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4.活動全般に対する注意

倫理的な問題に配慮しましょう
 うつ病や自殺など精神医学的な問題は個人情報に関する重要な課題で、情報の取り扱い、同意、プライバシーの保護等について地域で十分に検討し、個人に不必要な負担がかからないよう十分配慮する必要があります。


うつ対策についての知識及び技術を習得し、向上するよう努力しましょう
 スクリーニングをはじめとする地域介入や住民に対する普及・啓発活動はもちろんのこと、抑うつ状態にあると考えられる地域住民への援助にあたって、より質の高いサービスを行うためには、保健師等の関係者の能力を高める努力を続けることが不可欠です。
 そのためには、保健師等が相談の際の基本的な態度や面接方法を学び、住民の精神状態を把握して必要に応じて援助・介入を行えるような技法の修得を目的とした研修を行うことが必要になります。


保健医療従事者自身の心のケアが必要です
 うつスクリーニングや相談、家庭訪問において、保健医療従事者が関わる本人やその家族などからの相談内容は、家族の死や病気、介護のストレスなど非常に重い内容です。うつ対策に従事する保健医療従事者自身も気分が沈み込んだり、ひどく疲れたりといった軽い抑うつ状態になることがあります。また、事業を進めている際に地域に自殺死亡者が出ることがあると、強いストレスとなるといわれます。ですから、うつ対策に従事する保健医療従事者自身の心のケアも重要です。
 事業に関して職場内の上司や同僚の理解があること、事業に関してストレスに感じたり、落ち込んだりするようなことがある時には、職場の上司や同僚にいつでも相談できる体制にあること、できれば精神科医などの専門家のサポートがあることが望ましいでしょう。また、保健所や精神保健福祉センター、大学の専門家を含んだサポート体制を作っておくことも大切です。こうした体制は、継続的な相談はもちろんのこと、自殺未遂者がでたときなどの緊急の対応のためにも役に立ちます。
 また、保健医療従事者自身もストレスを解消し、仕事とプライベートを切り換えることができる方法を身に付け、休養をとりながら積極的に心身をリフレッシュするなど、自分自身の心の健康づくりに心がけることが大切です。

ラム:青森県名川町では県の精神保健福祉センターや大学の精神科医との間にテレビ電話を設置し、定期的にテレビ会議を開いています。こうした設備は、各施設が離れていてもお互いに顔を見ながら相談ができるということに加えて、各施設の複数の関係者が同時に話ができるという利点もあります。


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