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はじめに

 誰でも時には気分が滅入ったり、孤独を感じたり、おっくうだったり、だるかったりすることがあるが、時間が解決することも多く、しばらくすると収まることがほとんどである。しかし、このような抑うつ的な状態が長く続き、うつ病になることがある。
 一方、うつ病は抑うつ的な気分だけではなく、心や身体に様々な形で現れる。しかも、それがうつ病であることに気づくことが、本人にも家族やそばに一緒にいる人たちにも困難である。仕事や人間関係のせいとか、不眠や身体の病気のせいとか、自分自身の性格のせいとか思ってしまう。そのために、悩み苦しみ、ひきこもり、あるいは仕事につけないまま時を過ごしてしまう。時には死にたくなったり攻撃的にさえなったりする。
 しかし、うつ病はきちんと治療することで回復できる病気である。うつ対策はまさにうつ病に対する気づきから始まる。このマニュアルは、住民がうつ病を知り、うつ病に気づき、うつ病に適切に対処できるように、地域保健活動の中でうつ対策に取り組む際の参考となるように作成したものである。


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