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輸血用血液製剤でHIV感染が疑われる事例について


1.経緯等
 平成15年9月5日、健康局疾病対策課より後天性免疫不全症候群発生届(エイズサーベイランス)にて感染経路として輸血が考えられるHIV感染者が報告されたとの情報を入手。同日、当該報告医が、同事例について副作用感染症報告を日本赤十字社に提出、これを受けて同社による調査が開始された。

2.事例
 51歳の男性で今年の3月〜7月に合計で3500mlの輸血を受けた(透析による貧血)。転院に際し実施した血液検査においてHIV感染を確認(WB検査陽性)。他の感染経路が否定的なこともあり、報告医は輸血を原因として疑っている。

3.事実関係
 1)輸血された輸血用血液製剤について
当該HIV感染者には、8人の供血者から採血された赤血球製剤(MAP)が8本輸血されていた。
8本の製剤について保管検体の個別NATはいずれも陰性。
 2)他の血液製剤への影響について
投与された赤血球製剤の原料血液からは、他に新鮮凍結血漿と血漿分画製剤用の原料血漿が製造されていた。
原料血漿については流通を停止。
新鮮凍結血漿については3本が製造されており、既に他の医療機関で3名の患者に投与されていた。
他に行方不明の製剤はない。
 3)新鮮凍結血漿の投与を受けた3名について
1名は既に原疾患により死亡
残り2名については現在健康状況を確認中。

4.今後の対応
 当面、輸血用血液製剤による感染の可能性について調査を継続。


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