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平成15年度第5回血液事業部会運営委員会議事要旨

日時: 平成15年12月29日(木)16:00〜17:00
場所: 厚生労働省共用第7会議室
出席者: 清水委員長、
大平、岡田、川西、花井各委員
(事務局)
金井血液対策課長、田中課長補佐、他

議題: 1.輸血用血液製剤の安全性確保について
2.NATの精度向上等について
3.その他

(審議概要)
議題1、2、3について
 事務局から、平成15年12月に日本赤十字社から報告された輸血後HIV感染事例に関し、事実関係及び今後の情報収集のポイントについて報告があり、同社参考人から、今後の安全対策の充実策について報告があった。
 委員から、報道陣に対し、このような感染判明事例は、非常にセンシティブな問題であることを指摘した上で、事実関係は公開の場で報告することとしているので、事実関係の明確な確認がないまま憶測による報道がなされることによって、患者と医療機関の間に不信感が生ずることがないよう配慮していただきたいとの要請があった。
 続けて、委員から、本事例に関連して、以下の意見があった。
 検査精度の向上や不活化技術の導入を進める一方、献血者の状況を把握することが必要であり、最初に検査だけをして、二回目以降から本採血を行うような、具体的な方策を考えるべき。
 今後は、検査目的の献血を防止することにウェイトをかけざるを得ない。献血者の身元確認は、輸血学会の関係者の約90%が賛同していることもあり、幾つかの血液センターで試行した後、全国展開を図るべき。
 疫学的な調査を踏まえた採血を進める必要がある。例えば、有意に陽性率が高い地域で採血しているのであれば、そうした血液について個別NATを行うことも考えるべき。
 医療機関で検査を受け入れる体制を整えるなど、検査目的の献血を防ぐため、健康局疾病対策課等とも連携して対策を講ずるべき。特にHIVに関しては、HIVとともに社会があるという時代に入っており、社会的な献血の文化的なものも含めた総合的対策が必要。また、感染リスクがあるという不安定な精神状態のために、検査目的で献血に行きながら、検査結果を聞かないような事例もあると聞いている。受け皿作りが不可欠である。
 以前から主張していたことだが、「献血をしろ」という教育はできないけれども、献血を含めたHIVの問題などを公衆衛生教育の中でやっていくべき。この点については文部科学省も否定はしないと思う。こうした重大なことが起こったのを契機として、強力に協力を要請すべき。
 我が国のように感染者が献血者の中で増えているような事態を受け、献血者に対する告知の問題や、虚偽の記載をした献血者に罰金を課すこと、告知を拒否した献血者の献血をお断りすることなどについて検討することも必要と思う。
 献血者からの好意を全面的に受け入れるという時代から変わった、ということを献血者の方たちにも知っていただいて、広報も工夫し、感染血の在り方、献血の受入の在り方など、具体的な方策について早急に方針を立てて、議論を進めるべきである。

 これらの意見を踏まえ、事務局で早急に対策を検討し、本件に関する対応と併せて、安全技術調査会などの場で議論することとされた。

以上


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