04/03/08 独立行政法人評価委員会独立行政法人国立病院部会第3回議事録      厚生労働省独立行政法人評価委員会 国立病院部会(第3回)議事録                             平成16年3月8日(月)                                13:00〜14:15                             厚生労働省9階省議室 出席者:井伊委員、大道委員、開原委員、黒川委員、住田委員、辻本委員、夏目委員、 山田委員、渡辺委員 1.開会 ○黒川部会長 お忙しいところありがとうございます。時間がきましたのではじめます。 第3回の独法の評価委員会の国立病院部会ということでありまして、前回からもかなり の御意見をいただいておりまして、それを取り入れた資料ができてまいりました。きょ うは国立病院機構の中期目標、中期計画それから業務方法書、その他についての御審議 をいただきたいということで、本日の議事について事務局のほうからお願いいたしま す。 1.議事 ○川尻政策評価官  それでは、本日の議事ついて御説明をさせていただきます。  本日は、まず、いまお話がありましたように、前回の部会でいろいろ御意見をいただ いて一部修正をいたしました中期目標、中期計画の(案)、それから今回新しく御説明を いたします業務方法書、これについての御審議を中心にいただきたいというふうに思っ ております。  それで、その3つの審議が終わりましたあとに、2つ目の議題として、平成16年度の 長期借入金の計画について御審議いただきたいと考えております。以上でございます。 (1)独立行政法人国立病院機構の中期目標(案)、中期計画(案)及び業務方法書(案)  について ○黒川部会長  ありがとうございました。前回いろいろな御指摘がありまして、それについて今度リ バイスしたバージョンがでてまいりますので、それぞれの委員からの指摘事項があった と思いますが、それについて説明を願います。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  それでは、私のほうから御説明をさせていただきたいと思います。  本日は、前回、中期目標(案)、中期計画(案)につきまして貴重な御意見、御質問 を賜ったところでありまして、どうもありがとうございました。いろいろ御質問につい ては、前回あるいはそれ以降も個別にまた御説明をさせていただいたところであります が、合意点等につきまして、本日、中期計画(案)に明記するもの、あるいは中期計画 の実施の段階においてぜひ配慮をさせていただきたいというものにある程度分けまして 整理をさせていただいて御提案申し上げる次第であります。  本日の説明資料は、最初、中期目標(案)ほうは、取り立てて修正という点はおいて おりません。若干言葉の整理をしましたが、内容には一切関係ございません。そこで資 料の中期計画(案)の縦書きのものに沿って御説明をさせていただきます。  では、上から順に加筆、修正した点について御説明をさせていただきたいと思いま す。1頁のところは言葉の整理でございますので、2頁をお開きください。  最初に渡辺委員から御指摘のありました、土日の診療の実施あるいは待ち時間対策を 計画に明記したらどうかという点につきましては、(1)の(3)のところで例示をさせ ていただいております。すなわち、「患者の利便性に考慮した多様な診療時間の設定や 待ち時間対策などサービスの改善を図る」という形で明記をし、サービス内容を具体的 にさらに見直すというふうに表記をさせていただきました。具体的な実施の段階におき まして、個々の病院が、利用者の利便あるいは地域の需要あるいは職員の勤務体制の整 備など勘案して、個別に工夫して努力をしていきたいということでございますので、こ のような形にさせていただければと思っております。  それから2つ目に、開原委員から御指摘のありました、1の(2)の(1)医療倫理の確 立のところにつきまして、論理展開が少し未整理ではないか、あるいは情報公開やプラ イバシーの保護にも触れるべきではないかという点につきましては、ここの(2)の (1)の下線が引いてあるところで加えてございます。  最初の論理の未整理の点につきましては、「患者が安心できる医療を提供するため、 各病院はカルテの開示を行うなど情報公開に積極的に取り組むとともに、患者のプライ バシーの保護に努めることが、患者との信頼関係の醸成において重要である。」という 形で1回、区切らさせていただいた上で、その上で臨床研究あるいは治験について触れ るという形にいたしました。前段のところで、今申しましたように情報公開あるいは患 者のプライバシーについては明記をしたということでございます。そして後半のところ で、「すべての臨床研究、治験について厚生労働省が定める倫理指針を遵守して実施す る。」という形で、医療倫理のところの論理を整理させていただいたところでございま す。  それから(3)(2)EBMの推進のところ、および(5)、この両方を御覧いただきたいと 思いますが、夏目委員から御指摘のありました臨床評価指標の活用を明記すべきではな いかということにつきましては、まず1点、(3)(2)のところで、「中期目標の期間中 に、臨床評価指標の開発やEBMの作成を目指す。」ということで、まず時期を明らかに したことと。4ページの(5)でございますが、従前、政策医療の適切な実施につきまし て、その実施を把握し評価を行うというふうにしておりましたが、そもそもこの実施状 況の評価につきましては、臨床評価指標などを活用する必要がございますので、ここで 「今後開発する臨床評価指標を活用してその実施状況を把握し、評価を行い、個々の病 院が取り組む政策医療の質の向上を図る。」という形で、実際に活用まで持っていくと いうことを明らかにしたところでございます。  それから辻本委員から御指摘のありました大阪医療センターとの経験から、ボラン ティアと病院との相互の関わりが重要であるということにつきましては、(3)の長期療 養者のQOLの向上で、従前ボランティアの受け入れということだけでございましたが、 ボランティアの積極的な受け入れや、まさにボランティアの方々あるいは病院とが相互 に協力しなければなりません、という意味で「協働等に努める。」というかたちで明示 をさせていただいたところでございます。  それから文言の整理をさせていただきまして6頁の(2)のところでございます。こ れは言葉の整理、事務局で整理いたしましたが、中期目標の期間中に14万人といいます と、若干最終年度ではなくて全体で14万かのような誤解を招くというふうに思いますの で、ここ「最終年度において14万人以上の参加を得られるように努める。」という形に 言葉の整理をさせていただいたところでございます。  それから8頁を御覧いただきたいと思います。住田委員から、人件費の抑制につい て、業務委託費についてもきちんと考えるべきだという御指摘につきましては、まさに 業務委託もただすればいいということではないということでございましたので、ここの ところで「適正な人員の配置に努めるとともに、業務委託についてもコスト低減に十分 配慮した有効活用を図ること」という形で、業務委託も安易な委託はしてはならないと いう旨をここに明示をさせていただいたところでございます。  それから繰っていただきまして10頁の第7 その他主務省令で定める業務運営に関す る事項でございます。前回、人事に関する計画を御説明した際、人事に係る指標につい ては、関係省庁と調整中というふうに御説明いたしましたが、一応関係省庁との調整の 結果、ここにつきましては「国立病院機構の平成16年度期首における常勤職員数を 46,607人とするものの、医師、看護師等の医療従事者は、医療ニーズに適切に対応する ために、変動が見込まれるものであり、中期目標の期間中においては、適正な人員配置 等により人件費率等の抑制に努める。」と、特に「技能職については、中期目標の期間 中714人の純減を図る。」というかたちで調整をし、ここに明記をさせていただいたと ころでございます。職員数については、若干繰り返しになりますけれども私ども、医 師、看護師等の医療従事者はやはり医療需要に応じて変動がありうる、あるいはもっと 質をということであれば、医療全体が高い質を求められることもございますので、むし ろそういう意味ではこのような形である程度変動が見込まれる、むしろ人件費率の抑制 のなかで対応していきたいというふうに考えております。  一方、そこの中期計画の人事の方針で、真ん中に書いておりますように、「技能職等 の職種については、業務の簡素化・迅速化、アウトソーシング化等で効率化を図る。」 ということを受けまして714人という数を純減し、その分は適正配置あるいはアウトソ ーシングを活用して業務の効率化を図って努力をしていきたいというふうに考えており ます。以上が修文をした点でございます。  このほかの御意見、御指摘に沿いましては、例えば大道委員から御意見がございまし た、臨床評価指標の開発やクリティカルパスの活用につきましては、先行例も参考にし たりあるいは関係機関とも連携を図ることで適切に対処してまいりたいと考えておりま すし、セカンドオピニオン制度の導入における実施上の課題につきましても、事業の実 施段階で現場のドクターあるいは患者の意見も聞きながら適切にやっていきたいと、さ らに内部からの人材等についても幅広い観点からよく考えていきたいと考えてございま す。  また、井伊委員から御意見がございました無駄な検査をしてはならないという配慮に つきましては、国立病院機構ですでに整備されている医療機器のうち稼働率の低いもの はやはり社会的に有効活用する観点から、地域医療機関を受診された方で、身近なとこ ろで検査を受けられないなど患者の利便を考えながら、地域医療機関の需要に応えるも のでありまして、病・診、病・病、連携を十分図るなかで適切な活用に努めていきたい と考えております。  それから夏目委員から御意見ございました、公務員型であるけれどもやはり個々の職 員の努力が報われるよう業績を適切に評価すべきということにつきましては、きょうも 前回に配らせていただきますが、きわめて努力した病院においては年度末賞与を実施す るところからまずはじめまして、16年度には院長に年俸制を導入し、17年度からは病院 の業績を年俸反映させる、あるいはその後に幹部職員にも拡大をするというふうにして いきたいと考えておりますし、その他の職員につきましても中期計画(案)の第2の1 の(4)というところで記載しておりますように、中期目標の期間内に人事評価制度を 開発、導入するといことで努力が報われるような仕組みでしていきたいと考えておりま す。  また、山田委員から御意見がございました、やはり収入増に努めるべきという点につ きましては、これまでも各病院におきまして種々努力をしてまいりましたが、今後も中 期計画(案)第2の2の柱書きに書いておりますように、効率的な業務運営とともに人 員配置の工夫などによって、診療報酬上の新たな基準の取得を行うなど、個々の病院を 取り巻く医療環境あるいは点数制度を十分に踏まえながら、ぜひ個々の病院で日々考え ていただき増収に努めていきたいというふうに考えております。  それから辻本委員から御質問ありましたように、サービスの質の確保と効率化の両立 という点につきましても、患者に対する医療やサービスをより良いものにしていくため にも効率化を図り、質の向上のための効率化という考え方で両立を目指していきたいと 考えております。  それから渡辺委員から御意見がありましたように、当面、全力で効率化を図って患者 のための医療を実現せよという点につきましても、我々も着実に経営改善をし、国立病 院機構の使命が果たせ、より良い医療を提供できるような経営体質にしていきたいと考 えておりまして、全力で努力をさせていきたいというふうに考えております。  以上のとおり、各委員からいただきました貴重な御意見あるいは御指摘を、中期計画 のなかあるいは実施の段階で盛り込ませていただいて適切な実施に努めてまいりたいと いうふうに考えております。 ○黒川部会長  ありがとうございました。御意見をいただきたいと思いますがいかがでしょうか。中 期計画(案)ですが、このあいだの議論を踏まえて、少しエディットしたということで す。どうぞ。 ○夏目委員  前回、申し上げればよかったのかもしれませんが、10頁の第5のところですが、「重 要な財産を譲渡し」というところですが、私としては154病院のなかには、相当不要不 急の資産を保有しているところもあるし、低効率な利用になっておるところもあるので はないかと、それを5年間にわたって一切用地処分等を含めて、資産の高度活用、効率 利用をはかっていくという観点がないのは、少し計画としていかがなものかと考えま す。ただ、この「重要な財産」というのは相当重要な財産であって、そういうものでな い不要不急の資産については処分等を大いにこれからやっていくんだということである のであれば定義の問題なのかもしれませんが、まず「重要な財産」というのはどういう 範囲内のものを言っておるのかという点と、それについて処分とか高度利用みたいなも のは一切考えないのかという点についてお聞きしたいと思います。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  「重要な財産」と申しますのは、これから厚生労働省令で範囲を定めるかと思います が、やはり土地など、少なくとも数億円程度、例えば2億円程度以上大きなものを考え ておるということでございます。私どもも、国立病院機構が有しておる資産を適切に有 効活用をぜひしていきたいということでございますが、まず現時点においては、後ほど 御説明いたしますように、まだまだ財務体質が十分でない段階でありますので、まずは 財務体質の改善を優先したいということで、特に個別の具体の計画は現在のところござ いません。ただせめて財務体質をじょじょに改善していく、あるいは有効活用のいろい ろなお申し出があれば、これはその段階で計画の変更、あるいは土地処分等については 主務大臣協議という形になっておりますので、そのときに適宜御説明をして御了解をい ただいて場合によっては変更もありうるべしというかたちで、現時点では無しという形 にさせていただきたいと思っています。 ○夏目委員  国鉄がJRになったときに、JR会社法という法律によって枠組みが決められたのです が、その際に重要な財産についても譲渡は大臣認可ということになっていて、3億以 上、3千平米以上の土地処分については大臣認可ということになっていました。ちょっ とした大都会の一部の土地を売却するといっても3億を超えるといったようなことで、 意外と3億というハードルは場所によりけりですが、どういう地域にあるかによって違 いますが結構低いハードルのケースが多いような気もしまして、私としては、5年間一 切用地処分をしないでいくというのは、少し固定的すぎるのではないかと。これから変 更等で弾力的、柔軟に対応するということであればそれでかまわないと思いますが、用 地の高度活用、処分といったような資産のスリム化といったことも十分お考えになった ほうがいいのではないかと思います。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  ただいまの御意見も、十分踏まえさせていただきたいと思っています。 ○黒川部会長  5年間何もしないで無しというよりは、何か戦略的にはあるのかもしれないし、地域 によってこれ全国に散らばっているので、そういうことがこの大臣の一言で非常に制限 的になっても困るかな、夏目委員どう思われますか。 ○夏目委員  柔軟に対応していただけるならいいです。 ○黒川部会長  他の委員、御意見ないですか。その計画を出すわけですね。ということですと、この 文章の意味はどういう意味かな、「重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとすると きはその計画」 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  例えば労災病院などは、今回病院の削減とかいろいろ決まっておると、始まる前にで すね。そういうある程度名宛がはっきりしたものは、どうも書いてあるようでございま すが、それ以外はなかなか相手のある話であったりするものでございますし、それから 必ずしもすべて大都市部にあるわけでもないというようなこともございます。ただ、先 ほど申し上げましたように、相手をみて国立病院機構にとって非常にプラスになるとい うことであれば、ぜひ弾力的な対応をしていきたいと考えております。 ○黒川部会長  夏目委員、よろしいですか。 ○夏目委員  はい。 ○黒川部会長  どうもありがとうございました。そのほかに、もしよろしければ、これはこのあいだ の意見をいろいろ考えていただいて、このようにアップデートしたわけですので、もし よろしければ、そのほかの業務方法書、その他ありますので引き続いて説明していただ くことでよろしいでしょうか。 ○開原委員  ちょっとひとつだけ質問ですが、いま中期計画の変更という話をされたのですが、手 続き的な話ですが、もし変更したいときは5年以内であっても中期計画のほうは変更す ることは可能であって、それは矢崎理事長のほうがお申し入れがあれば変更することが 可能である。それはここにまたかかるというそういう理解、手続き的にはそういう理解 でよろしいわけですか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  はい。制度的には変更が必要になるという大きな医療環境の変動とかあるわけで、想 定されるわけですが、そういった場合に計画が十分実施できない、目標を達成できない ということであれば変更の認可をとるということです。認可については、また同じ手続 きを踏んでいくことになろうかと思います。制度上はそのようになっています。 ○夏目委員  確認ですが、当然のことながらこれに基づいて年度ごとの計画は立てられるというこ とはこの前議論がでていたと思うのですが、個別の、154の病院ごとの5カ年計画とか、 あるいは年度計画というのはお作りになるのかどうか、個別の病院ごとはどうなんでし ょうか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  個別の病院につきましても、ある程度個々のやっている政策医療の内容も違います し、やはり目標は持っていただいたほうがいいであろうということでございますので、 個々でそれぞれの病院の目標を持っていただくというふうに考えております。 ○黒川部会長  それは全体の話をするわけだから、この全体をやるために個別の病院がどうするかと いう話はそちらのオペレーションの問題になってきますね、わかりました。そのほかに よろしいでしょうか。もし何か質問がありましたら、またあとで戻ります。  それでは、その次について業務方法書(案)、その他についてよろしくお願いします。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  では、御説明もうしあげます。  最初にこの業務方法書の位置づけを御説明いたします。資料5の業務方法書関係法令 等ということですが、独立行政法人通則法に基づきまして、「独立行政法人は、業務開 始の際、業務方法書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない」と。そして3 項で、「主務大臣が認可をしようとする場合は、あらかじめ、評価委員会の意見を聴か なければならない。」ということになっておりますので、本日お諮りする次第でありま す。  では、この業務方法書とはどういうものが想定されているかということについては、 法律上は業務方法書ということしかでてまいりません。2頁目の一番下、中央省庁等改 革の推進に関する方針、中央省庁改革推進本部が決定をいたしておりまして、その解釈 を示しております。そのなかで業務方法書につきましては、業務の方法に関する事項の ほか、業務の委託に関する基準、あるいは競争入札等の契約に関する基本的な事項とい うことで、「業務方法」「委託事項」それから「契約」主にこの3つの事項を定めなさ いというわけであります。基本的には、業務方法書というものはある意味で法令を踏ま えた大きな指針というような位置づけになろうかと思います。そういう意味では、1頁 目にございますような、独立行政法人国立病院機構法などから踏まえて業務方法書を作 り、そして若干国立病院機構は先行独法と違いまして154の病院を束ねる事業型の法人 であるということも踏まえ、さらに効率化が求められているということなども勘案して 業務方法書(案)を作成したところでございます。  それでは5−IVに沿いまして御説明申し上げます。5−IVの業務方法書(案)、先ほ どございましたように、全体4章構成で総則、そして業務の方法、業務の委託、契約、 この3つの事項について業務方法書を定めるということにしたいと考えてございます。  総則(目的)は、先ほどの独立行政法人通則法に基づいて、業務の方法について基本 的事項を定め、業務の適正かつ効率的な運営を目的とするということで、まさに独立行 政法人制度が求める、効率、効果的な事業の実施ということを念頭において定めるもの でございます。  (業務の執行)につきましては、当然のことながらこの通則法及び国立病院機構法、 その他関係法令に従うというのが基本でございまして、そのほかは、この業務方法書に 定めるところにより種々会計に関する規定でありますとか、契約に関する規定でありま すとかそういうことを細かに法人内で定めていくということになろうかと思います。  そして(基本方針)といたしましては、これは入念的に書いているわけであります が、この機構法の目的を達成するために、厚生労働大臣から指示された、さきほど御審 議をいただいております中期目標に基づきまして、業務の適正かつ効率的な運営に努め るということとしたいと考えております。  業務の方法につきましては、右手のほうに業務方法書、左手のほうに業務方法関連法 令等を並べて御覧いただきますとわかるかと思いますが、国立病院機構の行う業務、ま さに国立病院機構法第13条にございますように、医療の提供、それから調査、研究、技 術者の研修ということが大きな柱の業務として指示されておりますので、この機構法に 基づきましてこの医療の提供及び附帯業務、調査・研究及び附帯業務、そして技術者の 研修及び附帯業務という形で包括的に規定をさせていただいたところでございます。  それから機構といいますのは、やはり国民の出資等財産で作られたものでございます ので、その建物の一部等が、やはり機構に勤務しない医師、歯科医師などといえども診 療あるいは研究のために利用させることができるというふうに法律はいたしておりま す。この医師、歯科医師というのは、あくまでも例示でございますので臨床研修、臨床 研究施設などについてはもっと幅広く研究者にも利用していただくほうが、国立病院機 構に求められるミッションの達成に資するであろうということで、業務方法書の上で は、この建物の設備、機械の利用につきまして、国立病院機構に勤務しない医師・歯科 医師等の診療又は研究のために利用というかたちで、より社会貢献に努めていきたいと 規定しております。  それから第5条の、緊急時の厚生労働大臣の要求。これは法律上も資料のVIIの2頁 目にございます第19条にございますように、緊急の必要があるときは、災害あるいは公 衆衛生上の重大な危害の場合には、厚生労働大臣が要請をするということで、正当な理 由がない限り、求めに応じなければならないという、まさにこれはひとつのミッション であります。これにつきましても、第5条で、その旨当該業務を適正に実施するという ことを業務方法書に規定いたしております。  それから業務方法書、第6条、これは、法律上は附則の業務の特例というところで、 旧国立病院等の再編成の業務、委譲、統合、廃止、今後10ケースを行うということで考 えておりますが、これにつきましても成立前の病院の一応統合、廃止は附則で義務付け られた業務でありますので、これは行うということで明示したところでございます。  次に業務の委託でございます。これにつきましてはやはり、効率性が求められる独法 でありますので、業務の一部を委託することができるとした上で、第7条の2項にござ いますように、委託先の選定というものも単に外部であればいいというのではなく、実 績、財務内容あるいは能力それから知見、習熟の程度を勘案しながら、かつ先ほど中期 計画に書きましたように十分コスト低減ということに配慮することでありますので、そ れを踏まえて委託費のコスト低減に十分配慮するという形で、業務委託を安易にしない という形にしたいと思っております。  それから当然委託をする場合は、契約で行うということでございます。そして契約に 関する基本的事項。私ども国立病院機構は、会計法の規定を外れて独自に会計規定と定 めるわけですが、その基本線は、やはり品質の維持等、費用低減に資するような契約方 法、もっとも機構にとって効率の良い方法を選択せねばならんということがありますの で、競争入札を実施するなどいろいろな方法をとりまして、品質の向上、費用の縮減に 配慮した方法を選択して行うという形にしたいと考えてございます。  それから第2項、これは昨年法案審議のおりにも、談合防止ということが種々唱えら れておったわけですが、やはり契約においては、契約過程の透明性、効率性の向上と不 正行為を防止するために必要な措置を講ずるということで明記し、これを踏まえて法人 として種々規定を定める際には、必ずこれに合致したような必要な措置を講ずるという ことにしたいと考えております。  それから第9条、契約の特例ということでございます。WTOのほうで、この政府調達 協定というものがございまして、官報掲載をしたり、海外からも入札できるようにする ということございますが、これにつきましては一応国立病院機構も国からは外れて独立 行政法人になるわけですが、先輩格でありますJR、NTTと同様、これ国際協定でござい ますものですから外れないということで一定の制約が残るということでございます。こ れは、現状においては如何ともしがたいところでございますので、これはそれなりの規 定を政府全体の方針に基づいて定めることとしております。  その他、この会計規程につきましては、この規定で定めるということにいたしており ます。以上が、業務方法書についての御説明でございます。 ○黒川部会長  どうもありがとうございました。これについて、いろいろ議論がありましたら御質問 等お願いいたします。  よろしいですか。これも議論いただいているところですが、もしよろしければ、最初 の資料の5―IIですが、病院機構非常に大きなものですが、これからいよいよ船出をす るということで中期目標の(案)と中期計画(案)、それから業務方法書(案)について、基 本的にはこの内容で了承するということでよろしいでしょうか。もし、あとで気がつい て、これはもう少し大事なことなのでというようなことがありましたらまた言っていた だければと思います。今回はここでは一応認めていただいて、何かありましたらまた事 務局に言っていただいて私のほうと相談して、それについて担当の委員の方、その他と 御相談しながら決めていけばいいと思いますが、一応この場で了承していただければよ ろしいかと思います。よろしいでしょうか。 ○委員一同 (異議なし) ○黒川部会長  ありがとうございました。 (2)独立行政法人国立病院機構の長期借入金計画及び償還計画について ○黒川部会長  それでは、次に長期の借入金ということがありますので、これについても御審議いた だきたいと思います。よろしくお願いします。 ○川尻政策評価官  それでは、長期借入金の審議の仕方の関係でございますので、最初に政策評価官室の ほうから御説明いたします。  資料4を御覧いただければと思います。資料4は、独立行政法人が長期借入金あるい は債券発行する場合の関係規定を整理したものでございます。簡単に御覧いただきます と、まず独立行政法人通則法の45条5項では、「個別法に別段の定めがある場合を除く ほか、長期借入金及び債券発行をすることができない。」という原則が書いてございま す。  そして国立病院機構法のほうですが、この原則に対する例外が書いてございまして、 第16条1項、2項とも若干細かく書き分けておりますが、要するに、その機構が長期借 入金あるいは債券発行をしようとする場合には、厚生労働大臣の認可を得る必要がある ということが規定してございます。そして、その3項で、「厚生大臣はこの認可をしよ うとするときは、あらかじめ、独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならな い。」こういう規定ぶりになってございます。  それで、この条文をそのままぎりぎり読みますと、これから機構が長期借入金あるい は債券発行をしようとするときに部会を開いていただいて、そしていいかどうかの御意 見をいただくというようなことでございますけれども、この長期借入金だけのためにこ の部会を開いて、各委員にお集まりをいただくかというと、大変申し訳ないなというよ うなこともございまして、他の部会でも以下に申し上げるような手続をとっております ので、それでどうかということでございます。  すなわち、新しい年度に入る前、あるいは入りました直後に、1年間を通しまして長 期借入金あるいは債券発行について、いかなる総額でもって発行あるいは借入をするの か、あるいはどういう条件で借入ないし債券発行をするのかといった計画をまず御呈示 して、御審議をいただくということで考えております。そして、その御審議の結果、長 期借入金等の計画について御了解が得られれば、あとは個々の借入の機会や、債券発行 の機会につきましては、部会長にその計画の範囲内であるということを御確認いただ き、それでもって部会の了承が得られたというような取扱いにできないかということで ございます。言わずもがなでございますが、仮に予定していた計画をオーバーするよう な場合はどうかでございますが、そういう場合が発生すれば改めてまた部会で計画の修 正等について御議論いただく。こんな形で手続的には進めさせていただけないかという ことでございます。 ○黒川部会長  いかがでしょうか。そういう御意見で、確かにひとつの企業体とはいえども全く計画 性がないというわけではないし。特に、経験の一番多いのは夏目委員ですが、何かコメ ントはございますか。 ○夏目委員  普通そうやっているのではないでしょうか。一年の計画をきちんと事前に示していた だいて、その範囲内においては個別にやっていただくと。 ○黒川部会長  そのほかにどうぞ。よろしいですか。もしよろしければ、そのような手続で進めたい ということです。そこで、16年度はどういうことがあるのかという話もお願いいたしま す。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  それでは借入金の計画及び償還計画の16年度分について御説明をさせていただきたい と思います。  中期計画(案)のほうで、医療機器の施設整備に今後5年間どうするのかという説明を させていただきました際に、国立病院機構の収入の9割は自己財源であるということで ございまして、この診療収入というのは、医療環境の変化あるいはいろいろな経営努力 で増減をするものでありますと、そういうことでやはり今後の投資は収益力に制約を受 けざるを得ないというふうに私ども考えているわけでございます。そういう意味で、こ の第1期の中期計画期間中におきましては、やはり長期借入金残高を縮減させる方向で 経営体力を向上させるべく、できる限り抑制的な投資姿勢を基本としながら、しかし一 方で担うべき医療を実施するためにも柔軟な投資も考えていくと。こういうように御説 明を申し上げ、5年間の総投資額を、過去5年の総投資額の約半分の1,900億円程度と いうふうに御説明をいたしました。当然、経営努力に応じて増減があり得るよというこ とでございましたが、その際長期借入金についても1,700億内外という形で、こうすれ ば最終的には長期借入金残高も5年後には1割程度縮減をし、ある程度身の丈に近い形 なるのかなあということを御説明したところでございます。  そこで、では16年度の借入をどのように考えるかということでございますが、やはり できるだけ真に必要なものをぜひやるということで、無駄あるいは不要不急な投資はで きるだけ絞っていきたいと。それから現在計画しておりまして、引き続き来年度も立て 続けなければならないと、これは当然やっていかなければならないということでそうい う継続的な整備などを中心にして計画をできるだけ絞り込んで、真に必要なものという こととかつあわせて国立病院機構のミッションが達成できるものということで数字を計 画したところでございます。  医療機器の整備につきましては44億円。施設整備につきましては、397億円を予定い たしておりまして、借入条件、これは財政融資資金でございますので、これは金利等は 借りる折々で変わります。私どもも、あまり早い時期に借りますと利息がついてしまい ますので、例えば建物の入札契約が終わった段階で、支払が必要なときに借り入れたり ということでございますので、金利等はその借り入れた段階で若干変動するということ でございますので、参考までに現在10年以内に償還をする医療機器がだいたい0.9%、施 設整備のほうは25 年以内で償還をするということで現在1.3%という形になっておりま す。  御参考までに、14年度の段階は機器整備84億、施設整備624億ということでございま したが、このあといろいろ再編整備等も落ち着いてきておりますので、そういう意味で 総額は減っておるということでございます。借入率は、このときは安うございました が、また利息の場合は適宜変動があろうかと思いますが、かなりいい金利ではないかと 踏まえております。  5−VIを御覧いただきますと、では、この441億円というのはどのような位置づけに なるかということでございますが、16年度の償還の予定といたしましては、最初の表に ございますように借入金残高15年度末で7,486億円を予定いたしております。16年度の 借入金、先ほどの441億円。一方、16年度の元金償還額は442億円余ということでござい ますので、1億余、ほんの僅かではございますが借入残高が減るということで、16年度 末、借入金残高はそこにございます7,485億ということで、はじめの一歩ではございま すが財政融資資金の借り残を減らしたいというふうに考えてございます。  そこで、では、17年度以降の借入をまだ計画しない段階で、今後どのように償還をし ていくのかということでございますが、16年度以降、借りた上での償還の計画は、参考 の(1)にございます16年度が442、17年度が460というようなかたちで実は増えていきま して、平成20年度が元金償還のピークにあたります。そのあとは、元金償還、何も借り なければ減っていくわけでありますが、一方利息のほうも16年度226億等でございます が、これを機にだんだん高い金利の時代のものは減ってまいりますので、これはじょ じょに減っていくとこういう計画になろうかと思います。いずれにしても16年度分の償 還額も含めて考えますと、25年で7,927億ということでございますが、ここの16年度か ら20年度、毎年元金償還500億円弱およそ5年間で2,500億相当、ここを先ほどの5年間 の計画では、例えば長期借入を1,700内外に抑えたいというような努力をしまして、5 年間終わった段階では元金の借入金残高を減らしたいというふうに考えております。  なお、改革推進公共投資独立行政法人国立病院機構施設整備事業資金貸付金といいま すのは、数年前の補正予算で、一応政府のほうから通常一般会計でいただけるというと ころが財源が不足しておりまして、この資金を使って貸付金という形になっております が、これは国立病院機構が返すのではなくて政府のほうでお返しいただくということ で、資料上は合わせて乗せるようにという指示がございますので乗せております。が、 実際この点につきましては、国立病院機構が返す義務はないということで純粋に財政融 資資金のほうの償還計画を御覧いただければ結構だと思います。このようにきちっと返 せるように、我々経営に努力をしていきたいというふうに考えております。 ○黒川部会長  ということなんですが、数字は結構なんだけれど。努力目標ね、確かにいろいろ大変 ですね。これ財政投融資だね。何かコメントございますでしょうか。これも夏目委員か な。渡辺委員どうですか。財投で1兆円。 ○渡辺委員  大変結構な計画ですが、これ実行するためには相当に企業収益を上げなければいけな い。だからその計画目標でずいぶんあったことは確かなんです。前回申し上げたよう に、そのためにはいろんな、部会長もおっしゃったけれども、地域医療とのことも考え ながら収益を上げていくという医療収入、医療収入を上げるということは患者の数を増 やすということが大きなあれ(目標)だと思うのですが、そのへん非常に舵取りが難し いなと。でもがんばってもらいたいと思います。いずれそういったことの民間との競 争、あるいは他の公的病院との競争も当然でてくるし、国立大学病院も独法化になるわ けですからそのへんのあり方を考えながら、しかし収益を上げていかなければいけな い。ある意味当たり前ですが、それを感じました。 ○住田委員  皆さんと同じですが、非常にこれだけ見たら素晴らしいのですが、中期というと平成 17年度以降の計画は含んでいないということは、借入の計画ですね。ということは、こ れだけだったらば全体図は書けるかもしれませんが、今後さっきの話のように長期借入 とか、債券ね。要するに病院債を発行すると、かなりの借入金が全体としてなるのでは ないかと思うのですが、そういう面で何も言わないのもおかしいからなかなか難しいの ではないですかということだけコメントしておきます。  非常にこれ、16年度だけでしたらあれですが、すぐ借入をしなければいけないような 状況になると具合もあるし、それからちょっとひとつ病院債についてお聞きしたいので すが、いま非常に病院債というのがはやっているというのがひとつの話題になってい て、格付けというのがでますね。そういうのもやるんですか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  病院債の発行、法律上は機構債を発行できるという規定になっております。当然、機 構債を発行するとなりますと、格付け機関というところに行って格付けをしていただか なければならんということになっております。私ども、まずは財務体質の改善が最優先 でありますし、当面、現在も財政資金借りておりわけでございますので当面は財政融資 資金でやっていきたいと考えておりまして、いずれにしても一番機構にとって、少しで も有利な方法での資金調達ということに努めていきたいと考えております。 ○黒川部会長  確かに厳しいですね。これは医療の場合はビジネスとまた違うから効率がいいとかサ ービスの質とかいわれても、全体の医療政策の枠組みでやらなくてはいけないし、国立 病院・療養所が従来の政策医療とか難病とか、どこでもそういうような患者さんたちも たくさんある程度の政策医療をしなくてはならないところがあるし、と言ってそれぞれ の自治体、地方なり地域での国立病院のあり方というのは、周りにある私的な病院とか 公的な病院、セクターそれから都道府県立とか町村立とか、労災病院とか厚生年金とか 日赤とかいろいろあるところでどういうふうにやっていくかというのは非常に大事なの で、ここだけ良ければいいやというわけにはいかないというところがありますね。これ をどうやってやるかは、こちらがやるよりはむしろ矢崎理事長以下、全体としてどうい うふうな政策医療を遂行しながらやるかというのは難しいところがあると思うのです。 何かそれにも反して、全体そういう政策性というかミッションがあるわけなので、ここ のへんを十分に考慮しながらやっていかなければいけないのではないかと思います。  当然、皆さん十分考えておられることだと思いますけれど。地域によって全然役割が 違いますものね、いままでの伝統があるし、それに従って周りにいろんな私的な病院と か公的な病院が出来上がってきているわけなので、大変な時代の転換だと思います。開 原先生、何かありますか。 ○開原部会長代理  ちょっと別な問題かもしれませんが、今後こういう財務計画とかそれから財務諸表と かいうものは、公表されることになるのかどうなのかという話なんですが、私の理解 は、独法は公表しなければいけない話になっているのではないかと思うのですが、その ことは中期計画にはあまりはっきり書いてないわけですが、監査のあり方とかそれの公 表の話とか、それから公表するときに財務諸表の中のどのへんのレベルまで公表するの か、そのへんのところというのはどういう方針になっているのでしょうか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  法律上、私ども国立病院機構法のなかで、要するに機構は法人全体として財務諸表を 公表しなければならないと。これに加えまして、毎事業年度、施設ごとに省令で定めて いるところによりまして、財務諸表を作成して公表しなければならないということであ ります。機構全体の財務につきまして、評価委員会で聞くときに合わせてこれについて も御意見を聞かなければならないというふうに法律で義務づけられておりますので、い ずれにしても病院あるいは法人で財務諸表を作りまして、そして御意見を聞いた上で公 表するという手続になろうかと思っております。 ○開原部会長代理  今後は、病院ごとも公表しなければいけないということになるわけですね。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  そうです。それにつきましては、もう法律ですでに義務づけられた話でありますの で、計画に書く以前の話でございますので、特に明記はしなかったということです。 ○黒川部会長  これはさっき言ったような、日本全体の一法人になっていますから、先ほど夏目委員 などはそういうことよく御存知だと思うのですが、国鉄が4つのJRになったときに、採 算がとれないローカルな路線は必ずあるわけです。それはどうしても必要があって、そ のときにバスがあるのかないのかとかいろんな話があって、そういうところ一つひとつ を見れば一つの病院とか療養所と同じように採算とれないのはわかっているのだけれ ど、しかし全体としては、それをどういうふうにするかという話がここで見えるように なっていないといけないわけですね。それはさっき言った3%やってどうするとかいろ んな話の全体の運営をここでは見ていかなくてはいけないのかなという訳ですが、そう いうのは見えるわけだし、そういう全体のミッションは何かという話が地域によって違 うということを十分に評価とか政策にぜひ現していただければと思うのです。そういう ことでよろしいですかね、どうぞ。 ○開原部会長代理  もう一つ質問ですが、今後、国立病院機構が民間の医療機関からお金を借りるように なったり、また福祉医療機構のほうからお金を借りるというようなそういう可能性とい うもの、可能性としてはありますか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  長期借入金の、長期の資金の確保ということであれば、財政融資資金以外に主銀行な どからも長期借入することができますし、それからまさに国立病院機構債という債券を 自ら発行して資金調達することができるということですので、財政融資資金から借り る。自ら機構債を発行して資金を調達する、あるいは民間の金融機関から資金調達をす るというような方法があろうかと思うのです。個々の病院からということはちょっとな いと思います。 ○開原部会長代理  ということは、可能性としてはあるけれども少なくともこの5年間はこれでいこうと いうそういうことですね。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  そうです。 ○開原部会長代理  そうすると、そこは結局、利子のどっちが有利かというそこのところで判断をその都 度していくという、長期的に見ればそういう可能性になるということですか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  前回の資料にもございましたように、私どもはできるだけ長期の負債を増やさないと いうことであれば、本来はできるだけ内部留保したお金である程度努力をしていくと、 投資していくほうがまず優先ではないかなと思っていますし、いずれにしてもまずは財 務体質の改善ということで、その際もあちこちいろいろな方法で借りるよりも財政融資 資金と自己資金というのをベースに考えていきたいと。ただ、その考える時点でもっと 有利な方法があれば、またそれはその時点で検討はしたいと思いますが、現時点では財 政融資資金あるいは自己資金を中心に考えているということでございます。 ○夏目委員  いいですか。その機構債を仮に発行した場合は、その機構債に国の保証は付くのです か。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  制度上は政府が保証する政府保証債というかたちで保証をつけることができる規定に なっておりますが、これはまたその時点での財務省協議の結果、付けていただけるかど うかいうことになろうかと思います。 ○夏目委員  いま、郵政についての民営化の論議がこれからまた本格的にはじまるということにな ると、財政融資というのが本当に安定的な資金源として20年、30年にわたってずっと継 続されるのかどうか、そのへんはまたこれからの情勢次第によって変わる可能性はあり ますよね。そうすると、機構債というものを考えていかなければいけないんだろうと思 うのですけれど。少なくともこの5年はというか、当面はそこらへんは考えないでいこ うということですけれど、長期的にはどうなるかわからないところがありますね。 ○黒川部会長  それは医療政策全体のこれからの国の政策の論議になってくるのかなという気がしま すので、それもぜひ委員の方々、それから国立のネットワークがどういうふうにやって いくかという大きな枠組みですね。いままでのままで済むわけがないのだから、そのよ うな政策についてどういうふうに対応するかという話がどんどん変わってくるのではな いかという気がします。そのほかには。 ○夏目委員  細かいのですが、医療機器整備が44億で、5ヶ年計画ですと500億プラス・マイナス αになっているのです。500億を5年で割れば少なくとも相当の80億ぐらいになるはず なのを、敢えて半分にしたというのは、初年度だから少し厳しめにいこうということの 決意の現れですか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  そういう点もございますのと、あわせて機械はできるだけ内部留保のお金も使いたい ということでありますので、500のなかが必ずしもすべからく財政融資資金とは限らな いということでございます。 ○住田委員  もう1回お聞きしたいのですが、この償還の計画でいくと要するに5年間で2千億返 すわけですね。そういうことですね。  そうすると2千億というのはやっぱり償却前の内部留保とおっしゃって、償却前の利 益が2千億ないと難しいですね。おおざっぱな話をしているわけですが、そのような損 益という状況を想定されてこういう償還計画が作られているのですか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  さっき御覧いただいた、現時点で借りたものを返すのについては5年で2,500億弱の 元金償還が必要であると。一方私どもが当初するにあたりましては、このあいだも最初 はなかなかマイナスでスタートしていても、5年間ではなんとか収支相償以上もってい きたいということでありますので一定の内部留保がうまくできるのではないかと、しな ければならないというふうに思っております。その上で、その2,500は財政融資資金を 返すという額でありまして、一方この5年間で投資する額は、従前は相当4千億近く、 過去5年はだしておったのですけれども、今後の5年間は自己資金と長期借入を含めて 1,900億程度にしたいということでありますので、当然そういう損益の見通しのなかで、 この程度ぎりぎりだと。仮にBS上この程度の投資をしても、とんとんキャッシュは大 丈夫だということでございます。 ○黒川部会長  その他に、大道先生何かありますか。 ○大道委員  中期の計画も了承の得られたところですし、財務的な向こう5ヶ年間の枠組みもこう ならざるを得ないようなところがありますので、どういう申し上げ方をしたらよろしい のか。いまの医療環境、特に経営的な状況をみますと、今回150余りの病院で端的に言 って実質的な経営資源は、政策的な意味合いも含めて100億足らず、80数億でしたか、 それが単年度での運営交付金ということを先般以来御説明いただいたことです。  この額が150〜60病院分であれば1病院当たり幾らという単純な算術はともかく、政 策的な意味合いの医療を受け止め、なおかつ今回も厳しい診療報酬の改訂がございまし た。一方で、自治体は県レベルであれ地方自治体であれ、きわめて現実的な地域に応じ た医療ニーズを直接受け止めざるを得ない。こういうところでの、繰り入れ、繰り出し 的な補助は地方公営企業法の流れのなかで精一杯やっているところです。例えば東京都 というのは10余りの直営病院があるわけですけれど、単年度でいま400億近い繰り入れ ですね。その額が規模的に違うわけですよ。いままでも国立病院というのは、それなり に厳しさが増していましたが、今回、一層鮮明になりました。こういうなかで、今度の 独法の一事業体としての病院管理者、経営の責任者というのはどういうスタンスで医療 理念を設定して経営方針をたて、日々、医師をはじめとする医療従事者にどういうやり 方で経営していくかというのは、非常に見えづらい状況がでてきたと正直改めて思いま す。  今回は計画ですし、私ども評価委員として成り行きを見せてはいただくのですが、理 屈は確かに個々の医療従事者の労働生産性を上げて収益性を確保したうえで、この計画 にできればうまく合致したかたちで個々の病院の経営実績を得られれば、それを私ども 目指すところですけれども、実現できないときに一体どうすればいいのでしょうかとい う思いがあります。長期借入をやってこれ向こう5年間で返済するのですが、こうなら ざるを得ないという意味で了承はするんですけれども、実現が残念ながらうまくいかな かったとき評価委員としてどういう言い方をしたらいいのでしょうと。  150余りの病院が、今後向こう5年間難しい経営環境のなかを、しかも公務員という 身分を維持しつつ、生身の対人サービスたる医療事業を統制経済下にある診療報酬で縛 られていて、しかも混合診療は認められない。特定療養費の運用もありますけれど国立 病院の流れを酌む病院がそう簡単に患者さんから特定療養費とか差額分を徴収できると いう流れでない。非常に大きな制約を受けたなかで、経営を進めていくことの難しさ、 それを我々がわかりながら了承せざるを得ないというこの成り行きですね。従来、国立 と公立を相並べて財政構造なんか似ているみたいなことでやってきたのですけれど、独 法化で国立病院は大きく変わらざるを得ない。あるいはもう変わったんですね。こうい うときに、現実論としてどういう経営をしていったらいいかというのは、少なくとも今 回で3回御説明いただきましたけれど、必ずしも生身の経営的な有り様というのは見え ていないというのが私の印象です。ここのところを最大限努力し、矢崎理事長以下御苦 労されると思うのですが、しかしあまりペシミスティックに考えてもいけないので、私 は思い切った人材登用によって労働生産性を上げる必要がある。これだけ手足縛られた ら、やっぱり人をしっかり選んで組織のアクティビティを引き出して、とにかく生産性 を上げていただくような方向に個々の病院がなっていただくしかないじゃないですか と。そういう事例はあるわけですけれども、なにせ百数十の病院が一致してそういうよ うな方向にならないと、財務上の計画というのがちょっとリアリティを欠くというか、 「大丈夫ですかねぇ」というような感触を最後まで捨てきれない感想を持ちます。多少 とも医療の経営を見てきた者、特に自治体などの成り行きを見てきた者から見るとそう いう印象、感想を持ちます。  これは不可能であるとは申し上げているわけでは毛頭なくて、だからこそ国立病院の 流れを酌むこの新しい機構が、まさに新しい経営理念というのを確立することの意義と いうものを僭越ながら申し上げさせていただいたわけです。以上でございます。 ○辻本委員  患者の立場で何を申し上げていいのかわからないぐらい難しい話ですが、天文学的数 字のような気がしてさっきからうろたえております。  ただ、私たちは医療を受ける側の立場として、このことを病院スタッフつまり私たち が日常的な診療で向かい合う人にどう伝えていくというか、浸透させていくかと。そこ はたぶん管理者、院長などの手腕によるところだと思うのですけれど、あくまでもサー ビスということとこの効率ということが、バランスを欠いてほしくない。ただただそう いう思いでここに臨んでおりますので、一人ひとりの病院スタッフの意識改革というこ とを合わせて努力をしていただくしかないなと、そんなふうな思いで聞いておりまし た。 ○黒川部会長  その他にどうでしょうか。そうは言われても誰がそのコストを払うのという話がいま でてこないといけないわけで、そのサービスとか時間を待たされて3分しかしないとい うけれど、それだけのお金しか払っていないんだからと言われたらどうするかという話 のほうがよっぽど大事なわけだから、効率の悪いところは直さなければいけないのです が、それはやはり患者の側から社会の側からというのであれば、社会の側がそれではど ういう医療を求めたいのかということを言わない限り、これは変わらないですね。  そんな訳だから、それをどうしようかというのが一番大事なんで、このままいってお くと国立病院も自治体病院もみんな壊滅的になって、消費税は10%上がったらどうする のみんな潰れます。そのときいろいろ言われてももう遅いなと思っているのだけれど、 だから医療機関に注文だすのはいいけれど、市民は何をすべきかということも考えない といけないのではないかと思いますけれどね。  だんだん暗い話になったけれど、これはここが評価しているだけなので、そこで今度 大学とかいろいろなところも法人化されていますが、学長にしろ、今度ここは矢崎理事 長の手腕にかかっているというか、たくさん権限があるにしてもやはり経営のその指針 とか、普通の会社だとボードがあって、ボードがいろんなことを決めてCOEを雇ってき てCOEのパフォーマンスが悪ければ辞めさせられるという話があって、それでは誰が評 価しているというとマーケットなわけです。そういう機構がいまのところないから、大 学も非常に心配しているのは、学長に権限があるんだけれど学長がだめだったらチェッ クできないということになってしまって、任命権が文科大臣だけにあるというのは非常 に変な話で、学長が決めたことをエクセキュートする執行役員だけがあるという格好に なっているのです。だからこれがちょっとおかしなシステムで、ついでにエージェンシ ーなんてイギリスの真似したところが問題なんだけれど、そういわけでご苦労様だけれ ど、そうなっちゃったから仕方がないで、これからいろいろ変えていくのは、結局は国 民が何をしたいかですよね。だから医療機関に注文だけだしたって世の中何も変わらな いというところが一番大事なわけで、そのへんをどうするかですよね。無駄な部分はな くすけれども。はい、山田委員どうぞ。 ○山田委員  これ以上暗い話はしたくありませんのであれですが、あまり自分のところの話はした くないのですが、90病院をみている立場からしまして、やはり先ほど大道先生が心配さ れたとおりのことを私としても心配しておるわけでございます。  ただ、これが5年間見させていただいて非常にいい成果を得られるということであれ ば、ぜひとも私もここの委員として参加させていただいている以上、これを勉強させて いただいて、自分のほうに応用させていただきたいというふうに思っておりますので、 どうぞよろしくお願いいたします。 ○黒川部会長  ではその他によろしいでしょうか。もしよろしければこれでいくということなんです が、そのエージェンシーそのものの問題点はたくさんあるわけです。エージェンシーの 問題と大学もここでもそうですけれど、医療というその社会基盤が、例えばハンドバッ クなどだったら買う、買わないというのは自分のチョイスで、ルイヴィトンを買いたい 人は買えばいいんだけれど、買いたくない人は風呂敷を買っていればいいわけだから、 そういうチョイスと違うので、だからサービスを良くしてくれといったらサービスに対 してお金を払ってくださいというふうになるのかね。だけどお金のない人はどうするか というと、少しはインフラストラクチャーとしてパブリックセクターはセーフティーネ ットをがっちりと、ほとんどお金がかからなくていいから、その代わりそれはタックス ペアのお金ですからね、そういうことがないと全員が地方でもすべての人が混合診療と いうような、それはいいけれどお金のない人は嫌だとか、その選択肢がなくなってしま うと非常に困るのでそのへんがいま国立病院が非常に大事な役割をしていたわけです ね、国公立がね。それが右肩上がりでないからどういうふうな施策をするかというの は、いま一番大事な問題になってきているのではないかなと思いますので、そんなこと でこれは了承させていただければと思いますがよろしいでしょうか。 ○委員一同 (異議なし) 3.閉会 ○黒川部会長  それではよろしければ次は、予定していた審議は以上のことということで終わるので すが、今後の予定について事務方のほうからお願いします。 ○事務局  それでは次回の予定について御案内させていただきます。次回につきましては、4月 以降に開催を予定いたしております。議事につきましては、役員に係ります退職金規程 等について御意見を賜りとうございます。また、日程等につきまして、お手元のスケジ ュール表に御記入の上、今週中を目途に事務局のほうに御送付いただきまして、それを 調整させていただいた上で御案内をさせていただきたいと思います。以上でございま す。 ○黒川部会長  そのほかによろしいでしょうか、ちょっと早く終わりすぎちゃった気もあるんだけれ ど、このあいだ十分議論をしたところを入れているので。はい、矢崎理事長予定者。 ○矢崎理事長予定者  お忙しい先生方に3回もお集まりいただいて御議論受けて、厚生労働大臣からいただ いた中期目標に対する計画(案)を御議論いただきましてどうもありがとうございまし た。おそらくここにいらっしゃる3回の、各2時間以上に、委員の皆様には時間を割い て中身を検討していただきまして誠にありがとうございました。  また、その過程で大変私どもにとって、厳しい御意見と同時にやはり国立病院機構が なんとか立ち入っていくようにという温かいお気持ちもいただいたというふうに思って おります。我々としましては、政策医療という基盤ですが、やはり医療の原点に立って 地域のあるいは国民の皆様に信頼を受けるような、そういう医療機関になっていきたい というふうに思っています。それには御指摘のとおり、職員一人ひとりの意識改革が必 要でございます。それをどういうふうに具体的に持っていくかというのは、これから我 々の腕が試されるところだと思いますので、私ども努力していきたいというふうに思っ ております。  また国民の、わが国の医療の質の向上のための、例えばここに書いてありますような こういう医療がいいのではないかという、あるいはそのEBMのエビデンスをどう整えて いくかというようなことも私ども一歩一歩考えながら、154の病院の連携を密にしてが んばっていきたいというふうに思っております。  私ども、人材の活用とかあるいは患者サービスとか、いろいろなポイントをいただき まして、4月1日からこれを我々の能力が試されるのではないかというふうに思ってお りまして、私ども4月1日以降また気を引き締めてがんばっていきたいというふうに思 います。  私は、昨年の10月1日に理事長予定者として拝命して、初めてこの機構の中に入った わけですが、この中期目標いろいろな数字がでてまいりましたが、これは過去2年以上 にわたった国立病院部の皆さんに集めていただいたデータの上で、初めてこのような中 期計画が立ったわけでありまして、大学その他の法人化に比べれば、私これ数字その他 を拝見してすごくしっかりしたデータベースを持っているし、活用できるのではないか と。  ただ一つ、これは公務員型でございますので、一番難しいのは意識改革ではないかと 思います。これが財政的な問題以上に、密接に絡み合いますが、その意識改革をどうも っていくかということはキーポイントだと思っておりますので、今後とも御指導賜って そのたびたびに厳しい、しかし支えるような方向で御支援を賜れば大変ありがたいと思 いますので今後ともよろしく。御礼と同時に御支援いただきたいと思いますのでよろし くお願いいたします。 ○黒川部会長  よろしいでしょうか。それでは、このあとも何かありましたら各委員からも事務局の ほうに言っていただいて、またそれについては事務局とも相談させていただいて、何か ありましたらお知らせをさせていただきたいと思っております。以上ですがよろしいで しょうか。  では、きょうは少し早めに終わりましたがよろしくお願いします。ありがとうござい ました。では、矢崎先生よろしくお願いします。                                      以上 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電話 : 03−5253−1111(内線7784)