03/10/28 薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会議事録                薬事・食品衛生審議会                食品衛生分科会議事録                食品安全部企画情報課             薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会            日時:平成15年10月28日 9:58〜12:06            場所:虎ノ門パストラル本館一階 葵の間 1.開会 2.食品安全部長挨拶 3.議事  (1)食品添加物の新規指定、使用基準の改正について  (2)農産物に係る農薬の残留基準の設定について 4.報告事項  (1)食品中に残留する農薬等の暫定基準(第一次案)について  (2)アマメシバの関するパブリックコメントの結果について  (3)牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議の結果について  (4)その他 5.閉会 ○桑島補佐  それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分 科会」を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ御参集いただきまして、厚 く御礼申し上げます。  本日は、小沢委員、熊谷委員、品川邦汎委員、品川森一委員、豊田委員、丸井委員、 和田委員から御欠席の御連絡をちょうだいしてございます。  ます、10月28日付けをもちまして、新たに当分科会に御就任いただきました委員を御 紹介申し上げます。  50音でございますが、  澤田純一委員でございます。  篠崎英夫委員でございます。  長尾拓委員でございます。  長尾美奈子委員でございます。  現在の分科会員総数が20名でございまして、本日は15名の御出席をいただいておりま すので、本日の分科会が成立いたしておりますことを御報告申し上げます。  それでは、まず開会に当たりまして、食品安全部長からごあいさつを申し上げます。 ○遠藤部長  食品安全部長の遠藤でございます。本日は、御多忙のところ、また雨の中御参集をい ただきまして、誠にありがとうございました。委員の先生方におかれましては、それぞ れのお立場から食品安全行政の推進に御協力をいただいておりますことに、この場をお 借りして厚く御礼を申し上げます。  本日、御審議をいただきます内容でございますけれども。  議事1として「食品添加物の新規指定、使用基準の改正について」、これは具体的に はL−アスコルビン酸2−グルコシドの指定の可否。  それから、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸ナトリ ウム及び亜硫酸カリウムの使用基準の改正の可否についてが内容でございます。  また、議事2として「農産物に係る農薬の残留基準の設定について」、EPN、エチ クロゼート等の15農薬に係ります残留農薬基準の設定、あるいは改正の可否について御 審議をいただきたいと考えております。  このほか、報告事項といたしまして、まず1番目に、今年5月に交付をされました食 品衛生法等の一部改正の中で、一番最後に施行されることになっております、いわゆる、 残留農薬等のポジティブリスト制度への移行に伴います、暫定基準を一斉に定めようと するもので、コーデックスあるいはその他外国等で基準が設けられておりますものにつ いては、基準を決めてしまおうということで、その考え方を具体的にその考え方に基づ いて第一次案ということで世に問いたいということで、御報告をさせていただくもので ございます。  また、アマメシバにつきましては、管理措置を既にまず取ったわけですけれども、後 追いでパブリックコメントを取っておりまして、その結果について御報告をさせていた だきます。  また、先々週8頭目のBSEの診断がなされたということで、その結果につきまして 御報告をさせていただきたいということでございます。  委員の先生方から貴重な御意見を賜り、食品安全行政のさらなる推進を図ってまいり たいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ○桑島補佐  それでは、以後の進行につきまして、吉倉分科会長にお願いいたします。よろしくお 願いいたします。 ○吉倉委員長  それでは、資料の確認からお願いします。 ○桑島補佐  それでは、先生方のお手元に配らせていただいております、資料の確認をさせていた だきます。  大きく資料1、2、3、それから報告の資料が3つございます。  資料1−1は、諮問書の写しを付けてございます。  資料1−2は、L−アスコルビン酸2−グルコシドの食品安全委員会の健康影響評価 の通知でございます。  資料1−3は、毒性・添加物合同部会の報告でございます。  資料1−4は、パブリックコメントを取らせていただいた御意見についてというもの でございます。  資料2−1は、諮問書の写しです。  資料2−2は、亜硫酸塩類に係る食品健康影響評価の通知。  資料2−3は、毒性・添加物合同部会の報告について。  資料2−4は、パブリックコメントで寄せられました御意見等についてでございます。  資料3−1は、諮問書の写しです。  資料3−2は、農薬等の関係でございますが、安全委員会からの通知でございます。  資料3−3は、毒性部会・残留農薬部会合同部会の報告についてでございます。  資料3−4は、残留基準の設定について寄せられましたコメントに対する回答でござ います。  資料3−5は、WHO通報に基づく通報等に寄せられましたコメント及び回答につい てでございます。  それから、以下は報告の資料でございますが、資料1が食品中に残留する農薬等の暫 定基準(第一次案)について。  2が、アマメシバに関するパブリックコメントの結果について。  3が、牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議の結果についてでございます。  資料の過不足等ございましたら、事務局にお申し付けいただければ幸いでございます。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○吉倉委員長  よろしいですか。途中でないのが見つかったら、またおっしゃってください。 それでは、今日の議題は2つありまして、1つは「食品添加物の新規指定、使用基準の 改正について」。  2番目に「農産物に係る農薬の残留基準の設定について」、この農薬の件はかなり沢 山あるそうですが、よろしくお願いしたいと思います。  あと報告は、先ほどあった3点で、農薬等の残留基準第一次案。  アマメシバの報告。  BSEの先日の件という具合になっております。  まずは最初に食品添加物の新規指定、資料の1、事務局から説明をお願いします。 ○中垣課長  基準審査課長でございます。座ったまま失礼させていただきます。 添加物の新規指定につきまして、資料1−1から1−4に基づきまして御説明申し上げ ます。  資料1−1が、厚生労働大臣から審議会への諮問書でございまして、10月24日付けで、 この1番目、L−アスコルビン酸2−グルコシドの食品添加物としての指定の可否、こ れが本日の議題でございます。  資料1−2でございますが、9月25日付けで、食品安全委員会に対して評価をお願い したところ、その回答をいただいております。既に先生方御承知のとおり、食品安全委 員会は7月1日付けで発足いたしましたけれども、言わば過渡期にございまして、この ものにつきましては、リスク評価を従来の薬事・食品衛生審議会の中でやってまいりま して、その報告書を食品安全委員会に提出いたしております。  その報告書を受けた形で、食品安全委員会は評価の結果を回答してきておりまして、 具体的に申し上げますと、「記」の下でございますが、L−アスコルビン酸2−グルコ シドについて、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同部会において行 われた、「ADIを設定する必要がない」との評価の結果は、当委員会として妥当と考 えると。すなわち、7月までにこの分科会の下にございます、添加物と毒性の部会で評 価をした結果は妥当だという回答がまいっておるわけでございます。  そこで、その部会の報告でございますが、それが資料1−3でございます。6月27日 付けで当時の毒性部会長と添加物部会長から分科会長あて報告がなされております。  先ほど、食品安全委員会との関係で申し上げましたように、いわゆるリスク評価は今 年7月1日からは、食品安全委員会の業務ということになっておるわけでございますが、 それ以前の報告書でございますから、毒性に関する部分の報告というのが大半を占めて おるということではございますけれども、その毒性の関係の部分も含めて概要を御説明 したいと思います。  1枚めくっていただいて、2ページでございますが、L−アスコルビン酸2−グルコ シドの構造式が載っております。「参考」のところに書いてありますように、L−アス コルビン酸、すなわちビタミンCの誘導体、構造的に安定化させたものというものでご ざいまして、「3.用途」でございまして、栄養強化の目的で用いられるものでござい ます。  「4.起源又は発見の経緯及び使用状況等」でございますけれども、ビタミンCに誘 導体としてビタミンCを供給するために開発された。ビタミンCは言うまでもなく必須 の栄養素である。その所要量は、1日100mg と定められている。  また、このグルコシドは医薬部外品として国内では既に売られておるし、諸外国で見 ると食品添加物とて売られておるという実績はないけれども、アメリカでは化粧品、E Uでは化粧品あるいは飼料、餌でございますが、飼料の原料として用いられておる。  更に、下から3行目でございますけれども、添加物として申し上げますと、ビタミン Cの関係というのは、ここにございます4品目が既に添加物として指定されているとこ ろでございます。  3ページでございますけれども、「5.有効性」でございますが、(1)といたしま して、モルモットを用いて、その効果が見られております。端的に申し上げますと、ビ タミンCそのものとほぼ同等の壊血病等に関する効果が認められております。  (2)が「食品中での安定性」でございますけれども、25度及び40度で6か月安定で あった。更に清涼飲料水、あるいは紅茶飲料、乳酸菌飲料の中での動態が示されており ますけれども、ビタミンCそのものに比べるとより安定であったというような報告でご ざいます。  また(3)で「食品中の栄養成分に及ぼす影響」というのを調べております。 「6.安全性に関する知見」でございまして、(1)として体内動態、すなわち吸収、 分布及び代謝、排泄についてまとめられておりますが、まず吸収についてはラットで調 べられておりまして、低用量ではアスコルビン酸として体内に分布をするということが 調べられております。  また、4ページの中ほどに、分布及び代謝が、モルモットあるいはラットで調べられ ております。  5ページ目にCといたしまして排泄、またDといたしまして消化性に関する知見が述 べられております。消化性に関して申し上げますと、Dの上から3行目の末尾でござい ますが、唾液中のアミラーゼ、胃酸、膵液中のアミラーゼなどでは分解されず、小腸の 粘膜でのみ分解され、その分解率は52%程度であったというようなことが述べられてお るわけでございます。  そのまとめといたしまして、6ページにEとして体内動態の「まとめ」がございます ので、ここを御説明したいと思います。L−アスコルビン酸2−グルコシドは、通常小 腸のα−グルコシダーゼで加水分解されて吸収される。その後、L−アスコルビン酸と して体内挙動を示す一方、非常に高用量を与えた場合には、一部は代謝されずにL−ア スコルビン酸2−グルコシドの形で吸収をされて、腎臓で加水分解され、L−アスコル ビン酸として挙動をする。吸収されない分解物については、大腸で腸内細菌による代謝 を受けて糞中に排泄されるというふうに考察されておるところでございます。  (2)が「単回投与毒性試験」、いわゆる急性毒性の結果でございますし、(3)が 「28日間反復投与毒性試験」でございます。ラットを用いて、1,000mg/kgまでのL−ア スコルビン酸2−グルコシドを強制経口投与により、28日間の反復投与毒性が行われた 結果が述べられております。  (4)が「変異原性試験(復帰突然変異試験、染色体異常試験、小核試験)」の結果 がまとめられております。  7ページでございますけれども、ここの中ほどに(6)として「まとめ」が述べられ ておりまして、@としてラットの28日間反復投与毒性試験において、先ほど御紹介しま したように、1,000mg/kg/dayのL−アスコルビン酸2−グルコシドを投与した結果、 毒性を示すような結果が認められない。  Aといたしまして、ビタミンC強化剤としての使用においては、小腸で加水分解され、 L−アスコルビン酸と同様の体内挙動を示すということから、(ア)でございますが、 その安全性上の懸念というのは、L−アスコルビン酸を含めて添加物として既に指定さ れているその誘導体と同程度である。また、遺伝毒性も認められないというようなこと から、発がん性試験等は必要ではない。  また(イ)でございますが、ADIについては、JECFA、すなわちFAO、WH Oの国際専門家会議でございますけれども、そのJECFAにおいてL−アスコルビン 酸とその塩類については、ADIを設定する必要がないというような結論に達しており ますので、それと同様にADIを設定する必要がないのではないかというのが結論でご ざいます。7番として「1日摂取量について」、ビタミンC強化剤としてL−アスコル ビン酸が使用されている主なもの5種類について、すべて置き換わった場合の試算が述 べられております。その結果は、8ページの大きな8番の2つ前の段落にありますけれ ども、「この値を」から始まる段落でございますが、L−アスコルビン酸換算で、1〜 6歳時が200mg 程度、各年齢層ごとにありますけれども、20〜64歳が137mg 程度とい うふうな推定がされておりますけれども、部会においても余りに多くの仮定を置くもの であるけれども、いずれにしても安全性上の問題はないのではないかというような考察 が述べられております。  8番の「使用基準」でございますけれども、安全性に対する評価、あるいは1日摂取 量に関する評価を踏まえて、使用基準は設定する必要がない。また、参考までに申し上 げますと、既に指定されているL−アスコルビン酸、あるいはその誘導体についても使 用基準は設定されてない。  9番が「成分規格」でございまして、その試験方法等でございますが、これは別添の 2に示されているとおりでございます。  これが部会報告でございます。これを受けまして、資料1−4でございます。いわゆ るパブリックコメントを、本年の6月23日から7月22日に実施いたしましたけれども、 意見は寄せられておりません。  また、WTO通報も行いましたが、諸外国からの意見も寄せられておりません。説明 は、以上でございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○吉倉委員長  今は移行期ですけれども、一応食品安全委員会の方からリスク評価として上がってい ると、この委員会としては、これを受けてどうするかということなんですが、簡単に言 うとADIを設定する必要がないというふうな判断をするかどうかということです。 御意見どうぞ。  中垣さん、何か言いたいことありますか。 ○中垣課長  今、分科会長の御発言で、ADIを設定する必要がないかどうかというのは、これは まさしくリスク評価そのものでございますから、ごらんいただきました資料1−2にご ざいますとおり、食品安全委員会で既に設定がされております。すなわちこの分科会で 御審議を賜りますのは、そのリスク評価を基本に踏まえた上で、指定して問題がないか、 使用基準を設定しないというのが部会からの報告でございますが、それで差し支えない か。成分規格を別添の通り設定するというのが部会からの報告でありますが、それで問 題ないか。  この3点について、この分科会で最終的な御判断をいただきたいと思っているところ でございます。 ○吉倉委員長  どうも難しいんですね。今のような話です。どうぞ。 今日はたくさん議題がありますので、御意見がなければ今のような、中垣さん、難しい からもう一回言ってくださいませんか。 ○中垣課長  端点に申し上げますと、食品添加物の指定に当たって最終的な御判断をいただく機会 でございますから、そういう意味では申し上げますとフリーに御発言、御意見を述べて いただければありがたいと思うんですが、役人的に申し上げすと、指定をするかどうか、 使用基準をつくるかどうか、成分規格をつくるかどうかというこの3点の御判断をいた だければありがたいと思っていますし、その3点についてこの分科会の下にございます 部会でまとめられておりますから、この部会の報告が妥当であるかどうかという観点か ら御審議願えればありがたいと思っております。 ○吉倉委員長  結論としては、先生方は特に御意見がないということだと思います。 どうぞ。 ○長尾(拓)委員  これは、α−グリコシダーゼの基質として、特異性が低いのか高いのかということで すね。 今、薬でそういう阻害剤も出ているし、薬とのインタラクションに、問題はありません か。 ○吉倉委員長  その辺はどうですか、ほかの薬とのインタラクションはどうでしょうかということで すが。 ○中垣課長  申し訳ございません。ちょっと資料を探させてください。 ○長尾(美)委員  資料を探している間に、4ページの真ん中辺にキャスタノスペルミンという特異的な 阻害剤があるということです。 ○吉倉委員長  御質問の意図は。 ○長尾(美)委員  質問じゃなくて、阻害剤の御質問がありましたので、医薬品での阻害作用については わかりませんけれども、こういう阻害剤がありますということです。一応。 ○中垣課長  申し訳ございません。ちょっと手間取っておりますので、よろしければ後で御報告す るということでよろしいでしょうか。 ○遠藤部長  ビタミンC強化というふうな表現を使用する際は改めて考えなければいけないとは思 いますけれども。 ○吉倉委員長  どうぞ。 ○中垣課長  正直申し上げて、器質特異性そのものに関するデータというのは、今、少なくともこ こには持ってきておりません。かなりのボリュームのあるデータでございますから、そ の中にあるのかどうかということでございますが、それに若干関係することだけ申し上 げますと、キャスタノスペルミン、α−グルコシダーゼの阻害剤、これを粘膜側溶液に 添加すると、粘膜側から小膜側へのL−アスコルビン酸2−グルコシドの吸収の効率は、 約二倍に上がるというような結果はあるわけでございます。その器質特異性までのとこ ろというのは、今ここでは申し訳ございませんが。 ○長尾(拓)委員  薬の効果に問題がないとは思いますけれども、あとはこのものが吸収されても、大し て毒性はなさそうなので、それほど心配しているわけではありません。 ○吉倉委員長  そうすると、この部会報告がありましたが、これを基に分科会の報告をしてよろしい というお考えでよろしいということですか。 ○長尾(拓)委員  結構です。 ○吉倉委員長  そうしたら、薬事・食品衛生審議会規程第3条というのがありまして、これで分科会 の決議をもって審議会の議決をすると。これで、厚生労働大臣あての答申をすると。  それでは、答申案を配ってください。                 (答申案配布) ○吉倉委員長  簡単に読んでもらいましょうか。 ○蛭田補佐  それでは、確認させていただきます。「答申書案」でございます。  平成15年10月24日厚生労働省発食安第1024002 号をもって厚生労働大臣から諮問さ れた件については、下記のとおり答申する。                    記  L−アスコルビン酸2−グルコシドについては、人の健康を損なう恐れはないことか ら、食品添加物として指定することは、差し支えない。なお、指定に当たっては、別記 1のとおり成分規格を設定することが適当である。  別記1については、2ページ以降でございます。そちらについては、省略させていた だきます。 ○吉倉委員長  何か御意見ありますか、それではこれで承認いただいたということで、この答申書の 案を取ればいいわけですね。 それでは、次の議題にいきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○中垣課長  次にお願いします議題は、亜硫酸ナトリウム等の使用基準の改正でございます。  資料2−1から2−4に従って御説明申し上げたいと思います。  資料2−1が、大臣から審議会に対する諮問書でございまして、10月24日付けでござ いますが、この「記」の下の2番目、亜硫酸ナトリウムなどの使用基準改正の可否につ いてというものでございます。  これについても、先ほどのL−アスコルビン酸2−グルコシドと同様に、過渡的なも のではございますけれども、資料の2−2をごらんいただきますと、食品安全委員会か ら大臣あて、9月25日付けで食品健康影響評価の結果が回付されております。  「記」の下を読ませていただきます。  亜硫酸塩類について薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同部会にお いて行われた「その安全性について現段階で新たな対応をとる必要はないと考えられる 」との評価の結果は、当委員会として妥当と考える。ということでございまして、先ほ どと同様に、添加物部会、毒性部会のレポートが食品安全委員会としても妥当なものだ と評価がされておるところでございます。  それでは、そのレポートにつきましては、資料2−3に基づいて御説明申し上げたい と思います。  資料2−3が、6月27日付けで毒性部会と添加物部会から分科会長あてに送られた報 告書でございまして、2ページをごらんいただきますと、改正の概要というのが載って おるわけでございますが、わかりやすくしたのが3ページに表でございますので、この 表をごらんいただきたいと思います。  この亜硫酸塩類につきましては、いろいろな食品に使われておるわけでございますが、 今回改正が要請されておりますのは、この表の対象食品の欄の上から3番目、下線を引 いております「干しぶどう」、従来ございましたのは、乾燥果実、干しぶどうを除くと なっておりまして、それが2.0g/kg 未満という基準があったわけでございますが、これ に対して干しぶどうについて基準をつくってほしいというのが1点。  もう一点は、乾燥マッシュポテトに線が引かれておって、乾燥ジャガイモというとこ ろが追加になっておるわけでございますが、従来乾燥マッシュポテトに0.50g/kgという のがあったわけでございますけれども、今度は乾燥した角切りのカットポテトも追加を してくれないかというようなことでございまして、マッシュポテトとそういったカット ポテトを合わせて、乾燥ジャガイモという形にしたらどうだろうかというのが部会から の御提案でございまして、その干しぶどうの追加と乾燥マッシュポテトにカットポテト 等を追加することによって、乾燥ジャガイモというくくりにするという2つの改正につ いて御審議いただくところでございます。  3番の「有効性に関す知見」というのが、この3ページの下から5、6行目のところ にございますけれども、水分含量80%の生のジャガイモをいろいろな切り方で加工して 乾燥させたときの製造工程において、ジャガイモの褐変の防止、あるいは乾燥温度の上 昇等の目的で使用される亜硫酸塩に代わるものとして、L−アスコルビン酸などいろん な検討をしたんだけれども、代替可能なものはなかったとされています。  更にここには書いておりませんが、ジャガイモで0.5g/kg から2g/kgまで、いろいろ な段階で試験を行っておりますけれども、0.5g/kg で十分な効果があったということが 報告されておりますで、そういう点から申し上げますと乾燥ジャガイモについて基準値 が0.5g/kg ということで妥当ではないかと部会で判断されたものでございます。  また、レーズンにつきまして、次の4ページでございますが、米国、EUで既に使用 が認められており、コーデックスの基準値案の中でもレーズンの基準として1,500ppmと 設定をされておる。同じような褐変防止作用を考えるということでございまして、具体 的なデータとして書いておりませんが、0.2g/kg から1.3g/kg で試験がなされまして、 1.3g/kg でも有効であったということです。  更には、アメリカにおいては上限の制限がないわけでございますが、またEUでは2g /kgという基準になっておるわけでございますけれども、その辺り、あるいはコーデッ クスのことも考えて、1.5g/kg ということで部会の御結論をいただいておるわけでござ います。4番の「海外の状況」でございますが、先ほども申し上げましたように、米国 では使用が認められておりまして、上限は設定されておりません。  EUは、乾燥ジャガイモは400ppm、干しぶどうを含む乾燥果実は2g/kgという基準で ございます。  5番の「1日摂取量について」でございますけれども、マーケットバスケット調査を やっておるわけでございますけれども、13年1月の報告によりますと、二酸化硫黄はい ずれの食品からも検出されておりません。  イモ類加工品をすべて加工した、あるいはレーズンをすべて加工したということで見 積りますと、二酸化硫黄としてイモから0.23mg、干しぶどうから1.65mg、ADIに対す る比というのはわずかなものだということがまとめられております。  6番の「安全性に関する知見」でございますけれども、亜硫酸塩においては1980年代 後半から、喘息患者の過敏性というのが報告されておるわけでございますけれども、特 に新たな知見というのは報告されていない。  更にはマーケットバスケットによる摂取というのは、先ほど申し上げたとおり検出さ れていない。また、添加物としての表示は義務づけられておるということから考えると、 現段階で新たな対応をとる必要はないというふうな結論でございます。  以上、干しぶどうと乾燥ジャガイモの基準の追加について、よろしく御審議をお願い いたしたいと思います。  申し訳ございません。資料2−4を説明し忘れました。資料2−4が、パブリックコ メントの結果でございますが、またWTO通報の結果でございますけれども、いずれも 意見は寄せられておりません。  以上でございます。 ○吉倉委員長  役人的に正しい表現をするのは難しいか分りませんが、簡単に言うとこの干しぶどう を対象食品に入れると。もう一つは、これを食品安全委員会の方からは1.5g/kg 未満と 一応しておるということですね。  もう一つは、乾燥マッシュポテトというのを、カットポテトも入れるために乾燥ジャ ガイモとするということでいかがかという話です。  いかがでしょうか。 ○垣添委員  質問といいますか確認なんですけれども、3ページ目のところに出ているこの比較表 と書いてありますが、これは干しぶどうと乾燥したジャガイモのところが変わっただけ で、右側の数値のところは一切変わっていないということでよろしゅうございますか。 ○中垣課長  そういう意味では、不手際がございます。干しぶどうのところの1.5g/kg というのは、 今回新たにつくるものでございます。 ○垣添委員  ほかの部分は変わってないということですね。 ○中垣課長  ほかは変わっておりません。 ○吉倉委員長  それでは、特にパブリックコメントも意見が来ておりませんので、先ほど と同じよう な理由で、この分科会報告書を基に整理して分科会の報告をすると。 それでは、答申案を配ってください。                  (答申案配布) ○吉倉委員長  それでは、朗読してください。 ○蛭田補佐  確認をお願いいたします。                    答申書案  平成15年10月24日厚生労働省発食安第1024022 号をもって厚生労働大臣から諮問され た件については、下記のとおり答申する。                     記  亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウム及びピロ 亜硫酸ナトリウムについて別記2のとおり使用基準を改正することが適当である。  1枚めくっていただきますと、今回変更する箇所のみでございますが、「干しぶどう にあっては、その1kgにつき1.5g以上」「乾燥じゃがいも、ゼラチン及びディジョンマ スタードにあってその1kgにつき0.50g 以上」、該当箇所のみで失礼いたします。 ○吉倉委員長  いかがですか。よろしいですか。それでは、これで案を取って答申書として出すとい うことにしたいと思います。  あとこのト書きを見ると、今後の予定を分科会長が事務局に聞くことになっているん ですが、お願いいたします。 ○中垣課長  申し訳ございません。先ほどのL−アスコルビン酸並びに今回の亜硫酸塩の使用基準 改正につきましては、答申をいただきまして告示の手続に速やか入らせていただきたい と考えておりますが、大体1、2か月程度を目途に将来改正等必要な手続を行えたいと 考えております。  よろしくお願いいたします。 ○吉倉委員長  どうもありがとうございます。  それでは、農薬の方に行きたいと思いますが、事務局から説明をお願いします。 ○中垣課長  資料3−1から3−5に基づいて御説明申し上げます。  資料3−3が非常に分厚い資料でございまして、今回お願いいたしておりますのが、 15品目ございますので、実は特徴のある品目だけの説明にとどめるのか、全体を説明す るのか、あらかじめ分科会長にお聞きしたところ、全部説明しろということでございま すので、ちょっと長くなるかと思いますが、御容赦願えれば幸いでございます。  それでは、資料3−1についてまず御説明申し上げます。資料3−1が、大臣から審 議会に対する諮問書でございまして、10月24日付けでございます。この「記」の下の3 番「農産物に係る次に掲げる農薬の残留基準の設定について」というのが今回の議題で ございます。  次に資料3−2でございますが、9月18日付けで食品安全委員会から大臣あて、食品 健康影響評価の結果を回報いただいております。これも先ほどと同様に薬事・食品衛生 審議会でやってきた結果について、当委員会として妥当と考えるということで、1枚め くっていただきますと、それぞれの農薬ごとに、毒性部会、農薬部会の報告書に基づい て設定されたADIが妥当な評価であるということが掲げられておるわけでございます。  具体的に、資料3−3に基づいて御説明申し上げます。  6月30日付けで毒性部会と残留農薬部会から分科会長報告書がまとめられております。 1枚めくっていただきますと、農薬の部会の下にございます調査会で、10回ほど審議が された。また、もう一枚めくっていただきますと、暴露評価について4回審議をしたと いうことが経緯として掲げられてございます。その次に目次がございまして、新規に基 準を設定する農薬が、エチクロゼートから11品目、既にある基準を見直したのが、EP Nから4品目ということでございます。  それでは、次をめくっていただきますと、1ページが出てまいりまして、エチクロゼ ートという農薬でございます。これは植物成長を調整するものでございまして、4番の 「吸収・分布・代謝・排泄」を見ていただきますと、動物についてはラットを用いて吸 収・分布の状態が調べられております。  また(2)でございますが、植物については、みかんを用いて試験がなされておりま す。次に2ページでございますけれども、「5.安全性」のところでございますが、単 回投与試験、いわゆる急性経口については、マウスとラットでそれぞれ調べられており ます。「(2)反復投与/発がん性試験」でございますが、マウスを用いて94週間の反 復投与/発がん性併合試験が、またラットを用いて104 週間の反復投与/発がん性併合 試験がなされておりますが、いずれも発がん性は認められておりません。  また、ビーグル犬を用いた慢性毒性試験がやられております。  「(3)繁殖試験」については、ラットを用いて3世代繁殖試験、すなわち親、子、 孫までの状態を見る試験でございますが、これが実施されております。  「(4)催奇形性試験」、ラットとウサギを用いて奇形を催す催奇形性があるかどう かという試験が行われております。  「(5)遺伝毒性試験」、遺伝子に関する障害性について試験がなされております。  これらの結果で、6番のADIの設定でございますけれども、この(2)から(4) までの試験で、一番小さな無毒性量、すなわちそれ以下ではどの試験でも影響が出ない という無毒性量が、この場合には17mg/kg/day というイヌの慢性毒性の試験であったと、 すなわちこれが無毒性量として一番小さいということから、これを基に安全係数を100 として考えて、100 分の1が人に対するADI、許容量であるということで、0.17mg/ kg/day というのが提案されておるわけでございます。  この結果について、安全委員会が同意をしたということでございます。  その基準値案でございますが、9ページをごらんいただきますと、基準値案が載って おりまして、このエチクロゼートについては国際基準は設定されておりませんし、外国 としてアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、EU、カナダを、向こうの申し 出に従って調べておるわけでございますが、そこでは基準が設定されてはいない。我が 国の農薬取締法に基づく基準、これが登録保留基準という基準でございますけれども、 これだけがあるということから、それと同様の数字を提案させていただいているところ でございます。  次に11ページ、オキサジクロメホン。 ○吉倉委員長  ちょっと済みません。これの見方を説明してもらった方がいいと思うんですが、9ペ ージを見るとメロン類果実というのとミカンとカキに○が付いているんですが。 ○中垣課長  9ページと10ページでございます。今回、部会で提案されておりますのは、基準値案 のところ、すなわち農産物名があってその次の欄が基準値案でございますが、ここが部 会で提案されておるわけでございます。  その背景データが、登録の有無からでございますが、登録の有無という欄というのは、 日本の農薬取締法に基づいて登録がなされておるかどうかを示しております。  この○というのが、例えばメロン類果実に○が付いておりますが、これは我が国の農 薬取締法で登録がされておるということを示しております。そのときの基準値が登録保 留基準値でございます。次の欄の国際基準がコーデックスの基準値。次の外国というの は、各国大使館を通じて申し出を求めましたところ、科学的なつくり方をしておるとし て申し出がございましたのが、先ほどございました5か国地域でございますので、そこ を調べておるわけでございます。  その次が、作物残留試験が特にあった場合にはここに書いておるというようなことで ございます。 ○吉倉委員長  簡単に言うと、その上のスイカはだめだということですか。 ○中垣課長  スイカについては、基準が設定をしないというのが部会から来ておるわけでございま して、これは現段階においては基準を設定しないという形になるわけでございますが、 今年の5月の食品衛生法改正において、ポジティブリスト方式に移行するということが 改正で決まっておりまして、そのポジティブリスト方式と申しますのは、基準が設定さ れていない農作物については、原則として農薬が残留してはならないというのがポジテ ィブリスト制でございますから、今、分科会長おっしゃりましたとおり、スイカについ て基準を設定しないということは、ポジティブリスト制が施行された段階で、スイカか らある一定以上のエチクロゼートが見つかった場合には、これは食品衛生法違反となる ということでございます。 ○吉倉委員長  それはいつから施行するんですか。 ○中垣課長  あとの報告の中でやらせていただこうと思っておりますけれども、農薬だけで申し上 げますと、欧米で使われている農薬が600 、我が国が使われておりますのが350 という 状況の中で、食品衛生法に基づいてこのような形でつくられた基準というのは220 程度 に限られております。  したがいまして、この220 と国内登録で申し上げますと、350 との間を埋めなければ ならない。あるいは、欧米をどうするかという問題がございますから、そのために暫定 的な基準をつくったらどうかというのが、現在部会で御審議いただいているところでご ざいます。  この作業をするために、1、2年かかるんではないかと考えておりますし、法的には 公布から3年以内、すなわち今年の5月から3年以内に施行するということが決めてら れておるところでございます。 ○吉倉委員長  簡単に言うと、これはまだポジティブリストになってないから、スイカに使っても別 に罪にはならないということですか。 ○中垣課長  使う、使わないというのは、食品衛生法ですから、定められないわけですが、スイカ に残留した場合に、あとは法律第4条の規定、すなわち多量に残留していれば有毒・有 害物質を規制する4条で規制できると思いますけれども、ごく微量残留しておる場合に は、確かに分科会長御指摘のとおり、現段階では規制できないということになろうと思 います。 ○吉倉委員長  そういうふうな理解で、あと説明を聞いてください。次、お願いします。○中垣課長  11ページの2番目の農薬、オキサジクロメホンでございます。  これは、除草剤でございまして、「4.吸収・分布・代謝・排泄」のところは、動物 についてはラットで、植物はイネで試験がされております。  12ページでございますが、安全性について単回投与試験、反復投与発がん性試験が実 施されておりますが、「(2)反復投与/発がん制試験」の中で、マウス、ラットとも 肝細胞がん、あるいは肝細胞腺腫が見られております。これについて、この報告書の中 では12ページのちょうど中ほど、「また」から始まる段落でございますけれども、この 肝細胞腺腫、肝細胞がんのメカニズムについて、薬物代謝酵素の誘導でございますとか、 いろんな試験をやった結果、非遺伝性のメカニズム、すなわち閾値が設定できるたぐい のものであろうというような評価が下されております。  また、イヌの試験が行われておりますし、(3)として「繁殖試験」、13ページに移 りまして(4)として「催奇形性試験」、(5)として「遺伝毒性試験」が行われてお ります。  その結果、先ほどと同様に、一番低い無毒性量として6番の「ADIの設定」でござ いますが、ラットの24か月試験から0.906 という数字が見出されて、それに安全係数 100をかけてADIか設定されております。  14ページに基準値案について述べておるわけでございますが、具体的には19ページに 表がございます。このオキサジクロメホンというのは、米のみに0.1ppmという基準をつ くろうというのが部会から上げられておるところでございます。  次が21ページ、ジクロシメット、殺菌剤でございます。「4.吸収・分布・代謝・排 泄」を見ていただきますと、動物はラットで植物はイネで行われております。  「安全性」について、単回投与試験の次に、22ページをごらんいただきますと、反復 投与発がん性試験が実施をされております。このものについて、マウスの発がん性試験 で肝細胞腺腫が見られておりまして、先ほどと同様のいろんな試験が行われております が、薬物代謝酵素誘導が見られているというようなことから、また遺伝毒性の結果が陰 性であるというようなことから、閾値が設定できる類の非遺伝毒性メカニズムによるん だろうという評価でございます。  それ以外に、繁殖試験、催奇形性試験、遺伝毒性試験が出されておりますけれども、 特別なことは見られていないかと思います。  その結果として、23ページにADIが0.005mg/kg/dayと設定されておりまして、こ れに基づきます基準値が29ページ、これもイネだけに設定されておりますけれども、基 準値案として登録の基準値0.5ppmと同様の基準値で提案がなされております。  31ページがテプラロキシジムでございます。これは除草剤でございます。「4.収集 ・分布・代謝・排泄」をごらんいただきますと、動物はラットで植物については大豆、 なたね、てんさいで試験が行われております。  32ページをごらんいただきますと、5の「安全性」で単回投与の次に反復投与/発が ん性試験について記述がございます。  この(2)の4番目のパラグラフに、ラットの発癌性試験で肝細胞がんが認められて おりますが、この肝細胞がんのメカニズムついて、イニシエーション作用があるかどう かというのが問題となるわけでございますけれども、イニシエーション作用はないので はないか。プロモーション作用、またはS期における染色細胞の結果から、投与量によ り増加した可逆性の変化ではないか。また、遺伝毒性の結果を見ると、これは閾値が設 定できるたぐいのものであるという評価でございます。  次に33ページをごらんいただきますと、「(3)繁殖試験」「(4)催奇形性試験」 「(5)遺伝毒性試験」として、通常求められるたぐいの試験結果が報告されておりま す。その結果、34ページにADIの設定がなされておりまして、ADIとしては0.05mg /kg/day である。  7番の「基準値案」でございますが、49ページをごらんいただきたいと存じます。49 ページに、テプラロキシジムの基準値の案が提案されておりますけれども、国内で登録 がございますもの、あるいはアメリカで同様に使われておるもので、これが対象となっ ております。  まず最初の大豆でございますが、国内で2ppm という基準があるわけでございますが、 一方アメリカで6ppm という基準があるということも勘案し、大豆はほとんどが輸入品 である。更にはADIの中に摂取量がおさまるということから、この6ppm という基準 でどうだろうかという提案でございます。  あとは国内での基準が参考となっておりますが、50ページをごらんいただきますと、 エダマメは国内の基準でございますが、綿実、ナタネ、これについてはアメリカと同様 の基準をつくったらどうだろうかということが部会から報告されております。  以上でございます。  次に51ページ、トリネキサパックエチル、これも植物の成長を調整する農薬でござい ます。  「4.吸収・分布・代謝・排泄」については、動物はラットで植物はイネで試験が行 われております。  52ページでございます。「安全性」については、単回投与試験、反復投与/発がん性 試験、繁殖試験、催奇形性試験、遺伝毒性試験等、通常求められるものがすべて実施さ れており、特段の結果はございません。  「6.ADIの設定」をごらんいただきますと、ADIとしてラットの2世代繁殖試 験から、安全係数100 を用いて、ADIが0.0059mg/kg/day ということで設定されて おります。  その基準値、61ページでございます。61ページをごらんいただきますと、この品物も 米のみに基準が0.5ppmという農薬取締法と同様の基準が提案されております。  63ページが、ファモキサドンという農薬でございまして、殺菌剤でございます。「4 .吸収・分布・代謝・排泄」は、動物はラット及びイヌで試験がされておりますし、64 ページをごらんいただきますと、植物についてはバレイショ、ブドウ、トマトで試験が されております。  「5.安全性」でございますが、単回投与試験、反復投与/発がん性試験が実施され ておりまして、このものについて簡単に御説明申し上げますと、まず64ページの「(2 )反復投与/発がん性試験」のところにおきます、ビーグル犬の試験が13週間の亜急性 毒性試験が行われておりますけれども、この場合40ppm から600ppmまで3段階の試験で ございますが、このパラグラフの一番最後、40ppm 投与群の雌に1例、白内障が認めら れる。よって本試験の無毒性量は設定できないというふうな評価があるわけでございま す。  一方、同じイヌを用いた試験として、65ページの上から10行目ぐらい「ビーグル犬」 から始まる段落がございますが、ビーグル犬を用いて52週間の反復投与毒性試験をやっ た。こちらの方が期間が長いわけでございますが、その無毒性量が40ppm 、1.2mg/kg/ dayということで、先ほどの亜急性毒性試験では40ppm で白内障が見られている。それ に対して、この約三倍長い慢性毒性試験で見られていない。ここが部会での評価の議論 になっております。  66ページをごらんいただきますと、下から5、6行目のところにそこが書かれており まして、ビーグル犬を用いた13週間の亜急性毒性試験の最低用量で白内障が見られたけ れども、12か月間の試験では見られていない。そういうことから考えると、13週投与後 の白内障というのは、この農薬による影響ではないのではないか。更にイヌ以外の動物 でも白内障が認められていないというようなことが述べられておるわけでございます。  基準値案でございます。74ページをごらんいただきたいと存じます。74ページをごら んいただきますと、これも国内の農薬取締法の基準だけでございますけれども、それを 基に基準値が提案されております。  次が76ページ、フェノキサニルという殺菌剤でございます。「4.吸収・分布・代謝 ・排泄」は、動物はラット、植物はイネでやられております。  77ページをごらんいただきますと、「安全性」について単回投与試験の次に反復投与 /発がん性試験がございます。この中で、マウスの発がん性試験で肝細胞腺腫が認めら れております。これについても、いろんな試験が行われておりますけれども、酵素誘導 によるんだろうというようなことから、閾値が設定できるたぐいの、ADIが設定でき るたぐいのメカニズムだろうという考察がされております。  ラットについては発がん性は見られておりません。  78ページをごらんいただきますと、繁殖試験、催奇形性試験、遺伝毒性試験と、通常 やられる試験が行われております。  その結果、79ページにADIが設定されております。これを基に基準値の案が87ペー ジにございます。87ページをごらんいただきますと、これも米について基準が設定され ております。  89ページ、フェノキサプロップエチルという除草剤でございます。これは「3.構造 式及び物性」のところを見ていただきますと、書かれておりますとおり、R体とS体と いう鏡の両面のもののラセミ体である。この混在物である。  一方、フェノキサプロップP−エチルというのがございまして、これはR体を多く含 む物質である。  この2つを併せて評価をされております。  「4.吸収・分布・代謝・排泄」については、フェノキサプロップエチルの方はラッ トでやられておりますし、次のページを見ていただきますと、フェノキサプロップP− エチルについてもラットを用いた試験が行われております。  植物についても同様でございまして、大豆を用いて試験が行われております。  「5.安全性」でございますが、単回投与試験の次に91ページに反復投与/発がん性 試験として、それぞれごとにラット、イヌ、あるいはマウスを用いた試験が実施されて おります。  92ページには、繁殖試験、あるいは催奇形性試験が実施されております。通常求めら れる資料のほかに、この場合にはサルを用いて催奇形性試験も実施されておるようでご ざいます。  また、93ページの末尾には、遺伝毒性試験が実施されております。  これらを総合的な評価として、94ページの下から10行目ぐらいのところに、※がござ いますが、このエチルとP−エチルというのを見てみると、代謝あるいは毒性を比較す ると、このP−エチルについてはラセミ体のエチルと併せて評価を行って問題がなく、 基準値も両者併せて設定することが妥当であろうという総括がなされておるところでご ざいます。基準値の案は、104 ページでございます。これはかなり多くの国々で使われ ておりまして、我が国の農薬取締法に基づく登録保留基準のほか、国際基準はございま せんが、アメリカ、オーストラリア、カナダ等で基準を参考につくられております。  最初の米でございますが、米についてはアメリカに基準がございまして、0.05ppm と いうのが提案されております。  小麦については、カナダの0.1ppm。大麦も同様でございます。  トウモロコシについては、オーストラリアの0.01ppm というのが用いられております。  更に大豆については、我が国の基準とカナダの基準とで0.1ppmで同様でございます。  以上、そのような形で、ひとつずつ基準が設定をされ、提案されているところでござ います。  次に106 ページ、フェントラザミド、これは除草剤でございます。吸収・分布・代謝 ・排泄、単回投与試験が述べらておりますが、107 ページをごらんいただきますと、反 復投与/発がん性試験がございまして、マウスとラットで行わせれておりますが、マウ スで発がん性は見られておりませんが、ラットで膀胱がんが見られております。これに ついてメカニズムが調べられておりますけれども、プロモーション活性がある、細胞増 殖活性の亢進がある、遺伝毒性はマイナスである、DNA付加体は検出されないという ことから、これもADIが設定できるたぐいのものだという評価でございます。  また、坐骨神経の変性が認められておりますが、これについては神経毒性試験が急性、 亜急性等で実施されておりまして、人に影響を及ぼすようなものではないという評価で ございます。  更に108 ページに繁殖試験、催奇形性試験、109 ページに遺伝毒性試験という通常求 められるものがございまして、その結果としてADIが設定されております。  基準値の案については、121 ページでございます。これも米のみでございますが、国 内の基準を参考に基準が設定されております。  123 ページが、フルアジナム、殺菌剤でございます。吸収・分布・代謝・排泄が、動 物、植物で実施されておりますし、124 ページをごらんいただきますと、安全性として 単回投与、反復投与、更に125 ページに繁殖、催奇形性等ございまして、発がん性試験 の一部で肝細胞腺腫が認められておりますが、これも先ほどと同様にいろんなメカニズ ムを検討した結果、閾値が設定できるという評価でございます。  126 ページにADIが設定されておりまして、基準値案は132 ページでございます。 132 ページをごらんいただきますと、これは国内での基準のほかに、オーストラリアで 基準が設定されおります。小麦からハクサイまでは国内の基準のみでございますが、キ ャベツから上記以外のあぶらな科野菜までは、オーストラリアでも基準が設定されてお りまして、我が国の農薬取締法に基づく基準が0.1 、オーストラリアが0.01ということ でございますが、我が国の基準でも当然ADIの中におさまるということから、この場 合に我が国の基準を提案がされているところでございます。  133 ページにその続きがございますが、ここは我が国の基準のみでございます。  次が134 ページ、フルミオキサジンという除草剤でございまして、吸収・分布・代謝 ・排泄、安全性の試験がまとめられておるわけでございますが、特段御報告するような ことはなかろうかと存じます。  その結果、136 ページにADIがラットの24か月試験から設定されておりますし、 146ページをごらんいただきますと、基準値の案が示されております。このフルミオキ サジンは、136 ページの大豆と落花生についてアメリカのみでございますが、このアメ リカの基準を基に、147 ページをごらんいただきますと、ミカンからブドウまで、我が 国の農薬取締法の基準を基に、これしかございませんので、設定がされております。 ○吉倉委員長  口がだるくなったと思うので、ちょっと質問を聞きましょう。どなたか御質問ござい ますか。 ○長尾(拓)委員  具体的なことではなくて、一般的な質問です。このリストにあるものを決めていくわ けですね。ここに入ってないもので、多分検出できるものがあり得ると思います。それ を追加で入れるのは、容易なのですか。 ○中垣課長  基準を設定しておる農作物というのは、我が国の農薬取締法、あるいはアメリカ、E U、そういうところで農薬を使っていいですよというところで認められた農作物に基準 を設定しておるわけでございます。  農薬取締法に基づいて、農薬を使っていいですよというときには、安全性の問題と、 その農薬を使う必要性の問題と、そこに出てくる残留性の問題、あるいは環境への問題、 こういうものが評価されて、この農作物に対して使っていいですということが決められ ておりますので、それを参考に基準をつくってきておるということでございます。  それでは、そこにない、農薬取締法、アメリカでもヨーロッパでも認められていない 農作物に、この農薬を使うということが、法的には問題が去年の12月、いわゆる国内で 申し上げますと無登録農薬といって、農薬取締法で使っていいと言われている農作物以 外に使っていたというのが幾つも報道されまして、それを受けまして昨年の特別国会の 中で、農薬取締法が改正になりました。すなわち、農林水産大臣が認めた農作物以外に 農薬を使ってはいかぬと、要するにそこで、例えばミカンについて使っていいとなって いるんだけれども、それをキャベツに使うと法律違反になる。使った人が違反になる。  一方では、我々食品という観点から申し上げますと、このキャベツに若干残留してい るわけですが、これをどうするかということが同時に問題となってくるわけでございま して、これについて先ほどちょっと説明しましたが、いわゆるポジティブリスト制へ移 行をする。すなわちミカンは使っていいと言われているんだから、みかんについては基 準をつくるけれども、キャベツは使っていいとなってないわけですから、これについは 基準をつくらないで、基準をつくらないものというは残留が認められたら原則食品衛生 法違反にするという形にしようということで、法律改正が終わったところでございます。 ○吉倉委員長  ですから、先生の質問は、これは申請したら簡単に審議してもらえるかという質問だ ったと思うんですが。 ○中垣課長  申し訳ございません。農林水産省が求めておりますのは、残留のデータ、要するに例 えば1ppm まく必要がある、0.5 では効果がない、1、2という、いわゆる用量相関を 書くんだろうと思うんですが、それで1ということになりますと、1でまいたときにど れぐらい残留するかというデータを求めておるようでございます。 ○吉倉委員長  ほかにいかがですか。私から聞くけれども、関係あるかどうかわからないですが、こ の中に抗菌剤というのがありますね。人に使われている医薬品、抗生物質、その他、交 叉耐性があるものとかチェックしてあるんですか、その辺はどうなんでしょう。 ○中垣課長  一般的に申し上げますと、農薬で人に使われているのは、余りないのではないかと思 います。  動物薬で人と同じものが使われるというケースはありまして、そういう場合には交差 耐性等を調べております。 ○吉倉委員長  私が調べたところだと結構ありますね。余り人に使われないような抗生物質が結構使 われていたと思います。調べてください。 ○中垣課長  承知しました。 ○吉倉委員長  それでは、今までのところはよろしいですか。  どうぞ。 ○正田委員  外国基準値を採用しておられるケースがかなりあるようですけれども、その外国基準 値の場合には、先ほどのお話で伺いますと、4か国1地域にその基準があるかないか。  その4か国1地域の中の1か所にだけ基準があるんだったらば、それが参考値になる んでしょうけれども、幾つも基準値が異なったものがあった場合に、どれを採用すると いうような物差しは使っておられるんでしょうか。 ○中垣課長  今、御審議をいただいております本基準と、後で御説明する暫定基準と区別をするた めにこう呼んでおるわけでございますが、この本基準を設定する際には、毒性の評価に 基づいて許容量が決められます。この許容量を摂取量が越えない範囲であれば、外国基 準がある場合に、例えばアメリカとヨーロッパと違う、そのときにどれを取るかという のは、そこから計算される推定摂取量が許容量を越えないというのが大方針でございま す。その範囲内であれば、先ほど御説明したときに、アメリカと例えば国内が違う、国 内の方が基準が大きいという場合に、国内の基準値を持ってきておりますし、アメリカ と日本、逆にアメリカが大きい場合にも、ADIの範囲を越えないのであればアメリカ の基準値を持って来ておるということでございます。 ○吉倉委員長  どうぞ。 ○垣添委員  今の御説明に関連してなんですが、例えば食べ方が違うという問題がありますね。前 の方に大豆が出てきましたけれども、例えばアメリカで大豆は多分油を絞る原料という ことになります。日本で大豆といったら、では片方ではエダマメみたいな格好で野菜的 に食べると。これはたしか49ページだったと思いますけれども、アメリカが6で設定を しましたと、例えば近いマメでインゲンは0.2 で設定していますと、同じ農薬、除草剤 に対して。これも何となく今の御説明からすると、ちょっとわかりにくいところがある と思いますけれども、食べ方の違いみたいな問題は配慮されるべきではないかと思いま す。 ○中垣課長  エダマメと大豆というのは、実はこの基準値上、食べ方が違うということで別分類に なっておりますので、別のカテゴリーとしてそれぞれごとに基準を考えておるわけでご ざいますが、それぞれの農作物ごとにどれだけ残留するか試験をして、その結果を基に 決めていくというのが、我が国でも、あるいはコーデックスでもやられておるわけでご ざいます。  それを越えて、データを越えて、例えば小麦と大麦を同じくするのかどうかというの は、そういったいわゆる整合性を取る必要があるかどうかというのは、かなり難しい議 論なんだろうと。ただ、国際的な申し上げますと、残留試験の結果というのがやはり重 んじられておると思います。その結果ぎくしゃくが出ておるというのも、委員御指摘の とおりの点があるんだろうと思います。 ○吉倉委員長  それでは、次にいきましょうか。大丈夫ですか、中垣さん。 ○中垣課長  少し急がせていただきます。 148ページから、いわゆる既存の基準がある農薬について見直しを図ろうということで、 審議会の御支唆もいただいて、見直しを逐次図ってきておるもので、今回は4回目にな ると思いますが、まず148 ページ、EPNという有機リン系の殺虫剤でございます。  このものについては、安全性を全面的に見直して、新しいデータに基づいて評価がさ れております。  また、149 ページの末尾でございますが、有機リン系というのは神経系に毒性がある ということから、神経毒性について幾つもの試験が繰り返し実施されております。これ が特徴ではないかと思っております。  また、150 ページに繁殖試験、催奇形性試験、151 ページに遺伝毒性試験というのが ございます。その結果、ADIが0.0014mg/kg/day と、従来のADI、食品衛生調査会 当時のADIというのが0.023 でございますから、そういう意味で申し上げますと許容 量が1たけ小さくなったというのが今回の見直しの結果でございます。  それらの結果も踏まえて、基準値の案が整備されておりまして、具体的には160 ペー ジをごらんいただきたいと存じます。これは先ほどのカラムと違いまして、最初の農産 物名のカラムの次に基準値案があるのは同様ですが、その次に現行の基準値が書かれて おります。それより右の欄は、先ほどと同様でございます。  上から米に0.1 という従来の基準値、小麦に新たに登録がなされたということから 0.2という基準値が提案されております。  その次、バレイショ、現行0.1 というのがあるわけでございますが、登録が削除にな っておりますので、あるいは外国にも登録がないということが、この基準値は廃止をし よう。  あるいは、大根類についても同様でございます。  また、161 ページにいっていただきますと、一番上のホウレン草、これは国内、外国 とも使用が認められていないということから、この基準値を廃止するとともに、ショウ ガについては逆に登録がされておるということがわかりましたので、基準値を設定して おります。  ミカンから、カキ、あるいはお茶についても国内外において使用が認められていない ということから削除をしようという提案でございます。  次は、162 ページのクロルピリホスでございまして、これは殺虫剤でございます。4 のADIの項を見ていただきますと、平成3年11月に当時の食品衛生調査会で議論され ておりまして、現時点で見直しが必要というような新しいデータがないことから、この ADIを維持するという提案でございます。  基準値の案でございますが、163 ページにございまして、これは国内のほか国際基準 がございますし、EU、アメリカ、オーストラリア等で使われておるわけでございます が、まず最初、米の基準値、これは現行と同様でございまして、その値というのは国際 基準と同様でございます。ただ、EUは0.05という低い基準のようでございます。  次の小麦でございますが、現行0.1 でございますが、アメリカが0.5ppmという基準が あるようでございまして、このアメリカの基準値を採用してみておるところでございま す。  大麦については、EUの基準値でございます。  ライ麦についてでございますが、国内では認められてない、外国であるのはEUの0.0 5ppm というところでございますが、これが※の1番となっております。このEUの※ の1番というのは、あとの164 ページの末尾、※の一番を見ていただきますと書いてお りますように、検出限界として設定をされております。すなわち検査方法でここまでし か検出できませんという値でございますが、国内で採用しておる検査方法の検出限界が0 .01ppm でございますから、そういう意味で検査方法の限界という意味であれば、我が 国では0.01だということで、現行の0.1 を0.01に改正しようという提案でございます。  以下、同様な形で基準値で設定されております。  次に165 ページのフェンピロキシメートでございます。これは平成4年10月の食品衛 生調査会でADIが議論されておりまして、その結果というのは維持されております。  166 ページ、167 ページに基準値がございますが、これは国内登録と、167 ページを 見ていただきますと、国際基準が一番下のブドウとホップについてございます。  また、リンゴ等についてはオーストラリアの基準もあるわけでございますが、先ほど 申し上げましたとおり、ADIの範囲内ということで作物残留試験の結果も見ながら基 準が定められておるところでございます。  次に168 ページ、マレイン酸ヒドラジドでございます。これは植物成長剤でございま すが、カリウム塩、コリン塩など、複数の塩が農薬としてあるところでございまして、 それらの塩を併せた形で評価がされております。単回投与、反復投与、更には繁殖試験、 催奇形性試験、変異原性試験と、いつものような試験がされておりますが、173 ページ をごらんいただきますと、173 ページの下から5、6行目の「ADI」というところで ございますが、0.25mg/kg/day となっておりまして、従来が5mg/kg/day ですから、 大幅に下がっておるところでございます。  その下がった範囲内で、基準値が180 ページに提案されております。これも国内での 基準、国際基準、EU、カナダ、アメリカの基準を参考に基準値が設定されておるとこ ろでございます。  これが部会の報告書でございまして、この報告書に対して、資料3−4、いわゆるパ ブリックコメントを1か月やりまして、27件の御意見をちょうだいしております。  1枚めくっていただいて、1ページでございますが、御意見の内容の概要と、それに 対する考え方が整理されておるわけでございますが、かいつまんで御説明申し上げます と、一番左側の番号の欄で申し上げますと、2番のコーデックス、あるいは諸外国の基 準と比べて日本の基準は緩いんじゃないかということでございますが、若干事実誤認が ございまして、コーデックスとの間では緩いものはない。外国との間では、先ほど申し 上げましたような事情で、厳しかったり緩かったりとあるわけでございますが、いずれ にしても摂取量が許容量を上回ることがないように設定しているので、国民の健康確保 に支障はないんだろうということを考えております。  5番目が、海外5か国以外の使用状況の調査と審議を希望するということでございま すが、実はこの5か国を選んだ理由というのは、科学的に設定された基準でないと、参 考にもならぬだろうということで、各国の大使館に呼びかけまして、科学的に設定して おる基準で、我が国で参考としてほしいというのがあったら申し出てくださいというこ とをやったわけでございますが、その結果申し出られたのがこの5か国で、5か国につ いて部会で審議していただいて参考とするに値するだろうということを判断いただいた ということでございます。  6番目が公開の問題でございまして、これは情報公開法の問題でございます。  7番目が発がん性が認められたという御報告を幾つかやったわけでございますが、発 がん性が認められたら、メカニズムに関係なく検出されてはいけないという基準にしろ というような御意見でございまして、これはそういうことではないのではないかという ことを書いているところでございます。  8番目が、残留実態調査、我々作物残留試験の結果と申し上げたわけですが、一般に 出回っている食品というのは、マーケットバスケット、あるいはいろんな調査をやりま しても、非常に低い残留でございまして、一般に出回っている残留実態に基づいて基準 値を決めたらどうかということでございますが、国際的な方法と違うのではいなかとい うこと。  10番に水、空気の問題。  11番に妊婦、子どもの問題が指摘されております。  次のページでございますが、個別問題に入って14番に、EPNについて、先ほど申し 上げましたとおり、ADIが小さくなっているわけでございますが、ADIが半分にな ったのであれば基準値も半分にしろという御意見でございまして、作物残留試験の結果、 あるいはコーデックス基準等に基づいて摂取量がADIを越えないように設定しておる ということを説明しています。  また、16番目でございますが、クロルピリホスのホウレン草について、EUと同じよ うに0.05ppm にしろ、あるいは未設定にしろということでございまして、今の基準値は そもそも見直しの対象ではない、基準値は自体はオーストラリア、あるいは韓国と同じ であるし、EUの0.05というは検出限界であって我が国の試験法の検出限界は0.01だと いうことを書いておるわけでございます。  17番と20番が、いわゆるマイナー農作物、農薬取締法改正に基づく問題でございまし て、これについては別に資料を用意しておりますので、それで説明をさせていただきた いと思います。  4ページでございます。先ほどから数人の委員から、基準値をつくらない、あるいは 認められている農作物に使ったらどうなるんだという御質問をいただいているわけでご ざいますが、その端的な例がマイナー農作物問題と呼ばれているものでございます。  経緯でございますが、昨年12月の農薬取締法改正で、農薬の使用基準を定めることと なって、使用基準に違反した使い方というのは、使用者に罰則が適用されることとなり ました。  ところが、この使用基準というのは、当然登録された農作物だけを決めておるわけで ございますが、先ほどちょっと申し上げましたとおり、いろんな試験の結果が必要とな りますので、今までメーカーは主要な農作物だけに登録をしてきた。  例えば、キャベツならキャベツに登録をして、よく似た葉っぱものについては登録を してこなかった。主要な農作物ではないと、それについては、登録がない、逆に言うと 使える農薬がないというのが去年の12月に判明したところでございます。  これについてどうするかというのが、国会等でも議論をされて、経過措置が定められ ております。すなわち、農薬取締法の使用基準について経過措置を設けて、当分の間は 農林水産大臣が承認したものについては、残留基準、あるいは登録保留基準の範囲内で あれば使っていいですよというような経過措置が定められたところでございます。  そういう状況にございますので、基準をつくる農作物というのは登録された範囲内だ と申し上げてきたわけでございますけれども、この経過措置が適用されているもの、農 薬取締法に基づいて経過措置がつくられているもの、具体的に4ページの一番最後の○ のところ、クロルピリホス、フェンピロキシメートでございますが、農薬取締法と同様 の経過措置を設けさせていただこうというのがこの整理でございます。  以上、主な意見だけを御紹介させていただきます。  最後が、資料3−5で、これがWTO通報の結果でございます。基準値案について通 報した結果、中国から意見が提出されました。この中国からの意見については、資料3 −5の1ページの3に書いておりますように、10月6日付けで既に事務局としての考え 方は示したわけでございますけれども、これについて簡単に御紹介させていただきたい と思います。  次をめくっていただいて1ページでございます、正式バージョンは後ろに付けており ます、英語と英語のやりとり、これが正式バージョンでございますけれども、その概要 を中国からの意見と、それに対する解答という形で、1ページから3ページにまとめて おりますので、これをごらんいただければ幸いでございます。  まず最初のコメントは、儀礼的なものでございますので省略いたします。  2番目のコメント、1)となっているものでございますが、エチクロゼートほか10農 薬については、登録から時間が短い、あるいはわずかの国が登録がない。コーデックス もない。どうして基準を定めるのかという趣旨でございますが、国内で登録を認めてお るのだから、基準をつくりますというようなことを答えております。  次が2)でございますが、CACというのはコーデックスのことでございますが、コ ーデックスの基準、あるいはWTO加盟国の基準と比較して厳しいのではないかという ことでございます。  先ほども申し上げましたように、事実誤認でございまして、コーデックスより厳しい ものはない。外国との基準との関係はさまざまだけれども、作物残留基準の結果等に基 づいて基準値をつくっておる。  更に、中国を除きそれ以外の国からは意見がなかった。すなわち一応御御了承いただ いているものというふうに考えておるということでございます。  2ページでございます。今回見直しの対象としなかったものについて、どうなってい るんだということでございますが、これは書類のつくり方として改正部分だけ出しまし て、そういう意味でちょっと理解がしにくかったんだろうと思います。  4)がクロルピリホスでございますけれども、クロルピリホスのホウレン草について は、昨年来中国から輸入されたもので違反があったということから、中国との間でいろ んな議論をしておるわけでございますが、日本の基準が非科学的だというコメントでご ざいます。  それについて回答としては、もう繰り返し説明しているように、ADI、あるいはこ の摂取量、そういう観点から国際的な考え方にのっとってやっております。非科学的、 非合理的というようなものであるとは考えておりませんということを答えております。  2ページの最後の2)で、具体的な基準値でクレソンとかメロンとか、あるいはEU、 コーデックスが、0.05mg/kg というのが一番下の基準として使っているんじゃないかと いうことでございますが、いずれも事実誤認でございますから、3ページに事実誤認で はございませんでしょうかということを答えております。  5)、6)は、いずれも事実誤認がございますから、それを指摘しております。  7)が一般的なことでございますが、文章による意見を求めて、それに応じて意見に ついて協議していくということが定められておるわけでございますが、いつでも意見交 換をしていく用意がある。更には10月下旬に分科会を開催して最終的な検討を行うとい うことを答えておるところでございます。  以上、長くなりましたけれども、御説明を終わらせていただきます。 ○吉倉委員長  どうも御苦労様でございました。それでは、御意見その他。 何かありますか。さっきの基準値を付けて登録がないというのは、これはどういう扱い になるんですか。  この表で、基準値が書いてあって○が付いてないのは、そういうのが幾つかあるんで すが。 ○中垣課長  基準値案の項に数字であって、○が付いてないというのは、右側に国際基準、あるい は外国の基準が入っているんだろうと思います。すなわち国内、あるいは先ほど申し上 げましたように、申し出があった4か国1地域で使うことが認められているものについ て基準をつくっていくというのが基本的な考え方でございます。 ○吉倉委員長  これは、例えばクロルピリホスをホウレン草に使うというのは、登録の有無というの が農水の登録があるかないかという意味ですか、それとも、ちょっとこれよくわからな いんだけれども。 ○中垣課長  クロルピリホスのホウレン草については、国内では農薬取締法について使うことが認 められておりません。オーストラリアの基準があります。 ○吉倉委員長  そうすると、○が付いてないのは国内で使われてないと理解すればいいわけですね。 基準はあるけれども使われてないということですね。 ○中垣課長  そういうことです。 ○吉倉委員長  御質問いかがですか。ちょっと時間もないので、特になければ、今のような報告を受 けて分科会の報告をしたいと思いますが、それでは案を配ってください。                 (答申書案配布) ○吉倉委員長  それでは、また朗読をお願いします。 ○宮川補佐
 答申書案。  平成15年10月24日厚生労働省発食案第1024002 号をもって厚生労働大臣から諮問され た件については、下記のとおり答申する。                     記  EPN、エチクロゼート、オキサジクロメホン、クロルピリホス、ジクロシメット、 テプラロキシジム、トリネキサパックエチル、ファモキサドン、フェノキサニル、フェ ノキサプロップエチル、フェントラザミド、フェンピロキシメート、フルアジナム、フ ルミオキサジン、マレイン酸ヒドラジドについては、別記3、4のとおり食品規格(農 産物に係る農薬の残留基準)を設定することが適当である。  別記3、4は、先ほどの資料3−3にございました。基準値案を抜き出してございま す。以上でございます。 ○吉倉委員長  いかがですか。数字とか表は大丈夫ですね。 ○宮川補佐
 確認いたしました。 ○吉倉委員長  ということですが、よろしいでしょうか。  それでは、こういうことで案を取って答申書にしたいと思います。これもさっきのあ れで2か月程度でやるということでよろしいですか、今後のスケジュールは。  それでは、これで審議が終わってあとは、報告事項に入るわけですね。それでは、最 初の農薬等の暫定基準からお願いします。 ○中垣課長  報告資料1に基づいて御報告させていただきます。先ほどから御議論いただいていた ように、今回の食品衛生法改正でポジティブリスト制を、農薬、動物用医薬品、飼料添 加物について導入するということになっておるわけでございます。  この1ページの下から5、6行目、その条文の引用の後でございますが、この制度が 導入されますと、基本的に基準が設定されていない農薬が残留する食品の流通が禁止さ れる。  一方では、残留農薬基準等が定められている範囲というのが限られておるということ から、暫定的な基準をつくるということで、農薬・動物用医薬品部会で御議論願ってき たところでございます。  2ページでございますけれども、その作成の方法が載っておるわけでございますが、 具体的には、後になって恐縮でございますけれども、6ページをごらんいただきたいと 思います。  6ページにフローチャートがございまして、コーデックス基準がある場合、ない場合、 更にコーデックス基準がある場合に国内登録がある場合、ない場合というふうに分けて おるわけでございますが、コーデックス基準がある場合には、コーデックス基準を基本 に考えましょう。これはWTO条約、SPS協定を結んでおるわけでございますので、 そういう観点からコーデックスを基本に考えましょうとさせて頂いております。ただ、 国内の事情に特段の理由がある場合には、それは勘案いたしましょうということです。 コーデックス基準がない場合、国内登録がある場合と、国内登録がない場合に分けられ るわけでございますが、国内登録があれば国内登録を基本に考えましょう。ただ、輸入 食品の生産、流通などのいろんな勘案する事態がある場合には、外国基準も考えましょ うというようなことが定められておるわけで、この外国の基準というのは、先ほど申し 上げました4か国1地域でございます。  先ほど御説明したときに、例えば外国の基準がアメリカが1で、ヨーロッパが2だっ たらどうするんだという御質問をいただいて、本基準の場合はADIが定まっているの で、そのADIを上回らない範囲であれば、勘案することもある。すなわち摂取 量が ADIを上回らないというのが基本的ですとお答えしたわけでございますが、この 暫 定基準の場合にはADIの評価をやっておるわけではございません。すなわち数百の農 薬について個別にADIを設定をするというのは非常に難しいわけでございますので、 会での御審議では外国基準を参考とする場合には、その平均を取るということが提案れ ております。すなわちアメリカが1でEUが2であれば1.5 ということを基本にされて おります。  次の7ページ、これが実際に作成させていただいたものでございますけれども、まず 規則案の1番に書いてありますのは、抗生物質、あるいはその他の抗菌剤の規定でござ いますので、従来同様でございます。  2番が、いわゆるADIが設定できない農薬、これが13農薬ございます。これについ ては不検出という従来からと同じ取り扱いでございます。  3番目が、いろいろ書いておりますが端的に言うと、生鮮農産物について暫定基準を 設定したものでございまして、これが647 農薬ございます。  4番が、これは自然界にあるものと、例えば汚染物質、重金属等が農薬として使われ る場合がございますので、それに対する規定でございます。  8ページの5番が、いわゆる加工食品でございまして、加工食品について基準を設定 したのが52ございます。  具体的な基準につきましては、今日もうホームページに掲載されておるかと思います けれども、打ち出しますとこれ2冊になりまして、ホームページを通じて御意見、ある いは通知を出して御意見を賜ろうというふうに考えておりますが、膨大なものになりま すし、その膨大なものを事務局のチェックの不手際というのもあるんだろうと考えてお りますし、見ていただく、意見を出していただくにも通常の1か月ではとても足りない と考えておりますので、意見募集を3か月予定させていただいておりますし、いただい た御意見を基にまた部会で御議論を願いたいという意味から、今回1次案というふうに 部会でもしていただいておりますが、そういうことで御報告申し上げます。 ○吉倉委員長  差し当たり簡単に何か、今、意見募集をやっている途中で、そのうちここの分科会に 上がってくるだろうという話ですが、一応報告ですがよろしいですか。 では、次に行きましょうか。 ○中垣課長  報告資料の2でございます。いわゆるアマメシバについての意見募集の結果がまとま りましたので報告させていただきます。このアマメシバを含む粉末等の加工食品につい ては、9月5日の日にこの分科会で御議論をいただいて、改正法の4条の2の第2項に 基づいて、暫定的な流通の禁止をすることが適当であるという御結論をいただき、私ど も9月12日の日に告示をして、実際それを発動したわけでございます。  同時に、9月12日から10月11日まで意見募集をしたところでございまして、9つの法 人、個人から14件の意見を聞いております。中身においては、医学的なものもございま すので、専門家の方々からのアドバイスもいただいて、答えをつくっておりますので、 これについて御報告させていただきたいと思います。  まず、意見の1が粉末で、しかも食物繊維であるので、気管支内に蓄積され、体内に 吸収及び排出されなかったために重症被害に至ったのではないかという御意見でござい ますが、専門家の御意見も聞いたところ、液体で溶解して服用する。あるいは、経口摂 取時に吸入する可能性はほとんどない、パッケージ開封時を考えてもその可能性は非常 に低い、台湾での発症例というのは粉末ではない、などなどの原因から、そのような仮 説というのは成立し難いというふうな考え方をいたしております。  意見の2がインフルエンザとの関係を述べたものでございます。1枚めくっていただ きますと、その答えが載っているわけでございますが、インフルエンザの大流行は今ま でも何度となくあったわけでございます。その際にこの疾患の発症が上昇したというよ うな報告はない。また、病像も全く異なる。更に鹿児島の症例では、いろんな検査もや っておって、その関係というのは考えられないということでございます。  意見の3が、大量の防腐剤、あるいはそれに類似したものが使用されたことが原因で はないかということでございますけれども、防腐剤というものからの閉塞性細気管支炎 の発症の報告というのは、今までにないし、台湾のレポートを見てもそういうことは記 載されていないというようなことから回答しております。  意見の4、5、6というのを一まとめにしておりますけれども、今までその製品を愛 用しているけれども、何の問題もない。あるいは、被害報告があったものと特定のアマ メシバというのは違う。あるいは、マレーシアで病人が出てない。その法人のものから も病人が出てないというようなことをおっしゃっておるわけでございます。  意見の7が、ないと困る方がたくさんおられますというようなことが述べられており まして、その4、5、6、7についてでございますけれども、9月の分科会でおまとめ いただきましたとおり、@として、我が国では重度の健康被害、すなわち閉塞性細気管 支炎でございますが、2件、3例報告されておる。台湾でも被害事例が数百例オーダー で報告されておるというようなことから、この審議会、更に安全委員会の御意見も聞い て措置を取ったものであること。  そもそも安全確保というのは、事業者の責務であって、販売禁止の措置の解除という のも利害関係者からの申請に基づき、あるいは必要に応じて認められておるということ を述べております。  意見の8が、いわゆる生野菜の問題でございますけれども、生鮮アマメシバはマレー シアで一般に加熱処理して食べられて、健康被害の事例もない。粉末等については大量 摂取の可能性があるということを答えております。  意見の9は、迅速な検討、対応がよかったという意見でございます。  意見の10は、諸外国の情報を早くつかめということでございます。  見の11は、お茶の形態の点でございます。  意見の12は、先ほどと同様な生鮮アマメシバとの関係でございます。  意見の13は、ちょっと違うんですが、ダイエット食品について許可は届出制としろと いうことで、今回の募集内容とは直接関係ございません。  意見の14は、生鮮アマメシバも販売できなくなったということで、生鮮アマメシバに 対する考え方というのは、回答14のところにございますように、8月29日、9月5日、 9月12日、いずれもプレス発表、あるいは公式文書を出すときに考え方を明らかにして おるわけでございまして、厚生労働省としては一応の措置を講じておるということを答 えておるわけでございます。  以上、簡単でございますけれども、9月5日の日に御審議を賜り、措置を取りました アマメシバについての意見募集の結果を御報告させていただきました。  ありがとうございました。 ○吉倉委員長  今のようなことですが、よろしいですか。  それでは、次の最後、お願いします。 ○南課長
 監視完全課長でございます。報告資料の3に基づきまして、BSE検査に係る専門家 会議の結果について御報告申し上げます。  本件は、先般茨城県の屠畜場におきまして、屠殺、解体された牛がBSE感染牛だと いうことで判断されたわけでございますが、まずこの牛の概要でございますが、この報 告書の3の1ページの下の方を見ていただきますと、字が少し小さいんですが、この牛 は栃木県で生まれまして、福島県で飼育されたということで、屠殺されたのは茨城県と いうことでございます。9月29日に屠殺をされました。  雄のホルスタインで23か月齢でございました。  BSEの検査は、屠畜場で簡易検査が行われまして、そこで陽性になったものが国立 感染症研究所などで確認検査が行われるということで行われております。今回もそのよ うな検査が行われまして、確認検査までいったわけでございます。  真ん中ごろの「記」を見ていただきますと、この確認検査は3つの検査が行われまし て、ウエスタンブロット法、それから病理組織学的検査、免疫組織、科学的検査の3つ が行われます。この3つの結果を精査していただきまして、非定型的なBSEというふ うに判断がなされたわけでございます。  この検査法につきましては、まずウエスタンブロット法でございます、これは後ほど 写真がございますので見ていただきますが、プリオンが検出をされた。しかしながら、 糖鎖パターン及びプロテアーゼ耐性が、これまで確認されたBSEのものとは異なって いるということで、非定型的なBSEと判断されたわけでございます。  また、病理組織学的検査及び免疫組織化学的検査につきましては、陰性というふうに 判断をされております。  めくっていただきまし、これがウエスタンブロット法による検査の結果でございまし て、上と下、抗体を違えて検査がなされております。1、2、3は、マウスにスクレー ピーを感染させたものでございます。  それから、9、10、11が、BSEにかかった牛の脳のものでございます。  5、6、7、8が、今回の茨城の検体でございます。5、6は、プロテアーゼ処理を 2回行ったもの。それから、7、8が、プロテアーゼ処理が1回ということで、BSE のこれまでのものでは、1回処理しても2回処理しても余り濃さは変わらないというこ とでございましたが、今回は明らかに5、6と7、8では濃さが違ってきているという ことでございます。  また、この黒い部分につきましても、出る位置、それから濃さが少し異なるというふ うに出ておるわけでございます。  めくっていただきまして、上の赤く出ている部分が、病理組織学的検査でございまし て、通常のHE染色ということで、赤く染まっているわけでございます。ここでは、海 綿状の変化というのは特に見られてないということでございました。  下の方が免疫組織学的検査でございまして、ここにおいて青く染まっておりますが、 ここに異常プリオンが出ますと、これが茶色になるということでございまして、ここで も陽性のシグナルは見られなかったという報告でございます。  めくっていただきまして、これは1頭目が出た後、厚生労働省が行った屠畜場におけ る牛の検査の結果でございます。全頭検査を行っておりまして、これまでに今回の事例 を含めまして7頭BSE感染牛が報告をされているわけでございます。右の方に合計が ございますが、屠畜場における簡易検査で陽性になったものが111 件でございます。  めくっていただきまして、我が国で報告されましたBSE感染牛についての概要でご ざいます。今回の事例は一番下にございますが、23か月齢ということで、これまでの7 つのケースに比べて月齢が非常に若いということでございます。  検査結果、右の方でございますが、免疫組織学的検査でマイナスになったというのも 初めてでございます。  この8頭いずれの場合にも、BSEを疑う特徴のある臨床症状は確認されていないと いうことでございます。ただ、4と5と6につきましては、屠畜場におきまして起立障 害があったという報告でございます。  この件につきましては、今後、伝達性などの生物学的異常を確認するための調査と申 しますか、実験動物への接種実験が予定されております。また、8頭目につきましても、 同居牛と申しますか、育った時点で同じえさを食べていた牛につきましては、農林水産 省の方でこの原因究明、感染ルートの究明が進められているということでございます。  以上でございます。 ○吉倉委員長  何か質疑応答あります。  それでは、これで大体全部終わったと思うんですが、あと今日はやらなければいけな いのは何でしょうか。  事務局何かございますか。 ○桑島補佐  その他につきましては、特にございません。  それから、次回の分科会の御連絡を申し上げたいと思いますが、次回の分科会は12月1 7日を予定しております。また、追って御連絡を申し上げたいと思っております。よろし くお願いいたします。 ○吉倉委員長  それでは、今日はどうも御苦労様でした。                                       了 照会先 医薬食品局食品安全部企画情報課  03−5253−1111(2449)