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特別養護老人ホームにおけるターミナルケアの現状

「特別養護老人ホームにおける終末期の医療・介護に関する調査研究」報告書
(医療経済研究機構 平成15年3月)

○特別養護老人ホーム入所者の死亡のうち、特養内での死亡は約4割。
(医療機関での死亡は約6割)

○特養内で死亡の原因は、老衰以外(心不全、肺炎約、がん等)が約7割を占め、医療的処置が必要な場合が多い。

○特養で入所者を看取る施設は、以下の事項が整っている。
 (1)入所者本人及びその家族の希望の受け入れ

 (2)職員間の終末期ケアに対する共通理解

 (3)緊急時の医師の訪問体制

 (4)施設内での医療処置(点滴、酸素療法等)

 (5)臨終に備えた専用の居室

「特別養護老人ホームにおける終末期の医療・介護に関する調査研究」
・全国の特養3000施設の看護職員へのアンケート調査で、有効回収は1730施設
・平成13年11月1日〜14年10月31日の1年間の退所者数18744人のうち、死亡による退所者総数は14370人(76.7%)
・死亡による退所者で、特養内での死亡は5352人(37.2%)(医療機関は62.1%)


○特養入所者の死亡場所

死亡場所 人数(人) 割合(%)
調査対象特養内 5352 37.2
病院診療所内 8927 62.1
自宅 91 0.7
死亡による退所者総数 14370 100
(基本調査)

*一時的入院や、一時帰宅中での死亡のような、特養の退所手続きをとっていないものも総数に含まれる


○特養内死亡者の死亡原因の内訳(上位7つ)

死亡原因 総数(人) 割合(%)
老衰 566 31.3
心不全 410 22.6
肺炎 321 17.7
がん 130 7.2
脳卒中 124 6.8
呼吸不全 67 3.7
腎不全 33 1.8
   
総数 1811 100
(死亡退所者調査)

死亡退所者調査
基本調査の対象特養直近5件の死亡退所者について、重点的に看護職員へアンケート調査
有効回収数は5093人分で特養内での死亡者は1811人(35.3%)


○特養内死亡率の高い施設の特性

項目 特養内死亡率
高い施設 低い施設
(希望の受け入れ)    
 原則的に受け入れる 92.8% 59.0%
 家族の付き添いがあれば受け入れる 5.2% 20.8%
 希望があっても受け入れられない 1.3% 18.6%
(職員間の共通理解)    
 あると思う 46.0% 22.1%
(夜間の医師の体制)    
 必要時には一般に訪問してもらえる 66.6% 34.2%
 電話で指示を得ることができる 24.7% 49.2%
 原則、夜間は対応してもらえない 6.5% 14.4%
(施設内での医療処置対応)    
 点滴 83.4% 70.4%
 酸素療法 69.0% 58.3%
(専用の居室)    
 あり 66.1% 42.4%


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