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うつ対応マニュアル−保健医療従事者のために− 概要

保健医療従事者(保健師、看護師、精神保健福祉士等)が、うつ病を予防し、早期発見・早期治療を可能にし、うつ病にかかっている人を長く支えることができる地域の環境をつくり、住民の心の健康の向上を図るためにどのように対応したらよいか示した。

.うつ対策における保健医療従事者の役割
うつ病は社会にとって見過ごすことができない重要な病気であり、その対策には保健医療対策のネットワークなどの仕組みを地域に作っていく必要があることから、うつ対策は医療機関だけでなく地域保健においても取り組むべき課題であり、実際にすでに各地でその成果が報告されている。
うつ対策に取り組むためには、担当する地域の実態を知ることがまず大切。

.予防の観点からうつ対策を考えてみましょう
保健医療従事者にとって、うつ対策は一次予防、二次予防、三次予防の観点から考えると理解しやすい。
一次予防(健康増進、疾病予防)においては、うつ病についての正しい知識の普及啓発や、精神疾患について抵抗なく相談し受診できる地域づくり、心の健康づくりのための積極的な健康教育・教室活動が必要。
二次予防(早期発見、早期治療)においては、「うつスクリーニング質問票」等を用いたスクリーニングの実施と、住民が気軽に相談できるようなこころの相談窓口の設置が重要。

.三次予防としてのうつ対策:本人をサポートするネットワーク作りに向けて
三次予防は、病気によって残った障害を最小限にし、その制約のもとで充実した生き方ができるようにすることであり、相談、訪問活動を通じた個別ケアが大切となるとともに、うつ病にかかっている人、家族等への支援も重要。
本人とのかかわりとしては、本人との信頼関係を築いた上で、うつ病についての理解を深め医療機関への受診を勧めること等が大切。
家族とのかかわりとしては、うつ病の症状、薬の効果、再発防止の重要性、かかわり方のポイント、医療機関の情報などを伝える。
地域における初期介入を効率的に行うためには、一般臨床医や精神科医、その他の医療関係者との緊密な連携を確保することが必要であるほか、精神保健福祉相談員、保健所嘱託医師、精神保健福祉センターなどと連携することが求められる。

.活動全般に対する注意
個人情報の取扱い等倫理的な問題への十分な配慮、うつ対策についての知識および技術の習得・向上、保健医療従事者自身の心のケアの必要性について言及。

 「コラム・活動事例・資料編」において、都道府県・市町村における先進的活動事例や、うつ病やうつ対策についてのさらに詳細な情報を掲載。


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