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視覚障害者・聴覚障害者に関する支援の在り方作業班における議論【概要】 (案)

1.視覚障害者・聴覚障害者等が地域生活を送る上での主なニーズについて

 視覚障害者・聴覚障害者等が地域生活を送る上で、障害の特性に応じて、特に大きいニーズは次のとおり。
○ 視覚障害者= 移動の自由が確保されることと情報入手・コミュニケーションに対する読み書き面での支援。
○ 聴覚障害者=情報入手・コミュニケーションに対する手話等を主な手段とする支援。
○ 盲ろう重複障害者= 移動の自由が確保されることと情報入手・コミュニケーションに対する指点字、触手話等個別の支援。

2.視覚障害者・聴覚障害者等に対する地域生活支援の現状について

○ 移動の支援= 支援費サービスの移動介護(ガイドヘルプサービス)が支援の中心。また、地方公共団体が実施する各種の施策に対する補助を実施。
○ 情報、コミュニケーション支援= 地方公共団体等が実施する各種の施策に対する補助を行っているほか、障害者関係団体が実施主体になって事業を実施。
○ 放送通信を通しての情報支援= 字幕番組、解説番組等障害者向け放送通信サービスを実施。

3.視覚障害者・聴覚障害者等に対する支援の主な課題と今後の対応について

(1)視覚障害者・聴覚障害者の支援費サービス利用について

 サービスの利用手続き等
 相談、情報提供からサービス利用に至るまで、点訳・音訳、代筆・代読等のきめ細かな利用支援が講じられることが必要。
 先進的な利用者支援の取組みを全国に紹介するなど、広く周知を図ることが必要。

 ケアマネジメント機能
 支援を必要とする障害者のニーズを必要なサービスに適切に結びつけるケアマネジメントの機能を制度的に位置づけることが必要。

(2)移動の支援(ガイドヘルプサービス)について

 ガイドヘルプサービスの範囲
 次のような場合は、社会通念上適当なものとして運用するべきではないか。
 障害者団体の大会、研修会等に参加する場合の宿泊を伴う外出
 公共交通機関を利用することが困難な場合の自家用車利用(高齢者、過疎地)

 「身体介護を伴う」移動介護の適用
 特定疾病による要介護者や高齢の視覚障害者の外出は、「身体介護を伴う」移動介護を適用するべきではないか。

 ニーズ把握と緊急時の対応
 利用者のニーズを十分把握するケアマネジメントの制度化とともに、病気、災害等の緊急時には、事後承認を含む柔軟な取扱いをすることについて、検討が必要。

 人材の養成・確保
 従事実績を評価する視点を盛り込むなど、現在の養成研修の在り方について、検討が必要。

 利用者負担の在り方
 利用者負担の在り方については、応能負担、応益負担に関わらず、とりわけ成人障害者の利用に当たっては、現行の生計中心者を中心とするものから、利用者本人を中心とする視点へ変更するべきではないか。

(3)情報・コミュニケーション支援について

 手話等コミュニケーション支援に関するサービスメニューは、対象者が少なく、市町村ごとに基盤を整備する方式が馴染むのかどうか。また、個人の生活圏が拡大していることからも、広域の福祉圏や都道府県単位での情報提供支援の在り方や当事者団体、NPO法人等が行う支援の在り方について、幅広い検討が必要である。

 さらには、ノーマライゼーションの理念のもと、生活のあらゆる場面で、コミュニケーションが保障されるためには、福祉施策での取組みにとどまらず、あらゆる行政分野をはじめ、司法、立法、民間を含めた取組みが期待される。

 技術革新
 情報化・電子化の進展に伴い、支援の内容を絶えず更新していく工夫とともに、ユーザー自身の力を育てることが必要。

 人材の養成・確保
 障害者のニーズが多様化する中で、通訳者の質と量を確保する観点から、ボランティアの活動を支援しつつ、専門的な通訳者の養成を一層推進することが必要。
 盲ろう重複障害者に対する指点字、触手話等個別の支援にあっては、通訳者と利用者本人の能力が適合している必要がある。支援に当たっては、専門的な通訳者によるサービスの提供だけではなく、障害者本人の力を育てていく視点が重要。


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