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<別紙1>

安全対策に対する日本赤十字社の取り組み

1.遡及調査自主ガイドライン作成
 日本赤十字社独自の遡及調査のガイドラインの素案を作成いたしました。審議会でのご審議をお願いしております。

2.新鮮凍結血漿(FFP)の貯留保管
 平成16年1月30日から全国で2ヵ月間(60日)貯留保管した新鮮凍結血漿を供給しています。また、漸次貯留保管を延長し、最終的に平成17年10月には6ヵ月間(180日)の貯留保管を実施しますが、献血者の方々の協力を得てより早期の実現を目指します。

3.輸血用血液の感染性因子の不活化技術の導入
 血液に含まれている可能性があるウイルスや細菌などの感染性因子を不活化させて、感染の予防を目指します。
 海外で最も多く使用されている血小板の不活化法の一つについては、必要な機器とキットを複数の血液センターに搬入しました。ウイルスと細菌を用いて、日赤独自に不活化の効果について評価試験を行いました。
 効果、実用性そして安全性において、最良のものを目指して他の不活化方法についても評価・検討を続けてまいります。

4.NATの精度向上
1)早期実現化策としての検体プール数の減少
 現行の3NAT施設を最大限に利用して、検査機器や試薬の製造及び検査設備の整備期間が最短と考えられる20プールでのNATスクリーニングを当面の間の向上策として今秋を目途に実施します。
2)試薬及び検査方法の改善
 NATの検体容量を増やし、感度を向上する方法の一つとしてウイルス濃縮法を開発し検討を進めています。
 また、検体容量を現在の2倍量以上使用する開発中の次期試薬について、平成16年第1四半期より評価を開始する。入手可能になり次第、順次他メーカーの試薬についても検討を開始します。
 ウエストナイルウイルスをはじめ他のウイルスについてのNAT試薬についても評価を開始します。

5.医療機関での輸血後感染症に関する全数調査
 現在の出庫基準を満たし、日常的に供給されている輸血用血液の安全性を検証するために、複数の地域で医療機関の協力を得て、輸血前と輸血後の患者さんの追跡調査を本年1月から実施しております。

6.E型肝炎ウイルス(HEV)の疫学調査について
 現在、他の肝炎マーカーが陰性かつALT高値で不合格になった献血者血液を全国的に収集し、HEV―RNA及びHEV抗体の検査を基礎とした疫学調査を実施しております。

7.保存前白血球除去の開始
 輸血した血液細胞(白血球中のリンパ球)が原因でおこる発熱などの輸血副作用の予防を目指します。
1)成分採血由来の血小板製剤
 成分採血由来の血小板については、白血球除去フィルターがなくても白血球除去可能な成分採血装置とフィルター付キットが必要な成分採血装置があり、フィルター付キットが必要な成分採血装置については、本年4月からフィルター付キットの供給が開始されるのに伴い、血液センターでフィルター付キットの使用を始めています。現在各採血装置についても白血球除去の確認作業を進めており、遅くとも本年7月中には成分採血由来の血小板についてはすべて白血球除去製剤に切り替える予定にしております。

2)全血、赤血球、血漿について
 白血球除去した全血、赤血球、血漿については、白血球除去フィルターを組み込んだバックの操作性、全血採血装置、血液自動分離装置、ろ過スタンド等の周辺機器の改良及び新規整備が必要となります。
 第一段階として全血採血装置の評価を血液センターで実施しております。その後順次周辺機器の検討を行うともに、今年度中に白血球除去フィルターを組み込んだ全血採血バッグの仕様変更に関する検討を終了する予定です。
 なお、導入時期につきましては、成分採血由来血漿製剤は平成17年度、全血採血由来製剤は平成18年度を予定しております。

8.献血受付時の本人確認の実施について
 検査目的の献血防止対策の一環として献血受付時の本人確認を実施いたします。これは、感染した可能性があるときには患者さんの安全のため献血はしないという「安全で責任のある献血」の思想をご理解していただきたいために行います。実施にあたっての方法や問題点を把握するために本年3月30日から東京、大阪、北海道において試行的に実施しており行い、本年10月を目途に全国で実施する予定です。


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