03/12/05 厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会第5回議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                  第5回 議事録 日時 平成15年12月5日(金)10:00〜12:00 場所 厚生労働省 専用第21会議室 出席委員 浅野委員、石井委員、遠藤委員、大石委員、岡田委員、川原委員、      小林委員、白石委員、宗林委員、山崎委員、山村委員 1.開会 ○岡田部会長  定刻を過ぎましたので、まだお一人御出席いただいておりませんが、間もなく御出席 をいただくものとして初めていきたいと思いますので、よろしく御協力をお願いいたし ます。ただいまから第5回独立行政法人評価委員会の医療・福祉部会を開催させていた だきます。師走のお忙しい中、お集まりいただきまして、本当にありがとうございまし た。きょう、橋本委員のみ御欠席ということで、御通知いただいております。  それでは初めに事務局から、本日の議事につきまして、簡単に御説明いただきたいと 思います。よろしくどうぞ、お願いいたします。 ○川尻政策評価官  政策評価官の川尻でございます。それでは議事次第をごらんいただきながら、本日の 議事について御説明をいたします。本日、御審議いただく関係は、10月1日に設立され ました国立重度知的障害者総合施設のぞみの園、それから福祉医療機構、この2つの法 人に関して3つほどの議事を、審議いただきたい事項として予定をしております。1つ 目は、2つの法人がすでに定めております役員に対する報酬、あるいは退職手当の支給 規程でございます。この規程につきましては、すでに法人が定めておりまして、それを 厚生労働大臣に届出が、厚生労働大臣は、評価委員会にそれを通知するという流れにな っております。そして各委員の皆様方にはすでにその決定がなされた直後に通知をさせ ていただいているところでございます。  この規程につきましては、評価委員会のほうでこの基準が社会一般の情勢に適合した ものであるかどうかという観点から、必要であれば厚生労働大臣に対して意見を申すこ とができることになっております。2つの法人の規程については、かなり類似している ところがございますので、この御審議につきましては、2つの法人について併せて御説 明をしたあと、一括して御審議をいただきたいと思っております。  それから2番目に御審議いただく事項は、これは来年7月以降の実績評価の関係でご ざいますけれども、その実績評価をいただく際の本部会としての評価基準の案につい て、御審議をいただきたいというふうに考えております。  それから3点目でございますけれども、それぞれの法人ごとの実績評価をいただく際 の評価の視点。これについても御審議をいただきたいと思っております。評価の視点は かなり細こうございますので、各法人ごとに御審議をいただくという予定をしておりま す。  以上3点が御審議いただく事項でございますけれども、議事では最初に書いてござい ますけれども、報告事項として、福祉医療機構関係の長期借入金あるいはその償還計画 について御報告をさせていただくというようなことでございまして、合計4つの審議事 項ということになっております。以上でございます。 2.議事 (1) 福祉医療機構の長期借入金及び償還計画の報告について ○岡田部会長  ありがとうございました。それではまず福祉医療機構の長期借入金及び償還計画につ いての御報告をお願いしたいと思います。よろしくどうぞお願いします。 ○小木津企画指導部長  それでは御説明させていただきます。独立行政法人福祉医療機構の小木津でございま す。どうぞよろしくお願いします。資料は4−1と4−2でございますが、まず4−1 ですが、長期借入金の実績報告でございます。まず年度計画の借入額。これはすでに御 承認いただいている事項でございますが、再度重ねて御説明させていただきます。  貸付事業は2つございまして、一般勘定で福祉医療貸付事業を行っています。また年 金担保貸付事業を別勘定で行っておりまして、一般勘定で1,867億円の財政融資資金か らの借入を計画しておりまして、この内821億円をすでに認可をいただいております。  また年金担保貸付事業に関しまして445億円の借入計画を立てておりますが、この内 12億円につきましては、すでに認可をいただいております。そしてその認可をいただい ている中で、10月から11月まで、これは実施した分でございますが、下のほうに書いて ありますように概要を申し上げますと、まず一般勘定は基本的に20年償還の据置1年と いう形態で借りております。ここに4つの欄が掲げてございますが、2回にわたりまし て借入を行っておりまして、その借入の種類として20年ずっと固定の金利のものと、10 年後に金利を見直すものと二通りがございまして、それぞれこのような額になっており ます。  年金担保貸付勘定ですが、こちらは12億円ということで、こちらのほうは5年償還の 据置なしで借り入れております。以上が借入の計画でございますが、借入の計画は一切 変更がございません。その次のページ、資料4−2でございますが、独立行政法人福祉 医療機構償還計画と書いてございますが、ここのところが前回の御説明から若干変更が ございます。その原因は一般勘定のほうで、福祉医療貸付で貸付先から繰上げ償還が相 当額ございまして、その額をさらに財政融資資金の繰上げ償還に充てるということが ちょっと予測できない額でありましたので、その影響が出まして、ここにありますよう に前回9月18日にお示しした時には、この財政融資資金と書いてある一般勘定の欄のい ちばん上のAのところは、例えば2兆8,984億円余というのが前回の御説明でしたが、 今回2兆8,975億円余というかたちで、少し動いております。これは先ほど申しました ように、繰上げ償還をしたということで残高が動いております。これ以外の政府保証債 とか財投機関債については、数字は一切動いておりません。  その関係で、先ほど申しましたように、借入の計画は計画通り実施いたしますので、 そこの数字は動いておりませんが、償還計画のほうのここの下のCの数字が動いており ましす。前回御説明の時には1,073億円余でしたが、今回1,073億円のその下の億より以 下の部分の数字が若干動いているということでございます。  そして同様に、平成15年度末のこの見込総額もその影響で少し動いております。今回 は財政融資資金のみの償還の御説明でしたが、今後は一般勘定におきましては、この政 府保証債の償還の期限が平成17年と18年にまいりまして、それぞれ200億程度の償還と いうことになりますし、財投機関債はまず3年債で発行したした分の償還が、平成17年 と18年にそれぞれ50億ずつ発生いたします。そしてこれは今年発行いたしました5年債 の償還が平成20年に発生するということでございます。年金担保貸付勘定につきまして は、財政融資資金への償還のみが今期発生いたしますが、将来に向けては平成13年から 発行いたしております財投機関債。これは3年債で発行しておりますが、これらがそれ ぞれ平成16年から18年までの間で100から150億、200億という単位で発生する予定にな ってございます。以上です。 ○岡田部会長  どうもありがとうございました。これはいま御報告というかたちで御説明をいただき ました。9月に御審議をいただいて、その後、多少数字が変わったというのを含めて御 報告とさせていただいたわけでございますので、このまま次の審議に移りたいと思いま すが、特に何か御発言はございますか。よろしゅうございますか。ありがとうございま した。それでは次の議題に移りたいと思います。次はのぞみの園及び福祉医療機構の役 員給与規程、役員退職手当支給規程につきまして、御説明と御審議をいただきたいと思 いますので、よろしくお願いいたします。それではまずのぞみの園の役員給与規程を御 説明いただきまして、続いて福祉医療機構に入りたいと思います。よろしくどうぞお願 いいたします。 (2) 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園及び福祉医療機構の役員給与規程及び   役員退職手当支給規程について ○高橋総務部長  国立のぞみの園の高橋でございます。それでは国立のぞみの園の資料3−1。役員の 給与規程から御説明をさせていただきます。まず私どもの常勤の役員に対します給与に つきましては、俸給、通勤手当及び特別手当がございます。第3条に掲げております役 員の俸給月額でございますが、これにつきましては今年10月に国家公務員の給与の改定 がされております。したがいましてそれに準じまして、指定職俸給表の改定率と合わせ まして、マイナスの1.2%の減額をさせていただいた額ということで、理事長につきま しては911,000円、それから理事につきましては800,000、監事につきましては748,000 円となっております。  また、新たに役員となった者の俸給につきましては、その日から俸給を支給するとい う規程でございます。それから3ページ目に非常勤役員の手当がございます。第10条を 見ていただきたいと思います。非常勤の監事。これは独立行政法人になりまして、私ど も定数が1名増えてございます。その非常勤の監事の部分につきましても、先ほどと同 様、マイナスの1.2%の率を乗じまして、243,000円ということで俸給月額を出させてい ただいております。  特別手当でございます。1ページ戻っていただきまして、いちばん上の第9条でござ います。特別手当につきましては、6月1日及び12月1日に在職をしております役員に 対して、それぞれ支給をされます。役員に対する特別手当の支給の方法でございます が、先ほども申し上げました俸給月額に国家公務員の管理職加算相当分の率を乗じて得 た額、プラス、国家公務員の役職段階別加算というものがございます。これの率、 20/100でございますが、これを乗じて得た額。これらと俸給月額をプラスしまして、そ れに6月の場合ですと170/100、12月に支給する場合においては160/100という率を乗じ て得た額を、特別手当というかたちで支給させていただいております。これにつきまし ても、先ほど申し上げました国家公務員の給与が今年の10月から変わっているというこ とで、それに準じた率を乗じて得た額を、今年の11月から改定をさせていただきまし て、12月から支給をさせていただいております。  それから資料の3−2でございます。役員の退職手当支給規程でございます。これに つきましては具体的な退職手当の額でございますが、第3条に規程がございます。第3 条の「ただし」のところで本文でございますが、俸給月額に100分の28を得た額を、在 職期間における月数を乗じて得た額が、退職手当の額というかたちになってございま す。以上でございます。 ○岡田部会長  それでは引き続きまして福祉医療機構の同じ規程について御説明を頂戴してから、御 審議を頂戴したいと思います。よろしくどうぞ。 ○川井総務部長  福祉医療機構の総務部長をしております川井でございます。よろしくお願い申し上げ ます。私のほうは資料の4−3と4で別の袋でございますが、恐縮でございますがそれ でお開きをいただきたいと思います。まず役員の給与でございますが、第4条を見てい ただきますと、理事長以下の給与がそれぞれ規程をされておりまして、理事長は月額 1,092,000円ということでございまして、一般の理事で申しますと、890,000円というこ とになっております。先ほどのぞみの園のほうからの金額と少し違いますけれども、こ の金額は14年の3月に特殊法人の役員の給与の引き下げが指示をされまして、その際示 された金額をベースとして、旧社会福祉医療事業団がやってまいりましたが、その額を ベースといたしまして、本年度の人事院勧告に準じ、マイナス1.2%減をいたしまして、 現在のこの金額になっているということでございます。  役員につきましては、その他、毎月支給されるものといたしましては、特別調整手 当、第5条でございますが、これと、その他第6条でございますが、通勤手当が支給を されるということになっております。  次に第7条の期末手当でございますが、これにつきましては6月と12月にのぞみの園 と同じでございますが支給をされるということでございまして、俸給と特別調整手当の 月額に一定の係数を掛けましたものをベースといたしまして、6月につきましては100 分の170、12月につきましては100分の160を掛けて支給をするということでございます。 夏のほうが100分の170、冬のほうが100分の160ということでありまして、冬のほうが少 ないのかという御疑問が出られるかと思いますが、先ほどののぞみの園でもお話があり ましたが、本年度の人事院勧告に基づく手当の改正をしたわけでございますが、すでに 6月分は支給済みであったものでございますから、年間分をまとめて12月の支給におい て調整するということにいたしましたので、逆転を本年度についてはいたしておりま す。  それから7条の3項を見ていただきたいと思いますが、この期末手当につきまして は、この評価委員会が行います業績の評価の結果、その者の職務実績等を考慮いたしま して、理事長がこれを増額しまたは減額することができるということで、この規程はこ の10月に独立行政法人になりました際に挿入をしたものでございます。役員の手当につ きましては、業績評価を考慮して理事長が、先ほど申し上げましたような前提で増減が できるということでございます。  それからその次の第8条に、期末手当の支給の一時差し止め等の規程がございます。 例えば(1)にございますように、通則に基づいて解任をされるというようなものについ ては支給しないというような規程を挿入をいたしているところでございます。  続きまして、資料4−4で退職手当につきまして御説明を申し上げます。のぞみの園 とほとんど同じでございますが、退職手当の具体的な額につきましては第3条でござい まして、俸給月額に100分の28を掛けたものに、在職月数を掛けて計算をするというこ とになっております。3条の2項でございますけれども、退職手当につきましても評価 委員会が行う業績評価の結果、その者の職務実績を考慮して、理事長が増減をできると いう規程を挿入いたしているところでございます。かいつまんで申し上げました。以上 でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。両法人の役員の給与並びに退職手当についての御説明をい ただきましたので、ここで御意見、御質問等がございましたら頂戴したいと思います が、いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。 ○小林部会長代理  私、まったく素人で、経理関係のことは分かりませんが、この独立行政法人の給料と いうのはあくまでも公務員ベースをもって決められているような印象を受けたのです が、そのことはそれで合法的というか、何かの裏付けをもってなされているわけです か。民間の人が独立行政法人というと、やっぱり公務員よりも一歩離れた独立行政法人 というような感じがするわけですね。プリミティブな質問で失礼かもしれませんけれ ど、分からないので説明していただければということなのです。 ○岡田部会長  ありがとうございました。どうぞ。 ○川井総務部長  ごもっともな御指摘かというふうに思いますが、そういうことがありまして先ほど若 干経緯について触れさせていただいたわけでございますが、実はこの9月までは特殊法 人ということでございまして、給与等につきまして国が一定の枠を示して、これでやり なさいというかたちで今までやってまいりました。10月に独法になりましたが、なった ばかりでございまして、それを引き継いできているというのが経過でございます。そう いう中でそうした過去の経緯もふまえた上で、やったということでございまして、独法 になった以降、法律上、公務員を限りなく意識しながらやらなければいけないというこ とでは必ずしもないということではありますが、過去の経緯等もあって、現状ではその ようになっているということでございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。小林先生、よろしゅうございますか。 ○小林部会長代理  ここで解決できる問題ではないとは思うのですが。 ○岡田部会長  ありがとうございました。他にいかがでしようか。よろしゅうございますか。それで は基本的にはそういうことで御了承いただいたということにしまして、次の議題に移り たいと思います。きょうは12時までの時間を有効に使うために、少しスピードを調整さ せていただきながら進めておりますので、御了解いただきたいと思います。それでは本 部会において、来年度以降、法人の各事業年度に係る実績評価を行う際に用います評価 基準細則につきまして、御説明、御議論をいただきたいと思いますので、よろしくお願 いいたします。説明をどうかお願いいたします。 (3)医療・福祉部会における評価基準細則(案)について ○川尻政策評価官  それでは資料1という、袋に入っていない資料についてお開きいただきたいと思いま す。これから御審議をいただきます評価基準細則、それから評価の視点の位置づけにつ いて御理解いただくための資料を作成しております。資料1の2ページ目に若干条文が 付いておりますので、そこをまず見ていただきたいと思います。評価の基準というのは 何かということでございますが、中央省庁等改革基本法の39条で独立行政法人の業務の 実績に関する評価、こういうものを客観的中立的に行うために、当該評価の基準の作成 及びこれに基づく評価等を行うための委員会を置くことになっております。これがこの 部会ということに当たるわけでございます。そして、その関係で具体的な委員会の業務 としては独立行政法人通則法第12条の第2項第1号の関係で、独立行政法人の業務の実 績に関する評価に関することということでございます。この2つの条文に基づきまし て、この各省の評価委員会におきましては、評価に関する基準を作成をしていただくと いう流れになっております。そして次の2つの条文といいますのは、実績に関する評価 につきましては2つの種類がございまして、第32条の方は各事業年度の業務の実績につ いての評価、それから第34条は中期目標期間を通じました業務の実績についての評価、 こういう2種類の評価があるわけでございます。  そして資料1の1ページ目に戻っていただきまして、この2つの実績の評価につきま しては、それぞれ総会ですでに役割分担が決まっております。各部会では各事業年度ご との実績評価を実施していただくこと、それから総会のほうでは中期目標期間全体を通 じて実績評価を実施するということでございますけれども、それぞれの評価につきまし ての基準をどういうふうに定めていくかということなのですが、実際に考えてまいりま すと、最初、各事業年度の実績評価を各部会で行っていただいても、中期目標期間の最 終年度というかたちになりますと、最終年度にどの程度、実績が上がったかということ と、それから中期目標期間を通じましてどの程度実績を上げたかということは、ほとん ど同じようなことになるわけでございます。  そんなこともあって、評価の基準というのは各事業年度あるいは中期目標期間を別々 に定めるということではなくて、全体を通じて定めていただいてはどうかということで ございまして、総会のほうですでに平成13年に評価基準というものが定められておりま す。きょうは細かく御説明をしませんけれども、参考資料1として皆様のお手元に配付 させていただいたものが、総会のほうで定められました評価の基準というようなことで ございます。そして総会で定めました評価の基準をベースにいたしまして、それぞれ各 部会で持っております法人の業務の種類に応じまして、若干ブレークダウンをしてつく っていただくのが、きょうも御審議頂きます評価基準細則というようなものでございま す。  それの1つの例といいますのが参考資料2というかたちでお配りをさせていただいて おりますが、調査研究部会で今年の7月にお決めいただきましたものでございます。名 称が評価の基準ということで、総会の基準と同じ名前になっているのですけれども、位 置づけとしては総会で定められた基準を基に、若干部会の特色を出して細かい定めのと ころを決めるということですので、いずれ細則というふうに混乱しないように名称も変 えていただくのが適当かなと思っておりますが、それは調査研究部会でお決めになるこ とですので、ここでは今年の7月の段階の資料を出させていただいております。  いずれにいたしましても、資料1の右側で書いておりますように、これから御説明い たしますのは、この医療福祉部会のほうでの評価基準細則をどういうふうに定めるか。 実際には参考資料2という調査研究部会のすでに細則がございますので、それをほとん ど踏襲をいたしまして、必要最小限の修正を加えさせていただいたものを案として、こ れは資料の2ということでございますが、お配りをさせていただいております。  それからこの基準細則を御審議いただいたあとに、各法人ごとに御審議をいただくも のが評価の視点というかたちでございますが、これはそれぞれの法人の各年度ごとの事 業計画、年度計画というものも踏まえまして、各年度ごとにどういう視点でもって実績 評価をいただくかというようなことでございます。従いましてそれにつきましてはこの 部会ごとの決定ということではなくて、法人ごとにそれぞれ定めていただくような流れ になろうかというふうに思っております。ということで四角で2つ囲っておりますが、 これから御審議いただく2つの事項というのは、「評価基準細則」、それから「評価の 視点」ということでございます。  次に資料の2をごらんいただきたいと思います。まず本日御審議いただきたいこの医 療福祉部会としての評価基準細則ということでございますけれども、簡単に内容を御説 明申し上げます。来年度に入りまして実績評価をいただく場合に、どういう評価をいた だくかということでございますが、2つの評価がございます。  業務実績全体の状況について総合的な評価を行うという総合評価の話と、それからも う1つが中期目標に掲げられました項目毎に点数を付けていただく個別的な評価。この 2本がございます。総合的な評価を行っていただくための基準といたしましては、(1) と(2)ということで2つの柱を出させていただいております。1つが、独立行政法人が 効率性、有効性等の観点から、適正に業務を実施したかどうかというかたちでございま して、細かくブレークダウンしたものとして、4つほど掲げさせていただいておりま す。先生方には予め資料も御送付させていただいておりますので、細目については省略 をいたします。  それから大きな2点目の柱が、独立行政法人の業務が大局的な見地から、福祉の向上 又は医療の普及及び向上にどの程度寄与するものであったかという、そういう御評価を いただくという流れにしております。そして細目的にはその下に2つほど掲げさせてい ただいております。そういう観点から総合的な評価をいただいてはどうかということで ございます。  それから2ページ目にまいりまして、個別的な評価ということでございます。こちら は総会に所属の先生方はよく調査研究法人がらみでやったなということを御記憶の方も いらっしゃるかもしれませんけれども、中期計画の個別項目毎の進捗状況というものを 5段階で評価いただくというものでございます。5段階の判定基準といたしましては、 2つ目の白丸のSからDに書いておりますけれども、中期計画を大幅に上回っている。 正確に申し上げますと中期計画というのは約5年の計画が終わってから、大幅に上回っ ているとか下回っているとかいうことになるのかもしれませんけれども、中期計画から 想定されるスピードといいますか、あるいは割合といいますか、そういうものが1年 目、2年目、3年目等でどの程度進捗しているかということを見ていただきまして、大 幅に上回っている、上回っている、概ね合致している、やや下回っている。あるいはい ちばん低い評価ですと、下回っており、大幅な改善が必要というようなかたちで、5段 階の評点をそれぞれいただくというような中身でございます。  そういう個別的な評価を行うにあたって、どういうかたちで実施状況を把握するかと いうのが3つ目の白丸というようなかたちでございます。若干ここら辺だけ細かくなり ますので、申し上げますけれども、数値目標がある前にはその達成度合、あるいは定性 的な目標である場合には具体的な業務実績を細かく把握して評価するというようなこと を書いておりますし、2つ目の黒丸では数量だけで判断するのではなくて質についても 考慮する。それから3つ目といたしまして、業務実績に及ぼした影響、経済情勢が大き く変化するとか、あるいは政策転換があるとか、いろいろな予期せぬ事情の変化もござ いますけれども、そういうものも考慮しながら評価をしていただいてはどうか等々の細 かな視点というのを入れております。  それから4つ目の白丸でございますが、留意事項をいくつか書かせていただいており ます。(1)というのが費用対効果を考慮いただきたいということ。それから(2)が独立行 政法人化した利点。財務の弾力的運用等の活用状況についてどうなっているかというこ とを考慮いただく。あるいは(3)の中期計画に掲げられている具体的な取組以外のもの も考慮をしていただくというようなかたちで、いろいろと入れております。  それから若干飛ばしまして、最後の5つ目の白丸でその他で始まるところがございま す。これは主として会計処理の関係を規程しているものでございますけれども、1つ目 といたしましては、利益の残余が生じた場合がどうかということでございますけれど も、利益の残余が生じた場合には、中期計画に定められた剰余金の使途に充てられる。 それは厚生労働大臣へ独立行政法人が承認申請をして、その承認の結果、充てられると いうようなかたちになるわけでございますけれども、それに関連して、本当にその残余 というものが独立行政法人の経営努力によって生じたものであるかどうかというのを、 この部会でも御確認をいただきたいというようなことで書かせていただいております。  それから(2)はかなり技術的なことになるわけでございますけれども、運営費交付金 というかたちで国から独立行政法人に交付がされるものにつきまして、通常、運営費交 付金というのは法人が求められている業務を達成しますと、すべて収益されて、いわば 交付金債務というかたちでは消えていくものてでございますけれども、何らかの事情に よって運営費交付金債務として年度末にも残っているというような場合がございます が、そういう場合には、なぜそういうものが残っているのかということを把握いただい て、そしてその妥当性について評価をいただくというような基準も書かせていただいて おります。  それから4番目は評価の具体的な実施方法、手順ということでございますが、これに つきましては、各事業年度終了後、法人のほうから実績に関する報告というのが3ヶ月 以内に上がってまいりますので、その報告を受けヒアリングを実施した上で評価に着手 をするというようなことでございます。そして部会の審議が終わりまして、評価結果が 固まりますと、それを独立行政法人そのもの、それから総務省の委員会のほうにも通知 をするというかたちになっております。なお、この部会で決定していただいた後、それ ぞれの実績評価についてこういう通知を行うにあたりましては、現在の規程上は、総会 の御了承ということではなくて、黒川委員長の同意をいただいた上で通知ないし公表を するというような手順になっておりますが、一応そういう流れになっているということ を書かせていただいております。  だいぶ省略しましたけれども、もし御質問がありましたら、細かく御説明をさせてい ただこうと思います。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。いま御説明のとおり、本来、総会が定めております評価基 準、それと私ども部会が拠り所とすべき評価基準。これはかたちの上では別物とされて おりますが、いまの御説明のように内容的には非常に共通するものがあるということ。 その中でそれぞれの各部会に特化した内容を加味したものを、きょうお示しいたしまし て、御審議をいただきたいということでございますので、どうかよろしくお願い申し上 げます。いまの御説明につきまして、御質問あるいは御意見を頂戴できればと思います が、いかがでしょうか。どうぞ、遠藤先生。 ○遠藤委員  ひとつ内容の御説明をいただきたいと思うのですけれども、非常に細かな内容で恐縮 ですけれども、この2の総合的な評価の(2)でありますが、(2)の黒丸が2つありまし て、2つ目の内容についてはよく理解できるのですが、上のほうの独立行政法人の業務 により得られた成果は、どのように活用されているかということのイメージがちょっと 分かりづらいということで、何やら2つ目の丸ポチで言っていることですべて(2)は代 表しているように思うわけでありますけれども、上はどういう意味なのかちょっと御説 明いただきたいと思います。 ○岡田部会長  どうぞ、よろしくお願いします。 ○川尻政策評価官  (2)の1つ目のポツは主として研究事業とかいうようなものを想定したものでござい まして、確かに業務の達成によっても、それで即物的に効果が上がるものもあります し、調査研究のようにそれがさらに社会で活用されて効果が上がるというものもござい まので、そういう意味で別に書かせていただいておりますが、2つ目の黒丸で包含され ているではないかと言われれば、そのとおりでございます。はい。 ○岡田部会長  よろしゅうございますか。 ○遠藤委員  ありがとうございます。 ○岡田部会長  他にいかがでしょうか。 ○浅野委員  少し、評価基準に関連するかもしれないのですけれども、文章の中で有効性とかとい うことばの範疇に含まれているのか、例えばリスクマネジメントとか安全性とか、そう いったような観点については何か評価されている項目はありますか。 ○川尻政策評価官  すみません。ちょっと私も不勉強で、この2つの法人についてリスクマネジメントと いうのは、どういう観点で考えればよいかというのは分からなくて、あまり書いてはい ないのですが、もし何か2つの法人を念頭に置いていただいて、そういう基準が必要で あれば、書き込むことも可能だと思います。 ○浅野委員  むしろ私の関係する医薬品関係では、例えば安全性、効率性、有効性があります。ア クセルに働くのが効率性と有効性ということなのですけれども、その一方では安全性の 確保というようなブレーキに当たるようなものがあると思います。他の2つの法人につ いても質的には違うのでしょうけれども、例えば金融面であれば金融的なリスクマネジ メントというものがあると思うのです。あるいは施設を持つのぞみの園さんであれば重 度障害者を抱えておられますので、そういう面でサービスのリスクマネジメントという 観点もあるかもしれません。3つのキーワードのいろいろなところでよく見るものです から、最近、効率性とか有効性に加えて、安全性というような意味合いをどこかに入れ る必要があるのかどうかという点を少し思っています。 ○岡田部会長  ありがとうございました。これにつきましてはそれぞれの法人の事務局のほうで、何 か御意見がございますでしょうか。今のような御指摘に対して御意見をいただければあ りがたいと思いますが。 ○高原障害福祉課長  障害福祉課長でございます。のぞみの園は500人規模の方にお入りいただいている施 設でございまして、当然、災害などを念頭に置いた安全性の確保ですとか、あるいは 個々の入所者のいろいろな身体的な急変に対応した適切な処遇なり、安全性の確保、こ ういうものは当然求められるものだろうと思っておりますし、そういうことは常々心掛 けてやっているつもりでございますけれども、それをリスクマネジメントというかたち で、この細則の中に入れていただくかどうかというのは、私どもとしては特に問題はな いと思いますし、御議論いただければよろしいかと思います。 ○岡田部会長  ありがとうございました。もしそうでしたら、きょうのお示しいただいた内容の御審 議をいただきながら、委員の御賛同が得られれば、事務局にお願いをして、追加すべき ものを御検討いただくというかたちで、その部分については次回また御審議をいただい て認められたら、それを加えるという格好で処理をしたらいかがかと思いますが、事務 局としてはどうでしょうか。 ○高原障害福祉課長  総合的な評価でやるか個別的なほうで書くかということでございますが、私の個人的 ないまの感触からしますと、かなりブレークダウンされた内容ということでございます ので、個別的な評価のほうのどこかの適当な場所で入れさせていただくというかたち で、次回までに具体的なものは考えたいと思います。 ○岡田部会長  ありがとうございました。どうでしょう。いまの浅野先生の御指摘やあるいは事務局 の考え方について、委員としての何か御意見はございませんか。よろしいでしょうか。 それはそれで、事務局のほうの御提案を一応頂戴するというかたちをとっておいておき たいと思いますが、他に何か御質問、御意見をいだけませんでしょうか。この評価基 準、いわば細則とここでは呼んでおります案でございますが。もし御意見がなくて、も しこれで納得できるというかたちでございましたら、結論をいただいたものとして、次 の議題に移りたいと思います。 ○宗林委員  個別的な評価のところのこの判定基準というのがございますが、この「大幅に」とか 「上回る」とか、「下回る」とかいうような感覚的な、ある意味では定性的な言葉が並 んでおります。これはどういうふうに受け取ればよろしいのでしょうか。 ○川尻政策評価官  また具体的に来年度、実績評価をいただく際に、細かくまた御説明をさせていただこ うと思いますけれども、中期計画の中で具体的な数字がありまして、それについてかな り数値的に見て、明らかに大幅に上回っているというものにはS評価というようなかた ちになると思いますし、定性的なものしかなくて、でも中期計画を単にギリギリ達成す るというのではなくて、それなりに中期計画以上のことがやられているという場合には A評価とかいうようなかたちで、具体的な点数付けをしていただく時の参考となるよう な情報というのは、またその時々でやっていただいてはどうかと思います。いずれにし ましてもおよそ5段階で、すでに調査研究部会のほうでもこういうかたちで評価をいた だいておりますので、それを表現としては踏襲をさせていただいているというようなこ とでございます。 ○岡田部会長  具体的にこれを評定する時には、何らかの具体性を持ったサンプルを示しながら、S にするならばこういう場合ということが、実際に使う時はに分かるようにしておくとい うことですね。そういうことでよろしゅうございますか。 ○宗林委員  尺度が先生方の個々人ということではないと思いますので、もしはっきりあればと思 います。 ○岡田部会長  では少し今後の課題としてそれは残るわけでございますが、抽象的な表現だけでは留 まらなく、ある程度具体性のある姿にするということですね。ありがとうございまし た。他にどうでしょう。 ○石井委員  極めて基本的なことで、総合的な評価の(1)の「効率性、有効性等」と書いてあるの ですが、「等」というのは具体的にいうと、どんなことなのかというのをちょっと教え ていただければと思います。 ○岡田部会長  どんなことを想定しての「等」でしょうか。 ○川尻政策評価官  これは、必要性とかというようなことてでございまして、手元に正確な表現がないの ですが、独立行政法人の評価というだけではなくて、行政そのものの政策評価について も大体ここに掲げておりますような、効率性、有効性、必要性とかいう観点から、それ ぞれの政策評価をやっておりまして、そういう意味で効率性、有効性だけではちょっと 書き切れていないかなということで、等を付けさせていただいたというようなことでご ざいます。ちょっと具体的に必要性について、どの程度のことがこの2法人について、 どういうものが観点として上げられるかというのは、直ちに私も御説明できませんけれ ども、ちょっと2つの観点だけだと足りないのではないかというかたちで等を付けさせ ていただいています。 ○岡田部会長  そうですか。どうでしょう。御意見、石井先生。 ○石井委員  私はもよく分からないので。最近、一般的にテクニカルタームで透明性なんていう言 葉が使われたりするので、そんなのが入っているのかなと思って、ちょっとお聞きした だけのことなのです。 ○岡田部会長  なるほど。では、これは今後もちょっと問題になるでしょうね。こういうことについ て独立行政法人とか、あるいは具体的な法人が行うべき社会的使命みたいなものを考え た時には、いろいろな視点が出てきますので、こういった表現には多少やっぱり議論に なるところが今後も出てくるかもしれませんね。 ○川尻政策評価官  そこの書きぶりについては、若干整理をさせていただこうと思います。私どもとすれ ば、事務局方としますと、実は総会で定められた文言が効率性、有効性等と定まってお りますので、そこからあまり部会でブレークダウンしていただく時に、細かく書くのは いかがかと思いましたけれども、総会でいずれ見直していただくことも含めまして、先 ほどの宿題と含めまして検討させていただこうと思います。 ○岡田部会長  そういう理解で石井先生、よろしいですね。他にいかがでしょう。それではひとまず このことについては基本的にお認めいただいたというかたちをとらせていただきまし て、次に進みたいと思います。その次は2つの法人のそれぞれについての評価の視点案 が作成されておりますので、これについて御審議をいただきたいと思います。順番とい たしましては、まずのぞみの園の評価の視点から御説明をいただきます。障害福祉課長 ですね。 (4)国立重度知的障害者総合施設のぞみの園及び福祉医療機構に係る評価の視点(案) ○高原障害福祉課長  障害福祉課長でございます。のぞみの園の評価の視点について御説明を申し上げま す。お手元の資料でございますと、資料3−3をごらんいただきたいと思います。その 後ろに参考資料の3−1から3−4まで付けさせていただいておりますけれども、この 参考資料の3−1の中期目標、3−2の中期計画、それから参考資料の3−3の業務方 法書は本部会におきましてもすでに御審議をいただいております。参考資料の3−4は 年度計画でございますけれども、これは法人のほうで作成をいたしまして、国に届出を いただいているというものでございます。  資料の3−3をごらんいただきますと、いま申し上げました中期目標、中期計画、年 度計画を対応してごらんいただけるように並べております。いちばん右端のところに きょう御審議をいただきます評価の視点というのを書かせていただいております。時間 の関係もありますので、若干、かいつまんでということになりますけれど、御説明をさ せていただきます。  先ほど御議論をいただきました評価基準の細則も踏まえまして、個別の評価をしてい ただくことになるわけでございます。この評価の視点ですが、書きぶりなどにつきまし ては、先行の独立行政法人の例なども参考にさせていただいております。また、私ども ののぞみの園の業務の特性などを踏まえて、整理をさせていただいております。お手元 の資料を少しめくっていただきまして、3ページ、4ページ目のところを御覧いただき たいと思います。大きな課題の1つで業務運営の効率化という視点でございますけれど も、右のところをごらんいただきますと、組織に関する業務運営体制の効率的かつ柔軟 な組織編成が行われているかどうか、あるいは資質の高い人材をより広く求めるような 工夫がどのようになされているかということを、中期目標、中期計画、あるいは年度計 画も踏まえまして御評価をいただくという意味で、評価の下のところに書かせていただ いております。  下のところでございますけれども、効率的な業務運営体制の確立ということで、各部 門ごとで業務の進捗、進行状況をきちんとモニタリングをし、その評価をしていくとい うことが大切であろうかと思っておりますので、そういう仕組みとしまして具体的には モニタリングの評価会議というものを四半期毎に実施をしていくということを想定して おります。そういうものがうまく機能しているかどうか、そういうところを御評価の視 点としていただければと思っております。  次に、5ページ、6ページ目のところでございます。中期目標のところのいちばん左 側のところをごらんいただきますと、業務運営の効率化に伴う経費節減の目標として、 中期目標期間の最終年度におきまして、特殊法人の時代、平成14年度に比べて一般管理 費、事業費等の経費を13%以上節減するという中期目標をすでに決めさせていただいて いるわけでございますけれども、こういうものをブレークダウンしていく過程で、評価 の視点といたしまして特に人件費の比率がかなり高いということがございます。これを 現状で申しますと、総事業費に占めます人件費が約8割という状況になっておりますの で、評価の視点の中ではこういう人件費に着目をしていただいて、人事評価の仕組みの 導入、あるいは非常勤職員の積極的な活用による効率的な職員体制が構築されているか どうか。あるいは給与水準の適切な見直しが行われているかどうか。こういうあたりに 重点を置いて御評価をいただいたらどうかということで評価の視点を整理させていただ いております。  次に、この下のところにはいくつかございますけれども、のぞみの園が持っておりま す知見あるいはノウハウを、積極的に広く情報発信していっているかどうか、あるいは 地域を初めとします関係者にきちんと御利用いただいているかどうか。そういうことを 具体的に評価していただく基準として、下のほうにいくつかの視点を整理させていただ いております。  8ページ目のところでございます。これも業務運営の効率化の具体的なメルクマール といたしまして、中期目標、中期計画に外部委託の拡大でございますとか、あるいは競 争入札の実施ということを盛り込ませていただいておりますので、それを具体的にどの ように進めるか。15年度は例えば外部委託といえば12業務について実施をしておりま す。あと競争入札といえば5件以上、5件の業務を競争入札しているわけですけれど も、そういうものの拡大が着実に16年度、図られているかどうかということをごらんを いただくという趣旨で書いております。  次をめくっていただきまして、資料の9ページ目、10ページ目でございます。国民に 対して提供するサービスその他の質の向上という項目で書かせていただいております。 こののぞみの園につきましては大きな福祉施策の課題ということで、いま約500名の重 度の知的障害者の方が入っておられるわけですけれども、そういう状況を計画的に見直 して、入所施設としての規模については、縮小していこうじゃないかということが中期 目標に明記をしていただいております。そして入所者数を中期目標期間中において、3 〜4割程度縮小するという具体的な定量的な目標を掲げさせていただいておるわけでご ざいます。こういう取組みが具体的にどのように進んでいるかということが評価の大き なポイントになるのではないかということでございます。  評価の視点といたしましては、その10ページ目のところをごらんいただきますと、ど の程度地域生活への移行が図られているか。地域生活移行へ向けて計画的かつ積極的な 取組みが行われているかどうか。またこの場合、特に支援の必要度の高い重度の入所者 の方についての地域への移行に適切な取組みが行われているかどうか。そういうところ を評価の視点として掲げさせていただいております。  ここの部分がおそらく本部会で御評価いただく際にも、非常に大きなポイントになる のではないかと思っております。私ども行政担当部局といたしましては、地域生活移行 を着実に図っていくことが極めて大事だと思っているわけですけれども、ただ平均年齢 が50歳を超える重度の方にお入りいただいているものですから、何か数字が先にありき で、条件整備とかお一人おひとりの状況や移行を無視して、数字が先にありきで進めて いくというようなことは、これはあってはならないと思っておりますので、その数字と いう目標は具体的にメルクマールとして掲げさせていただいておるわけでございますけ れども、単に数字だけではなくてどういう取組みがきちんと行われているのかどうか。 そういうある意味で質の面での評価につきましても十分ごらんをいただいて、評価をい ただければと思っております。  私どももそういう御評価がいただけますように、できるだけ数字的なものだけではな くて、どういう取組みをしているのか。個々の入所者あるいは保護者に対する取組みな ども含めまして、できるだけきちんと説明責任が果たせるような情報を本部会にも御提 供して御議論、御評価をいただければと考えております。評価の視点としてこれ以上に 予めかみ砕いたメルクマールを設定するのはなかなか難しいかなということで、やや抽 象的な印象を持たれるかもしれませんけれど、こういうメルクマールをベースに、でき るだけ事務局のほうで情報を出しながら、御議論をいただければと考えております。ま た、それに関連していくつか実際の地域移行に向けての基本方針が策定されているか、 地域生活を体験していただくようなそういうステップアップの事業の実施状況はどう か。あるいは個人別の支援計画なり、生活設計のライフプランを作成しているかどう か。あるいは地元での受入れも含めた条件整備の進捗はどうかといったところを評価の 視点として掲げさせていただいております。  次は、11、12ページでございますけれども、これはのぞみの園が行います調査研究に ついてでございます。現場を持った施設として、全国にきちんと情報発信をしていく必 要があるだろうと思っておりますので、そういう意味での調査研究がちゃんと行われて いるかどうか。こういうところも重要なポイントであろうかと思っております。全国に 対してモデル的先行的な取組みとして、そのノウハウなりがちゃんと蓄積できているか どうか。そういう視点で御評価をいただければと思っております。  残りの13ページ目以降でございますけれども、業務の質の向上に関するその他の項目 として、いくつか具体的な項目を書かせていただいています。講演会の開催ですとか各 種研究会を活用した情報発信ですとか、具体的なものを書かせていただいております。 あと、下のほうでは養成なり研修ということで、ちゃんとプログラムが作成され、きち んとそういう事業が実施されているかどうかということを御評価をいただければと思っ ております。  それから15〜16ページのところでございますけれども、真ん中から下の所でございま すけれど、サービス提供に関する第三者評価の実施及び評価結果の公表ということで、 サービスを適切に提供するという観点から、サービスに関します第三者評価機関がちゃ んと設けられているかどうか。その結果がきちんと公表されているかどうかということ を御評価いただければということで、この点は私どもは非常に重要な点だと思っており まして、今年度から順次実施をしていく予定にいたしております。  最後の17ページ、18ページ目のところでございます。これは財務内容の改善に関する 事項ということでございます。自己収入の増加ということで、中期目標におきましては 総事業費に占める自己収入の比率を38%以上にするという目標を定量的な目標として掲 げております。こういうものを受けまして、評価の視点としてはちゃんとそういう自己 収入の増加の取組みが着実に行われているかどうか等々について御評価いただければと いうふうに考えております。  その他の業務の改善ということで、人事の評価システムの導入などによる人事に関す る適切な取組みの実施というところについても評価をいたたきたいと思っております。 以上が私どものほうでいま考えております評価の視点の案ということでございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。国立コロニーのぞみの園として、今まで活動してきたも の、これからの独立行政法人に伴ってこういった目標を立て、そして評価の視点を整理 したということでございますが、特に第1から第5まである大きな柱の中で、中核的な ものは第3に位置づけられているいろいろな機能だろうというふうに思われます。な お、国立コロニーだけは私自身がその将来のあり方についての委員会の中で、とりまと め役をやらせていただいたということもあって、御説明を差し上げておきたいと思いま すが、もともと国立コロニーというのは終生介護を前提としてつくられたものでござい ました。それを終生介護ではなくて中間利用施設として大きく方向を変えるという、こ ういうことを今回目指しての独立行政法人でございますので、大変評価の視点が難しい というふうに思います。  特に非常に端的なことを申し上げますと、何人地域移行できたかということよりも、 重度知的障害者の方がたった1人でももし地域移行できたら、それは50人、100人にも 匹敵するほど大きな成果であったと言わざるを得ないような内容があるということをぜ ひ御理解いただいた上で、国立コロニーを評価してやってほしいと願っております。そ んなことを付け加えさせていただきましたが、いまの御説明に対して、何か御意見、御 質問はございませんか。どうぞ。 ○川原委員  表現上の問題で2点ほど、御指摘、御質問をさせていただきたいと思います。まず5 ページ、6ページのところでございます。第2 業務の効率化に関する事項、1 効率 的な業務運営の体制の確立、(3)業務運営の効率化に伴う経費節減中、評価の視点で す。6ページのいちばん上の一般管理費及び事業費等の経費について、特殊法人の時に 比べ節減が図られているかの箇所です。ここでは、これはただ単に「節減」という表現 を使っております。10ページの同じく最上段では、どの程度地域生活移行が図られてい るかという表現がなされていますので、6ページでも同様の表現にされた方が適切と思 います。「どの程度」という表現が入る、入ることにより、この文章の持つ意味がかな り変わってくると思うのです。そういうことで御指摘をさせていただきました。  次に第2点といたしまして、10ページの最上段に戻るわけですが、ここで同意語的な 表現の文章が2つ並んでいるような気がしてならないのです。ということは、どの程度 地域生活移行が図られているかと地域生活移行に向けて、計画的かつ積極的な取組みが 行われているかということは、極めて類似した同意語的な表現と理解されるものですか ら、あえて指摘をさせていただきました。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございます。どうぞ。 ○高原障害福祉課長  川原先生の第1点の御指摘は、そのとおりだというふうに思いますので、文章表現を そういうことで整理をさせていただくようにしたいと思います。それから第2点の御指 摘ですけれども、いまの御指摘を踏まえまして、やや最初の丸が総論的な項目で、2番 目以降が少し具体的な視点ということで書かせていただいている部分がございますの で、ちょっといまこの場でどうするかというのは申し上げ難いのですけれども、いまの ご指摘を踏まえまして、少し検討させていただければというふうに思います。 ○川原委員  分かりました。 ○岡田部会長  どうぞ、山村先生。 ○山村委員  僕も3点ほど意見を言わせていただきます。最初は6ページ。先ほど川原委員の発言 とも関係するところなのですが、先ほど課長は人件費比率が80%という現状での比率の お話がございました。できれば現在の人件費比率も明記し、なおそれから下げる努力を するのだと。その際に非常勤職員の活用等々が関連してくるということで、数字として あげられるのであれば、あげたほうが明確になるのではないかということで、御検討を お願いしたいと思います。  2点目は10ページなのですけれども、これは提言なのですが、評価の視点の中に次に 申し上げることを加えていただいたらどうかということで、(4)のアに大変重要な案件 として、本人及び保護者等家族への説明と同意の確保ということがございます。同時 に、関係自治体との協力ということも当然必須のことになると思われますので、当方と いいますか、評価する側からしたら、どの程度本人あるいは家族あるいは関係自治体と 協議なり連携なりがなされているのかという、そういう視点は質的な評価になることも 含めて大変重要なことになると思いますので、評価の視点に新たに加えていただいたら どうかという提案でございます。  第3点。16ページの下から2段目に、サービス評価の第三者評価についてお触れにな りまして、大変大事なことだと思うのですけれども、苦情解決のシステムについての言 及はどこかになされているのかどうかということ。もしそうでなければ、きちっと位置 づけで、その実情なり有効に機能するような仕組みに、当然のことですけれども、しな いといけないのではないかという、以上3点でございます。 ○岡田部会長  どうぞ。 ○高原障害福祉課長  今の山村先生の御指摘ですけれども、まず第1点目の人件費比率のところでの御指 摘。これはちょっと具体的な数字を現状との比較においてもう少し具体性を持った表現 をする方向で、少し検討させていただきたいと思います。それから第2点目の御指摘 で、本人及び保護者に対する説明及び同意の確保、関係自治体との協議、連携。これは 御指摘のとおり非常に大事なことで、私どもは当然それは非常に重要な要素だと考えて おります。今の御指摘を踏まえまして、もう少し具体性を持って表現する方向で少し検 討させていただきたいというふうに思います。  それから3点目。苦情解決のところ。ここのところはちょっと苦情解決のところを評 価の視点で具体的に、視点としては当然大切な視点であろうと思っておりますけれど、 この評価の視点の中でそこまで具体的な表現を入れるかどうか。ちょっとそこは検討さ せていただきたいというふうに思います。 ○岡田部会長  ありがとうございました。今の御議論を踏まえて、委員の先生方、他に御意見はござ いませんでしょうか。 ○白石委員  山村先生がいま御指摘された苦情解決の話なのですが、確か何か苦情解決の仕組みが できたというような話は以前お聞きしたことがあるのですけれども、ちょっと踏み込ん で質問をさせていただくとすると、地域移行に向けて、御本人等の同意を得るというこ とはもちろんなのですが、検討委員会でもすごく議論したのですが、保護者の方との同 意のところですね。それをどういう仕組みで同意をとって、地域移行に向けていくのか というのは、あまりここでは同意はとると書いてあるのですが、書いていなくて、最悪 のことを考えて、もし保護者の方から強い地域移行に関するような苦情が出た場合に、 どういう調整をするのかという仕組みが少しあると、いま現にのぞみの園にいらっしゃ る保護者の方たちの少し理解が進むのではないかというふうに思います。そうだとする と、それでちょっと思ったのは、第三者評価機関というのがそういう公開の場がありま すので、そこも少し活用なさるのかなというふうに私のほうは受け取っております。以 上です。 ○岡田部会長  ありがとうございます。今の白石先生の御意見に対して何かコメントはありますか。 ○高原障害福祉課長  個別のケースで、例えば御本人の意向と保護者の意向が食い違うようなケースも十分 に想定されますが、その場合にどう対応していくかということは、これは個別のケース としては非常に深刻な問題になるとは思いますけれども、いずれにしてもいま白石先生 がおっしゃった視点というのは、非常に大切な視点だと思いますので、まず私どもは今 後の事業運営を進めていく中で、そういう点をきちんと踏まえさせていただきたいと思 います。その上で評価の視点の上で、具体的に盛り込むのか、盛り込まないのか、この あたりは少し全体的な整理の中で検討させていただきたいと思います。 ○岡田部会長  ありがとうございました。御意見、他にいかがでしょうか。どうぞ、山崎先生。 ○山崎委員  おそれいります。今回のこの報告の中で、座長もおっしゃいましたように、非常に重 要なのはこの第3のところでございまして、ここのサービスの業務の質の向上の中で、 自立支援のための取組みということで、3割から4割程度を地域で暮らせるように仕組 みをつくっていくということで、座長も本部会の前提になる作業をされたということ で、良かったなと思っているのですけれども、2つ3つ御質問をせていただきたいので すけれども、まず1つは、先ほどの評価の中で質の評価のことがございました。今まで コロニーというようなかたちの入所型の施設の職員の意識というのは、やはりそこに来 園して、そこにもう職員のネットワークもあり、それからメディカルなスタッフもそこ におられるというところで自己完結するという組織になっていました。しかしこれから 3割ないし4割が出て行くということで、その取組みにつきまして、施設の支援計画、 つまり自立訓練等の段階的な移行のメニューの作成ということと、住の問題と、それか ら家族というふうに言っているのですが、これは施設の中の問題であって、今度は地域 の中の連続的ないわゆる在宅の暮らしということになった時の受け皿の問題があると思 うのですけれども、そこのネットワークとか地域の中のこれから点になっていくわけで すけれども、そこでの連携とか協同とか、それから地域に開いていくための組織づくり とか、そういうものがこの中の評価に出てきていないのですね。非常に内向きといいま すか、いかにして外に出すのかという評価であって、周りをどういうふうにして開発し ていくのかというその連続性がないと、外に出すことの内容なのですね。そこをどうい うふうに連続的につくるのかということこそ、国の費用の中で考えていくべき新しい人 材の養成になっていかねばならないと思うのですけれども、そこが抜けてしまっている ということが1点目です。  それでは研修とか質の問題で、それが出てくるかなと思って、今度先のこの研修のと ころを見せていただきますと、研究の結果を踏まえてというふうになっていて、研究は なさるらしいのですけれども、今のような中だけの内部の研究結果というよりも、むし ろ地域から学びながら、地域の資源を取り込んで、そして研修体系、連携とかからネッ トワークづくりとか、例えば家族支援の仕方とか、地域開発の仕方とか、あるいは家族 をサポートする方法も新しくいろいろな開発が出てきていますし、それからコミュニ ティーケアの仕方もいろいろな手法が開発されてきておりますので、そうしたものと連 続的につながっていくような、例えば研修体系。そしてこれからはグループホームだけ ではなくて、地域の当事者の方々を支えるボランティアの養成とか、それから市民参加 とか、できればその方たちも一緒に研修体系をつくっていくというふうな、そういうモ デルじゃないと、ここでいかに出すかという印象だけになってしまいますと、地域の側 も受けにくい。だから地域の応援団をまさに構築していって、地域福祉の観点から人材 を養成していく方向に、もう一歩そのあたりをつくりプラスをしていただけるともう少 しイメージが湧いて、地域の側はきっとどうしたものだろうかな、そういう重い方をど うやって受入れたらいいのだろうかなとたぶん思っていらっしゃるだろうと思いますの で、そのへんの在宅と施設の連続的な視点というものをもう少しお示しいただけるとい いのかなと。  それから家族がこれから新しい機能、つまり在宅になると大幅に家族の負担は増えて まいりますので、そのへんの家族支援の仕方も含めた研修のありようを、いかに押し出 すかではなくて、いかに地域で受入れてもらえるのかというそこをもう少し。 ○岡田部会長  ありがとうございました。とても大事な点を御指摘いただけたと思いますが、課長の ほうから。 ○高原障害福祉課長  今の山崎先生の御指摘は私どももまったくそのとおりだろうと思っておりまして、例 えば4ページ目のところをごらんをいただきますと、上のところに人事配置という中 で、法人のほうでのぞみの園で作成をしていただいております年度計画の中で、地域移 行を進めるための実績と知見を有する者などの人事交流を実施するということで、いま すでにのぞみの園のスタッフができるだけ地域に出かけていって、いろいろ知見を積 む、あるいは外部とのネットワークづくりを進めるという取組みも進めているわけです けれども、外のノウハウを持った方の人事交流ということも進めていくことを考えてお ります。あと地域での受け皿のその条件整備ということで申しますと、10ページ目のい ちばん下の評価の視点のところでございますけれども、条件整備の進捗はどうかとい う。ここらへんはまさに地域での受け皿の進み具合がどうかということで、私どもは十 分に認識はしておりますけれど、ただ、先生がおっしゃった、御指摘いただいた点をも う少しこの評価の視点の中にもうまく反映できるように、工夫をさせていただきたいと 思います。 ○岡田部会長  どうぞ。 ○宗林委員  すみません。2点ほどですけれども、まず1点は効率的な施設・設備の利用のところ で、この診療部門の利用について、後ろのほうを見ますと地域の方の知的障害者の診察 患者数の受け入れはどのぐらいかというような言葉も出てくるのですが、ここの施設の 利用の項目も、この前の視察で見せていただきましたが大変立派な施設で、将来的に も、有効に利用できるようにしていかないといけないのだろうなという感想を持って帰 ってきました。もう少し具体的なものを入れていただくといいかなと思います。  それから先生方からも御意見が出ている、この地域移行の所で、先ほどから質の評価 というようなことが議論になっているかと思いますが、いま御発言にあった外との関係 ということはまたその先なのでしょうが、中から円滑に移行するというところまでを 取っても、少し質の評価のところでのものが見えにくいですね。今の説明がありました 人事交流ですとか組織体制のところなど、全体を結び合わせてみるとかなりの項目があ るのかなとは思うのですが、量的な評価だけではなくという御説明があったとおり、最 終的に何人出るとかということに至るまでのステップをもう少し見えるようなかたちで されると、施設の方にとって、良いかたちでの評価のものになるのではないかなという 印象を受けましたので、少し再考していただきたいなと思います。 ○岡田部会長  山崎先生、それから宗林先生の御指摘は共通のものを持っている御指摘だったと思い ます。特に地域移行に関しては、出すというよりもむしろ受ける側の立場から見た配慮 とか、あるいは受ける側にこれから社会開発をしていくような研究会、調査、こういっ たものが必要ではないかということも含めておっしゃったので、この仕事の視点という ような事柄の表現をもうちょっと上手にというか、うまく表す努力をしてみたらどうか なと思うのですが、いかがでしょうかね。 ○高原障害福祉課長  2点だけ。まず御指摘の第1点の診療部門なのですけれど、診療部門のあり方につい ては実は岡田先生に座長をお願いした国立コロニー独立行政法人化検討委員会の中で も、この診療部門を今後どうい考えていくかというのは、今後の検討課題として残され ているというのが率直なところでございます。ですから診療部門のあり方については、 おそらく次の中期目標の期間に向けて、そのあり方を少しきちんと議論していかなくて はいけないと思っております。ただ今回の中期目標の期間においては、どういうことが ちゃんとやられているのかという視点で御評価をいただきたいと思いますので、そのあ たり、いまの御指摘も踏まえて少し工夫をさせていただきたいと思います。  それからあと全般的な点についてはまさにそのとおりで、ただ、難しいのが評価の視 点で、どこまで本当に具体的に細かく書けるのかなということである程度抽象的な項目 を予め整理させていただいて、あとは実際、私どものほうからきちんと情報を御提供し て、御評価、御議論いただくという、そういう面も実際問題あるのかなという気がして おります。ただ、いずれにしてもそこは全体的に少し工夫をして、検討させていただき たいと思います。 ○岡田部会長  ありがとうございました。大分時間が迫ってまいりました。もしあとぜひという御意 見がありましたら頂戴して、次に移っていきたいと思います。というのはきょういろい ろ議論されたことにつきましては、もう一度、あらためてまた整理したものを御審議い ただくという機会をつくったほうがいいだろうと思っておりますので、そんなおつもり で御発言を頂戴できればと思いますが、何か特に御発言いただくことはありませんで しょうか。では時間の都合もありまして、この問題については一旦ここで区切りをつけ ておいて、次回に回すという部分を残しておきたいと思います。それでは最後の問題に なりますが、福祉医療機構の御説明をいただきまして、御審議をお願いしたいと思いま すので、よろしくどうぞお願いいたします。 ○椋野福祉基盤課長  福祉基盤課長の椋野でございます。福祉医療機構の評価の視点の案について御説明を 申し上げます。資料は4−5でございます。参考資料といたしまして、のぞみの園と同 じように中期目標、中期計画。業務方法書はこの場でも御審議をいただいたものでござ います。それから年度計画、参考資料の4−4。これは法人で定めて提出されたもので ございます。これを付けております。  資料4−5の評価の視点案をめくっていただきますと、中期目標、中期計画、年度計 画、いちばん右の欄が評価の視点の案というふうな書きぶりになっております。これも いま御審議いただいたのぞみの園と同じようなスタイルをとっております。  全体的にこの評価の視点案のまとめ方でございますけれども、数値目標が既に中期計 画で掲げているものについてはそれが達成されたかどうか。それから制度や組織を導入 するというものについては、それが導入されたか、そして適切に機能しているかという 点。それから定性的な計画に留まっているものにつきましては、そのためのどういう具 体的な取組みがなされたかと、そんなことを評価の視点にしていただければいかがかと 思いまして、案の作成をしております。それでは具体的に個別の事項に沿いまして、御 説明をさせていただきたいと思います。  資料4−5の3ページをお開きいただけますでしょうか。最初のほうは前文とか期間 でございますので、3ページから御説明申し上げます。3ページの第2、法人全体の業 務運営の改善に関する事項でございますけれども、その(1)の効率的な業務運営体制の 確立では、中期計画でISO9001を認証取得するとございますので、取得しそれを適正に 運用できたかということが評価の視点になります。それから職員の人事評価制度を導入 するということを中期計画に入れておりますので、それが導入され活用されたか。それ から中期計画のところの(3)で、トップマネジメントを強力に行うためにそれを補佐す る経営管理を担う会議を置くということが計画にありますので、それが置かれて適切に 運営されたかということが評価の視点として掲げられております。  5ページにまいります。中期目標のところでいうと(2)の業務管理の充実になりま す。そこでは機構にふさわしい管理会計の仕組みの導入計画を策定し、段階的な導入を 目指すというのが中期計画でございますので、実際そういう計画を策定して計画に沿っ た取組みを行ったというのが評価の視点になってまいります。  それから中期計画のところの(5)にまいりますと、先ほどリスクマネジメントの話が 出ておりましたけれども、ここで業務運営におけるリスク管理。具体的に数値目標とい たしまして、リスク管理債権の貸付残高に対する割合が2.0%を上回らないように努め るというような数値目標を中期計画で掲げておりますので、それを達成しているかと。 ただし、先ほどの評価基準細則のところでもありましたが、これにつきましては外部の 影響が、法人の努力に関わらない影響が大きく予想されるところでございますので、念 のため、評価の視点の欄の真ん中の欄の下のほうのなお書きでにおいて、例えば介護報 酬、診療報酬の大幅改定等に伴う福祉施設、医療施設の経営環境の著しい悪化、あるい は貸付残高が減りますと相対的にリスク管理債権の比率が下がり、また、新しい貸付が 減りますと相対的にリスク管理債権の比率が上がりますので、そういう外部的な要因は 考慮するということでなお書きで入れております。このように特に外部要因が大きく影 響すると思われるようなものは、評価の視点のところに念のためになお書きで入れるよ うな構成にしております。  それからその下は、健全な財務行動を維持するために、ALM(資産負債管理)システ ムを活用するというのが計画でございますので、それが適切に活用されているかという のが評価の視点になってまいります。それから7ページにまいりまして、(3)の業務運 営の効率化に伴う経費節減でございます。これは中期目標の期間の最終年度を、14年度 と比べて13%程度節減という数値目標がありますので、それが達成されたかということ を入れております。削減対象経費の内で自己収入を得るために要した費用については、 費用が増えていても、それによって自己収入がたくさん入ってくれば、これも評価基準 細則にあります費用対効果の問題で、それはそれで考慮するというなお書きも入れさせ ていただいております。  それから福祉医療貸付事業費について、やはりこの中期目標期間、14年度と比べて最 終年度において5%程度の削減額を見込んだ予算を作成するという計画の数値目標を立 てておりますので、それが達成できているかと。これもやはり貸付事業でございますの でいろいろな外的な要因、政策的な要請等の影響、あるいは金利の動向の影響を受けま すので、やはりなお書きにそういうことも評価の時には考慮するということで入れさせ ていただいております。  時間の関係で次、9ページにまいります。ここが第3、事業毎の業務運営の改善に関 する事項。福祉医療機構の場合も様々な事業を行っておりまして、7つの事業がありま すので、それぞれについて評価の視点を入れております。めくっていただきまして11ペ ージ。まず福祉医療貸付事業についてでございますけれども、ここでは真ん中の左の中 期目標のところで行きますとイですけれども、将来にわたる貸付について利差益を確保 するよう事業運営を行うというような目標を立て計画も立てておりますので、この利差 益が確保されているかと。これについても金利については政策的な要請があることもご ざいますので、そういう影響は考慮するということがなお書きで入れられております。  それからいちばん下の欄のエのところでございますけれども、計画で民間金融機関と の協調融資のあり方等適宜検討し、目標期間中に民間資金の一層の活用を促す仕組みに 改善すると入れておりますので、この検討が行われ、民間資金の活用を促す取組みが行 われたかということが評価の視点に上がってまいります。  それから引き続き13ページにまいりまして、福祉医療貸付の業務の質の向上のところ でございますけれども、これはいろいろな数値目標を例えば受理してから通知までの所 要期間をどうするとかいうような、様々な手続き的な数値目標を入れておりますので、 これについてはそれが達成されたか。サービスの向上というのは定性的なものについて は、そのためにどういう取組みがなされたかが評価の視点に入れております。  次に7つの事業の内の2つ目で15ページにまいります。福祉医療経営指導事業でござ いますけれども、その(1)の業務運営の効率化でございますが、ここは例えば計画では 最低実費相当額は自己収入で賄うという計画がありますので、それは賄われているかと いうことが、評価の視点として上がってまいりますし、また定性的なものについては効 率的にやるために、どのような工夫が具体的になされたかというようなものが視点とし て上がってまいります。  それからその下あたりから業務の質の向上に関する事項が入ってまいります。17ペー ジに行きまして、やはりここもできるだけ数値目標を入れるという観点で計画をつくっ ておりまして、利用者の便宜のために実施2ヶ月前までに開催内容を告知するとか、そ れからセミナーをどの程度開催するとか、満足度もアンケート調査でそれを65ポイント 以上にするとか、こういうような数値を入れておりますので、それぞれその数値が達成 されたかというようなことが評価の視点に上がってまいります。  それから19ページ。3つ目の事業としまして、長寿・子育て・障害者基金事業による 助成事業を行いますが、これにつきましては例えば、できるだけ従来の枠を超えた新し い活動に対して助成していくというようなことが計画として上がっております。これに ついてはそういう新しい活動を助成対象としているかとか、それから助成した後、終了 後も事業が継続されているような団体が8平均して80%以上になるようにという数値目 標については、それが達成されているかというようなことを評価の視点に入れておりま す。  21ページにまいりまして、それからこういう助成の内、70%以上は独創的なNPO等 への助成にするということが計画に上がっており、そうなっているかというのも評価の 視点に上がっております。  あと業務の効率化では様々な処理を一定期間内で行うというような数値目標を入れて おります。それが実際にその期間でできたかというようなことが評価の視点に上がって まいります。23ページへまいりまして、質の向上ではサービスの向上のために、国民に 分かりやすく早めに、つまり2ヶ月前までにホームページで公開するとか、それから助 成事業の評価をきちんとやるために委員会を設けるということが中期計画に入っており ますので、これについては実際設けられ適切に運営されているかというようなことが評 価の視点に上がってきております。  25ページにまいりまして、多様なニーズを踏まえた助成事業を行うということでは、 例えば助成先の団体との意見交換を行う、他の助成団体との意見交換を行うというよう なことが計画に入っておりまして、そのとおりやったかということが評価の視点に入れ ております。  27ページが、7つの事業の内の4つ目で、退職手当共済事業でございますけれども、 その業務の質としてはやはり請求の受付から給付まで、中期目標期間中75日以内に短縮 するというような数値目標を提示しております。数値目標でございますので、それで評 価をするわけでございますけれども、これも給付の原資に国及び地方公共団体の補助金 等が入っておりますので、そういう予算制約が生じた場合は、端的にいって予算が足り なくてそれが次に入ってくるまで待たなければいけないというようなことがあれば、そ れは当然75日以内短縮できないこともありますので、法人の努力に関わらない部分は考 慮するというようなことがなお書きに入れております。  それから29ページ。心身障害者扶養保険事業でございますけれども、これにつきまし ては中期計画で財務状況について加入者等に対し定期的に公表するというのがございま して、実際定期的に公開されているかということが評価の視点として入ってまいりま す。  それから31ページ。業務運営の効率化では安全性重視の運用というのがありますの で、これも評価の視点としては金銭信託契約に基づいて安全性重視の運用が行われてい るかということを評価の視点に入れております。それから業務の質の向上としては、質 はサービスの向上のために自治体との事務担当者会議を年2回行うということが上がっ ておりますので、実際計画どおり開催されたかということを評価の視点に入れておりま す。  それから6つ目の事業として、WAM NET(福祉保健医療情報サービス事業)がご ざいます。33ページ、34ページ、35ページに具体的にふれておりますが、業務の効率化 に関する事項では、そのための適切な基盤整備がなされているかということが評価の視 点に入ってまいりますけれども、基盤整備のためには当然費用のかかることでございま す。しかし、一方で厳しい経費削減目標がありますので、それとの費用対効果を考慮し て、ここも評価するというようななお書きを入れさせていただいております。  それから37ページで、質においては利便性を高めるということを図る数値目標とし て、アクセス件数が700万件以上とか、利用期間登録数が5万件以上というような目標 を掲げておりますので、実際それが達成できているかというような観点で評価を行うこ ととしております。  それから39ページ。7つ目の年金担保貸付事業でございますけれども、この業務運営 の効率化に関する事項として、業務運営コストを分析し増加を抑制するということが計 画に掲げられておりますので、そのとおり分析し、管理が適切に行われたかということ がございます。ただ、これも年金受給者は増大が当然予想されておりますので、そうし ますとそれに伴ってこの年金担保貸付事業の事業量も増大することが予想されておりま す。そうすると総コストは当然増大がやはり見込まれますので、その場合は単位あたり コストの状況を考慮するというようなことをなお書きに入れております。  それから41ページ。業務の質の向上も、これも処理期間について数値目標を1週間に 短縮というようなものを入れておりますので、それができているかというような観点。  それから43ページ。財務内容の改善でございますけれども、これは予算収支計画、資 金計画、中期計画で数字で示しておりますので、当然その数値どおりになったかという ことで評価するということで、特段評価の視点には書き込んでおりません。  それから45ページ。第7。これが最後でございますけれども、その他業務運営に関す る事項の中では、職員の人事に関して常勤職員数を期の初めの100%以内とするという ような中期計画がございますので、これについては数値どおりできているかというのを 評価の視点に入れております。時間の関係で大変はしょりましたけれども、以上で御説 明を終わらせていただきます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。大変幅の広い事業を行う法人でございまして、内容もたく さんございましたが、御意見をどうぞ。遠藤先生。 ○遠藤委員  多様なことをやっておりますので、内容的にも多様な内容が書かれておりますけれど も、あくまで基幹事業だと思われます福祉医療貸付事業の点につきましてお尋ねしま す。ページ数で7ページでありますけれども、福祉医療貸付事業のこの費用を、平成14 年度と比べて5%削減するという話であったわけですけれども、まさに御説明ありまし たように、これは利息も含んだかたちの費用ということでありますから、当然これは金 利の変動、それから融資の額に当然影響を受けるわけです。しかもこの費用というのは ほとんどが支払利息だといっても過言ではないと思いますから、ほとんどそれによる影 響だと思われるわけです。但し書きに、なお社会経済情勢の変化等を踏まえて影響を考 慮するというこ記述がございます。で何を申し上げたいかといいますと、ここのところ はもう少しきっちり明記しておくべきではないかということです。つまり金利の変動と 貸付残高によって圧倒的にコストは決まってくるわけでありますので、ここのところは もう少し事前に、これは当該法人の努力ではコントロールできないのだということを明 確にしておかないといけない。  他の部分もそうなのですけれども、ただし書きは事前にできるだけある程度分かるも のについては具体的に書いておかないと、最後、評価をする時に、「ただし」というの が必ず付いてしまって、評価不能というかたちになりますから。これなどはかなり事前 に明確に示すことができるのではないか。5%ということだけが先行してしまうと、そ れを遵守しようとして、金利がだんだん上がっていくことはたぶん間違いないわけです から、貸付残高を減らしていこうというようなインセンティブになってしまわないか。 そのへんのところはきっちり分かるようにしておいたほうがいいのではないかというこ とを言いたいと思っておりました。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございます。いまの御指摘についてコメントはありますか。 ○椋野福祉基盤課長  おっしゃるような方向で案を考えたいと思います。 ○岡田部会長  ありがとうございました。とても重要な御指摘だったと思いますが、どうでしょう。 ○宗林委員  たまたま同じ場所でしたので続けてお聞きしたいのですが、効率化のところですが、 この4年半での13%の削減というのは、年度計画あるいは評価の視点のところになりま すと、定量的な数字はもちろん何も入っておりませんし、また「具体的にはどんな感じ なんだろう」というところがほとんど分からないようなかたちなのですが、このあたり はもう少し年度毎でステップ式に行くのか、あるいは何らかの傾斜的に行くのかという ふうなことも含めまして、具体的なものはないでしょうか。 ○小木津企画指導部長  いまの御指摘ですが、対象経費の中には様々な経費が含まれておりまして、1つには 人件費なども含まれておりまして、なかなか今年度何%削減するというようなことを計 画的にやりにくい部分があって、我々としては着実にこの目標を達成できるように少し ずつこの経費削減に努力していきたいと思っておりますので、その達成の実績を具体的 にお示しするかたちで御評価いただければなと、このように考えております。 ○岡田部会長  いかがですか。このようにお考えですけれど、ここでは具体的な数字その他を示すこ とではなくて、むしろ実際の努力の結果を評価していただくようなつもりでいるという ことでございますが。 ○宗林委員  先ほどのぞみの園の時も、具体的な削減という具体的なものを少し入れたらいかがで しようかという話があったかと思います。どの法人も含めて、ここがいちばん大変だろ うと思うのですが、評価するほうとしては出てきた結果を見て、これならばあと3年あ れば大丈夫かというような感じでやっていけばいいのかどうかというところがかなり分 かりにくい。1年やってみると、次が自動的に分かるというかたちなのかもしれません が、できればもう少し何らかの目標を評価する時の何らかの目標をいただければなとい うふうに思います。 ○岡田部会長  他の委員の方でこういう御意見に対して、いいアドバイスをいただくことはできない でしょうか。何かありませんか。どうぞ、川原先生。 ○川原委員  最終的には13%の削減をするということをうたっていますけれども、それを実現す る期間プロセスにおいて、各年度ではどの程度ずつ削減していけば、最終的にトータル でもって13%の節減が達成されるのかという具体的な節減のための実行プログラムが重 要視されてくると思うのです。具体的な実行プログラムを有せずに評価してくださいと いうことでしょうが、もしも4年半後評価したところ、最終的に13%の節減が達成不能 になってしまったといったことになりかねず、このようなことは回避しなければならな いと思うのです。  従って、可能であればということでお聞きいただきたいのですが。各年度の削減目標 数値を掲げることができるのかどうか、お聞きしたいと思うのですが。無理だというこ とであれば、私は別途方法論を考えるのも1つの方策かと考えております。 ○岡田部会長  なるほど。内部的な御検討ではいかがですか、今の御質問に対して。 ○小木津企画指導部長  予め何年後かの削減目標を設定するのは、なかなか難しいのです。毎年毎年、予算を セットする際には、当然ながらいろいろなところを削減して、どのくらいの予算にすべ きかという議論をしますので、そういう段階になりますと明らかになってまいるのです が、2年先3年先目標設定をして着実に実行していくというところまでは、なかなか行 かないというのが実情でございます。 ○岡田部会長  いかがでしょうか、川原先生。 ○川原委員  あらかじめ、4年半のすべての年度について、削減目標を具体的に設定するのが非常 に難しいということは理解しました。であれば、毎年毎年各年度のおおよその数値目標 でも具体的な形で示していただけば、評価する者としては、有難いのですが。 ○岡田部会長  ただ13%というのはかなりこれは強引に外から決められた数字というような性格があ るのですね。積み上げて13%ではなかったのではないでしょうかね。 ○小木津企画指導部長  はい。 ○川原委員  この13%という数字は、実現する上で大変大きな意味を持ってきます。4年半で13% というと、かなりの努力をしないと実現が厳しい数字です。 ○岡田部会長  ちなみに13%というのは、ずいぶんあちこちで出てくる数字なのですが、そういうふ うな数字ですか。 ○川尻政策評価官  では、それは私のほうから。この10月に設立されました独立行政法人というのは全省 庁で32ございまして、その時にいわゆる一般管理費の削減目標については、少なくとも 1割以上、できれば2割に近い数字を出すようにという議論が、特殊法改革の関係の参 与会議のほうからございまして、その関係上、「13というのはなぜなのか」ということ なのですけれども、一応3年半というのが1つの中期計画の目安ということでございま して、福祉医療機構の場合には4年半ということですから、最低10%×3.5÷4.5という ような掛け算をいたしまして、それで13%というような数字になったというような、実 態を申し上げますとそういうことでございます。もちろんそれについてこの部会でもあ まり細かくは御説明しませんでしたけれども、御了解をいただいてということでござい ます。ただ、かなり意欲的な数字ということで、各法人とも抱えているということは事 実だろうと思いますし、それからあえて付け加えさせていただきますと、やっぱり独立 行政法人の良さというのは、先ほど評価の基準でも申し上げましたけれども、やっぱり 中期目標期間の4年半なら4年半を通じて、弾力的にやっていくという良さもございま す。そういう意味でいうと、確かに初年度の評価をする時にでは何%削減をされていれ ばいいのかというのはあるのですけれども、ある程度数字がきれいに初年度出てきてい なくても、今後どういう対策をとられていくかというようなことも併せて御評価をいた だいて、いかなる点数を付けていただくかというようなことになると思います。いずれ にしましても、1回実績が上がってきませんと、おそらく予め評価の視点で書き込むと いうことは、大変難しいのではないかと。1年2年、評価をやっていただいて、それで 何か工夫する余地があるということであれば、またその時点で評価の視点等を見直して いただくというのも可能じゃないかなというふうに思っております。 ○岡田部会長  ありがとうございました。大分時間は迫ってしまったのですが、何か他に御意見は。 どうぞ、石井先生。 ○石井委員  2つの法人ともにお願いということでございますが、ともにできれば非常勤の職員数 というのを明示をしていただけないかなと。常勤職員数のみの明示である場合はちょっ と実態がつかみづらい。それからともにすでに独立行政法人としての事業を開始されて おりますので、できましたら10月1日現在の開始貸借対照表を見せていたただきたいと いうふうに思っていまして、事業計画は出ているのですけれども、バランスシートの情 報が全然ないということがありますので、できれば可能かなと。事業計画を拝見する と、半年分の計画でございますが、福祉医療機構のほうの減価償却費が2億に対して、 のぞみの園が700万に償却費がなっていまして、私は見学をちょっと欠席をいたしまし たが、年間1,400万円程度の減価償却費しかのぞみの園はないのかどうかがちょっとよ くわからなかったというのもありまして、できればバランスシートを次回の時にでも サッと見せていただけると分かりやすいかなと思います。よろしくお願いします。 ○岡田部会長  今の御要請については後ほどというか、次回にでも御用意いただけますか。のぞみの 園。 ○川尻政策評価官  資料要求というようなことですね。何か評価の視点を変えるとかいうことではなく て。それは用意するようにいたします。 ○岡田部会長  のぞみの園のほうもよろしいですね。その他いかがでしようか。 ○浅野委員  簡単に1点だけなのですけれども、ISO9000とかリスク管理とかいうことが入ってお られて、この法人さんの中でも特に金融機能を有することで、非常に特徴的なことがあ ると思います。それで金融機関的な要素があるとするならば、もう少し踏み込んでガバ ナンスというのですかね、組織統治とかそういうような視点でポンと出してしまっても いいのではないかと。要するにお金を扱うから、非常にこういう倫理的な問題とかリス クとかに非常に慎重にやっていますよということで、最近では企業ですとコーポレート ガバナンスという非常に抽象的な言葉ですけれども、そんなようなガバナンスというよ うな位置づけで業務改善をやっている。その一環の1つがISO9000であるとかリスク管 理のALM強化だとか、そういうようなことも触れられるのもどうかなと考えます。 ○岡田部会長  ありがとうございます。整理の仕方としてそういう視点をちゃんと持ったらどうかと いう。 ○浅野委員  もしかしたらそういう言葉を出したほうがきちっとするならば、そういうことも一案 ではないでしょうか。 ○岡田部会長  いかがですか。 ○小木津企画指導部長  実際に御評価いただく際には、我々もこの実績をしっかり評価していただくために、 いま御指摘のあったような視点も踏まえて、どのように努力しているかというのを御披 露したいと思っております。 ○岡田部会長  ありがとうございます。いかがでしょうか。他に御意見ございませんか。いくつかの 指摘や宿題をいただきましたが、基本的な点について何かさらに御指摘いただくことが あれば頂戴したいと思いますけれども、よろしゅうございますか。それではこの福祉医 療機構につきましても、いくつかの指摘をいただいたので、また機会を見て御審議いた だかなければならない部分があろうかと思いますが、それはそれといたしまして、今 日、御提案いただいた骨子については、大体肯定的に御承認いただけたものというふう に考えてよろしいかと思いますので、どうかそのように理解をさせていただきます。  時間がもう過ぎておりました。きょうの会議はこれで終了させていただきたいと思い ますが、次回の予定について御説明をいただきたいと思いますので、よろしくどうかお 願いいたします。 (5)その他 ○事務局  事務局から御説明いたします。次回は第6回の部会となりますけれども、 日程調整 をさせていただきました結果、2月の3日火曜日の14時から開催をさせていただきたい と思います。その際でございますが、本日御議論をいただきました評価基準細則等の御 意見につきまして、それを踏まえたものをまたお示しをさせていただきたいと存じま す。さらに併せまして、平成16年4月に設立を予定しております医薬品医療機器総合機 構の中期目標等についても御議論をいただく予定となっております。なお、詳細につき ましては、後日、文書にて御連絡をさせていただきます。以上でございます。よろしく お願いいたします。 3.閉会 ○岡田部会長  ありがとうございました。きょうは朝早くから2時間ちょっとにわたって御議論いた だきました。これで本日、終わりとしたいと思いますが、来年2月3日にはまたお目に 掛かりたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。いいお年をお迎えください ませ。ありがとうございました。                                      以上 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)