03/09/17 薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会議事録            薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会               平成15年9月17日(水)                医薬食品局食品安全部          薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 議事録 日時 平成15年9月17日(水) 14:00 〜15:51 場所 航空会館 7階  702・703 出席者 吉倉分科会長、柳川分科会長代理、井上委員、井村委員、小沢委員、     垣添委員、熊谷委員、品川(森)委員、清水委員、正田委員、豊田委員、     羽生田委員     早川委員、丸井委員、村上委員、和田委員     食品安全部長 基準審査課長 企画情報課長、監視安全課長、     新開発食品保健対策室長、食品国際企画調整官、輸入食品安全対策室長 1.開会 2.食品安全部長挨拶 3.議事     (1) 食品添加物の新規指定及び使用基準改正について     (2) 畜水産食品中に残留する動物用医薬品の残留基準値の改正について 4.報告     (1) アマメシバについて     (2) その他 5 .閉会 ○事務局(桑島補佐)  定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会を開催さ せていただきます。  本日は、お忙しいところを御参集いただきまして誠にありがとうございます。  本日は、児玉委員、品川邦汎委員、田中委員、福島委員、神田委員から御欠席の御連 絡をちょうだいしてございます。また、早川先生は多少遅れられるという御連絡をちょ うだいしてございます。  また、本日付けで新たに当分科会に御就任をいただきました委員の御紹介を申し上げ ます。  食品中央協議会副会長でいらっしゃいます正田修委員でございます。 ○正田委員  よろしくお願いします。 ○事務局  それから、本日は御欠席ですけれども、全国消費者団体連絡会事務局長でいらっしゃ います神田敏子委員に御就任をちょうだいしてございます。御報告を申し上げます。  現在、分科会総員21名のうち16名の御出席をちょうだいしてございますので、本日の 分科会が成立していることを御報告申し上げます。  それでは、開会に当たりまして、食品安全部長から御挨拶を申し上げます。 ○食品安全部長  食品安全部長の遠藤でございます。  本日は、御多忙のところを御参集いただきまして誠にありがとうございます。委員の 先生方におかれましては、それぞれのお立場から食品安全行政の推進に御指導をいただ いておりますことを、この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日は2つの議事がございまして、まず1番目の「食品添加物の新規指定及び使用基 準改正について」では、ステアリン酸マグネシウム及びリン酸三マグネシウムの食品添 加物としての指定の可否について、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム及びアセスル ファムカリウムの使用基準改正の可否について御審議賜りたいと存じます。  2番目の「畜水産食品中に残留する動物用薬品の残留基準値の改正について」では、 カルバドックスについて御審議をいただきたいと考えております。  そのほか、先般9月5日に開催いたしましたこの分科会におきまして御審議をいただ きましたアマメシバについて、その後の対応等について御報告をさせていただきたいと 考えております。  本日も先生方から貴重な御意見を賜り、食品安全行政のさらなる推進を図りたいと考 えておりますので、十分な御審議をお願いいたしまして、私の挨拶にかえさせていただ きます。 ○事務局  それでは、以後の進行につきまして、分科会長よりお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、資料の確認からお願いいたします。 ○事務局  皆様方のお手元に配らせていただいております資料の確認をさせていただきます。  まず、資料1−1は、毒性・添加物合同部会報告でございます。内容は、ステアリン 酸マグネシウムについて。  資料1−2は、同様の部会からの報告でございますが、リン酸三マグネシウム、酸化 マグネシウム及び炭酸マグネシウムに関するものでございます。  資料1−3は、食品添加物の新規指定に際して寄せられた御意見等でございます。  資料1−4は、毒性・添加物合同部会の報告ですが、内容は、アセスルファムカリウ ムについて。  資料1−5は、新規指定に関して寄せられた御意見で、アセスルファムカリウムにつ いてでございます。  資料1−6は、ステリアン酸マグネシウム及びリン酸三マグネシウムに係る食品健康 影響調査の結果の通知でございます。  資料1−7は、同様ですが、内容が酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムに係る対 応のものでございます。  資料1−8は、アセスルファムカリウムについて、同様の通知でございます。  それから、資料2−1は、畜水産食品中に残留する動物用医薬品の基準設定に関する 乳肉水産食品・毒性合同部会報告でございまして、内容は、カルバドックスについてで ございます。  資料2−2は、残留基準設定に関して寄せられたコメントに対する回答についてでご ざいます。  資料2−3は、カルバドックスに係る食品健康影響評価の結果通知でございます。  参考資料が2つございまして、諮問書の写しを付けさせていただいております。  最後は報告資料で、1つ目がアマメシバについて、2つ目がリスクコミュニケーショ ンについてということでございます。  資料の過不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただきたいと思います。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  それでは、「食品添加物の新規指定及び使用基準改正について」から始めたいと思い ます。  最初に、ステアリン酸マグネシウムの食品添加物としての指定ということで、資料は どれになりますか。 ○基準審査課長  ステアリン酸の関係は、資料1−1、1−3、1−6、あと参考資料1と飛んでおり ますが、順次説明させていただいてよろしゅうございますか。 ○吉倉委員長  お願いします。 ○基準審査課長  まず参考資料1を御覧いただきたいと存じます。厚生労働大臣から薬事・食品衛生審 議会に対して諮問した諮問書でございまして、この1番の、ステアリン酸マグネシウム の食品添加物の可否について御議論を賜りたいと思っております。この日付は9月8日 付となっております。  次に、資料1−1を御覧いただきたいと存じます。  資料1−1は、食品衛生分科会のもとにございました毒性部会と添加物部会からの、 6月27日付の報告書でございます。即ち、7月1日付で食品安全基本法が施行されまし て、食品安全委員会が設立し、それに伴いましてリスク評価は食品安全委員会で、リス ク管理をこの審議会で御議論願う形にしたわけですけれども、資料1−1は、6月27日 付となっておりますとおり、食品安全委員会発足前に、当時ございました毒性部会と添 加物部会から報告をいただいているものでございます。したがいまして、6月27日付の 資料1−1を御覧いただきますと、いわゆる安全性について詳しく論じられております けれども、7月1日以降の体制で申し上げますと、食品安全委員会の役割であって、こ の薬事・食品衛生審議会の役割ではないという点を御理解の上、この報告書を御覧いた だきたいと存じます。  では、具体的に今どうなっているかということですけれども、資料1−1の15ページ を御覧いただきたいと存じます。15ページに、参考として、食品添加物の指定を考えた 場合に、食品安全委員会と厚生労働省薬事食品衛生審議会の役割を明示させていただい ております。即ち厚生労働省が要請を受けるわけでございますが、厚生労働省の段階 で、その資料は、安全性に関する資料は食品安全委員会に行きます。ここで安全性につ いて評価がなされて、ADIが設定可能であればADIが設定されます。このADIが 厚生労働省に戻ってくる形になるわけでございます。  一方、厚生労働省においては、有効性や規格に関する資料をもとに、リスク管理でご ざいますから、具体的に言うとどのような基準をつくったらいいのか、あるいは、つく らない方がいいのか、つくるとすれば、どういう食品に対して何ppm という基準にする のか、あるいは、基準をつくらないで、業界の自主規制、何も規制をしないという選択 肢をとるのかというような、いわゆる規制内容について御議論をいただく。もちろん、 その際には、まず部会で原案を検討していただき、その後、WTO通報、パブリックコ メントという手続を付した上で、この分科会で最終的な御判断をいただくという手続に なっているわけでございます。  したがいまして、繰り返しになりますが、いわゆる安全性評価は食品安全委員会の所 掌であり、今回御説明申し上げますレポートは、この7月1日以前のものですから、安 全性についても記載がされておりますけれども、安全委員会からは、既に安全委員会の 評価結果を受け取っており、その際に議論していただいておりますので、安全性にかか わる部分の説明は省略させていただきたいと思います。  資料の1ページに戻っていただきたいと思います。1ページは、部会からの頭紙です けれども、2ページを御覧いただきますと、ステアリン酸マグネシウムについて、分子 式、分子量、用途、起源が書いてございます。このステアリン酸マグネシウムと申しま すものは、4の「起源」の第2パラグラフにございますとおり、日本薬局法といって、 医薬品の一番基本的なものが収載されている公定書があるわけですが、日本薬局法に収 載されており、錠剤とかカプセル剤をつくるときの滑沢剤といって、錠剤を打つときに は杵で打つわけですが、滑りをよくするような目的で、国内はもちろん世界的にも非常 に広く使われている添加剤でございます。そのように医薬品分野で汎用されてきたわけ でございます。  一方、食品分野におきましても、JECFAにおいての安全性評価が既に終わってお りますし、アメリカでは、いわゆるGRAS物質、一般的に安全だと考えられるものと して広く使用することが認められておりますし、ヨーロッパにおいても認められている ところでございます。  今回、ステアリン酸マグネシウムを、カプセル・錠剤である保健機能食品に滑沢剤等 として用いる、それは製造用剤という区分に当たるわけでございますが、その製造用剤 として用いることについて、前にこの分科会で御議論いただきましてつくりましたガイ ドラインに基づいて、指定の要請がなされたところでございます。  5の「有効性」のところで、先ほど、滑沢剤、滑りをよくすると申し上げたわけでご ざいますが、その滑りをよくする効果について資料が提出されております。3ページで ございますが、(2)として、流動性についても資料が提出されているところでございま す。  また、 (2)の「食品中の栄養性成分に及ぼす影響」ですが、栄養性成分について大き な変化がないこと示されております。  そこで、3ページの中ほどにございます6「体内動態」、さらには4ページの7「安 全性」、ここが、先ほどから繰り返し申し上げております食品安全委員会のマターにな りますので、現段階では、この審議会の審議からは基本的に離れておりますので、この 点については省略させていただきます。  次に6ページでございます。9番に「1日摂取量について」というものがあります。 今回の部会のレポートでは、まずADIを設定する必要がないと評価したことから、一 日摂取量の推定は要しないという御結論をいただいているわけでございます。この「A DIを設定しない」という結論に対して、食品安全委員会から、資料1−6でございま すが、「『ADIを設定する必要はないものと考える』という結論については妥当と考 える」という御回答をいただいております。即ち食品安全委員会においても、ADIを 設定する必要はないという結論に達しているわけでございます。  そこで、資料1−1に戻りますけれども、9の「1日摂取量について」につきまして は、ADIを設定する必要がないという観点から、「1日摂取量野推定は要しない」 と。  10ですが、「使用基準」につきましては、保健機能食品のガイドラインに基づくとい うことですので、保健機能食品に係るカプセル剤、錠剤の製造以外の用途に使用しては ならないという使用基準を設けるべきというのが部会の結論でございます。  さらには、11の「成分規格」につきましては、最初に申し上げました日本薬局法を参 考に案が提出されております。  これらの点につきまして、いわゆるパブリックコメントをやったわけですが、それが 資料1−3でございます。次々と資料が飛んで恐縮でございますが、資料1−3を御覧 いただきますと、パブリックコメントを4月4日から5月6日まで約1か月間行いまし た。いただいた御意見は4件で、2ページを御覧いただきますと、ステアリン酸マグネ シウムの成分規格及び試験方法において、融点の項目を削除するべきではないかという 御意見でございます。これらについて専門家とも協議させていただきましたけれども、 結晶状態などによって大きく変化する、あるいは、JECFA、日本薬局方、米国薬局 方、そういうところについても融点は記載されていないという点から、融点については 削除することが適当ではないかという御結論を賜ったところでございます。  また、残りの3件は、速やかに指定あるいは使用基準改正をしてくださいという要望 でございます。  以上がパブリックコメントの結果ですけれども、もう一つ、WTO条約に基づきまし て、WTO通報も行っております。この件につきましては意見をいただいておりませ ん。  したがいまして、食品安全委員会の結果、パブリックコメント、WTO通報の結果が 出てまいりましたので、この部会の報告を中心に御議論を賜ればありがたいと考えてい る次第でございます。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  御案内のようなことですが、この前の分科会のときに、食品安全委員会とこの分科会 との関係が少しわかりにくかったということで今のように説明していただきました。  それと、説明にありましたように、いわゆる制度の移行期ということがあって、資料 1−1は、本来は食品安全委員会が作成するべきものなのですか。 ○基準審査課長  先ほど御説明申し上げました代謝と体内動態と安全性のところは、今後、食品安全委 員会の中で作成されていくものだろうと考えております。 ○吉倉分科会長  ということで、過渡期なものですから資料が入り交じっていますが、そのうちに整理 されるだろうと思います。  それから、今回、資料があちこち行っているので、次回からは、食品安全委員会から こういう報告が来たのでここではこうというぐあいに少し整理していただくと、頭の整 理ももう少しいいのではないかと思います。  それでは、先ほどの食品添加物の指定等の流れを含めて、何か御質問、御意見をお願 いします。  先ほどの説明にもありましたように、資料1−1の最後のページで、簡単に言うと、 途中経過はどうであれ、WTO通報、パブリックコメントも済んだ状況でここに上がっ てきた、そういう経緯のものを今我々は目の前にしているという状況で、審議会として はステアリン酸の食品添加物への指定の可否についていかがかということです。内容 は、先ほど説明されたとおりです。  お願いします。 ○羽生田委員  ちょっとお伺いしたいのですが、資料1−6で、食品安全委員会からの答申の中で、 いわゆる「ADIを設定する必要はないものと考える」という結論に対して、妥当であ るということですが、2ページ目の「乳幼児〜小児がマグネシウムを過剰に摂取するこ とがないよう、注意喚起の表示を行う等、適切な措置が講じられるべきである」という ことで、一部矛盾しているような気がするのですが、この辺ちょっと御説明いただけま すか。 ○基準審査課長  資料1−6の2ページ目は、2番目の議題としてお願いしておりますリン酸三マグネ シウムほかの関係でございましたので、説明は省略させていただいたわけでございます けれども、今ここで御説明した方がよろしゅうございますか。 ○吉倉分科会長  次のときでよろしいかと思います。 ○小沢委員  資料1−1の最後のフローチャートのことですが、この指定の流れの中で、厚生労働 省から「申請の確認」とあって、「資料の入手」から左に矢印が出ていて、「安全性に 関する資料」は、厚生労働省が準備して食品安全委員会に資料を出すということなので しょうか。 ○基準審査課長  添加物の指定の場合につきましては、基本的に、要請者が資料をガイドラインに沿っ て出すことをルールとしておりますので、その資料がもとになると考えます。厚生労働 省で、例えばいろいろな研究所からのレポートがあれば、当然それも補足して出すこと になると思いますが、基本は、ガイドラインに則って申請者が出します。 ○吉倉分科会長  この図で言うと、指定等要請者が出したものが厚生省の中をするりと抜けて食品安全 委員会に行くということですか。 ○基準審査課長  安全性に関する資料は安全委員会へ行き、それ以外の資料は、この分科会の下にござ います部会へ行く形になろうと思います。 ○吉倉分科会長  そういう整理です。よろしいですか。 ○小沢委員  はい。 ○吉倉分科会長  ほかにどうぞ。 ○和田委員  6ページの「使用基準」のところですが、これは保健機能食品ガイドラインに基づく 指定要請であることから、このステアリン酸マグネシウムは、保健機能食品以外のカプ セル剤、錠剤の製造には用いてはならないという結論は、どうしてこうなるのか教えて ください。 ○基準審査課長  平成13年に、この保健機能食品のガイドライン、即ち保健機能食品、いわゆる錠剤タ イプとかカプセル剤タイプ、こういうものを使用していく際には、今回御説明申し上げ ましたような滑沢剤みたいなものとか、いろいろな添加物が必要となってまいるわけで ございます。そのときに、一方では、医薬品分野において添加剤として使われているも のが流用されるのが大半のケースですから、いわゆる普通の添加物の審査のガイドライ ンとは異なるガイドラインを、この審議会の中でつくっていただいたところでございま す。通常の場合と比べて、若干、そういった使用経験を踏まえて簡略化されておりま す。その簡略化されたガイドラインに基づいてこれを認めるのであるから、その簡略化 された範囲内にとどめおいておくべきではないかというのが部会における結論でござい ます。 ○吉倉分科会長  使用を限るということですね。 ○和田委員  わかりました。 ○吉倉分科会長  先ほどのWTO通報の話は、私はよくわからなかったのですが、どういうことです か。 ○基準審査課長  WTO条約の中のSPS協定というものがありまして、衛生検疫措置に関する協定と 申しておりますけれども、新たに食品衛生上の規制を講じる際には、WTO条約加盟各 国に対して予め通報して意見を述べる機会を与えるという措置が条約の中に明記されて いるわけでございまして、通常、90日間のコメント期間を設けることとなっておりま す。今回、新しく指定をする、あるいは、使用基準を設けない、成分規格を設けるとい うことも新たな規制措置という形になりますので、この協定に沿いまして、条約加盟各 国に対して通報したところでございますけれども、意見が出なかったということでござ います。 ○吉倉分科会長  意見がなかったということですね。 ○基準審査課長  はい。 ○吉倉分科会長  それでは、このような食品安全委員会の意見、WTO通報、パブリックコメントを受 けて、この審議会がどういうぐあいにマネジメントを判断するかということですが、い かがでしょうか。  保健機能食品用カプセル剤及び錠剤の製造用途に限っての話ですが、この「ADIは 設定しない」という判断でよろしいかどうか。 ○基準審査課長  申し訳ございません。ADIを設定する、設定しないというのは、食品安全委員会の 判断でございますから、ここの審議会といたしましては、その食品安全委員会の決定を もとに、ステアリン酸マグネシウムを添加物として指定するか否か。さらに、指定する 際に、使用基準はこのような内容、即ち保健機能食品の錠剤・カプセル剤に限るという 内容でよいか。さらには、成分規格としてこれでよいかという3点について、この審議 会としての最終的な御判断をいただければと考えております。 ○吉倉分科会長  どうも失礼しました。  今のように3つ分けるという整理でよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○吉倉分科会長  それでは、繰り返しませんが、そういうことで。  この新しいルールもなかなか難しいですね。  次に行きましょう。 ○基準審査課長  またいろいろな資料に分散されておりますので恐縮でございます。参考資料1を御覧 いただきたいと存じます。  参考資料1の後半部分に、リン酸三マグネシウムの食品添加物の指定への可否、さら には2の後半部分、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムの使用基準改正の可否、こ の2点について御審議を願いたいと思います。 ○吉倉分科会長  資料がどれなのか、もう一回お願いします。 ○基準審査課長  中心となる資料が資料1−2でございます。諮問書が参考資料1でございます。さら には、資料1−6と1−7、これが食品安全委員会からの回答でございます。  参考資料1は諮問書ですので説明を省略させていただきますけれども、これも9月8 日付で諮問させていただいております。  資料1−2を御覧いただきますと、このレポートも6月27日付ですので、7月1日以 前のものですので、先ほど申し上げましたように、食品安全委員会とこの審議会との役 割分担がされる前の資料でございますから、安全性に関する技術もこのレポートの中に は含まれていることを申し上げておきたいと思います。  また、ここで御審議いただきますのは、先ほど羽生田委員から御指摘があった、いわ ゆる栄養強化目的として使われるマグネシウムの扱いの件でございます。まず最初に、 羽生田委員から御指摘がございました資料1−6について御紹介したいと思います。  資料1−6が食品安全委員会の回答でございますけれども、この下から3行目のとこ ろ、「リン酸三マグネシウムについて、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添 加物合同部会において行われた『安全性への懸念は少ないと考えられる』」、即ちそれ が部会レポートの結論でございますけれども、こういう評価結果は委員会として妥当だ という御結論でございます。それに加えまして、その2ページ目ですけれども、安全委 員会から意見が付されておりまして、「栄養強化の目的でマグネシウム塩類を添加した 場合には、乳幼児〜小児がマグネシウムを過剰に摂取することがないよう、注意喚起の 表示を行う等、適切な措置が講じられるべきである」という意見を賜っております。  また、資料1−7が、分子式は若干違いますが、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシ ウムということで同じくマグネシウムでございまして、これについての安全委員会から の結論でございます。「その安全性は他のマグネシウム塩と同程度であると考えた」と いう評価結果は、委員会として妥当であると考えるという結論と、同じく2ページに、 先ほどと全く同じ意見が述べられております。  その安全委員会の結論並びに意見を踏まえた上で、資料1−2を御覧いただいて御検 討を賜ればと考えているところでございます。  資料1−2の2ページでございます。ここで、マグネシウム全体についての背景、内 容をまとめていただいております。1として、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の中に は、添加物として指定されている、あるいは、添加物としての規制の対象となるわけで ございますが、いわゆる栄養強化目的で使用されるものがある。そのうち、現在、ミネ ラルについては、鉄とカルシウムが指定されている。平成11年6月の第6次改定の「日 本人の栄養所要量」、これは厚生労働省でまとめているものですが、これによります と、マグネシウムが栄養素として追加になり、その所要量が規定されたということがご ざいまして、マグネシウムの栄養強化目的での添加物としての指定あるいは使用基準に ついて要請が相次いだところでございます。  2でございますが、マグネシウムの一日摂取量について述べているわけでございま す。これが食品安全委員会の意見の背景になっているわけですか、平成13年度の国民栄 養調査によりますと、マグネシウムの摂取量は、各個人によってかなり大きなばらつき があることが特徴ですが、国民全体で見ると、平均摂取量は平均所要量を満たしてい る。(2)ですが、15〜49歳の群では、平均摂取量が平均所要量を満たしていない、不足 傾向を示している。一方、(3)ですけれども、1〜6歳児においては、平均摂取量が平 均所要量の2倍程度に達しているということが国民栄養調査の調査結果、即ち添加物と して使う、使わないは別として、摂取量が1〜6歳では所要量の2倍程度に達している ということでございまして、この点について注意喚起の表示を行うなど、適切な措置を 講じてほしいというのが安全委員会からの意見だろうと考えております。  資料1−2の2ページ目の3、安全性に関しましては、先ほどと同じように食品安全 委員会のマターですので、基本的には省略させていただきます。  これらがマグネシウムを取り巻く状況の一般論ですけれども、その上で、個別物質に ついて、4ページに、まずリン酸三マグネシウムについておまとめいただいておりま す。4ページの4の「起源又は発見の経緯及び使用状況等」を見ていただきますと、既 に指定されているマグネシウムが5つございます。5つのマグネシウムが指定されてい るわけでございますが、その中でも、第2パラグラフ、「リン酸三マグネシウムは難水 溶性のため苦味が少なく、嗜好性の高い加工食品を提供することが可能となる」という ことが書かれておりますし、JECFAにおいても安全性評価が終了し、アメリカで は、一般に安全と認められる物質(GRAS物質)として取り扱われている。さらに、 EUでは、食品成分として栄養強化目的として流通可能となっている。コーデックスの 基準というのは、添加物部会ではほとんどつくられていないのですが、これは添加物部 会ではなくて乳製品部会でつくられた基準ですけれども、ミルク及びクリーム等の固結 防止の目的で使えると、固まるのを抑制するということが定められております。即ち、 JECFAでも安全性評価が終わり、アメリカやEUでも認められているというもので ございます。  それに対しまして、5「有効性」ですが、官能試験の結果が報告されておりますし、 (2)として安定性、さらには5ページ目の (3)で栄養成分に変化がないことが調べられ ているわけでございます。  6の「体内動態」、7の「安全性に関する知見」については、先ほどと同様、省略さ せていただきます。  6ページでございます。8の「使用基準」が、この分科会での御議論の対象の一つで ございます。「安全性に関する知見」の方に記載したとおり、安全性上の懸念は少ない と考えられることから特段の使用基準は設定する必要はないのではないか。しかしなが ら、安全委員会の意見と同様のことを考えておりまして、平均所要量を上回るマグネシ ウムを摂取している可能性が示唆されていることから、専ら乳幼児〜小児が食する食品 に対しては、マグネシウム塩の添加を控えるよう通知しろという御意見を賜っておりま すので、事務局といたしましては、仮にこれを指定し、使用基準を設けない場合におい ても、このような通知をしたいと考えております。  さらに、安全委員会からは、表示もしてはどうかという御意見を賜っておりますの で、表示につきましては、栄養機能食品としてのマグネシウム全体について今見直しを しておりまして、恐らく本年度中にでもこの審議会に御相談をすることになろうかと思 いますので、その中で表示については御議論を賜れればと考えている次第でございま す。乳幼児あるいは小児が、平均所要量を上回る摂取をしている可能性については、第 1段階として、専ら乳幼児〜小児が食する食品については添加を控えるよう通知をした い。第2段階として、本年中あるいは本年度中になるかもしれませんが、栄養機能食品 としての表示は全体の中で審議会に正式にお諮りをしたい。その2段階で対応させてい ただきたいと考えている次第でございます。  9の「成分規格」ですが、JECFA規格等を参考に、水和物に関する規定を整備し て原案をつくっていただいております。  このような部会での御意見を賜った上で、パブリックコメント、さらにはWTO通報 をしたわけでございますが、いずれも御意見はありませんでした。  次に7ページでございます。「酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムの使用基準改 正について」という表題になっておりますが、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウム については、既に指定がされております。指定されて使用基準が定まっているわけです が、その使用基準を見直そうとするものです。  それでは、現行、どのような使用基準があるかということですが、8ページの「(参 考)」となっていて「現行使用基準」と書いてあり、酸化マグネシウム、炭酸マグネシ ウムについて、それぞれ使用基準がこのような形で定められているわけですが、この使 用基準を見直そうというのが今回の部会での議論でございます。  7ページに戻りまして、1の「改正の概要」のところに、現在指定されている5種の マグネシウム塩のうち、今回対象としている2品目、酸化マグネシウム及び炭酸マグネ シウム、これ以外の3品目は、使用基準は定められていない、制限していない。一方、 この2品目だけ使用基準が設定され、現在、栄養強化の目的で使用することが認められ ていないという状況が説明されております。  2の「安全性に関する知見」は、先ほどと同様省略させていただきます。  3の「外国における状況について」は、コーデックスはミルクの部会で、ミルクの固 結防止として用いることが定められております。それ以外は、特段の基準は定められて いません。EUでは、炭酸マグネシウムにつきまして、ここはチョコレートについては 制限がございますが、その他は制限がありません。酸化マグネシウムは食品扱いで自由 に使える形になっております。アメリカではこの2品目とも食品成分として自由に使え る扱いになっております。  4の「使用基準」でございますが、使用基準としては、ほかのマグネシウム塩と安全 性上の懸念は同等であることから、特段使用基準を定める必要はないというのが部会の 結論でございまして、8ページでございますが、マグネシウム全体については、先ほど 申し上げましたような、リン酸三マグネシウムと同様のことをやってはどうだろうかと いうことを部会で御議論賜っているわけでございます。  よろしく御検討をお願いいたします。 ○吉倉分科会長  おわかりになりましたか。何か質問があればどうぞ。  結構ややこしくて、要するにどういうことかということが結構わからないのではない かと思いますが。 ○基準審査課長  要するに、御議論を賜るのは、まずリン酸三マグネシウムについては、添加物として 指定するか、指定しないか。次に、そのリン酸三マグネシウムについて、仮に指定する とすれば、使用基準を設けるのか、設けないのか。成分規格はこのような形でいいの か、いけないのか。その3点でございます。  次に、酸化マグネシウムと炭酸マグネシウムについては、使用基準を廃止しようとい うのが部会からの提案でございますから、これでいいのかどうかという点について御議 論を賜れればありがたいと思います。 ○吉倉分科会長  いかがでしょうか。 ○柳川分科会長代理  有用成分としてマグネシウムが最近では注目されていることが感じられますし、国民 栄養調査では、15〜49歳のところでは平均摂取量が所要量を満たしていない、不足傾向 であるということが書いてあって、強化する一つの理由なのかもしれませんが、これが 不足すると一体どういうことが起きるかということと、添加する意義がどうもよくわか らないので、それを教えていただきたい。安全性については、今いろいろ説明がありま したのでよくわかりましたが、添加する意義と、不足すると一体どのようなことが起こ るのかということ。栄養強化という目的が書いてありますので、そういう観点から教え ていただきたいと思います。 ○吉倉分科会長  安全委員会でのその辺の評価はどうなのかという質問だと思います。 ○基準審査課長  安全委員会は安全性しか審議しませんので、マグネシウムが欠乏したときにどうなる かということは、平成11年6月にまとめられた「日本人の栄養所要量」の記述をもって かえさせていただきたいと思います。基本的な考え方が述べられておりまして、「マグ ネシウムは骨に含有されており、骨はマグネシウムの貯蔵庫である。骨からマグネシウ ムが遊離され、その際に副甲状腺ホルモンが関与するとされている」とありますが、な ぜ必要かは書いてないようです。 ○柳川分科会長代理  後で、出てきたらで結構です。 ○吉倉分科会長  結局、これは簡単に言うと、食っているから大丈夫だという話ですか。一口で言え ば。 ○基準審査課長  栄養素としては米国でも指定をされているとか、そういう記述はあるのですが、その 効果は一体何かという点については、どうも明確にはされていないようです。栄養素と して指定した「日本人の栄養所要量」という冊子を見る限り、明確には記述されていな いようですので、そういう意味から申し上げますと、先ほど申し上げました栄養機能食 品の中で御議論を賜ればありがたいと思います。  企業からの提出資料によりますと、血管壁や平滑筋、細胞内へのカルシウムの流入を 阻害し云々と。血管壁への作用ということなのでございましょうか、カルシウムチャン ネルへの影響ということだろうと思います。カルシウム拮抗剤的な機能を有するという 表現がありますが、その点については幾つかの文献も公表されているようでございま す。  さらには、糖尿病性の網膜症、骨粗鬆症にマグネシウム欠乏が関与している報告もあ るということでございますので、議論の余地があるところかと思います。 ○吉倉分科会長  柳川先生の質問は、ここに「不足傾向を示している」となっているが、一体何をもっ て不足傾向を示しているのかという話なのかなと思います。 ○基準審査課長  標準的な所要量につきましては、成長期のマグネシウムの3〜6歳男女児を対象とし た出納試験が行われていて、3ミリが必要最小量とされている。これにアメリカの18歳 の必要量との中間値、アメリカでは5ミリだそうですが、3ミリと5ミリの中間値であ る4ミリを日本人の必要量として、体重を乗じ、さらに 1.2を乗じて所要量とするとい うやり方でございます。成人につきましては、日本人成人男女それぞれの出納試験、ア メリカの出納試験、ここから出してきたとされています。一方の摂取量は、国民栄養調 査に基づくものです。 ○吉倉分科会長  要するに、数字として少なそうだという話ですか。 ○基準審査課長  そのとおりです。 ○吉倉分科会長  何か被害があったということではなくて、数字として少ないからと。 ○基準審査課長  はい。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。  私は慣れないせいもあって、議論の進め方がなかなか難しいのですが、ここで決めな ければいけないことは、1つはリン酸三マグネシウムの食品添加物としての指定で、こ れは指定しないと使えないわけですよね。だから、これを食品添加物として使えるよう にしてはどうかということについて、どうお考えになるか。  2つ目は、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムの使用基準改正ですが、この2つ は既に指定されているわけですね。指定はされているけれども、使用基準が、8ページ にあるように、現在、食品の製造または加工上必要不可欠な場合とか、炭酸マグネシウ ムについても同じようなことが書いてあります。炭酸マグネシウムについては、残存量 が書いてありますけど。  こういうものを、今のようなことで、こういう基準は必要かどうか。その辺の御判断 です。こういう基準を外したからといっても指定は残るから、炭酸マグネシウム、酸化 マグネシウムは、添加物として使用できる。ただ、使用するけれども、使用基準をこの まま残しておくかどうか、そういう話ですが、いかがでしょうか。 ○井村委員  先ほどから何度も話が出ておりますように、ちょうど過渡期でしたので、添加物部会 と毒性部会の合同部会でも、安全性の議論にかなりの時間を費やしていたわけですが、 今のような議論が出てきますと、私としては、困ったなと思うのです。  つまり、安全性に問題がないので、業者から申請があった場合に、それを、いけない という根拠がなければ、それは恐らく認めてよいだろうという、そういう基本的な立場 があるのではないかと理解しております。ですから、今の使用基準は、安全性の面から 全く問題はないという考え方に立てば、撤廃していいだろうと判断するわけです。  それから、今、柳川先生がおっしゃったように、本当にそんなことをする必要がある のかとなりますと、今既に認められているほかのマグネシウムの化合物があるわけで、 それと横並びで、もし安全性に問題がなければこれも強化剤として使ってもいいのでは ないかという話になるわけです。それはだめだと言うわけにはいかないだろうというこ とで、私は気分としては柳川先生と同じ気分ですが、取扱いとしては、そうならざるを 得ないのではないかと考えております。いかがでしょうか。 ○吉倉分科会長  いかがでしょうか、御意見をどうぞ。  井村先生のコメントは、リン酸三マグネシウムを、食品については横並びでこれを外 す理由はないということですね。 ○井村委員  使用基準についても安全性に問題がないのであれば、それでいいだろうということで す。 ○吉倉分科会長  それについて、相変わらず要るとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、そ れはここで判断してよろしいかということですが。  それでは、御意見がないということで、パブリックコメントもありませんから、リン 酸三マグネシウムの食品添加物としての指定をするということが1つ。  それから、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムについては、使用基準を、これは 削除ですか、どういう言い方をしますか。 ○基準審査課長  法的には削除になると思いますが、使用基準を撤廃するということだろうと思いま す。 ○吉倉分科会長  それでは、そういうことで合意が得られたということだと思います。  次は何になりますか。お願いします。 ○基準審査課長  次は、アセスルファムカリウムの使用基準改正についての御審議を賜りたいと思いま す。諮問書は、参考1の2番の最初、アセスルファムカリウムの使用基準の改正の可否 について御議論を賜るものでございます。  まず、食品安全委員会からの回答を御紹介したいと思いますけれども、資料1−8で ございます。資料1−8が食品安全委員会からの回答でございまして、アセスルファム カリウムについて、「一日摂取許容量(ADI)を0〜15mg/kg/日と設定するとの評 価の結果は、当委員会として妥当と考える」という評価結果でございます。  その上で、資料1−4を御覧いただきたいと存じます。資料1−4が、先ほどと同様 に、6月27日付の毒性部会と添加物部会からの報告書でございます。  2ページをお開きいただきたいと存じます。アセスルファムカリウムは、平成12年4 月に指定された甘味料でございまして、使用基準が定められているわけでございます。 その中で、今回議論していただこうとしておりますのは、2ページ目の下半分に表形式 になっておりますけれども、これが現行の使用基準でございます。この下線の部分、 「栄養機能食品(錠剤に限る。)」で「 6.0g/kg」というのが部会での結論ですけれ ども、これが使用基準の改正部分でございまして、これが適当かどうかをこの分科会で 御議論を賜りたいと思っている点でございます。  3ページでございます。3の「安全性に関する知見」は省略させていただきます。  まず、5の「有効性に関する知見」から御紹介したいのですけれども、このアセスル ファムカリウムを錠剤の形状にした栄養機能食品ですから、ミネラルとかビタミンを含 んだ錠剤を考えていただければありがたいのですが、それに使用した場合の苦味、酸 味、こういう試験が行われているわけでございます。具体的には、1kg当たり 3.5g〜 8gの幅で試験が行われております。もちろん、このアセスルファムカリウムの量が少 ないと甘味がありませんし、このアセスルファムカリウムというのは、あまり多いと苦 いということで、多すぎると苦味が出てくるということで、どれくらいが一番いいかと いうことを 3.5gから8gの間で試験がされているわけでございます。1kg当たり5g 程度が試験結果として、甘味あるいは苦味の点からベストであったという試験結果でご ざいます。  もう一つは、既にEUで使われているわけですが、その使用実態を見ますと、1kg当 たり 4.7〜 5.4g程度使われているというようなところから、部会におきましては、1 kgあたり6gが適当ではないかという結論になっているわけでございます。この1kgあ たり6gということで計算したものが、3ページの4「一日摂取量」のところでござい ますが、1kgあたり6gで最大使用量を乗じて計算しますと、ADIの35.4%、あるい は39%から40%程度となるけれども、いずれにしても、ADIを下回っているというの が、この4の「一日摂取量」の試算のところでございます。  6の「その他」ですけれども、EUにおいては、錠剤の栄養機能食品も含めてすべて 使われることが認められております。アメリカにおいては、アセスルファムカリウム は、飲料、菓子、ヨーグルトなどに限られていて、現在のところ、このような栄養補助 食品については使用が認められておりません。  また、パブリックコメントをやっておりまして、その資料が1−5でございますが、 意見はございません。WTO通報におきましても、同様に意見はございませんでした。  したがいまして、基本となるのは資料1−4になろうかと思いますけれども、これに 基づきまして、使用基準として、資料1−4の2ページにございますとおり、栄養機能 食品(錠剤に限る)について、 6.0g/kgという使用基準を新たにつくることが適当で あるかどうか、この分科会において最終的な御結論を賜ればと考えております。よろし くお願いいたします。 ○吉倉分科会長  栄養機能食品については、今まではなかったわけですね。 ○基準審査課長  栄養機能食品に特記したものはございません。したがいまして、仮に栄養機能食品に 現段階で使うとなると、3ページ目の一番上に「その他の食品」がございますから、こ こが適用となりまして、1kg当たり0.35gであれば、現在も栄養機能食品に使うことは 可能ですが、苦味、甘味から申し上げて、0.35g/kgでは役に立たないのが現状だろう と考えております。 ○吉倉分科会長  これについては、錠剤に限るというわけです、1kgについて6g以下でいかがでしょ うかということです。  井村先生、何かありますか。 ○井村委員  特にございません。安全性のところはスキップするとすれば、特にありません。 ○吉倉分科会長  何か御意見ございますか。 ○丸井委員  意見ではないのですが、栄養機能食品であれば、どんな種類のものでも構わないとい うことになりますか。中身が何であっても、何からつくられた栄養機能食品であっても 構わないわけですか。 ○基準審査課長  そのとおりでございます。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。  もしもなければ、基準改正、 6.0g/kgでよろしいですか。                  (異議なし) ○吉倉分科会長  それでは、一応ここまでの議論が済んだのですが、薬事・食品衛生審議会規定第3条 の規定に基づいて、分科会の議決をもって審議会の議決として厚生労働大臣あてに答申 しなければなりません。  今、答申案が配られていますが、まずはお読みになってください。  これは読み上げますか。 ○事務局  事務局から読み上げます。                    答申書  平成15年9月8日厚生労働省発食安第 0908001号をもって厚生労働大臣から諮問され た食品添加物の指定及び使用基準改正については、下記のとおり答申する。                     記 1. ステアリン酸マグネシウムについては、人の健康を損なうおそれはないことか   ら、食品添加物として指定することは、差し支えない。なお、指定に当たっては、   別添1のとおり使用基準及び成分規格を設定することが適当である。 2. リン酸三マグネシウムについては、人の健康を損なうおそれはないことから、食   品添加物として指定することは、差し支えない。なお、指定に当たっては、別添2   のとおり成分規格を設定することが適当である。 3. 酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムについては、現在定められている使用基   準を廃止して差し支えない。 4. アセスルファムカリウムについては、別添3のとおり使用基準を改正することが   適当である。  なお、栄養強化の目的でリン酸三マグネシウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシ ウムを添加した場合における表示については、マグネシウム塩類全体の栄養機能食品と しての取扱いの中で検討する。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  1のステアリン酸マグネシウムで、「別添1のとおり、使用基準及び成分規格を設 定」とありますが、使用基準は、カプセル剤及び錠剤以外の食品に使用してはならない ということですよね。それから、成分規格はその下に出ていますね。  2番目のリン酸三マグネシウムについては、別添2で、使用基準は「設定しない」 と。成分規格はそこに出ています。そのときに、融点を変えたのはステアリン酸の方で したかね。  それから、酸化マグネシウムについては、どうでしたか。 ○基準審査課長  先ほど御議論していただいたように、使用基準を削除するということですので、これ は別添はありません。 ○吉倉分科会長  それから、アセスルファムカリウムについては別添3ですね。 ○基準審査課長  6ページの上から5行目の中ほどから、「栄養機能食品(錠剤に限る。) にあってはその1kgにつき 6.0g以下」のところでございます。 ○吉倉分科会長  そのような別添を付けてこういう答申を出すということですが、いかがでしょうか。 よろしいでしょうか。                  (異議なし) ○吉倉分科会長  それでは、このような答申を出すということで、ここは終わります。  次の議題に進みます。説明をお願いします。 ○基準審査課長  どうもありがとうございました。  それでは、議題の2番目、動物用医薬品のカルバドックスに関する基準改正について 御議論を賜りたいと思います。諮問書は参考2でございます。参考2を御覧いただきま すと、9月8日付で大臣から審議会にあてて、カルバドックスの基準改正について諮問 がされております。  この件につきまして、まず食品安全委員会の回答でございますが、資料2−3を御覧 いただきたいと思います。8月28日付で、食品安全委員会から大臣あてに、「『カルバ ドックス及びその代謝物であるヒドラジン、デスオキシカルバドックスは、閾値が設定 できない遺伝毒性発がん物質である。』との評価結果は、当委員会として妥当と考え る。従って、カルバドックスについて一日摂取許容量(ADI)を設定することはでき ない。」という御評価をいただいているわけでございます。これも先ほどと同様過渡期 のものですから、この審議会の下にございます部会でのレポートを引用した形になって いるのは、過渡期の措置であるということで御了解賜りたいと思います。  内容について御説明申し上げます。資料2−1を御覧いただきたいと存じます。資料 2−1は、乳肉水産部会と毒性部会からこの分科会に対する報告書でございますが、6 月27日付で賜っております。  資料の2ページを御覧いただきたいと思います。カルバドう。KJックスの基準改正 について御議論を賜るわけでございますけれども、このカルバドックスは、豚の成長促 進あるいは細菌性下痢症の治療目的で用いられる抗菌性物質であって、アメリカ、台 湾、チリなどで使用されており、我が国では、この当時、豚赤痢治療薬として使用され ていたわけでございます。後でちょっと申し上げますけれども、日本国内における使用 も、薬事法に基づく承認が取り下げられまして、現在においては認められておりませ ん。  経緯でございますが、カルバドックスについては、平成7年から審議が始まって、9 年3月に基準値を定めたところでございます。当時、食品衛生調査会で御審議いただい たわけですが、当時の評価としまして、カルバドックスとその代謝物であるヒドラジ ン、デスオキシカルバドックスは遺伝毒性の発がん物質だという評価。しかしながら、 最終的に代謝物として残留するQCA(キノキサリン-2- カルボン酸)は有害な影響は 認められていない。また、ヒドラジン、デスオキシカルバドックスといった発がん物質 が速やかに代謝されて、最終的にはQCAに変化することから問題なかろうという御意 見に至って、カルバドックスについてADIを設定することはできないけれども、最終 的に産物として残るQCAを指標として、豚の筋肉では5ppb 、肝臓では30ppb という 基準をつくったわけでございます。さらに、当時、90年にはJECFAで同様の基準値 が勧告されており、コーデックスでも国際基準としてこの基準が定められておりまし た。  次に、2「審議概要」の安全性のところは省略いたしますけれども、最初に申し上げ ましたように、安全委員会での審議結果として、カルバドックス及びその代謝産物であ るヒドラジン、デスオキシカルバドックスは、この部会での評価と同様に閾値が設定で きない、ADIが設定できないという評価になっております。  3ページでございます。残留の試験成績ですけれども、新しい試験データが提出され たところでございまして、3ページの表を御覧いただきますと、肝臓におけるカルバド ックスあるいはその代謝産物の残留試験の結果でございます。この「休薬期間」の下か ら2番目の10日あるいは15日のところを見てみますと、一番右の「キノキサリン-2- カ ルボン酸」の「処理なし」のところを見ていただきたいのですが、下から2番目が17〜 28ppb 、一番下が16〜21ppb という、即ち肝臓の基準が30ppb ですから、それよりも下 回っているわけでございます。当時、基準をつくったときには、30ppb であれば、左欄 の「カルバドックス」、あるいは、真ん中の「デスオキシカルバドックス」は、残留は 認められないだろうということを前提にしていたわけですが、この結果から見てみる と、真ん中の「デスオキシカルバドックス」の欄の下から2番目で0.19〜0.29、一番下 で0.08〜0.22ということで、QCAが基準値の30ppb 未満であっても、発がん物質であ るデスオキシカルバドックスが残留しているという実態がこのデータから明らかになっ たわけでございます。  このために、4ページですが、 (3)の「JECFAでの概要」は安全性の問題です し、 (4)の「意図的に使用される遺伝毒性発がん性物質について」、 (5)「試験方法に ついて」はあれでございますけれども、30ppb という基準では十分ではないと、発がん 性が懸念されるカルバドックスあるいは一部の代謝物質が残留しないことを担保するこ とが困難であるという御結論でございます。5ページでございますが、基準値を新たに 「不検出」としようというのが部会での御提案でございます。  これに基づきましてパブリックコメントを行いましたが、その結果が資料2−2でご ざいます。御意見を3ついただいておりまして、1つが、カルバドックスを使用した食 肉が販売・流通しないよう、取締り、モニタリングの強化、分析法の開発を要望すると いうものでございます。特に分析法の開発は、現在、国立医薬品食品衛生研究所を中心 に行っていただいているところでございますし、モニタリング等については引き続き厳 格に行っていきたいと考えております。  意見の2が、カルバドックスについて、国内の動物用医薬品としての使用禁止をする ように勧告しろということでございますけれども、これは、6月26日に公表した資料で ございますが、農林水産省に確認したところ、既に、薬事法に基づいて、このカルバド ックスの承認は取り下げられ、現在においては、製造・輸入・使用は禁止されておりま すので、この御要望については満足されていると考えております。  意見の3でございますが、基準を設定する際に分析法をつくれということでございま す。我々、基準をつくる際には分析法をつくることを原則としております。ただ、この 場合には、30ppb あるいは5ppb というレベルからもっと下げるということで、新たな 分析法の開発に現在取り組んでいるところでございまして、開発でき次第、新たな分析 法に変えていきたいと考えております。これがパブリックコメントの結果でございま す。  一方、WTO通報も行いましたけれども、WTO通報上は、意見はございませんでし た。  以上でございます。  即ちカルバドックスの基準値を、肝臓で30ppb 、筋肉で5ppb という基準値を、両方 とも「不検出」に改めるという基準の改正の可否について御審議賜れればと思います。 よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  いかがでしょうか。 ○小沢委員  カルバドックスにつきましては、私どももかねてからそういう問題意識を持っていた ものですから、今回の「不検出」という整理は、当面は適切なものだと考えます。  ただ、たまたま部会での御論議を読ませていただきました中で、御論議は多分あった と思いますが、閾値がとれない発がん物質の取扱い問題については、意見の一致がみら れなかったという御様子があって、そうしたことを今後はどうするのかというような宿 題が残るのではないかという気がいたしますが、その辺をどうするのか。あるいは、E Uでは、以前、飼料添加物として使用していたけれども、現在は廃止されていると聞い ております。ということで、今後は、「不検出」というよりも、使用禁止の措置がとれ ないのだろうかという気分でございます。  それと、「不検出」の基準ですが、さらに現在の定量限界より高感度かつ実用的な方 法を開発する、今は開発中であるとお話がありましたが、とすると、今、「不検出」と するときの基準になるものは一体何なのかという質問でございます。 ○基準審査課長  質問は3つございました。まず最初が、閾値がない発がん物質の取扱いについてとい うことだろうと思います。資料2−1の4ページ目の中ほど、 (4)「意図的に使用され る遺伝毒性発がん物質について」の項を指されているのだろうと思います。ここで書い ておりますのは、意図的に使用される遺伝毒性の発がん物質、例えば動物用医薬品とか 添加物がこれに該当すると思いますが、アメリカにおいては、一部の分野において発が ん物質の発がんに対するリスクを定量的に評価して、生涯リスクスとして 100万分の1 のリスク、このリスクは、雷に当たって人が死ぬリスクとほぼ同じだと言われているの ですが、それくらいのリスクであれば許容されるのではないかという考え方に立って、 食品衛生規制を組み立ててきているわけでございます。  一方、我が国におきましては、JECFAの考え方も基本的には我が国の考え方と同 じですけれども、遺伝毒性のある発がん物質についてはADIが設定できない、残留し てはならない、添加物であれば使用してはならないということを基本にしているわけで ございます。もちろん、最終産物に残らないとか、そういうものの場合にはそういう取 扱いもありますが、基本は、残留なし、使用なしを基本にしております。  そこで、アメリカ的な考え方を採用できないかどうかということを、この部会の中で も議論したのだけれども、そういう方向への変更は、端的に言うと時期尚早、新たな合 意を得られなかったということがこの部会の結論でございまして、現在の方針にそって 規制措置をすることが適当ではないかということから、残留してはならない、「不検出 」ということで部会から分科会に対して提案がされているところでございます。  2番目の、使用禁止にしたい気分だとおっしゃいましたが、食品衛生法でございます から、動物用医薬品の使用禁止にはなかなかまいりません。それは法的にも困難なわけ です。ただ、我々の評価結果、現在で言うと食品安全委員会の評価結果になるのだろう と思いますが、これを農水省、即ち薬事法を所管する部局に伝えることもまた我々の責 任だと考えておりますから、現実問題としてはそのようなことをやって、承認が取下げ になって、結果的には製造・輸入・使用が禁止されたと御理解を賜れればありがたいと 思います。  3番目の「不検出」というのは、当然、試験方法についての「不検出」でございまし て、当分の間、現在告示している試験方法を使うしか方法がなく、これをできるだけ検 出限界を下げていくために、現在開発をお願いしております。新しい試験法が開発され 次第、それに乗り換えることを考えているところでございます。 ○吉倉分科会長  3ページに表があって、「残留試験結果」というものがありますが、「不検出」とい う場合には、「処理なし」というものですか、それとも、「抽出にあたり酵素の処理を 行った場合」ですか。ここのところがよくわからないのですが。「不検出」の定義は何 ですか。 ○基準審査課長  「処理なし」のところに該当します。  この表は、残留物質を極限まで測定するということで、3ページ目の上から6行目、 「分析法は新たに開発されたHPLC-MS/MSを用いた方法により実施され」と書いてありま すが、HPLCのマススペクトルを2つつなげた非常特殊なものでやられております。 しかしながら、これを一般的な、例えば検疫所ですとか地方衛生研究所とか、そういう ところでは、この方法は実用的に用いることができません。そのために、現在、実用的 でより高感度な方法を開発しているところでございます。 ○吉倉分科会長  いずれにせよ、カルバドックスを投与したときには、このQCAが一番見つかりやす いということで、これの不検出ということですね。  要するに、残留基準値を「不検出」にすると。  いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 ○品川(森)委員  直接は関係ないかもしれないのですが、参考のためにお聞かせ願いたいのですが、 今、国内の使用は農水の方で禁止して、なくなった。これはいいと思いますが、輸入食 品の場合、輸入した豚肉などの場合に関して、これの使用はどうなりますか。これは使 用しているから輸入は禁止するとかいう規制はないわけですか。そのあたりのところは いかがなのでしょうか。  要するに、検出感度は、「不検出」といっても、検出法の感度が低いからということ で今話が出てきたわけですよね。この表の場合はマスで測定しているから非常に感度が 高い。この方法で輸入食品を規制するわけではないわけですよね。いかがでしょうか。 ○基準審査課長  先ほど、食品衛生法の限界だと申し上げたのですが、使用したということのみをもっ て、それが有害なものが残っているというわけにはまいらないわけですので、あくまで も食品衛生法ですから、残留しているかどうか。それは、国内的にも、外国に対して も。あくまでも残留規制として食品衛生法を運用せざるを得ません。使用禁止にしたの は、それは薬事法の世界の話でございまして、外国に対して薬事法を適用するわけには まいりませんから、使用する、使用しないということは、各国ごとの薬事法的な法律の 運用になるわけでございます。個別具体的に、このカルバドックスで申し上げますと、 EUでは認められていないと聞いております。アメリカ、ニュージーランド等の国々で は使われていたかと思います。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがでしょうか。  それでは、ほかに御異議もないようなので、これも厚生労働大臣あての答申書の案を 配ってください。  読み上げてください。 ○事務局  読み上げます。                    答申書  平成15年9月8日厚生労働省発食安第 0908002号をもって諮問された畜水産食品中に 残留する動物用医薬品の基準改正について、下記のとおり答申する。                     記  カルバドックスについては、次のとおり改正することが適当である。 動物用医薬品・・・カルバドックス ADI・・・・・・カルバドックスとして、設定できない。 残留基準値・・・・キノキサリン-2- カルボン酸(QCA)として、          筋肉(豚) 不検出          肝臓(豚) 不検出  以上でございます。 ○吉倉分科会長  この中で、今回、「不検出」のところだけが変わったわけですね。ADIのところは そのままですね。カルバドックスとしては。 ○基準審査課長  この「ADI」の欄は消させてください。 ○吉倉分科会長  その方がいいですね。「ADI」の欄は削除ということでよろしくお願いします。 ○基準審査課長  先ほど御説明したことと相矛盾いたしております。恐縮でございます。 ○吉倉分科会長  それでは、どうもありがとうございます。こういう形で削除して答申ということにな ります。  次に移ります。 ○基準審査課長  報告事項に移らせていただきます。  報告資料の1を御覧いただきたいと思います。9月5日に急遽この分科会を開催して 御議論を賜りましたサウロパス・アンドロジナス(別名アマメシバ)についての経過報 告をさせていただきたいと思います。  9月5日の分科会の審議を受けまして、報告資料1の本文の第2パラグラフですが、 「サウロパス・アンドロジナス(別名アマメシバ)を含む粉末剤、錠剤等の剤型の加工 食品」について、9月12日付で販売を禁止したところでございます。また、この措置に つきまして、29条2の2の規定に基づく意見の募集ということで、広く国民の意見を聴 くということを、事後ではございますけれども、開始したところでございまして、それ に合わせてQ&A、さらには通知を発出したところでございます。なお、意見の募集は 10月12日までの1か月としております。  2ページ目の別紙1は、9月5日に御覧いただきました、食品安全委員会からの回答 ですので省略させていただきます。  3ページの別紙2は、9月5日付で、分科会の御審議を踏まえて薬事・食品衛生審議 会から大臣あてにいただいた答申でございまして、5日の審議で御確認をいただいたと おり、販売禁止をすることが適当である。なお、その実施に当たっては、緊急を要する ものと考えることから、早急に発動することが適当であるという御意見を賜ったところ でございます。  4ページの別紙3が、12日付で官報に告示した告示内容でございます。  5ページの別紙4はQ&Aでございます。これは、あくまでも事務局の責任で、9月 5日の分科会にも御出席いただきました工藤国際医療センター副院長ほか専門家の御指 導を仰ぎながらつくったものでございます。  Q1ですが、今回適用した条文の規定の趣旨ということで、5日の審議でも申し上げ ましたように、危害発生の未然防止、拡大防止のため、暫定的な流通禁止ができるよう にしたということを書いております。  Q2、なぜ、アマメシバの粉末が対象になったのかということですが、(1)として、 アマメシバによると思われる重度の被害事例が2件報告されたこと、(2)として、台湾 における論文などを挙げております。  Q3、アマメシバとはどのようなものか。Q4、既にアマメシバの粉末を食べている がどうしたらいいか。Q5として、販売禁止の対象となった食品は具体的にどのような ものかということで、5日も御確認させていただきましたとおり、粉末、錠剤のほか、 カプセル、液剤等の剤型の加工食品が対象です。  Q6、生鮮アマメシバは問題がないか。Q7、Q8がいずも生鮮アマメシバをジュー スにしたときですが、Q7は例えば缶ジュース等で売られる事態を想定しているのに対 して、Q8が家庭で生ジュースにすることを想定しております。  Q9が、これまでどのような事例が報告されたのかということ。5日の資料をそのま ま7ページに掲げさせていただいております。  8ページが、5日の部会でも御論議いただきましたけれども、Q10、Q11に、閉塞性 細気管支炎は一体どのような病気なのか、さらに、その診断はどのようにするのか。特 にこの項目は医師向けと銘打ってありますが、専門的な内容になっていることは、そう いう点で御了解いただきたいと思います。  Q12が、諸外国ではどのような情報があるのか。  Q13は、国民からの意見聴取をなぜ事後としたのかという点について述べておりま す。  Q14が、食品安全委員会からも、また、分科会からも因果関係の究明について調査研 究を行うべしということを言っていただいたわけですけれども、厚生労働省といたしま しては、成分分析、動物試験、さらには疫学試験の実施を検討しておりますので、この 結果が出た際には、またこの分科会で御報告させていただきたいと考えております。  Q15、流通禁止措置の解除の手続についてということで、そのようなQ&Aを公表す るとともに、厚生労働省のホームページにも掲げさせていただいたところでございま す。  以上、簡単ではございますけれども、12日付で行いましたアマメシバの流通禁止につ いての御報告にかえさせていただきます。 ○吉倉分科会長  その後ろの別紙5は何ですか。 ○基準審査課長  別紙5は、通知をさせていただいたところでございまして、都道府県あるいは検疫所 に対して通知して内容でございます。その内容で申し上げておりますことは、最初のパ ラグラフで、安全委員会あるいはこの薬事・食品衛生審議会の意見を聞いたということ でございます。第2パラグラフは、それらを受けて、厚生労働省として禁止を決定し、 官報に告示した。そのために、都道府県で監視・指導を行うということでございますか ら、下記の点に留意しつつ、適正な監視・指導を行っていただきたいということを言っ ております。  また書きでございますが、その食品を食べた者で息切れ感等がある人は保健所に申し 出ていただくよう周知をお願いしたい。なお書きで書いてありますのは、国民の意見の 聴取を事後に行うこととしたということが書かれてあります。  11ページでございますが、1番で言っておりますのは、アマメシバにはいろいろな別 名がございますので、その別名を紹介しております。  2番目で、「粉末剤、錠剤等の剤型」の「等」の範囲を言っております。  3番目で、生鮮アマメシバの問題、あるいは、我々が聞きましたのは、ティーバッグ みたいな形で、 0.1%とか 0.2%とかでアマメシバの粉末を含むものがあるという情報 に接しましたので、そのような微量なものまでは考えていないということをここに書い てあります。  4番目で、今回流通・販売を禁止しておりますので、法的には、製造は禁止されてお りません。製造しても倉庫に入れておくだけということですと、その行為自体は禁止さ れないわけでございます。ただ、普通は、製造して倉庫に入れておくという事態は想定 されずに、だれかに売るために製造するわけですので、製造されているとかいう事態を 把握した場合には、販売は禁止されていることをしっかり教えて、監視・指導をやって くださいということを言っているわけでございます。  5番目が、違反した場合の罰則を紹介しております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  その後の様子は大体わかったと思います。  ついでに、もう一つの報告事項についても説明をお願いします。 ○企画情報課長  報告資料の2ですけれども、今お話がありましたリスクコミュニケーションについて 整理したものであります。  1ページ目は、御案内のとおり、リスク分析につきましては、昨年のBSE問題の調 査検討委員会報告等によりまして、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーショ ンに分けて進めることになっておりますけれども、リスク評価については食品安全委員 会で行い、リスク管理については厚生労働省・農林水産省においてそれぞれ行うことに なっておりますが、リスクコミュニケーション、いわゆるリスクに対するいろいろな施 策について、それぞれも行うことが食品安全基本法あるいは食品衛生法等に規定されて いるところであります。内容といたしましては、そこの下に書いてありますように、食 品の安全性に関する情報の公開、消費者等の関係者が意見を表明する機会の確保を進め るという内容であります。  2ページ目が、具体的に当方で今進めている内容を書いたものでございます。左側に 「意見交換会」と書いてありますけれども、リスクコミュニケーションは大きく、今の アマメシバのように個別に対応するものと、広く意見交換会を行うようなものがござい ますけれども、その左側のものは2番目の「意見交換会」というものを、これまで行っ たもの、これから予定しているものを書いたものであります。  例えば7月の欄には、改正法の施行に向けて意見交換会を東京や神戸で行ったり、あ るいは、講演の機会に当方から出向いて説明をしたりということであります。9月以降 も意見交換会を金沢等で行います。あるいは、シンポジウム形式で食品の安全に関する シンポジウムを開催しようということで予定しておりますし、来年度以降、さらに充実 したいと考えているところであります。  右側が「情報提供」ということで、厚生労働省のホームページが見にくいという御指 摘もありましたので、今回、見やすくわかりやすい形でバージョンアップした ことと か、政府広報の機会を通じて改正法の内容、輸入食品の関係をテレビ等で紹介をしてお ります。  右下が、アマメシバのこと、あるいは、今回の審議会も公開しているということで、 これまでも行っておりますけれども、審議会の議事を公開すること、あるいは、規制の 設定、改廃等に当たってパブリックコメントを行って意見をいただくことを進めている という御紹介であります。  3ページ目は関係条文ですので簡単にいたします。食品衛生法を今回改正して、8月 29日から施行されている分ですけれども、29条の2の2の1項としていろいろ書いてご ざいます。いろいろな規格基準を設定する場合について、あるいは、輸入食品の監視指 導計画を定めるような場合、そのような場合については、その趣旨、内容、その他必要 な事項を公表して、広く国民の意見を求めるものとするということで、規格基準を定め る場合については意見を求めるということであります。  それから、(2)ですが、都道府県知事等につきましては、県の食品衛生監視指導計画 を定めるような場合については、それを公表して広く住民の意見を求めるということが 書いてありますし、(3)では、今回のアマメシバのように、急ぐ場合は事後において意 見を求めるということであります。  29条2の3につきましては、もう少し広く、定期的な形で意見を求めることの規定が 設けられておりまして、食品衛生に関する施策について、国民または住民の意見を反映 して、あるいは、情報・意見の交換を促進するために施策の実施状況を公表して、広く 国民または住民の意見を求めることが規定されております。  また、食品安全基本法について一番下に書いてございますけれども、政府や自治体に おいて、ここに書いてございますように、国民の意見を反映し、過程の公正性と透明性 を確保するために、情報の提供、意見を述べる機会を付与する、あるいは、情報・意見 交換を促進するために必要な措置を講じなければならないということが規定されており ます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  今までのところで、御質問あるいは何かコメントがありますか。 ○小沢委員  ホームページのことで、前よりも改善されたと思います。前は、どこに何があるのか わからない状態でしたので。ただ、このページに行き着くにも、普通の一般国民が開け るには、まだわからないんです。もちろん、旧厚生省と旧労働省にかかわるいろいろな ことが全部並んでいるので、やむを得ない部分が確かにあると思うのですが、ここにた どり着くために、一番最初に厚生労働省のホームページを開けたときに、これがもっと わかりやすくなることがむしろ大事だと思っております。感想です。 ○企画情報課長  今すぐにどうこうという案はありませんけれども、また考えていきたいと思っており ます。 ○食品安全部長  実は、今やっておりまして、そろそろ公開されるかと思います。食品だけの特別な項 目を1つつくりまして、そこから飛べるように今準備をしております。 ○小沢委員  わかりました。 ○和田委員  今の御説明の中で、リスク評価を食品安全委員会で全部されて、ここの分科会へ持っ てこられたときに、安全性についてはこちらで検討されたのだからということで、それ については一切ノーコメントということになるのでしょうか。 ○基準審査課長  リスク評価については、食品安全委員会で実施をするというのが食品安全基本法の考 え方ですから、例えばこの審議会の中で一切議論してはいけないかという点について は、参考的なことであれば、それは御議論を賜ることも、御意見があることもあるだろ うと思いますが、基本は食品安全委員会であるというのが食品安全基本法の整理である と考えております。 ○和田委員  御説明どおりだと思いますけれども、今日のこういう議論を聞いておりましても、消 化不良みたいな感じがするのは私だけでしょうか。 ○吉倉分科会長  その辺の議論をどういうぐあいに進めたらいいかというのは、私自身も少し迷ってい るところがあります。今日、安全委員会から出てきたのは、わりとストレートなこと で、それほど後に残ることはないように思います。ただ、先ほど、小沢さんでしたか、 意見が一致しないというようなことがあると、多分、食品安全委員会から、ある委員は こういう評価をするし、ある委員はこういう評価をするというものが、もしもここに上 がってきた場合にどうするか。そもそもそういうものが食品安全委員会から出てくるの かどうかということもありますし、そういうところをどう処理していくかというのは、 結局、こういう新しい仕組みができた中で、どういう具合に議論していくかということ をだんだんにつくっていく話ではないかと思います。  ただ、先ほどの点について申し上げると、分科会が評価を左右するのはぐあいが悪い というのはこういうことなんですよ。要するに、マネジメントするのが非常に難しいと します。そうすると、もう少しマネジメントをやりやすいように評価を変えてくれと。 それは困る。そういうところで、今の評価というものはマネジメントと独立してあるべ きだというのはその辺にあると思います。  それでは、安全委員会から出てきたものを、ここでどういうぐあいに実際に行政に移 していくかということに対する返事としては、ここでの議論があり得ると思いますが、 だんだんにやっているうちに、今日も資料があっちに行ったり、こっちに行ったりし て、私も頭がおかしくなりそうでしたが、そのうちに整理されてくると思います。 ○井上委員  リスクアセスメントを申しつかって、そちらの会議も担当してまいった私の立場から しますと、この切り分けは大変ありがたいように思います。と申しますのは、試験結果 がまだ出ていないけれども、リスクマネジメントをやる必要があるかどうかという問題 については、恐らく、ここの先生方、今や僕もその委員になりましたけど、ここでその 結果が出ていないからマネジメントはできないとか、出ていなくてもマネジメントをす るとか、そういったことをリスクアセスメントの結果にかかわらず、ここで独立してお 決めいただけることになります。  従来の流れですと、リスクアセスメントを担当している者にその圧力がかかってきて しまうというところがなかったとはいえません。その結果が出ていないからリスクマネ ジメントができないということもあったように思います。そういうことがなくて、こち らで消費者の方たちの御意見とかが率直に、御検討いただけるというのは、国民感情に 合ったものになるのではないかと思う次第です。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。  アマメシバ、このリスクコミュニケーションはいかがですか、丸井先生。 ○丸井委員  まだパブリックコメントが集まっていないということで、どのようなことになるかわ かりませんが、かなり注意深く公表されたと思います。生鮮ものについては別であると いうことを何か所かでコメントされていますし、Q&Aもそういう意味では念入りにつ くられたなという感じがしておりまして、今回の場合、アマメシバそのものが、それほ ど一般的に、例えば我々が一般的なスーパーで目について買うという種類のものではな いということもあるかもしれませんが、そういう意味での混乱は少なかったのではない かと思います。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがでしょうか。  それでは、事務局から何か連絡があればお願いします。 ○基準審査課長  特にございません。 ○吉倉分科会長  次回はいつごろですか。 ○事務局  現在、予定ではございますけれども、10月に、このアマメシバのパブコメが出てまい りましたら一度予定させていただきたいと考えております。日程調整につきましては、 また先生方に御連絡させていただきたいと考えております。よろしくお願いいたしま す。 ○吉倉分科会長  それでは、本日はどうもありがとうございました。                                       了 照会先 医薬食品局食品安全部企画情報課  03−5253−1111(2449)