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ホームレスの自立の支援等に
関する基本方針の概要



平成15年7月



1. ホームレスに関する現状
(1 )ホームレスの現状(ホームレスの実態に関する全国調査結果(H15)より)
(1) ホームレスの数
約25,000人(大阪府7,757人、東京都6,361人)、全ての都道府県でホームレスを確認
ホームレスが確認された581市町村のうち、10人未満の市町村が7割弱

(2) ホームレスの生活実態
年齢:平均年齢55.9歳で中高年層が大半
ホームレスとしての期間:ここ1年間でホームレスとなった者が約3割
ホームレス化の理由:「仕事が減った」が35.6%、「倒産・失業」が32.9%
健康状態:身体不調を訴える者が5割弱、うち7割弱が未治療
自立希望:働きたい者が5割、今のままでいいという者が1割強
行政への意見・要望:仕事関連が3割弱、住居関連が1割弱

(2 ) ホームレス対策の現状
H11.5のホームレス問題連絡会議でまとめられた「ホームレス問題に対する当面の対応について」に基づき施策を実施
ホームレス以外も対象とした一般対策(雇用施策等)
ホームレスに特化した対策(自立支援事業等)
法律制定を踏まえ実施した15年度新規事業(総合相談事業、ホームレス等試行雇用事業等)


2. ホームレス対策の推進方策
【基本的な考え方】
ホームレスの類型や背景を踏まえた、総合的かつきめ細かな対策が必要
※ホームレスの類型:  「就労する意欲はあるが失業状態」、「医療・福祉等の援護が必要」、「社会生活を拒否」
ホームレスが自らの意思で安定した生活を営めるように支援することが基本
 就業機会の確保が最重要、その他居住の場所の確保等が重要
野宿生活を前提とした支援は緊急的・過渡的施策
地方公共団体は、ホームレス数に応じた適切な施策を実施



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(1)就業機会の確保
 ○就業ニーズ等に応じた求人開拓や求人情報の収集及び提供
 ○職業相談員によるきめ細かな職業相談等の実施
 ○試行雇用の施策等の実施による新たな職場への円滑な適応促進
 ○技能講習や職業訓練の実施による職業能力の開発・向上



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(2)安定した居住の場所の確保
 ○公営住宅の単身入居制度等の活用
 ○低廉な家賃の民間賃貸住宅に関する情報提供
 ○民間の保証会社等に関する情報提供



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(3)保健及び医療の確保
 ○保健所等による健康相談や保健指導等の実施
 ○保健所等との連携による効果的な結核対策の推進
 ○医療機関における受診機会の確保



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(4)生活に関する相談・指導
 ○関係機関・施設の連携による総合相談事業の実施
 ○民間団体等と連携した街頭相談の実施
 ○精神保健福祉センター等の協力を得ながら、心のケアの実施





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(5) 自立支援事業及び個々の事情に対応した自立支援
 ○自立支援センターによる、宿所や食事の提供、生活指導、公共職業安定所と
  の連携による職業相談等の実施
 ○地方自治体が取り組みやすい事業の見直しの検討
 ○ホームレスの類型別のきめ細かな施策の実施
  ・失業状態 → 就業機会の確保(職業相談・求人開拓等)
  ・医療・福祉等の要援助者 → 保健・福祉相談、医療機関・施設への入所
  ・社会生活を拒否 → 相談活動を通じた社会との接点確保



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(6)ホームレスになるおそれがある者に対する生活上の支援
 ○職業相談等の充実強化、技能講習等による技能の付与
 ○シェルター等による居住の場所の確保
 ○街頭相談の積極実施



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(7)緊急に行うべき援助及び生活保護
 ○急迫状態の者や要保護者に対する生活保護による医療扶助の活用
 ○ホームレスの状況に応じた適切な保護の実施
 ○関係機関との連携による自立に向けた支援の実施


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(8)ホームレスの人権擁護
 ○ホームレスに対する差別の解消や人権侵害事案への適切な対応
 ○ホームレスの入所施設等における人権尊重への配慮



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(9)地域における生活環境の改善
 ○自立支援施策との連携を図りつつ、都市公園等の公共施設の適正な利用を
  確保するため、
   (1)施設内の巡視や物件の撤去指導等を適宜実施
   (2)必要と認める場合には監督処分等を実施



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(10)地域における安全確保
 ○ホームレスに対する事件防止等を推進するパトロール活動の強化
 ○地域住民に不安を与える事案等について速やかに指導・取締り等を実施
 ○緊急に保護が必要な者に対する適切な保護



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(11)民間団体との連携
 ○行政・民間団体・地域住民等による協議会の開催
 ○民間団体への各種支援の実施
 ○事業の委託を行うなど民間団体の能力の積極的な活用



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(12) その他
 ○ホームレスの自立支援やホームレスを生まないための地域社会づくり
  ・地域福祉計画、ボランティアが活動しやすい環境づくり、民生・児童委員活動
   の充実など

3. ホームレスが少ない自治体における取組方針
 ○ 広域市町村圏や都道府県を中心とした広域的な施策を展開
 ○ 既存施策におけるホームレスへの配慮

4. 指針のフォローアップ及び見直し
 ○ 指針の対象期間 : 原則5年
 ○ 5年経過後、基本方針の見直し
実態調査の実施 → 施策の評価・有識者等からの意見聴取 → 見直し

5. 都道府県等が策定する実施計画の策定指針
 ○ 実施計画の期間 : 原則5年
 ○ 実施計画の策定手続 (現状や問題点の把握、基本目標の明確化、意見聴取等)
 ○ 計画の施策の評価 → 次期計画の策定
 ○ 計画に盛り込むべき事項


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