04/01/23 確定拠出年金連絡会議第8回議事録              ┌――――――┬――――――――┐┌―――――┐              |確定拠出年金|   第9回   ||資料11 |              | 連絡会議 |平成16年3月26日 ||     |              └――――――┴――――――――┘└―――――┘              確定拠出年金連絡会議                (第8回)                 議事録              平成16年1月23日 確定拠出年金連絡会議(第8回)議事録 日時:平成16年1月23日(金)10:00〜12:10 場所:経済産業省 別館 第1028会議室 議事:(1)確定拠出年金の施行状況について    (2)実施事業所の実施状況等の報告について    (3)運営管理機関の実施状況について    (4)確定拠出年金実態アンケート調査について    (5)フリートーキング    (6)その他 出席委員:加子座長、伊藤委員、小野委員、太田委員、田中委員、徳住委員、秦委員      光谷委員、山根委員、渡邉委員、吉田委員、吉野委員 オブザーバー:      田村正雄(社団法人生活福祉研究機構理事)      石田成則(山口大学経済学部教授) 関係団体等:      遠藤寿行(日本経済団体連合会社会保障グループ長)      小野 明(日本商工会議所新規プロジェクト担当付副部長)      成瀬茂夫(経済産業省経済産業政策局企画官)      石塚 栄(厚生年金基金連合会企画事業部長) 事務局:厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課 ○ 加子座長  それでは定刻になりましたので、ただいまから第8回確定拠出年金連絡会議を開催い たしたいと思います。本日は大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうござ います。  それでは、事務局よりメンバーの出欠状況を報告していただきたいと思います。 ○ 矢崎課長  企業年金課長の矢崎でございます。よろしくお願いいたします。  最初に、メンバーの方に御変更が一部ございましたので御紹介させていただきます。 お手元資料1の2枚目、連絡会議参集者の一覧表がございますので、そちらをごらんい ただきたいと思います、トヨタ自動車株式会社の河合和之様は人事異動がございまして、 人事部企画室長の伊藤憲行様に替わられております。  なお、本日、後ほど御発表いただくということで、全国銀行協会の方を代表していた だきまして、株式会社みずほ銀行から、アセットマネジメント部部長の岩本様と次長の 高橋様、それから、社団法人生命保険協会の方を代表していただきまして、日本生命保 険相互会社から、401k年金部部長の鈴木様に御出席いただいております。  次に、本日のメンバーの方々の出欠状況についてでございますが、日商岩井株式会社 の姫野様が御欠席ということでございます。その他のメンバーの方々は全員御出席でご ざいます。なお、当方の渡辺審議官、所用のため欠席させていただいております。申し 訳ございません。また、関係団体等の方々におかれましては、日本経済団体連合会国民 生活本部副本部長の松井様、日本労働組合総連合会総合政策局生活局長の小島様が欠席 されておりますけれども、日本経済団体連合会におかれましては、遠藤社会保障グルー プ長に御出席いただいております。  なお、本日も十数名ほどの実施企業の方々が傍聴されていらっしゃいますので、その 旨、御報告させていただきます。以上でございます。 ○ 加子座長  どうもありがとうございました。ただいま事務局から御報告がありましたとおり、本 日の実施企業の方々に傍聴にお越しいただいております。前回と同様に会議の最後に若 干時間を設け、傍聴者のうち確定拠出型年金の実施企業の担当者の方々からも御質問を 受けさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、議事に移りたいと思います。まず、確定拠出年金の施行状況、平成16年度 税制改正、確定拠出年金運営改善事項案について事務局から説明をお願いいたします。 ○ 松岡企画官  まず資料2の確定拠出年金の施行状況について御説明いたします。お手元の資料2を おめくりいただきまして1ページ目でございますが、平成15年12月末現在、企業型年金 承認規約数が632件、加入者数が11月末で約62万人、実施事業主数が1,768社ということ でございます。個人型年金の加入者等につきましては、2万4,723名ということでござい ます。そのほか登録運営管理機関665社ということになってございます。  以下、規約の企業名、13ページ以下は運用実態でございますけれども、また後で御参 照いただければと思います。以上でございます。 ○ 矢崎課長  続きまして、税制改正の状況等につきまして御報告申し上げたいと思います。資料3 −1を見ていただきたいと思いますが、平成16年度税制改正ということで、企業年金関 係についてもいくつかの税制改正の要望を出してございます。  まず1点目でございますが、「確定拠出年金の拠出限度額の引上げ等」ということで ございます。拠出限度額の引上げ、結論から申し上げますと、そこにお示ししてござい ますが、企業型で他の企業年金のない場合、現在月額3万6,000円でございますが、1万 円引き上げて4万6,000円。また、他の企業年金のある場合、これも現在1万8,000円の ものを2万3,000円。個人型につきましても企業年金のないようなところのサラリーマン の方々の場合でございますが、これも月額1万5,000円を1万8,000円ということでござ います。  下の方に「※」で示させていただいていますが、この限度額の引上げの実施時期でご ざいますが、この限度額は政令で規定されておりますが、ただ、この限度額の引上げと いうものがまさに今御議論いただいております公的年金制度の給付水準の見直しという 中で、それを補完するということで充実させていこうということでございますので、こ の限度額の引上げは、今国会提出予定でございます年金改正法案が通りまして公布され た後で、なるべく早くということで、できれば10月ぐらいの目途で実施したいと現時点 で考えているということでございます。  「※」の2点目でございますが、御承知のように、既存の厚生年金基金、適格退職年 金から確定拠出型年金に制度移行される場合、従来実施しておりました基金なり適年な りの年金原資に移換できるわけでありますが、その際には今一定程度の限度額が設けら れております。これにつきましても、拠出限度額の引上げと併せまして、この移換限度 額も撤廃するということを予定してございます。  2点目でございますが、「中途脱退時の要件緩和」ということでございます。御承知 のように、確定拠出年金制度創設当時も、いつでも引出し自由ということであれば貯金 と変わらないということで、税制上の優遇措置は認めがたい、こういった議論があった わけでございます。現在の状況を見ますと、あまりにも少額の方の場合には、一定程度 手数料は取られるものの、利子が今非常に低い環境にあり、資産が減価していくという ような事態も考えられます。そういうことになりますと、制度に対する信頼性という点 からも問題ではないかということで、中途脱退時の要件の緩和という要望をしておった ところでございます。  これにつきましては2点ございまして、1点は、企業型から個人型に移行した方、典 型的には、例えばOL等を何年かやっておられて、結婚されて専業主婦になられたよう な方でございます。こういった方は、現在は3年以下ですと脱退できますが、3年を超 えると脱退できないという状況でございますが、今回資産が50万円以下というような少 額の場合には中途脱退するという道を開こうということでございます。  もう一つは、資産が非常に小さい1.5万円以下の方の場合、これは個人型に移行すると いうところでも一定の手数料を取られますので、個人型に移行することなく退職時に企 業型の中での脱退をするという道も新たに設けようと考えてございます。これにつきま しては、法律事項でございますし、施行に準備もかかるという点もございますので、法 律公布から一定程度の時間をとって実施と考えているところでございます。  税制改正の2点目ですが、四角囲いの2つ目、基金、確定給付企業年金、確定拠出年 金の積立金、企業年金の積立金にかかる特別法人税(特法税)の問題でございます。こ れも私どもとしましては撤廃という要望を出してございましたが、結論から申し上げま すと、要望が認められず現行どおりということでございます。これは(注)のところで も書いてございますが、この特法税、平成15年度税制改正の中で、平成16年度までは凍 結という状況になっておりますので、今後さらに考えていくということでございます。 ただ、一応平成16年度までの凍結措置でございますし、私どもとしては、企業年金を運 営していただく上で暫定的な取扱いではなくて基本的なところで税金がかからない、撤 廃というような対応が必要であろうと考えてございますので、今から言うのはちょっと 気が早いのですが、来年度の税制要望の中では非常に大事な項目ではないかと考えてい るということでございます。  3点目がポータビリティの確保ということで、これはまた後ほど御説明いたしますが、 確定拠出年金は非常にポータビリティに富んでございますけれども、いわゆる基金や確 定給付企業年金の給付建の制度は、なかなか転職されたような場合に持ち運びが難しい という状況がございます。ただ、現実的なニーズ、多くは系列企業間というのが現実的 なニーズだろうと思いますが、そういった中でもう少しポータビリティ性を富ませるよ うにというような御要望もございまして、私どもとしては制度改正を考えているという ことでございます。その際、当然ながら資金が動きますので、その動くときに税金をか けられるということでありますと効果がありませんので、併せて税制改正の要望を行っ てきたということでございます。  これにつきましては、「△法」と呼ばれるものでございますが、法案を見て、主税の 方で御検討されるという位置づけで年末終わっております。もちろん法律を主税局の方 でもよく御検討いただくというのは当然でございますが、基本的な考え方は了解してい ただいたものと考えてございます。  要すれば、確定拠出年金の限度額の引上げは、この会議でも非常に御要望が多かった ことでございますが、この1万円の引上げ幅についての評価はいろいろあろうと思いま すけれども、非常に税収の厳しい中で、1万円とはいえ引上げができたという点は一歩 前進ではないかなと私ども思っております。  そういった厳しい中で、こういった引上げが実現しましたのは、きょう御参集いただ いております皆様方のお力添え、いろんな形での御支援があったらばこそと思っており ますし、また、経済産業省、金融庁の非常な強力な御支援があったという点は御報告さ せていただきたいと思います。  関連いたしまして、資料3−2を見ていただきたいと思います。新聞等で報道されて おりますように、2月に国会の方に年金の改正法案を御提出申し上げたいということで 今与党の方でいろんな角度から御議論いただいております。私どもこの改正の中に、企 業年金関係についても必要な改正事項を織り込みたいと考えてございます。  お手元、めくっていただきまして1ページでございます。この資料自体は昨年の11月1 7日に厚生労働省案ということで、一連の公的年金改革を含めて全般的な厚生労働省とし ての案をお示ししたわけでございますが、その中の企業年金部分の抜粋というものでご ざいます。  簡単に御紹介だけにとどめさせていただきたいと思いますが、1点目が厚生年金基金 の関係でございまして、御承知のように、これは免除保険料率、いわば公的セクターか ら基金の方に動くお金でございますけれども、これが本来見直しを前回改正でも行うべ きところでございましたが、厚生年金の保険料そのものが凍結ということで、この免除 保険料も凍結ということになってございます。今回、厚生年金の保険料を少しずつ毎年 上げていくという方向でございますので、私どもとしましては、併せまして基金の免除 保険料率も凍結の解除をしていただき、直近の平均寿命、直近の予定利子率を用いて見 直し・引上げを行いたいと考えているということでございます。  おめくりいただきまして2ページでございます。2点目が、「厚生年金基金の解散の 特例」ということでございますが、現実問題として非常に母体企業の状況が厳しいとい うことで、基金を解散されたいというニーズがございます。解散される場合には、当然 ながら代行部分に必要な最低責任準備金をお返しいただくということになっております。 ただ、近時の資産劣化に伴いまして不足額があるケース、そういったケースにつきまし ては、不足額を一括して一挙に母体企業から穴埋めしていただくことになってございま す。ところがこの額が大きいとなかなか一挙に払えない。いわば解散したくてもなかな かできないといったような切実な声がございます。こういった点に考慮しまして、2点 解散時の特例措置を打ちたいと思っております。  1点目がそこの「○」でございますが、分割納付する道を開くということでございま す。2点目が最低責任準備金、返していただく最低責任準備金について一定の要件に該 当するような基金については、特例的な計算方法をもう一つ選択肢として入れようとい うことでございます。簡単に申し上げますと、そこの基金が基金をつくっておらずに、 本体だけに仮にいたとしたら、本体の方でその人たちにどれだけの積立金が形成されて いたであろうかという特例的な額の計算方法をつくろうということでございます。具体 的にどうするかといいますと、基金にしてみますと、免除保険料という形で、いわば公 的セクターから収入がございます。一方、代行給付ということで国に代わって給付を出 します。その差額分が、もし仮に本体にいたら、本体の方で積立金として形成されたで あろうということになりますので、それをその基金の設立当初から現時点まで積み重ね ていくといった方法でございます。数理に詳しい方にわかりやすく言えば、過去法に基 づく計算ということになります。ただ、これも非常に特例的な措置でございますので、 3年間の時限措置というふうに考えてございます。  1ページ飛ばしていただきまして4ページでございます。2点目としまして、先ほど 税制改正のところでも若干触れましたけれども、「確定給付企業年金関係(ポータビリ ティの確保)」ということでございます。  これは、1つ目は、厚生年金基金、確定給付企業年金、相互間で、もちろん加入者は 御本人の選択ということになりますが、資産移換の形で次の転職先の企業へ年金を持っ て行けるような形にしたい。  さらに2つ目の「○」ですが、企業型の確定拠出年金、個人型の確定拠出年金、要す るに確定拠出年金にもこういった資産移換による年金通算措置が講じられるようにしよ うということであります。  もう一つ、次のカギ括弧、確定給付企業年金でございますが、これは中途でやめられ たような方ですが、次の就職先がなかなか決まらない、あるいは自営業になってしまう という方について、補完的に厚生年金基金連合会で引き受けまして年金化するという道 も開こうというものであります。今、厚生年金基金連合会は、厚生年金基金については こういった年金通算、センターとしての役割を果たしていただいておるわけでありまし て、確定給付企業年金についても同様な機能を果たしていただこうというものでござい ます。  3点目は確定拠出年金でございますが、これは先ほど御説明申し上げました税制改正 のとおりということでございます。  以上でございます。 ○ 松岡企画官  続きまして資料4でございますが、「確定拠出年金運営改善事項について(案)」を 御説明させていただきます。これにつきましては、前回の第7回の会議で、主な検討項 目と改善要望ということで挙げさせていただいたものにつきまして、その対応方針をお 示ししたものでございます。  まず、1が「規約の変更等の手続関係」でありまして、その中の1つ目が、軽微な事 項の規約変更手続の簡素化ということでございます。これは法律改正事項になります。 規約変更に際しまして、軽微な事項については労使合意を経て届出を行うということで、 届出だけでいいということでありますが、労使合意が必要であるということになってお りますけれども、特に軽微なものとして省令で定める事項の変更については、労使合意 を不要とするということでございます。具体的に事業主・運営管理機関などの住所変更 等こういったものを想定いたしております。  2つ目が複数企業で実施する規約の変更手続の簡素化ということでございます。  これも法律改正事項でございます。複数の企業が共同で1つの企業型年金を実施する 場合、いわゆる総合型といいましょうか、そういうものでございますけれども、あるい は単独の企業が複数の事業所で企業型を実施する場合に、1つの事業所だけに係る部分 で変更や追加といったものがございますけれども、こういったものについては、規約に 定められていれば、ほかの事業所の労使合意は不要とするといったことで考えておりま す。  具体的には、当該事業所の運営管理手数料等、そういったものを想定いたしておりま す。これは現行でもあらかじめ規約に規定するということで、他社の同意があったもの とするといったような弾力的な運用となっておりますが、今回これで明確化を図りたい ということであります。  3つ目が分社等の場合の手続の弾力化ということであります。これはレベルとしては、 〈Q&A事項〉ということでございます。  分社化など特別の事情として認められる場合には、承認申請にいろいろ必要な添付書 類が必要でありますが、こういったもので一部ない場合であっても、それに代わるもの として事実が確認できる場合については承認申請を可能とするということで、順次必要 書類が整備されましたら出していただくことで対応できるようにするということでござ います。 2が「加入資格関係」であります。  勤続年数が3年に満たないことが明確である方への代替措置の取扱いということであ ります。これは〈通知、Q&A事項〉ということで、現行のこの取扱いといたしまして は、嘱託、臨時雇員(いわゆるパート職員を含む。)ということでありますけれども、 こういった方の場合であって、企業型年金加入者となる従業員と比べて労働条件が著し く異なっている方については、企業型年金加入者とせず代替措置を不要としております けれども、雇用期間が3年未満といった場合、雇用契約等により確実に見込まれる方に ついては、規約等で明確化されるということでありましたら、こういった取扱いが可能 ということを明確化したいということでございます。  2つ目が労働条件が著しく異なっている方の基準の明確化ということであります。上 の(1)と重なってくるような感じございますけれども、加入者となる従業員と比べて 労働条件が著しく異なっている方について、給与規定、就業規則、雇用形態、退職金制 度の有無等の相違等という基準で判断してみるということを明確化するということでご ざいます。これは〈Q&A事項〉でございます。  続きまして、3の「運用商品関係」であります。  運用商品の除外の要件緩和ということで、これは〈省令改正事項〉であります。  運営管理機関が運用商品を除外しようとするときには、商品提供会社の解散などによ って商品の提供ができなくなったときには、商品購入者の全員の同意を必要としないと いうことを可能とするということでございまして、省令で定める事項としては、商品提 供会社の解散等を想定いたしております。  それから、商品の情報提供方法の弾力化ということでございますけれども、これは〈 Q&A事項〉でございます。基本的に前月末の直近情報の提供が難しい場合につきまし ては、その提供可能となった段階で加入者等へ提供する取扱いでよいということにする ということでございます。  4が「資産移換関係」であります。  適格退職年金から確定拠出年金への資産移換期限の緩和ということでありまして、こ れは〈政令改正事項〉でございます。これは事務処理状況などを勘案いたしまして、こ の移換期限につきましては、現行の適格退職年金の解約等の属する月の「翌月の末日ま で」というのを「翌々月の末日まで」に延長するといったことでございます。  2つ目が企業型年金の終了に伴う資産の移換期限の明確化ということで、これは〈省 令改正事項〉になります。こういった場合の個人管理資産につきましては、国民年金基 金連合会の方に移換するわけでありますけれども、その期限を「6カ月以内」というこ とで明確化をする。期限が明記されていないということでずるずる延びる可能性がある ということでございますので、そういったところを明確化するということでございます。  5が「資格記録関係」でありまして、レコードキーパーの保存情報についての事業主 の提供義務化でございまして〈省令改正事項〉でございます。一部現在事業主に報告義 務が課されておりません。加入者の資格喪失年月日を事業主に提供を義務づけるといっ たことでございます。  2つ目がレコードキーパーの保存記録の期限の短縮ということでございまして、これ は〈省令改正事項〉でございます。企業型の加入者の原簿や個人型加入者等帳簿の記載 事項のうち、運用指図の内容及び年月日について保管期限を短縮するものでございまし て、具体的にはほかのところに移って、ほかのレコードキーパーに記録が移った後につ きましては、保存期間の記録を短縮するということでございます。これはかなり長期に 持っておかなければいけないということで現行はなっておりますので、その辺を短縮す るということでございます。  以上、法律改正事項につきましては、今回の年金制度改正の中に併せて盛り込むとい うことでございます。それから、政省令の改正事項もありまして、法律、政省令改正事 項については、年金制度改正法案の施行の時期と併せて実施できるようにということで 考えております。  また、通知やQ&A事項につきましては、このほかいろいろ細かい事項等も併せまし て、今年度末までに出せるようにしたいと、かように考えております。  以上でございます。 ○ 加子座長  どうもありがとうございました。ただいま御説明いただきました資料につきまして、 何か御質問があればお願いしたいと思います。  私の方から1つ、今般の確定拠出年金の拠出限度額の引上げに関しましては、厚生労 働省さんの御尽力に対しまして感謝を申し上げたいと思います。ただ、今回引上げにな りましたのが、企業年金のない場合がプラス1万円、企業年金がある場合プラス5,000円 ということで、いわば厚生労働省さんの当初の案の3分の1が実現できたということか と理解しておりまして、今後も引き続き引上げに関しましては当初案に向けて御尽力い ただけるのかなというふうに考えておりますが、いかがでございますか。 ○ 矢崎課長  私が説明の中で申しました非常に税収自体が厳しいという環境はあったと思います。 私どもとしましても、今日の限度額引上げ後の各企業での実施状況、全般的なニーズ 等々を見ながら、また必要な対応はしていくということはあり得るだろうと思っており ます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかに御質問等ございますか。どうぞ。 ○ 吉田委員  特法税につきまして撤廃が認められないということだったのですが、多分ここにいる 全員の方が確定拠出年金というのを広めたいという意識があると思います。その中でこ のように、確定拠出年金の拡大を阻害してしまうような施策は、非常に企業側からする と相受け入れないものがあると思います。ですから、今年は仕方がないかもしれないで すけれども、継続的にぜひ撤廃の方向で動いていただきたいと思っております。 ○ 矢崎課長  特法税については、理屈の世界で言いますと、年金課税全体をどう考えるか、よく入 口、中、出口というような言われ方しますけれども、そういった中で、今回給付時の課 税も公的年金等控除の見直しをしていくという方向が年末の時点で検討されております ので、そういった年金課税全体の構図等も踏まえまして、私どもとしては撤廃に向けて、 先ほども申し上げましたが、ちょっと気の早い話ですが、来年度の税制改正要望に向け ては非常に大きな課題だと思っております。また、いろんなお知恵なり御支援を皆様方 にお願いしたい。 ○ 加子座長  ほかに御質問ございますか。それでは、よろしゅうございますでしょうか。  それでは、次の議題であります実施事業所の実施状況等の報告に移りたいと思います。 本日は、株式会社三越の小野委員から、確定拠出年金の実施状況等について御報告をお 願いしたいと思います。15分程度、御報告いただいた後に、御質問等につきまして時間 をとりたいと思います。それでは小野委員、よろしくお願いいたします。 ○ 小野委員  三越の小野でございます。私どものつたない取組でございますが、御報告をさせてい ただきたいと思います。お手元の「三越マイライフ年金制度について」というレジュメ に沿いまして若干御説明を申し上げたいと思います。  当社は、皆様御存じのように小売業でございまして、ちょうど株式会社を設立してこ としで100年目を迎える企業でございます。昨年の9月に株式会社名古屋三越、千葉三越、 鹿児島三越、福岡三越と別会社であった百貨店事業会社を統合いたしまして一本の株式 会社三越、もう一度新設合併という形で統一をした企業でございます。  したがいまして、2ページ目にございますように、昨年の9月から、今まで株式会社 千葉三越、株式会社名古屋三越というようなものが一本になりましたので、千葉店、名 古屋栄店、福岡店というような形で整っておりまして、後ほど申し上げますけれども、 地域事業の別会社であったものを一本化したために、確定拠出年金制度についても統合 の問題があったということでございます。これは後ほど詳しく申し上げたいと思います。  そのような形でございまして、3ページ目をお開きいただきますと、平成11年の秋か ら退職給付会計の導入を睨みまして、労働組合と一緒に労使で年金問題研究会をスター トさせました。企業年金の進むべき方向性や制度の内容についていろんな角度からあら ゆる選択肢を検討してまいりました。その中で三越厚生年金基金につきましては、加入 員の大幅な減少がございましたので、また、今後の財政を維持していくことが非常に困 難な状況に陥ることが予想されましたので、退職給付会計の導入もございますので、平 成13年の8月に厚生年金基金を解散いたしました。平成4年当時で加入員が1万4,000人 強ございましたのですが、7,000人規模になりましたので、この加入員の大幅な減少が大 きな要因でございました。  その後、引き続き労使で検討していく中で、平成14年2月には人事賃金制度、人材開 発プログラム、福利厚生の諸制度というようなものをいかに相乗効果を図れる仕組みに するかということで、ここに掲げましたとおり「キャリア&ライフサポート21」という ようなことを銘打って構築をスタートさせて、社員のキャリアプラン、ライフプラン、 そういうものに対する会社がやるべきこと、個人でやっていかなければならないという ようなことを総合的に見直して、その中で新しい企業年金制度を位置づけることにした いということでございます。  これは皆様方十分おわかりのように、社員一人一人が安心した老後生活を送るために は、公的年金を核とした企業年金の補完的役割が必要でございますし、自分のライフプ ランに合わせた自助努力も重要になってくる。今後自分自身のライフプランを自らが考 えて、その実現に向けて必要なキャリアプランを設計して、自己啓発等主体的に行動を 起こすということで、私ども三越としては、自立型社員の育成と意識改革ということが 非常に重要なポイントだというふうに定めまして、どのように企業がこれから進めてい けばいいかという課題を持って取り組んできたということでございます。  確定拠出年金制度を導入するということにつきましては、今申し上げましたとおり、 社員が自己責任の下、年金資産を自ら運用し、その成果は自分のものとなる制度だとい うふうに位置づけまして、企業にもそういった観点からの制度設計とサポート体制の構 築が求められている。企業と社員との関係や社会情勢が大きく変化する中で、確定拠出 年金制度が公的年金を補完する役割にある企業年金として、新たな時代にふさわしい制 度だというふうに私どもは認識いたしまして、現行の適格退職年金制度の廃止をいたし まして、新たに確定拠出年金制度を導入するぞということで労使合意をいたしました。  また、確定拠出年金制度を導入するに当たっては、自分たちで自分たちの新しい年金 制度を育んでいくのだといった思いを込めまして「三越マイライフ年金制度」というこ とを名づけたということでございます。  4ページ目をお開きいただきますと、当社の今までの年金・退職金制度、厚生年金基 金は解散いたしましたので、基金の部分はあれなのですが、退職金制度の中に適格退職 年金制度がございました。これは大体退職金総額の6対4という割合でございまして、 当社の今までの退職・年金制度では大体60歳定年時のモデル退職金約2,000万円とします と、退職金一時金が総支給額の60%、大体1,200万円、適格退職年金が40%で約800万と いうことで、確定拠出年金制度を導入することで、これも見直しをいたしまして、退職 一時金総額が大体70%、「三越マイライフ年金」と名づけた確定拠出年金が30%といた しました。  制度設計の基本的な考え方は、公的年金の支給開始年齢の引上げが決ま っておりました65歳までのいわゆるつなぎの年金ということで位置づけ、当社の定年後 再雇用制度もございますので、「シニアスタッフ制度」と申しておりますけれども、こ こでの収入、高年齢雇用継続給付等の収入も活用して、老後安定して、特に60歳から65 歳の間にしっかりした生活ができるということで、5年間の間の不足分、大体生計で言 いますと500万から600万ぐらいということを確定拠出年金で補完するというような考え 方で制度を設計したということでございます。それが4ページ、5ページのところでご ざいます。  私どもは、適格退職金年金制度は平成15年2月に廃止をいたしましたけれども、確定 拠出年金制度に移換する際に3つの選択肢を設けまして、一人一人のライフプランに合 わせて選択をしていただきました。  1つは、今まで積み上げてきたものについても、マイライフ年金、いわゆる確定拠出 年金制度の方の口座に移しますよと。これから拠出金についてもマイライフ年金で運用 するというのが1つの選択肢。それから、今までの積み上げた分は一時金で受け取って、 これからの拠出するものについてはマイライフ年金、いわゆる確定拠出年金制度で運用 していくよというのが選択肢2つ目。それから、3番目が、私ども「前払い退職金制 度」と呼んでおりますけれども、今まで積み上げたものもこれから積み上げるものもお 給料の中に入れていく、マイライフ年金、今まで積み上げたものは一時金として受け取 る、こういう選択肢を3つ設けまして選択をしていただきました。  その結果が7ページにございます。1の選択肢が全体で66%、2の選択肢が20%、3 の前払い退職金制度を選択された方が14%ということでございまして、確定拠出年金制 度を加入するというのが66と20%を足した86%が確定拠出年金制度を選んだということ でございます。  その男女の選択の割合がこういうふうになっておりまして、女性が3番の選択肢、前 払い退職金制度を選んだのが25%、男性では8%ということでございます。  年齢別にどうかといいますと、8ページにございますようなとおりでございます。こ こでは、特に男性の年齢別で言いますと、50代の男性は90%が1番の選択肢をお選びに なったということでございます。女性の20代でありますと、前払い退職金制度を選択さ れた方は40%いらっしゃるということで、それが9ページにございます。  次に10ページでございますが、私どもの制度の具体的な内容になります。加入対象資 格につきましては、当社の人事制度のモデルケースとして一般職の上位職に格付けされ る勤続6年以上の社員ということにいたしました。掛金の体系はシンプルな仕組みの方 が従業員にわかりやすいだろうということで、だれもが同等レベルの年金原資を確保で きるという考え方から定額制にいたしました。私どもの退職金制度は、ポイント制を既 に導入しておりましたので、退職金のポイント単価(1万2,000円)というのがポイント 単価でございましたので、わかりやすいということで、1万2,000円の会社拠出額という ことで定額制にいたしました。  先ほど申し上げましたように、つなぎ年金をベースにスケールを試算いたしましたの で、大体月額1万2,000円、年率で1.5%の組み合わせにしたということでございます。 この想定運用利回りにつきましては、10年国債利回りの過去5年の平均の利回りが1.528 %ぐらいでございましたので、退職給付会計上の割引率や加入者負担となる運用手数料 を考慮して決定をいたしました。ここについては労使で相当議論したことでございます。  年金の受給開始が60歳から70歳までの間で、個人ごとのライフプランに合わせて選択 してもらうということで、受給期間も5年から10年の間で、1年刻みで任意に受給時期 と受給額を選択できるようにいたしました。  先ほど申し上げましたとおり、選択肢3、すなわち前払い退職金制度も併せて導入し たわけですけれども、この前払い退職金制度は将来支払われる退職金の一部を毎月の給 与で先に給付する仕組みでございますので、退職一時金が減少して社員の老後の生活資 金として充当する額が少なくなるといったことも懸念されましたけれども、自己管理の 中で現在の生活資金に充当させることや将来の生活設計に向けた貯蓄原資にするといっ たニーズもあると判断をいたして導入をいたしました。  また、当社は運営の管理機関を自社で行うことといたしました。この理由としまして は、従業員の意見、質問や要望みたいなものを直接収集することができると。主体的に 取り組むことができるだろうということと、課題が発生した場合に柔軟に速やかな対応 ができるだろうというような、自社内に年金制度に関する情報やノウハウが留保できま すし、それを推進する人材の育成ということも考えておりましたので、この3つを理由 として自社でやろうということにいたしました。ただ、専門的な知見やシステムを必要 とする業務については外部委託をしようということで、具体的には、制度設計、運用商 品の選定・提示、従業員教育、教宣は当社が責任持って主体的に運営しますけれども、 運用商品の情報提供、記録関連業務は外部に委託をしたということでございます。  また、これを実施するに当たりまして、労使メンバーによる運用商品委員会をスター トさせまして、定性評価を重視した運用商品評価のガイドラインの決定をいたしました。 11ページのその結果として、元本確保型の商品が3種類、投資信託の商品が8種類とい うことで、合計11の商品を厳選いたしまして、運用商品委員会というものを労使でつく りましてここで決定をしたということでございます。  気をつけたことは、長期に安定した運用が期待できる運用商品であること、加入者が 理解しやすい運用商品、リスクの所在が明確な運用商品、リスク管理がしっかりしてい る運用商品、ディスクロージャーが充実している運用商品、また、十分な運用実績があ って、経営の安定している運用商品というようなことも一応気をつけて厳選をいたしま した。11商品でスタートをして、できるだけわかりやすさの観点からインデックス型を 各カテゴリーで最低1商品ずつ用意すると。アクティブ型の商品については、制度開始 時点では最小限でスタートさせようということで決めたわけでございます。  次に12ページの従業員教育でございますけれども、当社の場合、厚生年金の解散のと きもそうだったのですけれども、厚生年金基金のいわゆる保険料といいますか、会社が 負担しているということを知らない社員がほとんどでございました。自分のお給料から 引かれていることが100%だと思っている方が相当数いらっしゃいました。そんなような 認識から始まりましたので、従業員教育についてはイロハのイから、厚生年金の解散が 先でございましたので、そこでしっかりと年金の話を説明いたしましたので、それを経 た上で確定拠出年金の導入教育に入りましたので、この確定拠出年金の導入に関する従 業員教育は基金の解散に比べれば割と楽だったということでございます。  適格退職年金というものの内容についてもよくわからない社員が多かったものですか ら、適格退職年金制度から確定拠出年金制度へ移換するということの理解を十分深める ということ、それから、確定拠出年金制度で自分に適した運用商品をどう選択していけ ばいいのかというようなことです。当社の社員の知識のレベルをしっかりと踏まえた上 でわかりやすい教育内容の構築。  それから継続的に教育活動を実施していかないとだめだなということで、この基本的 な考え方として教育ツールとしましては、制度編、投資知識編、運用商品編とビデオを 自社で3つつくりまして、これを休憩室でありますとか、もちろん説明会のときに御説 明もさせていただきましたけれども、このビデオを貸し出しもしましたし、相当ビデオ を活用させていただきました。これを当社はオリジナルでつくりました。  それから、「三越マイライフ年金」というガイドブックというかテキストブックをこ ういうふうにつくりまして、これも自社でつくり上げまして、これを皆さんにお配りを して説明会でしっかりこれに基づいて、専門家の意見を取り入れながら当社で作成をし たということでございます。  まず一番最初にコアのメンバーをしっかりつくらなければだめだということで、全国 各事業所の厚生担当25人のコアメンバーをインストラクターと位置づけまして、この方 たちと労働組合の各支部の役員、労働組合も相当いろんな質問が来るということも想定 されましたので、労働組合の支部の委員長、書記長という方にはしっかり抑えていかな ければならないということで、担当の方もいらっしゃいましたけれども、労働組合30人 ぐらい、各事業所の厚生担当25人ぐらい、55人を徹底して社員のインストラクターにつ くり上げたというのがまずスタートでございます。それから、1カ月かけて全社員の制 度移換や制度の概要の説明会を併せて300回ぐらい開催をいたしました。  それを終えた後、100回から150回ぐらいの間でございますけれども、投資教育を中心 とした説明会を別途また設けて行いました。運用商品の特徴や手続についてのフォロー 説明会もまた別途行いました。全国に店舗やまた複雑な勤務体系も持っておりますもの ですから、説明会の開催は何百回とやらざるを得なかったということでございます。  また、推進体制、サポート体制につきましては、ちょうど三越厚生年金基金を担当し ていた方は基金が解散したために業務がなくなってしまいましたので、この方をいわゆ る年金プロジェクト、確定拠出年金プロジェクトのコアメンバーにしようということで、 引き続き厚生年金基金で十分蓄えた知識もございましたから、この方たちが年金のイン ストラクターの長にしようということで、全国各地の説明会にはインストラクターと一 緒に説明をするような形を整えたことと、それから、この年金プロジェクトのところに 社内のコールセンターを設置いたしまして、疑問点の解消や情報の発信に努めたという ことでございます。大体ピーク時には一日400件ぐらいお問い合わせがございました。ス タートしてからは大体一日平均で10件ぐらいの問い合わせが毎日ございます。大分落ち ついてまいりました。  それから、労使との取組は導入後も引き続きまして、労使マイライフ年金推進委員会 というものを設置いたしまして、運用商品のことや社員の疑問点というようなことをい ろいろ解決に向けて労使で取り組んでいるということでございます。今、お話したのが1 2ページ、13ページ、14ページでございます。  15ページに移りまして、今、制度定着に向けた取組をどういうことを具体的にやって いるのだということでございますけれども、具体的には、労使マイライフ年金推進委員 会でしっかりと確認した上で、労使で取り組んでおりますけれども、広報誌を年2回出 しております。「マイライフ年金通信」と、こういうような形でございますけれども、 これを出してできるだけ年金に関心を持っていただけるような取組をしております。そ れから、ちょうど今やっているところですが、ちょうど1年たちますので、マイライフ 年金アンケートというものを労使の推進委員会の主催といいますか、発案でやらせてい ただいております。このアンケートの結果は3月ぐらいに集計をして、また何らかの形 で御説明をさせていただく機会があれば申し上げたいと思います。  それから、福利厚生パソコンというのを各店に全部置いてありまして、福利厚生の入 口から入ってきますと、年金のいろんなことがわかるような情報をパソコンで見られる ような仕組みも取り入れております。  また、2月と10月に退職金ポイント、確定拠出年金のポイントをお給料明細のところ に書かせていただきまして、社員が2月と10月の時点でどのようなポイントになってい るかということを明示をしているということでございます。  もう一つ、取り込んでおりますのは、30歳セミナー、40歳セミナー、55歳セミナーと いうのをことしからやっておりまして、30歳セミナーは、ちょうど確定拠出年金を始め たころ、勤続6年ですから、大学卒の22歳で入ってきて28歳ぐらいですけれども、始め て間もないころ、これもライフプランの重要性を認識してもらうことを目的に30歳セミ ナー。それから、40歳セミナーは自分を生かすためのライフプランでありますとか、年 金だけではなくて、これからの三越人生をどうキャリアプランを立ててやっていくのか、 見つめなおす棚卸しをするというような観点からのセミナー。55歳のセミナーは、退職 後のより豊かな充実したライフプランをどうやって築いていったらいいのだろうかとい うことを主としたセミナーで展開をしております。特に30歳セミナーにつきましては新 設をいたしたということでございます。以上が取組でございます。  あと16ページに今後の課題ということでございますけれども、当社は社内のインスト ラクターを活用して社員からの意見、要望、運用商品のモニタリング等の情報をきめ細 かく社員にフィードバックして継続的な教育、わかりやすい教育を今まで以上にもっと もっと精度を上げてやっていかなければならないだろうというのが課題の1つでござい ます。  2つ目は、運用商品についてですが、運用状況か明らかになるにつれまして、 今、特に株式市場が以前に比べて活況を呈しておりますので、社員の意識も大分変わっ てきておりますけれども、現在の商品構成では物足りなさを感じている社員も出てきて おります。今後は運用商品のパフォーマンスなど、労使の運営推進委員会でしっかり確 認をして、運用商品の追加の要否もしっかり検討していかなければならないなというの が課題の2つ目でございます。  3つ目は、加入対象者に年齢上限を設けていませんので、確定拠出年金の受給者また は運用待機者が既に毎月発生をしております。今後どんどん増えていくということにな りますので、現在社内コールセンターの問い合わせの大部分が退職時の手続、書類の記 入方法、これがございますので、自己都合、会社都合退職者の説明のマニュアルをもう ちょっとしっかり整備しなければならないなと思っております。  最後に要望でございますが、これは松岡企画官、アイ・ビー・エムの吉田さんからも お話がありましたけれども、4つほど書かせていただいております。当社は、冒頭申し 上げましたとおり、昨年の9月に新設合併という形で地方の百貨店事業会社を一本の株 式会社三越にいたしましたけど、これから例えば分社による企業新設の場合、規約に企 業を追加する申請が必要となってきますけれども、謄本や厚生年金適用事業者としての 書類が完備してないとなかなか申請ができないということで、企業の新設と同時に規約 が追加することができないというようなことも、三越の新設合併についても相当や法令 や手続での手当てが不十分だったわけですけれども、非常に複雑な手続を必要といたし ました。この辺は、ちょっと手続の簡素化というようなことを、私どもも細かい点もき ちんとお伝えして簡素化に向けた取組をしていただきたいなと。  それから、規約間異動の現物移換でございますけれども、例えば転籍による規約間異 動の場合、当社で言えば、今、株式会社三越の中に三越規約と名古屋カンパニー規約と 九州カンパニー規約というのを持っているわけですけれども、現状では現物移換が不可 能だということで、また分社による企業新設の場合も同じことが言えます。加入者の観 点から不利にならないように個別対応を柔軟にしてほしいというようなことでございま す。  それから、記録管理手数料等のコストの問題でございます。例えば当社の場合、毎月 1万2,000円、年間14万4,000円の拠出をいたします。運用利回りが年1.5%でございます ので、2,160円の想定利息。しかしながらコストは年間計算をいたしますと、3,600円ぐ らいかかります。高い、低いで言うと、非常に高いということで、この辺のコストをも うちょっと軽減するようなことを考えていただきたい。  それから、アイ・ビー・エムの吉田さんからもございましたけれども、特別法人税の 撤廃。これは私どもの方からも企業年金の積立金にかかる特別法人税はぜひ撤廃してい ただきたい。年金課税については、基本的に拠出及び運用段階非課税、給付時課税とい うことが原点だろうと思いますので、特別法人税については、ぜひ撤廃の活動を精力的 に行っていただきたい。  つたない説明でございましたが、以上でございます。 ○ 加子座長  小野委員、どうもありがとうございました。それでは、ただまの御報告につきまして、 何か御質問ありましたらばお願いいたします。それでは、私から1点、御質問させてい ただきたいと思います。11ページを見ますと、運用商品、資産の配分状況等々がござい まして、4番の運用商品選択本数ということで、1本という方が47.1%、約半分の方が 運用商品1本を選択しているということでございまして、実はこのところをどのように 御評価されているのかということを伺わせていただければと思います、といいますのは、 私どものところも、運用商品に関します教育で分散投資についてかなり一生懸命教育を やったのですが、なかなかここのところ苦労した経緯がございまして、そういった意味 でこういう運用商品に関する教育に関しまして御苦労された点等を併せまして、この辺 のところをお伺いさせていただければと思います。 ○ 小野委員  はっきり申し上げまして、誠に遺憾な結果だと思っております。私どもも今座長から 御指摘ございましたように、「分散投資、分散投資」というふうに念仏のように説明会 では申し上げてまいりましたけれども、結果として、元本確保型一本やった方が47.1% ということです。これも年齢が高くなれば高くなるほど構成比が、50歳台で大げさです けれども、ほとんどの方が定年に近い年齢になればなるほど、この1本でまとめられた 方が多かったということでございます。できるだけ分散投資ということで教宣をしてお ります。40代、30代、20代の方は結構2本、3本という形で分散投資をされている方が 多いのですけれども、年齢が高いとやはり1本という結果でございます。今この辺も集 中して分散投資の方に向けていくような教宣活動をしておりまして、ほとんどの方が面 倒くさいというような理由です。それから年金のことがわからないので、まとめておけ ばいいのではないかというような、非常に消極的な方が多いものですから、この辺をど ういうふうに打開していくのか、確かに大変な課題だと思っております。 ○ 加子座長  ありがとうございました。ほかに何か御質問ございますか。 ○ 太田委員  同じく11ページのところなのですけれども、労使で商品選択をされたという過程です けれども、そのときに基本姿勢としてアクティブ型を最小限にしたいというようなお考 えの御説明があったかに覚えているのですけれども、むしろどちらかというと、自己責 任でこれを運営しなければいけないので、当初からアクティブ型をたくさん入れていこ うというような議論はなかったのでしょうか。 ○ 小野委員  先ほど私の説明にも申し上げましたけれども、年金の知識がなかなかしっかり持って いらっしゃる方が少なかったので教宣には大変苦労したこともございますのですけれど も、始めるに当たって外部機関からのアドバイスもございましたのですけれども、アク ティブ型について非常にリスキーだというような認識を持っている方が多いのではない かと。だから安全型、安全型というふうにとらえる方が多かったので、これは制度を1 年経過して、その後、今、先ほど申し上げましたようにアンケートをとっておりますけ れども、そのアンケートの結果をもってある程度見えてくると思いますので、これはア クティブ型を多少バラエティをとりながら増やしていかなければならないと思いました けれども、導入当初は労使の商品選定委員会でも少なくしたところからスタートしよう というような考え方に立ったということでございます。 ○ 加子座長  よろしゅうございますか。 ○ 太田委員  はい。 ○ 加子座長  それでは、ほかに御質問等ございますか、どうぞ。 ○ 徳住委員  どうもわかりやすい御説明ありがとうございました。三越さんのケースというのはモ デルケースとして各社で話題になっていることでございまして、あえて教えていただき たいので、ご質問いたします。制度につきまして、労使で4年間にわたって制度の移行 を円滑に進められてこられたということと思いますが、2001年8月に厚生年金基金を解 散されて、2002年に適格退職年金を廃止されて、それで確定拠出年金と前払い退職金制 度の導入をされたということだと思うのですが、既受給者あるいは受給待機者への対応 はどういうふうにされたのかということと、更に新しいマイライフ年金プラン等に移換 された方の過去の積立金分の移行等々についてはどういうふうな形で行われたのかとい うことも教えていただければありがたいと思います。  といいますのは、御説明の中にもございましたように、1万数千人いらっしゃった従 業員の方が約半分ぐらいに減ってしまわれて、現役世代の方々が先輩世代の方を支える 負担が非常に厳しいというような企業が今たくさん抱えているわけで、そういう状況の 中で、労使でお話し合いされて新しい道をおつくりになったということでございますの で、できれば教えていただければありがたいということでございます。 ○ 小野委員  厚生年金基金の解散に向けた取組のところの受給待機者でありますとか、既に受給を 受けられている方への対応をどうしたかということでよろしいのでしょうか、まず1つ 目は。 ○ 徳住委員  はい。 ○ 小野委員  これにつきましては、まず、1999年の11月に労使の年金問題研究会をスタートさせま して、このときに受給待機者と既に受給を受けられている方につきましては、まず第一 弾として基金の決算報告と基金の状況というのをまずやりました。ちょっと関心持って ほしいということで。その後、解散に向けた手続を具体的に折衝を始めた段階で、基金 の代議委員会で決議した後でございますけれども、社長名と厚生年金基金の理事長名で、 ちょっと数字忘れましたけれども、何千人になりますのですけれども、全部お手紙を出 しました。これは3回ぐらいお手紙を出したと思います。社長名でも出しましたし、理 事長名でも出しましたということでございます。その上で、お問い合わせは基金へとい うことで相当基金の方にもお電話がございました。  基本的にはお手紙をお出しした中にかなり具体的にいろんな当社の状況や基金がこの まま推移していけばどうなっていくのだろうかというようなことも説明させていただき ましたので、概ね御理解はいただいたということでございます。  あと、もう一つの質問は。 ○ 徳住委員  申し訳ございません。厚生年金基金を解散された後の図柄が4ページにございます退 職一時金60%、適格退職年金が40%という姿にこの段階でなったのかなというふうに推 測させていただいておりまして、それで2002年2月に施行という形だろうと思うのです が、適格退職年金を解散して、適格年金で積み立てていた年金原資等々の部分について、 ここでは40%ですけど、確定拠出年金に30%持っていったということで、加入者の方々 はそういう形での移行が行われ、既受給者、待機者の方々は一応解散という形で新たな フレッシュスタートが加入者から実施をされたというふうに理解してよろしいのでござ いましょうか。 ○ 小野委員  わかりました。どうも失礼いたしました。3ページに書いてあります流れでございま すけれども、まず厚生年金基金の解散をするに当たりまして、加入員の皆さんに同意を いただかなければならないということがございましたので、これは相当しっかりした説 明会の開催をいたしました。この中に基金の解散だけではなくて、当社の退職金制度の 中の適格退職年金制度というのがあるのだよというようなことも含めて御説明をしたの がまず第1点でございます。基金の解散の説明会のときにトータルで一応話しました。 ただ、ポイントは基金の解散の同意していただかなければなりませんので、エネルギー として、80%ぐらいは基金の問題に充てたということでございます。  その方向をちょっと書いておりますけれども、その後、確定拠出年金制度に向けた取 組を労使で99年からやっているわけですけれども、ここでしっかりと導入を腹づもりし て、具体的な課題の抽出の活動に入っていきました。それで2002年2月に、ここに変な 表現になっているかもしれませんけれども、適格退職年金制度を廃止したのではなくて、 廃止をして、確定拠出年金制度を導入するよということと、併せて前払い退職金制度も 導入するよということを労使で合意をしたということです。実際のスタートは2003年2 月にスタートさせて、この時点で適格退職年金制度も廃止をしたということでございま す。  その新しい設計に基づく退職金制度の中で計算をいたしました過去分の積立金につい ては、個人口座の方に2月に移しました。それから3月に新たな1万2,000円の拠出をス タートさせたということでございます。よろしいでしょうか。 ○ 徳住委員  はい。 ○ 加子座長  小野委員、どうもありがとうございました。  それでは、次の議題でございます運営管理機関の実施状況について移らせていただき たいと思います。まず、株式会社みずほ銀行の岩本様から御報告をいただきまして、続 きまして、日本生命保険相互会社の鈴木様から御報告をいただいて、質疑応答につきま しては、その後、まとめて行いたいと考えております。それでは、岩本様、よろしくお 願いいたします。 ○ 岩本部長  みずほ銀行アセットマネジメント部の岩本でございます。弊行が全国銀行協会におき まして、確定拠出年金制度に関する検討を所管する委員会の委員長行を務めております ので、本日の会議に出席いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。  本日は、「確定拠出年金の現状と運営管理機関の対応」について御説明申し上げたい と考えております。なお、あらかじめお断りいたしますが、本日、御説明申し上げます 内容は、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行の実務等に基づくものであります ことを御了承いただきたいと存じます。お時間も限られておりますので早速御報告に移 らせていただきます。  お手元、右上資料6、第8回確定拠出年金連絡会議報告資料「確定拠出年金の現状と 運営管理機関の対応」という資料を御用意させていただきました。資料は表紙を除きま して11枚でございます。この資料に基づきまして、当方より15分ほど御説明申し上げま す。それでは1ページをごらんください。  本日、御報告のアウトラインでございます。まず「確定拠出年金マーケットの変化」 につきまして御説明申し上げます。  制度発足後、約2年が経過する中で生じた環境の変化やニーズの多様化、さらには競 争激化に伴う運営管理機関の差別化戦略などの側面からお話し申し上げます。  続きまして、このマーケットの変化に対する運営管理機関の対応について御説明申し 上げます。2ページをごらんください。環境の変化には大きく分けて確定給付年金サイ ドの変化と確定拠出年金サイドの変化の2つがあります。このページでは、まず確定給 付年金サイドの変化について御説明いたします。  皆様もよく御存じのとおり、ここ数年の運用環境の低迷を受け、各企業年金の事業主 様の負担が増大しております。加えて、雇用体系の多様化や退職給付会計基準への移行 などの要因を背景にしまして、確定給付年金制度を見直そうという機運が生じているこ とが大きな変化であります。左のグラフをごらんください。厚生年金基金の解散が相次 いだ結果、平成14年度末の基金の総数は、ピークであった平成8年度末、1,883基金から 約1割強減少しております。先日の日本経済新聞の報道によれば、今年度の基金解散数 は過去最高となる見込みでございます。  また、解散に至らずともいわゆる代行返上を行う基金は累計ベースで既に700基金強に 達しております。今後も返上を希望する基金は続くと言われております。  同様の動きが適格退職年金制度についてもみられます。ページ右のグラフをごらんく ださい。制度廃止が相次いだ結果、平成14年度末の適格退職年金契約数は、8年前の平 成6年度末9万2,355件から3割弱減少しております。  3ページをごらんください。確定拠出年金サイドの環境変化について2点ございます。 第1は、確定拠出年金の導入企業数が順調に増加を続けていることであります。左のグ ラフをごらんください。先ほど12月末現在632件というお話がありましたが、このグラフ では昨年11月末現在の当局承認済み規約数は586規約でございます。この要因の1つとし て、解散する厚生年金基金や廃止される適格退職年金の代替制度の一部として確定拠出 年金が導入されていることが考えられます。  2点目は、従業員の少ない企業にも確定拠出年金が広まり始めたということでありま す。右のグラフをごらんください。導入事業所を従業員数の階層で見た場合、従業員1,0 00人以上の企業の比率がやや減少しているのに対し、従業員99人以下の企業の比率が増 大しています。この要因としては、様々な広報活動の結果、従業員が少ない企業におけ る確定拠出年金の知名度が向上したこと、後ほど御説明申し上げますが、総合型プラン などの商品が開発・投入されたことなどが考えられます。  以上で環境の変化に関する御説明を終わります。  それでは、4ページをごらんください。ここからは、事業主様、加入者様それぞれが お持ちのニーズの多様化についての御説明に移ります。  まず、このページでは、事業主様サイドのニーズについて御説明いたします。データ はすべて私どもみずほグループが過去に導入のお手伝いいたしました事業主様の主な御 要望事項でございます。例えば、「制度」欄において見られますように、確定拠出年金 制度導入前の御相談から、モニタリングのような制度導入後のフォローアップに至るま で広範囲にわたる御要望をいただいております。注目すべきことは、加入者教育や情報 提供などの掛金拠出後のニーズが多様化していること、商品の追加や加入者の利便性向 上についての御要望が多いことです。導入した確定拠出年金制度を少しでも加入者の皆 さんの使い勝手の良い制度に改善し、その定着・活用を図りたいとの事業主様の気持ち のあらわれと考えております。  それでは5ページをごらんください。このページでは、加入者様サイドの要望につい て御説明いたします。データは前のページと同じく、私どもみずほグループが過去に実 施いたしました多くの加入者様向けセミナーにおける主な御質問や御要望でございます。 ページ向かいまして左の(1)「加入者向けセミナーにおける主な質問」、(2)「加 入者向けセミナーにおける主な要望」をごらんください。  加入者様の要望も多様化しております。加入者様お一人お一人が確定拠出年金を自ら つくり上げる年金と認識された結果であると考えております。その一方で、加入者様向 けセミナーの理解度と申しますと、ページ向かって右のグラフでごらんいただきますと おり、退職金制度や確定拠出年金制度概要に関しては、御参加された約9割の方が「わ かりやすい」と回答されているのに対し、商品選定や個別商品説明に関しては「わかり やすい」との回答の比率が低く、反対に「難しい」との回答が30〜40%を占めています。 今後は、各運用商品の内容やそれらの選択に関する各加入者様の理解度をいかに高めて いくかが運営管理機関の主要課題の1つであると認識しております。  以上でニーズに関する御説明を終わります。  6ページをごらんください。ここからは、今まで御説明いたしました事業主様、加入 者様双方がお持ちのニーズの多様化に対し、運営管理機関がどのように対応しているか という点について御説明いたします。資料にお示ししておりますとおり、事業主様サイ ドのニーズ、加入者様サイドのニーズに加え、競争激化に対応するための運営管理機関 自身の差別化戦略の結果、運営環境管理の提供するサービスも、確定拠出年金制度のス タート当初に比べ、はるかに多様化することになりました。「コンサルティングの充 実」、「加入者教育のカスタマイズ」、「モニタリングと継続教育の提案」、「総合型 プランの新設」など、お客様のニーズの多様化にお応えすべく努力してまいりました。 これらの具体的内容につきましては、次のページ以降で御説明いたします。  それでは、7ページをごらんください。サービスの多様化の第1として、「コンサル ティングの充実」が挙げられます。確定拠出年金制度スタート時に運営管理機関が事業 主様や加入者様に対して行っていた説明の大半は、確定拠出年金制度の概要もしくは確 定拠出年金法令の条文に関するものであり、個別のニーズに対する具体的なアドバイス はごく限られたものでした。しかしながら、現行の退職給付制度を見直そうとする事業 主様が増えるにつれ、確定拠出年金の領域を超えたコンサルティングニーズに対しソリ ューションを御提供するケースが増えております。  表は私どもみずほグループで承った主な御相談内容とそれに対するメニューをお示し しております。最近の傾向といたしましては、現行の確定給付年金制度の見直しと代替 策としての確定拠出年金の導入に関する御相談が増えております。  それでは、8ページをごらんください。サービスの多様化の第2として、「加入者教 育のカスタマイズ」が挙げられます。制度スタート当初に、各運営管理機関が準備しま した教育プログラムには、単一のテキストによる加入者セミナーや単一内容のビデオの 配布など画一的な内容が目立ちました。これらのプログラムに従って、御加入者の教育 を進めるにつれ、自社の退職給付制度全体を十分に説明できない、あるいは各加入者の 理解度に応じた説明が困難であるといった声が事業主様や加入者様からはもとより、加 入者教育を担当する我々運営管理機関自身からも挙がるようになりました。  事業主様のニーズにお応えし、御加入者の方への教育効果を高めるため、運営管理機 関は、各確定拠出年金プランの実態に合わせプログラムの内容を変えるいわゆるカスタ マイズを行うことが多くなってきております。また、これは私どもみずほグループの例 ですが、事業主様のより細やかなニーズにお応えする個別サポートも併せて実施してお ります。 9ページをごらんください。サービスの多様化の第3として「モニタリング と継続教育の提案」が挙げられます。事業主様が自らの受託者責任を全うするためには、 まず自社プランの全体像を理解する必要があります。運営管理機関はプランの概況や加 入者階層別投資残高といった各種データを事業主様に還元し、自社プランへの理解をサ ポートするとともに、加入者様にとってより使いやすい制度にするため、データの分析 結果に基づき商品ラインナップの見直しや追加セミナーの実施などの施策を提案いたし ます。  さらにモニタリングを通じて得られる各種データを加入者様に還元し、自社プランの 現状についての認識を深めていただくとともに、資産運用に対するマインドアップ、レ ベルアップを目的とするツールを併せて御提供いたします。具体的にはイントラネット へのニューズレターの掲載やフォローアップセミナーなどの実施を通し必要に応じて提 案しております。  それでは、10ページをごらんください。サービスの多様化の第4として「総合型プラ ンの新設」が挙げられます。総合型プランにつきましては、本連絡会議の前々回(第6 回)の話題として取り上げられておりますので、その仕組みやメリット・デメリットに ついては、皆様既に御存じのことと思います。事業主の皆様からいただいた御要望、具 体的には確定拠出年金導入コストを極力圧縮したい、導入のための専任担当者を配置す る余裕がない、そういった御要望にお応えするために各運営管理機関が独自の商品を開 発・投入しております。ちなみにみずほグループの総合型プランは、みずほの関連会社 の活用により年金データ作成事務を大幅に簡素化したこと、口座振替の活用により掛 金・手数料の送金手続を不要としたことなどが大きな特徴となっております。先ほど御 説明申し上げました従業員数別導入企業の変化には、各運営管理機関による総合型プラ ンの新設も寄与しているものと考えられます。  それでは11ページをごらんください。最後に運営管理機関の最近の動向でございます。 企業型年金については一部運営管理機関へ受託が集中する傾向が見られます。ページ向 かって左は、規約承認ベースの各運営管理機関の受託プラン数をグラフ化したものです が、一部の運営管理機関への受託の集中の傾向がおわかりいただけるかと思います。ま た、業務水準の向上を目的に、一部の運営管理機関ではISO9001シリーズの認証を取得す る動きも出ております。今後、運営管理機関相互の競争はさらにその激しさを増すもの と私どもは認識しております。  その中で、みずほフィナンシャルグループは、確定拠出年金制度の普及と事業主様、 加入者様の利便性の一層の向上を目指し、引き続き経営努力を続けてまいる所存でござ います。  駆け足になりましたが、以上で私どもの御報告を終わらせていただきます。御清聴あ りがとうございました。 ○ 加子座長  どうも岩本様、ありがとうございました。それでは続きまして、鈴木様、お願いいた します。 ○ 鈴木部長  日本生命の鈴木と申します。よろしくお願いいたします。資料7に沿って御説明申し 上げますが、表紙にございますとおり、私どもはみずほ銀行さんと全く逆の立場でござ いまして、生命保険協会ということで、個社の話ではなくて業界ベースの話をしてくれ というふうにリクエストがございまして、したがいまして、きょうは、私はたまたま日 本生命でございますけれども、御報告する内容はすべて協会ベースといいますか、生保 業界のベースでございます。したがいまして、最初におわび申し上げますけれども、資 料が全社経営でございますので、なかなかかゆいところに手が届くような資料になって おりませんで、無味乾燥な資料になってしまいましたので、その点につきましては冒頭 におわびを申し上げたいと思います。  まず1ページめくっていただきますと、〈対象運営管理機関〉、これは生保業界で運 営管理業務をやっておる会社を書いてございます。明治さんと安田さんはそれぞれやっ ておられたのですけれども、御承知のとおり、ことしの1月に合併をされまして、今1 社になっておられる。次に住友生命さんと三井生命さんは、個社としては運営管理機関 の業務はやっておられませんが、ジャパン・ペンション・ナビゲーター株式会社という ところで業務を行っておられるということでございます。  ごらんのように確定拠出、これは私どもにとりましては、当然保険業でなくて運営管 理業ということで、保険業の外の業務でございますけれども、各社によって、やや、そ れぞれ独自のスタンス・取組でやられているということかと理解をしております。  次の〈企業型対象規約〉、これは上の〈対象運営管理機関〉の合計でございますけれ ども、制度発足済みの規約が173件でございます。  その下に人数規模別、加入者の規模別の数字を出してございますが、欄外に(注)に ございますが、「生保受託分のみ」と書いてございますのは、ジャパン・ペンション・ ナビゲーターさんの方が入ってないという意味でありまして、その部分が除かれてござ います。  それから、〈個人型対象者数〉でございますけれども、平成15年12月末時点で499名で ございます。  次に2ページをごらんいただきたいと思います。企業型の実施状況、先ほどから総合 型プランの話が出てございますが、先ほどの運営管理機関の中で5社が総合型のプラン を既に販売をされてございます。  その5社の受託数の合計がその下でございます。40社でございますけれども、人数ラ ンク別には100名未満が圧倒的に多いということでございます。私ども生命保険業界は適 格年金を受託しておるわけですけれども、特に生命保険業界におきましては、100名未満 の適格年金を数多く受託をいたしております。御承知のとおり、適格年金平成24年3月 末までで終息をするということもございまして、これも生保各社が全部同じスタンスか どうかというところは私は自信はございませんが、やはり適格年金をお引受けしている 関係で、中小企業についても前向きに取り組んでいかれるところが多いのではなかろう かと推察をいたすところでございます。  3ページにまいりたいと思います。先ほどの173件と申し上げましたけれども、このう ちの3社は、先ほどの三越さんのように、事業主さんが選定業務をされているというこ とでございまして、残り170社につきまして、平均の運用商品の本数分布を見たものでご ざいます。ただ、バランス型につきましては(注)にございますとおり、いわゆる「ラ イフサイクル型」で、3本とか4本とか5本で1つのライフサイクル型のファンドを構 成されているところがございますが、それはまとめて1本というふうに数えています。  一方、元本確保型につきましては、預金、保険、これは5年、10年というような期間 が違うところがございますが、それぞれでカウントをいたしました。平均で9.9本で比率 がこのようになっています。ただ、ここの分布は、先ほどの1ページに戻っていただい て、1ページのこの分布をそれぞれボリュームの重みをつけていませんから、つまり100 名以上300名未満、このあたりが非常に多いわけで、そこの企業の商品数がウエイトとし て非常に効いてきておるので、平均で9.9本と少なめになっていると。大企業さんにつき ましては、もう少し私の実感ではかなり多く、15本ぐらいはあるのではないかというの が私の思っておりますところでございます。  同じ3ページの運用商品のところで追加でございますけれども、追加をされた規約は 3つあって、一方、商品を除外されたところはない。その追加の理由につきましては、 従業員さんからの拡充のラインナップの要望があって、それを受けて会社が応じられる ということのようでございます。  続きまして企業型の話で4ページでございますけれども、こちらは先ほどの173件のう ち、運用方法にかかる情報提供を運営管理機関でやったものが160件と、残りの13件は情 報提供のところを運営管理機関の再委託先に委託をされているということでございます。 その方法でございますけれども、そこにございますように、書面の配布、セミナー、ビ デオ、コールセンター、インターネットということでございます。  継続的な情報提供としましては、コールセンター、インターネットというようなとこ ろが生保全体の実績ということでございます。  投資教育につきましては、169件で、こちらは商品選定をされた4企業さんは事業主さ んがしておられているということでございます。方法につきましてもごらんのようなと おりでございます。  続きまして5ページ、個人型の御説明をさせていただきます。個人型の運用商品の平 均の本数は10本でございます。こちらは個人型のうち運営管理機関については1つのラ インナップでございますので単純な平均ということでございます。こちらも商品の追加 をされました運営管理機関さんは1社さんございます。除外は企業型と同じように現在 のところはございません。理由は以下のとおりでございます。  6ページも、つまらない資料で誠に恐縮でございます。個人型に関する情報提供とい うところでございます。ただ、この個人型のところは、先ほどの企業型と比べていただ きますと、セミナーというものがないです。企業型につきましては、企業の従業員さん 向けに投資教育のセミナーをやっておりますけれども、個人型について、生保業界では セミナーのようなことを行っている実績がないということでございます。  敷衍して少し申し上げますと、生命保険業界で、いわゆる生命保険会社の営業職員が 1号保険者のところに対して個人型を販売しているというようなことを行っているとこ ろは多分、これは全部確認したわけではないですけど、なかろうと思っています。  次、7ページ、最終ページでございますけれども、課題・要望等というようなところ でございますが、まず運用方法の除外に際し、必ずしも同意を得る必要のない事由を具 体的に示していただきたい。先ほど早速御当局の方から、商品提供機関が解散、破綻し たときなどというお話がございましたところでございますけれども、さらに提供会社そ のものは解散、破綻をしてないのですけれども、例えば投信で1つの投信をなくすと。 会社自体はあるけれども、特定の投信について解散といいますか、やめるというような ことが起こり得るようでございまして、そのような場合はいかんともしがたいのではな かろうかということを括弧の中は書いてございます。  その次の投資教育に関するガイドラインといいますのは、これは実は生命保険協会で 昨年の5月にいろいろ要望書をまとめさせていただいたときに、こういうことを言われ ておられる社さんが複数ございましたので載せていますが、ここはどの程度の強さでと いうことがよくわかりません。その当時言われていましたのは、昨年の5月の話ですけ れども、なかなか企業さんの方の投資教育に対する必要性等があまり高くない企業が多 いので、むしろガイドラインというようなものが示されて、最低限これぐらいやってく ださいというようなことがあった方がいいのではないかという問題意識で、そういう要 望を出されたと、その社さんからは伺っております。  最後に、制度全般に関する要望でございますけれども、特別法人税につきましても、 皆さん先ほどから重ねておっしゃっておりますので、私どももということで割愛をさせ ていただきます。  1つ、企業型における「中途退職時の給付の実現」というのは、これは生命保険業界 としましては、この要望の形で従来から出させていただいております。これは先ほども お話ございましたとおり、確定拠出については貯蓄との峻別ということで、老後の給付 に限定ということで、60歳まで引出しができないということでございますけれども、一 方で、実際の企業の要望としましては、根っこにある退職金、確定給付の企業年金から 確定拠出に移行するわけでありますので、従来の退職金あるいは確定給付の企業年金が 退職時に支払われるにもかかわらず、確定拠出のみが支払われないというのは非常に使 い勝手が悪いという声を聞くところであります。  一方で、貯蓄との峻別という観点からしましても、退職時というふうに事由を限定す るのであれば、それは貯蓄との峻別も可能ではないかと私どもは考えてございまして、 ですから企業型の退職時、このときだけに限定してお金を支払うというのは税の理屈か ら何とかならないのかなというのが生命保険業界としての要望でございます。  以上でございます。 ○ 加子座長  鈴木様、どうもありがとうございました。それでは、今のお二人の御報告に関しまし て、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。どうぞ。 ○ 光谷委員  特に生保さんの方の関係で総合型プランについての話がありましたが、これも確定拠 出年金の普及には中小企業、特になかんずく100人未満、50人とか60人規模の企業がどん どん増えていかなければならないのですが、私がいろいろ調べたところでは、そういう ところが厚生年金基金なり、適年に入ってない。入っているとしても総合型の厚生年金 基金であるとか、たいがいの場合は退職一時金という格好で現在まで済ませている。そ ういったところは、どちらかというと確定拠出年金に入らないで中退協の方を目指して いるというか、選択している方がかなり多いようですね。実際いろいろ聞いてみますと。  そういった企業に対して総合型プランをどういうふうに確定拠出年金を普及しようと 考えているのか。例えば聞くところによると、生保さんなどで活動されている企業は、 従業員が100人未満といっても、100人に近いところが中心で、数十人単位のところは無 視というかほとんど活動されてない。これでは実際問題として、そういうところが圧倒 的に数としては多いわけですから、確定拠出年金の普及というのは難しいと思うのです ね。そういったところに対しての取組をどういうふうにされているのかというところ、 あるいは今後どういうふうに確定拠出年金の方に持っていこうと考えられておられるの か、その辺のことをお伺いしたいと思います。 ○ 鈴木部長  おっしゃるお話は大変よく理解できるお話でございまして、これはすいません、ここ から先、個社ということでよろしゅうございますか。日本生命の考えということでお話 しをさせていただきますが、当社の場合は、先ほど申しましたとおり、まずは、私ども が適格年金を受託している100名未満の企業さんについて、ここについて24年の3月で制 度がなくなるということでありますので、我々の今お引受しているお客さんについて責 任を持って何らかの、これは3つあるわけですけれども、確定給付の企業年金か確定拠 出の企業年金、おっしゃられた中退協、いずれかの方向に行っていただくということで、 そういう活動をしているということが1点でございます。  そのときに、先ほどコストの話が出ましたけれども、中小企業さん向けにお話しを進 めるときには、最大のネックという意味ではコストになろうかと考えています。コスト につきましては、今の選択肢の中では確定給付の企業年金が恐らく中小企業において高 くて、確定拠出、中退協という順番かと思っております。したがって、なかなか確定給 付の企業年金に適格年金で100名、50名の企業さんが移っていただくのは、我々なかなか 現実問題としては難しいと思っておりまして、確定拠出の方を何とかしたいと思ってい るところでありますが、ただ、ここはそういうコストが非常にネックだということで総 合型というところが、各金融機関はやられている最大の理由だと思うのです。  総合型といっても、適格年金ですと20名からあるのですけれども、20名あるいは10名 とか、そういった規模の企業さんでなかなかうまく、費用対効果という形でのコストで 御提供できるかというとそれはなかなか厳しいところがありまして、我々はもちろんそ ういうコストを御負担いただけるのであれば、10名でも5名でもやらせていただくので すけど、実際に日本生命ですと、1桁の加入者の企業さんもやっていただいているとこ ろありますが、さはさりながら現実問題としてはおっしゃるとおり、やはりそういう規 模の企業さんでございますと、中退協というところに行かれるというのが多いと思って います。  一方で、中退協は退職時に支払われますので、中退協と確定拠出を併用されておられ るというような中小企業さんもあります。退職時に支払われないというのは、100%確定 拠出に退職金をしてしまうと致命的でありまして、そこの部分の現実的な解決策として は、大企業さんですとDBと併用をされておられるのでしょうけど、中小企業さんです と、中退協あるいは一時金との併用という形でその問題をクリアーされているというと ころが多いかなというところでございます。  ごちゃごちゃ申し上げましたけれども、要するに企業さんとお話しをする中で、一番 現実的なニーズにフィットした方法をお勧めしているというのが日本生命の考えでござ います。 ○ 加子座長  ほかに。どうぞ。 ○ 秦委員  今、光谷委員からちょっと厳しい御質問があって、申し訳ないのですが、もう一つ、 厳しい質問をさせていただきます。御質問というよりは意見と思って聞いていただけれ ばよろしいのですが。みずほ銀行さんから、事業主サイドと加入者サイドということに 分けていろいろ要望事項等を並べていただいて大変いい整理だったと思うのですけれど も、ただ、実態は何が問題かといいますと、特に金融機関さんにとって問題になるのは、 事業主サイドと加入者サイドが同じ列のところに並んでいるのではなくて、実はこれが 別な対象だったということなのです。  ちょっと言葉をかえて言いますと、どうしても金融機関さんの場合には、直接的には 事業主との関係をまず第一に、商売の関係がありますから、これは取らなければ話にな りませんので、どうしてもそちらのことになってしまうわけですね。そうすると必ずし もそれが加入者にとっていいことなのかどうなのかということで二律背反を起こしてい ることがたくさんあるのではないですか。  先ほども鈴木さんからもちょっとお話がありましたけれども、教育の問題1つとりま しても、事業主サイドからすれば、なるべく金もかけたくないし、時間もかけたくない、 一回やったらおしまいにしたい。ところが加入者サイドからしたら絶対そういうことで はないはずですね。  そうしたときに、現行の日本の確定拠出年金のシステム、即ち、今、金融機関さんが 中心におつくりになられているこの仕組みそのものは本当に加入者のためになるサービ スを運営管理機関としての金融機関がやれる体制になっているのだろうかと。金融機関 さんといえども慈善団体でないですから、フィーがないのにこれをやるわけにいかない ですね。ですから相応の収益がなければ、それはやれといってもできないという問題な のにもかかわらず、現状の競争状態に置かれている仕組みというのが、本当にそういう ことを考えたときに、きちんと加入者に提供すべきサービスは間違いなくやれるとか、 収益というか、そういう源泉が確保されているのでしょうか。  その辺のあたりのところをもう少し金融機関さんはきちんと考えて、そうは言っても、 これは独禁法に触れる可能性がありますから、この辺は当然アメリカなどの例を参考に されるのが1つの考え方だと思いますけれども、もう一回、仕組みを再構築していかな い、特に今、光谷さんからもお話ありましたように、中小企業さんとか、同じく鈴木さ んからも話出ました個人型どうするとか、今のままでは、収益の源泉が出てこないので すよね、こういうあたりのところの根本的な仕組みのところを考える必要があると思い ます。  これは例えば、私、前から申し上げていますけれども、現在の金融システムとしての 確定拠出年金というのは物すごく欠陥が多いわけですね。ですから当然その辺のところ は、これからもまだまだインフラとしての設備投資がどんどん必要になってくるわけで すけれども、それをやろうとすれば、当然これはフィーとの兼ね合いとか何かでまた問 題になってきてしまうわけですね。そういうあたりの基本的な考え方を、発足して2年 になるわけですから、そろそろ考えていただきたいと思います。 ○ 加子座長  今の御意見に対してコメントをいただければと思いますが、いかがでございますか。 ○ 岩本部長  貴重な御意見で、我々も企業独自で解決できる部分だとは思いませんので、本日のよ うなこういう場でまたいろんな御意見いただきながら、おっしゃられるとおり、結果的 には、先ほど収益とかの話がありましたが、大事なことは加入者様が20年後、30年後に 幸せになれるということが一番大事だと思いますので、いろんな見直すべき点はおっし ゃるとおりやっていかなければいけないというふうに強く受けとめております。ありが とうございました。 ○ 鈴木部長  今の秦さんのお話も大変ありがたく、金融機関の応援団のような御発言の部分もあろ うかと感じておりますけれども、これも正直な話、取らなければ意味がないからという ことはおっしゃるとおりだと思うのですけれども、ただ、私どもが実際にやらせていた だいた感覚で申しますと、これは一般論ですけれども、私どもというか、これは私がか もしれませんが、実際やっていまして、企業さんの従業員に対する投資教育なり、年金 制度に関する教育なり、そこへの思いは、私が想像しておりましたよりはるかに高い、 事業主さんサイドの思いが高いという正直な感想ございまして、そういうことに関しま して、むしろコストをかけても、今後継続的にやっていきたいとおっしゃる企業さんと いうのが、私の考え甘かったのかもしれませんが、私が思っておりましたよりはるかに 企業さんのニーズは高いと感じているのが正直な実感でございまして、継続教育といい ましても、まだ始まったばかりでございますけれども、かなり熱心に展開をされていく 企業さんが出てくるのではないか、これは正直ベースでそう思っております。 ○ 加子座長  どうもありがとうございました。 ○ 太田委員  秦委員の発言を聞いていてちょっと考えたのですけれども、いかんせん、運営管理機 関の方々が活動される場として、つまりマーケットのサイズですね、マーケットのサイ ズがあまりにも今は小さ過ぎるのが一番の問題ではないかと思うのです。たかだか規約 で六百数十件ですよね。こんな小さなマーケットにどれほど投資をできるのかというの が、十分なサービスを提供できない、精いっぱいやっていただいていますけれどもまだ 改善の余地がある、というところになってしまっている現状の大きな理由ではないか。  そこで日本生命さんの鈴木さんがおっしゃられた、途中の引出しができないというの が、一番私としては大きなところではないかなと思うのです。その部分を解消できると、 私どものような中小企業、特に公務員の方だとか大企業の方は、最近早期退職を導入さ れていますけれども、終身雇用が前提のようなところと、従業員規模200名、300名、 100名以下のところでは環境が違うわけです。そこのところで非常に大きな障害になっ てしまうというのがマーケットを小さくしている大きな原因だと思います。 ○ 加子座長  コメントございますか、よろしいですか。 ○ 矢崎課長  やはりいろんな意味で、この確定拠出年金制度の普及、インフラという意味で、運営 管理機関の手数料等含めていろいろな課題があると思うのです。そういう意味で、今お 話が出ていましたように、ニワトリが先か卵が先かですけれども、マーケットサイズが 大きくなっていくというのは必要なことではあると思います。中途引出しに限って言い ますと、御説明の際にも言いましたけど、制度立案時の根幹にかかわるような議論があ り、それから、私どもとして、老後の年金という位置づけの中で、それはポータビリテ ィで移していって最後年金としてもらうというのが、本筋ではないかなという感じがし ます。  ただ、マーケットを広げていくというのは大事なことだと思っておりまして、拠出限 度額の引上げなり、中途脱退の最低限必要だと思われる手は今回打ちたいと思っており ます。 また、そういうのも踏まえて、今後の普及状況を見ながら、手続などもできる だけ簡素化できるところはしようと思っています。そのように取り組んでいきたいと考 えております。  あと、こういった会合自体も非常に大事だと思います。こうやってプレスの方も入っ ていただいた中でこういう議論をしていただくということが、またいろんな意味での情 報伝達ということにもつながっていくのではないかと思います。それぞれ運営管理機関 での取組、経済団体での地域ごとの取組、そういったことも並行して、役所だけではな くて、広い意味で関係者みんなでそれぞれやるべきことはやっていくというのが大事で はないかと思います。 ○ 加子座長  ありがとうございました。それでは、ここで一たん切らせていただきまして、次の議 題に移りたいと思います。後ほど何かあれば、御発言いただければと思います。  次の議題は「確定拠出年金実態アンケート調査について」ということでございます。 この議題は事務局から御説明いただきますが、併せて、「投資教育事例集の作成」につ きましても御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○ 松岡企画官  あまり時間もございませんので簡単にご説明させていただきます。まず資料8でござ いますけれども、平成15年度実態アンケート調査でございます。先般はアンケートする ということで申し上げましたけれども、一応回答を回収いたしまして、現在集計・分析 中でございます。ここにあるような回収率になっております。次回、間に合うようにし ていきたいと思いますので、そのときにまた御報告させていただくような形で考えてお ります。  続きまして、資料9でございますけれども、「投資教育等の事例集の作成について」 ということでございます。これまでも投資教育につきまして、いろいろガイドラインと か事例とか集めて考えたらどうかという御提案ございましたので、そういうことで投資 教育の事例集を作成するということを実施いきたいと考えております。一応事務局とい たしましては、平成16年度のこの連絡会議のテーマの1つとして取り上げていきたいと 考えております。  一応趣旨としてございますように、いろいろ様々な取組が行われておりますので、こ の会議の参画メンバーの御協力を得まして、この投資教育の事例集を作成するというこ ととしたいと考えております。  進め方としては、次の別紙、2ページで項目を挙げておりますけれども、投資教育の 現状なりをまとめまして、あとこれを踏まえて課題なりをまとめていきたいと考えてお ります。  1ページに戻りますけれども、差し当たり今年度(15年度)アンケート調査を実施し ておりますので、その中で投資教育の状況なども特に力点を置いて報告をさせていただ くといったことなどがあろうかと考えております。また、ここに御参加の企業の方々に も御協力いただきまして、この状況の調査をさせていただきまして、これらをもとに事 例集を作成したいと、かように考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上でございます。 ○ 加子座長  ありがとうございました。それでは、今の説明及び全体を通じまして御意見、御質問 等ございましたらお願いいたします。 ○ 小野副部長  2点ほどでございますが、まず第一点は、今回の税制改正の件でございまして、これ は厚生労働省、経済産業省さんを始め、関係省庁、国会議員の先生方にも、私どもとし ましては様々の要望を出させていただいて、意見具申活動を展開してまいったわけでご ざいますけれども、非常に厳しい状況の中で、まず第一歩としまして、この確定拠出年 金の拠出限度額の引上げ等々、それから手続の簡素化等々、拡充・改善の方向に動いて いるということは、私どもとしましても、非常に僣越な言い方でございますけれども、 高く評価させていただいております。  確かにまだまだ改善する内容が多々ございます。私ども日本商工会議所といたしまし ても、関係方面との連携を密にしながら、私どもとしましても私どもなりに、それから 国その他、関係の皆様方にもそれぞれにおかれまして、今後も制度改善への努力を行っ て参ることが必要と存知ますので、引き続き、よろしくお願いいたしたいと存じます。  そういう流れの中で、本日ちょうどある商工会議所で厚生労働省の基金数理室長にも お越しいただいて今講演をしていただいているところでございますけれども、各地の商 工会議所にしましても、この確定拠出年金の導入、あるいは年金全般の再構築について のセミナー、相談が非常に増えてきております。ですから、先ほどマーケットの話が出 ていましたが、1年前、2年前と違いまして、だんだんと社会や企業の関心が高まって きているなと思っております。今、私ども各地の会議所の取組としましては、地道では ございますけれども、そういった活動を展開して、それが確定拠出年金制度の普及に向 けて貢献をさせていただきたいと思っております。  そういう意味では、平成16年度の投資教育の事例集の件でございますけれども、今、 私どももいろいろ相談を見ていますと、先ほどカスタマイズの話が出ていましたが、自 分の会社の目線でとらえられる他社の事例がほしい、お話を聞きたいということが私ど もに結構多く相談が寄せられています。個別の企業からも直接私どもに御相談がありま す。従いまして、非常に時宜を得た企画と存じます。  第3点として、今の公的年金と企業年金、個別の私的な年金、この3つをワンセット で今後考えるという視点であります。経営者サイドから見ますと、公的年金と企業年金、 これは財務、人事という部分からの見方、それから従業員につきましては、受給という 観点から見るということで、それぞれワンセットで見ていくというような傾向も出てき ておりますので、ぜひ年金の論議を公的年金・企業年金等も含めた形での広い意味の論 議と、それから、こういった投資教育事例など現実の情報を体系化して、それを効率よ く提供していくということも必要だと私どもも痛感しておりますので、ぜひその辺の議 論を併せてお願いいたしたいと思います。  以上でございます。 ○ 加子座長  ほかにございますでしょうか。 ○ 渡邉委員  私も税制改正の第3号被保険者に関してでございますけれども、これはどこの企業も 同じだと思うのですが、DC加入に関しましては、私ども全員加入ということでやって おりました。この導入時に組合から最も問題視されておりましたのは、女子社員の退職 時に第3号被保険者の取扱いということでございまして、ただ、私はこういったことを 申し上げたら失礼かと思うのですけれども、やはりこの問題は、後々は法的にはこれは 改正になるのではないかというようなことを申し上げまして、これを見守っていただい てということで周知してまいりまして、導入に向かいました。  そういうことで、きょうのこれを見てまいりますと、50万円以内であれば、これは中 途脱退ができて支払いを受けることができるというようなことでございますけれども、 ただ、当社の場合で申し上げますと、退職する女子社員について50万円は大体超すので はないかというような感じなのですね。そうしますと、これが50万円という単位ではち ょっと難しいのではないかというような感じを受けまして、例えば50万円以内であれば、 これは中途脱退、あるいは50万超した部分については課税というようなこともできない かということも感じたわけなのでございますけれども、そういったことを、先ほど一番 最後に生保協会さんの方からもお話が出たものですから、ちょっと私感じました。 ○ 加子座長  どうもありがとうございました。どうぞ。 ○ 矢崎課長  今回とにかくこういった少額資産の中途脱退のケースについて新たな法律上の道筋も つけるということ、また、これから法律出して通していくという作業ありますので、当 面それに全力を傾けたいと思います。もちろん、どんな制度でもそうですけれども、施 行してみて、その後の状況によって、また見直しを行っていくというのは、ある面どの ようなことでも当然でありまして、また、引き続きいろいろな面で検討は行っていくこ とになるだろうと思います。  それから、3号被保険者の問題について言えば、そもそも現在確定拠出年金に加入で きないのは3号、我々も公務員も加入できませんけれども、そういった制度的に除外さ れているところをどう考えるかという問題は別途あろうかと思います。  もう一つ、これは3号自体が、まさに今公的年金の分野でもどういう在り方がいいの かというのは議論されている局面でありまして、今後そういった公的年金での3号の位 置づけ等々も見て、また中長期的に検討していかなければいけない課題だろうと思って います。 ○ 加子座長  ありがとうございました。それでは、いろいろ御意見もあるかと思いますが、時間も 押しておりますので、この辺はフリートーキングの方は終りにさせていただきたいと思 います。  冒頭申し上げましたように、会場の傍聴の方から、御質問、御意見等があればいただ きたいと思います。御意見、御質問のある方は挙手をお願いいたします。  よろしゅうございますでしょうか。  それでは、最後に次回の予定につきまして、事務局から御説明お願いいたします。 ○ 矢崎課長  次回につきましては、今回と同様、運営管理機関さんからのヒアリングをさせていた だき、それから、アンケート調査結果の御報告等を行うといったことを考えてございま す。次回の開催予定でございますが、3月中旬から下旬といったころ合いを考えており ますが、具体的日程につきましては、また別途調整させていただきたいと思っています。 決まり次第、また、御連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いします。 ○ 加子座長  ありがとうございました。  それでは、本日の連絡会議をこれで終了させていただきたいと思います。本日はお忙 しいところどうもありがとうございました。