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第2回検討会 03/10/29
資料8−1


新人看護職員到達目標作成ワーキンググループ進捗状況


 以下の内容は第1回、第2回ワーキンググループまでの検討状況であり、今後のワーキンググループで各項目について再度検討を重ねる予定である。

1.到達目標の考え方

配属部署によらず新人看護職員が卒後1年間で達成すべき内容。
1年間で到達する内容を前提とし、更に1年間の中で到達目標を段階的に示すかについては今後検討。

2.到達目標の領域

看護実践(看護実践に必要な知識、技術、態度に関する到達目標を設定)
・知識
・技術
・態度

管理
業務管理、安全管理、物品管理、薬剤管理、感染管理、情報管理、コスト管理を含む内容。)

教育・研究
「科学的根拠をもった看護実践」等、新人看護職員の現状に即した内容。)

3.到達目標

看護実践
1)基本的な看護技術を習得し、看護過程に沿って、安全なケアが実践できる。
2)医療人として必要な基本姿勢と態度を身につける。

管理および教育・研究の到達目標については今後検討。

4.看護実践に関する到達目標の内容(表1
「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会」において示された看護技術をもとに検討し、更に必要な項目を加えた。
また、特定の領域のみで用いる看護技術については削除したが、看護基礎教育との関連および特定領域において必要な項目として位置づける等、再検討する。
表に示された看護技術の実施に必要な知識も到達目標に含むこととする。
設定された領域に含まれないもの(コミュニケーション技術、看護過程の展開等)の位置づけについては今後検討。

5.その他
到達目標の達成時期、修得方法、評価方法については今後検討。


表1 看護実践の内容
領域 項目
環境調整技術
療養生活環境調整(温・湿度、換気、採光、 臭気、騒音、病室整備)、ベッドメーキング、リネン交換
食事援助技術 食事介助、栄養状態・体液・電解質バランスの査定、 食生活支援、経管栄養法(経鼻胃チユーブの挿入)経管栄養法(流動食の注入)
排泄援助技術 自然排尿・排便援助、便器・尿器の使い方、 オムツ交換、失禁ケア排尿困難時の援助、膀胱内留置カテーテル法(管理)、浣腸、導尿、摘便、ストーマ造設者のケア、膀胱内留置カテーテル法(カテーテル挿入)
活動・休息援助技術 体位変換、移送(車いす)、歩行・移動の介助、廃用性症候群予防、
入眠・睡眠の援助、安静、移送(ストレッチャー)、関節可動域訓練
清潔・衣生活援助技術 入浴介助、部分浴・陰部ケア、清拭、洗髪、口腔ケア、整容、寝衣交換など衣生活援助(臥床患者)、沐浴、寝衣交換など衣生活援助(輸液ライン等が入っている患者)
呼吸・循環を整える技術 酸素吸入療法、気道内加湿法、体温調整、吸引(口腔、鼻腔)、吸引(気管内)、体位ドレナージ、酸素ボンベの操作、低圧胸腔内持続吸引中の患者のケア、
人工呼吸器装着中の患者のケア、人工呼吸器の操作管理、低圧胸腔内持続吸引器の操作管理モニターの管理
創傷管理技術 褥創の予防ケア、包帯法、創傷処置、ドレーンの管理
与薬の技術 経口・経皮・外用薬の与薬方法、直腸内与薬方法、点滴静脈内注射・中心静脈栄養の管理、皮内・皮下・筋肉内・静脈内注射の方法、輸液ポンプの操作、輸血の管理
救命救急処置技術 意識レベル把握、救急法、気道確保、気管挿管の準備と介助、人工呼吸、閉鎖式心マッサージ、除細動、止血
症状・生体機能管理技術 バイタルサイン(体温、脈拍、呼吸、血圧)の観察、身体計測、症状・病態の観察、検体の採取と扱い方(採尿、尿検査)、検査時の援助(心電図モニター、パルスオキシメータの使用、スパイロメータの使用)、検体の採取と扱い方(採血、血糖測定)、
検査時の援助(胃カメラ、気管支鏡、腰椎穿刺、12誘導心電図など)
感染予防の技術 スタンダードプリコーション、感染性廃棄物の取り扱い、無菌操作
安全管理の技術 療養生活の安全確保、転倒・転落・外傷予防、医療事故予防、リスクマネジメント
安楽確保の技術 体位保持、罨法等身体安楽促進ケア、リラクセーション、苦痛・不快な症状のケア
表中の下線の部分は「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会」において示された看護技術に追加したもの。
表中の  の部分は「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会」において示された看護技術を削除したもの。
今後位置づけを検討する看護実践項目:コミュニケーション技術、看護過程の展開、精神的ケア、家族のケア、死後の処置。



第2回検討会 03/10/29
資料8−2


新人看護職員研修指導指針作成ワーキンググループ進捗状況


 以下の内容は第1回、第2回ワーキンググループまでの検討状況であり、今後のワーキンググループで各項目について再度検討を重ねる予定である。

1.新人看護研修の考え方
「新人看護職員研修指導指針」は、現在の新人看護職員研修に含まれるべき内容と適宜、将来の望ましい姿を示し、新人看護職員への指導体制、指導方法などを示す

新人看護職員研修の必要性
医療安全への国民の意識の高まり
国民の看護に対するニーズの多様化
看護業務の複雑化に伴い看護基礎教育での経験との乖離がある
医療サービス提供者としての看護職員の育成は施設の社会的使命

新人看護職員研修期間
目標の明示と内容の選定:到達目標の達成に向けた1年間の体制
段階別の教育:新卒の1年間を段階で示す必要がある

新人看護職員研修指導指針の内容
病院の規模を勘案した提示の仕方をする(実例提示する等)
他病院、大学等との連携を考慮する
病院の理念に基づく到達目標と指導体系
  病院の全体構造・社会人としてのマナー
  医療人としてあるべき姿
  技術教育:基礎的な看護技術から専門的な看護技術教育
後輩への理解:新人看護職員の看護技術の修得および心理面へのサポートを含む

2.病院の指導体制

新人看護職員研修の管理体制
病院全体の中で管理体制を位置づける

 ※管理体制の例
  院長
教育部
看護部の教育部門
看護部新人看護師研修体制
各部署の新人看護師研修体制
新人看護職員研修に関する看護管理者への教育とサポート
教育の企画・運営にあたる部門を組織し、専任の職員を配置することが望ましい
各看護単位の研修到達目標や教育システムを提示していること
新人看護職員研修に関する評価、修正、改善の仕組みをもつこと
人的確保
予算の確保
物的資源(教材等)

新人看護職員研修の指導体制
新人看護職員の相談体制の整備

教育方法
集合教育、機会教育の連携:段階・時期別の指導体制

評価方法
新採用者チェックリストによる評価
能力達成度による評価(キャリア開発ラダー等)
レポート等による評価

モデルケースにするか、例示とするかは今後検討

3.各部署の指導体制

新人研修における各部署の役割を明示
プリセプターの役割、プリセプターを支えるチームの役割を明示
集合教育、機会教育の実施
段階別、時期別の指導体制
各看護単位の教育システムは施設全体の教育指導体制に基づき作成
 (1)プリセプター制
 (2)
チーム制 ・チームの一員に新人を入れ、チームで指導をすすめる
 ・プリセプター、プリセプティーをチームで支える
 (3)機能別日替わり制
各看護単位で教育プログラムを設定

モデルケースとするか、例示とするかは今後検討

4.新人看護職員の指導者育成のあり方

指導者の構成と育成について検討する

指導者研修の必要性、方法等については今後検討


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