03/10/16 確定拠出年金連絡会議第7回議事録              ┌――――――┬――――――――┐┌―――――┐              |確定拠出年金|   第8回   ||資料10 |              | 連絡会議 |平成16年1月23日 ||     |              └――――――┴――――――――┘└―――――┘              確定拠出年金連絡会議                (第7回)                 議事録              平成15年10月16日 確定拠出年金連絡会議(第7回)議事録 日時:平成15年10月16日(木)10:00〜12:00 場所:全国都市会館 第1会議室 議事:(1)確定拠出年金の施行状況について   (2)各実施事業所の実施状況等の報告について   (3)運営管理機関・資産管理機関の実施状況について   (4)確定拠出年金実態アンケート調査について   (5)フリートーキング   (6)その他 出席委員:加子座長、太田委員、小野委員、伊藤人事部主査(河合委員代理)、      田中委員、徳住委員、秦委員、姫野委員、光谷委員、吉田委員、渡邊委員、      吉野委員 オブザーバー:      田村正雄(社団法人生活福祉研究機構理事)      石田成則(山口大学経済学部教授) 関係団体等:      松井博志(日本経済団体連合会国民生活本部副本部長)      村杉直美(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局部長)      小野晃 (日本商工会議所新規プロジェクト担当付副部長)      成瀬茂夫(経済産業省経済産業政策局企画官)      石塚栄 (厚生年金基金連合会企画事業部長) 事務局 厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課 ○加子座長  それでは定刻になりましたので、ただいまから第7回確定拠出年金連絡会議を開催い たします。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。  初めに、本年8月29日に審議官に就任されました渡邉様よりごあいさつをいただきた いと思います。渡邉様、よろしくお願いいたします。 ○渡邉審議官  今、座長からお話のございました渡邉でございます。8月29日付に前任の井口の後を 受けまして年金担当の審議官ということでございます。よろしくお願い申し上げます。  これまで少子化対策担当の官房審議官をしておりまして、今度は年金の方に移ってき たということでございます。  この第7回の連絡会議開催に当たりまして、一言私の方からごあいさつさせていただ きたいと思います。過去6回、昨年度6月以来こうしてお集まりいただいて、皆様方で 活発な御議論をいただいて、大変有意義でかつ関心を集めている会議ということで、本 日もたくさんいらっしゃっております。非常にオープンな形で御議論を紹介し、また出 していただく。こういうことは大変、有意義な会議であると思っております。  確定拠出制度施行後、2年ということでございますが、だんだんと導入企業、個人の 加入者の方も増えてきておる中でございますが、まだまだ課題がございます。もう既に これまでの会議でもいろいろ御意見は出ていると思いますけれども、私どもは御承知の ように来年に向けてこの年末には取りまとめをしたいと思っております年金制度改革が ございます。総理自らこの年末に取りまとめ、来期通常国会に法案を提出するというこ とを明言されておられますので今、政府部内でこういう政局の中ですけれども、大車輪 で調整をしているところであります。おおむね11月の中下旬、選挙が明けて特別国会が 召集される、そういうような頃合いから大変立て込んだ日程の中になると思いますけれ ども、厚生労働省案を出し、そしてそういう中に皆さん方の確定拠出の問題についても 何とか柱立てをしっかりしていきたいというふうに考えている次第であります。  それらを経て、実際の政府案として与党との調整も経て、年内に大筋をまとめて、来 年に至ればきちんとした政府の年金制度改革要綱として、また所定の手続を経て国会に 出していきたいと、そんなふうに考えているところでございます。  御要請も強く、また審議会でも御指摘いただいております、例の拠出限度額をめぐる 税制の問題につきましても、夏以来私どもとして税務当局の方に要望を出して、そして 議論を始めているところでございます。こういう中で、また皆様方からもしっかり御議 論いただきたいと思っております。  いずれにいたしましても、この連絡会議は有意義なものとして更にその機能を高め、 発揮していただけますように、私の立場からも改めてお願い申し上げたいということを 考えております。是非よろしくお願い申し上げます。 ○加子座長  ありがとうございました。それでは、事務局よりメンバーの出欠状況を報告していた だきたいと思います。 ○矢崎課長  それでは、事務局からメンバーの方々の出欠状況の御報告をまず申し上げたいと思い ます。  まず、御参集いただいておられます方のうち、関係団体の方で変更がございますの で、その御紹介をさせていただきたいと思います。お手元の資料1の2枚目でございま すけれども、連絡会議参集者の一覧がございますので、そちらもごらんいただきながら と存じます。  まず経済産業省経済産業政策局の方でございますが、担当の方が替わられまして、池 森様から成瀬茂夫様に替わられてございます。  それから、厚生年金基金連合会の方でございますが、企画事業部長に人事異動がござ いまして、本田様から石塚栄様に替わっておられます。  なお、本日は後ほど御説明いただきますが、運用関連の運用管理機関、資産管理機関 として社団法人信託協会の年金専門委員長の柴山様、記録関連運営管理機関、いわゆる レコードキーパーでございますけれども、そちらの日本インベスター・ソリューション ・アンド・テクノロジー株式会社から経営企画部長の冨手様に御出席いただいておりま す。  次に、本日のメンバーの方々の出欠状況について御報告申し上げます。本日は、東日 本旅客鉄道株式会社の山根様が御欠席でございます。また、トヨタ自動車株式会社の河 合様が御欠席ですが、人事部主査の伊藤様に代理で御出席いただいております。その他 のメンバーの方々は全員御出席でございます。また、関係団体等におかれましては日本 労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長の小島様が御欠席ですが、代理で村杉様に御 出席いただいております。  なお、私どもの方から実施企業の方々にこの連絡会議について情報提供を常々行って おりますが、本日は十数名ほどの実施企業の方々が傍聴されていらっしゃいますことを 御報告させていただきます。以上でございます。 ○加子座長  ありがとうございました。ただいま事務局から御報告がありましたとおり、本日も実 施企業の方々が傍聴にお越しいただいているということでございますので、前回と同様 に会議の最後に若干の時間を設けまして、傍聴者の方々からの御質問を受けさせていた だきたいと思います。何かございましたらよろしくお願致します。  それでは、議事に移りたいと思います。まず、確定拠出年金の施行状況等について事 務局から説明をお願いいたします。 ○松岡企画官  それでは、お手元の資料2から7の資料について簡単に御説明させていただきたいと 思います。  まず資料2の確定拠出年金の施行状況ですが、1ページ目でございます。企業型年金 につきましては承認規約数が8月末現在で480件、加入者数が7月末現在で52万人という ことになっております。個人型につきましては第1号加入者、自営業の方が9,900人余 り、第2号が1万人余りということで、合計2万人を超えたところになっております。 以下、毎回付けている資料でございますので御参照いただければと思います。  それから、資料3ですが、平成14年度の確定拠出年金関係の実績についてでございま す。毎年度、確定拠出年金につきましては企業型年金の実施事業主、それから運営管理 機関からその年度が終わりますと御報告をいただくということになっております。それ で、平成14年度のものについて報告を受理いたしましたのでこれをまとめております。 ただ、一部事業年度が平成14年12月で終わるようなものや、平成15年2月に終わるよう なものもございますので、そういったものも加えております。これによりますと、全体 の御報告いただいた数は238規約でございます。事業主数は後ろに付けておりますが614 ということで、企業数としてはこういう数でございます。加入者数は33万人、運用指図 者が773人ということになっております。  次に、掛金及び資産の状況でございますけれども、平成14年度に拠出されました掛金 額というのは198億円、資産総額としては1,209億円ということになっております。掛金 額の平均につきましては、1人当たりの平均は全規約の平均で1万2,000円です。このう ち他に企業年金がない者の平均掛金額、これは限度額が3万6,000円でございますけれど も、これは1万4,000円、他に企業年金のあるものは8,000円ということになっておりま す。続きまして、2ページ目は運営管理機関の報告で、運営管理機関の方からも御報告 をいただいております。運用関連の運用管理機関は628機関御報告をいただいておりまし て、このうち企業型年金のみを受託しているのが13、個人型年金のみが82、両方受託し ている機関は45機関ということになっております。  それから記録関連運営管理機関、レコードキーピング業務を実施している機関の御報 告でございますけれども、平成14年度末ということではで加入者、運用指図者合計で 37万4,000人ということになっております。運用状況は資産額が1,386億円ということで ございまして、給付の状況はまだまだ少ないということでございます。1ページ目の資 料と若干違っておりますのは、この運営管理機関の集計につきましては平成15年の3月 末現在のデータの集計でございまして、事業年度末になっていない企業のデータも含ん でいるといったことで違いが生じております。以上が資料3でございます。  続きまして資料4でございます。これは、国民年金基金連合会の方でおまとめいただ いたものでございます。平成14年度末の個人型の確定拠出年金の業務状況としては加入 者数1万4,000人ということとなっております。  それから、おめくりいただきまして資料の3ページになりますが、企業型の確定拠出 年金からの資産の移換等を見ますと、平成14年度末までに2,025件ということで徐々に出 てきております。  続きまして4ページでございますが、掛金の拠出状況でございます。平均掛金月額が 1号、自営業の方などが2万円、2号のサラリーマンの方は1万1,000円ということで、 全体で1万5,000円という平均の掛金状況になっております。あとはまた御参照いただけ ればと思います。  続きまして、資料の5でございます。先ほど審議官の方から御説明いたしましたよう に、平成16年度の税制改正要望を出しております。その中で確定拠出年金関係も出して おりますので、それについて簡単に御報告しておきます。  この中の(2)の中の(1)でございますが、「確定拠出年金の拠出限度額の引上げ等」 とございます。そこにございますように、公的年金制度の改革に合わせましてこの限度 額を老後の所得保障を担うために所要の額まで引き上げるということが第1でございま す。それからもう一つは、少額資産者の中途脱退の要件を緩和するといったことで、こ の2つを出させていただいたおります。  2ページ目でございますが、若干関連するところといたしましては(2)でございますけ れども、確定給付企業年金等のポータビリティの向上を図るということで、この場合の 資産移換を非課税で行えるようにするということで、この中に移換先としては確定拠出 年金も想定をしております。その他、特法税の撤廃などといったことも出させていただ いたところでございます。以上が資料の5でございます。  資料の6は、年金制度改革について御議論をいただいている中で、年金部会で先般ま とめられました意見書でございます。この抜粋ということでございますけれども、資料 の3ページ目をお開きいただければと思います。確定拠出年金制度の関係についてもこ こで報告がまとめられておりまして、この中で拠出限度額の引上げ等、それから少額資 産等の受給要件の緩和等が挙げられているところでございます。  続きまして、資料の7です。資料7は3点ございます。実態調査のアンケート調査と いうことでございます。この中で昨年度、平成14年度実施をいたしましたけれども、今 年度も引き続き実施をするということでございます。今年度の実施方法といたしまして は企業型のものにつきまして資料7−1と7−2になりますけれども、こちらの方は生 活福祉研究機構の方で実施をしていただくということで予定をしております。企業用の アンケートといたしましては実施企業、7月までに承認を受けた企業で455社を選んで、 そこでアンケートをさせていただく。それから、個人用のアンケートも大体1,000人程 度を対象に企業を通じて行うということで予定しております。調査項目自体は昨年度の ものを踏まえまして少し書きやすくするなど、一部改良を加えたりしております。  それから、個人型の方につきましては資料7−3でございますけれども、実施主体と しては厚生労働省の私ども企業年金国民年金基金課と国民年金基金連合会が共同して行 うということで予定しております。対象としては個人型の確定拠出年金を実施している 方、大体1,500人ということで加入者、運用指図者にお送りして調査をするということに いたしております。  実施のスケジュールとしては大体10月20日の週には発送をいたしまして、11月中には 回収をして、それから集計をしていくということで予定いたしております。いずれ連絡 会議の方でもまとまりましたら御報告させていただきたいと考えておりますので、よろ しく御協力のほどをお願いいたしたいと思います。  私どもの方からは、以上でございます。 ○加子座長  どうもありがとうございました。ただいま松岡企画官から御説明のありました中で、 資料7の平成15年度確定拠出年金実態アンケート調査につきまして、生活福祉研究機構 の田村理事より補足説明があるとのお話でございますので、田村理事よろしくお願いい たします。 ○田村理事  今、松岡企画官から御説明がございましたけれども、昨年行いましたものに引き続き まして今年も調査を行うことになりました。今年は今お話がありましたように、去年の 実績を踏まえまして少し様式を簡略化して書きやすい形になっております、具体的な中 身につきましては石田教授の方からお話をさせていただきます。またいろいろ実施企業 には御迷惑がかかるかと思いますけれども、よろしく御協力のほどをお願いいたしま す。 ○石田教授  それでは、昨年度と今年度のアンケート項目の変更点についてだけ御説明をさせてい ただきたいと思います。よろしくお願いいたします。資料の7−1をごらんください。  この中で、これまで大きい1からいきまして全部で7項目の大きな項目を立てて調査 を行ってまいりました。その中で、多くの部分が昨年度の調査を踏まえまして、ほぼ同 じ調査内容、調査項目を取り上げてございます。  その中で、ページをおめくりいただきまして問の16です。従来は、確定拠出年金の導 入パターン及び変更後の企業年金の全体像をお聞きしておりました。それに加えまし て、問16で個別の従来の退職給付の種類を挙げていただき、確定拠出年金の導入に当た りまして廃止、凍結ないしは一部減額をされたもの、これを明記していただくという調 査項目を加えております。  少しページをおめくりいただきまして、問の38でございます。大きな項目で言います とVの投資教育の中の問の38、39、41、この3つの項目を新たに追加をいたしました。ま ず、従業員に対する投資教育につきまして力点を置いていらっしゃるものを事業主の方 に選んでいただくという設問が問の38でございます。加えまして問の39では現在、それ から今後、投資教育に対してどのような取り組みをされているのか、その姿勢をお尋ね する設問でございます。それから最後に問の41では、社員、従業員が退職をされたとき にどのような方法で個人型への移換手続のやり方を説明をしていらっしゃるのか。この ような設問を加えております。  総じまして、事業主から従業員ないしは加入者に対します情報提供の在り方というこ とについてやや詳しく調査をするという趣旨でございます。以上、補足説明をさせてい ただきました。 ○加子座長  ありがとうございました。それでは、これまでにご説明いただきました資料2から資 料7全般につきまして、何か御質問等がございましたらよろしくお願い致します。 ○光谷委員  ジューテックの光谷でございます、初めにあった、厚生年金基金だとか、いろいろな ものから移換する際のお話なのですが、例えば合併とかいろいろなことによって元の会 社とまた違う形態の会社がありますよね。そういうものをどんどん受け入れていくとい う場合には、その全部を書くことになるのですか。あるいは、初めて元の企業がやった 際のものを書くのか。あるいは、例えば元の会社では適格年金というものがあって、新 しい合併した別の会社はそういうものがなくて退職一時金というものでやったという場 合、その元の会社の分を書くのか、あるいは合併後の分も含めてどんどん増やしていっ て書いていったらいいのですか。 ○田村理事  今のお話は問の16に関連してだと思いますけれども、この調査は一時点の調査になっ ておりますから、調査の時点で答えていただければよろしいと思います。 ○光谷委員  そのアンケートの時点ということですね。わかりました。 ○加子座長  ほかに何か御質問等ございますか。  よろしいでしょうか。只今、御質問がございました平成15年度確定拠出年金の実態ア ンケート調査につきましては、今後の確定拠出年金の在り方を考える上で大変貴重な資 料になるものと思っております。実施企業の担当者を始め、調査票に御回答していただ く方におかれましては是非とも御協力いただきますよう、私の方からもよろしくお願い 申し上げたいと思います。  それでは、次の議題であります「各実施事業所の実施状況等の報告」に移りたいと思 います。本日は、日本IBM株式会社の吉田様から企業における実施状況等について御 報告をお願いしたいと思います。15分程度で御報告いただきまして、その後、御質問等 につきましてお時間を取りたいと思います。それでは吉田様、よろしくお願いいたしま す。 ○吉田委員  IBMの吉田でございます。それでは、お手元にございます資料8を使いまして弊社 の確定拠出年金の御説明をさせていただきます。  めくって最初の2枚は会社の概要でございますので、貴重な時間でありますのでここ は省略させていただきます。  ページでいきますと、4ページ目からが本番でございます。実は私ども確定拠出年金 を入れたのですが、同時にキャッシュバランスも入れております。キャッシュバランス は過去分及び将来部分の一部ということ、確定拠出年金の方は将来部分の一部であると いうふうに御理解ください。ここではキャッシュバランスのことは説明いたしません。  次のページは、弊社の昨年までの退職金の制度を簡単に表したものでございます。中 途退職者については社内で引き当てています退職一時金制度で実施、定年退職者につき ましては適年でやっておりましたということでございます。適年も退職一時金の方も支 給の方法はよくある方法でありまして、最後の給与と勤続年数別、退職事由別の係数を かけて決める。年金は5.5%で終身年金を与えるといった制度でございました。  次のページにいかせていただきます。このページでは、何で退職金制度を変えたのか というところを記したものでございます。赤枠で囲った一番上が主に確定拠出年金を入 れた動機になっております。社員と会社がべったりするのではなく、ある程度緊張感を 持ちながら、ある意味で社員の自主的なキャリアの開発を支援していきたいという点が 新制度のねらいの1点でございます。ですから、会社が一方的に決めるのではなく、社 員一人ひとりが判断をしたり、盛んに議論されますポータビリティを実現するですと か、そういったものをまず支援していきたいというのが1点目の改革のねらいでござい ます。  2点目、3点目はどちらかというとキャッシュバランスの方に関わるのですが、勤続 が長くなればある程度自動的に退職金が高くなる仕組みはもうやめたいといったことと か、3番目には御多分に漏れず経済環境に応じた給付というものを実現したいといった 観点で退職金制度を改定いたしました。  7ページが、日本IBMにおける確定拠出年金の仕組みでございます。まず拠出金の 方は全社員一律1万8,000円でございます。税法上のマックスの利益を得ようという考え から全員一律になっております。全員一律になりますと退職金そのものに成果主義とか というものが実は反映されなくなってしまうのですが、実はそちらの方はキャッシュバ ランスの方でカバーしているというふうにお考えください。  社員に提供しているメニューはここでは21種類と書きましたが、定期6本、保険8 本、投資信託7本と、こんな形で社員に提供しております。定期は1年物、3年物、5 年物とか、そういったものを1本ずつと数えていますので、そういう意味で6種類とい うことになっております。社員はこの提供された商品の中から運用商品を選ぶのです が、私どもは確定拠出年金につきましては選択制を導入しております。したがって、社 員個々人がもしこういった運用を好まないというのであれば、その分を現金で受け取る ことを認めております。現金で受け取りますと、毎月1万8,000円の拠出相当額を受け 取ることになるのですが、毎月1万8,000円もらうよりは6か月まとめて10万円もらっ た方がいいだろうということで、賞与時にまとめて社員の方に支給をしております。  導入をした時点では、特に若い層がかなり現金受取りにするのかなと個人的には思っ ておりましたが、ふたを開けてみますと大体8割ぐらいの社員が実際に運用の方を選ん でいるというのが実態でございます。  投資教育につきましては、非常に悩ましいところがございます。非常に社員数が多く て、2万人の社員がいる。事業所につきましても日本全国で現在私どもは100か所くら いの事業所で商売をさせていただいております。そういった環境から集合研修とか、そ ういったものが物理的に厳しいところがございまして、社員への教育はウェブを中心に 社内のイントラネットを活用して実施しております。実は、確定拠出の投資教育だけで はなく、通常の技術教育ですとか一般的な教育も現在、社内では集合研修よりはそうい ったウェブを通して、私どもEラーニングというふうに申しておりますが、実施してお り、社員も余りアレルギーがございませんので、投資教育はほとんどEラーニングとい う形でやっております。  ただ、そう申しましても投資教育のコンテンツを自社で開発したりというのはなかな か厳しいところがございますので、コンテンツにつきましては運営管理機関様のサイト の情報を活用させていただいております。日本IBMのサイトでは、例えばそちらの方 に誘導してあげるとか、大きなニュース、手続的なもので気を付けなければいけないと ころを社員に周知して漏れがないようにしていく。そういった形で、住み分けながら実 施をしております。  御参考までに、この商品の実際の運用先です。ちょっと正確な資料ではないのです が、定期預金の方に5割ぐらいだというふうに聞いております。今年の1月から始めた ということもございますので、まだまだ資産がそんなにたまっていないということもあ るので、社員も様子見なのかなというふうに思っております。これが私ども確定拠出年 金の仕組みになります。  最後のページはある意味でおまけでございます。政府を含めていろいろな検討をされ ているということを先ほどお聞きをしまして、大体我々が考えていることは検討されて いるのだなということが理解できたのが今日のまず大きな収穫でございます。1つ私の 方から申し上げたいことは、私どもは冒頭に申し上げましたとおりキャッシュバランス と確定拠出年金と両方入れております。社員から見ると、やはり退職金というのは制度 としては1つでございまして、その中にたまたま2つあるということですので、例えば 確定拠出年金の拠出額を上げることになりますと、必然的にキャッシュバランスの持ち 分付与とかを下げざるを得ません。そのときには従業員の同意が必要になってくるのだ ろうというところがありますので、この辺は何とか柔軟に対応できないのかなというこ とを実は要望として挙げたいと思っております。3分の2の同意が必要になるとか、給 付減額になるとか、そういう条件があると思いますが、トータルで見たらどうなるのだ という視点も何か考慮に入れていただけないかという気がしております。  日本IBMの確定拠出年金につきましては以上でございます。 ○加子座長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの吉田様の御報告につきまして何か御質問等がございますればよ ろしくお願いいたします。  では、私の方から投資教育について、1点御質問させていただきたいと思います。私 どもも投資教育のやり方について頭を悩ましているところで、実はEラーニングも検討 しているところなのですが、具体的にはどのようなやり方をされているのでしょうか。  例えば、Eラーニングというのはそれぞれの人たちが自分からPCを見にいく必要が あるわけですので、結局はなかなか投資教育に対する強制力が働かないとか、私どもの 製造会社ですと直接作業をする人たちには必ずしもパソコンを貸与していない等、いろ いろな問題があると思うのですが、そういった点について、具体的な運用方法、工夫し ている点等教えていただければと思います。 ○吉田委員  わかりました。まずITのインフラという観点では変な話、商売柄ということもござ いまして、全員が1人1台はパソコンを持っている状況にございます。ですから、イン フラの差によって情報の差が起きるということはございません。  あとはおっしゃるとおりでございまして、どこまで強制を働かせるかということでご ざいますが、ある程度これは社員が自主的に何かしないといけないのだよというのを意 図的に発表時から社員に言っております。ですから、会社としては社内のイントラネッ トのトップのページになるべく目立つような形で、小さいことでもいいのですが、繰り 返し繰り返しニュースを載せてあげて目を引きやすくする。そこを見ていただければ、 社員は何をしなければいけないか誘導できるようになる。そういったころに力点を置い て今はやっております。どれだけ見させるかが勝負だと思っております。 ○加子座長  どうもありがとうございました。ほかに御質問等はございますか。 ○矢崎課長  今、御説明いただいた中で最後の拠出金率の変更、確定拠出年金とキャッシュバラン スの組合せというようなお話があったかと思います。実は、先ほどちょっと御紹介しま した審議会の中でもこういった組合せをうまくやって、それぞれの企業、労使合意の下 でいろいろな組合せができるようにしていくというのが大事じゃないかというような御 議論はありました。  それで、ちょっとお尋ね申し上げたいのは、確定拠出年金とキャッシュバランスの組 合せというのはあくまでも個人単位で選ぶというイメージではなくて、制度設計として トータルは一緒だとしても、その比率なり何なりをどういうふうに変えるかということ をもう少し弾力的にできないかというようなイメージなのでしょうか。 ○吉田委員  今は確定拠出年金とキャッシュバランスという、社員にしてみると両方の制度が当た っているのですが、例えば今確定拠出年金は限度額の1万8,000円でやっているのです が、将来、限度額に関する法令が改正され、会社は、確定拠出年金の上限ぎりぎりまで いきたいと仮定します。キャッシュバランスの方は実は今、持ち分付与が給与の7%な のです。7%をそのままやっていますと会社はもちませんので、確定拠出年金の増加分 の見合いの分を下げざるを得ない。例えば7%から5%にしなければいけない。そのと きに、キャッシュバランスだけから見ると多分給付の減額であろうという判断がされる と思うのです。そうすると、また署名をもらわなければいけない。個人別の3分の2の 同意が多分必要になってくると思うのです。  そういうものではなくて、トータルで見たときに減額変更でなければそういった手続 がないようにしていただきたいというのがここの趣旨でございます。 ○加子座長  他にございますでしょうか。どうぞ。 ○石田教授  労使の合意につきまして1点お聞きしたいと思います。新制度のねらいということ で、勤続重視から成果主義へ制度変更する。そのような場合に、賃金も含めて従来のイ ンプット評価といいましょうか、長期労働を評価するということからアウトプット評 価、言ってみれば効率労働ということへの移行ということもあると思います。  それからまた、将来の貢献を反映するという意味では、例えばポイント制の退職年金 というものが考えられると思いますけれども、このような形で一気に制度変更されて確 定拠出とキャッシュバランスを導入されたということにつきまして、外資系ならではの 労使の合意の難しさというものと、それから容易さというものもあるかもしれませんけ れども、そこら辺をお教えいただければと思います。 ○吉田委員  実は、私どもの給与制度につきましては、こういった勤続の長さですとか、年功です とか、そういったものは既に一切排除されております。逆に言いますと我々成果主義で すとか実績主義ですとか能力主義というものを掲げているわけなのですが、退職金制度 だけが人事の根幹の考えに合致していなかったというのが昨年までの状況でございま す。  ですから、人事制度トータルで考えたときにその根っこに沿わないものは、やはりそ ちらの方に持っていかないと社員も混乱してしまいます。そういった意味で、大きな流 れとしてその中で退職金制度を変えましたので、従業員もそんなに混乱なく同意をして いただけたのではと考えております。 ○加子座長  ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。 ○松井副本部長  今日は御説明ありがとうございました。  要望事項のところで引出しのタイミングと書いてありますけれども、IBMさんは私 の知るところでは例えば50歳以上だと定年退職扱いにされていると思うのですが、具体 的にどういう感じでの引出しのタイミングが必要か、教えていただければと思います。 ○吉田委員  今ですと確定拠出年金につきましては60歳ですね。私見ながら50歳くらいからできた らいいのかなというふうに思っていますが、60歳固定というのが今の時代だと相入れな いのかなという気はしております。 ○松井副本部長  もし若年層で、それこそ少額で確定拠出年金の積立残高が少ない方についても対象と すべきというお考えはないのですか。 ○吉田委員  そこまではありません。というのは、もともと退職金というのは老後の資金だと思い ますし、ポータビリティというのも確保されておりますので、あくまでも老後の資金と いう観点からすればそこまではする必要はないと思っております。 ○加子座長  よろしいでしょうか。  それでは、次の議題の「運営管理機関・資産管理機関の実施状況等の報告」に移らせ ていただきたいと思います。  まず社団法人信託協会の柴山様から御報告をいただきまして、続きまして日本インベ スター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社の冨手様から御報告をいただ きます。  質疑応答につきましてはまとめてその後にとらせていただきたいと思います。  それでは柴山様、よろしくお願いします。 ○柴山年金専門委員長  本年度、信託協会の会長行を務めておりますUFJ信託銀行の柴山と申します。私は 信託協会の年金専門委員会、これは年金所管の部長会ということでございますが、その 委員長の立場にありますことから本日この席に出席をさせていただきました。改めまし て、どうぞよろしくお願い申し上げます。  さて、本日は資産管理業務の現状について、それから課題と要望事項について、及び 連絡会議における意見に関する実務とコメント、以上3点について御報告するよう、あ らかじめ事務局様より御要請をいただいております。本日は皆様のお手元に資料ナンバ ー9として簡単な資料を用意しておりますので、こちらの資料に基づきまして御説明を 申し上げたいと思います。  なお、あらかじめお断りいたしますが、信託協会では運営管理業務につきましては特 段計数の取りまとめや意見交換を行っておりませんので、本日運営管理業務に関しまし て御説明いたします内容は弊社個社、UFJ信託の取扱い並びに見解でありますことを 御了承いただきたいと思います。  ちなみに、弊社の企業型確定拠出年金のスキームをお手元の資料の1ページに御参考 として記載しておりますのでごらんいただきたいと思います。  弊社は運営管理機関としてその業務を行っておりますが、記録関連業務につきまして は日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社さん、以降略称 でJIS&Tさんと申し上げますが、そちらへ再委託をしております。また、資産管理 業務につきましてはJIS&Tさんなどの記録関連運営管理機関とデータを接続してお ります。  なお、本日は時間の関係もございますので企業型年金を中心に御報告を申し上げたい と思います。  それでは、本題に入ります。  最初に資産管理の現況につきまして、信託協会の集計データに基づき、信託銀行がお 預かりしております確定拠出年金の受託残高及び契約数について御説明をいたしたいと 思います。  お手元の資料の2ページをごらんください。企業型年金の受託残高と契約数につきま して、平成14年3月末から四半期ごとの状況を表にまとめております。この9月末分に つきましては現在集計中でございますので、直近は本年6月末となります。その本年6 月末でございますが、受託契約数は362、受託残高は2,837億円となっております。  なお、受託残高につきましては時価ベースの集計を行っておりませんので、簿価ベー スの残高を記載しております。また、受託残高の内訳としまして運用商品別の残高と構 成比も記載しております。ごらんいただきますとおり、当初は有価証券が過半を占めて おりましたが、直近では、これは6月末でございますが、構成比で30%程度に減少する 一方、元本確保型が70%近くとなっております。  なお、運用商品欄の「その他」は運用指図前の拠出金及び運用指図から商品購入まで の間の待機資金が大宗を占めておりますので、構成比率からは除外しております。  次に個人型年金の受託状況でございますが、資料の4ページをごらんいただきたいと 思います。同じく本年6月末現在で契約数は120、受託残高は104億円となっておりま す。個人型の契約数は資産管理の事務委託の契約数を集計しております。資産管理の事 務委託契約は国民年金基金連合会さんと事務委託先金融機関との間で締結しております が、運営管理機関ごとに契約を締結しておりますので、運営管理機関数が120とお考えい ただきたいと思います。  なお、個人型の運用商品の構成比ですが、企業型同様、当初は有価証券が約40%を占 めておりましたが、直近では構成比20%弱に減少する一方、元本確保型が80%強という 構成比になっております。資産管理業務の現況につきましては以上でございます。  続きまして、資産管理や運営管理の実務を行う中で、私どもが日ごろ感じております 確定拠出年金制度の課題と要望事項について御説明いたしたいと思います。  お手元の資料の6ページ以降に、先月18日に信託協会が公表いたしました平成16年度 税制改正に関する要望、また本年3月27日に信託協会から厚生労働省年金局長様あてに 提出をいたしました企業年金に係る制度改善要望の中から、それぞれ確定拠出年金に関 する事項を抜粋しておりますので、これらに沿って御説明したいと思います。  まず、税制改正要望でございますが、お手元の資料の6ページから7ページをごらん いただきたいと思います。信託協会の税制改正要望のうち、「特別法人税の撤廃」及び 「拠出に係る税制上の優遇措置の拡充」を抜粋しております。御承知のとおり、特別法 人税は平成11年度以降課税が停止されておりますが、仮に特別法人税の課税が再開され た場合には年金制度の普及、発展に大きな阻害要因となることは申すまでもありませ ん。取り分け年金受給段階での課税強化が議論される中で、特別法人税が取り残されて 二重課税になるような事態は是非とも回避しなければならないと考えております。そう いう意味で、早急に撤廃するよう要望している次第でございます。  次に、資料7ページの確定拠出年金における拠出に係る税制上の優遇措置の拡充につ きまして御説明いたしたいと思います。確定拠出年金制度は施行後2年近くが経過いた しまして、企業年金制度の新たな選択肢として定着しつつあると認識しております。今 後、確定給付型の企業年金制度とともに公的年金を補完する役割が期待されております が、制度の一層の普及拡大のためには税制による優遇措置の拡充が不可欠と考えており ます。特に今後、公的年金の給付水準の調整が図られ、また給付時における課税が強化 される際には、確定給付型の企業年金制度のみならず、確定拠出年金制度によってもこ れらの給付減少分を補う給付額が確保できるよう、拠出限度額を引き上げる措置を要望 しております。  また、自助努力によっても同様の給付額確保が可能となるよう、企業型年金において 従業員拠出、いわゆるマッチング拠出でございますが、この導入を要望しておる次第で ございます。  なお、要望書では拠出限度額の引上げ水準につきまして具体的な金額を明示しており ませんが、信託協会といたしましては公的年金の給付水準が引き下げられる場合、少な くともその引下げ相当分を確定拠出年金でカバーできるような引上げが必要と考えてお ります。  なお、マッチング拠出につきましても要望書には具体的なスキームを明示しておりま せんが、信託協会といたしましては確定拠出年金制度発足前に検討されておりましたス キーム、すなわち事業主拠出と合算して拠出限度額の範囲内とする方法を想定しており ます。  次に、制度改革要望につきまして御説明申し上げたいと思います。資料は8ページを ごらんいただきたいと思います。3月に信託協会から年金局長様あてに提出いたしまし た要望の中では、確定拠出年金における制度運営の負担軽減として4項目を挙げさせて いただいております。  まず8ページの左側でございますが、事業主さんが規約の承認申請を行う際に運営管 理機関の登録済証、勧誘方針、あるいは運営管理機関選定理由書の添附を不要とするよ う要望しているものでございまして、運営管理機関だけでなく事業主の皆様にとりまし ても負担軽減につながるものと考えております。  次に8ページの右側でございますが、運営管理機関や資産管理機関の名称、住所変更 につきまして、規約変更の届出を行う際に労使合意を不要とするよう要望しているもの ですが、これも事業主の皆様の負担軽減につながるものと考えております。  また1ページめくっていただきまして9ページの左側では、運用商品選定理由書や商 品に関する情報提供をイントラネットの磁気媒体によって行えるよう要望しておりま す。現在は原則として書面の交付が義務付けられておりますが、電子媒体での提供を行 う際も合わせて加入者等に周知することが必要とされておりますが、事業主さんによっ てはイントラネットに掲載することで十分に周知できる場合もあると思われますため、 要望しているものでございます。  最後に、9ページの右側に記載しております、適年を解除して確定拠出年金に資産を 移換する際の事務処理期間の要件緩和について御説明いたしたいと思います。この要望 につきましては、直接的には適格退職年金の受託機関としての立場からの要望となりま すが、今後適年から確定拠出年金への移行が増加してまいりました場合に、事業主の皆 様方を含めて実務上、大きな問題となる可能性があるため要望しているものでございま す。  ちょっと長くなりますが、具体的に申し上げますと、確定拠出年金法施行令の附則第 2条第3項では、適年を解除して確定拠出年金に資産を移換する場合、当該移換を「適 年の解除日の属する月の翌月の末日」までに行うことが必要とされております。したが いまして、事務処理期間としては通常で2か月以内、適年の解除基準日を月の末日とし た場合には1か月以内となってしまいます。  なお、若干横道にそれるお話になりますが、この適年解除日、したがって確定拠出年 金制度の発足日を月の末日とする方法は、月中退職者の同月得喪を回避する方策として 複数の企業で検討されているようでございます。例えば10月1日を適年解除日とした場 合に、10月中に退職される方につきましては適年解除後の退職となりますので、適年制 度から給付金を支払うことはできません。  一方、確定拠出年金制度は10月1日から発足となりますので、確定拠出年金制度に一 旦加入してから脱退という扱いになればよろしいのですが、確定拠出年金法の規定によ り10月中に退職してしまいますと、確定拠出年金の加入者でなかったものとされてしま います。この結果、10月中に退職した方につきましては確定拠出年金からの老齢給付金 も支給されず、解除した適年の分配金のみが支給されることになりますが、金額も退職 金でもらう場合と異なるだけでなく、受け取った分配金も所得税法上は退職所得ではな く一時所得となってしまいます。これを避けるために、適年の解除基準日を今のケース ですと10月末として、10月中の退職者にも適年制度からの給付金を支給できるよう検討 されているものでございます。  話を元に戻しますが、適年制度を解除する場合、まず基準日現在の加入者を特定し、 生年月日等の情報を検証すること及び全受給者につきまして生存確認、振込口座の特定 が必要となります。受給者は既に企業を退職しておりますので、この特定作業には予想 以上の期間が必要となる場合がございます。更に、その特定作業が終了してからも個人 ごとの分配金額の計算であるとか振込手続等で、通常3か月以上の期間を要しているの が実情でございます。  このように、受給者の特定ができてからでも3か月以上の期間を要している事務処理 につきまして、法令では解除日から2か月以内に行うように規定されているわけでござ います。法令どおり処理を行うため、現在のところ弊社の場合では事業主さんにも御協 力をお願いいたしまして、適年の解除基準日前に極力前倒しで全受給者の生存確認と振 込口座の特定作業を行っております。その上で、適年の解除基準日から1週間以内に個 人別分配額計算を終えるように、数理担当者を通常業務から外しまして専担で計算に当 たらせているといった実情がございます。  現在のところ、まだ解除の件数がそれほど多くないため対応できておりますが、今後 適年を解除して資産を移換する事例が増加することを考えますと、実務対応に支障のな い日程が組めますよう、早急に法令上の手当てをお願いしたいと考えております。  非常に長くなりまして恐縮でございます。最後の御報告となりますが、これまで本連 絡会議で出された御意見に関しまして弊社の業務の状況あるいは見解として幾つか御説 明をいたしたいと思います。  1点目でございますが、商品の売買タイミングにつきまして、具体的には掛金拠出か ら商品の受け渡しまでの事務フローとスイッチングの際の事務フロー及びコストについ てでございます。  なお、この問題はレコードキーパーの事務フロー並びに商品自体の取引ルールに制約 されるものでございますので、資産管理機関が任意に決定できるものではございません が、御出席の皆様の関心も高いようでございますので、この場で御説明させていただき たいと思います。  まず資料の10ページをごらんいただきたいと思います。ここでは、掛金拠出から商品 の受け渡しまでの事務フローを取り上げております。なお、この事務フローは弊社と、 本日お隣にいらっしゃいますJIS&Tさんとのルールによるものでございますが、他 の信託銀行やレコードキーパーにつきましてもおおむね同様と理解しております。  この事務フローで御留意いただきたい点は、拠出日の翌営業日に商品購入の約定を行 っている点です。資産管理機関といたしましては、拠出日に掛金が入ってこない可能性 もないとは言えませんので、掛金が入金されたことを確認しないまま商品購入の約定を 行うことはできません。したがいまして、レコードキーパーは資産管理機関からの入金 連絡を確認してから資産管理機関に運用指図を送信することになりますので、商品購入 約定は拠出日の翌営業日となります。  なお、弊社では拠出日当日につきましては待機資金としてこのお金に対して付利を行 っております。  また、商品購入の約定から受渡しまでは1営業日となっておりますが、これは商品自 体の取引ルールによるものでございます。  ところで、約定購入日が拠出日の翌日になる点につきましては、資産管理機関とレコ ードキーパーが同一であれば両者の間での入金連絡や運用指図連絡が不要となり、当日 約定が可能となるのではないかという御意見がございます。この点につきましては、仮 に資産管理機関とレコードキーパーが同一であったといたしましても、入金日当日に約 定を行うためには相当早い時点で入金確認を行うことが必要と思われますが、事業主さ んの事情や金融機関の事務手続上、入金時刻が遅れることは往々にしてあることでござ います。このため、仮に両者が同一であったとしても、当日発注を行う前提で事務スキ ームを構築することは困難でないかと思われます。  次にスイッチングの事務フローにつきまして御説明を申し上げます。 次の11ページをごらんください。こちらの資料も弊社とJIS&Tさんとの間のルール を基に、国内投信を売却し、外国投信を購入するスイッチング取引を記載しておりま す。ここでのポイントは、購入側の約定は売却側の受渡しを待って行っているとは限ら ないということでございます。商品提供機関から資産管理機関及びレコードキーパーあ てに売却の約定日の翌営業日に取引報告が送付されます。この取引報告によって当該商 品の清算金額が確認でき、その結果、購入商品の取引数量を確定することが可能となり ます。  資産管理機関では、取引報告を受信した日の翌営業日に商品購入の発注を行います。 11ページのケースでは、売却商品の受渡し日の前営業日に商品購入の発注を行うことが 可能となり、売却の受渡し日を待って購入発注するよりも1営業日処理日が短縮されて おります。外国投信を売却し外国投信を購入するケースでも同様の効果が見られます。  1ページおめくりいただきたいと思います。しかしながら、資料12ページにございま すように、国内投信を売却し国内投信を購入するスイッチング取引ではこの効果を生か すことができません。それは、売却の約定日の翌営業日に購入の発注を行いますと、投 資信託自体の取引ルールから売却の受渡し日と購入の受渡し日が同日となってしまうか らです。  このように、売却と購入の受渡し日が同日となるケースにつきましては、売却の入金 確認を行った後に購入資金の決済を行えるように、購入の発注日を遅らせて購入の受渡 し日が売却の受渡し日より後になるように調整しております。その結果といたしまし て、購入の発注日は売却の受渡し日と同日となります。  最後でございますが、これまで本連絡会議の中でレコードキーパーと資産管理機関が 別組織である必要はないという御意見が出されておりますので、弊社の考え方というこ とで御説明を申し上げたいと思います。  まず御意見は、「確定拠出年金制度の資産管理機関は実際に有価証券を管理している わけではなくキャッシュフロー管理をしているだけなので、そのために一つの金融機関 を用意する必要はない。レコードキーピング会社に資産管理業務をやらせればコストも かからないし、商品の購入や売却に無用な日数を要することもない」と、このような趣 旨かと私どもの方では理解しております。  まずコストについて考えます場合に、我が国でなぜレコードキーピング会社が金融グ ループを横断して設立され、カストディ機関や資産管理機関から独立しているのかとい った点を振り返らざるを得ないと考えております。端的に申し上げますと、レコードキ ーピング業務に必要な記録管理システムは既存の企業年金管理システム等では想定して いなかったような長期にわたる一人ひとりのヒストリー管理が必要であったということ でございます。この辺の詳細は、むしろレコードキーピング会社さんから御説明された 方がよろしいかとも思いますが、弊社も厚生年金基金や適格退職年金で加入者、受給者 さんの記録管理を行っておりまして、それなりの制度管理システムはもちろん用意して おりますが、確定拠出年金制度のように加入者、受給者さん一人ひとりにつきまして拠 出や運用指図の記録をヒストリーで管理するシステムは既存システムをカスタマイズし てでき上がるようなものではなかったということでございます。  しかも、既存の年金制度管理システム自体、度重なる法律改正や制度改正によりまし て、そのメンテナンスを求められておりますことから、収益性といった観点では極めて 難しい運営を迫られておる次第でございます。こうした中で、既存システムをはるかに 上回る開発コストを要するような新たな管理システムを独力で開発する余力のある金融 機関はなかったのではないかと認識をしている次第でございます。  しかも、確定拠出年金制度の記録関連業務自体、厳格に法令に基づく業務でございま すので、差別化の困難なものと思われます。そういった意味で、なおさら独力で開発を するようなインセンティブは持てなかったということではないかと理解をしておりま す。  また、他方で資産管理システムは既存の資産管理システムとの関係から社によってま ちまちとは思われますが、1円単位で日々運用商品の設定、解約を行う制度を管理する ものでございますので、やはり相当大きな投資を行っている場合もあろうかと思いま す。資産管理業務につきましても、御承知のとおりそのコスト負担等の問題から金融グ ループを横断して専門の信託銀行を設立しているような次第でございます。仮にレコー ドキーピング会社が資産管理システムを開発しようとした場合に、カストディのシステ ムに合わせて自らの資産管理システムを開発し、運営していくことは資産管理業務のシ ステム、ノウハウあるいは人材を持たないレコードキーパーにとっては容易なことでは ないものと考えております。  要するに、カストディ業務を行う信託銀行はそのカストディシステムに合わせて資産 管理システムを構築いたしまして運営しているからこそ、現在のサービス水準あるいは コスト水準が保てているものと考えておる次第でございます。  御要請いただきました3点につきましての報告は以上でございます。  最後に、確定拠出年金制度の発展には加入者さん、受給者さん、事業主さんはもちろ ん、私ども運営管理機関や資産管理機関等、この制度の担い手全体がバランスよくその 利益を享受できることが必要と考えております。法令等による大きな枠組みの変更であ りますとか、度重なる制度の変更といいますものは、この制度の担い手の負担を増加さ せまして、ひいてはこの制度への参画を難しくいたします。その結果、制度の発展を阻 害する要因にもなりかねませんので、改善すべきは改善するという方向性には全く賛同 するところでございますが、どうか安定した制度運営を図られますよう御配慮をお願い したいというふうに考えております。  非常に長くなりまして恐縮ですが、以上で報告を終わらせていただきたいと思いま す。 ○加子座長  柴山様、ありがとうございました。それでは、続いて冨手様よろしくお願いいたしま す。 ○冨手経営企画部長  日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジーの冨手と申します。よろ しくお願いいたします。  御出席の委員の皆様の多くは、弊社の業務を御利用いただく私どもにとりましてはお 客様でもありまして、私どもの業務内容とか業務運営の状況につきましてはよく御存じ ではないかという具合に思っております。本日の連絡会議では、私どもの業務運営の状 況と制度の普及とか運営の改善に向けて、私どもがやっております取り組みとか、そう いったことにつきまして御報告させていただきたいと考えております。  先ほど柴山様から御説明がありました点と若干重複するところがあろうかと思います けれども、事前に調整していたわけでもございませんので御容赦いただきたいと思いま す。  それでは、資料に基づきまして進めさせていただきます。  2ページをごらんいただきます。私どもの会社につきましては、業態を超えた多くの 金融機関を中心にして御出資をいただきまして、レコードキーピングの専業会社としま して1999年8月に設立をされております。当時、運営管理業務、資産管理業務、商品提 供業務の立ち上げを準備されておりました当社の株主でもあります多くの金融機関か ら、ノウハウと人材の御提供をいただきまして業務基盤を構築してまいりました。制度 におけるいわば公共財的な業務基盤としての立ち上げを期待されたといったようなこと もございまして、レコードキーパーとしてのあらゆるニーズに対応しまして、制度開始 と同時にフルサービスの提供を可能とするようにといったことを基本にしまして、設立 後、基盤を構築してきたというところでございます。  具体的に申し上げますと、大企業から中小企業さんまでを対象としました処理の柔軟 性を確保すること、あるいはバンドル型、アンバンドル型に関しましてもいずれの選択 も可能とするように、あるいは業態を超えた各種金融商品での運用に対応できるといっ たこと、あとは個人型も含めまして制度普及が急速に進むのではないかといったこと、 そういったことを想定して準備を進めてきたといったところでございます。  ここに時系列的に並べて書いておりますけれども、会社設立当初は業務開始までの期 間が1年余りと非常に短期間であるということを想定しておりました。したがいまし て、まずは制度を回すことを第一にということで、こう言っては何ですけれども、サー ビスは必要最低限にならざるを得ないといったようなことはございました。  その後、法案の成立が諸般の事情から遅れたこともありまして、その都度スケジュー ルの引き直し、業務内容の見直しといったことを進めてまいりました。したがいまし て、この間での業務基盤の構築作業におきましてはいささか難しいものがございまし て、それにつれて初期投資がふくらんだといったようなことは皆様御存じのところでは ないかと思います。  また、法案の公布、政省令の施行から業務開始までの期間が最終的には2か月程度と 短くなってしまったということもございまして、政省令の内容の確認を行い、業務内容 の見直しを進める傍らで各機関さんとのネットワークの構築であるとか、制度導入予定 企業様がもう準備を進めておられましたので、そういった先様との調整であるとか、そ ういったことを並行して進めておりました。  会社設立後2年で何とか無事に開業を迎えることができまして今に至っているといっ たところでございます。  続きまして3ページですが、弊社の業務状況につきまして御報告いたします。これは 当然私ども単体での状況でございますので、その点は御理解いただきたいと思います。  まず先月末の速報ベースではありますけれども、規約数は214規約、企業数は691社、 加入者数は個人型を含めまして35万5,000人となっております。  ちなみに連合型、総合型と言われておりますプランにつきましては、規約数は7規 約、企業数では356社という具合になっております。  特定運営管理業務につきましては、後ほど改めて御説明させていただきますけれど も、国民年金基金連合会様から受託をさせていただいておりまして、先月末の速報ベー スで自動受換者数は約4,000人強となっております。その年金資産額ですけれども、17 億円を超えております。この業務につきましては今のところ弊社だけが受託しておりま すので、自動受換数にはほかのレコードキーパーさんからのものが含まれております。  弊社の収支状況につきましては公表されておりますので既に御存じのところかもしれ ませんけれども、前期実績を記載させていただいております。業務開始後、間もないこ ともございまして、3月期では1年半の実績ということになります。初期投資の償却負 担が重いということもありまして多額の赤字の計上を余儀なくされているという状況に ございます。  続きまして、4ページでございます。弊社の業務内容につきましては、ここに御出席 の委員の皆様には御利用いただいていることと存じますのでよく御理解いただいている と思いますけれども、改めて記載をさせていただいております。資料の3ページは、法 律で定められたレコードキーパーとしての業務内容でございます。  続きまして、5ページは確定拠出年金概要図といたしまして企業型年金と個人型年金 のそれぞれの業務の概要図を挙げておりまして、これは太線で囲んでおりますところが 私どもの業務ということでございます。私どもの業務としましては原簿の記録保存及び 個人別管理資産についてのレポートの作成という記録管理、資産運用に関わる運用指図 の受付け、取りまとめ、通知、最後に裁定業務といった3本柱でやっております。  なお、ここで数字としては挙げておりませんけれども、概要図にあります関係各機関 さんとの接続状況について触れさせていただきます。運用関連の運営管理機関数は、現 在154機関と接続させていただいております。商品提供機関数は140機関、残高のある登 録商品数は728商品となっております。資産管理機関数は6機関となっております。これ らのレコードキーパーとしての業務を正確かつ迅速に実行するために、資料4ページの 下のところに書かせていただいておりますけれども、こういった考え方でインフラ構築 を進めてまいりました。  例えば、プランスポーサー側のIT導入の度合いに差があるといったことも考慮しま して、現場の業務処理の環境に配慮した正確な処理を求められるといったことから、関 係機関さんとのデータのやりとりを限られた時間内で正確かつ迅速に行うことと、先ほ ど柴山様から御説明があったようなスイッチングであるとか、そういったところでは関 係機関さんとのデータのやりとりが毎日行われているといったこともございまして、シ ステム要件としては厳しいものがあったと思いますけれども、こういったことをクリア したと考えております。  そういった厳しい要件と同時に、米国では20年以上かけて作り上げた、現在のサービ スレベルを国内でも実現するといったことが最初から期待されていたということで、そ ういう点では最初からハードルは非常に高く、こういったことを実現するといったこと が期待されていたという具合に思っております。  インターネットを使って資産管理や運用を行うといったことでありますとか、金融機 関を接続するネットワークを使いまして多種多様な金融商品の選択をプランの中に組み 込むことができる。加入者さんはその中から選ぶことができるといったようなことを可 能とすること、あるいは加入者さんにとっては運用機会の提供、利便性の確保といった ものを高い水準で実現することが求められていたということもございまして、それなり の装置をつくるという必要がございました。  ちなみに、コールセンター・ウェブでの受付件数は先月1か月間で5万件ほどござい ました。このうちコールセンターでの電話の受付件数と、IVRでの受信件数は5万件 のうち約2,000件でございまして、残りの4万8,000件というのはインターネット経由の ウェブの御利用といったような状況にございます。そういう点では、インフラをよく御 利用いただいているのではないかと思っております。  そういうシステムの基盤を構築してきたということもございまして、私どもにとりま しては加入者様へのサービス提供における信頼性の高さというものが第一といいます か、経営の基本でもございますので、システムの安定運用とか業務の継続といった点に つきましては万全を期してやらせていただいております。  続きまして、6ページで特定運営管理業務について御報告させていただきます。企業 型年金の加入者が資格喪失をした後、6か月以内に個人型年金への移換手続を行わない 場合は国民年金基金連合会様に自動的に移換されるということになっております。その 加入者の記録と保存の業務を、特定運営管理業務として私どもが単独で受託させていた だいております。したがいまして、ほかの企業型のレコードキーパーさん、私どもも含 めて企業型のレコードキーパー全社から特定運営管理機関である弊社に記録が移換され るという形になっております。  もともとこの確定拠出年金制度につきましては、ポータビリティを確保するというこ とになっております。そういった点では、企業型年金の加入者さんが老齢に達する前に 資格喪失となった場合には、企業型もしくは個人型に再加入して制度を継続して活用で きるという考え方であったと思っております。したがいまして、こういった自動受換が 行われるケースというのは非常に少ないという見通しを、私どもと受託する際に国基連 さんとはそういう相談といいますか、そういう状況を前提に業務を受託させていただい たといったようなことがございました。  先ほども申し上げましたとおり、既に4,000人以上の方が自動受換をされているという 状況にございます。弊社で管理させていただいております資格喪失者の方の状況からし ますと、更に増加する傾向にあるものと見ております。3月に御退職の方が6か月以上 経過しますと、タイミングとしましては今月、来月が自動受換のピークになるというこ とになりますけれども、予備軍等を見ていますともう一段増えるという具合に見ており ます。  弊社としましては、この傾向をどうこう評価するような立場にはございませんけれど も、加入者のこの制度についての理解不足といったものが原因とするならば、先ほどの アンケートの中にも項目がございましたけれども、改善していただければと思う次第で あります。  私どもは企業型のレコードキーパー、個人型のレコードキーパー、特定運営管理業務 と、レコードキーパーとしましてはすべての業務を行っていることもありまして、この 問題への取り組みとしまして、私どもが受託させていただいております企業型の加入者 様が資格喪失された際に、個人型への移換手続についての御案内を実施させていただい ております。企業を退職された加入者の方々が退職の手続につきまして弊社にお問合せ をいただくことが多いといったような状況もその背景にはございました。自動受換とな った方々が制度についての御理解や手続についての知識が不足しているとすれば、手続 ができない方が相当数になってしまうのではないか、その増え方を見まして私どもなり に懸念をしたといったようなことがございます。  これまでに自動受換された中から個人型、企業型に移換された方、あるいは一時金等 で出られた方が約300人強いらっしゃいますけれども、依然として多くの方が受換された ままという状況にあるかと思います。将来的に私どもで浮上してくるだろうと考えてお りますものが、法の34条におきまして70歳までに老齢給付金を行うことという規定がご ざいます。70歳到達時の強制裁定という問題であります。このままのペースで自動受換 が増加してしまいますと、その中には私どもにとりましては連絡のつかない方がいらっ しゃるとか、場合によってはお亡くなりになっているとか、こういった制度に入ってい ること自体失念されているとか、そういった場合には連絡のとりようがないということ もございまして、手続のできない方が相当数になってしまうのではないかというような ことを懸念をしているということがございます。今から10年ぐらい先の話でもございま すので、今から準備をすれば防げるのではないかと思います。  こういう問題につきましては、私どもは清々と運営をしていくということも大事かと 思いますけれども、できますれば金額の少ない方、資産残高の少ない方につきましては こういう手続を取らずに一時金で受け取る方法といったようなことで運営できるような 形が望ましいのではないかと思っております。  最後に、制度の普及に向けて私どもが行っていますことについて、7ページで御説明 させていただきます。  私どもとしましては、業務開始に向けて準備してきたことにつきましては先ほども申 し上げたとおりでございますけれども、開業してほぼ2年が経過しております。現時点 で私どもが取り組んでいることについて簡単に触れさせていただきたいと思います。  記録管理業務の専業であります私どもの経営にとりましては、制度普及によって加入 者数が増加するということが最も重要な点でございまして、制度普及に向けて私どもが 取り組むべきことは積極的に進めていきたいと考えております。  事業主様、加入者様へのサービス改善、制度普及に必要な機能の改善といったこと は、私どもの業務そのものでもございますので、そういった業務運営の改善といったも のは当然でございます。制度そのものの改善に向けて、レコードキーパーの立場から具 体的な要望を出させていただくといったことも重要な点だと考えております。  業務開始以来これまでに事業主様、加入者様、関係機関から多種多様な要望が寄せら れておりまして、ここにも記載させていただいておりますけれども、総合型・連合型プ ランに向けた対応といったこともその一環としてやらせていただいております。  また、加入者様へのレポートにつきましてはこの連絡会議でも御指摘があったかと思 いますけれども、用語の使い方であるとかデザインといった点について御意見をちょう だいしておりまして、これまで2回の改定を行っております。御要望に関しましては可 能な限りお答えしたいと考えております。  また、投資教育という観点からこのレポートの重要性についても認識しておりますの で、企業様での投資教育、運営管理機関様のサービスサポートといった点に合わせて、 進めさせていただきたいと思っております。  また、私どもが想定していなかったいろいろな事象も発生しておりまして、その都度 御当局の方とも相談させていただきながら鋭意対応しておりますけれども、いかんせん この業務につきましては参考事例もございませんので、具体的な事例への対応を積み重 ねながら対応力を強化したいと思っております。  制度改正要望につきましては8ページですが、上の3つの拠出限度額の引上げ、個人 型年金加入者の資格要件の緩和、特別法人税の撤廃といったことにつきましては、これ まで再三お取り上げいただいておるかと思いますので、本日はこの点については申し上 げるまでもないと思っております。  脱退一時金の支給要件の緩和につきましては、加入者様の方からなぜ制度から脱退で きないのかとか、資産残高が少額である場合に手続に要する手数料負担が重いといった ような御意見が直接私どもコールセンターにも寄せられております。制度の健全な発展 といった視点から見ますと、やはりこういう声が出ているというのは問題ではないかと いうことで挙げさせていただきました。短期間において、そういう御意見は件数として は10件を超え、20件弱といった具合に押さえておりますけれども、その背後にはそうい う御意見をもった方々がたくさんおられるのではないかということから挙げさせていた だいております。  記録関連運営管理業務の効率化という点について、少し触れさせていただきます。制 度で規定された法定要件について、制度利用者の利益を侵害せずかつ制度の趣旨に沿っ た範囲内で事務の合理化、効率化に向けて見直しを是非お願いしたいという趣旨でござ います。  レコードキーパーとしましては、業務の効率化そのものが当然重要なのでございます けれども、そういった効率化の効果といったものを加入者様への利便性の向上といった ものに振り向けるということも大事な点だと考えておりまして、こういう点につきまし ては是非御配慮、御検討いただきたいと思っております。そのために、私どもとしても 具体的に御要望については申し上げていきたいと考えております。  最後になりましたけれども、これまでこの連絡会議での発表者はこの制度における利 用者の立場に立っておられていたのではないかと思っております。弊社のような記録関 連運営管理業務の受託業者の立場にとりましては、こういった機会を与えていただいた ということは大変ありがたいことだと思っております。これも制度開始後2年が経過し まして、制度導入の企業の方々からの御意見に加えて、制度運営全般について制度運営 に携わる者の意見を聞いていただける段階になったのだなという具合に解釈しておる次 第でございます。  冒頭にも申し上げましたが、委員の方々には日ごろから御愛顧をちょうだいしており まして、こういったお話につきましては余り目新しい話題はなかったのではないかと、 いささか心配はしておりますけれども、今後とも御指導をいただきながら業務改善につ いて努力をしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  私からの説明はこの辺で終わらせていただきます。 ○加子座長  冨手部長、どうもありがとうございました。  それでは、今ご報告のありました2つの資料9、10に関しまして質疑、御意見等がご ざいましたらよろしくお願い申し上げます。 ○成瀬企画官  先ほどIBMさんからも信託協会さんからもマッチングの御要望があったと考えてお りますけれども、マッチングを採用した場合、記録関連業務については多分かなり変更 があるとは思うのですが、それはかなり大規模のものになるのか、ある程度感覚的によ くわからないところがありますが、一からやらなければいけないのか、何か合体すれば できるものなのか、その辺の感じを教えていただければと思います。 ○冨手経営企画部長  私どもとしましては、マッチングという言葉自体の定義につきまして社内でも議論い たしましたが、どういう形があるのかということはなかなか要件として決めにくいとい うのが実態でございます。それで、簡単に申し上げますと、先ほどIBMさんのお話に もあったかと思いますが、個人の拠出分と企業さんの拠出分を一度にまとめて運用する ということであれば、私どもとしましては一本で受けて処理をする。それで、すべて合 同運用をするという形になればさほど難しい話ではないと思うのですが、これも事業主 返還の問題であるとか、分離をして管理をしなければいけないとか、合同運用と言いま しても自分が拠出した分と企業が拠出した分とを合わせて運用した場合に損益をどう伝 えるのか。加入者にとってはどういう場合に評価をするのかといった点から考えます と、これは相当ハードルが高いものがあるのかなという具合に思います。  ただ、私どもとしましてはマッチングによって制度普及が図られるということであれ ば、これは当然私どもだけではなくて商品提供機関、運営管理機関、資産管理機関、関 係機関ともにメリットのある話でもあろうかと思いますので、そういう点ではビジネス 機会としてとらえ、その範囲内で対応するということは基本だとは思います。先ほど申 し上げたような幾つかのハードルにつきましては、私ども業者としましてはどんどん難 しいことを考える傾向にございます。法制度のつくりと私どもの提供しておりますサー ビスとを比較しながらよく吟味をしていただきまして、相応のリードタイムを取ってい ただきたいというのが私どもの考え方でございます。  多額の投資が必要かという点につきましては、物によるとしか言いようがございませ んで、なるべく安い方法を指向していただくのであれば導入しやすい。発展させていく 過程で幾つか改変をしていくということであれば、またやり口は変わるのかなと思って おります。  ただ、今のような状況のままマッチング拠出を来年から始めるということになります と、準備期間としての短さとか、要件がまだ未確定であるとか、そういったことを考え ますと、相当コストがかかるということは覚悟しなければいけないと思っております。 ○柴山年金専門委員長  資産管理機関といいますか、こういったサイドから申し上げますと、ほとんど冨手さ んの方からおっしゃられたことと重複するのでございますが、やはり事業主資産分と個 人分、本人分の事業主返還の問題をどう取り扱うかというところが一番の課題だと思っ ております。  それから、これもおっしゃられましたけれども、運用を合同でした場合等になります と運用益あるいは損益ですね。こちらの端数の処理と申しますか、こういったものをど う認識するのか。この辺の定義によりまして制度の持ち方、制度の仕組み、こういった ルール等をどういうふうにつくっていくのか。そのつくり込みの期間等についても大き く変わってきて、またひいてはどの程度のお金がかかるのかということがかかわってく る。こんな格好になろうと思いますので、この場でどの程度というのはなかなか申し上 げられないのですが、いずれにしても検討の期間を十分与えていただきまして、その中 で要件に基づきまして御返事をしていきたいというふうに思っております。以上です。 ○矢崎課長  マッチングに関してなんですけれども、非常に御要望のある点でありますし、また制 度発足時においても検討課題とされたものだというような認識を私どももしています。  今回の税制改正要望でも結論から申し上げますと、私どもマッチングについての税制 改正要望は行いませんでした。やはり優先順位としてまず限度額の引上げを図り、制度 の裾野といいますか、周辺をやはり厚くするというのが現時点での最大の課題であろう という判断からです。  私どもとしてはもちろん課題としての認識はしておりますが、マッチング自体は5年 後見直し規定もありますので将来の課題ではないかという認識を持っているということ です。  もちろんマッチングをやるかどうかというときの内部的な検討はいたしましたけれど も、行うとすれば先ほどお話も出ましたが、限度額の枠内で、例えば五分五分を上限に してやる。そうなってきますと、ともかく限度額自体が上がらないことには十分な効果 は発揮しないだろうというのが1点です。  それからもう一つ、制度、仕組み方をどうするかということはありますけれども、今 お話が出ていたようにマッチングを行うとなると企業拠出分と本人拠出分の区分管理は 必須ではないか。要するに、もう既にお話されていましたけれども、返還規定ですと か、あるいは企業給付分をどうするかとか、いずれにしてもマッチングをやるとなると 区分管理というのは必要だろうと思います。そのためにはシステム開発をしていただく 必要があるのではないか。そこのコストという問題をどう考えるかということもやはり あるのではないかと思います。  ちょっと口を差し挟むようでございましたけれども、少なくともマッチングの問題に 関して今の時点での私どもの考え方は、今、申し述べたとおりということでございま す。 ○加子座長  それでは、ほかに何か御質疑ございますでしょうか。 ○徳住委員  御報告どうもありがとうございました。運営管理機関の状況についての御報告の中 で、契約件数が362件というような数字がございます。企業年金につきまして、厚生年金 基金あるいは適格年金に対しまして、運営管理機関に相当する機関投資家さんから導入 の働きかけというか、要するにプレゼンテーションというようなものが行われ、それを 踏まえて各企業の中での退職給付制度の在り方をどうしていくのかということを考えた 上で、では年金制度を取り込もうかというような形が旧来のスタイルだったと思いま す。  この度、新しい企業年金の二法が整備され、また企業年金に対する各企業の意識が非 常に高まってきて、これから退職給付制度をどういうふうに自分の会社として持ってい くかということについて経営の立場から、あるいは労使で話し合う立場からいろいろ議 論をして、これからの在り方を各社で今、議論がされて、それで先行的に実施を導入さ れた企業の方々で集まって今、議論をしているわけですけれども、各企業に対しまして 確定拠出型年金の導入について、運営管理機関として確定拠出型年金のプレゼンテーシ ョンをやった結果、それは非常にいいものだということで受託に結び付いたものと、そ れから各企業で確定拠出年金制度を導入しなければいけないということが既に方針とし て決まって、それをどこに頼もうかなということで比較検討をして運営管理機関を選ば れたというような形と、現状はどうなのか。  例えば、362件の中でプレゼンテーションを一生懸命おやりになって、それで企業の中 での考え方がある程度そちらの方に傾いて導入されたのか。企業自らの中で大体方針が 決まって、それを受けられたのか。その辺りの状況がもしわかれば教えていただきたい と思います。 ○柴山年金専門委員長  今の御質問でございますが、信託協会ベースとしての統計という意味では残念ながら ございませんので、誠に恐縮でございますが、私の個人的な見解という格好でのお答え になろうかと思いますが、それでもよろしゅうございますでしょうか。  私どもの知り得る限りにおきまして、確定拠出年金制度導入の契機というのは退職給 付債務問題といいますか、いわゆるPBOと言われていますけれども、こちらの問題に 端を発するケースが非常に多かったと思います。比率は感覚的なものでしかお答えでき ないのですが、9割方そういった問題だというふうに認識をしております。したがいま して、企業さんからのオーダーというものはそういった退職給付債務をいかになくす、 もしくは小さくするかという論点におきまして、どちらかといいますと財務さん、ある いは総合企画さんとか、社内で言えばそういった部署といいますか、そのニーズに端を 発しながら人事、労政の方と御相談をされて、我々運営管理機関とこちらの方にお話を いただいて、果たしてこのPBO問題をいかにして解決したらいいのかというプレゼン テーション、この一環が一つの方策としての確定拠出年金という解決策の提示というこ とになっていようかと思います。  そういうおおまかな御回答しかできないのでございますけれども、そういった意味で ははっきりと確定拠出年金の導入を決めてというよりは、やはり今、申し上げたような PBO対策の解決策のプレゼンテーションと申しますか、そういった部分がかなり多か ったという認識でございます。  それで、プレゼンテーションをして困ったことがありますかという御質問もいただい たんですが、これこそ私の感覚というものなので余りこういう発言をするのもいかがか と思いますが、やはり会社さんの中で財務サイドと人事サイドで意見がどうしても一致 しないこともございますので、どちらの思いに近いプレゼンテーションをするのかとい うようなことも実際にはあったかと思います。この辺のところは、私どもとしては判断 をどういうふうにしていこうかというところが迷った部分でございます。ぴったりとし た御報告にはなりませんけれども、以上でございます。 ○秦委員  今日はいろいろありがとうございました。  先ほど御提案に対しての御回答をいただいたのですけれども、誠に申し訳ないのです が、私としてはどうしても不満なところがあるので、言わずもがなかと思いますが、も う一度確認をしたい点をそれぞれのポイントについてお話をさせていただきたいと思い ます。  まず拠出の場合の1営業日の確認が必要だという議論ですね。私の個人的な意見で は、これは確定拠出年金のシステムの問題ではなくて、基本的に各企業と運営管理機関 なり何なりの振込みの代わり金の授受のリスクの問題だと思います。すなわち、大体数 の企業の方が25日給料日と仮にすれば、朝一番の8時でも銀行が開いていたら給料が下 ろせると思うのです。  ところが、企業から本当にその前の日に振り込んでお金をもらっていますか。給料は 当日の25日に銀行が開いてからほとんど落としているのではないですか。ところが、な ぜ確定拠出年金の場合は25日に入金にならないのですか。これはどう考えても私は矛盾 した話だろうと思います。  確かに企業の中にはその振込みの代わり金のリスクがとれないのであれば給料だって 同じだと思います。そのときは、例えば25日付で落とすとか、入金を確認して処理をす るということをやればいいだけの話であって、確定拠出年金のシステム全体が1営業日 の確認が必要だというのは暴論ではないかということですね。これが第1点です。  それから、T+αの問題です。私はいろいろな金融機関さん等からも聞いています し、実は私どもの社員からもいろいろきているのですけれども、やはりこれから株の投 資をしようかなと思うようなときとか、または株を売ろうかなと思うときに、自分の考 えている値決めの相場、今この相場ぐらいだからやろうかなと思うタイミングで売買が できないというのはシステムの中で基本的な致命傷ではないのですか。確かに確定拠出 年金というのは長期的な運用ですから、長期的な運用ならば一時的に多少狂ってもいい じゃないかという議論は金融機関としてやれる議論なのかどうかということです。  本当のお客様は誰なのか、を承知されているのでしょうか。今みたいに、特にこれだ け経済全体が揺れ動いているような状況の中で、1日2日の遅れが致命傷になる可能性 は幾らでもありますね。そのリスクを制度が負うような形にして、それでいいのだとい うような仕組みというのはいかがですか。組もうと思えばリアルで組めるはずです。特 に確定拠出年金の場合は金が逃げていくわけではない。システムの中から解約して持っ ていけるわけではないわけです。ですから、単純に株を売買してお金を持って逃げてし まうということはあり得ないわけです。絶対逃げていけないのだから、そういう仕組み で代わり金が必ず入ることが担保されている仕組みにもかかわらず、代わり金の入金な り何なりがある程度確認されないと次のステップにいかないなどという論理構成は、少 なくともどちらのお客さんを見て物事を考えているのかという発想からするとちょっと いかがかなと思うのです。その辺は今後のシステム開発を待てば幾らでも可能になるこ とだと思うので、論理的にどう金融機関として対処するかという根本的な思想のところ をやはり考えていただきたいということです。  それから、3番目の資産管理機関とJIS&Tさんを一緒にしたらどうか。これは私 が申し上げたわけですけれども、正直言って今日の柴山さんの御回答は、実質企業はも うかっていないでしょう、何百億も赤字を出していますと。金もない。それから、多 分、人もいないのでしょう。だから、JIS&Tさんにはやらせられなかったとしかお 話として聞こえないのです。  そうなのですか。これもどちらを向いているのですか。人がいないのであれば、申し 訳ないけれども、かなり小さい信託銀行さんまで含めてすべてこの確定拠出年金の資産 管理機関としてのシステム開発をしましたよね。なぜならば、そんなに金のかからない ものだからです。もちろん私はJIS&Tさんが大変な金がかかったというのはよくわ かります。これは本当に大変な投資であったというのはよくわかりますし、しかも法制 の遅れで1年大変なことがあった。だから赤字が大きくなったとか、いろいろそういう 問題があるのは十分承知した上で申し上げているわけですけれども、それに比べて資産 管理機関さんのシステムの開発なんて、私はもちろん専門じゃないですけれども、少な くとも全部があっという間にそろえたということから考えても、そんなに大したシステ ムではないのではないですか。その部分をくっ付けることにどの程度の意味があるので すか。  しかも、それをくっ付ければ、それによって先ほど来申し上げているような実際の受 益者、加入員にとって決定的にそこがメリットになる。それは単にそのT+αだけの問 題ではなくて、手数料そのものだって一本化してくれば当然減っておかしくはないはず です。今はもはや全信託銀行が自分で開発してしまったから、今更JIS&Tさんにく っ付けたくないという気持ちはもちろんわかります。  しかしながら、それはそもそも設計として本当に正しかったのか。もっと言えば言い 過ぎになるかもしれませんけれども、JIS&TさんとNRKというのは2つある必要 があったのか。そもそもそこのところもだれの責任で2本も立ってしまったのか。よく その辺のところを御反省いただきたいと思います。 ○加子座長  ありがとうございました。今の秦さんのお話は前回の連絡会議でも出ていたお話でご ざいますが、時間の関係もございまいますのでフリートーキングをこの後やらせていた だきまして、その場でいろいろと皆様から御発言いただければと思います。  それでは、今回の議論のほかに関連の団体などからも制度の改善要望がいろいろある ようでございますので、まず初めに事務局から資料11の「確定拠出年金の運営改善に関 する主な要望事項」を御報告いただきまして、その後フリートーキングということにさ せていただきたいと思います。 ○松岡企画官  もう時間もなくなってきておりますので、簡単に説明させていただきます。資料の11 でございますけれども、これは平成14年度の当連絡会議でいろいろ出された意見をまと めました議論の整理を材料といたしまして関係団体、信託協会や全銀協など、あるいは 関係機関、レコードキーパー、運用関連の運営管理機関などから現行制度について改善 すべき事項について御意見を伺いました。  さまざまな御意見を伺いましたけれども、その中で主なものをまとめましたので御紹 介をさせていただくということで出させていただいております。法律に規定するものや 政省令に規定するもの、通知に規定するようなもの等、様々ございますけれども、主な ものを挙げさせていただいております。  簡単に御説明しますが、まず1つは規約の変更等の手続き関係でございまして、企業 型年金の規約の中で軽微な変更事項がございますけれども、そういったもので労使合意 が容易にできるものがあるのではないかといった御意見がございました。  それから、複数の企業でやっている場合がございますけれども、その1つの企業に関 わる部分であれば、ほかの事業所の労使合意は不要にできないかという御意見がござい ました。  それから、分社などが行われたときにいろいろ書類の整理等々がございますので、そ ういうところで手続面での配慮ができないかということがございました。  運営管理機関の中では、変更届についても2週間以内に提出することになっています が、延ばせないかということがございました。  それから、加入期間、資格関係で勤続期間が3年に満たない人についての事業主返還 規定がございますけれども、当初から3年未満であるということが明確な方について、 代替措置を不要にできないかという御意見、御要望がございました。  それから、パートや嘱託以外や契約社員、準社員等の職種についての労働条件が著し く異なっている基準というものを明確にできないかというような御要望がございまし た。  次に、3番目でございますけれども、運用商品を除外する場合の規定について条件を 緩和できないか。これは法の26条に関わるような問題でございますけれども、ございま した。  それから、情報提供について先ほどありましたようなイントラネットによる情報提供 など、そういったことなどについての弾力的な方法ができないかということがございま した。  それから4番目で資産移換でございますけれども、企業型の年金が終了した場合の加 入者についての個人別の管理資産の移換期限を定めておりませんので、そこら辺を明確 にできないかということがございました。  それから、適年から確定拠出年金に資産移換する場合の移換期限を緩和できないか。 先ほど信託協会さんから御要望がございました件です。  それから、非常に少額の資産について企業型での脱退一時金の支給を可能にできない かといった御要望がございました。  それから、記録管理関係ではレコードキーパーの方で原簿として保存義務が課されて いる情報について事業主からの提供ができていないものがございますので、そこら辺の 義務づけができないかというものがございます。  それから、記録の保存期間について短縮できないかといったものがございました。  時間も十分ないかと思いますので、この場以外でもまた後ほどでも結構ですので、御 意見をいただければと思っております。以上でございます。 ○加子座長  ありがとうございました。それでは、全般につきまして特に御意見、または御発言を いただけるようなことがございましたらよろしくお願い申し上げます。  よろしいでしょうか。それでは、冒頭に申し上げましたように、傍聴の方から御質問 等があればお受けいたしたいと思います。御質問のある方は挙手をお願いいたします。  特によろしいでしょうか。それでは、そろそろ時間もまいりましたので、最後に次回 の予定につきまして事務局から説明をお願い申し上げたいと思います。 ○矢崎課長  本日はどうもありがとうございました。  次回等の取り運びでございますけれども、次回は新しくメンバーに入られた企業にお ける実施状況の報告、それから運営管理機関等からのヒアリング等を行いたいと思って おります。  メンバーの方からの御報告につきましては、株式会社三越の小野様から導入状況とか 今後の課題などについて御報告をしていただけたらと考えておりますが、いかがでござ いましょうか。                 (小野委員了承) ○矢崎課長  どうもありがとうございます。次回の開催でございますが、1月に入りまして中旬な いし下旬ということで予定させていただきたいと思っております。  具体的日程につきましては後日また調整させていただきまして、決まり次第御連絡申 し上げたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。 ○加子座長  どうもありがとうございました。これをもちまして本日の連絡会議は終了させていた だきたいと思います。  本日はお忙しいところどうもありがとうございました。