03/09/18 厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会第4回議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                  第4回 議事録 日時 平成15年9月18日(木)10:00〜12:00 場所 厚生労働省 省議室 出席委員 浅野委員、石井委員、遠藤委員、大石委員、岡田委員、川原委員、      小林委員、白石委員、宗林委員、橋本委員、山崎委員 1.開会 ○岡田部会長  おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第4回独立行政法人評価 委員会医療・福祉部会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙 しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は山村委員がご欠 席でございます。  本日の議事は、のぞみの園と福祉医療機構の中期目標案、中期計画案、業務方法書案 及び福祉医療機構の償還計画案についてご審議をいただきまして、当部会としてのとり まとめを行いたいと考えております。なお、その後に、福祉医療機構の長期借入金につ きましても、ご審議をいただきたいと思っております。 2.議事 (1)国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の中期目標案、中期計画案及び業務方法 書案について ○岡田部会長  まず、のぞみの園及び福祉医療機構の中期目標案、中期計画案、業務方法書案及び福 祉医療機構の償還計画案についてご審議をいただきますが、事務局のほうから、その審 議の方法について、簡単にご説明をいただきたいと思います。よろしくどうぞお願いい たします。 ○川尻政策評価官  政策評価官の川尻でございます。本日はいま部会長からお話がありましたように、の ぞみの園、それから福祉医療機構の中期目標案、中期計画案、これを中心にご審議をい ただくわけでございますけれども、既に中期目標、中期計画の案につきましては、第2 回、それから第3回の部会でこちらからご説明をさせていただき、ご審議をいただいて おりますので、本日はその点につきましては追加あるいは変更した点、あるいは委員か らご指摘があった点を中心に、簡単にご説明をさせていただくということを予定をして おります。  それからまだ配っておりませんでした両法人の業務方法書あるいは福祉医療機構の長 期借入金の償還計画案につきましては、今日、初めてお諮りをする訳でございますけれ ども、その点についてもご説明をさせていただいて、そして両法人一括してご審議をい ただければというふうに思っております。  それからご審議に入っていただく前に、資料1というのをきょうお配りをさせていた だいております。これは先日出ました特殊法人等改革推進本部の参与会議から出された 指摘事項ということでございます。この部会のご審議を特に拘束をするという訳ではご ざいませんけれども、新聞にも載っておりましたので、情報提供というかたちで配付だ けさせていただきました。その点、よろしくお願いいたします。 ○岡田部会長  ありがとうございました。それではいまご説明のとおり、2つの法人につきまして、 順次ご説明をいただいてから、一括してご審議をお願いしたいと思います。それではま ずのぞみの園の中期目標案、中期計画案及び業務方法書案について、ご説明をお願いい たします。よろしくどうぞ。 ○高原障害福祉課長  障害福祉課長でございます。それでは私のほうからのぞみの園の関係資料をご説明申 し上げます。お手元の資料でございますけれども、資料2−1が中期目標と中期計画の 対比表になっております。この中期目標と中期計画が資料2−2と2−3ということ で、縦長の資料になってございます。資料2−4は業務方法書案ということで、本日新 たに提出をさせていただいております。それから参考資料として一枚紙のものを2つ用 意させていただいております。これは第2回の医療・福祉部会の際に宗林委員からご指 摘のございました、19年度、先々を見たときに職員体制とかお金の事業費の関係はどの ようになるのか、その全体像というご指摘で、これを追加で資料を配付させていただい ております。  きょうのご説明でございますけれども、資料2−1に沿いまして、中期目標と中期計 画案の前回からの変更点をご説明させていただきたいと思います。資料2−1でござい ますけれども、3ページ目をご覧いただきたいと思います。業務運営の効率化に伴う経 費節減ということで、アンダーラインを引かせていただいた分が前回からの修正点でご ざいます。一般管理費及び事業費等の経費。運営費交付金を充当するものに限るという 文章表現にしております。これは前回の内容から、実質的な内容変更ではございませ ん。行革事務局等からのご指摘を踏まえまして、横並びで分かりやすく文章を整理した ものでございます。  ちなみに「運営費交付金を充当するものに限る」という表現になっている訳ですけれ ども、運営費交付金を充当しないものは何なのだということでございます。これは例え ば行政あるいは民間助成財団から委託研究を受けて研究をする場合が想定されるわけで すけれども、現状では、のぞみの園の場合は、こういう経費はございませんので、「運 営費交付金を充当するものに限る」とございますけれども、これは経費全体を示すもの ということで、ご理解をいただければよろしいかと思います  それから資料の6ページでございます。前回、山村委員からのご指摘がございました けれども、もう少し全国的な学会とかいろいろな場に積極的に出向いて、成果の普及と か紹介をしたらどうかというご指摘を踏まえまして、中期目標の中で明記をいたしてお ります。中期計画につきましては、この中期目標との並びで、若干の文言修正をいたし ております。  資料の10ページでございます。これは計画のほうでございますけれども、前回、この 人事に関する計画は調整中ということで提出しておりましたけれども、今回、具体的に 盛り込ませていただいております。障害者の地域への移行の推進とサービスの質の向上 に関する新しい人事評価システムの構築に向けた検討を行い、職員の能力と実績を適切 に評価した適材適所の配置により、業務運営の効率化を図るという主旨の表現を明記を させていただいております。  それからその下の積立金の処分に関する事項でございますけれども、これも前回調整 中ということで提出させていただいておりましたけれども、第1期の目標、計画期間 中、仮に剰余が出た場合には、これは剰余金というかたちで扱わせていただくというこ とで、第1期が終わりました段階で剰余が貯まっていれば、それは次回の中期目標、中 期計画を策定するときに、積立金としてどのように処理をするかという検討をすること になろうかと思いますけれども、今回の期間におきましては、積立金処分に関する事項 はなしということで整理をさせていただいております。  それから次の11ページから12ページ、13ページ、14ページでございます。これは中期 計画中の資金の出入りや事業収入及び支出についての計画をいくつかの視点から整理を させていただいたものでございます。別紙1をご覧をいただきますと、これは中期計画 期間中の4年半の事業の実施に伴う収入と支出を100万円単位で整理をさせていただい たものでございます。国の予算はご案内のとおり、単年度の予算ということでございま すけれども、この独立行政法人の中期計画の予算は、いわば目標管理の一環として中期 目標の期間中の予算の見積もりを示すという性格で整理をさせていただいております。 4年半の中期計画中のトータルの規模といたしましては、収入と支出をご覧いただけま すように、大体約200億円の規模となっております。  次の12ページをご覧いただきますと、中期計画中の運営費交付金をどういうかたちで 算定するのかというルールをご参考までに付けさせていただいております。これは政府 全体として、各独立行政法人横並びの整理ということになろうかと思いますけれども、 要は消費者物価指数とか人件費の動向とか、社会経済情勢の動向を踏まえて運営費交付 金の額に反映させるという考え方の算定ルールでございます。  次の資料、13ページの別紙2でございます。これは収支計画でございます。これは独 立行政法人、いわゆる企業会計の考え方が導入されたことに伴いまして、発生主義によ り中期目標、中期計画期間中におけます損益の状況の見通しを明らかにしたものでござ います。  それから次の別紙3。14ページでございますけれども、これは資金計画でございま す。これも同じく4年半の期間におきまして、資金の出入りの見通しを明らかにしたも のでございます。これは予算とは少し別の観点から、法人の業務活動を別の資金の流れ を一定の活動区分別に表示をさせていただいております。いずれにしましても別紙1か ら別紙3でございますけれども、4年半にわたります約200億円のオーダーの事業活動 のいくつかの資金の出入りとか、損益の状況の見通しとか、予算というかたちでいくつ かの視点から整理をさせていただいているものでございます。  大変失礼をいたしました。別紙1のところの標記のところに、「中期計画」とござい ますけれども、これは「予算」ということで、表現の手違いでございます。誠に申し訳 ございません。  それから資料の2−2、2−3は、ご説明した資料2−1と同じでございますので、 省略をさせていただきたいと思います。  それから資料の2−4でございます。業務方法書の案でございます。これは現行の特 殊法人の時代におきましても、この業務方法書というのは存在するわけでございますけ れども、いわゆる仕事の仕方をいくつかの項目に分けて記載をしているものでございま す。逐一、ご説明をすることは省略させていただきたいと思いますけれども、特に独立 行政法人の移行に際しまして、新たな中期計画、中期目標に基づきまして追加した点を 3点だけご説明をさせていただきたいと思います。  資料の3ページでございます。第8条のところでございますけれども、第8条、第9 条で業務の実施方法、業務運営の評価ということで、第8条におきましては、のぞみの 園は業務の実施計画を策定するとともに、業務の遂行状況について定期的なモニタリン グを行い、業務改善措置を講じる、いわば実質的なモニタリングと必要な措置を講じる ということを明記をいたしております。第9条でございますけれども、これは外部の第 三者機関を設けまして、業務運営に関して外部の第三者機関によるモニタリング、評価 をすることを明記をいたしております。  それから中期目標案、中期計画案ページをおめくりをいただきまして、最後の5ペー ジでございます。第19条でございますけれど、成果の普及という項を一条設けておりま す。業務の成果の普及を図るということで、報告書やホームページ、講演会等々、こう いういわゆる全国に情報発信を積極的にやっていくという趣旨で、業務の成果の普及の 項を新たに設けております。それ以外の項目につきましては、ご覧をいただければと思 います。  今回、参考でお出しをさせていただいております参考資料について、ご説明を申し上 げたいと思います。前回、宗林委員からご指摘いただいた15年度の当初と19年度を比べ た場合に、全体として職員体制はどのような状況になるのかということで、まとめさせ ていただいたのが参考資料の1でございます。こののぞみの園につきましては、前回も 申し上げましたように、いま約500人の方を施設に収容してケアをさせていただいてい るわけでございます。こういう状況を入所施設の部門については3〜4割程度減らし て、規模の縮小を図り、いま入っておられる方はできるだけその出身地あるいは今のの ぞみの園がございます群馬県の高崎市近辺の地域で生活していただけるような移行を積 極的にしていこうということで、業務のウエイトがかなりシフトをするということに なっている訳ですけれども、それに伴いまして職員体制につきましても今の状況からシ フトをさせていく。あと全体的には運営の効率化を図るという観点も考慮いたしまし て、職員数の減を図るということが基本的な考え方となっております。  職員数のトータルをご覧いただきますと、15年度当初でこれは役員を除きます職員数 で、310名でございますけれども、これを平成19年度末で見ますとトータルで1割減と いうことで、31名減を図ることを考えております。これはその内訳でございますけれど も、現在は入所施設部門がほとんどでございますけれども、これが直接サービスなりケ アに当たるスタッフと、それから総務や企画等々のその他のいわゆる間接部門、あるい は医療の診療部門も含まれておりますけれども、その他の部門の内訳が大体240と70で ございます。直接処遇につきましては、入所施設のケアにあたる職員がほとんどという 状況でございます。現在でも若干、デイサービスとかショートステイの受入れはいたし ておりますので、居宅の支援の分というのが若干名はいる訳ですけれど、今は施設支援 がほとんどという状況でございます。  これを計画的に地域移行を進めていくことに伴いまして、入所施設のケアにあたる部 門から、地域移行の推進、あるいは居宅支援に当たる部門に人材をシフトをさせていく ことを考えております。居宅支援と申しますのは、実際は施設の外で住宅を借り、自立 していただくための訓練をするといったサービスなりケアの部門にあたっていただく。 こういう居宅支援の部門でございます。それから地域移行の推進と申しますと、お一人 お一人の現状やいろいろな状況をアセスメントいたしまして、地域の移行に向けてどう いうプランを作っていくかという一種のケアプラン的なものを作ったり、あるいは各地 域との受け皿との連絡調整とか、こういう部分が新しい大事な仕事になってまいります ので、地域移行の推進の部門を新たに設ける。ここにつきましては、岡田部会長が座長 になっていただいた検討会でも、いろいろご議論をいただきましたけれども、外部で地 域生活支援の実践経験を持つような方を、外部人材として一定数登用するということも 考えていきたいと思っております。  その他の間接部門あるいは診療部門等々につきましても、1割程度の減を図っていく という考え方をとっております。この職員体制につきましては、基本的には常勤職員数 を記載しております。業務の効率化という意味ではある意味で非常勤の職員の方を積極 的に登用するというようなことも、今後の課題にはなろうかとは思いますけれども、第 1期の目標期間中におきましては、定年退職の方の後補充のようなかたちで、非常勤の 職員を採用するとかということは、当面、考えておりません。これは全体として人件費 の節減を図っていく上で、いま申し上げた方向で効率化を図っていく必要があるという ことでございます。以上が人なり組織の点でございます。  それから参考資料の2でございますけれども、これも前回のご審議のときに、収支構 造は全体的にどうなるのだろうというご指摘がございましたので、整理をいたしており ます。二重の円のグラフでございますけれども、「のぞみの園」の収支構造ということ で、この外側の部分が、平成14年度の数字でございます。黒で抜いております黒字の内 側部分が平成19年度の数字ということでございます。全体を見ていただきますと、右側 はその収入、左側が支出ということで整理をさせていただいておりますけれども、ま ず、収支構造全体として見た場合に、経費全体として約12%の減を図るというかたちに なっております。これで全体が少し小さくなっているというのは、そういう意味でござ います。この内、運営費の交付金につきましては、これは中期目標、中期計画に具体的 に盛り込む数字となる訳ですけれども、平成19年度におきましては、14年と比べて13.2 %の減を図るということを目標にしていきたいということでございます。  この内訳でございますけれども、まず収入のほうをご覧いただきますと、運営費交付 金の実額も減る訳でございますけれども、内訳も若干ではございますけれど、62.6%か ら61.8%に若干減るというような内容になっています。  あと小さい数字で恐縮ですけれども、右のほうに参考として書かせていただいており ますけれど、いま入所施設にお入りいただいている場合には、施設の支援費収入という のがございます。大体年額で300万円ぐらいのオーダーの収入でございますけれども、 入所施設の人員が、入所者が減って行きますと、この部分の施設支援費の収入は減少を いたします。その分、居宅支援の収入が増えるというかたちになりますので、外側と内 側を見ていただきますと、例えば施設支援費収入で申しますと、35%強が33%弱に内訳 としても下がるというのは、そういうことを反映したものでございます。その分、居宅 支援費の収入が上がるというかたちになっております。  一方、支出でございますけれども、支出もトータルで見ますと減るわけでございます けれども、この内訳で見ますとほとんど変わらない。人件費につきましてはトータルの 額は減る訳ですけれども、内訳としては人件費、一般管理費、物件費等々の内訳につき ましては、ほぼ14年度と19年度は変わらないという状況になっております。それを数字 でお示ししたものが上の表でございます。  以上、中期目標、中期計画の変更案、それから業務方法書のポイント、それから前回 の宿題事項につきまして、ご説明を申し上げました。 (2)福祉医療機構の中期目標案、中期計画案、業務方法書案及び償還計画案について ○岡田部会長  続きまして、中期目標案、中期計画案、業務方法書案及び償還計画案について、ご説 明を頂戴したいと思います。 よろしくどうぞお願いします。 ○M谷室長  福祉人材確保対策室長でございます。福祉医療機構の封筒を開いていただきまして、 資料3−1から3−7まで、1が中期目標・計画案の対比表、それから2、3と目標と 計画案、それから3−4が今回初めてお出しいたします業務方法書案。それから3−5 が償還計画案、3−6が後ほどご審議いただきます長期借入計画案、それから3−7が 関係法令、それから最後に参考資料として行政コスト計算書の一部と、公務員の新人事 システムの概要の資料をお付けいたしております。  まず中期目標と中期計画案について、前回からの変更点をご説明いたしたいと存じま す。3−1の対比表に基づきましてご説明をさせていただきます。まず、前回、ペン ディングが何ヶ所かございましたけれども、今回、ペンディング事項はすべて取れてお りります。それで変更点にアンダーラインを引いておりますので、その点を中心にご説 明をいたします。まず2ページでございます。計画案。右のほうの(5)で1.5%とご ざいますけれども、延滞先債権の比率1.5%程度ということで、少し幅を持たせており ましたけれども、程度を取りまして、カッチリ数値目標にいたしたものでございます。  それからその下でございます。(3)、計画で言いますと(8)のパラでございます けれども、アンダーラインを引いたところでございますけれども、前回、新規拡充業務 を除きということで、若干曖昧な表現になっておりましたけれども、これは16年4月に 追加されます労災年金の担保貸付事業にかかる部分を想定いたしておりますので、そこ を明記したということでございます。  それから3ページでございます。最初の計画の第2のところで独立行政法人云々は表 現の適正化でございます。それから福祉医療貸付事業の「検討して、段階的に実施す る。」とパラグラフにアンダーラインを引いておりますが、前回、検討するとなってお りましたけれども、「実施」まで明記するということで、これは実施したいということ で明記したものでございます。  それから目標のその下の着実に推進するためは表現の適正化でございます。いちばん 下の行でございますけれども、事業内容を不断に見直す等事業の効率化を進めること。 4ページにまいります。それから特に定めるもの以外は云々と書いておりますけれど も、それに応じて計画のほうも若干表現をいじっておりますが、内容の変更はございま せん。表現を適正化したものでございます。その下の計画のところで、3プラン等重点 分野に対し、それからその下、民業補完の観点からというふうに書いておりますけれど も、前回までは財投改革に適切に対応しつつというような文言が入っておりまして、そ れに応じてそういう表現になっていたのですけれども、財投改革に係わらず例えば民業 補完の観点から見直すというようなことでございますので、そういった財投改革との関 係の記述は整理いたしました。このページの残余の部分は表現の適正化でございます。  それからだいぶ飛んでいただきまして8ページでございます。8ページの真ん中の心 身障害者扶養保険事業の中期目標のところのまず1点。定期的に公表することと書いて おりますが、定期的にということで入れさせていただきました。それから「なお、中期 目標期間のできるだけ早い時期に事業が見直されるものとすること」とございますけれ ども、心身障害者扶養保険事業につきましては、平成7年に事業の見直し改正を行って おりますけれども、その後の運用状況の変化等々によりまして、財政状況が悪化してい るということもございます。そういったことから事業自体につきまして目標期間中に見 直す旨を明記したというものてでございます。  それから11ページでございます。年金担保貸付事業のいちばん上の(2)の業務の質 の向上に関する目標の達成をするためにとるべき措置のところでございますが、ここも 内容の変更ということではございませんで、基本的には表現の適正化ということでござ います。より分かりやすく具体的に書いたということでございます。それからその下、 財務内容の改善に関する事項を、まず中期目標の計画の第4の財務内容の改善に関する 事項の2の貸付原資についての自己資金調達の拡大でございます。財投機関債発行等自 己資金調達の拡大に努めることということで、前回は150%程度以上という定量目標を 掲げておりましたけれども、政府部内のいろいろ調整をいたしましたけれども、あの 150%を下回るということではございません。これは150%以上を目指して引き続き財投 機関債の発行を目指したいと考えておりますけれども、それ以上発行すべきではないか というご意見、あるいはあまり発行するのは金利の上昇等のリスクがございますので適 切ではないのではないかと、両方のご意見がございまして、引き続き私どもは150%と いうことで拡大を目指したいと考えておりますが、この目標からは記述としては落とさ せていただいたということでございます。  それからその横の中期計画の予算収支計画、資金計画等々でございますが、これは前 回までペンディングでございました。今回初めてお出しいたします。予算等々は後ほど ご説明いたします。まずその下の第4、短期借入金の限度額でございます。限度額 1,277億ということで書いてございますが、どういった使い道かということでございま すが、まず1点、運営費交付金の受入れの遅延等による資金不足の対応。それから貸付 原資の調達の遅延等を行った場合の資金不足に対応する。それから共済勘定での退職者 共済。社会福祉法人を対象として退職者共済について、退職者が見込み以上増加した場 合の給付費の資金不足。それからこれは事務員の退職者の発生に伴う退職手当の支給 等々が想定される理由でございます。1,200億の主だった理由は、貸付勘定における貸 付資金の調達の遅延等に係る部分が大部分でございます。それから重要な財産の譲渡 云々については、この期間中はございません。  それから12ページへまいりまして、剰余金の使途でございますが、全勘定に共通する ものといたしましては業務改善に係る支出、研修等の支出でございます。それから基金 勘定については特別に剰余金が生じた場合は、その翌年度以降の助成の業務の財源に充 てたいというふうに考えております。  その下の職員の人事に関する計画でございますけれども、人事評価制度の構築。これ は前回ご説明したとおりでございます。それから研修、適正な人員配置というようなこ とが書かれております。それから人員に係る指標でございますけれども、常勤職員数 264人、現員でございますけれども、これを上回らないということを目標にいたしてお ります。ちなみに人件費の中期目標期間中の総額は97億強でございます。  それから次のページへまいりまして、中期計画の予算でございます。考え方等々は先 ほどの「のぞみの園」と同様でございます。この中期計画中の予算額でございますけれ ども、8,500億弱という規模でございます。  次のページをめくっていただきまして、留意点でございますけれども、人件費の見積 もりでございますけれども、その表の下にございますけれども、期間中総額97億という ことで、先ほどご説明したとおりでございます。  それから運営費交付金の算定ルールでございますが、15年度、16年度につきまして は、概算要求の積算等、あるいは実績等がございますので、業務に必要な経費を個別に 積み上げ算出をいたしております。17年度以降につきましては、ある一定のルールで算 出しております。具体的に申しますと、運営費交付金につきましては、2に書いてござ いますが、(人件費+経費−自己収入額)にαという効率化係数を掛けるということで ございます。人件費等々につきましても、定期昇級とか給与改定率、それから経費にか かる消費者物価上昇率等々を勘案するということでございます。  今回の試算の前提でございますけれども、このページのいちばん下に注記と書いてご ざいます前提ルールでございますが、今回の試算上は定期昇級、あるいはベースアッ プ、消費者物価指数については、とりあえず伸び率0として推計をいたしております。 それから運営費交付金の効率化係数でございますけれども、まず大前提といたしまして は中期計画の最終年度に目標で掲げております13%の削減となるように、各年度に具体 的な数値をあてはめるということでございます。具体的にどういう数字をあてはめたと いうことが次のページでございます。若干入りくりがございますけれども、17年度以 降、19年度まで、ほぼ13%程度の削減ということで、係数を掛けております  次が収支計画でございます。これものぞみの園と同じでございますけれども、中期計 画期間中の損益の状況でございます。トータル8,500億規模でございます。それから2 枚めくっていただきまして、最後に別紙3でございます。これが資金計画。キャッシュ の入りくりの状況でございます。4ヶ年強の状況でございますけれども、資金収支でご ざいますが、5兆6,000億オーダーということでございます。貸付は年金と福祉医療の 貸付で3兆強、あとは財務活動により支出等々が支出ベース。収入も貸付金の回収によ る収入等々でございます。以上が中期計画、中期目標案の変更点でございます。  続きまして資料の3−4でございます。業務方法書でございます。これも中身は相当 膨大な量でございますので、ポイントを絞ってご説明をさせていただきます。第1章、 総則で基本的な方針が書いてございます。それから1ページの第2章以下、福祉医療貸 付から順次、業務方法書に書いております。まず第1ページ下の第4条でございます が、「貸付対象施設」につきましては、2ページから具体的に列挙をいたしておりま す。それから4ページまで貸付対象の関係でございます。業務方法書で貸付対象施設に ついては具体的に明記をして、厚生労働大臣の認可を得るというような手続きを踏むと いうことでございます。  それから前回もご議論になりました利率の関係でございますが、5ページでございま す。5ページの真ん中から下のところで、第7条でございます。ちょっと読み上げさせ ていただきますと、「貸付金の利率は厚生労働大臣が別に定めるところにより、機構法 に基づく云々」と書いておりますが、3行下に行っていただきまして、要はその貸付の 資金の調達に係る金利を基準として、その金利を下回らない範囲内で政策上の必要性、 銀行の貸付金利その他の事由を勘案し、機構の理事長が定めるということでございま す。したがいまして、業務方法書の上では利率につきましては、機構の理事長がまず基 本的には調達金利を基準とすると。それからその金利を下回らないということで、逆ざ やにならないということを基本にいたしまして、政策上必要かどうか、あるいは民間の 貸付金利はどうなっているかということを総合的に勘案しまして、機構の理事長が定め るというのが基本的な考え方でございます。ただしということでございますが、厚生労 働大臣が別に定めるところによりとございますが、この「別に定めるところにより」と 申しますのは、現在、過去の逆ざや中心でございますけれども、利子補給が補助金とし て機構にと言いましょうか、現在の事業団に入っておりまして、機構になりましても利 子補給金は入ることになっております。そういう意味では補助金の適正な執行の必要性 から、補助金の交付要綱を別途厚生労働大臣は定めることになりますが、その中で補助 金の交付の観点からもう少し具体的な制限がその観点から係るということになります。 補助金の交付要綱でどの程度の縛りを掛けるかについては、現在、調整中でございま す。  それから第7条の2項でございますが、これは無利子期間でございます。現在でも社 会福祉事業施設に係る福祉貸付につきましては、2年の無利子期間の設定が成されてい ますけれども、それにつきまして業務方法書で無利子とすることができるということを 明記しているものでございます。  それから第8条以下もいわば通常の貸付とは異なる特例について書かれております。 ちなみに第8条は民間の老朽改築につきまして、現在、無利子貸付を行っておりますけ れども、その根拠でございます。機構になりましても、こういった政策上、特に無利子 というものにつきましては、業務方法書に明記した上で実施していただくという考え方 でございます。  その関係がずっと続きまして、8ページまで飛んでいただきたいと存じます。いちば ん上の償還期間・据置期間とございますけれども、第16条でございます。設備関係の資 金については15年以内、それから経営資金については5年以内ということでございま す。失礼しました。設備資金については最長20年以内でございます。それから経営資金 につきましては5年以内ということでございます。その下をずっと行っていただきまし て、貸付の限度額でございますが、ベースは所要資金の75%まででございますが、補助 金が入るということで、特に必要な施設について100分の80ということで、概ね実態上 はこの8割がベースになっております。今回、こういった限度額、償還期間等について も業務方法書に明記するということでございます。  それから9ページでございます。医療貸付の関係でございます。医療貸付につきまし ても、考え方につきましては機構と国の役割分担、業務方法書でどこまで明記するかと いうことについては、福祉貸付と同様でございます。22条が貸付対象。それからずっと 飛んでいただきまして、15ページの下のほうでございますけれども、24条で利率と書い てございます。この利率の書きぶりにつきましては、福祉貸付とまったく同様でござい ます。それからその下、償還期間。25条。医療につきましては25年以内ということでご ざいます。貸付関係は以上でございます。  それから18ページでございます。18ページの上の方でございますが、第4章、助成及 び調査研究等とございますが、助成対象につきましてはこの32条で明記をいたしており ます。それからその下の33条ですけれども、審査・評価委員会を置く旨を明記をいたし ております。  それから19ページでございます。第5章、退職手当共済事業、それからその下をずっ と行っていただきまして、第6章、心身障害者扶養保険事業でございますけれども、こ の関係につきましては事務的な手続き規程のみでございます。  最後に20ページでございます。第8章、年金貸付業務でございますけれども、第44条 で貸付の相手方を明記いたしておりますが、利率でございますけれども、第45条で年金 担保貸付につきましては、前回のご説明でコストオンして貸し出しをしておるというご 説明をいたしたかと存じますが、45条におきましては、これは利子補給金が入っており ませんので、厚生労働大臣が別に定めるところによりと、そういった別途の観点からの 定めは、これについてはございません。  年金の考え方でございますけれども、調達金利を基準として、その金利を下回らない 範囲内で、事務に要する経費、銀行の貸付金利、その他の事由を勘案し、機構の理事長 が定めるということで、調達金利を基準にしながらコストオンして金利を設定しますと いう基本的な考え方を書いた上で、最終的には機構の理事長が定めるという考え方でご ざいます。それから償還期間、償還限度額等々、その下に書いてあるとおりでございま して、現行どおりでございます。業務方法書については以上でございます。  それから続きまして、資料の3−5でございます。福祉医療機構の償還計画案でござ います。横長の一枚の表があろうかと存じます。一般勘定、年金担保貸付勘定とそれぞ れありますが、財投資金から平成15年9月現在で、借入・発行総額、財投から2兆8,000 億、政府保証債が400億、財投機関債が250億、計2兆9,000億でございます。福祉・医 療貸付でございます。それから15年10月から16年3月まで、これは後ほどご議論いただ くところでございますが、借入・発行見込額でございますが1,867億でございます。こ れは現在の借入額あるいは発行見込額でございますが、今回、ご審議いただきますの は、償還計画の返すほうでございますけれども、太字であります3つ目のところの償還 計画の(C)というところでございます。現在予定しておりますのは15年度におきまし て1,073億、財投資金からの借入について償還をいたしたいというふうに考えておりま す。  それから年金担保貸付につきましても、その脇でございますけれども、209億の償還 をいたしたいというふうに考えております。ちなみに若干ご留意いただきたい点でござ いますけれども、実はこの9月末までで若干前倒しで償還できる部分がある部分がござ いまして、数億程度でございますけれども、現在、数字精査中でございます。そういう 意味では福祉・医療貸付のところは1,073億となっておりますけれども、若干数億程度 でございますけれども、これが減る可能性があるということにつきましては、予め申し 述べさせていただきたいと存じます。  それから最後に参考資料でございます。参考資料の3でございます。行政コスト計算 書でございます。前回、出させていただきました行政コスト計算書ですけれども、多 分、民間との比較ということで作った表でございまして、かなり分かりづらかったもの ですから、もう少し費用と収入の状況がよく分かるものということで、この表を改めて お出しさせていただきました。基本的には業務費用と機会費用とございますが、業務費 用のところは貸付事業費で、要は財投が中心になりますけれども、貸付の原資の借入金 の利息が大きゅうございます。それから退職手当の共済事業費等々でございます。それ から業務収入。控除するところということで、貸付事業収入のところは貸付にあたりま して利息を取っておりますので、その分で700億ございます。したがいまして、例えば 貸付について言いますと、調達コストが839億で、収入が701億ということで、ネットで 言いますと130億程度の行政コストが掛かっているということでございます。  時計文字のIIの機会費用ということでございますけれども、これは政府出資金を無利 子でいただいておりますので、それを利率は国債利回りベースになりますけれども、利 回り換算した場合の機会費用でございます。それが20億程度でございます。計400億と、 こういった構造になっております。  それから最後に人事評価システムの概要でございますけれども、これは詳細をご覧い ただきたいということで、考え方は前回申し上げたとおりでございます。  それから1点、修正点でございますけれども、前回、在宅サービスと施設サービス で、「貸付金の利率が在宅サービス分は高いのは、政策的にいかがか」というご指摘を いただきましたけれども、若干修正をさせていただきます。社会福祉法人が経営します 在宅サービスにつきましては、財投資金の調達資金・イコールということで低利になっ ております。そういう意味で若干高めの金利になっておりますのは、民間企業の部分だ けでございます。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。それでは両法人のいまご説明のありましたそれぞれの案に つきまして、ご質問、ご意見を頂戴できたらと思いますので、どうぞ遠慮なくおっしゃ ってください。はい、どうぞ。 ○川原委員  ただいま両法人の資料の説明を伺ったわけですが、のぞみの園の資料2−1「中期目標 案・中期計画案の対比表」の12ページを開いていただきたい。別紙1−2「中期計画の 予算についての運営費交付金の算定ルール」でありますが、ここには効率化係数と政策 係数というのが記載されております。次に福祉医療機構の資料3−1の別紙1同じく 「中期計画の予算についての運営交付金の算定ルール」を開いていただきたい。ここに は効率化係数しか記載されておりません。ということは同じく独立行政法人でありなが ら、一方は政策計数が計上されており、一方が計上されていないということは、どうい うふうに理解をすればよろしいのでしょうか ○岡田部会長  問題の所在はお分かりですね。のぞみの園のほうだけ政策計数が使われているという ことですが。よろしいですか。どうぞ。 ○高原障害福祉課長  いまご指摘の点でございますけれども、私どもはのぞみの園でお出しした資料の12ペ ージのところに確かに効率化係数というのを明記をいたしております。一方で福祉医療 機構の資料の3−1をご覧いただきましても、運営費交付金の算定ルールの中には効率 化係数として、資料3−1の後ろから5枚目ぐらいになりますでしょうか。人件費の見 積もり、運営費交付金の算定ルールという項がございますけれども、この中に運営費交 付金×αということで、効率化係数、これは予算編成時に具体的な数値を定めるとござ います。したがいまして表記の方法が違っているかもしれません。 ○川原委員  政策計数が一方にしか記載されていない理由は何故なのかを教えていただきたいとい うのが、私の質問の趣旨です。のぞみの園が計画期間中に入所者を縮減していくといっ た政策があるために、この政策に基づく調整が必要とされるので政策係数を明記したの か、他に何らかの理由があって明記したのかをお聞きしたいわけであります。 ○高原障害福祉課長  それでは確認いたしまして、ご報告を申し上げます。 ○岡田部会長  それではこれにつきましてはちょっとお待ちください。その他ご指摘ご意見はござい ませんか。はい、どうぞ。 ○白石委員  すみません。いまこののぞみの園の式のことでご確認いただいているので、追加で質 問なのですけれども、細かい点で恐縮なのですが、運営費交付金金額・イコールという ことで、カギカッコで書いてございます。2行目にα×β+特殊要因−事業収入とある のですが、α×βの前に何か記号があるのではないかなという気がするのですけれど も、細かい点なのですが、それも合わせて教えていただけたらと思います。 ○岡田部会長  そうですね。それも含めてちょっとご検討ください。その他どうでしょうか。2つの 法人は大変性格の違うもので、国立のぞみの園のほうは内容が違ってくるので大変難し いのですが、どうぞ。 ○石井委員  すみません。ちょっと詳細に至るかもしれないのですが、まずのぞみの園をひとつ何 点か教えていただきたい。確認もあるのですけれども、参考資料の2の収支構造の中 の、利用者1人当たりの施設支援費収入というのが、年額300万とあるのですが、前回 のときにも教えていただいたかもしれませんが、これは入金先というか、どこからお金 を、この金額はもらうのでしたかというのはちょっと記憶が定かではなくなってしまっ たので、確認をしていただきたいということと、もうすでに9月末が近づいております が、のぞみの園の土地の60万坪は独法が出資を受けて所有するのか、国有財産のままに 据え置かれるのかということを教えていただきたいということと、予想自己資本比率は 分かれば教えていただきたいということと、収支構造の中の収入の側の診療収入が、な ぜ14年度の4,800万から8,500万に急激に増えているしまうのかということと、それから 少し意地悪な質問かもしれないのですが、職員の組織体制のイメージ図を拝見したとき に、施設支援人数が現状236人が180人に収縮をしますが、これは当然、地域移行投与さ れていくので、流れとしてはそういうことだと思うのですが、極めて表層的な数字で恐 縮なのですけれども、入所者を3割から4割縮減をして、施設支援人員の人数が236か ら180に縮小するとなると、職員の縮小率が24%で、入所者の縮減率が30〜40%という ことになるのかなと。そこには何か特段の理由がどうもおありになると思うので、それ をできれば教えていただきたいということなのですが、いかがでしょうか。 ○岡田部会長  はい。どうぞ。 ○高原障害福祉課長  いくつかご質問いただきましたけれども、まず施設支援費収入の入り方ということで ございますけれども、これはのぞみの園だけではなくて、例えば民間の社会福祉法人が 運営されている施設につきましても、同じ施設支援費というかたちでお金が入るかたち になっております。これは国が2分の1、それから都道府県、市町村それぞれの負担割 合に応じたものが入っていくということで、これは民間の施設を運営している社会福祉 法人と同じような条件でお金が入るということでございます。  それから次に、後にご質問いただきました、いわゆる入所者の減り方と施設支援部門 の減り方の対応関係がどうなのかということでございますけれども、まず最初にお断り をしておくべきだったかもしれませんけれど、この職員体制の具体的な数字というの は、あくまでも大まかなイメージということでご理解をいただきたいと思います。その 上でご質問に対して申し上げますと、今後の運営のあり方を検討していただいた検討会 におきましても、今後、できるだけ小規模単位でユニットケアというようなものの運営 を考えていったらどうかとか、いくつかのご指摘をいただいております。そうします と、やはり単純に入所者の数が3割から4割減るから、その分職員数も減るということ にはならないだろうということで、私どもなりに一定の前提を置いて、大まかな数字と して整理をさせていただいているものでございます。この点につきましては、今後、事 業を運営していくその段階で状況を見ながら、具体的な配置なり工夫をしていく必要が あるのではないかと考えております。  それから順番は前後いたしますが、診療収入でございますけれども、診療収入につき ましては自己収入でございますので、これはできるだけいまある診療部門のノウハウ、 マンパワー、その施設をできるだけ心身に障害を持った方の診療にできるだけ活用して いきたいということで、相当PRも行いがんばっていただいておりまして、その結果、 かなり収入が上がってきているということでご理解をいただければと思います。  それからあと土地の件でございますけれども、これにつきましては、全部政府の出資 というかたちで整理をさせていただくということで、いま手続きを進めているところで ございます。  最後に、自己資本比率。この点については高橋総務部長のほうからご説明を申し上げ たほうがいいかと思います。 ○高橋総務部長  それではただいまの課長の説明に若干補足をさせていただきます。まず診療収入でご ざいますが、基本的には、中に入っておられる利用者に対する診療というのを中心に なって行っておりました。歯科診療も14年2月から始めまして、外部の方、特に知的障 害を持っている方の歯科診療は非常に難しいということで、外部からの利用が多くなっ てきているということもございます。その他の診療についても外部といいますか、地域 におられる知的障害者の診療にも幅を広げてきたということから、自己収入、診療収入 が増えるであろうという推計をさせていただいております。 あと自己資本比率という ことなのですが、具体的に申し上げますが、私どものほうは基本的にこの施設収入とし ての支援費収入関係がいちばん大きなものでございます。それが大体6割以上を占めて いる。特に入所利用者部分です。その入所者がどんどん減ることによって、先ほどの施 設支援費関係の減少がされますけれども、いわゆる居宅支援というかたちで、在宅で利 用されますデイサービスであるとか、ショートステイ関係、そういうかたちになるかと 思います。それで増加を図っていく。あとはその他に入るものとしては、先ほどの診療 収入関係でございますけれども、自己資本というかたちになりますと、私どものほうで 政府出資等でもって与えられました財産関係を使って活用するものというかたちになり ますと、基本的にはほとんどないという状況になるかと思います。 ○石井委員  借入金はあるのでしょうか。政府出資というのでバランス上、負債はあまりないとい う認識でよろしいでしょうか。 ○高橋総務部長  はい。基本的には国からの運営費交付金等々でもってすべて資産等を形成しておりま すので、バランスシート上は借入金というものについてはございません。 ○石井委員  分かりました。 ○岡田部会長  その他、いかがでしようか。どうぞ、橋本先生、その次に宗林先生。 ○橋本委員  独立行政法人にするということはいろいろなメリットがあるのだと思いますけれど も、その中の1つはやっぱり運営の合理化、効率化というのがはいっているのだという ふうに思います。そう考えますと、いまもう何人かの委員の方からご質問がございまし たけれども、例えばのぞみの園の参考資料の2でございますけれども、円グラフが付け られているものでございます。これの上の表の右の支出ですけれども、19年度の予算の 見込みで、人件費の比率が75.7%ということで、これはいろいろな事情がございましょ うけれども、わずかに14年度の予算よりも少し伸びている。5年間経っても結局、人件 費の比率は下がらないということでございます。こういう施設における人件費の割合と いうのは高いのが当たり前ですし、私は低いほうがいいことだとは思いません。介護保 険でもいたずらに人件費を下げているためにサービスの質が落ちているということを見 聞きしておりますから、いいことではないというふうに思いますけれども、75.7%とい うのはいかにも高すぎる。そしてそのことは、私の資料の読み違えではなければですけ れども、やっぱりのぞみの園ですけれども、資料の2−1の13ページを見ますと、下の 収益の部でございますけれども、ここの収益の部のいちばん上ですが、運営費交付金収 益がこれは単位が100万円ですから、122億ですね。要するに全体の20億の中の約6割強 が要するにこういう交付金で運営されていくということを考えますと、この独立行政法 人にするときのこういう運営費の検討というのは、どういう視点で考えていったらいい のだろうか、どういうふうに捉えるべきなのだろうかと思うのですけれども、いかがで しょうか。 ○岡田部会長  どうぞ。 ○高原障害福祉課長  今の橋本委員のご指摘でございますけれども、まず参考資料の2をご覧いただきます と、人件費の比率でご覧いただきますと、14年度の予算よりも若干微増という状況に なっておりますけれど、実際の金額で見ていただきますと、14年度は35億から、19年度 の予算ですと31億ということで、相当節減を図るということを前提にいたしておりま す。 ○橋本委員  ちょっとよろしいですか。途中でごめんなさい。実はこの経費をこの時の職員の人員 がトータルで297人でございますでしょうか。約280人で割ってみますと、1人あたり 1,100万円を上回る年額の収入ということになりそうでございます。というふうに考え ますと、施設を運営していくときの運営費のコストとして妥当なのだろうかという疑問 でございまして、これはもう前にも議論がありましたように、古い施設で、そして重い 知的障害のある人をお世話する施設として銘打ってきたわけですから、人件費が高いの は当然なのですね。ここで新たなスタートをしようというときに、どう考えていったら いいのだろうか。どう考えなければいけないのだろうかというそういう質問でございま す。 ○高原障害福祉課長  まず先生のお話の中で、まず前回もご説明申し上げたかもしれませんけれども、この 法人がスタートする段階で、国会審議などで業務の困難性等を考慮して、公務員の給与 水準に少し上乗せをしたかたちできちんと処遇を考えるべきではないかというご議論が ございまして、それで公務員の給与水準に一定の少し上乗せをするようなかたちで、法 人の運営がスタートしたという、経緯としてございます。それで今回の独法化に当たり まして、当然、運営の合理化効率化ということを図る中で、どうするのかということで ございますけれども、まず1つは、人件費のトータルのコストをできるだけやはり抑え ていくようにしなくてはいけないだろうと。ただ、いろいろ分析をしてみますと、例え ば一般の民間の社会福祉法人、あるいは国家公務員の給与の体系と比べたときの比較を していきますと、かなり高くなっている要因というのは、勤務年数が長くなっている。 これが実態でございます。これが相当の比率を占めておりまして、これは非常に定着率 が高いという評価もしていただけるかと思いますし、ノウハウがそれだけ高く得られて いるという見方もあるのかもしれませんけれども、まず現状はそういうことでございま す。  ただ、これは給与水準も今のままということでは、やはり人件費のコストが合理化に つながらないということで、ここにお出ししております数字につきましては、いまの人 件費水準をずっと維持するということではなくて、これは一定程度、給与水準の引き下 げをするということを前提に織り込んだ数字となっております。もちろんこの具体的な 給与水準は労使の問題でもございますから、今後、労使の協議を通じて、具体化をして いく必要があるわけでございますけれども、いずれにしても一定程度の給与水準の引き 下げといいますか、それはこの中に織り込んでいるということはご理解をいただきたい と思います。  あと、絶対的な水準がどういうふうに考えるかというのは、なかなかこれは本当に難 しい問題であろうかと思いますし、また今日のこの場だけではなくて、今後また給与水 準のご議論はこういう部会でもまたあるのかもしれませけれど、できるだけ合理化の努 力は進めていきたいと思っております。 ○岡田部会長  ありがとうございました。この議論は検討委員会のほうでもだいぶ問題になりまし て、いま先生がご計算になりましたのは、あながち誤りではございません。そのぐらい の給与体系になっています。しかしそれはいまご説明になったような背景があってのこ とで、今後改善を要する部分だというふうに認識をされております。宗林先生、どう ぞ。 ○宗林委員  すみません。2つの法人に対して2点ずつご質問をさせていただきます。まずのぞみ の園のほうですけれども、先日の質問に対しまして、非常に分かりやすい図を出してい ただきまして大変ありがとうございました。これの図を見させていただいて最初に思っ たイメージとの関連で言いますと、国策の転換ということで、施設支援から地域移行推 進というところに人員配置等がシフトしているということはよく分かるのですが、これ に対する予算が、どういうふうになっていくのか。人員配置そのもののシフトはここに 示されておりますが、それに対する予算措置がわかりません。また、もっと以前の説明 ですと、全国から入所していらっしゃる方を全国に帰すのだというお話を記憶している のですが、そういった方たちを地域のグループホーム等に転換をされるときに、どれぐ らいのことをのぞみの園でやれるのか。また、それに対して予算措置とか新規事業の要 求等は、今、この中では見当たりませんけれども、考えていらっしゃるのかどうか。ど ういうことが実現されていくのかということを、お聞きしたいと思います。  それからもう1点は、施設に関してですけれども、非常に広大な施設があるというふ うにパンフレットを読ませていただいたのですが、これは入所者がかなり3割4割と 減ったときに、固定資産といいますか、設備としての資産をどう管理していくのか。こ こをそのままずっと維持していく必要があるのか。それはまた変えていく予定があるの かということについてです。  それから福祉医療機構のほうなのですけれども、こちらについての2件は、まず1点 は資料3−1の2ページ目でございますけれども、この新規事業のことに今回具体化し てアンダーラインを引いてご説明いただきましたが、これが具体的にはどのぐらいの規 模のものであるのかということ。それからきょう配られましたもう1つの別の資料で、 参与会議の指摘事項というのがございますが、ここの大きい2番の(3)に一般管理費 の削減目標において新規事業も含めてというような文字が見えますが、これとの関連に ついてのご説明をお願いしたいと思います。  それからもう1点は、のぞみの園のほうは業務方法書のほうで外部評価委員会が第7 条でしたでしょうか、盛り込まれているようですが、私は福祉医療機構の事業に関して は、門外漢でしてよく分からないのですが、これが適正に行われているかどうかという 全体的なこの外部評価というようなことについては、こちらの法人はなくていいものな のか。あるいはこういったものこそ、定量的な数字がたくさん並んでいる法人のように 思いますので、専門家による外部評価が必要なのではというふうに素人的には思われる のですが、その点につきまして。 ○岡田部会長  ありがとうございました。どうぞ。 ○高原障害福祉課長  それではのぞみの園の関係からお答え申し上げます。まず委員がご指摘の第2点の広 大な敷地を今後本当にどうしていくのかということでございますけれども、この点につ きましては、現時点では、例えばこのように変えていくとかあるいは売却するとか、そ ういう意味での具体的な計画は持ってございません。これは今後本当に広大な敷地をど のように使っていくのか。そこは今後の引き続きの検討課題ではないかと思っておりま す。 ○宗林委員  すみません、途中ですけれども、こういったものの施設、土地を売却とかあるいは別 の収入に反映してきたりということはないのでしょうか。 ○高原障害福祉課長  現時点ではそういう意味の具体的な計画というのは持っておりません。 ○宗林委員  逆に言いますと、ではそのまま維持管理をされていくということでしょうか。 ○高原障害福祉課長  誤解のないように申し上げなくてはいけないのですけれども、確かにあの広大な敷地 をどう有効に使っていったら、あるいはどうしていったらいいのだろうかという問題意 識は持っているわけです。現時点で具体的に、ではこれをどうしていくというプランは ない。したがってその点は、継続して今後考えていかなくてはいけない問題なのだろう という認識をしているということでご理解をいただきたいと思います。  それから委員のご指摘の第1点でございますけれども、この一方で行革の観点から、 全体的な国の一般会計からの支出、運営費交付金を節減を図っていかなくてはいけない という要請があるわけでございます。そういう要請の中で、ある意味で新たな福祉施策 の行政課題としての地域移行をどのように進めていくかということを、私どもは真剣に いま考えているところですけれど、例えば、全国各地でグループホームや地域移行で受 入れていただくためには、いろいろな意味で連絡調整をしたり、入所者お一人お一人の 状況を踏まえたいろいろなプラン作り等をしていく必要があるわけで、これを地域移行 の推進部門のスタッフが中心になってやっていくということが私どもは1つの大きな課 題だろうと思っております。  先ほど高崎近辺でと申し上げましたのは、おそらくのぞみの園が全国各地に直営のグ ループホームを展開していくということは、現実的ではございませんので、やはり高崎 の近辺に例えば住宅のようなものを借りて、入所者の方が地域に出て行けるそういう自 立や自活の訓練をしていくような取り組みというのは、のぞみの園としてやっていく必 要があるのではないかと考えておりまして、例えばその経費につきましては、来年度の 概算要求の中で項目を入れて要求をしているという状況でございます。一定の制約の中 で新規の政策課題に対応していけるようなことを、私どももぜひ考えていきたいと思っ ております。 ○岡田部会長  それでは福祉医療機構のほうをお願いいたします。 ○M谷室長  まず1点目でございますが、労災年金の担保貸付でございますけれども、相当小さな 規模の事業でございまして、貸付規模で言いますとフローで50億から60億程度の事業で ございます。それから参与会議の指摘等の関係でございますけれども、参与会議でご指 摘されていますのは、これから何をやるか分からないけれども、とにかく新規なり拡充 をする場合には除きますというような、一般的な意味で除外しているものについて、こ れはいかががというようなご指摘でございまして、私どもの労災年金担保貸付について は、もう法律上、来年の4月から移行することが決まっておりますので、その際には当 然、中期目標、中期計画にも位置づけるという意味で変更が必要となります。その際に 具体的な効率化のあり方もご議論いただくということで、参与会議との関係でも、ご指 摘との関係でも整理がされているというふうに我々は理解をいたしております。  それから外部評価でございますけれども、別途の外部評価というのがありうるかと思 いますけれども、少なくとも制度上はまさにこの評価委員会におきまして、毎年度事業 につきまして評価を受けるという仕組みになっておりますので、また、事業年度が終わ りましたときには、この場で内容についてご議論いただければというふうに考えており ます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。どうぞ。 ○川原委員  参考資料2.先ほど来、話題になっている箇所ですが、私は左側の上の数字に注目 し、人的生産性の分析をしてみました。その結果を説明する前に、のぞみの園の中期目 標案、中期計画案の10ページを見ていただきたいと思います。人事に関する計画につい て、「職員の能力と実績を適切に評価した適材適所の配置により、業務運営の効率化を 図る」という表現がなされております。私どもが集まって議論し検討をしていく目的 は、経営の効率化を実現することであります。そのために業務運営の効率化を図り、運 営上のムダを排除していくためのより良い方策を検討することに最終的には尽きると思 うのです。  利用者1人あたりの職員を減らすという説明もございました。  また、入所者の縮減に伴い自己収入、及び人件費も、それに見合った縮減がなされる ということも私は納得したわけです。問題は職員1人あたりの生産性です。生産効率は どうなっているのだろうかということで見直したところ、14年度の予算ベースでは、自 己収入の分析でございますが、17億5,100万円に対して310人ということで計算いたしま すと、職員1人あたりの年間収入額が5,648,000円という数字が出てまいります。これ に対しまして、19年度の予算ベースでの15億7,200万円に対する279人という計算をいた しますと、1人あたりの職員の生産効率が落ちまして、5,643,000円という数字になっ ております。職員1人あたりの年間収入額が低減し、生産効率が低下することになって おります。この点はどうなっているのか、お聞きしたいと思いまして質問させていただ きました。 ○高原障害福祉課長  なかなか難しいご質問でございますけれども、まず、業務内容がかなり入所施設での ケア、これがいまほぼ100%な訳ですけれども、これが入所部門は縮小して、地域に移 行をしていく。そういう橋渡しをしたり、あるいは地域で生活していただけるための入 所者お一人お一人の訓練をしていくという業務にシフトをしていくわけでございます。 これをのぞみの園の収入という切り口で見ますと、率直に申し上げまして、入所者施設 支援費の収入が先ほど見ていただいた、お一人あたり300万円ぐらいの収入が大体ある わけですけれども、地域にどんどんどんどん移行していくことになると、やっぱり施設 支援費の収入は減って、地域移行のいろいろな連絡調整とか、あるいは自活自立の訓練 による支援費の収入というのは、率直に言ってやはり減ってくることになります。した がいまして、私ども、人件費の水準はできるだけ見直していくとか、あるいは人員の減 を図るとかという努力をしていく計画にしている訳ですけれども、それでもなおかつ、 委員がおっしゃったような意味での、単純な1人あたりの生産性でいうと、若干の減に なるというのは事実でございます。これは私ども、業務内容がシフトすることによるや むをえない結果ではないかというふうに考えております。 ○川原委員  民間企業が効率化を図る場合、業務の見直しをすることによって、1人あたりの生産 性を高める。もちろん人件費コストも下げるということは当然のことでございますけれ ども、人件費コストを下げ、なおかつ1人あたりの生産性を上げていって、成果につい て絶対評価、相対評価として、ジャッジメントをするものでございますから、それでこ ういう質問をしたのです。  今のお話を伺っておりますと、入所者を地域に戻すという、いわゆる収容利用者の縮 減を図るということが、経営的視点から見た場合、必ずしも将来的に業務の効率化、全 体効率性に結びつくといったことにはならないと思われるのですが。 ○橋本委員  川原委員のご意見もごもっともなのですけれども、私はこういう施設の運営の効率化 というのは、やっぱり質ですね。生活の質をいかに高めていくかという、そういう努力 も評価しなければいけないと。まさに知的障害者の施設というのは、知的障害者と精神 障害者がいちばん遅れていると思いますけれども、地域で当たり前の日常生活を営み続 けるということを実現していくことは非常に重要なことですから、そういうような目標 に向かって、平均給料が1,100万円ですからね、やっぱりがんばって欲しいと思うので すけれども、ちょっといやらしい表現でごめんなさい。  それで私はいまの川原委員のご意見とまた違った角度から申し上げたいのですけれど も、このきょうの資料の2−1のところで、5ページの2で調査研究とございます。私 はこの辺のあたりをもう少ししっかりと書き込んでいただくことはできないのだろうか というふうな気がいたします。地域生活の支援なんていうところは(1)で中期目標に 基づき、地域移行に向けた調査研究及び地域生活支援の構築のあり方についての調査研 究を次により行う。実施体制が企画研究部門を総括部門とし、その他の業務部門の協力 を得て行う。(2)を見ましても全体的に実に抽象的で、見通しがつかないというような 感じがするわけです。  例えば高齢者の場合の痴呆で言いますと、痴呆研究研修センターというのが全国で 3ヶ所できていますけれども、痴呆をどうケアしたらいいかということがよく分かって いないものですからそれを研究して、研究の成果を各地から集まってきた人に研修をし て、各地で活かされるように、それに貢献をしていきたいというセンターができている 訳ですけれども、そういうのを具体的にイメージできる。長い経験を積んでやっぱりい いお仕事をたくさんやってこられた方のはずですから、そういう成果を全国に活かして いく。ここでただ非常に重い人ばかり集まっておられますから、簡単に地域に戻ってい けるわけではないということもよく分かるのですけれども、もう少し、加えられたのが 学会に参加して云々ではちょっと悲しすぎる。もう少し積極的なところをここに明確に 書き上げられないだろうか。そのことは川原委員がおっしゃるそういう運営の効率化と 裏腹の、やっぱり成果になってくるのではないかというふうに思うのですが、いかがで ございましようか。 ○岡田部会長  どうぞ。 ○高原障害福祉課長  両委員のご指摘は非常に本質的な問題を含んでいるご指摘だと思うのですけれど、こ ののぞみの園の今後の地域移行の推進をはじめとする業務の実施を、どういう観点でこ れから評価をしていただくか、これはまさにこの部会の審議事項でもあろうかと思いま す。私どもはこれからきちんと仕事をし、それを情報開示をしてご説明し、ご評価をい ただくということになろうかと思います。そういう心構えで私ども、取り組んでいきた いと思っている訳ですけれども、具体的にいただいたそのご指摘のなかで、調査研究で すが、これはまさにフィールドを持った、全国的にも最重度、あるいは重度の知的障害 者の方の大規模な施設でございますので、そういうフィールドなり経験をベースにした 調査研究を情報発信していく。これは非常に大事なことだと私どもは思っております。  この計画なり目標はある意味で抽象的な表現になっているかもしれませんけれど、こ れを受けてのぞみの園がこれから具体的にどういう成果を出していくのかが、大事なこ とだろうと思います。そういう意味では先ほどもご説明しましたように、私どもはそう いう進み具合をきちんと本部会にご報告しご評価をいただくことで進めていきたい。あ と川原委員のご指摘に関連して1点だけ申し上げますと、重度の知的障害者の方を大規 模な入所施設で収容する、そういう意味ではコロニー政策を大きく転換していくこと は、福祉行政としても非常に大きな課題で、これは全国的にいろいろな意味での波及効 果というものはやはりあるのだと思っております。そういう意味で、国が直接深く関わ って行う事業の政策の転換のケーススタディーが波及効果としてもたらすものは、これ は私は非常に大きなものと思っております。そういうことも私どもは意識しております ので、そういう点も順次進み具合をご報告して行く中で、ご評価なりをいただければと 思います。 ○川原委員  私の質問の仕方が悪かったのかも分からないのです。ただいまご説明を受けたのは、 第1回目のときにも、それから2回目のときにも同じようなご説明を受けているわけなの です。将来的な1つの施設のあり方ですね。コロニーのあり方として、500人という本 当に大がかりな収容規模でもって介護、支援をするのではなくして、入所者を出来る限 り地域に移行し、地域社会連帯の中で、自立支援のための介護、支援をしていくという 方向に、いま福祉のトレンドが向かっているということは、私も熟知しているつもりで す。ただ、そういうトレンドにあり、かつオピニオンリーダーとしてののぞみの園が他 の施設に先んじて行うということは、非常に重要なことでもあるし、それは私も大賛成 なのです。ただこのような取組みはかならずしも経営効率化とは一体的に考えなくとも 行うべきことだと思うのです。経営の効率性を考えなくてもサービス及び業務の質の向 上といった視点から、そのような取組みは、先行きなされたのじゃないかと思うので す。そうなりますと、これら一連の取組みが経営効率化という、我々が議論する対象と どう思考の因果関係で絡み合ってくるのか。それを理解しないと今後、我々が経営効率 化の方策を本当に議論していく中で、議論の誤りを犯す危険も生ずるのではないのかな という、若干の危惧を抱いたものですから、それで質問をさせていただいた訳なので す。 ○岡田部会長  ありがとうございます。まさにその点が独立行政法人化検討委員会の中でも スター トから紛糾した点なのですね。独立行政法人というのはあくまでもある一定の行政目的 で作られるのですが、それに平行して政策転換もやらざるをえないというところで、今 回、地域移行というのは効率的な運営のために地域移行が考えられたのではなくて、国 として行うべき知的障害者に対する福祉の方向性を示さざるを得なかったということが ありました。ですから先生のご指摘が正しいご指摘でして、確かにもしここで効率化と いう言葉を使う場合には、のぞみの園の場合には非常に厳密に使わないと、混乱をする し誤りを犯してしまうというふうに思います。ただ、いま国が与えております地域生活 に対する費用算定基準は、国立コロニーにいるような人たちを対象にしてやれるような ものを前提にして積み重ねられていないために、もし地域生活に支援をしようとする と、多大なお金が余分にかかるということがあると思います。それが先生のご指摘に なった要に、効率的な運営にはなり得ないのではないかという原因の1つではないかと いう気がいたしますね。ありがとうございました。 ○川原委員  よく分かりました。整理がつきました。 ○高原障害福祉課長  川原委員のご指摘をやはり私どもも肝に銘じまして、具体的な人事評価の問題でござ いますとか、あるいは人件費の問題ですとか、そういうものを今後具体化していく中 で、きちんとご報告し評価をしていただくという、こういうかたちで進めていきたいと 思います。 ○岡田部会長  ありがとうございます。遠藤先生。 ○遠藤委員  福祉医療機構のほうの本日お示しいただきました資金計画について、ちょっと教えて いただきたいのですけれども、ここではこの資金計画表を拝見いたしますと、貸付金と して約1兆9,000億という計画であるということでありますので、まず質問の第1点は、 当初、この第1回の委員会のときに、貸付金額に非常に年次差があるのは何故でしょう かというお話をしたところ、これは政策的にいろいろあるのだと。政策的に決定される ことであるというようなお話を承ったと思うのですが、つまりこの1兆9,000億という 計画はどれぐらい確度のある話なのにかということです。つまり政策的に国が決める話 であるとなると、どれぐらいこれに確度があるのか。その点が1つであります。  それからもう1つは、この資金計画に関する基本的な考え方というはどういうものな のかということだと思うのですが、具体的に申し上げますと、これを見てみますと1兆 9,000億を貸し付けして、約1兆3,000億の回収があると。一方、借りておりますので返 済に約1兆2,000億弱が必要になってくるということなので、その差額としての借入を 債券発行も含めて1兆8,000億ぐらいすると。そんなようなかたちで、ある意味では返 済金額は回収資金でまかなえるという状態に、これを見る限りではなっているのかなと 思うわけでありますけれども、この何か資金計画を立てるときの基本的な考え方という ものがおありになるのかどうかということについてお聞きしたいという、2点でござい ます。 ○岡田部会長  どうぞ、お願いします。 ○M谷室長  1点目でございますけれども、まず資金規模1兆9,000億は実は補助金と連動してお りますので、正直申しまして将来かなり変動の要素があります。今回の考え方は、補助 金額は平成15年度予算と同額として貸付額を見込んでおります。そういう前提でござい ます。そういう意味では今後補助金の額の変動によりまして変動があり得ます。  それから2点目でございますけれども、どの程度正確な話ができるかどうか、基本的 には貸付金の支出の規模はいま申し上げたので前提としております。それから医療貸付 の回収金による収入につきましても、これは平均的なこれから返ってくるお金が、これ は過去のものについてははっきり分かりますのでそこを見込みます。 ○岡田部会長  よろしいですか。ありがとうございました。その他。どうぞ。 ○宗林委員  1点。先ほどの施設のことでちょっと触れさせてください。入所者が減るということ に関して、その後どのように運用するのですかというご質問です。質問の仕方が悪かっ たかのだろうと思うのですが、一般管理費の中に、物件費等設備を維持していく一般管 理費の中のウェートがかなりあるかなと思いましたので、その部分をその方たちが減っ たときに、そこを維持していくための予算は削減をできる対象になるのかなと。この2 −1の資料の中で、人件費と物件費で大体書かれていますが、「これをどう利用するの ですか」というよりは、一般管理費を削減していくという議論の中で、入所者が減った 場合のその後、ここが削減できる部分なのかなと思いましたので、ご質問させていただ きました。  あと参考までになのですが、公務員の給与体系等々、細かく頭に入っているわけでは ありませんが、先ほどの1,100万あるいは1,200万弱というような人件費は、平均年齢何 歳の金額なのでしょうか。ちょっと教えていただきたいと思いまして。 ○高原障害福祉課長  平均年齢はいま45歳強という状況でございます。 ○宗林委員  先ほどの説明の中にもあったかと思います。45歳で1,100某というのは、やっぱり公 務員の給与体系よりはかなり高いということですよね。曖昧で申し訳ないのですが。 ○高原障害福祉課長  まず今の職員の方は事務職というのはごく一部でして、大体が福祉のサービスに携わ る専門の現場のスタッフが多いということがまず前提としてございますけれども、公務 員との給与水準との関係でいいますと、大体13%ぐらいこの法人の職員の給与は高いと いう状況になっております。ここの部分を今後、計画的に見直していく必要があるだろ うと考えております。 ○岡田部会長  だいぶ時間が厳しくなってまいりましたので、もしこれで議論をいったん打ち切りま して、こういったきょうお示しいただいた案を基本的にご了承いただけるかどうか、も しそれをご了承いただけましたら、次の議題に移りたいと思っております。ただし、今 後、この案につきましては、他の独立行政法人との兼ね合いの中で、政府部内において いろいろ手直し、あるいは一部修正のようなものも、ことによるとあるかもしれませ ん。その場合には、お許しいただけますならば、部会長と事務局とで責任を持って処理 をさせていただければとこう思っておりますが、いかがでしようか。お許しいただけれ ばありがたいと思うのですが。 ○各委員  了解。お任せします。 ○岡田部会長  ありがとうございました。ではそのようにさせていただきたいと思います。きょうも う1つの議題を用意しておりますので、そちらに移りたいと思います。これは先ほども ちょっとご説明申し上げましたように、福祉医療機構の長期借入金についてのご審議で ございます。これについて評価官のほうからご説明をいただいて、ご審議をいただこう と思いますので、よろしくお願いいたします。はい、どうぞ。 ○高原障害福祉課長  すみません。先ほど、長期借入金ご説明し残していたものがございます。それは白石 委員からのご指摘で、これは単純ミスでございまして、「×」がミスで落ちておりまし た。それから政策計数でございますけれども、私はのぞみの園、一応行革事務局の整理 でこういう計数を仮置きしておりますけれど、具体的にいまこの政策計数で何か調整を するという具体的なものはございません。今後、こういう要素が出てくればこれを盛り 込むということで、仮置きで入れているということでございます。 ○岡田部会長  川原先生、よろしゅうございますか。 ○川原委員  はい。 ○岡田部会長  それではよろしくどうぞ。ご説明ください。 (3)福祉医療機構の長期借入金について ○川尻政策評価官  それでは具体的にこれからご審議していただく中身は資料の3−6というところでご ざいますけれども、そのご審議いただく前に3−7の資料を見ていただきながら、今後 の部会の進め方も含めてお諮りをさせていただきたいというふうに思っております。独 立行政法人の長期借入金につきましては、独立行政法人の通則法45条のところに、個別 法に別段の定めがある場合を除くほか、長期借入金あるいは債券発行はできないとなっ ておりますけれども、その個別法であります福祉医療機構法の17条には、厚生労働大臣 の認可を受ければ長期借入金をしたり、あるいは債権発行をすることができるというよ うな規程が置かれておりまして、そしてその厚生労働大臣の認可に当たりまして、この 独立行政法人評価委員会の意見を聞かなければならないと、こういう法律の仕組みに なっております。  福祉医療機構のほうは後でご説明をいたしますけれども、ほぼ毎月のように長期借入 金をするというようなことが予定されているわけでございますけれども、先ほどのいま ご説明いたしました法律との関係で言いますと、借入金をする度に独立行政法人の評価 委員会を開き、ご意見を聞かなければいけない。要するに毎月のようにこの部会を開か なければいけないというのが法律の厳格な運用ということになるわけでございます。し かしながら、お忙しい委員の方々に毎月集まっていただいて、この借入金の関係だけご 議論いただくのはいかがなものかということでございますので、私どもとして提案をさ せていただきたいのは、まず通常でありますと、その年度が始まる前、あるいは直後と いうことになるかもしれませんけれども、予め各年度におきまして、どのくらいの長期 借入金をするのか金利あるいは償還期間をどうするのかとかいうような、年度を通した 計画をご説明をさせていただく。そして、ご審議をいただきます。  そこで部会としてご了承をいただきましたら、その後毎月のように行われますその長 期借入金の大臣認可に当たりましての部会の意見ということにつきましては、部会長の ほうにお諮りをして、予めご了承をいただきました計画に則ったものであると、その限 度額が計画を越えていないというようなことをご確認いただきまして、そして部会とし てご了承をいただいたというような取扱いにさせていただけないかと。要するに個別の 認可に当たりましては、部会長のほうでご処理をいただきたいということでございま す。なお、いま申し上げたような中身でございますので、仮に当初、計画としてご説明 したことから外れるような計画、例えば総額がオーバーをしてしまうとかいうようなこ とが生じました場合には、またこの部会に諮らせていただくと、こういうように処理を させていただけないかというふうに考えております。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。そういうことでございまして、本部会としてはそのような 手続きで進めることにしたいと思いますので、ご了承いただければと存じます。ありが とうございました。それでは具体的に、平成15年度の福祉医療機構の長期借入金につい てご説明をいただいて、ご審議をお願いいたします。 ○M谷室長  それではご説明いたします。資料3−6でございます。福祉医療機構長期借入計画案 ということでございますけれども、一般勘定(福祉医療貸付)、年金担保貸付勘定、そ れぞれ財政投融資資金からの借入を予定いたしております。具体的に申しますと、そこ の表でございますけれども、一般勘定でございますけれども、平成15年10月から半期16 年3月までで、計1,867億の借入予定でございます。内訳はご覧の通りでございます。 なお、10月は若干少ない数字になっておりますけれども、手続きの関係でなかなか当初 から手続きができないということもありまして、若干少なくなっておりますけれども、 基本的には半期に相当する額を毎月借りていくという考え方でございます。  それから年金担保貸付でございますけれども、奇数月にそれぞれ借りていくというこ とでございまして、計445億ということでございます。年金担保貸付につきましては、 4年の償還ということで、年金の支払い月は偶数月の10月、12月、2月には、具体的に 償還がされて返済金が返ってきますので、基本的にはその返済金を元に貸付をしていく ということで、借りるのは奇数月ということになっております。  借入条件でございますけれども、その下の通りでございます。福祉医療貸付につきま しては、償還期間20年以内ということで長期の借入。年金担保貸付は貸付条件4年とい うことですので、それに相当する財投で最も短い償還期間5年以内というもので借入を いたしたいということでございます。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。金額は膨大でございますが、ご説明内容としては特に問題 なければ、ご承認いただきたいと思いますが、いかがでしようか。ご質問とかご意見。 はい、どうぞ。 ○浅野委員  非常に機構さんの役割というのは、これから医療における公共福祉のバランスをとる 点で非常に重要な役割をすると思います。民間セクターのほうはどんどん効率性の追求 が自然に進むと思うのですが、その一方ではこれから非常に公共の福祉ということがお ろそかになるかもしれない。そのへんのところを補完していくこととなると考えます。 うなるとここで一部書いてあるように、民間でできるものは民間に委ねる。つまり、財 務的に環境が恵まれている者は民間がやる。そして機構さんのほうは財務的に環境が恵 まれていない、難しいところをどんどんやっていくことになる。そのような状況の中で 外部からお金を借りて、きちっとお金も返すということになります。そうすると医療セ クターの方としては、財務的に難しい経営を公共の福祉を前面に出した上で、収益を確 保しながら医療経営を実践するという条件が付いてくると思うのですね。そうすると機 構さんの役割というのは本当に難しいところを担当する。条件が厳しい中で経営が旨く やって、公共の福祉と効率性のバランスをとるという一種の医療の理想型というのを 作っていくということになると思います。ですから、その辺をぜひ、しっかりやってい ただきたいなということが1つです。さらに、そういった中から出た成果、例えば、モ デルケースだとかいろいろなガイドライン、あるいはその事業計画を評価する手法等が あると思うのですけれども、そういうものも積極的にWAM−NET等を通じて情報ソ ースとして提供して頂いて、もう少しいろいろなところで啓蒙していたただければよろ しいのではないかというのが、率直な感想と要望でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。よろしゅうございますか。特にコメントは。 ○M谷室長  ご指摘を踏まえて対応させていただきます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。それではこの平成15年度の長期借入金の件につきまして は、ご承認いただいたということで処理をさせていただきます。ありがとうございまし た。きょう予定しておりました議題はこれで終了ということになりますので、次回の予 定について事務局からご説明をいただきたいと思いますので、よろしくどうぞ、お願い いたします。 (4)その他 ○事務局  今後につきましては、役員の報酬規程、各独立行政法人の評価の基準につきましての ご議論をしていただくことを予定しております。日程につきましては、また各委員の先 生方にお伺いさせていただきますので、よろしくお願いいたします。以上でございま す。 4.閉会 ○岡田部会長  ありがとうございました。それではきょうはこれでご審議を終了させていただきま す。どうもご協力ありがとうございました。                                      以上 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)