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食品衛生法等の一部改正に伴う関係政省令等の整備について(1)



平成15年8月29日施行分
 (「食品衛生法等の一部を改正する法律」の規定のうち、公布日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日より施行される部分に係る整備)

・ 食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令
・ 食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令
・ 食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針



食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令の概要(平成15年8月29日施行分)

1 .食中毒調査関係(食品衛生法施行令)
(1 )保健所長が行う中毒原因の調査
 (1)微生物学的試験及び(2)理化学的試験に加え、(3)動物を用いる試験による調査を追加。
( 2)保健所長の都道府県知事等に対する中毒に関する報告
ア) 調査の実施状況を逐次都道府県知事等に報告するとの規定を整備。
イ) 報告書の作成・提出を調査終了後速やかに行うことを明記。

(3 )都道府県知事等の厚生労働大臣に対する中毒に関する報告
 食品衛生法第27条第3項(新設)により、一定の中毒事件については大臣に速報することとされたが、その後の調査の状況についても逐次報告することとした。

2 .と畜検査関係(と畜場法施行令)
 と畜場法第14条第5項(新設)の規定により、と畜検査の一部については厚生労働大臣も行うこととされたことを受けて、伝達性海綿状脳症(牛、めん羊、山羊)の検査について、
 (1) 都道府県は簡易検査(スクリーニング検査)を(BSEのみ)、
 (2) 厚生労働大臣は確認検査を
行うこととした。(厚生労働大臣が技術的能力があると認めた都道府県については確認検査(判断を除く。)まで実施。)

3 .施行期日
 食品衛生法等の一部を改正する法律(平成15年法律第55号)の施行の日(平成15年8月29日)



食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令の概要(平成15年8月29日施行分)

1.食中毒調査関係(食品衛生法施行規則)

( 1)速報及び詳報の対象となる中毒事件について(規則第22条の2)
○ 食品衛生法第27条第3項の規定により都道府県知事等が厚生労働大臣に直ちに報告すべき事件を次に掲げるものとすること。
 (1) 食中毒患者等が50人以上発生し、又は発生するおそれがあると認めるとき
 (2) 死者が発生したとき
 (3) 輸入食品に起因し、又は起因したと疑われるとき
 (4) 中毒が特定の病因物質(サルモネラ・エンテリティディス、ボツリヌス菌、腸管出血性大腸菌、エルシニア・エンテロコリチカO8、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、コレラ菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフスA菌)に起因し、又は起因したと疑われるとき
 (5) 食中毒患者等の所在地が複数の都道府県にわたるとき
 (6) そのほか、原因調査が困難である場合、行政処分に係る判断が困難である場合

(
2 )速報の対象となる中毒事件において逐次報告すべき事項について(規則第22条の3)
○ 食品衛生法施行令第7条第2項の厚生労働省令で定める事項として、以下の事項を定めること。
 (1) 患者等の所在地及び中毒の届出年月日
 (2) 患者等の数及びこれらの者の症状
 (3) 原因食品等及びその特定の理由
 (4) 病因物質及びその特定の理由
 (5) 原因施設及びその特定の理由
 (6) そのほか重要と認められる事項

( 3)保健所長の都道府県知事等に対する報告(規則第23条)
○ 食品衛生法施行令第7条第3項の報告書については、(1)の中毒事件については食中毒事件票及び食中毒事件詳報、それ以外の事件については食中毒事件票とすること。
○ 食中毒事件詳報は、以下に掲げる事項を記載すること。
 (1) 食中毒発生の概要に関する事項(発生年月日、発生場所、原因食品等を摂取した者の数、死者数、患者数、原因食品等、病因物質)
 (2) 食中毒発生の情報の把握に関する事項
 (3) 患者及び死者の状況に関する事項(患者並びに死者の性別及び年齢別の数、患者及び死者の発生日時の別の数、原因食品等を摂取した者の数のうち患者及び死者となつた者の数の割合、患者及び死者の原因食品の摂取から発病までに要した時間の状況、患者並びに死者の症状及び症状別の数)
 (4) 原因食品等及びその汚染経路に関する事項(原因食品等を特定するまでの経過及び理由、原因食品等の汚染経路)
 (5) 原因施設に関する事項(原因施設の給排水の状況その他の衛生状況、原因施設の従業員の健康状態、原因施設を特定するまでの経過及び理由)
 (6) 病因物質に関する事項(微生物学的若しくは理化学的試験又は動物を用いる試験による調査結果、病因物質を特定するまでの経過及び理由)
 (7) 都道府県知事等が講じた処分その他の措置の内容

( 4)都道府県知事等の厚生労働大臣に対する報告(規則第24条)
○ 都道府県知事等の厚生労働大臣に対する報告書については、(1)の中毒事件については食中毒事件結果報告書及び食中毒事件調査結果詳報、それ以外の事件については食中毒調査結果詳報とすること。
 (1) 食中毒事件調査結果報告書は、月ごとにその月の食中毒事件票を添付して翌月10日までに提出すること。
 (2) 食中毒事件調査結果詳報は、(3)の事件詳報の事項を記載し、事件詳報を受理した後直ちに、作成・提出すること。

(
5) 法第28条の2に基づく厚生労働大臣の都道府県知事等に対する調査等の要請規定の対象となる「大規模」食中毒の対象範囲
○ 法第28条の2に基づく厚生労働大臣の都道府県知事等に対する調査等の要請規定の対象となる「大規模」食中毒を、500人以上の食中毒患者等が発生し、又は発生するおそればある場合とすること。


2.監視指導計画に関する事項(食品衛生法施行規則)

( 1)都道府県知事等の厚生労働大臣への計画の提出(規則第6条)
○ 都道府県知事等は、年度開始前までに計画を提出すること等を定めること。

( 2)都道府県知事等の計画の実施状況の公表(規則第7条)
○ 都道府県知事等は、年度ごとの都道府県等食品衛生監視指導計画の実施結果の概要を、翌年度の6月末日までに公表し、実施結果を取りまとめ後速やかに公表することとすること。
○ そのほか、夏期、年末その他必要と認められる期間については、当該期間における計画の実施結果の概要を作成し、速やかに公表しなければならないこととすること。
○ 公表は、都道府県等の公報、広報紙の掲載、インターネツトの利用その他適切な方法により、当該都道府県等の住民に周知させるようにしなければならないこととすること。


3. と畜場の衛生管理責任者及び作業衛生責任者の資格等に関する事項(と畜場法施行規則)

(
1 )衛生管理責任者及び作業衛生責任者の資格要件(と畜場法施行規則第4条)
○ 衛生管理責任者及び作業衛生責任者の資格要件のうち、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第四十七条に規定する者と同等以上の学力があると認められる者を次のとおりとすること。
一  旧国民学校令(昭和十六年勅令第百四十八号)による国民学校の高等科を修了した者
二  旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による中等学校の二年の課程を終った者
三  旧師範教育令(昭和十八年勅令第百九号)による附属中学校又は附属高等女学校の第二学年を修了した者
四  旧盲学校及聾唖学校令(大正十二年勅令第三百七十五号)によるろうあ学校の中等部第二学年を修了した者
五  旧高等学校令(大正七年勅令第三百八十九号)による高等学校尋常科の第二学年を修了した者
六  旧青年学校令(昭和十四年勅令第二百五十四号)による青年学校の普通科の課程を修了した者
七  内地以外の地域における学校の生徒、児童、卒業者等の他の学校へ入学及び転学に関する規程(昭和十八年文部省令第六十三号)第一条から第三条まで及び第七条の規定により国民学校の高等科を修了した者、中等学校の二年の課程を終った者又は第五号に掲げる者と同一の取扱いを受ける者
八  旧海員養成所官制(昭和十四年勅令第四百五十八号)による海員養成所を卒業した者
九  前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣において衛生管理責任者又は作業衛生責任者の資格に関し学校教育法第四十七条に規定する者と同等以上の学力を有すると認定した者

( 2)衛生管理責任者等の経過措置の対象者(附則)
○ 衛生管理責任者(作業衛生責任者)の資格要件に係る経過措置の対象となりうる者の範囲を、平成9年4月1日以降にと畜場の衛生管理(獣畜のとさつ又は解体)の業務に従事した経験を有する者とすること。

( 3)衛生管理責任者等の届出事項(と畜場法施行規則第5条)
○ 衛生管理責任者及び作業衛生責任者の設置に係ると畜場の設置者等の届出事項を以下のとおりとし、資格要件を満たすことを証する書面を添付することとすること。
一  届出者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二  と畜場の名称及び所在地
三  衛生管理責任者又は作業衛生責任者の氏名、住所及び生年月日
四  衛生管理責任者又は作業衛生責任者が法第七条第五項各号又は法第十条第二項の規定により読み替えて準用される法第七条第五項各号のいずれかに該当する旨
五  衛生管理責任者又は作業衛生責任者を置いた年月日又は変更した年月日

( 4)衛生管理責任者等の講習会の課程(と畜場法施行規則第6条)
○ 衛生管理責任者及び作業衛生責任者の資格要件の1つである講習会の課程は次のとおりとし、3日間以上開催しなければならないこととすること。
公衆衛生概論;4時間以上
と畜関係法令;4時間以上
家畜解剖・生理学;2時間以上
家畜内科・病理学;6時間以上
食肉衛生学;6時間以上
関連法令;2時間以上


4 .と畜検査申請書類の記載事項の追加(と畜場法施行規則第14条)
○ と畜検査申請書類の記載事項として、以下の事項を追加すること。
・ 検査を受けようとする獣畜の病歴に関する情報
・ 検査を受けようとする獣畜に係る動物用医薬品その他これに類するものの使用の状況

5 .既存添加物名簿に関する省令の消除予定添加物名簿への改正
○ 消除予定添加物名簿の公示は官報掲載により行うこと。
○ 消除予定添加物名簿の訂正の申出書の記載事項(申出者の氏名及び住所、申出の添加物の名称、申出の趣旨)
○ 消除予定添加物名簿からの消除の申出をする場合に添付すべき書類(添加物等を製造等している者の氏名及び住所、添加物等が現に販売等されていることを証明する書類)

6 .そのほか
○ 食品衛生法第4条の2に基づく販売禁止措置が講じられた場合の禁止の解除申請についての記載事項及び必要書類を定めること(食品衛生法施行規則)。
○ 「と畜場法施行規則」を「と畜場法施行規則」とするほか、所要の規定の整備を行うこと(食品衛生監視員証、食中毒事件票、と畜検査員等の様式改正を含む。)。

7 .施行日
 「食品衛生法等の一部を改正する法律」の施行日(平成15年8月29日)



○厚生労働省告示第三百一号

 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第十三条の二第一項の規定に基づき、国及び都道府県等が行う食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針を次のように策定したので、同条第三項の規定により告示する。

  平成十五年八月二十九日
厚生労働大臣 坂口 力

食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針
目次

 第一  監視指導の実施に関する基本的な方向
 第二  監視指導の実施体制等に関する事項
 第三  都道府県等食品衛生監視指導計画の策定及び監視指導の実施に関する事項
 第四  輸入食品監視指導計画の策定及び監視指導の実施に関する事項
 第五  食品等事業者に対する自主的な衛生管理の実施に関する事項
 第六  関係者相互間の情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の実施に関する事項
 第七  食品衛生に係る人材の養成及び資質の向上に関する事項

 食品衛生に関する監視指導については、都道府県等(都道府県、保健所を設置する市及び特別区をいう。以下同じ。)の監視指導に関し、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第五十五号。以下「改正法」という。)による改正前の法に基づき、都道府県等の食品衛生監視員が営業施設の類型ごとに年間に立ち入るべき回数(以下「法定監視回数」という。)を規定していた。しかしながら、監視指導は、食品、添加物、器具又は容器包装(以下「食品等」という。)の生産、製造、加工、輸入、流通、販売等の実態、食中毒等の食品衛生上の危害の発生状況、施設の食品衛生上の管理の状況等を踏まえて実施すべきものであり、法定監視回数に基づく監視指導は現実的でなくなっている。また、国外より輸入される食品等(以下「輸入食品等」という。)が増大している現状を踏まえると、輸入食品等に係る監視指導について、明確な方針に基づき実施する仕組みを創設する必要がある。
 このため、改正法により、新たに、厚生労働大臣が、都道府県等及び国が行う食品衛生に関する監視指導(食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号。以下「法」という。)第三十条第一項に規定する職権及び指導の職務、と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)第十九条第一項に規定する事務及び職務並びに食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成二年法律第七十号。以下「食鳥処理法」という。)第三十九条第一項に規定する事務及び職務をいう。以下「監視指導」という。)の実施に関する指針(以下「指針」という。)において監視指導の実施に関する統一的な考え方を示し、指針に基づき、都道府県知事等(都道府県知事、保健所を設置する市の市長及び特別区の区長をいう。以下同じ。)及び厚生労働大臣が、当該都道府県等の地域の実情や輸出国における生産地の事情等を踏まえて都道府県等食品衛生監視指導計画及び輸入食品監視指導計画を毎年度策定し、これらに従い監視指導を実施する仕組みを導入することとした。
 この指針は、こうした新たな仕組みの下、監視指導の実施に関する基本的な方向及び監視指導計画の策定に当たり必要な基本的事項を示し、もって、重点的、効率的かつ効果的な監視指導の実施を推進するものである。
 なお、都道府県等の監視指導について、法定監視回数は廃止されたが、食品衛生上の管理が十分でないなど重点的に監視指導を実施すべき施設については立入回数に上限を設けることなく、必要に応じて、従来の法定監視回数において最大の回数であった年間十二回を超えて立ち入るべき場合があることについて、都道府県等食品衛生監視指導計画の策定及び監視指導の実施に当たり配慮することが必要である。

第一  監視指導の実施に関する基本的な方向
一  行政、食品関連事業者及び消費者の役割分担
 食品の安全性の確保に関しては、国及び都道府県等が監視指導その他の様々な施策を総合的に策定し、実施する責務を有するものの、食品の安全性はこうした行政の施策のみにより実現されるものではなく、食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号。以下「基本法」という。)第八条第一項に規定されているとおり、食品等の生産、製造、加工、輸入、販売等に携わる食品関連事業者が、消費者に食品等を供給する者として、食品の安全性を確保する第一義的責任を有している。
 加えて、食品等事業者(法第三条第一項に規定する食品等事業者をいう。以下同じ。)については、法第三条に規定されているとおり、知識及び技術の習得、原材料の安全性の確保、自主検査の実施、記録の作成及び保存等の努力義務を有しており、その的確な実施が求められる。
 また、消費者も、家庭内での食中毒の発生を防止する等の観点から、食品の安全性の確保に関する知識と理解を深め、適切に食品を選択し、均衡のとれた食生活を送ることのほか、食品の安全性の確保に関する施策に意見を表明するよう努めるなど、食品の安全性の確保に積極的な役割を果たすことが期待されている。
こうした役割分担を前提として、国及び都道府県等は、食品等事業者がその責務を果たし、安全な食品等を供給しているか否かを確認するため、監視指導を実施する。
 なお、改正法により法第二条に明記されたとおり、国及び都道府県等は、監視指導の実施以外に、知識の普及、情報収集、検査能力の向上、人材育成等を実施する責務を有するとともに、食品衛生に関する施策についての情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進を図ることとされており、これらの着実な実施を図る。

二  監視指導に係る厚生労働省及び都道府県等の役割分担の基本的な考え方
 国内に流通する食品等の監視指導及び国内の食品等事業者に対する監視指導並びにと畜場法及び食鳥処理法に基づく監視指導は基本的に都道府県等が実施する。
 一方、厚生労働省は、輸入食品等に対する輸入時における監視指導及び食品等の輸入者に対する監視指導を実施する等、輸入食品等の安全性を確保する役割を担うとともに、と畜場法第十四条第五項の規定により牛海綿状脳症に係る確認検査等のと畜検査の一部を実施する。また、法第十三条第一項の総合衛生管理製造過程に係る承認及び承認に付随する監視指導を実施する。なお、厚生労働省は登録検査機関(法第四条第九項に規定する登録検査機関をいう。以下同じ。)に対する監督を実施し、当該機関の製品検査に係る信頼性を確保する。

三  食品供給行程(フードチェーン)の各段階における監視指導の実施
 基本法第四条に規定されているとおり、食品の安全性を確保するためには、農林水産物の生産から食品の販売に至る一連の国の内外における食品供給の行程(フードチェーン)の各段階において、食品の安全性を確保するための規制(以下「食品安全規制」という。)の実施等の必要な措置が適切に講じられることが重要である。
 こうした理念を踏まえ、監視指導の実施については、農林水産物の採取から食品の消費者への販売までの各段階において、食中毒等の食品衛生上の危害の発生状況等を分析及び評価した上で、重点的、効率的かつ効果的に実施する必要がある。
 また、輸入食品等については、輸出国において行われる生産、製造、加工等について我が国が直接に監視指導を行うことは困難であるが、厚生労働省は、食品供給行程の各段階を通じて食品の安全性を確保するとの理念を踏まえ、輸入者に対する輸入事前指導並びに輸入時の審査及び検査を適切に実施するとともに、必要に応じ、輸出国政府に対して、当該政府が発行する衛生証明書等の信頼性の確保、生産、製造、加工等に係る食品安全規制の的確な実施等を要請する。
 さらに、違反を繰り返す等個別にその安全性を確保することが必要な食品等については、輸出国政府との間の二国間協議、現地調査等の実施を通じて、輸出国政府等による生産、製造、加工等についての食品安全対策を求めていく。

四  生産段階の食品安全規制との連携の確保
 法、と畜場法及び食鳥処理法は農林水産物の採取段階以降の食品衛生上の食品安全規制を講ずるための法律であることから、これらに基づき実施する監視指導は農林水産物の採取段階以降が対象となるが、三の考え方を踏まえ、厚生労働省においては、農薬、動物用医薬品等の使用規制、家畜伝染病対策等農林水産物の生産段階に係る食品安全規制を所管する農林水産省と連携して食品衛生規制に係る施策を策定し、及び実施するとともに、都道府県等の食品衛生担当部局においては、農林水産物の生産段階の食品安全規制を実施する都道府県等の農林水産担当部局等と連携して監視指導を実施することが重要である。

第二  監視指導の実施体制等に関する事項
一  監視指導の実施体制に関する基本的な事項
 第一の二の役割分担により、厚生労働省及び都道府県等が監視指導を実施する。
 厚生労働省は、輸入食品監視指導計画等に基づき必要な監視指導が実施できるよう、厚生労働省の検疫所及び地方厚生局の体制を整備するとともに食品衛生監視員等の人員の確保を図る。
 都道府県等は、都道府県等食品衛生監視指導計画に基づき必要な監視指導が実施できるよう、保健所及び保健所の衛生検査施設、地方衛生研究所、食肉衛生検査所、市場衛生検査所等の試験検査実施機関の体制を整備するとともに、食品衛生監視員、と畜検査員等の人員の確保を図る。

二  厚生労働省及び他の都道府県等の食品衛生担当部局との連携体制の確保
 都道府県等の監視指導の実施に当たって、厚生労働省及び他の都道府県等との連携を確保することは、特に、都道府県等の区域を超えて広域的に流通する食品等であって輸入食品等以外のもの(以下「広域流通食品等」という。)及び輸入食品等の監視指導において重要である。また、総合衛生管理製造過程の承認を受けた施設への監視指導の実施に当たっては、厚生労働省の地方厚生局との連携を確保することが必要となる。
 このため、厚生労働省及び地方厚生局においては、都道府県等の食品衛生担当部局との連絡及び連携体制を確保するとともに、広域流通食品等に係る違反情報、輸入食品等の輸入時検査における違反情報、輸入者に対する処分内容等について、関係する都道府県等に情報提供し、必要に応じて連携して対応する。
 また、都道府県等の食品衛生担当部局は、他の都道府県等の食品衛生担当部局、特に当該都道府県等と隣接する都道府県等との間において緊密な連絡及び連携体制を確保する。

三  農林水産部局等他部局との連携体制の確保
 第一の四の生産段階の食品安全規制との連携の確保のため、厚生労働省は農林水産省との間で緊密な連絡及び連携体制を確保する。都道府県等の食品衛生担当部局は、当該都道府県等の農林水産部局との間で生産段階に係る食品安全規制も含めた違反情報を相互に提供する等緊密な連絡及び連携体制を確立する。また、生産段階の食品安全規制に係る違反を発見した場合の対応等のため、他の都道府県等の食品衛生担当部局を通じて他の都道府県等の農林水産部局との間の連絡体制を確保する。また、必要に応じて農林水産省の地方農政局及び地方農政事務所、独立行政法人農林水産消費技術センター等との連携を図る。
 なお、食品等の表示に係る監視指導については、食品等の表示の制度が複数存在していることから、基本法第十八条において食品の表示の制度の適切な運用の確保が規定されていることも踏まえ、都道府県等の食品衛生担当部局は、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)及び不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)を所管する関係行政機関(以下「表示関係行政機関」という。)との間で違反情報を相互に提供するなど連絡及び連携体制を確保する。

四  試験検査実施機関の体制の整備等
 厚生労働省及び都道府県等が適時適切に監視指導を実施するためには、適正かつ迅速に試験検査を実施できる体制を整備することが重要である。このため、厚生労働省及び都道府県等においては、検疫所の輸入食品検疫検査センター、保健所の衛生検査施設、地方衛生研究所、食肉衛生検査所、市場衛生検査所等の各試験検査実施機関の役割分担を踏まえ、信頼性確保部門による内部点検の定期的な実施、外部精度管理調査の定期的な受検等、これらの機関の技術向上及び信頼性確保のための取組を行うとともに、必要な検査機器の整備、検査員等の関係職員に対する技術研修の実施等に努める。
 また、法第二十八条第四項の規定により登録検査機関に試験に関する事務を委託する場合には、委託契約に基づき、業務の受託者としての業務の適正な管理を求め、必要に応じて定期的に試験の実施状況を確認するとともに、随時、同一検体について厚生労働省若しくは都道府県等の試験検査実施機関又は他の登録検査機関において試験検査を実施し、登録検査機関の精度管理の実施状況を確認するよう努める。

第三  都道府県等食品衛生監視指導計画の策定及び監視指導の実施に関する事項  都道府県等は、全国的な食品等の生産、製造、流通等の状況、法違反状況及び食品衛生上の問題発生状況に加え、当該都道府県等の区域におけるこれらの状況を分析及び評価し、当該都道府県等の監視指導の実施体制を含めた実行可能性も考慮の上、近隣都道府県等とも連携を図りながら、当該地域の実情を勘案した都道府県等食品衛生監視指導計画(以下「監視指導計画」という。)を策定するとともに、当該監視指導計画に従い監視指導を実施する。
 特に、次に掲げる事項に留意して監視指導計画の策定及び監視指導の実施を図る。

一  重点的に監視指導を実施すべき項目
 次に掲げる事項を参考として重点的に監視指導を実施すべき項目を定め、監視指導計画に記載する。
1  一般的な共通事項
 法第六条各号及び法第九条に該当する食品等でないこと及び法第十条の規定に基づき定められた添加物であることの確認を行うとともに、法第十一条第一項及び法第十八条第一項の規定に基づく食品等の規格又は基準、法第十九条第一項の規定に基づく食品等の表示に係る基準、法第五十条第一項及び第二項の規定に基づき定められる基準並びに法第五十一条の規定に基づき定められる施設基準についての適合を確認し、その遵守を徹底する。
 また、と畜場法第五条の規定に基づくと畜場の構造設備の基準並びに同法第六条及び第九条の規定に基づく基準についての適合を確認し、その遵守を徹底するとともに、同法第十四条の規定に基づき適切にと畜検査を実施する。
 さらに、食鳥処理法第五条第二項の規定に基づく食鳥処理場の構造又は設備の基準並びに同法第十一条の規定に基づく基準についての適合を確認し、その遵守を徹底するとともに、同法第十五条の規定に基づき適切に食鳥検査を実施する。
 製造段階、加工段階及び調理段階における監視指導に当たっては、一般的衛生管理の実施状況を確認し、その遵守を徹底するとともに、必要に応じ、危害分析とその発生防止措置の実施状況を確認する。また、食中毒予防の観点から、大規模調理施設(概ね同一メニューを一回三百食以上又は一日七百五十食以上調理する食品等事業者の施設をいう。以下同じ。)のほか、大規模調理施設に該当しないものであっても、病者、高齢者、児童等が主に利用する施設である病院、社会福祉施設、学校給食施設等に関しては、重点を置いて監視指導を実施する。
2  食品群ごとの食品供給行程(フードチェーン)を通じた重点監視指導項目
 1に掲げる事項に加え、次の表の第一欄に掲げる食品群の区分ごとに、食品供給行程(フードチェーン)の各段階の区分に応じて同表の第二欄から第四欄までに掲げる事項に重点を置いて監視指導を実施する。このうち、同表第二欄の採取、とさつ及び解体、食鳥処理等(採取等の後の保管も含む。)の行程に係る事項については、すべての事項について、必要に応じ、農林水産部局と連携して監視指導を実施する。
 また、同表に掲げるもののほか、次の事項についても重点的に監視指導を実施する。
・  添加物(その製剤を含む。以下同じ。)の製造者及び加工者並びにこれを使用する食品の製造者及び加工者による使用添加物の確認の徹底
・  添加物を使用して製造又は加工した食品についての都道府県等による添加物検査の実施
・  製造者及び加工者による異物の混入防止対策の徹底
・  製造者及び加工者による製造段階及び加工段階における低温保管等の温度管理の徹底
・  法第十一条の規定に基づくアレルギー物質を含む食品に関する表示の徹底のための製造者及び加工者による使用原材料の点検及び確認の徹底

  採取、とさつ及び解体、食鳥処理等(採取等の後の保管も含む。) 製造及び加工(とさつ及び解体並びに食鳥処理を除く。) 貯蔵、運搬、調理及び販売
食肉、食鳥肉及び食肉製品
・  健康な獣畜又は家きんのと畜場又は食鳥処理場への搬入の推進
・  獣畜及び家きんの病歴を踏まえたと畜検査及び食鳥検査の実施
・  枝肉、中抜とたい等の微生物検査による衛生的な処理の検証の実施
・  と畜場及び食鳥処理場における動物用医薬品等の投与歴を踏まえた、正常な獣畜及び家きんを含めた残留物質検査の実施
・  認定小規模食鳥処理施設における処理可能羽数の上限の遵守の徹底
・  食肉処理施設における微生物汚染の防止の徹底
・  製造又は加工に係る記録の作成及び保存の推進
・  食品等事業者による原材料受入れ時の残留抗生物質及び残留抗菌性物質の検査の実施等による原材料の安全性の確保の徹底
・  枝肉及びカット肉の流通管理(保存温度、衛生的な取扱い等)の徹底
・  加熱調理の徹底
乳及び乳製品
・  健康な獣畜からの搾乳の徹底及び搾乳時における衛生確保(微生物汚染防止等 )の徹底
・  搾乳後の温度管理(腐敗及び微生物増殖防止)の徹底
・  生乳についての残留抗生物質及び残留抗菌性物質の検査の実施並びに食品等事業者による出荷時検査の推進
・  製造過程又は加工過程における微生物汚染の防止
・  製造又は加工に係る記録の作成及び保存の推進
・  食品等事業者による原材料受入れ時の残留抗生物質及び残留抗菌性物質の検査の実施等による原材料の安全性の確保の徹底
・  食品等事業者による飲用乳についての微生物等に係る出荷時検査の徹底
・  流通管理(保存温度、衛生的な取扱い等)の徹底
食鳥卵
・  鶏舎内の衛生管理の推進
・  食用不適卵の排除の徹底
・  採卵後の低温管理の徹底
・  新鮮な正常卵の受入れの徹底
・  洗卵時及び割卵時の汚染防止の徹底
・  製造又は加工に係る記録の作成及び保存の推進
・  汚卵、軟卵及び破卵の選別等検卵の徹底
・  低温保管等温度管理の徹底
・  破卵等の検卵の徹底
水産食品(魚介類及び水産加工品)野菜、果実、穀類、豆類、種実類、茶等及びこれらの加工品(有毒植物及びキノコ類を含む。)
・  食品等事業者による二枚貝等の貝毒等に関する検査の徹底
・  生食用かきの採捕海域の衛生状況の確認の徹底
・  漁港等の水揚げ場における衛生的な取扱いの徹底
・  有毒魚介類等の排除の徹底
・  養殖魚介類についての残留動物用医薬品の検査の実施及び食品等事業者による出荷時検査の推進
・  生食用の野菜、果実等について、肥料等を通じた動物の糞尿由来等の微生物汚染防止の徹底
・  残留農薬検査の実施及び食品等事業者による出荷時検査の推進
・  穀類、豆類等の収穫時のかび毒対策の推進
・  有毒植物等の採取禁止の徹底
・  生食用かきの採捕海域等の適正表示の徹底
・  フグの衛生的な処理の徹底
・  生食用野菜、果実等の衛生管理の徹底
・  食品等事業者による原材料受入れ時の残留農薬検査の実施等による原材料の安全性の確保の徹底
・  残留動物用医薬品、微生物等の検査の実施
・  水産加工品の流通管理(保存温度、衛生的な取扱い等)の徹底
・  加熱を要する食品についての加熱調理の徹底
・  有毒魚介類等の市場からの排除の徹底・ 残留農薬、汚染物質等の検査の実施
・  穀類、豆類等の運搬時のかび毒対策の推進
・  有毒植物等の市場からの排除の徹底
(注一 )表中「実施」とあるのは都道府県等が主体、「徹底」又は「推進」とあるのは食品等事業者が主体である。
(注二 )食品群の区分は代表的なものを整理したものである。
二  監視指導の実施体制に関する事項
1  監視指導の実施体制に関する基本的な事項
 第二の一を参考として、監視指導を実施する機関について監視指導計画に記載する。
2  厚生労働省及び他の都道府県等との連携確保に関する事項
 第二の二を参考として、厚生労働省及び他の都道府県等との連携確保について監視指導計画に記載する。
3  農林水産部局等他部局との連携確保に関する事項
 第二の三を参考として、農林水産部局等他部局との連携確保について監視指導計画に記載する。なお、具体的な取組の例としては以下のようなものが考えられる。
・  食肉及び食鳥肉の安全性の確保のため、と畜場及び食鳥処理場へ持ち込む獣畜及び家きんについて、と畜検査申請書への獣医師の診断書又は家畜保健衛生所等の確認書の添付等を通じて、家畜保健衛生所、家畜共済組合等との間で病歴や動物用医薬品等の投与歴等の情報の共有を図る。
・  魚介類の安全性の確保のため、漁港等における衛生管理状態の確認、適正表示等の推進のための農林水産部局と連携した立入調査を実施する。
・  農林水産物の安全性の確保のため、残留農薬、残留動物用医薬品等の基準違反を発見した場合その他生産段階の食品安全規制に違反していると疑われる場合には、農林水産部局において生産者に対し適切な改善指導等の措置が行われるよう情報提供するとともに、農林水産部局における生産者に対する改善指導の結果について情報提供を受け、公表した違反情報にその結果も追加する。
・  食品表示行政における連携を確保するため、表示関係行政機関と連携して食品等の表示に係る調査や立入検査を同時に実施する。
4  試験検査実施機関の体制の整備等に関する事項
 第二の四を参考として、各試験検査実施機関の体制の整備等に関する事項について監視指導計画に記載する。

三  施設への立入検査に関する事項
1  立入検査実施計画の策定
 当該都道府県等の区域内の食品等事業者の施設への年間の立入予定回数を含む立入検査の実施計画を定め、監視指導計画に記載する。なお、業種ごとに年間の立入予定回数を設定することも可能である。
 立入予定回数については、当該施設の種類及び取扱う食品等の種類についての当該地域及び全国的な法違反状況、問題発生状況等の分析及び評価をもとに、各都道府県等が一を参考として定める重点的に監視指導を実施すべき項目を踏まえて、必要に応じ当該施設における直近の衛生管理状況等を勘案し、また四の1の収去検査実施計画及び六の一斉取締りも勘案して適正に実施計画を定める。
 なお、立入り時の監視指導内容についても、同様の分析、評価等を行い、監視指導を実施する。
2  違反を発見した場合の対応
 立入検査により法第五十一条の規定による施設基準の違反、法第十一条第一項の規定による製造基準の違反等の法の規定に違反している状況を発見した場合は、極力その場において改善指導を行うとともに、違反が軽微な場合であって直ちに改善が図られるもの以外の法違反については書面にて改善指導を行う。
 法違反に係る食品等が現存する場合には、当該食品等が販売の用に供され、又は営業上使用されないよう、必要に応じて関係都道府県等と連携して廃棄、回収等の措置を速やかに講ずるとともに、必要に応じ、法第五十四条、第五十五条又は第五十六条の規定に基づく処分を行う。また、悪質な事例については告発を行う。
 食品衛生上の危害の状況を明らかにするため、法第六十三条の規定に基づき、法又は法に基づく処分に違反した者(原則として当該違反により書面による行政指導(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第六号に規定する行政指導をいう。以下同じ。)の対象となる者を含み、違反が軽微であって、かつ当該違反について直ちに改善が図られた者を除く。)の名称、対象食品等、対象施設等を随時公表する。
 なお、違反者の名称等の公表に際しては、都道府県等の講じた措置の内容、違反原因及び改善状況についても、判明次第、公表を行う。

四  食品等の収去検査等に関する事項
1  収去検査実施計画の策定
 食肉等、乳及び乳製品、食鳥卵、水産食品、野菜等の食品群等ごとに、食品群等ごとの当該地域及び全国的な法違反状況、問題発生状況等を分析及び評価して、検査項目(微生物、残留農薬、添加物、汚染物質等)ごとの年間の検査予定数を含む食品等の収去検査の実施計画を定め、監視指導計画に記載する。
 当該実施計画においては、保健所、食肉衛生検査所、市場衛生検査所等の検体採取機関ごとの年間の収去予定数及び保健所の衛生検査施設、地方衛生研究所、登録検査機関等の試験検査実施機関ごとの年間の試験検査実施予定数を定める。
 検体採取機関ごとの収去予定数については、2の事項に留意するとともに、各検体採取機関の体制整備の状況等も踏まえて、近隣都道府県等と連携し、特に同一都道府県内において都道府県等相互間で連携して策定する。
 試験検査実施機関ごとの試験検査実施予定数については、各試験検査実施機関の体制整備の状況等を踏まえて策定する。
2  収去検査の対象食品等の選定及び収去検査の実施に当たっての留意事項
 収去検査の対象となる食品等の選定に当たっては、当該都道府県等の区域内において生産、製造、加工等される食品等を含め、広域流通食品等を中心とする。
 当該都道府県等の区域内で生産、製造、加工等された食品等の収去に当たっては、過去の立入検査結果及び当該施設における生産段階、製造段階、加工段階等の衛生管理状況を踏まえ、違反の可能性が比較的高いと考えられる食品等及び項目に重点を置く。また、新たに規格基準が整備された食品等、食品等ごとの流通量の季節変化等にも配慮して実施する。
 なお、輸入食品等については、輸入時に国が行うモニタリング検査の実施状況、命令検査の対象食品等も勘案して、特に命令検査と重複しないように配慮する。
 収去検査については、当該都道府県等の区域内で生産、製造、加工等される食品等の場合には当該施設への立入り時に併せて行い、それ以外の食品等の場合には市場、大規模販売店、流通センター等食品等が集約する流通拠点において収去する等、効率的に収去できるよう工夫する。
 また、収去に当たっては違反を発見した場合の対応が可能となるよう生産者、製造者及び加工者、輸入者等の関係者に係る情報を確認する。
3  違反を発見した場合の対応
 検査の結果、違反が発見された場合については、生産、製造、加工等を行った場所を所管する都道府県等が異なるときには、速やかに当該都道府県等の食品衛生担当部局に連絡するとともに、当該食品等について、販売の用に供し、又は営業上使用されないよう、必要に応じて関係都道府県等と連携して廃棄、回収等の措置を速やかに講ずる。
 また、必要に応じ、法第五十四条、第五十五条又は第五十六条の規定に基づく処分を行い、悪質な事例については告発を行う。
 広域流通食品等及び輸入食品等に係る違反を発見した場合には、関係する都道府県等の食品衛生担当部局又は厚生労働省へ迅速に情報提供し、連携して違反に係る食品等の流通防止措置、再発防止措置等の必要な措置を講ずるとともに、改善の状況についても情報提供する。
 食品衛生上の危害の状況を明らかにするため、法第六十三条の規定に基づき、法又は法に基づく処分に違反した者(原則として当該違反により書面による行政指導の対象となる者を含み、違反が軽微であって、かつ当該違反について直ちに改善が図られた者を除く。)の名称、対象食品、対象施設等を随時公表する。
 なお、違反者の名称等の公表に際しては、都道府県等の講じた措置の内容、違反原因及び改善状況についても、判明次第、公表を行う。
 検査の結果違反が発見された場合であって、当該食品等を製造、加工等した者の検査の能力等からみて、継続的に当該者の製造、加工等する食品等の検査が必要と判断される場合には、積極的に法第二十六条第一項の命令検査を活用する。製造者及び加工者を所管する都道府県等が異なる場合には、違反の発見の事実を連絡するとともに、収去検査及び命令検査の発動等の必要な対応の実施を要請する。

五  計画の実施状況の公表に関する事項
 食品等事業者の施設への立入検査の状況及びその結果の概要、食品等の収去の状況及びその結果の概要等の監視指導の実施状況については、法第二十四条第五項の規定に基づき公表することとされているが、監視指導の実施状況の公表は、住民をはじめとする関係者相互間の情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進のために重要なものであることから、年度ごとの実施状況の概要について翌年度の六月までに公表するほか、夏期、年末等の一斉取締りを実施した後などの年度途中においても公表する。また、年度ごとの実施状況についても、取りまとまり次第公表する。

六  一斉取締りの実施に関する事項
 食中毒が多発する夏期及び食品流通量が増加する年末においては、厚生労働省が示す方針を踏まえて、監視指導を重点的に実施する。
 このほか、特定の違反事例が頻発するなど、食品衛生に係る問題が発生し、かつ、全国一斉に同一の事項を対象とした監視指導の実施が必要な場合は、随時、厚生労働省が示す方針を踏まえて、監視指導を実施する。

七  食中毒等健康危害発生時の対応に関する事項
 食中毒発生時の対応については、法第五十八条から第六十条までの規定並びにこれらの規定に基づく政令及び省令並びに関係通知に基づき、適切に原因究明及び健康危機管理対策を実施する。発生時の対策としては、必要に応じ、薬事監視、医療監視、水道担当部局等関係部局への迅速な情報提供及び当該関係部局との密接な連携を図るとともに、被害拡大防止のため、迅速な原因究明調査の実施、必要な情報の迅速な公表等が必要である。
 食中毒予防の観点から、食中毒発生状況に関する食品等事業者及び住民への情報提供を図ることも重要である。
 なお、いわゆる健康食品による健康被害発生時においても、関係通知に基づき、原因究明を迅速に行い、厚生労働省に対し、調査結果を遺漏なく報告するとともに、必要に応じて公表を行うことが必要である。

八  計画策定に係る情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の実施に関する事項
 監視指導計画の策定に当たっては、法第六十四条第二項の規定に基づき、その案の段階において、趣旨及び概要をできるだけ分かりやすく公表するとともに、住民参加型の意見交換会の実施、ホームページ、広報紙等を通じた意見募集等の地域の実情に応じた手段により、地域の消費者及び事業者を含めた住民からの意見を広く求め、当該意見をもとに案を再度検討するなど、情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進を図る。

九  その他
 第五から第七までに掲げる事項について監視指導計画に記載する。
 なお、法で規定する事項及び食品衛生に関する事項以外の事項についても、各都道府県等の実情等に応じて監視指導計画に記載することは差し支えない。

第四  輸入食品監視指導計画の策定及び監視指導の実施に関する事項
 厚生労働省は、輸出国における食品等の安全性の確保のための対策に関する情報の収集、分析及び評価を行い、輸出国における生産、製造、加工等の状況、過去の検査結果等の法違反状況、輸入重量、輸入件数等を踏まえて、輸入食品監視指導計画を策定するとともに、当該輸入食品監視指導計画に従い監視指導を実施する。
 特に、次に掲げる事項に留意して輸入食品監視指導計画の策定及び監視指導の実施を図る。
一  重点的に監視指導を実施すべき項目
 効果的な監視指導が実施できるよう、過去の検査結果等の法違反状況、輸入重量、輸入件数等を勘案してモニタリング検査の対象食品等、検査項目及び検査予定数を定め、輸入食品監視指導計画に記載するとともに、違反の可能性が高いと見込まれる食品等及び検査項目については輸入者に対して命令検査を実施させる。また、モニタリング検査及び命令検査の対象食品等、検査項目等を踏まえて輸入者へ指導を行う。

二  違反を発見した場合の対応に関する事項
 違反を発見した場合には、必要に応じて関係都道府県等と連携を図りながら、廃棄、回収等の措置を速やかに講じ、違反を繰り返す営業者等については、法第五十五条第二項の規定に基づき、必要に応じ、衛生管理体制が確保されていることを確認するまでの間、輸入に係る営業の禁止又は停止を命ずる。また、悪質な事例については告発を行う。
 食品衛生上の危害の状況を明らかにするため、法第六十三条の規定に基づき、法又は法に基づく処分に違反した輸入者(原則として当該違反により書面による行政指導の対象となる輸入者を含み、違反が軽微であって、かつ当該違反について直ちに改善が図られた輸入者を除く。)の名称、対象食品等を随時公表する。
 なお、違反者の名称等の公表に際しては、改善措置の内容、違反原因等についても、判明次第、公表を行う。

三  命令検査の実施及び二国間協議等の実施に関する事項
 同一の輸出国や同一の製造者及び加工者から輸入される同一の食品等について残留農薬に係る基準違反等が二回以上発見される場合その他必要があると認めるときは、法第二十六条第三項に基づき輸入者に対して命令検査を実施させる。
 また、必要に応じて、第三の一の1及び2の項目について、輸入者による輸入届出、輸出国政府の発行する証明書、輸入時検査、輸入者からの報告徴収等により確認するとともに、違反の可能性や輸入量等を勘案して我が国の国民への健康影響上必要なものについては、積極的に、輸出国政府との二国間協議、現地調査等により、輸出国の生産、製造、加工等の段階における食品衛生に係る取組の推進を求める。特に、法第八条第一項又は法第十七条第一項の規定に基づき必要と認めるときは、薬事・食品衛生審議会等の意見を聴いて、特定の食品等の輸入等の禁止を行う。

四  計画の実施状況の公表に関する事項
 モニタリング検査、命令検査等の輸入食品等に係る検査の実施状況及びその結果の概要、輸入者に対する監視指導及びその結果の概要等の監視指導の実施状況については、法第二十三条第四項の規定に基づき公表することとされているが、監視指導の実施状況の公表は、関係者相互間の情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進のために重要なものであることから、年度ごとの実施状況の概要について翌年度の六月までに公表するほか、年度途中においても定期的に公表する。また、年度ごとの実施状況についても取りまとまり次第公表する。

五  計画策定に係る情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の実施に関する事項
 輸入食品監視指導計画の策定に当たっては、法第六十四条第二項の規定に基づき、その案の段階において、趣旨及び概要をできるだけ分かりやすく公表するとともに、意見交換会、ホームページ等により消費者及び事業者を含めた国民各層からの意見を広く求め、当該意見をもとに案を再度検討するなど、情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進を図る。

六  その他
 第五から第七までに掲げる事項について輸入食品監視指導計画に記載する。

第五  食品等事業者に対する自主的な衛生管理の実施に関する事項
 法に食品等事業者の責務が明記されたことも踏まえ、次に掲げる事項等の自主的な衛生管理の向上のための取組を実施するよう、都道府県等は国内の製造者、加工者、販売者等の食品等事業者に対して、また、厚生労働省は輸入者に対して、必要に応じて農林水産部局とも連携を図りながら、指導を実施する。
 実施する事項について、監視指導計画又は輸入食品監視指導計画(以下「監視指導計画等」という。)に記載する。
一  食品衛生管理者等の設置
 営業者に対しては、法第四十八条第一項の規定に基づき食品衛生管理者を置かなければならない場合以外にあっても、その製造、加工、調理等を自主的に管理する者として、食品衛生に関して相当の知識を有する者をその食品衛生上の管理に責任を有する者として置くよう努めさせる。
 また、食品衛生管理者については、改正法により責務が追加されたことも踏まえ、適切にその職責が果たされるよう、講習会や情報提供を実施するとともに、営業者については、食品衛生管理者の意見を尊重する責務が追加されたことも踏まえて、その意識向上を図る。

二  食品等事業者による自主的な衛生管理の推進
 食品等事業者の責務である自主検査、原材料の安全性確認等の実施を進めるとともに、記録の作成及び保存の推進を図る。
 また、衛生管理に係る基準、食品等の適正表示の実施、食品等に係る基準違反及び苦情の事例等についての講習会等を開催するとともに、ホームページ等を活用した情報提供を図る。
 これらの事項を含め、食品等事業者による食品衛生の向上に係る自主的な活動を促進するため、食品衛生推進員その他の者による食品等事業者に対する助言、指導その他の活動を推進する。
 あわせて、衛生管理状況が一定水準以上である優良な施設を公表するなど、食品等事業者による自主的な衛生管理の向上を図るような取組を工夫して実施する。

三  製造者及び加工者に対するHACCP導入の推進
 製造及び加工者に対して、総合衛生管理製造過程の承認の対象となる食品の製造又は加工を行っていない者も含め、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の導入の推進を図るよう、講習会の実施等を通じて、普及及び啓発を図る。

四  輸入者への自主的な衛生管理の推進
 輸入者に対しては、厚生労働省において、第四の一の重点的に監視指導を実施すべき項目も踏まえて、自主検査を実施すべき事項、輸出国における生産、製造、加工等の食品供給行程(フードチェーン)の各段階の措置について確認すべき事項等について、講習会又は輸入届出時において指導する。あわせて、食品衛生に関し相当の知識を有する者を自主的に食品衛生上の管理に責任を有する者として置くよう努めさせる。

第
六  関係者相互間の情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の実施に関する事項
 監視指導計画等の策定の際の意見聴取、監視指導計画等の実施状況の公表及び法違反者等の公表のほか、次に掲げる事項等により情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進を図る。
 実施する事項について監視指導計画等に記載する。
一  厚生労働省における施策全般に係る情報及び意見の交換の実施
 厚生労働省において、定期的に、消費者、事業者等との意見交換会等を開催し、監視指導の実施状況を含めた食品等の安全性の確保のための施策の実施状況を公表するとともに、施策全般についての意見を聴取し、当該意見を施策に反映するよう努める。

二  都道府県等における住民との情報及び意見の交換の実施
 都道府県等における監視指導をはじめとする食品衛生行政についての情報提供を図るため、随時、食品等に係る基準違反及び苦情の事例、監視指導結果とそれらに対する行政措置等について、ホームページ、広報紙等を通じて情報公開を進める。また、必要に応じて、消費者、事業者等の住民との意見交換会を実施する。
 また、苦情に対して適切に対応することはもとより、表示の見方等の相談等の食品衛生行政に対する疑問についても、必要に応じて農林水産部局、表示関係行政機関等と連携を図りながら積極的に対応する。

三  消費者への食品等による危害発生防止のための情報提供
 家庭における食中毒発生を未然に防止するため、家庭における食品の購入から喫食までの取扱いに関する消費者に対する教育活動等を行う。具体的には、適正な温度による保存、フグ、野生植物等の衛生上の知識を要する食材について自家調理を控えること、調理時における二次汚染の防止等について周知徹底を図る。

第七  食品衛生に係る人材の養成及び資質の向上に関する事項
法第二条第一項の責務規定の内容も踏まえて、次に掲げる事項等、人材の養成及び資質の向上を図る取組を実施する。
実施する事項について監視指導計画等に記載する。
一  食品衛生監視員、と畜検査員、食鳥検査員等関係職員の資質の向上
 都道府県等及び厚生労働省において、監視指導に従事する食品衛生監視員、と畜検査員及び食鳥検査員に対して技術研修、法令の内容等に係る再教育の実施を図る。
 また、厚生労働省においては、各都道府県等におけるこれらの職員等の指導者を中心として研修会等を実施する。

二  食品衛生管理者等の食品等事業者の自主的衛生管理を担う者の養成及び資質の向上
 法の食品衛生管理者、と畜場法の衛生管理責任者及び作業衛生責任者並びに食鳥処理法の食鳥処理衛生責任者については、各法令に基づき、厚生労働省、都道府県等又は登録養成施設若しくは登録養成講習会を実施する者により、適切に講習会等を実施するとともに、定期的にその再教育の実施を推進する。
 また、法第三条第一項において、販売食品等の安全性の確保に係る知識及び技術の習得が求められていることを踏まえ、食品等事業者自らが行う食品安全に係る知識及び技術を有する者の養成及び資質の向上を推進する。


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