03/10/17 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会　平成１５年１０月１７日議事録


　　　　　　　薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録


１．日時及び場所
　　平成１５年１０月１７日　１０：００～
　　医薬品医療機器審査センター

２．出席委員（１０名）五十音順
　　井　上　和　秀、　岩　﨑　　　学、　金　井　　　淳、◎河　村　信　夫、
　　櫻　井　秀　也、　首　藤　紘　一、○長　尾　　　拓、　早　川　　　浩、
　　藤　上　雅　子、　村　勢　敏　郎
    （注）　◎部会長　○部会長代理
　 欠席委員（７名）
　　小　嶋　茂　雄、　堺　　　秀　人、　谷川原　祐　介、　南　部　鶴　彦、
　　長谷川　紘　司、　樋　口　輝　彦、　矢　崎　義　雄
　　
３．行政機関出席者
　　岸　田　修　一（審査管理課長）、　平　山　佳　伸（安全対策課長）、　
　　豊　 島 　　聰（審査センター長）、　
　　青　木　重　仁（審査センター企画主幹）、　
　　赤　川　治　郎（審査センター審査第一部長）、
　　森　　　和　彦（審査センター審査第二部長）、
　　辻　村　信　正（審査センター審査第三部長）、他

４．備　　考
　　本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。




○事務局　それではまだお見えになっていない委員の先生方がいらっしゃいますけれど
も、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開催させていただきます。本日はお忙しい
中お集まりいただきましてありがとうございました。当部会委員数17名のうち現在９名
ということでございまして、定足数に達していることを御報告申し上げます。
　まず、前回８月の当部会の開催以降事務局に人事異動がございましたので、御紹介さ
せていただきます。審査管理課長の岸田でございます。安全対策課長の平山でございま
す。続きまして審査センターの異動でございますが、企画主幹の青木でございます。審
査第一部長の赤川でございます。以上です。それでは河村先生、議事進行をよろしくお
願いします。
○河村部会長　定足数に達しているそうですので、本日の審議に入らせていただきます。
審議事項が２議題、報告事項が４議題となっていますけれども、審議に入る前に事務局
から配付資料の確認と資料作成に関与された委員の報告をお願いいたします。
○事務局　それでは資料の確認をさせていただきます。資料１～６までがあらかじめお
送りした資料でございます。本日の席上配付資料といたしましては議事次第、座席表、
当部会の委員名簿、資料７といたしまして「医薬品第一部会審議品目の薬事分科会にお
ける取扱い、毒薬・劇薬の指定の要否及び生物由来製品/特定生物由来製品の指定の要否
について(案)」、それから資料８といたしまして専門委員の名簿でございます。以上で
ございます。お席にございますでしょうか。
　それから、平成13年１月23日の薬事分科会申合せに基づく資料作成に関係された委
員の確認でございますが、本日の議題については関与委員はいないということでござい
ます。以上でございます。
○河村部会長　ありがとうございました。事務局の方に相談ですけれども、まだお二人
ぐらいいらっしゃるので報告事項からやっていただいてしまいますか。
──　櫻井委員着席　──
○事務局　定足数に達しておりますので…。
○河村部会長　順序どおりやってしまってよろしいですか。では審議事項の議題１、医
薬品プレセデックス持続静注液、人工呼吸中及び抜管後における鎮静だそうですけれど
も、事務局の方から御説明をお願いいたします。
○事務局　それでは議題１、資料１、医薬品プレセデックス静注液「アボット」、同「マ
ルイシ」の輸入承認の可否等について、審査センターより御説明いたします。塩酸デク
スメデトミジンは国内及び海外で動物用の鎮静鎮痛剤として使用されているメデトミジ
ンの光学活性体であり、中枢性α２アドレナリン受容体活性化作用を有するものです。
本薬は集中治療における鎮静について開発が進められ、輸入承認申請が行われたもので
す。今年３月現在本剤は米国、オーストラリア等40か国で承認されております。
　本申請の専門委員としましては資料８の１枚目にあるとおり、越前委員、鹿庭委員、
洪委員、炭山委員、奈良間委員、武田委員、鍋島委員、林委員、平澤委員、宮川委員、
宮崎委員、安田委員の12名が指名されました。
　臨床試験成績はブリッジングコンセプトに基づいたデータパッケージとして提出され
ております。国内外のブリッジング試験の結果から、本剤の鎮静作用は確認されている
と判断しております。用法・用量については、申請時はローディング時の用量として６
μg/mL/時間を10分間、又は３μgを20分間とされていましたけれども、３μgを20分
間については国内の臨床試験では実施されていないこと、また米国の承認用量には含ま
れていないことから、ローディング時の用量は６μgを10分間のみとすることが適当で
あると判断し、そのように用量を設定しております。また、臨床試験では本剤の投与期
間は24時間まででしか実施されておらず、それ以上の投与期間における安全性が明確に
されていないことから、用法・用量において投与期間の上限を24時間とするとともに、
24時間以内に抜管可能な患者に本剤を投与するよう、「効能・効果に関連する使用上の
注意」に記載しております。
　安全性については、本剤投与後の心血管系の有害事象発現について十分注意すべきで
あると判断しております。また、肝機能障害患者における安全性については十分に注意
するとともに、腎障害患者及び高齢者における安全性と併せて市販後調査の中で検討す
べきであると判断しております。なお、本剤の利点は抜管時・抜管後を通じて投与でき
ることであると思われますけれども、本剤の臨床的な位置付けをより明確にするために、
市販後臨床試験を実施することを承認条件とし、現在汎用されている薬剤との併用にお
ける効果や、抜管時における患者管理への貢献度等について検討することを予定してお
ります。
　以上のような審査の結果、審査センターは提出された資料から集中治療下での人工呼
吸中及び抜管後における鎮静に対する本剤の有効性及び安全性が示されたと判断し、承
認条件を付した上で本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
　本申請は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は６年とすることが適当
であると判断しております。なお、原体は毒薬、製剤は劇薬に該当し、また本剤は生物
由来製品又は特定生物由来製品に該当しないと判断しております。薬事分科会では報告
を予定しております。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○河村部会長　ありがとうございました。この薬剤について御質問、御意見はございま
すか。ＥＵで中断していることについてちょっと御説明いただけますか。
○事務局　ＥＵの方ではいったん申請はなされましたけれども、その後申請が取り下げ
られております。その経緯につきましては「審査報告書」の44ページに記載してありま
すけれども、主な理由としては臨床試験として提出されたものがプラセボに対する有効
性を中心とした成績であったため、比較対照薬を用いた比較試験による本剤の位置付け
をより明確にすること、それから心血管系への安全性の問題についてよりリスクをはっ
きりさせることということで、ＥＵの方から追加データの要求がなされておりました。
安全性につきましては、ＥＵの方で見られた安全性の問題が、手術室からＩＣＵへの移
動の際に管理が不十分になったために心血管系の副作用が出たという理由が想定されま
して、その辺りの注意喚起をすることで対応できると申請者の方では考えていたようで
す。しかし、実際に今回日本での申請にも提出されたプロポフォールとの比較試験のデ
ータをＥＵの方に提出したところ、それでは不十分であるということで現在そのまま審
査が止まっていまして、いったん取り下げている状況でございます。
○河村部会長　ということだそうでございますが、アメリカではよろしい、ＥＵでは今
のところ通らないというお薬だそうですけれども、御質問、御審議をよろしくお願いい
たします。何かございますか。
○岩﨑委員　臨床試験で有効性があるだろうということはプラセボ相手だからいいので
すけれども、ブリッジングの第I相をハワイでやっていますよね。これに関しては何か
特別な理由などがあるのでしょうか。
○審査第二部長　これは治験相談の段階からの話がございますので、ちょっと御説明を
させていただきます。ハワイで第I相試験を行いましたのは、実は通常行う第I相試験
とかなり違った臨床薬理試験というデザインになっていまして、この薬はかなり強い鎮
静作用がありますので、健康な方にこういう鎮静作用の強い薬を点滴して、その鎮静の
効果を見ながら薬物動態を見、忍容性を見るという試験は日本国内ではできる施設がな
いということがございまして、ハワイに滞在中の日本人を対象にしてこういう試験を企
てたと。当初はこの試験だけでブリッジングをしようということで開発されましたが、
医薬品機構の方で、それではこの薬の臨床現場における本当の効用が評価できないとい
う指摘をしておりまして、その結果として国内の臨床試験を更に実施するとなった経緯
がございます。試験そのものは非常によく考えられておりまして、この薬のいわゆる薬
理学的な効果と薬物動態の関係をかなり精緻に評価しております。非常に短期間しか使
わないお薬でございますので、ハワイ在住といっても生活習慣その他の影響はほとんど
出てこないであろうということもありまして、地域が違うということは余り問題になら
ないだろうと考えられております。基本的には日本人を集めてきちんとした試験をした
という点で、欧米人との動態上の差異があるかどうかはこれで評価できると考えられた
ものでございます。
○長尾部会長代理　今の御説明なのですけれども、これが前例になって今後そういうこ
とが一般化するということはないのですか。この場合だけ特別だという理由が何かない
と、実際に日本でフェーズIというのはやらなくなる…。
○審査第二部長　恐らく治験依頼者側としては日本で試験をやる方が現場が近く管理が
非常に容易なので、多くの製薬企業は基本的には日本でやりたいと考えているようです。
ただ、例えば欧米人、コーカシアンと日本の移民の方、日系三世までの方々に同じ施設
で同時に試験をやって精密に薬物動態を比較するとか、こういうことやる場合にはハワ
イというロケーションでの試験はかなり恵まれているというケースもございます。した
がって、個々のケースで適切と考える場合はハワイという地域、場合によっては西海岸、
あるいはヨーロッパの例えばドイツ辺りの施設などで、日本人を集めて薬物動態につい
ての比較試験や薬理学的な試験はぼちぼち行われてきております。ただ、これは一般的
にその方がずっと便利だとか、それが多数を占めるとか、そういうことになるというも
のではございませんで、それぞれ薬の開発のストラテジーの中で一番都合がいいケース
ではそういうことも考慮されるようになっております。必ずしもこのケースだけが特別
ということではないと私どもは認識しております。
○首藤委員　そういうときレギュレーションというのは、日本とアメリカのどちらにな
りますか。
○審査第二部長　基本的には試験を実施している地域におけるレギュレーションに従っ
て行われます。ただ、アメリカ、ヨーロッパ、日本ではこの治験に関するレギュレーシ
ョンは一応ICH-GCPとして統一化されておりますので、その差異は余り問題にならない
と考えています。この辺りのくだりは、民族差要因についてのＥ５ガイドラインの中で
基本的な扱いが示されております。今回の申請についても、そのガイドラインのＱ＆Ａ
に示されている解釈の範囲に収まっているということでやっております。
○首藤委員　もし何かあったとき、厚生労働省の方からは何も言えないのですか。
○審査第二部長　申請資料として出されておりますので、この試験に関してインスペク
ションをするということは申請後のものについてはできます。先生が御指摘の点で、治
験中に何かあったときにどうなのかということですが、アメリカで行われている治験の
場合はＦＤＡの方に届出をすることになっておりまして、そこで問題があればいろいろ
な指導を受けるというルールになっております。これは日本とアメリカとヨーロッパの
規制当局が自分の地域で行われる臨床試験についてそれぞれの規制をしていまして、こ
の中で被験者の安全は確保されるようになっているという現状でございます。
○河村部会長　確かに手続上はそれでいいようでございますが、御発言ございますか。
どうぞ。
○岩﨑委員　確かにおっしゃったようにかなり強そうな薬で、動物実験などにしてもい
ろいろなことが出ていますよね。24時間という縛りがあるのですけれども、これを読ん
でいても臨床の現場で24時間が本当に守られるかということは大丈夫なのですか。
○事務局　実際には、そういう患者さんを選んで使ってくださいということぐらいしか
こちらからは言えないかと思うのですが、もちろんそれ以上の使用があった場合には、
きちんと市販後調査をしていただいて安全性を確保するということで対応せざるを得な
いと考えております。
○長尾部会長代理　「添付文書(案)」の２ページに「(１)重大な副作用」と「(２)その
他の副作用」があるのですけれども、例えば「(１)重大な副作用」で「１)低血圧(５％
以上)」、「２)高血圧(５％以上)」と…、実際はもう少し多いのかもしれないですが。
ちょっと気になるのは「４)心室細動」なのですけれども、これは0.1～５％未満のとこ
ろに入っています。これは多分起こったら重大だというのはよく分かるのですが、本当
の確率がどの辺なのか分からないのです。「(２)その他の副作用」の方は「１％以上」、
「0.1～１％未満」、「0.1％未満」と非常に細かく分けていて、この辺はどのように見
ればいいのでしょうか。
○事務局　その上の「１)低血圧」と「２)高血圧」と「３)徐脈」は５％で切ってあって、
１％のところでもう一つ区切れるかというお話かと思いますので、確認した上でこの
「0.1～５％未満」という広い記載はもう少し狭くできないかどうか、検討させていただ
きたいと思います。
○審査第二部長　ちょっと補足させていただきますと、「資料概要」の30ページに米国
の添付文書が載っております。ここに副作用についてプラセボ対照試験のときの生の数
字といいますか、実際に観測された頻度を記載してございます。御覧になってお分かり
になりますように、プラセボ群でも例えば低血圧と高血圧では13％、18％と出ておりま
す。つまり手術とか基礎となる麻酔といったいろいろな薬剤の影響がある中でございま
すので、結局こういうプラセボ対照試験の結果を差し引いて考えるしかないということ
で、実は副作用の頻度が本薬によるものかを見積もるのが非常に難しいという背景がご
ざいます。したがいまして、ここで心室細動そのものは極めて頻度が低いので「心房細
動」のところを御覧いただきますと、本剤が４％、プラセボが３％でその差１％という
見方もできなくはないのですが、こうした形で示すぐらいしかちょっと手がないという
こともございます。
○長尾部会長代理　全体の話はいいのですけれども、実際に心室細動は何例ぐらい起こ
っているのですか。私もちょっと全部見てこなかったので。
○河村部会長　分かりますか。ちょっと時間を頂きますか。
○事務局　申し訳ございません、少しお時間を頂きたいと思います。
○櫻井委員　いろいろ先生方が問題にしてあれなのですけれども、この薬そのものが極
めて限られた状況、要するにＩＣＵの管理下で、「効能・効果」に書いてあるとおりで
いえば「集中治療下で管理し、早期抜管が可能な患者での人工呼吸中及び抜管後におけ
る鎮静」ということですが、この薬がなくても今集中治療室でやっているわけです。で
すから、今どういう不具合が起きていて、この薬があると集中治療の管理がどのように
うまくいくようになるのだということを、どなたか説明してもらえないかと思うのです
が、どうでしょう。それが大したことないなら皆さんが問題にするような薬をわざわざ
新しく導入する必要はないけれども、これがあれば集中治療がうまくいくからというこ
とで出てきたのだと思うので、そこの有効性がピンと来ていないからということもある
ような気がしますが、どうでしょうか。どなたかそういうことの分かる人に教えていた
だけますか。
○事務局　そもそものこの薬の利点ということかと思いますけれども、現在のほかの鎮
静剤で若干難しい面があるのは、まず鎮静レベルのコントロールが容易に行くかどうか、
それから鎮静作用がありますので呼吸抑制が同時に起こることがあるというところでご
ざいます。この薬の場合は血中に入ってから消失するまでの時間が短いので、投与量の
調節によって鎮静のレベルがコントロールしやすいということがございます。それから
呼吸抑制の方も、もちろん全くないということではありませんが、既存のものに比べれ
ば少ないというのが本剤の利点になっております。
○櫻井委員　つまり現状のほかの鎮静剤では、呼吸抑制のために人工管理をしているに
もかかわらずかえって呼吸停止が起きたり、十分に効かなかったり、何か不具合が起き
ているということなのですか。
○事務局　実際に問題が起こるという状況はそれほど多くはないと思いますけれども、
コントロールのしやすさという面でこの薬の良さといいますか、売りがあるものと考え
ております。
○櫻井委員　ですから、特にこういう限られたものに使う薬というのは今言ったように、
これが使えることによってどのくらい良いことがあるかということと、先生方が今問題
にしているようないろいろな問題点との兼ね合いで決めるしかないのではないでしょう
か。余り一般にどんどん使う薬ではないから、その辺の兼ね合いで有効性が高ければ、
ここに書いてあるようにそれに習熟した医師がきちんと注意して使えということでいい
のではないかという気がします。
○河村部会長　これは一応専門協議のときに麻酔科の先生もお出になって、この薬が市
販されることのメリットはあると御判断になったようでございますが、読んでみるとこ
れはどこで効いているか私にはどうもよく分からないのです。麻酔をかけて覚醒のとき
にこれを使って、ああ、あの薬は効いたというものではないのではないかと思うのです。
目が覚めてしまっても、あの薬が効いたのでここはこうだったというものではないよう
な気がするのです。恐らく麻酔科の先生は、「使用上の注意」のところに麻酔の専門医
が使えと書きたかったのだろうと思うのですが、そのような人が余り大勢いないから十
分習熟した人が、十分なる注意の下にと書いてあったと思うのです。そういうことでは
ないかと推察いたしますけれども、専門家の御意見はそのようなことではないのですか。
どうでしたか。
○審査第二部長　一応専門協議のときに出ておりましたので。今部会長がおっしゃった
ような麻酔科専門医だけで使う薬というのは余りにも範囲が狭くて、現実に医療の現場
における麻酔がすべて麻酔専門医によって行われているかと言いますと、必ずしもそう
ではないということも議論になりました。ただ、十分に習熟している方に注意深く使っ
ていただければ、抜管をするときにこの薬の鎮静というのは…、要するに反応をきちん
と返してくれる状態で鎮静ができるというのがこの薬の特徴でございます。通常の鎮静
に使っているミダゾラムなどは意識も落としてしまうところがありますので、抜管中に
すぐさま意識レベルを確認したりといったことがしにくいと。この薬の場合は、痛みの
様子についても反応を聞きながら術後にもっていけるというところも、非常にメリット
がある特徴だと評価されております。
　ただ、いわゆる鎮静のかかり方が従来使っているミダゾラム、あるいはプロポフォー
ルとは様子がちょっと違うので、最初の段階でこの薬による鎮静の具合についてビデオ
等を見て、実際にどのような鎮静の仕方をしているのかを十分理解した上で使い始めて
くれと。日本で行われた治験の場合も、各施設で最初の３例を習熟のための症例として
経験を積んでいただいて、それから次のフェーズの試験をやるという形をとらせていた
だいております。そうしてかなり注意深く使う必要はあるけれども、実際の鎮静のかか
り方は普通の場合は意識がなくなってしまっている状態に近いのですが、それに比べる
とこれの場合は呼び掛けるとすぐ答えてくれるという状態で鎮静がかかると。ですから、
管理が容易という意味で非常にメリットはあるという特徴がございます。麻酔科の専門
委員の先生方はやはりそうした点を評価されておりました。
○河村部会長　具体的な話を伺ってそういうものかと思いましたけれども、いかがでご
ざいましょうか。専門家方も有用性を認めていらっしゃるようですし、これは一応ここ
で御承認いただいたということにしてよろしゅうございますか。ありがとうございまし
た。
　では、議題２の方に進ませていただきます。エビスタ錠、骨粗鬆症に効く薬だそうで
ございます。御説明をお願いいたします。
○事務局　それでは議題２、資料２、医薬品エビスタ錠60mgの輸入承認の可否等につい
て、審査センターより御説明申し上げます。
　本剤の有効成分塩酸ラロキシフェンは、米国イーライリリー社で合成された閉経後骨
粗鬆症治療薬であります。エストロゲン受容体に対する強い親和性を有し、骨において
はアゴニスト作用を示す一方、乳房及び子宮においてはエストロゲンに対するアンタゴ
ニスト作用を示しており、いわゆる選択的エストロゲン受容体モジュレーター(ＳＥＲ
Ｍ)に分類される化合物でございます。本剤は既存のホルモン補充療法と異なり、乳腺や
子宮内膜に対する刺激作用が少ないことが特徴とされております。なお、海外におきま
しては、本剤は1997年12月に米国で承認されたのを始めとして、現在約90か国で承認
を取得しております。
　本剤の専門協議では本日の配付資料８の２枚目に示しますように、仙波委員、高岡委
員、林委員、米谷委員、牧野委員、森田委員、吉岡委員、吉田委員、吉村委員の９名が
専門委員として指名されております。
　本剤の規格及び試験方法、毒性、薬理、吸収・分布・代謝・排泄に関して提出された
資料の内容は妥当であると判断いたしましたので、臨床試験成績について述べさせてい
ただきます。
　まず有効性に関してですが、7,000人以上の閉経後骨粗鬆症患者を対象とした米国第
III相試験において、本剤の１日１回60mgの３年間経口投与により、骨折発生率がプラセ
ボ群と比較し有意に低下することが示されており、この結果を国内に外挿するため、海
外と同用量・用法によるブリッジング試験が実施されております。日本人閉経後骨粗鬆
症患者276例が対象とされ、主要評価項目である54週後の腰椎骨密度の変化率及び血漿
中薬物濃度は欧米人よりも高めに推移し、薬物動態のデータから推定すると、日本人に
おける60mgは欧米人での約80mgくらいに相当すると考えられました。しかし、米国試
験及び国内試験においてそれぞれ60mgと120mgで安全性に差がないと考えられること、
並びに日本人と欧米人を比較して有害事象の発現プロファイルに大きな相違はないと考
えられることから、米国第III相試験の結果を利用して日本人における本剤60mg投与の有
効性を説明することは可能と判断いたしました。
　次に安全性に関してですけれども、国内ブリッジング試験における有害事象発現率は
本剤投与群とプラセボ投与群で差を認めず、個々の事象についても大きな問題はないと
判断いたしましたが、海外試験を統合解析した結果、ホルモン補充療法と同様に静脈血
栓塞栓症のリスクが増加することが示されたことより、添付文書の記載内容を整備し、
十分な情報提供をすることといたしました。また、日本人では１年以上の投与成績がな
いことより、長期投与時における安全性については市販後に調査が必要と判断いたしま
した。
　以上のとおり審査センターでの審査の結果、閉経後骨粗鬆症に対する本剤の有用性は
認められ、承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議することが妥当と判
断いたしました。なお、本剤は再審査期間６年、製剤は毒薬、劇薬いずれにも該当せず、
生物由来製品及び特定生物由来製品にも該当しないと判断いたしました。薬事分科会で
は報告を予定しております。御審議どうぞよろしくお願い申し上げます。
○河村部会長　ありがとうございました。確認しておきますけれども、静脈血栓症は日
本の治験では起きていないのですね。
○事務局　出ておりません。
○河村部会長　御質問、御意見はございますか。かなり長期に投与することになる薬か
と思うのですが、一応３年までのデータは出ているけれども、血栓症などがありますか
ら実際問題としては３年以内にほかの薬剤に切り替えていくのではないかと私は思って
おります。何かございますか。どうぞ。
○岩﨑委員　これは一番最初に患者が1,100万人くらいいると書いてあって、これほど
いては患者ではないと思うのですけれども。それはいいとして、今おっしゃったように
かなり長期に投与されるということもあって、予防にも使うのかということが一つ。も
う一つは、骨粗鬆症であるという診断がきちんと確立されているのでしょうか。これを
見ると普通の人の2.5SDを超えた場合にそうだという判断があったわけですけれども、
本当はどうなのかということが知りたいのですが。
○事務局　まず第一点、予防の話でございますけれども、実際に海外におきましては予
防と治療と両方の効能を取得しております。また、日本におきましては予防の効能は認
められておりませんので、実際上は使えないという話になります。それから第二点の…。
○岩﨑委員　骨粗鬆症の診断基準です。
○事務局　診断基準に関しては原発性骨粗鬆症診断基準がございまして、その中に含ま
れる第I群と言われるものがいわゆる閉経後骨粗鬆症に当たるものです。
○首藤委員　「審査報告書」でも触れているのですけれども、この「ＳＥＲＭ」という
言葉を使われていろいろな学会などでも出ているのですが、しょせんこれはやはりエス
トロゲンのアゴニスト/アンタゴニストでしかないのに、違う種類の薬効を持っているよ
うな宣伝を学会でもしているようですが、ちょっとだまそうとしているところがあるの
で、この言葉は使うべきではないかと思っているのです。審査センターの判断もかなり
それに近いような、「過剰な表現は差し控えるべきであると考えている」とちょっと持
って回っているのですけれども、これはやはりエストロゲンのたぐいに分類すべきもの
だろうと思いますので、そこははっきりしておかないと、使っているお医者さんにも患
者にもこれはエストロゲンと全く違うものだという誤解を与えるのではないかと思いま
す。
○事務局　「ＳＥＲＭ」と呼ばれるのは、確かにこの薬物を発見した当時にこの会社が
発想した概念でございまして、それを基にいろいろな薬にＳＥＲＭという分類が定着し
ているようなのですが、これはアンタゴニストというよりは、エストロゲンと一緒に投
与した場合にエストロゲンをブロックするという話であり、正確にはパーシャルアゴニ
ストでございまして非常に弱い刺激作用を持っていると。確かに乳房に関しては無視で
きるほど小さいのですけれども、よく見ていきますと子宮に対しては若干刺激作用があ
るということですので、先生のおっしゃるとおり申請者の方には余り過剰な宣伝はしな
いように指導したいと考えております。
○河村部会長　それでよろしゅうございますか。よろしくお願いいたします。村勢委員、
どうぞ。
○村勢委員　首藤先生がおっしゃったこともそうなのですけれども、エストロゲン・ホ
ルモン・リプレイスメント・セラピーというのは非常に昔からやられている療法で、文
献を調べると猛烈にたくさんあって、for and againstで良い点と悪い点といろいろ指
摘されています。ただ、つい最近ですけれども、エストロゲンとプロジェスティンの合
剤によるホルモン・リプレイスメント・セラピーというのは、益の割には害が多いとい
うことが「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に書かれておりまし
て、それが大体コンセンサスになりつつあるのではないかと思うのです。エストロゲン
単独療法はやはり大規模に見直されているというのが現状ではないかと思うのですが、
ともかくこの薬剤はかなり長期に使うということがあるので３年、日本では１年という
ことですが、やはり厳密に長期間フォローアップすることが必要だと思うのです。先ほ
どのデメリットの方はやはり発がん性ともう一つは血栓のことがありますので、そちら
で何か大事故が起こると骨粗鬆症よりもはるかに重大であるということですので、エス
トロゲン・プロジェスティンのときには警告といいますか、意味がないのだという結論
になっていると思うのです。エストロゲン単独療法についてはまだ治験が継続されてい
るところなので何とも言えないと思うのですけれども、とにかくかなり厳密に長期間フ
ォローアップしなくてはいけない代物だろうと思います。ＳＥＲＭということがあって、
まやかしのような、言葉のあやのような感じもして、私もちょっと理解しにくかったの
ですけれども、もう少しお聞きしたいのはエストロゲン単独療法での骨粗鬆症に対する
効果に関して、インターナショナルといいますか、あるいは日本国内でもいいのですが、
今どのような評価がされているか教えていただければと思います。
○河村部会長　これはありますか。
○事務局　ＷＨＩ試験の結果が出るまでは多分ほとんどの患者さんが併用されていたと
思うので、単独の成績というのは余り記憶がないのですけれども、調査した上で先生の
方に報告させていただきたいと思います。
○河村部会長　アメリカなどでは近ごろエストロゲン・リプレイスメントが見直されて、
プレマリンの売行きが70％ぐらい落ちたのだそうです。ですからそういうことを考える
と、これだけただし書があるというのは、ある程度インフォームド・コンセントをとっ
てという形になるのですか。実際には当局の方もそういうことを考えていらっしゃるの
ですか。血栓症、子宮癌その他の危険性はあります、それでも使いますかということに
なるわけですか。
○事務局　少なくとも静脈血栓塞栓症に関しましては重要な問題として、添付文書の方
にもかなり厳重な記載をしてございます。子宮癌、乳癌に関してはリスクを減らすよう
なデータが出ているのですけれども、これもいかんせん数年のデータでして、発癌を見
るにはもっと長期の経過が必要ですので、それに関しては注意する必要があると考えて
おります。
○河村部会長　外国が３年先行しているのでその分少しは安心できるかなという気もし
ますが、いかがでございましょうか。先生、御意見ですか。どうぞ。
○首藤委員　先ほどの続きなのですけれども、添付文書の８ページにも「ラロキシフェ
ンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(ＳＥＲＭ)と称される」と。ここで書く
のはやめていただきたいという気がいたします。
○審査第一部長　適切に指導させていただきたいと思います。それから、部会長から御
指摘のあった患者への説明でございますけれども、添付文書の２ページの「２.重要な基
本的注意」の(１)にあるように、「患者に対しては、次のような症状が認められた場合
には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること」と。こういうことは処方
する先生にはお願いしたいと考えてございます。
○河村部会長　私は余りよく知らないのですけれども、「ＳＥＲＭ」という言葉がそれ
ほど一般的に認められていないのでしたら、これを削るなどということは考えられない
ですか。どうぞ。
○井上委員　首藤先生がおっしゃるように、この「ＳＥＲＭ」という言葉はまだ教科書
にも載っていなくて、我々はパーシャルアゴニストという認識ですので、やはりここは
控えた方がよろしいかと存じます。
○櫻井委員　今の御指摘の更にその前にもう一つ文章があって、「一方、エストロゲン
と異なり、乳腺及び子宮内膜に対する刺激作用を持たない」と言い切っているのですが、
これが本当ならそうなのですけれども、今のお話を聞いているとどうもこの文章は…。
私などが読むとこのＳＥＲＭとかはどうだか訳が分からないけれども、上の文章は普通
の非専門家が見ても分かる文章で、ないのだと、それならいいやと思いそうですが、ど
うなのですか。今のお話を聞いていると、そうではないという御意見が強いようなので。
ですから、こう言い切れるならそれはしようがないけれども、言い切れないならこれが
入っているのは危ないのではないですか。
○事務局　先生の御指摘は申請者の作った「資料概要」の記載かと思いますけれども、
確かにそれは不正確で刺激作用がございますので、申請者の方に申し上げたいと思いま
す。ただ、審査センターが作った「審査報告書」では、ないということは書いてござい
ません。
○櫻井委員　これは添付文書ですから一般の人が見る…。
○河村部会長　そうしたらやはり削っていただくように…。
○審査第一部長　先生御指摘の添付文書の８ページ、「２.作用機序」のところにもござ
いますので、そこは今の御指摘を踏まえて整備させていただきたいと。
○河村部会長　具体的には「一方」から削ってしまえばいいのかもしれませんね。どう
ぞ。
○櫻井委員　今ちょうど皆さんが添付文書を見ているので、その４ページに「５.妊婦、
産婦、授乳婦等への投与」と書いてあってこれはごもっともなのですが、この５は１ペ
ージの「禁忌」の４でこの項を参照しろと書いてあるのです。ただ、もともとこれは閉
経後の骨粗鬆症薬なのですよね。ですから、確かに妊婦、産婦に投与しないというのは
結構なことだし、それは注意が必要だけれども、もし５を副作用などの意味でなく書く
のならまず一番頭に、本来この薬は閉経後の骨粗鬆症の薬ですから…。つまりこの５の
注意は効能・効果以外の目的外使用する人にあらかじめ注意をする、つまり抗癌剤を癌
でない人に使う場合に注意しましょうとか、これはそういうことになるのですか。
○事務局　御指摘のとおり適正使用をされれば必要のない記載ではございますが、何分
閉経前の方の骨粗鬆症にも使われる可能性が否定できないということで、危険性に関し
てはあえて記載させていただいておりまして、海外の添付文書でもすべて記載されてお
ります。
○河村部会長　前にこの部会でビスホスホネートのときも同じようなことで、横並びで
書いているのではないかと。
○櫻井委員　みんな横並びなのですね。前に痴呆の薬にも、小児には使った経験がない
と書いてありましたから。
○河村部会長　お役所的にはある程度横並びということは仕方がないようでございま
す。それから先ほど笑ったのですけれども、審査報告書に「閉経以後の女性に」と書い
てあるのです。ビスホスホネートはたしか「15歳以下には使ってはいけない」などとい
うのも入っていたと思うのですが、これは入っていないですね。入れなくていいと思う
のですが、公平ということでお考えになると、このようになってしまうのではないかと
私は理解しておりますが。
○櫻井委員　いずれにしても先ほどの前半の方の問題は御専門の先生も指摘している
し、これは我々一般の医師が読むとエストロゲンとは違うのだと、これは刺激作用がな
いのでいい薬だと思って…。
○河村部会長　たくさん使おうと思ってしまうといけないので、その辺交渉してくださ
い。
○事務局　ＳＥＲＭの用語の使用も含めて申請者と協議させていただきます。
○河村部会長　専門協議ではＳＥＲＭという言葉について、別に婦人科の先生の御意見
はなかったですか。
○事務局　ＳＥＲＭという概念に関しましては特に議論はなかったのですけれども、や
はり子宮に対する刺激作用についてはかなり議論させていただきまして、現在得られて
いるデータでは臨床的に問題になるような内膜の肥厚ではないという判断はいたしまし
たが、長期に使ったら分からないという結論でした。
○河村部会長　ＳＥＲＭと言われても、婦人科の中で特に一部の方しか分からないので
はないかという気もするので、できたら削っていただこうと思います。ほかにございま
すか。
○村勢委員　少ししつこいようですが付け加えておきますと、この薬とはちょっと離れ
ますけれども、先ほどのエストロゲンとプロジェスティンが余り有意義でないというの
は、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の５月号に出まして、か
なりインパクトのある論文であるがゆえに非常に傾聴に値すると思うのです。ある公の
場所で、エストロゲンによる骨粗鬆症の治療をされている先生が、講演に先立ってこれ
が出てしまったのでなかなか話しづらいのですという前置きをして、骨粗鬆症に対する
エストロゲンの作用ということで講演をなさったことを記憶しているのです。多分この
薬剤が申請されたのはもう少し前のことだろうと思いますし、これは今年の５月のかな
り新しい、しかもかなりインパクトの強い雑誌であるということも考えて、まだこの薬
を出すのだったらその辺も考慮してインフォームド・コンセントなり何なりきちんとし
てほしいと思います。
○河村部会長　それも一緒に会社側に、こういう御意見があったと、その点については
しかるべく対処してくださいとおっしゃっていただけますか。
○事務局　了解いたしました。
○河村部会長　よろしゅうございますか。いろいろ御意見を頂いて有り難いですが。藤
上委員、どうぞ。
○藤上委員　薬の内容ではないのですけれども、これは「エビスタ」という商品名にな
っているのですが、「エピスタ点眼液」というものがあるのです。多分経過措置品目に
なっているからこのままでいいのかなと思うのですけれども、そういう名前の医薬品が
あるという…。
○河村部会長　名称は時々問題になりますけれども、これは何か規定があるのですね。
○事務局　販売名については申請者の方に問い合わせまして、再度検討させていただき
ます。
○河村部会長　紛らわしくないようにと。同じに聞こえるから、よきに計らう気はない
かとお伝えください。よろしゅうございますか。一応ここでお認めいただいたというこ
とにさせていただこうと…。
○櫻井委員　それだけ問題があってどのように認めるのですか。
○河村部会長　問題があればお認めいただかなくてもいいのですが。
○櫻井委員　問題があるという指摘があったのではないですか。ですから、直したもの
が分からない限りは認められないのではないですか。
○河村部会長　これは当局から先生や村勢先生、私の方に、大体このように修正させま
したという通知が参ります。それで御承認いただけたということですと、もう一つ上の
薬事分科会で御審議いただくことになります。
○櫻井委員　その訂正されたものを認めたところで承認するという意味ですね。
○河村部会長　具体的な手順としてはそうなりますね。それで承認できないということ
になると、またここで御審議いただくかと思います。どうぞ。
○事務局　先生のおっしゃるとおりでございまして、薬事分科会に移る前に添付文書を
すべて改訂いたしまして分科会へ御報告させていただきます。それと同時に、今回御意
見を頂きました先生方にも御報告させていただきます。
○櫻井委員　報告があるだけで、それが納得できないということは言えないのですか。
○河村部会長　納得しないということは言えるのです。
○櫻井委員　分かりました。それを確認していただければ。
○河村部会長　よろしゅうございますか。ここでの御審議は今日は一応これでおしまい
ということで、あとは個々の御意見を伺うということになるかと思います。再審査の前
にもう一つありましたね。
○事務局　先ほどの議題１の方で少しお時間を頂いておりました心室細動について御報
告させていただきます。国内の臨床試験で心室細動が出たのは本剤群では55例中１例
で、関連性が否定できないと判断されております。それから海外の臨床試験で心室細動
が出たのは本剤群では1,337例中３例、うち関連性の否定できないものが１例というこ
とです。御参考までに、プラセボ群は国内では１例、海外では１例報告されております。
以上でございます。
○河村部会長　分母が幾つぐらいですか。
○事務局　本剤群の方は国内が55例中１例、海外が1,337例中全体で３例、関連性が否
定できないものが１例でございます。
○長尾部会長代理　国内のものは関連性が否定できないという感じなのですか。それと
も…。
○事務局　関連性が否定できないということで報告されております。ですので、パーセ
ントでいいますと約２％程度という数字になります。
○長尾部会長代理　５％以下で切ってしまうと、３％、４％というのは大変なことだか
らと思って言ったのですけれども、0.1に近いか、要するにかなり低いという感じです
かね。
○事務局　海外の方もそうなのですけれども、国内の方も55例中１例ではあるのです
が、プラセボ群でもやはり56例中１例、一応盲検下では関連性が否定できないという報
告もございますので…。
○長尾部会長代理　つまりその数字のはめ方は、多分あるルールに従って0.1～５と切
るのだと思うのですけれども、ちょっと余りにも大き過ぎるような気がするのです。こ
の問題だけではないかもしれないけれども、今後ちょっと検討していただいた方が…。
○事務局　分かりました。それは確認して検討させていただきたいと思います。
○事務局　申し訳ございません。エビスタの添付文書に関してなのですけれども、添付
文書上に書いてある「子宮内膜に対する刺激作用を持たない」ということは、薬理作用
のラットでのデータでございまして、確かにラットにおきましては持たないというデー
タが出ているのですが、どういたしましょうか。
○河村部会長　どうしても書きたいというのなら、ネズミではと書いてもらう…。
○櫻井委員　それは獣医さんの添付文書で、医者の方には要らないのではないですか。
○河村部会長　そういうことで、よく会社の方と意見を交換してください。
○事務局　いずれにせよ、余り誤解を与えないような表現を検討したいと思います。
○河村部会長　では、報告事項の方をお願いいたします。
○事務局　それでは報告事項の議題１、２の二つについて、続けて御説明申し上げます。
まずは議題１、医薬品ホリゾン注射液10mgの製造承認事項一部変更承認について御報告
いたします。資料３を御覧ください。本剤はジアゼパムの注射液であり、現在神経症に
おける不安、緊張、抑うつなどの効能・効果で承認されております。今般山之内製薬株
式会社から、有機リン中毒、カーバメート中毒における痙攣の抑制という新たな効能の
追加について一部変更申請がなされたものです。本効能の追加につきましては、日本救
急医学会より当該効能・効果等に関する要望書を提出されたことを踏まえて、申請者に
おける検討・開発が進められ、平成11年２月１日付け研究開発振興課長・審査管理課長
二課長通知、適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いに基づき、医学・薬学上公知であ
るとして申請がなされたものです。審査センターにおける審査の結果、承認して差し支
えないと判断いたしました。
　続きまして議題２、医薬品注射用プロスタンディンの製造承認事項一部変更承認につ
いて御報告いたします。資料４を御覧ください。本剤はプロスタグランジンＥ１由来物
質アルプロスタジル アルファデクスを有効成分とする注射剤であり、現在慢性動脈閉塞
症における四肢潰瘍並びに安静時疼痛の改善などの効能・効果で承認されております。
今般小野薬品工業株式会社から、静脈内投与による動脈管依存性先天性心疾患における
動脈管の開存という新たな効能の追加とそれに伴う新用量について、一部変更申請がな
されたものです。本効能の追加につきましては、日本小児循環器学会より当該効能追加
等に関する要望書が提出されたことを踏まえて、申請者において検討・開発が進められ、
先ほど申しました二課長通知に基づき同様に医学・薬学上公知であるとして申請がなさ
れたものです。審査センターにおける審査の結果、承認して差し支えないと判断いたし
ました。
○事務局　続きまして議題３、希少疾病用医薬品の指定の取消しについて御報告いたし
ます。資料５を御覧ください。一枚めくっていただきますと医薬品名が出てまいります。
医薬品の名称はフェノバルビタールナトリウム、対象疾病が新生児痙攣ということで、
申請者の日本ワイスレダリー株式会社が開発をしておりました。その次のページを見て
いただきますと、中止の理由が出てまいります。日本ワイスレダリーといたしましては、
米国ワイスレダリーが製造している製剤を用いて新生児痙攣の効能を取得するという開
発を予定しておりましたが、米国での製造が中止されてしまったという点。それから、
類薬について開発を別途検討したけれども、それには□□□として□□□□□□□□□
が含有されていたと。□□□□□□□□□は小児については安全性上問題があるという
ことで、開発を断念せざるを得なくなったということでございます。この開発の中止に
つきましては、関連する日本小児科学会の方にも一応報告をして御了解いただいたとい
うことでございます。以上を踏まえまして、開発を中止したいということで届出が出さ
れたものでございます。以上でございます。
○事務局　最後に議題４、医療用医薬品の再審査結果について御報告いたします。資料
6-1を一枚めくっていただいてテルグリドとテルロン錠0.5から、資料6-8のブレディ
ニン錠25、ブレディニン錠50までの合計８成分の再審査報告書でございます。これら
の品目は市販後の使用成績調査、特別調査の成績等に基づいて再審査申請が行われ、そ
れぞれ審査の結果、いずれの品目についても薬事法第14条２項各号、承認拒否事由のい
ずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項は変更の必要
はないカテゴリー１と判定したものでございます。これらの結果につきましては近く各
々通知する予定といたしております。以上です。
○河村部会長　ありがとうございました。効能の追加と希少疾病用医薬品の指定の取消
しと再審査結果の三つについて、御発言はございますか。
○櫻井委員　これは報告ですから報告として聞けばいいのですが、少し教えてほしいの
です。特に効能の追加の話なのですけれども、ある程度ルールがあってやっていて、そ
れでそうなりましたから報告しますということなのですが、世の中的には抗癌剤の適応
を広げてくれという患者さんの声が非常に強くて、いろいろなところでそれを混合診療
で認めろとか、様々な問題でごたごたしている部分があるのです。そのルールというの
は先ほど言ったような学会などから申請されれば、どのような場合でもどこかで審査し
ていいですよということでやっているのか、それとも抗癌剤などでは無理ですというル
ール上の問題が何かあるのか、教えてほしいのです。
○河村部会長　これはどなたか分かる方…。
○審査管理課長　抗癌剤の効能拡大の件だと思いますけれども、一般的に承認にない効
能の拡大について、平成11年の通達によって日本と同じ規制程度を有している海外で承
認されていると。なお、日本での使用実績が相当あり、かつ科学的、国際的に信頼され
る雑誌に掲載されている論文があると。こういった要件に該当すれば、新たな臨床試験
をしなくても申請してよろしいです、審査しますといった取扱通知を示しておりまして、
既にそれによって申請され、承認されている抗癌剤についての適応もございます。私ど
もの方としてはこういう製薬関係の研究開発促進をしている部局と連携しまして、その
関係企業に対してはできるだけこういう適応拡大をするようお願いしてきております。
それも今後更にもう少し充実していくような方向で進めていきたいと思っております。
○河村部会長　もう一つ、今回の適応追加、例えば中毒に対する適応追加などはどのよ
うに認められるようになってきているのかというのが、櫻井先生の御質問だと思います。
○審査管理課長　先ほどは制癌剤の話でしたけれども、平成11年の通知は制癌剤以外の
ものについても同様に適用することでございますので、同じように指導してまいりたい
と思っております。
○河村部会長　何か御発言はございますか。これも報告を受けたということでよろしゅ
うございますか。それでは事務局の方から次の日程その他についてお願いします。
○事務局　まず昨日付けで、８月の当部会で御審議いただいた品目、塩酸プラミペキソ
ール水和物、ランタス注、ビスダイン静注用、ペガシス皮下注の４品目について承認い
たしましたことを御報告いたします。また、次回の日程でございますが、11月28日金
曜日午後２時からとなっております。よろしくお願いいたします。
○河村部会長　それでは今日はこれで終了させていただこうと思います。どうもありが
とうございました。
　                                                                 　(　了　)


連絡先：　医薬食品局　審査管理課　課長補佐　佐藤（内線２７３４）
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