03/11/26 障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第12回)議事録         障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会                   (第12回)       日時:平成15年11月26日(水)14:00〜17:00       場所:厚生労働省(中央合同庁舎5号館18F専用第22会議室)  江草座長  ただいまから、第12回障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会を開催さ せていただきたいと思います。皆様御苦労様でございます。それでは、まず事務局から 委員の出欠状況、進め方、資料などについての御説明をいただきたいと思います。  高原課長  今日は太田、大谷、大森、竹中、中西、室崎の各委員が御欠席でございます。太田委 員からは資料をいただいておりますので、お手元にお配りしております。中西委員の代 理として、尾上浩二DPI日本会議事務局次長が出席されております。有留委員は後ほ どお見えになると思います。  今日の進め方ですが、議事次第を御覧いただきたいと思います。今日は議事として2 つ予定をいたしております。まず議題の1でございますが、地方3団体からのヒアリン グということで、前回、知事会から御意見を伺ったわけですが、今日は、全国市長会の 社会文教委員会の委員長でいらっしゃいます香川県坂出市の松浦稔明市長からまずお話 をお伺いします。次に、全国町村会から御推薦をいただきました広島県の安芸たかた広 域連合の介護福祉課長をしておられます花尾智恵夫課長から御意見をいただくというこ とにしております。お話いただく時間は意見交換を合わせまして、それぞれ30分程度を 予定させていただいております。  議題の2につきましては、サービス供給を支える基盤の在り方ということで、今日は 財源、人材面について御議論をいただくことにしております。事務局から資料も用意し ておりますので、資料の御説明をした後、御議論をいただくということにしたいと思い ます。また、村上委員から資料を御提供いただいております。その際に御説明をお願い したいと思っております。先ほど申しました今日御欠席の太田委員からの資料も事務局 の方から御紹介をさせていただくということにしたいと思います。  また、前回の検討会の際に、東京都の支援費制度の利用援助モデル事業について御説 明をいただくということになっていたかと思います。今日は東京都福祉局障害福祉部副 参事で制度改革担当をしておられます渡邊正則氏から御説明をお願いするということに しております。  お手元にお配りしている資料は、資料1が全国市長会からいただいた資料、資料2が 安芸たかた広域連合の資料、資料3、4、5が事務局で整理した資料でございます。資 料6は前回の議事概要、あとは有留委員、太田委員、村上委員からの資料をそれぞれお 付けしております。資料の不足などございましたら事務局の方にお申し付けください。  江草座長  ありがとうございました。皆さん資料はお手元にございますでしょうか。それでは早 速、議題の1、地方3団体からのヒアリング、全国市長会の社会文教委員会委員長でい らっしゃいます香川県坂出市の松浦市長から御意見を伺いたいと思います。松浦市長さ ん、大変御多忙のところをお運びいただきましてありがとうございます。どうぞよろし くお願いいたします。  松浦市長  御紹介をいただきました全国市長会の社会文教委員長をさせていただいております松 浦と申します。この障害者の福祉施策の現状と課題ということでございますが、私も知 識として知事会のまとめられたものも読ませていただきました。市長会は数が多いもの ですから、全市にアンケートをとって、それでやるというわけにはまいりませんので、 主だった市からアンケートをとったわけです。その中で必ずしも意見がびっちりまとま った、そして、そういうアンケートを基にして意見を取りまとめてきたというわけでは ありません。時間がなかったものですから、それぞれずっと主だった意見を書かせてい ただきました。  それで、この意見の中で若干私と異なった意見がある市もあるわけです。そういうこ とについて、よろしければ全国市長会の統一意見ということではなくて、統一意見とい いますと、ここにあるようなこと、これがこういう意見もあります、こういう意見もあ りますという羅列にしかなりませんので、私も日頃こういうことはやはり必要なのでは ないかということを思っておりますので、そのことも申し上げながらお話をさせていた だこうと思います。  大体大筋では今の問題点というのは知事会と大変よく似ておりまして、お読みになっ たら分かると思いますが、似たような意見が出ております。そこで若干私が感じており ますこととちょっと違う点を申し上げますが、中にはこういう資料1の1の支援費制度 に係る国庫補助金についてという中で、3行目に、将来的には障害者福祉に係る財源を 地方に移譲すべきであるという市もいらっしゃいます。これはどちらかというと知事会 が意見としてお出しになっております介護保険制度の対象とすることによってサービス 基盤の大幅な強化が可能となる、こういうようなことが書いてありますが、こっちの方 の意見に近いかと思います。  ただ、私の場合はちょっと異なった意見を持っておりまして、障害者福祉というの は、介護保険というのは高齢者を対象にしますから、全ての人が対象になっておるわけ です。ところがこの障害者の福祉というのは全ての人が対象ではございませんので、こ ういう人たちに社会参加を求めて、そしてこれは釈迦に説法かと思いますが、ノーマラ イゼーションの思想そのものを日本の中で構築していこうとすれば、これはそこに明確 な国家の意思が働くべきだという考え方を持っております。  それには、今、様々な補助金が一般財源化するというような方向の流れがございます が、障害者福祉については、私はやはり補助金は補助金として残して、国、地方が共通 の考え方に基づいてこれをやっていくのがいいのではないかというふうに思っておりま す。ただ、これは市長会の統一した考え方ではございませんので、その点だけは御理解 を願いたいと思います。  そういう考え方と同時に、もう1つは行政、政治ですから、よって立つ基盤というも のはどうしても財政が一番重要になってまいります。ですから、そのことを無視した議 論というものもこれはやはりあってはならない。やはりそこのところはしっかりと正面 から向かい合って議論をしながら、そして、国と地方合わせてやっていくべきです。  介護保険が国と地方がバラバラだということではありません。それはないんですが、 しかし現実の制度の運営の中では介護保険料は保険者によってバラバラになりつつある わけです。そういうようなことで、この障害者の福祉を捉えるべきではないかというの が私個人の考え方なんでありますが、おそらく同調される市も若干はあるのではないか という気は致しております。  以上が申し上げたい点でありますが、制度上、運営上の中でやりますと、やはり一番 は、誰が、障害者の方の程度をどう判定して、そしてどういうサービスをやっていくか という、その1つの流れがまだ制度上に確立されておらないということが、今は一番大 きな問題ではないかと思います。担当から聞きますと、実際の問題を持ち出して恐縮な んですが、例えば、国は24時間のヘルプサービスをやりなさいと言いながら、1つは総 時間でそれを括ってしまったというような問題がございまして、現場では担当者という のは非常に悩むところなんだそうであります。ケアマネの役割も、今は全部行政の第一 線がやっておるわけですから、そういった面でのきちんとした理論立った1つの障害者 福祉に対する在り方というのは検討が必要ではないかというふうに思っております。  具体的に、あとは施設の問題ですから、そういうふうな問題は知事会でも取り上げら れておりますが、そういうものとほとんど同じでございますので、あえて、またもう一 度繰り返すのはどうかと思います。それについてはこの資料1にまとめてある意見がそ のようなものだということを御理解願いたいと思います。今、申し上げました点がちょ っとその中でも統一は出来ていない点かと思います。以上です。  江草座長  ありがとうございました。ただいまお話を伺いまして、皆さん何かお尋ねなさること はございませんでしょうか。今、市長のお話がありましたように、大変たくさんある市 でございますから、しっかり調査なさったわけではない、そういうことをまず念頭に置 くことと、それから2番目には現場の方の意見をお聞きになっていらっしゃいますが、 市長自身が現場の方ではないわけでありますから、そこら辺りをお考えになって御質問 をいただければありがたいと思います。いかがでしょうか。  大濱委員  一般財源化の件ですが、これは市町村の中でやはり一般財源化した方がいいというよ うな御意見はどの程度あるのですか。  松浦市長  今、国をあげて地方分権の流れという1つの流れがございますが、そういう中でやは り自己決定、自己責任ということが言われておるんですね。そういう流れからすれば、 まず大筋の流れとしては一般財源化、税源移譲という方向が私はあると思います。しか しその中で市長会としても矛盾を持っておりまして、例えば一方で一般財源化、三位一 体を早くやってくれという意見がある、それを主張しながら、こっちの方の補助金はい ただきたい、例えば、この前私は環境庁に参りましたが、ダイオキシンのいわゆる焼却 場を解体する費用は非常に高額なものがかかるわけです。そういったものについては補 助金を下さい、こういうお願いをしていく。非常に矛盾を抱えながら、今、やっている わけです。  ですから私は、全部が全部やはり補助金をカットして一般財源化していくというのは いかがなものかと思います。これは私の元来の主張なので申し訳ないんですが、我々は 市民であるという立場と、県民であるという立場と、それから国民であるという立場 と、これは誰もが持っているんです。これは分けようとしても分けられないんですね。 ですから我々がやっておる地域づくり、これはハード・ソフト両面あるのですが、その 地域づくりというのは、これは県をつくることであって、そして国をつくることの一部 なんですね。  ですからそういう面から言いますと、私はこの補助金というのは一面では非常にいい 性格をもっている制度だと思っております。それは補助金を通じて地方と国の意見を調 整する、そういう補助金の役割を持っておると思っておりますから、全部が全部切って しまうというのは私はいかがなものかと思います。補助金が、この前もいろいろ議論を したのですが、頭を下げる補助金だという認識が一般に行き渡ってしまって非常に困っ たものだ。そうじゃなくてやはり税金であるという、自分たちが使っているお金という のは税金ですから、そのことをしっかり頭に置けば、頭を下げるとか下げないとか、そ ういうような問題ではないというのが、実は私の主張なんです。以上です。  大濱委員  全くその通りだと思いまして、私たちは本当に地域で生活しています。地域で生活す る障害者の福祉の部分は、やはり一般財源ということですと全体の中で薄められるとい うのは非常に危険を感じているわけです。やはりこれはしっかりと障害者の福祉施策に 充てるべき性格の予算である。そういう位置付けをきちんと持っていただいて、補助金 というのはあくまでもこれは私たちが地域で生活する本当に必要最小限な必要なお金な ので、この補助金は義務的な経費で、きちっと国が裁量的経費という形ではなくて、義 務的財源として手当てするという考えで私たちはおります。市長会としてもそのような 御意見ということで認識してよろしいわけですか。  松浦市長  いや、市長会は実は一概にそうとは言えないんです。これはさっき申し上げましたよ うに、1つの流れとして税源移譲、ローカルオプティマムというようなことに移行しよ うという流れは、市長会も大筋ではそっちの方にいってるんです。私はその中でもどっ ちかというと異質でして、個人的な意見は、だからその点は御理解をいただきたいので すが、しかし私はこういう主張はしていくべきだと思いますね。  日本がノーマイラーゼーションという、そういう思想を踏まえた国家体制をとってい こうとするのであれば、私は人権が政治の一番の基本だと思っておりますから、こうい うことはやはり国がきちんとやるべきだ、補助金という形でやはり国と地方がきちっと 意思の疎通を持ちながら作っていくべきだと、そういう意見です。   江草座長  他にございませんか。  佐藤委員  ちょっと私が聞き漏らしたのかもしれませんが、もう一度確認のためにお伺いしたい と思います。先ほどお話の最後の方に介護保険が現状市町村によってかなりバラツキか 出てきている。障害福祉に関してはこのようなバラツキがあってはならないとおっしゃ いましたね。  松浦市長  本来あるべきではないと思いますね。介護保険もあるべきではないと思いますよ。  佐藤委員  従って、先ほどおっしゃったノーマライゼーションの理念を国家意思としてきちっと 浸透させるために今後施策はあるべきだと、この御意見に対しては大変共鳴するところ なんですが、それを具体化していくプロセスの中で介護保険のやり方、これも介護を社 会化していこうということが基本理念としてあったわけですが、結果としてこのような バラツキが出るということになると、介護保険のような方式は必ずしも好ましくないと いうふうにお考えでしょうか。  松浦市長  そう思っています。それともう1つは、介護保険というのは、これは全員が介護の対 象になるという前提があるわけです。ですから保険として極めて理解がしやすいのです が、障害者の場合には、いわゆるそういうような形での保険というものはつくれない。 だから私はこういうものはそうじゃなくて、皆さんの税から1つ国のやり方として別枠 でやっていくべきだ、そういうのが私の意見でもあるんですが。  佐藤委員  討論をしてもよろしいでしょうか。  江草座長  先ほど御紹介したように、松浦市長さんは市長会から御出席ですが、市長会の意見を まとめて来られたわけではないので、そのことをよく理解した上での討論にしていただ きたい。  佐藤委員  市長さんの今の御意見に対してということですね。1つは介護保険の現況のバラツキ というのは、必ずしもそれぞれの区市町村、具体的には首長さんの見識やその問題に関 しての理解ということが主要な側面ではなくて、多分それぞれの市町村の例えば高齢化 率の問題であるとか、現状の社会資源の整備の問題であるとか、そういうことによるバ ラツキではないかと思っておりまして、介護保険、これは誰も承知していることで繰り 返すまでもありませんが、半額は国の税が投入されているという制度によって支えられ ていまして、まずはこのバラツキに関して多少評価が、まだそのような評価はやや早計 ではないかと思っておりまして、私自身は介護保険というシステムは現行の介護保険制 度には様々問題はあるにしても、今後障害者福祉を考えていく上での非常に重要な手法 ではないかと思っていますので、このように発言しているわけです。  次にその障害者福祉の問題ですが、ただいまの市長さんの御指摘によれば、介護保険 は老人すべての問題だ、でも障害者問題はそういうわけにはいかないというふうなこと だったかと思いますが、介護保険もそもそもは高齢によって障害を持つことになった人 たちのための介護問題をどうするかということであるわけでして、障害の問題も現状は 確かに特定の人たちの、あたかも特定の人たちのための福祉であるかのように言われて おりますが、これは誰がどのような状況の中で障害者を背負うことになるかも分からな いし、あるいは、人間もうこれはいろんな方々が指摘されておられるように一定の比率 で障害を持って生れてくる人たちは必ずいる、そのことに関して社会的に支え合うとい う意味では保険という基本的な概念は障害福祉も十分に馴染むものではないか。あるい は、そういうものを馴染ませていくということがノーマライゼーションの思想を国民的 なものにしていくということになるのではないかというふうに思っておりまして、どう でしょうか。  江草座長  佐藤さん、松浦さんは今日もお急ぎの途中で来ておられるので、席を立たれなきゃあ いけない。それで今のことで何かこれを御返事いただけるだろうかというふうにおっ しゃっていただけませんか。つまりあなたの説を述べられたのはいいんだけれども、あ なたは討論というふうにおっしゃったけれども、私は質問というふうに受け取っておる わけですが、その範囲で市長さんにこれはどうですかというふうに聞いて下さい。  佐藤委員  それで、今申し上げたようなことに関していかがでしょうかということなんですが。  松浦市長  税でやるか保険でやるかということで、私はそんなに違いはないと思うんですが、税 でやってもこれは国民全員で負担するということですから。私は、障害者というグルー プを作ってしまったということをおっしゃれば、それはそういうことになるかもしれま せんが、しかしそれを全員で支え合うかどうかという問題は、税でやろうが介護でやろ うが、そうこだわることではない。しかし、税でやるというのは国家の意思をまともに 出していく、こういうことで私はいいのではないかという気がしておるのですが。  板山座長代理  大変大事な御発言をいただいたんですが、今は、市長会で人口の大きな市から小さな 市まで障害者施策は数が少ない、対象者が少ないということもあって、計画すらも作っ ていない町村や市もある。計画を作られても全ての障害者を対象にしない、精神障害な どオミットしている、そういう市もある。さっき介護保険の市町村自治体間でのアンバ ランスをおっしゃいましたが、障害者施策はもっともっと大きなアンバランスがある。 ほとんど手をつけてない市すらあるんですね。このことについては市長会としてはどの ようにお考えですか。  松浦市長  それはやはり認識のずれがバラツキの中には出てくると思います。それはこれからや はりこういう議論はなされていくわけですから、その中でそれぞれの市が自覚をしてい くと思いますが、今、支援費に変わって、あれっそういうことかという、実際そういう 私も初めはその違いがどういうことかなと思っておったぐらいですから、やはりこれか らこういう議論はどんどんされていくんじゃないでしょうかね。  江草座長  ありがとうございました。それでは頂戴した時間がまいりましたので、松浦市長さ ん、どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。  松浦市長  これは私見でございますから、どうぞ1つ。  江草座長  続きまして、広島県の安芸たかた広域連合の介護福祉課長をされていらっしゃる花尾 さんから御意見を頂戴いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。  花尾課長  広島県の安芸たかた広域連合の介護福祉課の花尾と申します。よろしくお願いいたし ます。この議事次第の中にありますように、全国町村会推薦ということになっておりま す。全国町村会2,503団体あるそうですが、その1団体ということでお話を聞いていただ ければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、お手元に資料を用意しておりますので、それに基づいて少し高田郡の現 状、あるいは障害者福祉の進め方というか、そこら辺のところを話をさせていただい て、現状の状況、課題、それから今後の在り方についてということになればなというふ うに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  まず最初に高田郡の状況ですが、広島県の中北部に位置をしておりまして、6町で面 積が538.17平方キロメートルという、かなり広い地域です。人口が34,439人、これは平 成12年の国政調査ですが、高齢化率が30.8%、少子高齢化が進んでいるという中山間地 域でございます。  次に高田郡の障害者福祉の施策の状況でございますが、そこに表をお示ししておりま すが、まず、身体障害者手帳を所持されている方が全体で2,039人。このうち約70%を 超える方は65歳以上の高齢者ということで、高齢化が進んでおります。そして療育手帳 を所持されている方が全体で257名、18歳未満の児童の方が約9%ということで、1割 ぐらいの方が児童ということになっております。それから精神障害者保健福祉手帳の所 持者が129名いらっしゃいまして、約70%が在宅での生活ということでございます。  そのような状況でございますが、高田郡全体では手帳所持者の総計は2,425名という ことになりますが、人口10,000人少しの吉田町がありますが、それを除いて他の5町で は、少ない町では約250人、多い町でも440人程度というような状況でありまして、各町 では障害者手帳を持っておられる方の人口が少なくて、障害者福祉施策の取組も十分と はいえないという状況がこの間ありました。  そのような中で広島県から平成10年度に集落生活拠点整備モデル事業という事業を受 けまして、高田郡6町で一体的な行政施策を推進しようという話になりました。その中 でちょうど6町で障害者プランをどうするかという議論をしておりまして、それじゃあ 障害者プランも高田郡としてプランを作っていこうではないかということになりまし た。平成11年4月に一部事務組合として高田郡広域行政組合というのが設立されました が、その中に広域行政を推進する広域行政課が設置されてまして、障害者福祉計画策定 に向けて各町の関係課、あるいは郡内の施設、あるいは障害者福祉関係団体、あるいは 各町で懇話会を開く等々いろんな方の御意見をいただきながら、平成12年6月に10年計 画として高田郡障害者プランが策定されました。  あわせて、重点推進計画として4カ年という計画ですが、12年から15年度まで、本年 度で実施計画は一応、また次の計画を作る必要がありますが、高田郡障害者プラン実施 計画書というのを策定をいたしまして、具体的な施策を進めていきました。  この高田郡広域行政組合というのは介護保険制度の運営、あるいは障害者福祉を推進 するために広域連合で実施をしようということになりまして、同年12月末に解散をいた しまして、平成12年1月に安芸たかた広域連合というのを設立をいたしました。それで 平成13年度は実施計画書に基づきまして基盤整備を推進するために障害者デイサービス センター、あるいは知的障害者の更生施設、あるいは精神障害者、生活支援センター 等々整備をいたしまして、平成14年度から職員を増員いたしまして障害者福祉事務や精 神保健福祉事務を実施をし、平成15年度からの障害者支援費制度に向けて実施体制を整 備をしていったところでございます。  それから高田郡障害者プランでございますが、このプランの推進につきましては、高 田郡ではプランを作成したというだけに終わらせないように、策定に携わっていただい た委員さんを中心として、高田郡障害者プラン推進協議会というものを組織をいたしま した。それぞれの年度におけるプランの推進状況や今後の方向性について意見をいただ き、より内容のある障害者プランになるように、今現在、大体年3回ぐらい開催をさせ ていただきまして、推進状況の報告、あるいは意見をいただきながら行っているところ です。  次に、支援費制度の実施状況を少し話をさせていただきます。2頁の下のところに高 田郡内の居宅支援事業所の数を載せております。在宅関係だけでお話をさせていただき ますが、居宅介護の事業所が5事業所あります。そのうち4事業所は介護保険の訪問介 護事業所でございます。それからデイサービスセンターは身体障害者のデイサービスセ ンターとして高田郡内に1か所整備をしております。それからデイサービスですが、知 的な障害のある方の利用については相互利用ということで現在実施をしております。  次に3頁ですが、それでは支援費の支給に当たってどういう方法をとっているかとい うことですが、広域連合では、行政だけでの決定では従来の措置型になっていけない、 行政指導になってはいけないということを懸念をいたしまして、支給申請に基づいて訪 問調査から支給量決定までのプロセスに市町村障害者生活支援事業を平成14年度から実 施いたしておりますが、その事業を委託している生活支援センターのコーディネーター に参加をしてもらっております。これは支給決定した後のサービスの利用等についての アセスメント、あるいは事業所との連携、あるいは苦情等いろいろありますが、そう いった相談などの生活支援事業を支援費制度の円滑な運営確保のための中心となる事業 としてとらえて広域連合の方では実施をしております。  次に、支援費の支給決定と利用についてでありますが、4頁以降は少し表にしており ますので御覧をいただければと思います。これは高田郡での人口の少ない中での実施状 況ですので、そんなに大きな数値ではありませんが、高田郡の現状でございます。下の 方に少し文章を加えておりますが、身体障害者の方の身体介護の延べ支給決定時間と実 利用時間の割合を見ますと、76.3%ということになっております。最大支給決定時間と 最大利用量の時間の割合は95.2%ということになっております。それから家事援助につ きましては、延べ支給決定時間と実利用時間の割合が30.3%ということで、利用決定の 方が約3分の1ということで、少ない状況になっております。最大支給決定時間と最大 利用量の時間は同数の利用となっております。  それから、知的障害者の方の場合ですが、身体介護の延べ支給決定時間と実利用時間 の割合は53.9%で、最大支給決定時間と最大利用時間の割合は77%ということになって おります。それから家事援助の延べ支給決定時間と実利用時間の割合は44.3%、約半分 程度の利用ということになっております。それから最大支給決定時間と最大利用時間の 割合は76.7%でございます。児童についてはサービスの利用は少ない状況であります。 これは大方の方が母親が介護をされておられますので、母親の介護によって利用が少な いのだというふうに私どもの方では理解をしております。  それから、それぞれの移動介護についてですが、表を見ていただきますように、利用 決定と実利用に大きな開きがあります。これは近くの買い物とか通院介助につきまして は、移動介護が提供がなされているのですが、遠距離への移動介護にサービス給付がな されておりません。たとえば高田郡から広島市の方へ出て行きたいというような遠距離 の時に、公共交通機関等を利用しての長時間の移動介護となりまして、サービス事業者 が提供できないという状況が現実はあります。  次に5頁でございますが、デイサービスの利用状況です。高田郡では身体障害者のデ イサービスというのは、先ほど御説明させていただきました。身体障害者の方の決定回 数と利用回数を比べると、その全体の利用率が54%、障害区分別に見ますと区分の1の 方で利用率が60%、区分2の方で59%、区分3の方で48%というのが利用率となってお ります。  それから、延べ利用人数で見ますと、区分1の方は100%の利用で全員の方が利用さ れている。区分2は84%、区分3は78%というような状況でございます。介護保険と 違って重度の方の利用が多くなっているという状況でございます。  それから、知的障害者の方については相互利用で実施をしております。児童のデイサ ービスにつきましては、管内並びに近隣に実施施設がないということで、残念ながら児 童の方のデイサービスが実施できてない状況でございます。  次に短期入所ですが、6頁に表をつけております。身体障害者の方の利用は現在利用 されておりません。これはサービス提供事業者がないということではなくて、他の個人 的な理由ではないかなというふうに思っております。それから、知的障害者の方並びに 児童の方につきましては8時間未満の利用が最も多い状況となっておりまして、特に児 童の利用については7月8月、要するに、夏休みの長期休暇のための利用というのが多 くなっている状況でございます。  それから、7頁のところに直接支援費制度に関わってということではありませんが、 市町村障害者生活支援事業の実施状況を載せております。これは御覧いただければと思 いますが、高田郡においては専門的な相談支援を実施し、障害者福祉を推進するために 平成10年度から導入いたしました。社会福祉法人に委託して実施をしておりますが、支 援費制度に向けて30万人に2カ所ということではございましたが、相談支援体制は欠か すことのできない事業として取り入れたものでございます。先にも述べましたが、ケア マネジメントやサービス利用の調整など、生活支援事業、支援費制度の円滑な運営確保 のための中心の事業という具合に広域連合ではとらえているところでございます。  次に8頁ですが、支援費制度が始まりサービス給付に関する制度の課題などについて 話をさせていただきます。まず、サービスの確保についてでございますが、ホームヘル パーの確保や事業者の確保が困難、支給決定に見合うサービス給付を行うことができな いということがあります。これはまた後ほど単価の問題とあわせてお話をさせていただ ければと思います。  次に二点目ですが、女性のホームヘルパーさんはたくさんいらっしゃいますが、残念 ながら男性のホームヘルパーは、今、1名でございます。というところでなかなか男性 のホームヘルパーの確保はできないという状況で、若い男性の方のヘルプサービスが困 難な状況が今現在としてあります。それから移動介護ですが、先ほど話をさせていただ きました遠隔地への移動介護の提供は困難という状況があります。これは目的地のサー ビス事業者との連携をしながら、今後こういった遠隔地への移動介護の提供について取 り組んでいきたいなというふうに思っております。  それから児童、低年齢児の短期入所。これは先ほど言いましたように、残念ながら近 隣に児童の施設がございません。そういったところで小学生以上については長期休暇な どで引き受けが可能なのですが、低年齢児になると施設としてなかなか難しいというと ころがございまして、そこら辺の提供が困難でございます。  それから制度に関わってですが、まず単価の問題です。ホームヘルプサービスの家事 援助の単価等が介護保険と比べますと非常に単価差があります。そういうことで事業所 確保のためにも報酬単価の見直しは必要ではないかなというふうに思います。これは事 業者の報告をさせていただきましたところで、高田郡では5事業所のうち4事業所が介 護保険の事業所でございます。  ということで、ほとんど介護保険の事業所の方にお願いをして実施をしているところ ですが、各事業所もホームヘルパーの派遣についてほとんど余裕のない状況で実施をし ていただいております。また、ヘルパーの確保もなかなか難しいという状況がございま す。このような状況からサービスを提供する場合、事業所としては単価の高いヘルプサ ービスを優先というのは致し方ないところかなというふうに思っておりますが、是非こ ういった単価の差がないような制度をお願いをしたいというふうに思います。  それから、あとは中山間地域でございまして、事業所からホームヘルプサービスを提 供するお宅への移動時間というのもかなり長時間にわたるため、コストのことが考慮さ れまして、なかなか長距離のホームヘルプサービスが提供が難しいということがありま す。できればそういった移動時間についても考慮いただければなというところでござい ます。  それから、ホームヘルプサービスの提供時間に対する国庫の補助基準が示されており ますが、具体的な基準とそれに対応する補助基準を是非明確にしていただきたい。ま た、基準につきましては、現在、一般の障害者、視覚障害者、あるいは全身性の障害者 というように3区分に分かれておりますが、御承知のように個人の障害と生活のしづら さというのは千差万別でございます。というところで、是非障害の状況について十分考 慮したものを考えていただければなというふうに思います。  それからデイサービスですが、デイサービスに医療職員の配置規定が明記されており ません。したがってデイサービスの施設の集まりの中で医療行為が必要な利用者の利用 が制限されているというような話も聞くことがあります。是非職員の配置と報酬単価の 改定について御検討をいただければと思います。  それから希望のサービス内容につきまして、支援費制度、これは生活支援というとこ ろでこの支援費制度はスタートしております。そんなところでサービスの内容について 私どもの方も御希望いただいて、どうすべきかなと判断に困るような事例が実際ござい ます。難しいとは思いますが、ある程度明確な基準が必要ではないかなというふうに 思っております。それからこれはもちろんのことですが、サービス従事者の資質向上の ためにそういった手だてが必要ではないかなと思います。  次に、9頁の地域生活支援を推進していくための今後の方向についてということでご ざいますが、1点目の中山間地域等における基本的サービスの充実のために広域的な連 携でというふうに書いております。これは高田郡で行っておりますので、そのことを書 かせていただきました。高田郡のような中山間地域ではサービスの確保が困難でござい ます。また先ほども言いましたが、1町では対象者が少ないということで、なかなかそ のニーズに対応した制度ができなかったという状況がございました。  そんなところで高田郡では高田郡6町で高田郡障害者プラン、6町でまとまれば少な いニーズも具体的な数値になるし、また、少ない社会資源も6町で有効に活用すること ができるのではないかなというようなことで、障害者プランを作りまして現在実施をし ているところでございます。このような近隣の自治体の連携による調整が、社会資源の 有効活用やサービス提供につながっていくものではないかなというふうに思います。  それから2点目ですが、小規模通所授産施設等の通所施設を地域の生活支援の拠点に ということでございます。国の障害者基本計画に障害者が身近なところで施設を利用で きるよう小規模通所授産施設等の通所施設や分場整備うんぬん、また障害者施設は各種 在宅サービスを提供する在宅支援の拠点として地域の重要な資源として位置付け、その 活用を図るということが書いてあります。私もこの方針はもっともだというふうに思っ ております。  高田郡にもありますが、小規模通所授産施設、通所人数は20人未満ということになっ ておりまして,通所者の人数も少なくて、障害者の状況の把握、あるいは地域の中の施 設として地域に定着している施設でございます。そんなところで小規模通所授産施設と いうのは最も身近な地域生活支援の拠点と位置付けるべきだなというふうに私どもの方 では考えております。  しかし、小規模通所授産施設の職員配置基準の中では、多分常勤1名を雇えば、あと の職員は非常勤体制でやらなくてはいけないというのが私は現状だと思います。そんな ところで通所されている障害者の方の障害の重度、あるいは重複化というのは今後進ん でおるような状況で、そういう中での職員の配置は十分ではないということが多分指摘 されているところではないかなというふうに思っております。そういうところで在宅支 援を推進する施設としてとらえていただきまして、職員配置基準等の適正化を考えてい ただければなというふうに思っております。  3点目は相談支援体制の確立のための障害者の生活支援事業を支援費制度に位置付け へということを書いておりますが、高田郡においてはこの障害者の生活支援事業を平成 14年度から取り入れております。残念ながらこの事業はその年に一般化されてしまいま した。この制度は広島県においてそうですが、全国的に各市町村に確実に定着した事業 と私はなってないというふうに思っております。  障害者の方の社会参加を目指すためには、この相談支援体制というのは私は欠かすこ とのできない事業というふうにとらえております。特に支援費制度に関わっては、居宅 支援サービスやその他のサービス等を適切に利用できるようにケアマネジメントの手法 というのが言われていますが、その手法は欠かすことのできないものがあると思いま す。それぞれの障害について専門的に適切にケアマネジメントできる障害者を明確に位 置付けていただきまして、相談体制の確立というものが大切でございます。この相談支 援を推進するためには、障害者生活支援事業が最も適当という具合に思っておりますの で、支援費制度の位置付けをしていただき、費用保障の仕組みを是非設けていただきた いというふうに思っております。  4点目は財源の確保についてですが、広島県も先週、支援費制度の財源について各市 町村の担当者を呼んで説明がございました。その説明の中では財源が確保できないとい う国の説明でございました。でも、支援費制度の充実に向けての財源の確保というのは どうしても必要なものでございます。高田郡におきましても少ない社会資源の中で障害 者の方のニーズについて、いかにサービスを確保するかということで努力をしていると ころでございます。しかし、国において財源がないことを理由に補助金が確保できない ということになれば、これはおのずとしてサービス給付制限を検討することを避けられ ないのではないかなというふうに思います。支援費制度は始まってまだ1年経っており ません。是非、国においては確実に2分の1を市町村に保障し、財源不足を市町村に転 嫁しないようにお願いしたいと思います。  5点目は相互利用ですが、支援費制度は障害別の法律に基づいて制度が作られており ます。従いまして、障害種別の違う制度を利用する時に相互利用制度となりまして、利 用者にとって、とても理解しがたい制度でございます。できれば事務の複雑化をなくす る上でもこういったものが同じ支援費制度の中で対応できるようにお願いをしたいと思 います。  それから、6点目のグループホームですが、施設等へ入所されておられる方で地域社 会で生活できる方、あるいは家族から離れて生活をしたいという方はたくさんいらっ しゃいます。でもそうは言っても、一人暮しは困難という方がおられます。地域での生 活を支える柱としてグループホームの整備が必要です。今、運営費は補助として認めら れておりますが、施設から地域生活移行の推進のため、住宅の取得、あるいは改造等も 含めた助成の拡充ができればなというふうに思っております。そこら辺のところを御検 討いただければなと思います。以上で終わります。  江草座長  ありがとうございました。詳細な御説明をいただきまして感謝いたします。ただいま のお話にお尋ねはございませんでしょうか。  京極委員  大変立派な活動と、そして丁寧な御報告をありがとうございました。特に障害者と高 齢者の区分についてなんですが、概ね40歳から64歳の障害者を支援費制度でと、それか ら65才以上は原則としては介護保険制度をというのは多いのですが、この高田郡ではど ういう仕分けをしているか。また特に65歳以上の方の障害者で、例えば、全身性障害者 とか、非常に在宅ケアもサービスをたくさん必要とする人たちについては、介護保険は 支給限度額がございますので,それは支援費を出してやっているのかどうか、その辺り を伺いたいと思います。  花尾課長  一応、国の方の施行で40歳から64歳、それから65歳以上の方については介護保険でと いうことになっていますので、一応そういったものは支給等をしてはおりますが、65歳 以上の方でも、例えばデイサービス等につきましてはリハビリということを目的とし て、希望されれば支援費制度のリハビリのためのデイサービスは利用していただいてお ります。  それから訪問介護につきましては、今現在のところは実際そういった希望が出ており ませんので、提供はしておりませんが、介護保険制度では対応できないので、ホームヘ ルプサービスを提供していただきたいという御希望が出れば、それは御希望に沿うよう にしていきたいというふうに思っております。現実は、今のところ出ておりません。  笹川委員  大変貴重な御報告をありがとうございました。広域的にサービスを提供するというこ とになりますと、特に山間部などでは移動にかなり困難があると思うんですが、実際的 な面で車を使うというようなことはどうなっているんでしょうか。  花尾課長  デイサービスにしてもホームヘルプサービスにしても、全てヘルパーは車で移動いた しますし、デイサービスも1カ所しかございませんので、ワゴン車とか軽四とか2台3 台に分かれて一斉にバーッと迎えに行ってやっているような状況でございます。片道1 時間ぐらいかかるところもございまして、なかなかそこら辺で送迎の時間、それからサ ービス提供について調整するのが難しいというところがございます。  特にホームヘルプサービスについて、身体障害者、知的障害者、精神障害者、この3 障害を全て提供してくれる1つの事業所がございますが、やはりホームヘルプサービス を1時間をかけて、たとえば1,500円の家事援助をしに行くというのは事業所としても ちょっとしんどいというところがございまして、そこら辺でなかなかサービス提供が困 難なことというのは現実にあります。  谷口委員  いつも安芸高田には行かせていただいております。よろしくお願いします。4頁の表 を見てみますと、身体障害者の部分で、身体介護を伴う移動介護と日常生活支援に関し ましては、全て0になっております。ということは支援費のサービスの特性から申しま して、重度の身体障害者に関しては外出が保障されていないというような感覚を得るわ けですね。この辺に関しましてはボランティアさんであるとか、そういうふうな何か代 替するものがあるのかどうか、ちょっとお聞きしたいなと思います。  花尾課長  ボランティアというか、シルバー人材センターがございますので、まだそこら辺のと ころの調整は図っておりませんけれども、確保できないのであれば、何らかの打開策は 考えていかなくてはいけないなというふうには思っております。  谷口委員  これをサービス提供する事業所がないと考えられるんでしょうか。  花尾課長  そうですね。先ほど話をさせていただきましたが、介護保険事業の事業所がほとんど でございます。ホームヘルプさんもギリギリでサービス提供でヘルパーさんを配置して いるところでございまして、ヘルパーの人数も少ないというところがございます。そう いうところで長時間にわたって移動介護をするということになると、どうしても事業所 の方がヘルパーさんを確保することができないということで、サービス提供が困難だと いう状況でございます。  早崎委員  社会福祉協議会の職員ですので、社会福祉協議会の関わり方をもし少し説明していた だければと思いますが、単価の問題で課題とか方針というのが、行政のお立場からこの ぐらいたくさん私たちが議論していた内容が報告されたというようなことだと、私たち 共鳴するところが多いんですが、例えば、単価設定というのが国の単価がこうだからと いうので、私たちも障害者支援なり、精神障害の方も含めてそうなんですが、家事援助 が1,530円であるということで、一方的に来るわけですね。  そうすると高齢福祉の場合は2,080円ですよという言い方をしますと、はいわかりま した、これは介護保険制度に合わせて2,080円ですというふうに進んでいくんですが、 障害者の場合は常に国の基準が1,530円だからというところで、締めてしまうんですね。 というふうになると行政側が国がこうだからというので、市町村レベルで、あっ、それ ならサービスをきちっとするために上乗せをするという考え方がないのかというのが1 つあるんですね。  もう1つは、遠隔地ということはあるんですが、ヘルパーの利用の仕方ということか らすると、わざわざ介護タクシーを使ってヘルパーが乗るということは禁止されますの で、公的なタクシーを使ってヘルパーが移動に伴うというような、何かぶちぎれになっ ていますので、そこら辺、市町村というレベルからすると、ミックスで事業所の公用車 はいいよというような許可制というものは、まあ陸運局の問題がありますが、思い切っ て出来ないものか。  もう1つは、自主的な活動というものを行政が事業者に奨励するというような在り方 というのも、行政側として考えられないのかということがありまして、単価問題という のは私たちの実績からしますと、小さな時間ですが、介護保険と障害者支援は500円も 違うんですね。それと移動を伴う介護と、介護の中で身体と家事援助という、この2分 類が出来たためになかなか視覚障害者の方の支援が移動ということで出来にくくなって いるということも聞くんですが、こういう問題を国に問題提起をするということもあり ますが、市町村レベルで思い切って、それをアップして実績を示していく。そのことに よって国、県もある意味からすると流れが実績に伴って変更していくというようなこと も逆にあるのではないかというふうに思いますので、そこら辺をちょっとお考えを聞か せていただければと思います。  花尾課長  今の御意見のように単価については、国の基準は、これはあくまでも最低である、こ れの上については各自治体の方でやってくださいということになっております。これは 私個人の意見ですが、確かに障害者の方のサービスを確保するために今の単価の上乗せ をせざるを得ないかなというふうに考えているところはございます。でも、まだこれは 私だけで判断するわけにはいきませんので、高田郡6町あるのでそこら辺で調整が必要 ですが、サービスの確保が難しい状況になれば単価の上乗せ、あるいはヘルパーの確保 に対する助成、そこら辺のところも考えざるを得ない状況が出てくるのかなというとこ ろは、思うことは思っております。  それから、後は移動についてですが、今、社会福祉法人の方に社会参加促進事業の中 で重度障害者の移動支援事業というのをやっております。過去、これは利用されて移動 介護等合わせて遠方に行かれた方もいらっしゃいますが、そこら辺のところを考えなが らサービス提供を拡大する必要があるかなというふうには思っております。  あとは自主的な活動についてでございますが、これも同じく社会福祉法人の方で生活 支援事業をお願いしているところの社会福祉法人ではございますが、そこら辺でいろい ろとボランティアを確保していただいて、自主的な活動をしていただいているところが ございます。そこら辺のところは残念ながら広域連合として財源の裏打ちは今のところ しておりませんが、そこら辺の自主的な活動は行政としては望むところではございま す。  江草座長  はい、ありがとうございました。それでは先ほどからお待ちいただきました尾上委員 代理お願いいたします。  尾上委員代理  どうも貴重な報告をありがとうございました。この間、検討会でも全国の市町村なり の調査でサービスの伸びということが言われておるんですが、具体的にこのところで サービスの4月以降の利用者の数とか時間は書いておるのですが、支援費導入以前から 比べた時にどれぐらいの伸びになっておるのかということと、もう1つが事業所が例え ば居宅の場合ですと5か所ということが書かれておりますが、これが支援費以前はどれ ぐらいの事業所の数だったのかということを、もし手元に資料があればお聞かせ願えれ ばということが1点です。  もう1点が、先ほど単価の問題に関わって、ヘルプステーションからお宅へ行くまで の移動時間の話があったんですが、もう1点、先ほど移動介護の決定と実利用の差がす ごく大きいということがありましたが、これは遠距離の移動の時に公共交通機関がなく て車を使わなければ行けなくて、それがいわば支援費の対象にならないということが原 因なのか、遠距離ということと開きがあるということとの差を、その背景をもう少し説 明していただければなと思います。  花尾課長  デイサービスにつきましては、昨年度14年度から実施しておりましたので、今、10月 段階でデイサービス身体障害者の方が38名、知的障害者の方が4名で、合わせて42名い らっしゃいます。4月段階では34名程度でございましたので、これは措置の時代から ずっと利用されておりましたので、これの伸びは今でもずっと伸びております。急激な 伸びはしておりません。ただ、ホームヘルプサービスにつきましては、身体障害者の方 が14年度は4名、知的障害者の方が2〜3名だろうと思うんですね。それから児童が2 名でございました。身体障害者の方が今の実績では9名です。知的障害者の方が16名、 児童が4名となっておりますので、知的障害者の方の伸びがかなり伸びているという状 況がございます。  事業所につきましては、社会福祉協議会が介護保険の訪問介護の事業所をやっており ますので、そういった社会福祉協議会の事業所の方にお願いをしておりました。事業所 の数につきましてはそんなに変わっておりません。  あとは遠距離移動ですが、遠距離で移動する時にヘルパーさんがその間ずっと移動介 護でついていなくてはいけない。例えば、高田郡から広島までJRを使って往復すれば それだけで3時間以上かかる。向こうでの何らかの介護をすればそれプラス何時間かか かるということで、まず、先ほど申し上げましたようにヘルパーさんそのものがそれだ けの時間を提供するのに、ヘルパーさんが確保できないというのが残念ながらございま す。人数が少ないということです。そういう面で、もし途中JRならJRを1人で乗れ るような状況の人であれば汽車の駅まで介護して、広島駅に着いてから介護する遠方の 事業所との連携をとりながらする必要があるのではないかなという、少し先ほど話をさ せていただいところでございます。  江草座長  ありがとうございました。他にございませんか。それでは、安芸たかた広域連合の方 の御報告を終わらせていただきますが、ちょっと本題とは関係ないんですが、私から一 言お尋ねしますが、お宅は自治体の合併は日程に上がっているわけですか。  花尾課長  そうですね。一部の広域行政組合を作った時、それから広域連合を立ち上げた時には 合併という問題はなかったんですが、広域連合を立ち上げて合併問題が急浮上いたしま して、来年の3月1日に合併の予定でございます。  江草座長  ああそうですか。私が、今、お尋ねしましたのは、このように住民生活に密着したサ ービスがまず展開されて、あるいは合併によってこのようなサービスが充実するという 表裏一体でなければ合併の意味がないんじゃないかと常に思っておるものですから、多 分これは下敷きになって、これまでうまくいったんならいいじゃないかと思いますが、 どうでしょうか、森市長さん。  森貞述委員  たまたま今介護保険の方でも合併の問題で、給付水準が低下をするということを含め て、そうするとある面では本来合併というのは地域住民にとってより良きものであると いうのが目指す方向なんですが、それが逆にいうとマイナス方向に作用する、そうする とせっかく分権の時代の中で市町村が自立をしていく、それがある面ではそこで棒折れ になってくる、そういう心配というのは特に福祉の面でものすごく大きな影響があると いうふうに私どもは理解しております。  江草座長  ああ、そうですか。それじゃあ安芸たかた市というんですか。おめでとうございま す。今後の御活躍をお祈りいたします。ありがとうございました。それでは予定したお 話が予定通りで進んでおりますので、ここで10分ほど休憩いたしまして、気持ちを変え てまた次の議題に入っていきたいと思います。                 ・・・休憩・・・  江草座長  それでは再開をさせていただきたいと思います。議題の2でございますが、サービス 供給を支える基盤の在り方についてであります。事務局から資料の説明をしていただ き、その後で御質問御意見を頂戴いたしたいと思います。では、どうぞ御説明くださ い。  長田補佐  障害福祉課の長田でございます。よろしくお願いをいたします。私の方から資料3、 4、5について御説明を申し上げたいと思います。まず、資料3でございますが、これ は、在宅の障害者あるいは障害児を支援する地域の障害者福祉サービスの基盤、それか ら人材のイメージを図示したものでございます。検討会での御議論の参考にしていただ くための資料ということでございまして、これで全て網羅しているわけではございませ ん。主なサービスだけをここに記載させていただいております。  太線の四角で囲んであるのが人材の関係、それから細線の四角で囲んであるのがサー ビス提供の箇所数ということになります。真ん中に全国の障害者の数を表しておりま す。身体障害者の数342万6,000人、そのうち、在宅の方が324万5,000人。知的障害者の 方は35万6,000人で、うち在宅の方が23万5,000人。障害児の方が19万3,000人、うち在 宅の方が17万6,000人と、こういう数字になっております。それぞれ矢印が向いており ますが、矢印の先の方がサービスというふうにお考えをいただきたいと思います。  左側に書いてありますグループが、前回の検討会でも御紹介を申し上げました相談支 援の体制というものを簡略化していただいたものでございます。それから、上の方のグ ループがホームヘルプサービスということになります。指定事業者が全国に20,889か所 ございます。そして障害者のホームヘルパーの数が52,542人、ガイドヘルパーの方が 91,355人いるという数字になっております。ただ、この数字は都道府県などで所定の研 修を終了したものというふうに知事が認めたものの数でございまして、実際に働いてお られるという方の数ではないということに御留意をいただきたいと思います。  その他のグループとしまして、右側に通所の施設、あるいはショートステイ、あるい は就労、あるいは生活の場といったものについて指定事業者数、あるいは整備箇所数を まとめておりますので御参考にしていただければというふうに思います。  続きまして、資料4の関係でございます。資料4は、今回、財源のお話をしていただ くということで、事実関係を整理をさせていただいたという参考資料でございます。そ のあらましを御説明申し上げますが、政府全体の予算がどのようになっているか、その 中で障害者福祉の予算、あるいは支援費関係の予算というのがどういうふうに位置付け られているかといったことを示したものです。1頁目は、15年度の国全体の予算の状況 ということでございます。左の円が一般会計の歳入ということでございまして、所得 税、あるいは消費税、あるいは法人税などによる税収が全部で42兆円弱、5割強の割合 になっている。それから一方、公債金、これは国の借金ともいえるものでありますが、 これによる収入が36兆円強、約45%の割合になっているということでございます。  その右側の円でございますが、これは歳出を表したものでございます。このうち左の 上の方に書いてあります国債費、これはこれまでに発行いたしました国債についての利 払いといったものでございます。国は借金をしながら過去の借金を返済しているという 状況にあるということでございます。この国債費と地方交付税交付金、それぞれ約17兆 円、これを除いた一般歳出は右側の黒いところでございますが、約48兆円、一般会計全 体の58%強というふうになっているということでございます。  その一般歳出のうち、社会保障関係経費につきましては約19兆円弱という数字になっ ておりまして、一般会計全体から見ますと23%、一般歳出の内訳で見ますと、ちょっと 数字がここには書いてございませんが、約4割ということになっているということでご ざいます。  その一般歳出のうちの社会保障関係費の内訳は、右の円の上の方に書いてあります通 り、社会保険が14兆6,000億円強、それから社会福祉に関しましては1兆7,000億円、そ れから生活保護については1兆5,000億円、保健衛生5,000億円、失業対策6,000億円弱 というふうになっておりまして、社会福祉関係費につきましては社会保障経費のうちの 約9.1%という数字になっているということでございます。  この額の伸びを示したのが次の頁になっております。御覧いただけますようにこの表 の左側の方、一般歳出予算の全体の伸びが15年度では0.1%の増加というふうになって おりますが、そのうちの社会保障関係費については3.9%の伸びというふうになってお ります。一方、厚生労働省関係予算ということで、その予算額の伸びを見たものが一番 右側の表になっておりまして、厚生労働省全体で3.8%増の19兆円強の予算になってお るということでございます。  さらにその内訳として、障害保健福祉部の予算はどうなっているかということです が、15年度予算では6,659億円という形になっております。御存知のように、この中に は支援費も含まれておりまして、それは11か月予算という形でなっておりますので、そ れを12か月ベース、満年度ベースに置き直しますとここが6,952億円という形になって おりまして、対前年度5.3%の伸びになっているという、こういう状況になっておりま す。  今申し上げました厚生労働省関係予算の19兆円強の内訳を見たものが次の3頁という ことです。厚生労働省総予算が左側の表の一番下に書いておりますが、今申し上げたよ うに19兆円強の数字になっておりますが、そのうちのほとんどが社会保障関係費という ことになっております。全体の97%を占めておりまして、その額が18兆8,000億円にな っているということでございます。  その内訳が、生活保護が7.9%、社会福祉費が8.9%、一番ウエイトを占めているのは 社会保険費でございまして、全体の4分の3を占めているということでございます。こ のうちの年金が5.6兆円、医療保険が7.8兆円、介護保険が1.6兆円ということの数字に なっております。その他、保健衛生対策費として5,000億円、失業対策で6,000億円弱 と、こういう数字になっているということでございます。  4頁の表をご覧いただきたいと思いますが、障害保健福祉部予算についてはどうなっ ているのかということですが、先ほど6,659億円と申し上げた障害保健福祉部の15年度 予算のうち、上の表で御覧をいただけますように入所系のサービス、これについては 3,062億円、全体の46%でございます。そのうちの施設訓練等支援費について、これは 入所施設分だけでありますが32%、その他に措置費等がございますので、全部合わせま すと入所系で3,062億円、全体の46%という数字になっているということでございます。  それから、在宅系のサービスということで、施設訓練等支援費のうち、通所施設、御 自宅なりから通っていただく通所施設につきましては全体の8%、557億円になってお ります。それからヘルパー、デイ、ショートといったいわゆる居宅生活支援費について は全体の8%、516億円ということになっております。その他、社会参加等々の経費を 含めますと在宅系サービス1,478億円、全体の22%というふうになっているということ でございます。その他に手当等の予算があるということでございます。  その下の表は、支援費の総額、15年度の支援費予算の総額を100とした場合の内訳で ございますが、支援費総額の67%、約3分の2が施設訓練等支援費というふうになって おります。これは施設訓練等支援費のうちの、先ほど申し上げたように、入所施設分だ けをここに計上してあります。それから通所系の施設訓練等支援費と、それから居宅生 活支援費合わせて約3分の1が居宅系といいますか、在宅系の支援費というふうになっ ているということでございます。  以下、5頁につきましては、障害福祉保健部の支援費の予算とその他の経費の関係を 見たものということでございまして、支援費が大きなウエイトを占めているというのが お分かりいただけるだろうというふうに思います。説明は省略をさせていただきます。  それから6頁目以降ですが、支援費制度におけます利用者負担の仕組みについて資料 をお出しをしております。これも後ほど御説明申し上げます主な意見などで施設入所者 と在宅の生活者の負担のアンバランスということが指摘をされておりますが、これは言 わばその関連資料ということでございます。施設の費用負担、それから在宅の費用負 担、それぞれ支援費制度では応能負担ということになっておりますが、その中身といい ますか、仕組みは若干違っております。施設入所者の場合には施設入所をされている御 本人の方は障害基礎年金等を含め、その収入の実額をベースに費用負担が計算されると いうふうになっております。  一方、ホームヘルプ等の居宅サービスという場合には、本人の収入について、収入実 額ということではなくて、居宅支援費の対象者が多くて、個人の所得を1つ1つ実際に 把握をしていくというのは事務的にも非常に膨大な作業になるということもございまし て、ここは課税ベースでその応能の負担額を決めるというふうになっております。  障害者と税の関係で申し上げますと、1つには障害基礎年金は全額公租公課がかから ない扱いというふうになっております。それからもう1つは、障害者には障害者控除と いった税制上の措置というものが別にございますので、ある意味一般世帯と比べて非課 税ラインが高いということを申し上げることが出来ると思います。  ただ、この資料の最後の頁を御覧いただきたいんですが、このような優遇措置があっ ても実際にホームヘルプサービスの利用者負担の実態というものを見ますと、これは9 月30日の検討会でもお示しをした資料ですが、住民税非課税世帯というB階層、ここが 全体の77%を占めるということで、一番多くの方が利用されているということになって おります。以上が資料4の御説明でございます。  次は資料5ですが、これは従来と同様にこれまでの検討会で出されました意見の主な ものを事務的にまとめさせていただいたというものでございます。以下、読み上げさせ ていただこうと思います。財源の方ですが、(1)ホームヘルプサービスをはじめとする 在宅サービスについて、国の責任において財源を確保し、2分の1相当額を確実に市町 村に助成するべきであるという御意見です。  (2)としまして、障害者プランの方向性に沿って、施設サービス重視から在宅サービ ス重視に施策をシフトさせ、施設支援から居宅支援への財源配分の変更を図るべきであ るという御意見です。  (3)として、施設から在宅への流れを、具体的にどのように構築していくかが重要。 その際、厳しい財政状況や施設入所者と在宅生活者の負担のアンバランスがある中で、 限られた財源の配分を工夫することが重要である。  (4)として、財源とサービスをどう融合させるかを考えることがこの検討会では必要、 その人らしい自立した生活を支える、という理念に異論はなく、サービスの在り方論も 長い間議論してきた。それを支える財源が問題であるという御意見です。  (5)として、地方分権化の流れの中で障害者施策における国や都道府県の役割、介護 保険との関係等も本検討会において議論が必要である。  (6)として、支援費サービス量・予算には限りがあり、契約について利用者も事業者 も早い者勝ちになっている。また、事業者は、当面の安定的運営、利益確保のために一 定数の利用者を囲い込み、定型的なサービスを提供することとなり、利用者の利便性を 欠く危険性があるという御意見です。  (7)として、今は、全障害者に占めるサービスの利用者数は少ないが、潜在的利用者 を考慮すると、今後、その増大が見込まれる。今年度や来年度の予算の議論では済まさ れず、抜本的な制度の見直しが必要である。  (8)として、財源の仕組みとして、介護保険を乗り越えてきた自治体の力を信じ、自 治体が持てる力を発揮できるような仕組みとする必要があるのではないか。  (9)として、どのようなケアを目標とするのかを明確に提示することが、国民の負担 をいただく前提。介護保険制度の仕組みを使いながら、障害者ケアにふさわしい仕組 み、システムを議論することが重要ではないか。  (10)として、サービスの充実及び財源の確保を図り、真のノーマライゼーションの理 念を実現するため、支援費制度と介護保険制度の整合性を図るとともに、現在の介護保 険制度見直しの議論の中で十分な議論をすべき。  (11)として、介護保険制度の見直しに併せて支援費制度の移行の議論をすることは時 期尚早。消費税も含めて国の財源の在り方について議論の対象にすべき。  これが今までいただいた財源に関する御意見ということになります。  次は3頁目ですが、ここは人材の関係です。そのうちの量の確保についての御意見で あります。  (1)として、障害者のホームヘルプサービスを担うヘルパーが不足している。特に男 性ヘルパーやガイドヘルパーの確保が困難である。  (2)として、障害者ケアマネジメント従事者が不足している。  (3)として、聴覚障害者、視覚障害者に対する情報・コミュニケーション支援に当た る者、相談員が不足している。  (4)として、個々の障害者のニーズに即応できる地域のサービス資源として、ボラン ティアのより一層の確保が必要である。  2つ目に質の確保に関する御意見ということでまとめさせていただいております。  (1)として、障害者の重度化や多様化が進む中で、支援に当たる者の専門性や支援技 術の向上のために、支援に当たる者や事業者の努力と、行政の支援が必要である。  (2)として、窓口となる市町村職員の専門的な知識、経験が確保される必要がある。  (3)として、障害者ケアマネジメント従事者の資質の向上を継続的に進めるべきであ る。  (4)として、支援に当たる者のサービスの質を担保する上で、第三者評価を進める必 要がある。  (5)として、ヘルパーの質の評価は、当事者が決めるべきである。  以上が資料5の御紹介でございます。私の方からの資料の御説明は以上でございま す。  江草座長  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に皆さんの方から質問なり御 意見を頂戴いたしたいと思いますが、資料が3つございましたので、最初の3と4につ いて、まず御質問なり御意見を頂戴したいと思います。  大濱委員  資料4なんですが、これの4頁の障害者福祉部予算なんですが、入所系、在宅系、手 当、その他とありますが、この入所系、在宅系なんですが、これは金額は示していただ いているんですが、人数、入所系の実際の対象人数というのはどれぐらいの数字になっ ているかというのは、今現在でつかまれたところの数字というのはおわかりですよね。  長田補佐  センサスという社会福祉施設調査報告がありますので、その数字で御報告することが 可能かというふうに思いますが、後ほどお調べをして御報告をさせていただこうと思い ます。  江草座長  それでは大濱さんの御質問には後ほどお答えいただくとして、他にございますか。  大熊委員  確か前々回も、ここは障害者マイナス精神障害者の検討会ではないので、資料3のよ うな全体の見取り図を書く時には精神も入れてくださいということをお願いしてありま した。数字や何かが分からなかったらクエスチョンマークを入れて、分からないんだよ ということを示していただきたいので、これも、もしも今の段階で分かれば、それを入 れていただきたいと思います。  それから、人の人材が書いてあるのですが、この方たちの待遇がどうであるかという ことが非常に重要で、何人ということだけではなく、その人たちが生活できるような給 与になっているかということも今後調べていただきたいというふうに思います。今、千 葉県では作業所で働く人のお給料を倍にしないと、とてもいい人材が集まらないという ことが1つのテーマになっております。  江草座長  はい、ありがとうございました。それでは谷口さん、どうぞ。  谷口委員  2点ほどございます。1つは、今、大濱委員がおっしゃったこの4頁目なんですが、 施設訓練等支援費、入所、通所に一括払うとこれは合計が84%ということになります。 それで居宅生活支援費が16%ということで、これは、先ほど大濱委員がおっしゃったよ うにどれぐらいの人数が、どれぐらいの費用を使っているかというような、そういう効 果もございますが、全体的に84%を施設関係が占めるというのは、非常にこれは在宅生 活への流れの中でやっぱり問題点を感じざるを得ないと思います。この辺がもうちょっ と変わっていかない限り財源の確保というのは難しいのではないかなと思っています。  もう1つは、資料3になりますが、一番上のボランティアという数字なんですが、こ れは私の経験から言いましても非常に危険な数字でございまして、ボランティアがどれ ぐらい動いていただけるのかとか、いつも厚生労働白書なんかを見てみますと、ボラン ティアの数がウナギのぼりに上っているんですが、現場の意見を聞くと全然いないとい うような意見を聞いてしまいます。  それで、今、私が住んでおります京都市の状況から言うと、特に介護保険、そして支 援費制度になったとたんにボランティアが資格を取ってホームヘルパーさんに転身して いる例がものすごく多うございます。京都は大学のまちですから、学生たちがホームヘ ルパーに変わりまして、今、学生ボランティア協会が消えつつある状況になっていま す。ですから、そういう状況がありますよということで御報告したいなと思います。  江草座長  はい、ありがとうございました。それでは尾上さん、どうぞ。  尾上委員代理  まず資料3の方に関しての質問なんですが、この障害者ホームヘルパー、ガイドヘル パーという数字の中で、これまで全身性障害者介護人派遣事業であったり、あるいは知 的のガイドヘルプであったり、そういう自治体でやっていた事業に登録をしていた、い わゆるみなしヘルパーという、みなし格の人がどれぐらいの数がいるのかというのを教 えていただければというふうに思いますのと、それからこのボランティアの381万人と いう数なり、あるいはどういう活動をしておられるのかという実態のつかみ方をどうい うふうにされておられるのか、これも私もちょっと疑問なところなので、この数字の根 拠を教えていただきたいのが二点目です。  そして資料の4ですが、先ほどの質問に重なるんですが、これから調べていただける ようですので、できれば人数と、その人数を調べる時にあわせて身体、知的、精神の、 それぞれ、やはり障害ごとの施設訓練支援費と在宅というか、居宅の支援費のその比率 がどういうふうになっているのか、人数と費用とがそれぞれどうなっているのかを ちょっと教えていただければというふうに思います。  江草座長  他にございますか。  有留委員  資料4の4頁なんですが、入所系サービスと在宅系サービス、手当、その他と分かれ ていますが、これは15年度のことなんですが、今までの推移といいますか、トレンドで いいんですが、どういう形でシェアが変わってきているのかとか、あるいは今後将来に 向けてどうやって変えていこうとされているのか、その辺のお考えをお聞かせいただけ たらと思います。  江草座長  他にありますか。どうぞ笹川さん。  笹川委員  事業者数は分かったんですが、その中で支援費制度を対象にしている事業者がどれだ けあるのか、その辺がわかったらお願いします。  江草座長  それでは京極委員さん、どうぞ。  京極委員  費用負担のことなんですが、資料4の一番最後ですが、B階層が障害者の場合は多い のですが、これは課税ベースですので、障害年金その他貰っていても、課税負担が少な いということで、これは先ほどの事務局の御説明だと把握が困難だからということでは 必ずしもないんじゃないか。私はこれからの障害者福祉で、もちろん低い方に対して負 担をたくさんとれとは言わないんですが、ある程度負担ということも考えていかないと いけないんじゃないか。また所得が増えるようないろんな対策というのも厚生労働省で 労働関係もあるわけですから、積極的な施策展開、障害者は納税するということをやっ ていくべきだと思いますので、収入把握が困難ということでは説明がつかないのでない かと思っていますが。  江草座長  これからまだ手を挙げていただきたいのですが、事務局の方でお答えをすぐにいただ けるものはしていただければいいし、そうでなければ次回にまとめて、御要望の中に数 字がかなり多いものですから、まとめてお答えいただく。その時に印刷物にしていただ ければ一層親切ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。  高原課長  かなりたくさんの質問をいただきましたので、あまり断片的に口頭で御説明をするよ りも、少しきちんと資料で整理して、次回御説明をするという形にさせていただければ というふうに思います。  江草座長  それでよろしいでしょうか。というか、その方がよりいいと思うんですが、それでは 御承認いただいたことにしまして、正確な数字についてはまた後ほどということで、 今、お話の中でお答えというか、お話をしていただけそうなものがあればおっしゃって いただけたらと思うんです。例えば今の京極委員さんのお話なんかは、基本的なものの 考え方に触れる問題だと思いますので、よろしい範囲で後ほど御訂正していただいて結 構ですから、今のところでお答えをいただければと思います。  高原課長  それでは、今日後ほど御報告できるところは御報告させていただくということにした いと思いますが、先ほど資料説明の中で、村上委員と太田委員から追加で配布させてい ただいている資料がございますので、太田委員からの資料の御紹介と、村上委員からい ただいた資料について、村上委員から御説明をしていただければ思います。まず、太田 委員の資料を事務局で読み上げさせていただきます。  事務局  それでは太田委員の配布資料を読み上げさせていただきます。  「支援費制度は、施設中心主義から地域移行へと具体化していくための重要な制度 で、それを実行させていくには、決して予算の不足があってはならず、現時点では2分 の1の国庫補助を絶対に守っていく必要があります。それは障害者の自己選択・自己決 定、そして社会参加を推進していくための欠かせない必要経費と考えてよいことだと思 います。  在宅支援が裁量的経費で、施設が義務的経費というのもまことにおかしな話です。新 しい障害者基本計画などによって、脱施設化の打ち出されているなか、この差別は納得 できるものではありません。障害者の生活や生命を守るという視点よりか、施設を経営 する社会福祉法人を守るというようにしか、このことについては目に映りません。誰の ための制度かを考えていくべきです。もちろん障害のある人の生活や生命を守り、豊か にさせる制度のはずです。  地域生活支援にどれぐらいの予算が掛けられているかという問題は、その国、日本な ら日本という国で、障害や高齢によって介護が必要とされている人たちがどれほど大切 にされているか、つまりその国の価値観につながる問題だと思います。高齢になった り、あるいは介護が必要になったときも、社会の支援が多くあると考えれるならば、 人々は安心感を持ちながら今を、ゆとりを持ってかつ大胆に活動することができるで しょう。それは経済社会にとっても非常に有益なことです。  ダイレクトペイメントを取り入れることは、障害者自身の自立生活を促進させるだけ ではなく、経済効率、つまり事業者を通さない方法もあるという観点からも行われるべ きだと思います。  だからダイレクトペイメントがすべてよいというのではなく、多様なサービスの一つ の選択肢としてダイレクトペイメントがあるならば、障害者にとっては安心できる制度 ということができましょう。  施設の障害者が地域支援サービスを使えるようにしていくことも提起したいと思いま す。一人のレベルにおいても移行期間が必要かと思います。施設本体から受ける介護の 量を、自己選択に基づいて少しづつ減らしていく、地域生活支援からのサービスを受け られるようにしていくことが重要ではないでしょうか。そうすれば段々自信がついて、 少しづつでも地域生活が現実の問題となっていくことと思います。二者択一的な支援費 制度は、特に施設で暮らす障害者にとっては不便なものだと思います。  今の介護保険サービスが医療モデルに近いものである以上、現行の介護保険に障害者 の介護サービスを組みこむことは時期尚早と言えます。介護保険サービスの根本的な原 理を社会モデルにもっと変えていく議論が先決です。  ヘルパーの資格や研修問題についても、多くの問題点・疑問があります。現状におい ては入所施設の職員についてはこの制度が絶対必要ということはないと思います。居宅 生活支援はなぜ絶対に必要とされるのでしょうか。施設は義務的経費と位置付けられて いるにも関わらず、その点では緩やかではないでしょうか。支援費制度は障害者自身の 自己決定・自己選択を支え、豊かな生活を支援していくものです。何か理念と実態が捻 じ曲げられた状況にあると思います。  決してサービス提供者や、施設のための制度であってはなりません。」  以上です。  江草座長  はい、太田委員さんの御意見であります。今日いらっしゃれば追加して御発言をいた だいたり、お尋ねいただくことが出来たのでありますが、またこれは、この次の時にお 願いをしたいと思います。それでは村上委員さんから資料をいただいておりますので、 御説明をいただければと思います。  村上委員  今日のサービス提供基盤の件で気になることがありましたので、自分なりに資料を 作ってまいりました。資料の方を御覧ください。支援費制度がスタートするに当たりま して、もう皆さん御案内の通り、高齢者の方々にサービス提供をしておりました居宅介 護事業者が支援費の方のサービス事業者になることで、急速に十分なサービス提供基盤 が出来上がったというふうに、データ上では確認をしてまいったわけですが、実際には どうなのかということが非常に気になりました。そこで大分市の御協力をいただきまし て資料をつくったものがこのペーパーです。  1枚目ですが、左上の枠に身体と記入してございます。横軸の方は本年の4月から9 月までの上半期の、これは、ホームヘルプサービスの利用の状況で、事業者からいいま すとサービスの提供の状況になります。月ごとに実利用人数、それから実利用の延べ時 間を書いていったものです。右端の合計欄の人数は半月分ですので、これを6で割って いただくと1カ月分の平均が出るようになってございます。  それから縦軸の方ですが、左端の方、一番上から知的と書いてございますが、これは サービス提供者を運営主体別にグループ化して勝手にまとめたものなんですが、例え ば、知的ですと、知的障害者の施設サービスを行っている事業所が事業者になっている ということで、3か所あるということです。次、その下が社協さん、その下が特別養護 老人ホーム等を運営してらっしゃる、高齢者の施設が母体となっている事業所です。そ の下が医療法人等の医療機関です。それから民間その他に関しましては、株式会社だと か有限会社、生協、農協、NPOさんなどがそこに入っております。  御案内の通り、障害者の居宅介護には身体、知的、児童の3分類がございますが、大 分市内では身体の事業者は、そこにあります通り、46事業者ということで、かなり整備 されたといっていいと思います。  この表を見ますと、いくつかの事業所では、指定は受けたものの、全く御利用がない といった状況も少しあるわけなんですが、でも全体の85%は、この半年間にサービスを 提供していることがわかります。横軸の方で見ていきますと、当初利用がゼロであって も、やがて利用が始まった、あるいは最初は利用があったけれども、やがては利用がゼ ロになってしまったという状況もあるようです。  次に縦軸で見ますと、どの事業所グループも、まあまあ偏りなく御利用があっている のかな、サービス提供事業者としての役割を担ってくださっているということがわかり ます。ただ、私はこの身体の表の中で1つ気になったのが、一番上の知的となっている ところです。どうしてここが身体がないんだろう、これは大分だけの状況なのかもしれ ませんが、身体障害者の方々の障害の特性を一番よく知っていらっしゃるであろう身体 障害者施設を母体とするサービス事業者がなくて、知的障害者施設しかホームヘルプサ ービスをこの事業を行っていない、このことが非常に気になりました。  もちろん知的の事業者であっても、身体の方が御利用くださっているということは、 事業者にとっては非常に嬉しいことだとは思いますが、こうした傾向は大分だけなの か、全国的にはどうなんだろうか。施設サービス事業者が居宅サービスにも本当に力を 入れてくださり始めたのだろうかどうか、そこが非常に気になるところでございます。  では、次に2枚目を御覧ください。2枚目は左隅上の方に知的と書いてございます。 行の幅を少し広げましたのでたくさんあるように見えますが、実際数といたしましては 身体と違いまして、27事業所と数も少なくなっています。これは横軸で見ていきます と、利用のある事業所は、ほぼ半年間継続的にサービスを提供させていただいておりま す。つまり半年間利用が、ほぼあっているということです。  ところが縦軸で見ていきますと、事業主体で見ていきますと、高齢者の居宅介護を中 心に行ってきた事業所グループでの利用が身体に比べて極端に少ないのではないかとい うことが見えてまいります。利用人数であったり、利用事業所数の差、どちらから見て もその差は大きいものがあるのではないかというふうに感じております。それから指定 27事業所中、サービスを実際に提供しなかったのは全体の7割近くということ。これが 非常に気になっております。  では、次に3枚目の児童の表を御覧ください。指定事業所数はさらに少なくなって22 事業所です。これは5月のところをご覧いただきますと、5月には8事業所がサービス を提供しておりますが、9月には5事業所というふうに減っております。一概には言え ませんが、この知的と児童の居宅介護を見ますと、利用者の選択に関する何か明確な意 思だとか、何か選択の基準というものが何となく見えてくるような気がいたします。前 回も発表させていただき、今回もこういうふうな半年間の、しかも1つの市における データで全てを決めつけるわけにはいかないんですが、でも何か非常に気になっており ます。  と言いますのは、やはり支援費制度というのは必要なサービスがそこにあって、そし て実際に使えることを前提として成り立つ仕組みであることから、指定は受けたものの サービス提供事業者と成り得ていない、こういう実態が、もし他の地域でもあるとする ならば、やっぱりこれはちょっと議論をしていかないといけないんじゃないか。本当に サービスの提供基盤が整備されたと言えるのかどうか、このあたりの議論を是非皆さん 方にお願いしたいと思って資料を用意してまいりました。どうぞよろしくお願いいたし ます。  江草座長  ありがとうございました。村上委員さんの御説明に御質問なり御意見があればどう ぞ。  谷口委員  身体障害者の施設がサービス提供をしていないということにちょっと関係するかもし れませんが、この知的障害者施設の3つというのは、入所でしょうか、通所でしょう か。  村上委員  入所が1と通所が2です。  谷口委員  身体障害者施設がサービス提供を行っていないというのは、これは京都でも同じこと が言えると思っています。それだけコメントさせていただきます。  江草座長  村上さん、いくらか参考になりますね。どうしてでしょうかね。  谷口委員  3交替勤務の中で、その中にいる人たちがもう精一杯というのと、もう1つは私の感 覚から言うと、儲からないからやらないというような気がいたします。  江草座長  そうですか。他の方で何かございませんか。  早崎委員  今ちょっと割り算をしていたんですが、身体の関係しかできなかったんですが、総時 間数に対して利用人数を割りますと、単純ですが、4番目の社協はお一人が21時間、例 えば12番目の特養の多いところで割りますと52時間、31番目の民間さんですと57時間、 42だと74時間、43番目ですと96時間、こういうものが非常に気になりまして。できまし たら次回で結構ですので、どんなサービスを受けてみえるのか、例えば身体なのか家事 なのかというところで事業者によっても何か面白い部分が出てくるのかな。私は社協で すので、この21時間というのは、数は多いんだけれども21時間しかやっていない。  村上委員  私の方は中身は全然分かっておりませんので、申し訳ございません。  江草座長  それではこの次に。どうぞ。  尾上委員代理  非常に面白いデータを見せていただいたと思っております。特に知的と児童のところ で、灰色になっているところがすごく多いなというのが一目瞭然なんですが、これは私 は普段活動しておるところは大阪なんですが、大阪市の場合ですと知的の移動介護とか は、かなり独自に10年ぐらい前からやってきて、NPO系も含めてサービス基盤が整っ たと言われておったんですが、実際にある知人から聞いた話なんですが、支援費の指定 事業者のリストを行政から貰って、知的の移動介護の○をつけているところに電話をか けていくと、まず1つ目、いや、まだコーディネーターは研修中でございまして、2つ 目は、いや、私のところのヘルパーはまだ知的障害者の介護に慣れてないので。それで 結局13か、14か所目のところで契約が成立をしたという、これは実際の話です。  それが、統計上とる場合なのかというのはわからなくて、この利用契約ですから、た とえば5の灰色のところよりも、むしろここの白いところのサービスの方がよくて、利 用者が選んではってこの結果になっているんだったら、それはそれで1つの選択の結果 なのかなと思ったりもするんですが、先ほどちょっと1つの事例として紹介しました、 事業所の側で指定事業所としては取っているけれども、実際にはそれがコーディネータ ーが研修途中であるとか、いろんな理由で事業者側が選んでいるというか、事業者側の 都合で契約ができていないのかな、ここの灰色になっている部分の背景分析みたいなも のはどういうふうにお考えでしょうか。  江草座長  はい、ありがとうございました。次は大濱さん、どうぞ。  大濱委員  今のお話と関係してくると思いますが、先ほどの安芸たかたの資料もやはり同じよう な傾向で、知的障害者の支給決定時間が1,000何時間なのに、身体介護を受ける実際の 利用時間が500何時間、これは知的の方は同じような問題を抱えていると思われます。 それで安芸たかたでも同じような数字ですし、村上委員のところも同じような数字で、 これを実際に受けられているピープルファーストの方たちからの御意見を聞いていただ いて、そこら辺をお答えしていただければと思うのですが。  江草座長  わかりました。それではどうぞ。  佐々木氏  僕もこんなにゼロが多いとは思わなくて、知的障害者はとにかく入所施設に行けばい いと思う人もいると思いますが、まずは入所施設を出て、地域で暮らすべきだと思いま す。  江草座長  はい、ありがとうございました。それでは資料の5の朗読はしていただいたわけです が、これについてどうぞ。  高原課長  先ほどいろいろ御質問をいただいた点ですが、正確な数字は、また次回にお出しした 方がいいかもしれませんが、全体像を見ていただく、今日の議論をしていただく上で、 必要だと思われる数字を、あらましという意味で御説明をさせていただきたいと思いま す。まず、資料の3をご覧いただきたいと思います。  真ん中の全国の障害者数というところですが、このペーパーを整理するに際して精神 障害者を入れることを考えましたが、これは表が複雑になるので省かせていただいてお りますが、障害者数としては、精神障害者の方が、今、全国で200万人を超える、大体 204万人という数字かと思います。従いまして、身体、知的、精神合わせ、今、約600万 人の障害者がおられます。  その内訳を御覧いただきますと、身体障害者が342万6,000人、そのうち在宅者が324 万5,000人ということですから、これは単純に引いていただきますと施設に入所されて いる身体障害者の方が18万1,000人という数字になろうかと思います。ですから、在宅 と施設で324対18という比率になろうかと思います。知的障害者につきましては、全体 で35万6,000人、そのうち在宅者は23万5,000人ということでございますので、施設に入 所しておられる方が12万1,000人になります。精神障害者につきましては、204万人のう ち在宅の方が約170万人、精神病院も含めました病院の施設の入所の方で4万人という、 こういう数字でございます。  それから、この周辺のところでボランティアが381万という数字を出しておりますが、 これは全国社会福祉協議会の調査でございますので、障害分野で活躍しておられるボラ ンティアということでは決してございません。幅広い分野のボランティアということ で、実はボランティアの数字につきましてはこれ以上になかなか数字がないので、こう いう数字をお出ししているということでございます。  それから、支援費のサービスを利用していただいている方で見ますと、これはむしろ 資料の4頁をご覧いただきながら御説明を聞いていただければと思いますが、若干時点 の差はありますが、まず居宅支援費のサービスを利用していただいている方が今年の7 月時点で約11万7,000人という数字を把握いたしております。それから施設支援費の方 ですが、サービスの支給決定者の数としまして、約20万5,000人という数を把握をして おります。これは今年の4月時点の調べでございます。  この施設支援費のサービスを利用されている方の内訳としましては、入所系のサービ スが約14万3,000人、通所系のサービスが約5万8,000人という数字でございます。これ は身体、知的合わせた数字でございます。大まかな数字としてはそのような数字を頭に 入れていただいた上で、これからの御議論をいただければと思います。また正確な数字 は、次回にでもお出しをさせていただくようにしたいと思います。  江草座長  それでは資料5のサービス供給を支える基盤に関する主な意見をまとめていただいて いるわけですが、これで何か意見がありますでしょうか。  早崎委員  太田意見の意見と合わせてあるんですが、2枚目のヘルパー資格の研修問題というと ころと、人材確保の関係のガイドヘルパー等の確保か困難であるということなんです。 私は現場からしますとガイドヘルパーの養成ということは県レベルで講習会をやってお りますので、なかなか受講させるということが困難なんですね。県の方とお話をさせて いただいて、来年から大垣市でも私ども独自に開催をしようと思っていますが、こうい う自己努力でするものなのか、むしろ太田さんが言われているように本当に障害者の方 は身体介護の基本的な2級ヘルパーの資格があればいいよ、後のことは少々私たちがこ ういうふうにしてくださいというふうに指導しますので、それほど県知事が認めないと ダメだとかというような希望があってそういうふうにさせたのか、そこら辺をお聞きし たいんですよ。  もしそんなことがないのであれば、そういうのを取っ払ってしまおうというふうに思 い切ってしていただかないと、私たちも積極的に支援したいんだけれども、わざわざ住 民票等をとって、県知事に1回1回許可を得て、はい登録できましたからよろしいです よと、こんな手間暇をかけてやるのは社会福祉協議会だけで、他はしないのではないか というふうに思いますので、できれば、そういうのは取っ払って貰うということの御意 見を障害者の方、当事者の方からちょっとお聞きして、考慮をしていただけるのであれ ば、そういうふうにしていただけるとありがたいなと思います。どうでしょうか。特に 笹川さんなんかどうですか。  笹川委員  おっしゃる通りですね。視覚障害者の介助ということは、それほど技術的に難しいこ とではないんですね。ところが時間数が決められていて、その時間数をマスターしない と登録できないというようなことで、これは大変大きな障害になっています。それから 永年ボランティアをやっていて、常時介護をやっていても、ボランティアだから資格が ないというようなことで、やりたくてもできないという人もあります。この辺はもう少 しヘルパーになりやすいような体制に是非してもらいたい。それから講習の内容にしま しても、非常に高度にするのはいいんですが、全く必要のないような項目もあります。 そういうものはやはり、もっと実質的な面で習得してもらうような形で講習ができるよ うにしていただければ大変ありがたいと思います。  江草座長  それでは高橋さん、どうぞ。  高橋委員  若干包括的なコメントをさせていただきます。実は、今日の朝日新聞に私のコメント が載りました関係もありまして、若干私なりに少し考えてまいりましたことを申し上げ させていただければと思います。先ほど、太田委員の議論もございましたし、これまで いろいろな議論が出てまいりました。私は支援費支給方式というのは、やはりある意味 で介護保険をなぞった制度だ、契約という仕組みを使うことによって。もちろん仕組み は応能負担だとか奉仕制度という、ところが現実問題としてはとにかくニーズ爆発が起 きた。これは佐藤委員も何回もおっしゃっていますが、ニーズ爆発が起きて、これはし ばらくは相当の勢いでニーズ爆発が継続するというふうに私は思わざるを得ないので す。  私は、それなりに社会福祉の予算の昭和20年代30年代以降の動きを今までずっとウオ ッチングしてきたという、そういう経験から見て、公費制度というのはやはり日本の予 算制度の中に組み込まれておりますので、これはある予算の行政学の予算過程の研究を してると日本の予算というのは増分主義だ。増分主義というのは毎年1年ごとに何%ぐ らいずつ伸ばしていくという、そういう考え方で予算が組まれていて、日本では、多分 唯一、昭和46年47年の福祉元年の時がその例外だったというふうに思っておりますが、 そういう意味では公費制度というのは、これは先ほどいろんな御意見がありましたが、 これは一に福祉制度、あるいは障害福祉制度だけの問題ではなくて、日本の予算全体の 構造の問題としてある費目を特別に伸ばすということは難しい制度である。  それから長い目で見ますと、日本の福祉予算というのは生活保護費プラス社会福祉 費、先ほどのデータで、それがほぼ一定の割合で生活保護費が社会福祉費にふり変わっ てきたという、これはそういう歴史で、これは板山座長も生き字引でございますので、 私が申し上げるまでもなく、大変予算方で御苦労をしながらも、それを格段に伸ばすと いうことは非常に困難である。  障害予算は特別であるということで、ここ数年大変な努力を厚生労働省もされてきた けれども、そして全体はマイナスですから、5%程度の増がこれは限界であるというふ うに私は思わざるを得ない。これは昭和からの日本の福祉予算の制度を見ていると。と ころが、介護保険だけは例外なんです。要するに介護保険というのは2000年4月に2兆 9,000億ぐらいで始まったかと思います。これが5兆円になりました。これはこれまで もいろんな委員の方が介護保険の欠陥、欠点について様々な御指摘をいただきました が、このことだけははっきりしております。  もう1つは、在宅サービスの利用者は2倍に伸ばしてまいりました。わずか3年で2 倍に伸びました。もちろん施設在宅の比率というのはいろいろな問題があって、特別養 護老人ホーム問題もございますが、少なくとも在宅サービスを2倍にこの3年で伸ばし たという実績がございます。この点についてはきちんとやはり評価をしていただきたい というふうに私は考えております。  これは高齢だからではなく、私はそういうニーズの対応に対してフレキシブルに財源 を拡大する仕組みとして保険の仕組みというのは極めて有益な仕組みである。これは残 念ながら坂出の市長さんと私は全く反対でございます。坂出の市長さんの御意見は私は 間違いだというふうに断言をしてはばかりませんが、そういうことを含めまして、本当 は論争をしたかったんですが、そういう意味で言えば、是非、私は介護保険のスキーム を活用した障害サービスの検討を是非当事者の皆様に始めていただきたいということを 切に要望いたします。  これまでいくつかの視点がございました。上限の問題があり、それから介護保険の保 険料負担の問題があり、それから当事者主権の考え方が介護保険では生かされないので はないかという御意見があり、それからダイレクトペイメントの考え方が生かされない のでないか、いろんな御議論があったのは承知しておりますが、1つはやはり2000年の 高齢者サービスのモデルで介護保険が出発したのであって、そういう意味でいえば、障 害者のサービスを前提とした制度設計ではありませんから、そういう意味でその限界が あるのは全く御指摘のとおりだというふうに私は認識をしております。  しかし、障害者サービスを前提にした介護保険を活用した障害サービスがどういうも のであるか、どういうものであるべきだという議論は、是非これからしていただきたい し、すべきであるというふうに思っております。その中で最終的に政策選択をそれぞれ の当事者がされればいいというふうに思っております。それからもう1つ、介護保険で 様々な批判があるいくつかの事情は、実は介護保険制度の欠陥ではなくて、所得保障制 度の欠陥であり、就労促進事業の欠陥であり、あるいは権利擁護制度が非常に不十分で あるとかという、介護保険外の仕組みの欠陥が介護保険に反映してきてくれるという、 これは、実は障害者サービスなどは全く同様でございまして、私はこの機会に是非、就 労支援、これは、竹中さんがおっしゃっておられるように、税金が払える障害者を作れ るように、これは、もちろん自己選択の問題ですが、そういうことも含めまして地域ケ アを中心として当事者性に依拠したサービス実施方式というのは、私は介護保険と決し て矛盾しないというふうに思っております。あるいはケアプランについても、セルフケ アプランというのは介護保険の中で当然あって、それを活用しておられる方も相当数い らっしゃいます。  それから、現に障害者の様々な団体の方が介護保険を活用して、事業活動を展開され ているということもございますが、そういうことを含めて、私は介護保険のスキームで 障害サービスを実施するのは、高齢者介護保険に障害者を吸収するのではなくて、私は 対等合併だというふうに思っております。支援費を活用してやっている事業者のホーム ヘルプサービスの事業者の方が、これは大変有名な企業で名前を出せばすぐにお分かり だと思いますが、つくづく支援費で障害者サービスをやってみてよく分かった。身体障 害者の方は極めてシビアな要求を出して、ホームヘルプサービスもそれに対応した質の 高いホームヘルプサービスが必要とされるということがよく分かった。これを高齢者介 護サービスの方に転換していけば、利用者から支持されるサービスになるということを はっきり断言しておられます。  残念なのは、社会福祉法人系の多くのサービスがそういうことに非常にヘジテイトし ておりますけれども、これは皮肉なことですが、そういう意味で言えば私は介護保険と いうことをそろそろ真剣に考える時期、それでこれは吸収ではなくて統合であって、障 害者サービスのロジックというのか、それをきちんと踏まえた上での介護保険活用でな ければならないというふうに考えますので、若干長い時間をいただきましたが、総括的 な意見を申し上げました。  大濱委員  今の御意見ですが、確かにいろいろな考え方がありますが、財源の問題を保険でと言 う、その辺の状況は十分よくわかりますが、国家的な規模で介護保険制度というのはド イツだけの制度で、今、日本がそれを真似してかなり取り入れたという形になっていま す。しかし、実際は、かなりの多くの国が税で賄うという逆の制度が多いわけです。  そういう実態を踏まえると、今の時点で介護保険まずありきのような、議論でなく て、まず財源をどういう形で賄うか、そこら辺から逆に始めていただいて、私は介護保 険を全く否定しているわけではないので、まず財源をどういう形で確保すれば確保でき るのかという議論が必要です。  一方、介護保険に関わっている高齢者の数と支援費での障害者の数とが相当数違うと 思われます。そこで統合した場合に障害者の数、これは約19万人から20万人ぐらいしか 居宅の支援費は受けてないわけで、介護保険の高齢者になるともっと数が多いわけで す。なお障害者の介護費用というのは、一人当たりは要介護度5の30数何万に比べては るかに金額は多いわけで、ここに大きなギャップがある。必ず統合がきれいにいくのだ という、統合ありきの前提でなく、是非議論をお願いしたいと思います。  江草座長  では、次は山路委員さん、どうぞ。  山路委員  結論的には、今、高橋先生の言われたことと同じなんですが、別な角度から申し上げ たいと思うんです。社会保障と公費、政治という問題について、私は新聞記者として長 らく取材をしてきた立場から申し上げたいんですが、やっぱり介護保険にした方がいい という結論からいうと、なぜなのかということを一言で申し上げますと、今の日本の政 治が信用できないということを私は1つ申し上げたいと思うんです。  これはどういうことかというと、新聞は今の日本の政治についてポピュリズムは人気 取りいうことを言いますが、それはまさにそうなんですが、ただそれはちょっと褒め過 ぎだ。もうちょっと正確に言えば、やっぱり金のある、力のある、声の大きい、既得権 益団体にやっぱり偏重する予算配分をしてきたというのがこれまでの政治だったと思う んです。公費という枠内で言うと、やっぱりその予算の配分の仕方というのはまさにそ ういう既得権益団体、力の強い既得権益団体優先の予算配分だった。社会保障はまさに そうだっと思うんですね。結果として女性、子ども、障害者。それが非常に低く押し込 められてきたということ、それを見るとやっぱり日本の政治は信用できない。つまり公 費を利用してバラまきを既得権益団体優先にやってきたのがこれまでの社会保障におけ る日本の政治だったんだじゃないかということであります。  その意味から言うと、介護保険制度というのはなかなか政治が容喙できない、まさに 社会保険の分野ですから、やっぱり介護保険がスタートする前を思い起こしていただき たいと思うんですが、あの3カ月ぐらい前の時点で自民党は当時の亀井政調会長を中心 に必死になって反対したんですね。つまり自分たちの裁量のバラまきができなくなると いうことであります。やっぱりそれを考えます。政治から独立した財源の確保というこ とをしない限り、やっぱり安定的な障害者福祉の予算の確保、これからどんどん伸びて いくであろう障害者予算の確保はできないということを、他にいくつか申し上げたいこ とはありますが、さしあたってこの点だけ申し上げたいと思います。以上です。  江草座長  ありがとうございました。それでは森さん、どうぞ。  森祐司委員  介護保険制度の問題については、やはりこれから避けて通れない問題だと私は思って おります。従ってそれは入るといたしましても、ただ、疑問に思っていることは、介護 保険というものも新しい制度であったということです。支援費制度もやっぱりある面で は新しいものだと思ったんですね。それがちょっとわからないんですが、介護保険では こういう赤字の問題については何もなかったんでしょうか。それが1つです。  それともう1つは、新しい制度であれば、旧制度のままの補助金の制度と負担金制度 というものに手を加えなかったというのは何なんだろう。太田君が書いておりますが、 実はそこは非常に大きな問題だ。つまり旧措置制度の中の枠から出ないような形でまと まってきたものじゃないかな、そんなような気がして、どうも気になっておるんです が、その辺もちゃんとやっていかないと次に移れないんじゃないかなと、そういう気が しております。以上です。  江草座長  それでは、今、いろいろ御意見がございましたものを、先ほど申し上げましたサービ ス供給を支える基盤に関する主な意見等という資料の5がありますが、これについての 御質問は、まだいただかないままにやってきておるんです。しかしながら、今のいろい ろな御意見がこの中に漏れておると思うことをおっしゃったというふうに理解してよろ しいでしょうか。そうしましたらこれは済ませます。それでは尾上さん、どうぞ手短 に。  尾上委員代理  この部分で、先ほど太田委員も前回の知事会の報告でも国庫補助の2分の1負担を しっかりやっぱり確保すべきだということがずっと議論して出ていたと思うんですね。 先ほど、森委員の方からも言われていたとおり、ここで2分の1相当額を助成すべきと いうことが書かれていますが、もっとはっきり、この検討会では義務的経費にすべきだ という議論がずっとされていたのではないかというふうに思うんです。  それと先ほどの介護保険の見直しとの議論ですが、今回の論点の整理というのは、こ れまでの検討会での議論の整理というふうに理解をしています。とすれば、先ほど高橋 委員がむしろ今までいろいろと指摘されてきた問題、つまり、例えば1割の負担の問 題、あるいは上限といいますか、いわゆる要介護認定の問題、あるいはそのサービスメ ニュー、介護保険でいうサービスメニューと、今まで障害者のいわば地域生活の中での 人的支援のサービスメニューがどういうふうになっているか。確か一番最初か2回目の 議論の時に、最初に財源論ありきではなくてサービス論あり、システム論があり、そし てその中で制度論があるべきだと、そういう順番での議論があるべきだという、検討会 の議論を私は傍聴席で拝受しておりました。  その点からしますと、今日の議論というのは、そのサービス論はどうあり、そして制 度論はどうありということではなくて、いきなり財源の問題から介護保険との話となっ ているのは、ちょっと今までの検討会の議論からしますと、まとめとしては、ずれてい るのではないかなというふうにと思っております。  具体的に言いますと、この(11)の介護保険の見直しに併せて支援費制度の移行の議論 をすることは時期尚早という部分が、具体的には先ほど申し上げたようにいくつもの意 見が出ていたわけですね。その部分をちゃんと事務局としては記録をいただきたい。一 般的な時期尚早論ではなくて、具体的に1つ1つ問題点が、委員やあるいは知的障害の 当事者委員からも1割負担が始まれば今まで使えていたサービスが使えなくなる、具体 的な危惧として示されておったわけですね。そのことについてのまだ議論はこれからの 二巡目の議論とかはあり得るんでしょうけれども、今までのところでは先にその結論が 出たのではなくて、そういう指摘があったということをしっかりに書き留めていただき たいなというふうに思います。  もう1つ、質の確保の部分ですが、人材のところでヘルパーの質の評価は当事者が決 めるべきであるという、1行だけが引用された形になっておるんですが、ここももう少 し私は手元にあった議事録を丁寧に見てみますと、一番目のいわゆる専門性という議論 に関わって、その専門性というのが2級ヘルパー、3級ヘルパーという、いわば画一的 な講座を受けることによって質が確保されるか、むしろ、長時間やいろんな障害の多様 なニードがある中で、いわば実際に介護に入りながら養成をしていく、そういうプロセ スを私たち障害当事者はとってきた。そういう、いわば当事者サイドからの養成のプロ セスもちゃんとその専門性ということの中の評価の中に入るべきではないかということ や、あるいは、先ほどの視覚障害者の方のお話もありましたが、実際、大阪市内でも40 人の視覚の移動介護のところに400人の方が申し込まれていて、すぐに受けられないと いう状態になっています。  要は、今、いろんな研修をやろうと思っても、その講座が認められるまで3カ月4カ 月かかる。いわば、いつでも研修ができるような状態でもない。そういったことも含め て本当に必要な時に必要な介護が得られるような質の確保、人材の養成をどうしていく のかいとう議論がこれまでの提起の中にもあったと思います。単にヘルパーの質の評価 は当事者が決めるべきだという、なで斬り的な言い方ではなくて、その意味することは そういったことだったと思うんですね。ですから、これまでの議事録を私は傍聴席で 取っていた立場からすると、ちょっと荒っぽいまとめ方が先ほどの介護保険のところ と、このヘルパーの質の評価は当事者が決めるべきだという部分に感じますので、是非 もう一度議事録を見直していただいて、丁寧に拾い上げていただきたいなというふうに 思います。  江草座長  分かりました。ということでございます。それで今ちょっと財源論うんぬんというこ とで、たまたま今日は市長会の代表の方のお話があったわけでありますが、森市長さ ん、委員さんというよりは市長さんとして何か御感想がありましたらちょっとお話をい ただければと思います。これは市長会の意見と違って結構ですから、よろしくお願いし ます。  森貞述委員  実は、市長会社会文教委員会で、私も坂出の市長さんと全然合いません。申し訳ござ いません。この問題でやっぱり私どもお預かりする自治体の中で、先ほど来お話がござ いましたが、財源の問題を議論してはということを言われますと、私どもは財源がやは りきちっと整わなければやっていけないわけでございます。  その保障が例えば、先ほど来、例の2分の1の補助、ここに実はもう1つ国の2分の 1もそうでございますが、県の財政も逼迫しておるわけです。私どもがどうしてもそこ の財源を手当てしていく場合に、国があって、県も裏打ちをしていただいて、そして私 どもがそこに4分の1というものが出せるという、こういうシステムが崩れてしまった ら、やはり今日、私も新幹線の中で高橋委員のあの記事を読んでまいりました。本当に 実際に高齢者の問題もそうですが、今、要介護認定を受けて、そしてサービスを利用さ れる方がこの3年の間にすごく私どもでも多くなっております。  ということはニーズが顕在化をするということは、それを手当てする財源というのは どんなことがあっても必要である。私どもはそれを避けて通ることは逆に出来ない。こ れは財政状況は大変厳しい、ましてや総理が1兆円の問題をされました、三位一体、そ して地方交付税も出口論でもう完全に締められてきます。そうすると、どのようにして それを手当てしていくかということ、それをきちっと私どもがやらないと、どんなに皆 様方がいろんなニーズを把握をしながら、いいサービスをしていきたいと思っても、そ れはできない。  それからもう1つ、自治体にとりましては政策の優先順位というのがどうしてもござ います。その中でどう考えるかというのも、これは首長のある面では政治姿勢に絡みま すが、こういう問題も考えていかなきゃあいけないということで、いろいろな御議論を 聞いている中で、最終的に私どもはこの議論の場に参加をさせていただいてつくづく感 じることは、じゃあどのような裏打ちがきちっとできるか。これを担保したい。そのた めにどういう私どもがお手伝いができればというふうには考えております。  江草座長  ありがとうございました。ということで、まだまだ本当にこれから議論が始まらな きゃあいけないんですが、限られた時間でございますので、次回以後の議論に回させて いただいて、東京都の有留委員配布の資料がお手元にあると思いますが、この御説明を いただきたいと思います。  有留委員  それでは配布資料の1枚目だけ私が説明させていただきまして、2枚目以下の支援制 度利用援助モデル事業、東京都独自に3区で実施しましたが、その中間報告、事業の概 要などを改革担当の渡邊副参事から説明をいたします。  1枚目は第2回の検討会でもエッセンスをお話ししたんですが、その後の来年度の予 算要求もまとめましたので、今日のテーマであるサービス供給を支える基盤、財源等ど うするのかということもございますので、全体の中での位置付けなどを簡単に説明をさ せていただきます。  私どもとしては率直に申し上げて、国制度は基盤整備、財源の問題も含めて、それか ら制度の仕組みの面で中途半端な改革だという認識を持っておりまして、これを実のあ る制度にしていくということで、独自の3つの箱の努力を進めてきたわけでございま す。上の一番左側が仕組みづくりで、利用援助モデル事業以下、今日は後でゆっくりお 話ししますが、それから事業者情報システム、これは第三者サービス評価を今年度から 本格実施いたしまして、これもその結果も含めた情報システム、ホームページでアクセ スできるようになっておりまして、すでに今日現在7万件近いアクセスがございます。  そんなことをやったり、大事なことは真ん中の箱にある地域生活を支える基盤整備、 本当に選べるだけの基盤を東京都も不十分な状況でございますので、地域のサービス資 源を集中的に整備しようということで、3カ年で300カ所、3,000人分。主としてグルー プホーム、通所施設でございますが、これを8分の7という高率の補助でやっておりま す。  それから、在宅サービスの拡充、ホームヘルプサービス前年度比40%増で、今のトレ ンドでいっても予算的には飲み込めるわけですが、これは国庫補助がきちっと来るとい うのが前提となっておりますので、執行できるかどうかというのはギリギリ、財政当局 との判断になってまいります。  その他に、じゃあこういう財源をどういうふうに生み出していくのか、再三申し上げ ている通り、長期的にはきちんとした財源問題を議論する必要があると思っておりま す。ただ、私どもとしては都立施設の民間移譲、それから民間社会福祉施設に対する独 自補助の見直し等によりまして、財源を生み出して地域支援に回しているということを やっております。  民間移譲でいえば、20年度までに5施設、定員360人分でございますが、財政効果 30%、年間13億です。それから民間施設への独自補助の見直し。これも一律の補助を地 域移行だとか、経営改革に努力したとか、そういう努力に報いる加算に見直す、再構築 ということで、20%削減して、年間20億。平年度になりますと、これだけで年間33億、 10年で330億の財源を生み出している。都立施設は基本的に全て民間移譲をいたします ので、長期的にはもっと大きな財政効果がございます。  都財政も非常に厳しくて、毎年3,500億から4,000億ぐらい足りないということで、つ い最近第二次財政再建プランが出ましたけれども、パイが小さい中でも、施設に向けた 財源を在宅に向ける努力でこういうことを東京都はチャレンジをしておりますというこ とで、来年度に向けては特にグループホームの設置促進策ということで、これは東京の 大都市特性ですが、家賃補助制度をさらに充実させるだとか、あるいは施設には必ずグ ループホームを作らせるとか、あるいは民間企業へも参入を促進して、整備費補助制度 の創設を検討するとか、そんなことをやっております。そういう流れの中で今日の仕組 みづくりについても独自の展開をしましたということで、以下渡邊副参事から説明させ ます。  渡邊副参事  それでは、資料の2枚目を御覧ください。支援費制度利用援助モデル事業の御説明で すが、まずこの事業自体は区市町村が実施主体になっております。左の上にありますよ うに、支援費制度利用援助事業者というのは、利用援助の窓口というイメージですが、 これを区市町村が指定をしていただくということです。直営も可ということでございま すが、ここにはケアマネジメント従事者養成研修を終了したものを必ず配置をしていた だくということでございます。  それで、下の障害者の方からサービスプランを作成してもらいたいという申し込みが 寄せられた場合には、その作成の必要性について区市町村が認定をいたしまして、必要 であればサービスプランを作成し、横の矢印になってきますが、サービスプランを添付 して、障害のある方が支給申請を区市町村の方に上げていただくということで、区市町 村の方はそのサービスプランを参考に支給決定をするというものでございます。  右下の方にありますのは、この利用援助モデル事業がモデル事業ということで、個別 の事例を積み重ねてモデル事業の評価、検証、支援費制度にかかる課題分析等を区市町 村、モデル事業を受けていただいた区市町村自身に行っていただくということでござい ますので、こういう評価会議を区市町村が設置するというものでございます。東京都と いたしましては、サービスプランの作成経費というもの、それから評価会議の運営経費 ということで、2分の1の補助をさせていただくという事業でございます。  続きまして3枚目の資料ですが、モデル事業の活用事例のイメージですが、これはい わゆる上の方が利用前、下の方が利用後です。利用前は、今年の8月現在、入所施設に 入っていて9月に退所して通所施設を利用するんだけれども、そのお母さんの絵のとこ ろを見ていただくと、父親は身体障害者であって通院付き添いが必要で、自分も高齢で ということで、息子の外出まではなかなかということで、障害者御本人の方は通所施設 に行くということにはなったけれども、後は地域に戻って何をしたらいいのだろうかと いう疑問を持っていらっしゃるということで、このプランの作成が依頼をされて、それ でプランの作成後どうなるかというと、実施しようということで関係機関の連携を取 れ、利用者の地域移行が円滑に継続されるということでございます。  その内容としましては、右側の方にありますが、短期入所の御利用ですとか、元々入 所されていた入所施設からのバックアップを受ける。それとともに土日、それから平日 は通所更生施設からの帰宅を身体介護と移動介護を導入したということで、お母さんの 世話の負担が軽減をされて、御自身も地域社会に参加をしていけるというイメージで す。  続きまして4枚目以降の資料に移らせていただきますと、これが、今年度、板橋区、 足立区、葛飾区で実施をさせていただきましたので、その中間報告のまとめです。実施 形態は直営・委託とございます。実施場所としては自立生活支援センター、それから障 害福祉課、それから知的障害者更生施設への委託といったものがございます。  実施ケースは全部で23ケースというものです。障害別の内訳としましては、身体障害 が15、知的障害が8というものです。援助開始時の状況は居宅がほとんどですが、足立 区の中に地域移行ケースが1件あるというものです。その次に書いてありますのは評価 会議のメンバーです。亀山先生、石渡先生、中野先生というのが各区の評価会議の座長 になっていただいております。  下にサービスプランの作成例がありますが、4つあげておりますが、1につきまして は先ほどの3枚目のイメージのもとになったものですので、利用者等の感想以降の説明 を若干させていただきますと、重度知的障害者の地域移行のケースで、関係機関の強い 連携でもって地域生活が可能になったということですね。それからこれは実施後の区の 意見としては、重度知的障害者が選択できる豊富な社会資源、グループホームとかホー ムヘルパーなどが必要である。あるいは、この事業を実施していく中で提供されたサー ビスがうまく回っていくのか、変更申請が必要なのかといったことについて十分なモニ タリングが必要であるというまとめでございます。  次の頁ですが、ケース2は男性で30代の方ですが、介護保険のヘルパーの方から家庭 内で父親から虐待があって支援が必要という連絡がありまして、福祉事務所の方で父親 の説得を行い、父子分離をはかったというものです。プランとしては現在短期入所をお 使いいただいているというものです。課題としましては、ぎりぎりのところまで障害者 御本人が我慢してしまったケースということで、知的障害者の場合、自ら訴え行動する ことが難しいこともあります。緊急通報や見守りの体制作りが必要ということです。  それから、3番目のケースは、これは9才の児童ですが、母親がこういうお子さんを 持ったということでアルコール依存から肝硬変にかかりまして、急病、急死ということ で、面倒をみる方が80才のおばあさんしかいなくなってしまったという時点で、まずは 学校が終ってからの発達協会への送迎について行く人がいなくなったということで、移 動介護を入れさせていただいたということで、こういったサービスを知らなかったので とても助かったということです。  次の4番目はいわゆる重症心身障害児のケースですが、これは母親が要介護度2の肢 体不自由の方で、父親が週3回人工透析が必要な方でした。この方には、身体介護と家 事援助で、ここにありますような時間のホームヘルプを導入をさせていただきました。 利用者等の感想としましては、自分のことを聞いてもらって相談して気持ちが楽になっ た。これで足りるとは思っていないんだけれども、このサービスプランを実施してか ら、今後の在宅生活について引き続き相談していきたいということで、今後の課題とし ましては、母親が現在は受け入れてないんですが、重身の短期入所のレスパイト利用の 情報を提供して、今後検討してみてはいかがですかというふうに提案するといったこと が課題になっております。支援費制度利用援助モデルについての御報告をさせていただ きました。  江草座長  ありがとうございました。具体的な御説明で大変刺激になったと思います。何か御質 問はございませんか。特にございませんようでしたら部長の方から何か追加した御発言 はありませんか。  有留委員  これはあくまで東京方式ということで、地方に見合った制度導入の独自の取組がなさ れればいいと思うんですが、やはり国におかれましても中長期的な財源確保というの は、やはり各先生が言われたような議論は私どもも必要かなというふうに思っておりま すが、それまでの経過的にはやはり一定の予算増は避けられないし、その辺は何とか支 援費制度が導入されて間もない時期ですので、踏ん張っていただきたいなというふうに 考えております。以上です。  江草座長  ありがとうございました。それでは他にまだ御質問なり御意見があろうかと思います が、時間も参りましたので、次回の検討会について事務局から御説明をいただきたいと 思います。  高原課長  次回第13回の検討会になりますが、12月12日金曜日の午前10時から開催を予定させて いただいております。次回の取り運びでございますが、これまで年内12回にかけて御議 論をいただいてきましたが、一応一巡目の議論について、主な意見としてこういうもの が出ましたというものを整理をさせていただきたいと思っております。これまで大きく 3つの項目に分けて、地域生活を支えるサービス体系の在り方、それから、サービスと ニーズをうまく結びつけるシステムの在り方、それから、サービス提供を支える基盤の 在り方ということで、財源なりマンパワー、こういう大きく3つの項目に分けて議論を してきましたので、この大きな柱立てに沿ってこれまで出た主な御意見を事務局の方で 整理をいたしまして、年内の1つの整理にしておきたいと思っております。できるだけ 早く事前に各委員のお手元には、お届けできるようにしたいと思っております。  それから、午前中ということでどれだけ時間があるかわかりませんが、できれば、年 明け以降の議論の進め方についても事務局の方で考え方を整理してお諮りをさせていた だきたいと思っております。1月、2月の御都合も教えていただいておりますので、で きるだけ早く日程も決めさせていただきたいと思っております。議事録につきまして は、前回の議事録は現在作成中でございますので、追って郵送させていただきたいと思 います。議事概要につきましては、今日お手元にお配りしております。事務局からは以 上でございます。  江草座長  ありがとうございました。大変皆さんにお急かせしたり、御発言をいただくのがもっ ともっと言いたいと思われたのに遮ったりして申し訳ございませんでしたが、お蔭をも ちまして予定通り終了いたしました。御協力を感謝いたします。これで今日は終わらせ ていただきます。ありがとうございました。 照会先           [障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会事務局]                            厚生労働省社会・援護局                            障害保健福祉部障害福祉課                             川端、牧野(内線3043)                             TEL 03−5253−1111                             FAX 03−3591−8914