実施
non−エンべロープ・ウイルス等への安全対策


4.医療現場における適正使用等の推進
【目的】
 輸血によるリスクの存在を医療関係者や患者等が正しく認識し、真に必要な場合にのみ投与することを徹底できるよう、医療機関の体制整備等の充実を図る。

【主要な方策】
医療機関における血液製剤の適正使用及び安全管理に必要な体制整備
血液製剤の標準的使用量の調査
適正使用ガイドラインの見直し
輸血療法委員会の設置推進及び、その具体的活動内容等に関するマネジメント・ガイドラインの策定


5.輸血後感染症対策の推進
【目的】
 万が一、輸血による感染症等が発生した場合、早期に発見し早期治療に結びつけることにより、健康被害の発生を最小限にくい止める。

【主要な方策】
感染事故発生時の迅速な情報収集と予防対策
輸血前後における感染症マーカー検査の在り方の検討



輸血医療の安全性確保のための総合対策
(フレームワーク)

健康な献血者の確保の推進
  内容 関係部局等
・献血者に対する健康管理サービスの充実 日本赤十字、健康局、老健局、労働基準局、社会保険庁、文部科学省
・献血制度の仕組みについての普及啓発 日本赤十字社、医薬食品局他
・ボランティア活動としての献血の周知 日本赤十字社、労働基準局、職業能力開発局、社会・援護局
・血液事業に関する年報の発行 医薬食品局、日本赤十字社他
・少子高齢化を踏まえた採血の在り方の検討 医薬食品局
・採血により献血者に生じた健康被害の救済の在り方の検討 医薬食品局、日本赤十字社
検査目的献血の防止
  内容 関係部局等
・無料匿名の検査体制の充実 健康局、医薬食品局、日本赤十字社
・検査目的献血の危険性の周知 医薬食品局、日本赤十字社、健康局
・献血血液におけるHIV,HBV,HCV検査結果の取扱いの検討 医薬食品局、日本赤十字社
・献血者の本人確認の徹底 日本赤十字社
・献血者手帳のIT化の推進 日本赤十字社
・問診医の一層の資質向上(臨床研修必修化への対応を含む。) 日本赤十字社
・複数回献血者の確保 日本赤十字社、医薬食品局
血液製剤に係る検査・製造体制等の充実
  内容 関係部局等
・日本赤十字社における安全対策の確実な実施(8項目) 日本赤十字社
・各種安全対策の推進に伴う日本赤十字社における血液事業の実施体制の強化 日本赤十字社
・non-エンベロープ・ウイルス対策等(不活化を除く。) 日本赤十字社
医療現場における適正使用等の推進
  内容 関係部局等
・輸血医療を行う医療機関における適正使用及び安全管理に必要な体制整備の充実・促進についての検討 医薬食品局、医政局、保険局
・適正使用ガイドラインの見直し 医薬食品局
・輸血医療に係るマネジメント・ガイドライン(仮称)の策定 医薬食品局
・血液製剤の標準的使用等の調査と結果公表 医薬食品局、統計情報部
・輸血療法委員会の設置及び活用の推進に関する検討 医薬食品局、保険局
輸血後感染症対策の推進
  内容 関係部局等
・輸血後感染症発生調査の実施 日本赤十字社、医薬食品局
・輸血前後の感染症マーカー検査の在り方についての検討 医薬食品局、保険局
・感染事故発生時の迅速な情報収集と予防対策 医薬食品局、医政局
・遡及調査の在り方に関する検討 日本赤十字社、医薬食品局
・生物由来製品による感染被害の救済制度の創設 医薬食品局


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