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III 在宅と施設
 
1.在宅と施設のバランス

「在宅と施設のバランス」をめぐる論点

 〔給付範囲(利用者負担)〕
  在宅と施設における給付範囲(利用者負担)の違いが施設志向の一つの要因となっていることを踏まえ、施設居住環境の在り方や低所得者への配慮などに留意しつつ、施設における給付の範囲を見直すべきではないか。

  〔施設入所者の範囲〕
  施設入所者の要介護度の推移や、優先入所実施前後の入所者の状況等を踏まえ、重度化への対応という観点から、今後の施設入所者の在り方について検討すべきではないか。


(参考)各種報告等における主な指摘

「21世紀に向けての社会保障」(平成12年10月)
  社会保障構造の在り方について考える有識者会議
II 持続可能な社会保障
.給付の見直しと効率化
(制度間の給付の調整)
 今後とも、各社会保障によってカバーされていない分野で真に公的社会保障としての保障が必要なものがないか検証していくとともに、例えば、年金を受給しながら長期に入院・入所している者の生活保障(特に、いわゆるホテル・コストと呼ばれる住居相当費用部分)など、各社会保障制度の間に給付の重複がある部分については制度横断的な視点から整理していく必要がある。

「社会保障改革大綱」(平成13年3月政府・与党社会保障改革協議会)
三 改革の基本的考え方
 (四) 利用者の視点に立った効率的で質の高いサービスを提供する
 4 年金を受給しながら長期入院・入所している者などの負担の在り方等について、給付の重複を調整する観点も踏まえた制度横断的な検討を行う。

「今後の社会保障改革の方向性に関する意見」(平成15年6月社会保障審議会)
IV 社会保障改革の方向性
 (1)給付の在り方
 ○ こうした見直しと併せて、社会保障の総合化という観点に立って給付の効率化を図っていくことも重要である。例えば、年金制度では、住居も含め生活に要するコストを保障している一方、長期に入院している者のいわゆる居住費用は、介護保険においても賄われている。このように制度間で給付の重複があるものについてはこれを調整していく必要がある。なお、こうした調整を行う場合、高齢者世帯においては、公的年金を主な収入源として生計を立てていることが多いことから、公的年金の給付水準に配慮しつつ対応する必要がある。
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(平成15年6月27日閣議決定)
5.社会保障制度改革
(4) 介護保険制度の改革
 介護保険制度については、給付費が増大する中、制度全般の検証を行い、介護保険が適用される給付の内容及び水準、施設・在宅の枠組みを越えた新しいタイプのサービスのあり方、施設サービスにおけるいわゆる「ホテルコスト」等給付と負担のあり方について検討を行い、必要な措置を講ずる。
「平成16年度予算の編成等に関する建議」(平成15年11月財政制度等審議会)
(4) 介護
(2) 在宅と施設のバランスを踏まえ、施設におけるホテルコスト、食費等を公的保険の給付対象から除外することも必要であるほか、一定額までの保険免責制度を導入することも考えられる。


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