(1) | 行政の果たすべき役割
行政については、国民保健の向上を目的としつつ、行政改革の流れの中で最小限の関与にとどめるべきという考え方や、国民の健康の保護の観点からより積極的な対応を図るべきといった考え方等を踏まえて検討を進めるべきである。
健康被害発生や有効性・安全性に関する情報等を国民及び関係者に幅広く迅速に提供してリスクコミュニケーション等を積極的に図ることや、実験データ等の情報提供システムを構築することなど、民間では実施困難な施策については積極的に行政の役割を果たしていくべきである。
また、虚偽誇大広告等の監視を含め、表示制度が正しく運用されるためには、行政コストを最小限にしつつ監視指導を徹底する必要があり、効率的な監視方法を検討するべきである。
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(2) | 関係業者の果たすべき役割
食品安全基本法あるいは食品衛生法に規定されているとおり、「健康食品」の安全性の確保は一義的に関係業者の責務であることは言うまでもない。これに加え、「健康食品」の表示の裏付けとなる科学的根拠を示すことも関係業者の責務であると考えられる。
また、関係業界は自主的に表示の適正化に取り組むとともに、消費者に対するより一層の正確な情報を提供しなければならない。消費者からの相談や苦情の解決に対しても、消費者に対してより積極的な役割を果たすべきである。
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(3) | 消費者の果たすべき役割
消費者は、「健康食品」に関する知識と理解を深め、自分の健康状態に適した「健康食品」を選択できるよう努めるべきである。
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(4) | マスコミの果たすべき役割
マスメディア等は、国民の健康づくりにおける情報源として大きな役割を果たしていることから、「健康食品」に関する情報の発信者であることを期待したい。「健康食品」の有効性・安全性、「健康食品」制度等について正確でバランスのとれた情報提供に努めるべきである。
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(5) | 関係有資格者等の果たすべき役割
薬剤師、管理栄養士又はアドバイザリースタッフなど十分な知識と技能をもつ有資格者等が、販売や普及啓発等に際して、より積極的に役割を果たすべきである。 |