03/09/05 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会平成15年9月5日議事録                薬事・食品衛生審議会                  食品衛生分科会                    議事録                厚生労働省医薬食品局          薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会議事次第 日時 平成15年9月5日(金)10:00〜11:45 場所 厚生労働省 経済産業省別館 第1028号室(10階) 1.開会 2.食品安全部長あいさつ 3.議事    アマメシバの粉末等に係る食品衛生法第4条の2第2項の適用について 4.閉会 ○事務局  それでは、定刻がまいりましたので、ただいまから薬事食品衛生審議会食品衛生分科 会を開催させていただきます。  本日は先生方、御多忙のところ急きょお集まりをいただきまして厚く御礼申し上げま す。 本日は、小林委員、品川邦汎委員、品川森一委員、清水委員、早川委員、丸山委 員の6名の先生方から事前に御連絡を頂戴してございます。また、分科会委員の総数20 名のうち14名の御出席をいただいてございまして、過半数に達しておりますので、本日 の分科会が成立いたしますことをまず御報告申し上げます。  なお、本日は参考人といたしまして国立国際医療センターの工藤副院長においでをい ただいてございます。  それでは、まず開催に当たりまして食品安全部長から御挨拶を申し上げます。 ○遠藤食品安全部長  食品安全部長の遠藤でございます。本日は、委員の先生方、御多忙のところを急きょ お集まりをいただきまして誠にありがとうございました。また、平素より食品安全行政 の推進に御協力を賜っておりますことに、この席を借りまして厚く御礼を申し上げま す。  本日は、アマメシバの粉末等に係る食品衛生法第4条の2第2項の適用についてとい うことを御審議賜りたいと思っております。アマメシバという植物を粉末化した加工食 品による健康被害の事例が8月4日に鹿児島市から、また8月22日にはお2方の事例に ついて名古屋市から報告をされまして、それぞれ公表をしたところでございます。  先般改正をされました食品衛生法第4条の2第2項、第3項が今回の改正の主たるも のでございますけれども、この項目が8月29日に施行されたところでございまして、ア マメシバの粉末等の加工食品に対するこの規定の適用につきまして、食品安全委員会に 食品健康影響評価を求め、昨日評価結果について回答を賜ったところでございます。後 ほど御紹介をさせていただきます。  委員の先生方におかれましては、本日この規定に基づく販売禁止の措置について最終 的な御判断をお願いをしたいと考えております。十分な審議をお願いをいたしまして、 私の御挨拶に代えさせていただきます。 ○事務局  それから、8月29日で私どもの方で異動がございましたので御紹介を申し上げます。  まず、高井企画情報課長でございます。  続きまして、三浦食品国際企画調整官でございます。  それでは、以後の進行につきましては分科会長の吉倉先生にお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長  それでは、始めます。では、資料の確認からお願いします。 ○事務局  それでは、皆様方のお手元に配らせていただいております資料の確認をさせていただ きます。  資料は1から10まで、それから参考資料が1から3までございます。  まず資料の1でございます。厚生労働大臣から薬食審への諮問書でございます。  資料2は、厚生労働大臣から食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼でございま す。 資料3が、食品安全委員会の健康影響評価の結果でございます。  資料4が、アマメシバの粉末等に係る食品衛生法第4条2第2項の適用についてでご ざいます。  資料5が、鹿児島市の事例の関連資料でございます。  資料6は、横浜市の事例でございます。  資料7が、名古屋市の事例についてでございます。  資料8が、台湾行政院の衛生省がまとめましたアマメシバに関する報告でございま す。 資料9は、健康食品・無承認許可医薬品健康被害防止対策の要領でございます。  資料10は、関係事業者からの御意見を頂戴してございますので、それを資料といたし ております。  以降、参考資料としまして3つ付けさせていただいております。省略をさせていただ きます。以上でございます。よろしくお願いいたします。  それでは、以後審議に入りますので、カメラの方は申し訳ございませんが、御退席を お願いいたします。                  (報道陣退室) ○事務局  それでは、先生お願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、今日はアマメシバの粉末の食品衛生法第4条2の第2項の適用についてと いうことですが、これは資料の4の4ページのところにありますので参考にされるとい いと思います。それでは、事務局から説明をお願いします。 ○中垣基準審査課長  基準審査課長でございます。お手元の資料に基づいて御説明を申し上げます。  今、分科会長から御指摘のございました資料の4の4ページをまず御説明申し上げた いと思います。食品衛生法におきましては、当然のことながら有毒、有害物質は販売、 流通を禁止するという規定が従前からあったところでございますが、昨年のいわゆるダ イエット健康食品に基づきます健康被害を受けまして、本年の5月に成立いたしました 食品衛生法改正の中で、因果関係がいまだに不十分と申しますか、明確ではないけれど も、必要がある場合には販売を禁止できるというような規定を設けさせていただいたと ころでございます。具体的には4条の2の2項というところでございまして、一般に食 品として飲食に供されている物であって当該物の通常の方法と著しく異なる方法により 飲食に供されているものについて、人の健康を損なうおそれがない旨の確証がなく、食 品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、審議会の意見を聞い て販売を禁止することができるというような条文でございます。  この条文につきましては4項を見ていただきますと、その禁止の全部または一部を解 除するというような規定がございますので、そういった意味でいわゆる暫定的な禁止と いうふうに考えているところでございます。  この4条の2の2項が適用となりますのは、必ずしも国内だけではなくて外国でもい いんだろうと思いますけれども、一般に食べられております。それが通常の方法と著し く異なる、例えば濃縮でございますとか、精製でございますとか、典型的にはそういう 例が当たるんだと解釈いたしておりますが、そういうもので人の健康を損なうおそれが ない旨の確証がない。もちろん因果関係がある程度予想される場合も当然でございます し、それが否定できない場合も当然ここに含まれてくるわけで、いわゆる因果関係が払 拭できないという趣旨の条文でございます。  そういうものであって、被害の発生を防止するために必要があるかどうかというのが 判断基準でございます。そのために、この審議会の意見を聞くというような手続が書か れているわけでございます。  また、法文だけ先に御説明申し上げますと、第29条の2の2という規定がございまし て、4条の2の第1項から第3項までの規定による販売の禁止をしようとするときは、 その趣旨、内容、その他の必要な事項を公表し、広く国民の意見を求めるものとする。 すなわち、あらかじめその趣旨、内容を公表をして国民の意見を聞く。通常ですと30日 程度でございますけれども、あらかじめ国民の意見を聞くということが規定されておる わけでございますが、ただし書きがございます。ただし、緊急を要する場合であらかじ め広く国民の意見を求めるいとまがないときはこの限りではないという条文がございま すし、3項を見ていただきますと、いとまがないと判断した場合においては事後におい て遅滞なく広く国民の意見を求めるものとするという条文があるわけでございます。  更に、同じく改正されました食品安全基本法の中で24条でございますが、関係各大臣 は次に掲げる場合には委員会の意見を聞かなければならないという条文がございまし て、1号で食品衛生法同法4条の2の第1項から第3項までの規定による販売の禁止を しようとするときという規定がございますので、先ほど御紹介いたしました4条の2の 2項の規定を動かそうとすると食品安全委員会の意見を聞かなければならないという整 理になっておるわけでございます。すなわち、リスク評価、食品健康影響評価という科 学的な評価については食品安全委員会の意見を聞く。最終的な御判断はこの審議会で行 っていただくということが法的に決められておるわけでございます。  それが法律の仕組みでございますが、今回諮問させていただきました、まず資料の1 をごらんいただきたいと思います。資料の1が昨日付で大臣から審議会会長あてに諮問 させていただいたものでございまして、今、御説明申し上げました4条の2の第2項の 規定に基づき、販売禁止をするに当たり、審議会の意見を求めるということでサオロパ ス・アンドロジナス、別名アマメシバを含む粉末剤、錠剤などの剤型の加工食品という 形になっているわけでございます。また、資料の2が先ほど御説明申し上げました食品 安全委員会へ大臣から意見を求めたものでございまして、食品衛生法4条の2の第2項 の規定に基づいて販売の禁止をすることについて意見を求めたところでございます。  それでは、アマメシバの粉末などの加工食品とはどういうものかについて、資料の4 についてこれまでの経緯とともに御説明申し上げたいと思います。資料の4の1ページ で、「アマメシバの粉末等に係る食品衛生法第4条の2第2項の適用について」という ものでございます。まずその原植物でございますアマメシバでございますが、トウダイ グサ科の植物、3、4メートルの木になるもので、その葉でございますとか芽を食べる というふうに書かれているものでございます。原産地はマレーシア、ボルネオ島の東南 アジアでございまして、我が国においては95、96年ぐらいから沖縄を中心に生産が始ま った。その数量は一時期3,000トンという説明もありましたけれども、確認しますと大 体年間300トン程度であるということでございます。  また、インターネットを検索いたしますと、ここに書いてありますようにビタミン、 ミネラル、植物繊維等が含まれ、栄養補助あるいは便秘改善の期待目的で数種類が販売 されているというものでございます。  このような原植物の粉末あるいは錠剤等について御審議願うわけでございますが、健 康食品の健康被害事例につきましては資料の9に昨年10月に出しました通知があるわけ でございますけれども、先ほど御紹介しましたいわゆるダイエット健康食品に基づきま す健康被害事例が相次いで起きた際に、このような対応要領を定めております。  その中の1つに、疑わしいというような事例があった場合には保健所、地方自治体を 介して厚生労働省に報告を求めております。また、厚生労働省といたしましてはそのよ うな報告があった際に、主治医の方が因果関係が疑わしいという判断をしたものにつき ましては公表をするということを決めておるわけでございます。  その手続によりまして、資料の4に戻っていただきます。資料4の1ページの2番で ございますが、今、御説明申し上げました被害事例の報告の制度に基づきまして、まず 最初は8月4日に鹿児島市鹿児島大学の医学部附属病院の事例でございますけれども、 アマメシバの粉末を摂取していた40歳代の女性が閉塞性細気管支炎になったというよう な報告を受けまして、同日公表させていただいたところでございます。  この事例につきまして、主治医では1ページ目の下から3行でございますが、ほかに 原因が考えられない。過去に台湾で生鮮アマメシバをジュースとして服用し、同様な事 例があったというようなことから、このアマメシバの粉末と因果関係があるのではない かというような判断をされたところでございます。  2ページは、8月22日名古屋市名古屋大学病院でございますけれども、ここから70歳 代の女性と50歳代の女性、これは母親と娘さんでございますが、同様に閉塞性細気管支 炎の事例があったという報告がございまして、同日公表させていただいたところでござ います。この事例につきましては臨床経過の3番目にございますとおり、当該製品以外 にほかの薬あるいは健康食品を摂取していない家族内の発症である、同期発症であると いうことから、これが原因であると疑われるということを報告いただいたところでござ います。  アマメシバの加工食品に関します健康被害事例については、このほかに横浜市の事例 も含めまして5件、現在までに受け取っておりますが、その5件はすべて因果関係不明 であるということでございますので御説明を省略させていただきますし、この2例ある いは後で説明申し上げます台湾の事例につきましては、本日国立国際医療センターの工 藤副院長は御専門でございますし、また説明をいただくという予定にしておりますの で、私からは簡単にさせていただきます。  (3)の台湾の事例でございますが、論文を検索いたしまして、あるいはまた国立健康 栄養研究所から情報を収集していただきました。その情報を取りまとめますと、台湾で 1994、1995年から2000年にかけまして生鮮アマメシバのジュースをダイエット目的で摂 取した女性など、200名から300名に同様の肺障害、うち10名前後は死亡をしたというよ うな報告がされているわけでございまして、疫学調査の結果、ある程度のドーズレスポ ンスがあるというような論文も報告されております。  しかしながら、動物試験では再現されない。原因物質は不明であるというようなこと も、また同じく論文の中には書かれております。  一方、マレーシアにおきましては歴史的に食べられてきたようでございますが、一般 に加熱調理して食べられておるということでございまして、健康被害の報告は把握され ていないわけでございます。  分科会長にいただきましたオックスフォードの食品辞典によりましても、東南アジア でアマメシバの葉などが色づけあるいはサラダの目的で食べられておるというような記 述がございますので、歴史的に食べられてきたものだろうと考えております。  台湾の事例につきましては、資料の8をごらんいただきたいと思います。最初に台湾 の原文が載っておりまして、その仮訳を4ページに載せております。これは台湾の行政 院衛生所がまとめました報告でございまして、96年3月にまとめられております。  4ページの2.を見ていただきますと、台湾における最初の中毒症例は94年8月23日 に報告されたことが書かれておりますし、後で分析していきますのは下から2行目で、 95年8月25日以前に通報された44例の患者についての分析がここに載っているわけでご ざいます。  5ページをごらんいただきますと、上から3行目に毎日の平均摂取量が131グラム、 平均食用日数35日、累積摂食量が4,100グラムということが書かれておるわけでござい ます。 5ページの下から5、6行目で、4番の中毒事例に関する原因分析というとこ ろでございますが、具体的には6ページをごらんいただきますと利用者側、すなわち被 害を受けた個人の側の要因ということで潜在的な疾病、代謝あるいは感染後の交叉反応 というものを調べておりますが、いずれもその可能性は否定されたという結論でござい ます。  (2)がアマメシバ側の要因でございまして、1番で食べる部位として、まずマレー シアは柔らかい葉っぱが食用とされているけれども、台湾では葉と茎を一緒に食べてい た。ただ、葉っぱだけを食べていた人も被害者の中にはいたということです。  2番目には食べる量でございまして、報道によると、ということでございますけれど も、マレーシアと台湾の被害事例で異なるということが書かれております。  また、調理の方法でございますし、またウイルスの存在、他の外来物質の存在につい ては否定されたということでございます。すなわち農薬、あるいはほかの成分の可能性 というのは否定されたということです。  6番で、有毒な亜種が原因の可能性があるということを言っておりますし、7番のパ パベリンでございますが、パパベリンというのは筋肉を弛緩する薬でございまして、一 部の論文の中にこのアマメシバの中にパパベリンが含まれているという論文がございま す。我々も今回の実物について分析をしましたけれども、パパベリンは検出されており ません。台湾でも検出されておりません。専門の方に聞くと、そもそもそのようなアル カロイドがこういったトウダイグサ科の植物に含まれる可能性自体が少ないのではない か。どうもどこかで引用ミスが起きているのではなかろうかというようなことを聞いて おりますが、台湾においてもパパベリンは成分でないということが結論とされておりま す。  それが台湾の行政院の報告でございまして、厚生労働省といたしましては資料4に戻 りますけれども、先ほども御説明申し上げましたとおり8月4日の事例を受け、更には 8月22日の事例を受けまして、26日には職員を名古屋に派遣をして名古屋の事例の詳細 の聞き取り調査をさせていただき、更には健康栄養研究所のお力も借りて資料を収集を して、先ほど申し上げましたとおり8月29日に法の施行と同時に食品安全委員会にリス ク評価をお願いをしたという経緯でございます。  3番目が、先ほど御紹介申し上げました法律の仕組みでございますが、ポンチ絵風に 書いておりまして、対象となるものは濃縮した成文を錠剤カプセル化することによっ て、一般的な摂取法と著しく異なる方法により摂取される食品。今回の場合には、アマ メシバというのはマレーシアなどにおいて歴史的に食べられてきた。すなわち、一般に 飲食に供されてきた。それを乾燥させて、重量比に直しますと大体10倍くらいになると いうふうに試算されておりますけれども、そのような今までにない形で食べられるよう になった食品である。これがアマメシバの粉末等の加工食品である。  そういうものが対象になって、更に人の健康を損なうおそれがない旨の確証がない。 すなわち、因果関係が払拭できない。そういう場合で、食品衛生上の危害の発生を防止 するために必要があるというところが最後の判断になってまいるわけで、食品安全委員 会と薬事食品衛生審議会の意見を聞いて販売を禁止することができる。もちろんこれは 復活ありでございますから、そういう意味では先ほど申し上げましたとおり暫定的な禁 止ということになるんだろうと考えております。  もう一つの問題は、米印で書いてありますように先ほど御紹介申し上げましたとお り、法の29条の2の2で、国民から広く意見の聴取を行う。あらかじめ30日程度、いわ ゆるパブリックコメントを求めるという規定があるわけでございますが、ここにはただ し書きとして、緊急の場合には事後に行うというようなことが書かれておるわけでござ います。  そこで、食品安全委員会の審議結果について御紹介したいと思います。資料3をごら んいただきたいと思います。食品安全委員会には8月29日に評価をお願いしたところで ございますが、9月4日、昨日、食品安全委員会が開催されまして、この案件について 事例が報告されました鹿児島大の先生、名古屋大学の先生、更には国立医薬品食品衛生 研究所の生薬の専門家、また更にはこういった気管支炎、呼吸器の専門家として本日も 御同席いただいておりますが、国立国際医療センターの工藤副院長に参考人として出席 していただいて審議が行われたところでございます。  その結論でございますが、サウロパス・アンドロジナスを大量長期に摂取させること が可能な粉末、錠剤等の形態の加工食品として供されているものについての販売を禁止 することに係る食品健康影響評価については、現在得られている知見・情報等から判断 すると、閉塞性細気管支炎を引き起こす原因物質やその作用機序は特定されていないも のの、これまで、アマメシバの粉末の長期摂取が原因と疑われる閉塞性細気管支炎の発 症事例が報告されていること等から、アマメシバ粉末を錠剤にしたものを含むものの長 期摂取と閉塞性細気管支炎との因果関係を否定できない。すなわち、これらの長期摂取 と閉塞性細気管支炎との因果関係を否定できないというのが結論でございます。  また、なお書きで、引き続き健康被害事例の積極的な把握に努める。更には、原因物 質等の特定の調査分析を進めることが重要というような御意見を賜っているところでご ざいます。これが食品安全委員会の意見でございます。  また、資料の10をごらんいただきたいと思います。資料の10がこのアマメシバの加工 食品を製造販売している方々からの御意見を賜っておりますので、審議の参考に御紹介 させていただきたいと思います。  3つの意見から成り立っているわけでございますが、最初が株式会社一條からの意見 でございまして、同様の趣旨が栽培農家である横田さんからも届けられているわけでご ざいます。  1ページをごらんいただきますと、まず2行目に、沖縄で8年ほど前より栽培されて きた。健康被害は皆無である。高栄養価で沖縄で生息しやすいということが書かれてお ります。  第3パラグラフで、「あまめしば」から始まる段落を見ていただきますと、マレーシ アでは健康被害は一件も発生していない。日本の摂取量はマレーシアに比べてはるかに 少なく、確率的にも健康被害はあり得ないのではないか。更に滅菌、殺菌されており、 公的機関でも有害成分は検出されていないということから、中立、公平、科学的な見地 で御判断いただきますようお願いしますということで、1番目としては報道について述 べているわけでございますけれども、まず鹿児島大の事例につきましてはアマメシバ乾 燥粉末を飲用する1年くらい前から既に健康状態が悪く、原因不明と言われていて、因 果関係があいまいなままではなかろうか。台湾の健康被害を直接結び付けて、アマメシ バが原因と結論づけているんだけれども、台湾はダイエット目的でジュースとして服用 している。つくり方、他の混合物並びに因果関係、資料が明らかにされていないという ようなことでございまして、2ページでございますが、名古屋大学の事例については摂 食した時期と発症した時期に時間差がある。  3番目として、鹿児島大学の事例を報告されました納教授の行動判断についての意見 が述べられております。  3ページが2番目のものでございまして、株式会社エイ・エス・ティー・シーという ところからの意見でございますけれども、第2パラグラフの「まず」から始まる段落で ございますが、沖縄で有機無農薬で栽培され、乾燥、滅菌、殺菌処理をして粉末にして いる。菌・ヒ素重金属・残留農薬検査をクリアしている。更にはパパベリンも検出され なかったということでございます。  4番目の段落で「生野菜として」のところでございますが、台湾の例、LANCET .CHESTの文献からの判断であって、多種に及ぶ植物にもかかわらず、沖縄でハウ ス栽培されているものと同一種と位置付けられないのではなかろうかという御意見でご ざいますし、下から2番目のパラグラフは粒状のところでございますが、2000年12年か ら今日まで御愛飲いただいているお客様から一度も不具合の言葉を聞いたことがない。 名古屋の例については、13年8月から14年3月まで御愛飲いただいていて、報告とずれ がある。  4ページでございますが、2番目の段落で、生野菜は沖縄を中心としておひたし、天 ぷら等にして100グラムから200グラムを日常食として食べている。  4番目の段落、公的、私的にも因果関係が解明されないまま、余りにも飛躍・類推し た解釈の下で、殺菌処理した粉状のみを取り締まるというようなことをやるのは納得で きないというような御意見でございます。  5ページが沖縄県の天芽生産組合からの御意見でございまして、2行目に天芽生産組 合として意見を述べる。90年にマレーシアで食べているということから調査、研究を始 めて、95年に沖縄県で70件の農家と組合を結成した。2000年1月にオーガニック認定を 受けた。「私が見つけた」という段落でございますが、マレーシアの女性から聞いたと ころ、生まれる前から食べていた。栄養補助野菜として、あるいは乾燥させてお茶のよ うに煎じて飲むということ。今まで一人として病気になった報告は受けていない。95年 の台湾での事例についての解釈といたしましては、結論は6ページにあるわけでござい ますけれども、6ページの上から2行目で、95年6月に台湾の博士と東京農大の教授の 話の中で、台湾での話について言及されたけれども、病人、死人が出たのは野菜が問 題、すなわちアマメシバが問題ではなくて農薬であったというような話を聞いて、我々 は無農薬栽培でつくることを強く勧められたということでございます。  6ページの中ほどで「当組合」から始まる段落でございますが、現在まで生食として 1,000トン、パウダーで150トン出荷販売した。苦情は一件もない。この手の野菜という のは15種類くらいあって、問題があればマレーシアでこのような病気が発生しているは ずだというようなことが書かれておりますし、先ほど御紹介しました有機栽培というこ とで農水省の基準もクリアして、マレーシアでは80年前から食べられており、一件も病 気の報告がない。再度調査をお願いしたいという趣旨でございます。  以上が私からの説明でございますけれども、今回御判断をお願いしたいのは、食品安 全委員会の評価が基礎になるんだろうと思いますが、今、御紹介申し上げました関係事 業者の意見も踏まえまして御審議を願いたいと考えているわけでございます。御審議い ただく点というのは、資料の1に戻らせていただいて諮問書でございます。  まず資料1の諮問書で4条の2の2、すなわち販売禁止の規定を発動することが適当 であるかという御判断が1番です。  2番目に御判断を願いたいのは29条の2という、いわゆるパブリックコメントの規定 があるわけでございますけれども、その規定についてどのように考えるのか。緊急に行 う必要があるのかないのかというような御判断も合わせて賜れば幸いだと考えておりま すので、よろしく御審議をお願いしたいと思います。 ○吉倉分科会長  それでは、次に工藤さんお願いします。 ○工藤参考人  それでは、私は参考人ということで意見を述べよということで、医学部の専門の先生 方もおられる中で専門的なことを申し上げるのは少し口はばったい感じもしますけれど も、指名でございますので御容赦願いたいと思います。  私は、この論文を中心に意見を述べさせていただきます。参考資料1、2、3とあり ますけれども、2番目の病名が出ておりますブロンキオライトソブリタナンス、閉塞性 細気管支炎ということでありますけれども、細気管支炎のスペクトムというのは非常に 広いわけでありますが、その一つのタイプであります。病理学的な分類と、それからこ ういう疾患、細気管支炎を起こす原因物質がいろいろあるわけですけれども、それによ る分類、大きく分けて2つの分類がなされております。そして、このブロンキオライト ソブリタナンス、閉塞性細気管支炎、略してBOと申し上げますけれども、それは病理 学的な分類の一つのものであります。  どういう疾患かと申し上げますと、細気管支の膜葉部という非常に細い気管支の粘膜 と、それから平滑筋の間の組織の中にいろいろな炎症が起きまして、そこが繊維化して 気管支を閉塞する。それによって非常に強い気流制限を起こして患者さんは呼吸困難、 それから低酸素欠症という状況を起こしているわけです。そういうようなことが台湾で 植物の摂取によってアウトブレイクしたという論文がずっと出ております。  そして、そういうことの報告を受けて、欧米の教科書では実は細気管支炎のいろいろ な原因があるわけですけれども、その一つの物質としてこれが挙げられて教科書的に載 っているという状況であります。フレーザーあるいはいろいろな向こうの教科書を見ま すと、このことが載っております。そういうような現状であります。  ただ、日本ではSアンドロジーナスという学名でこの論文が出ていて、あるいは向こ うもそういうような教科書にも出ていましたけれども、日本名のアマメシバと結び付か なかったということが一つのこういうことが日本で遅れた原因になったのではないかと いうのが私の感想であります。そういう疾患であります。  そして、細気管支炎の診断というのは普通の写真ではなかなか異常所見が出てきませ ん。多少、過膨張ということです。しかしながら、非常に患者さんは強い症状を訴えま すので、少し精密検査をする。それでCT、特にハイリゾリューションCTといいます か、非常に細かいところの描出が可能な検査で細気管支レベルの異常パターンが描出さ れまして、それによってこの細気管支炎のいろいろな分類、病態というものが明らかに なってきて非常に進歩したことになっております。この論文においてもCT等が非常に 有力な武器になっていることが見てとれると思います。  それで、LANCETの方ですが、1995年にアウトブレイクして、六十何人かの摂取 した患者さんのうち非常に強い症状を呈した23例の患者さん、入院されたわけですけれ ども、その方々の臨床的な所見がまとめられております。患者さんは非常に若い女性、 あるいは中年、これはダイエットの食べ物ということでまず女性に集中したんだろうと 思いますけれども、そして呼吸困難、それから非常に強い換気障害を呈したということ になります。 そして今、申し上げましたようなCTで特徴的な所見があった。そし て、何よりも4例の肺精検を行っております。それが先ほど申し上げたようなプロンキ オライトソブリタランス、BOの所見に一致するという所見がまとめられております。 それがLANCETの趣旨であろうかと思います。  それから、参考資料1はCHESTの論文であるわけで、こういう疾患のアウトブレ イクをしたわけですけれども、そういう摂取をされた方の194名の患者さんといいます か、摂取された方のうち、178名の患者さんの呼吸機能と、それから摂取した量を調べ て、こういう疾患の発現頻度を見た論文であるわけですけれども、結論から申し上げま すと、この摂取した量と発言頻度というのは明らかにある種のドーズレスポンスの関係 を示した。  この論文の中にフィギアの1というものがありますけれども、ここで横軸に摂取量、 縦軸にこの疾患の発現した頻度のパーセンテージのヒストグラムが出ておりますが、ド ーズレスポンスがあるということであります。しかしながら、かなり大量に取ってもあ る程度頭打ちになっている。それから、摂取しても発病しない方もおられるということ も事実であります。個体の反応性といいますか、そういうものも示唆されるところであ ります。  それからフィギアの3を見ますと、呼吸機能の推移であるわけですけれども、2年間 くらい、22か月から24か月の経過を追っておりますが、32例のこういう非常に強い換気 障害を起こしている患者さんですけれども、一たんそういうふうに起こしてしまうと薬 を使っても薬は気管支拡張剤、あるいはステロイドを大量に使っても改善しない。多く の場合はその障害が残り、一部の人は悪化していくというような疾患であるということ で、臨床的に今まで言われているBO、ブロンキオオブリタランス、ブロンキオライト ソブリタランスと合致するものであるということも述べられております。大体以上で す。 ○吉倉分科会長  今のような説明ですが、まずは何か御質問、コメントその他があればお聞きしたいと 思います。 ○福島委員  工藤先生にお聞きしますが、今回の鹿児島、横浜、名古屋の例を見ますと皆、女性で す。そして、今のLANCETのところを見ますとやはりほとんどが女性ということで すけれども、これは摂取と関係があるのか。それとも、性差というものがあるのか。そ こら辺はどうでしょうか。 ○工藤参考人  やはりこの植物が健康食品、やせるための意義というような効用が言われていて、そ れによって女性が多く摂取したということが女性に多く出ているということに原因して いるんだと思います。それで、CHESTの方には男性もテーブルの1にありますけれ ども、わずかながら少数例、9%くらい男性にも出ております。これは摂取する背景に 起因しているんだろうと考えます。先生の御質問の性差は、本当のことはわかりません けれども、そういう背景がここに出ているんだろうと思います。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。 ○熊谷委員  資料4の名古屋の事例ですと、母は摂取量が300グラム程度と非常に少ないんですけ れども、これは粉として300グラムなんでしょうか。そうすると、元の植物としては 3,000グラムということですか。 ○中垣課長  そういうことでございます。 ○熊谷委員  わかりました。どうもありがとうございました。 ○和田委員  これは事務局にお尋ねするんですが、私は機能性食品の委員会に出ているんですが、 そのときに食品であるのにやはり錠剤で何錠飲める。朝、昼、晩3回3錠とかというふ うな表示があるんですけれども、これはやはり食品ですからこういうお薬みたいな表示 をするのはおかしいんじゃないかという発言をした覚えがございます。そのときに専門 の先生から私が注意されまして、それは消費者が悪い。ちゃんとこの表示に3回3錠と 書いてあるんだったらそれをきちんと守るのが本当で、それ以上食べる消費者が悪いと いうような御批判を受けた覚えがございます。  そこで、こういうやせる食品については、自分はもっとやせたいという方も多いと思 いますので、表示以上にとってこういうふうな障害が出たのかどうか。そういうところ まで調べておられるかをお教えください。 ○中垣課長  今回の鹿児島の事例というのは、資料4の5ページにその商品の包装用紙、アルミパ ック状のもので100グラムここに入っているわけでございますが、この右側を見ていただ きますと、召し上がり方として水、お湯、牛乳200cc 、コップ1杯に対してティースプ ーン1から2杯を溶かしてお飲みくださいというようなことが書かれております。 そ れで、資料4の1ページ目を見ていただきますと、下から5、6行目の臨床経過のとこ ろでございますが、1日4回、計8グラムを130日間飲んだということが報告されており まして、スプーン1、2杯ということで考えますと大体これぐらいのグラム数になるん だろうと考えております。  名古屋の事例につきましては、1回あるいは1日どれだけという事例の報告を受けて おりませんので、相当たる摂取量としか把握しております。 ○和田委員  ほぼ適量と。 ○中垣課長  適量という表現は難しいんですが、表示に従ったようなことだろうというふうに推測 いたしております。 ○和田委員  ありがとうございます。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。今のは食品というものを考えると非常に面白いポイントなんで すけれども、何でも食べ過ぎれば体にいいわけはないですから。  ほかに何かありますか。 ○豊田委員  事務局の方に対する御質問だと思うんですけれども、先ほどの御説明の中にちょっと あったんですが、植物に対してのいろいろな関連性をどの程度しっかり把握されておら れるのかどうかを教えてほしいということが1つです。  それからもう一つ、これは私は専門でないのでよくわからないんですけれども、食べ て症状が出なかったときとの対比ですね。そこら辺のところはどの疫学的な調査という のをやられたのか。それを教えてほしいと思います。 ○中垣課長  まず最初の点についてお答え申し上げますと、少なくともインターネット等を検索し ていく限りにおいては、いわゆるアマメシバの粉末あるいは錠剤として売られているも のはサウロパス・アンドロジナス、アマメシバと書いてありまして、それよりも小さい 亜種の問題については現在情報を持っておりません。  2点目の関係は、工藤先生の方から必要があれば追加していただきたいと思います が、参考資料の1をごらんいただきますと、1の3ページの右下に、この論文におきま すいわゆる容量と反応の図があるわけでございます。右がアマメシバとしての摂取量 で、縦軸がその摂取をした人の中で発病をした人の割合でございます。これを見ます と、1,800グラムまで、3,600グラムまで、5,400グラムまでとなっておりますけれども、 ある意味で申し上げますとかなりきれいな曲線を描いているんだろうというふうに考え ております。 ○工藤参考人  追加をいたしますと、参考資料1の論文の中で発現率が摂取をした百七十何名のう ち、二十七.数%の患者さんに呼吸機能障害、これは一定の基準がありますけれども、 それが出ている。3割近い方ですね。この百七十何名という人が母集団であるわけです けれども、摂取した方が全部調査に応じたかどうかは別として、つまりある程度の症状 があったり、ある程度の不安感があった人たちがこの病院を受診されたんでしょうけれ ども、そのほかにもおられたんでしょう。ただ、この時期には台湾の当局がいろいろそ ういう国民に向けてアナウンスをして、その後での調査だということを考えますと、こ の27%、30%くらいの数値は実態とある程度合っているだろうというふうにディスカッ ションの中で述べております。  つまり、ある食べ物をとって30%くらいの方がこういう疾患になるということは原因 物質として非常に濃厚なものではないかというふうに考えてよろしいのではないか。今 も言われましたようにドーズレスポンスもある。ならない人もいるということで、やは り人間というのは非常に多様性がありますから、同じ薬である人は副作用が出てもある 人は出てこない。こういうことは日常に非常に多く出ている事象でありますので、同じ ものを摂取しても、ある人は出てこなくてある人は出てくる。こういうことは幾らあっ てもよろしいのではないか。ただ、この3割というのは非常に濃厚な数字だというふう に判断をします。 ○吉倉分科会長  閉塞性気管支炎というのは一般のポピュレーションでは多いものですか、少ないもの ですか。 ○工藤参考人  それは非常に重要なポイントで、非常に少ない疾患であります。  ただ、症状を呈すると余り予後がよろしくない。いろいろな疾患がありますけれど も、こんなに多いものではありません。何%かと言われるとちょっと今は出ませんが、 1%以下であることは間違いありません。 ○井上委員  ドーズレスポンスが頭打ちになっていることと、また原因物質が明らかでない点な ど、わからない点もあるわけですけれども、参考人の先生の御説明で現段階での考え方 はわかるわけですが、ついでに病態を理解するために1つだけ若干専門的なことを伺い ます。  論文では閉塞性肺疾患なわけだけれども、プレドリンが効かないということを大分強 調して抵抗性があるということを書いてありますが、それは特別なタイプだというふう に考えるんでしょうか。その辺をお教えください。 ○工藤参考人  ここで取り上げられている患者さんというのは、データを見ますと呼吸機能が非常に 悪い中等症あるいは重症の方です。つまり、疾患として非常に進行してでき上がったタ イプだというふうに判断されます。  この閉塞性細気管支炎の初期の段階、早く見つければある程度可逆性をもって元に戻 ることもあり得るし、薬に対する反応性もあるかもしれません。ただ、この疾患の対象 になっている患者さんは非常に進行している状態で、もうでき上がってしまった。こう いう状態になってくると薬が効かない。これがいわゆる教科書的に言われていることで あります。初期を見つけるというのはなかなか難しいでしょうし、進行していく過程が 名古屋の例を見ると数か月の単位でありますから、その期間に素早く見つけてかなりの 集中的な治療を行えば少しは戻るのかもしれませんけれども、そういうことだと思いま す。これはスペキュレーションも少し入っております。 ○柳川委員  疫学をこれまでやってきた立場から感想を申し上げたいと思います。因果関係が明確 でないということも書いてあるようですが、明確でなくても今お聞きした事例を考えて いきますと、今お話がありましたようにこの閉塞性気管支炎というのは例えば40歳、50 歳、若い年齢では非常にまれである。70歳にしてもそんなにたくさんあるものではな い。それにもかかわらず、今回報告された症例はいずれもアマメシバとの関係がはっき りしている。  それからもう一つ重要なことは、家族内発生がある。しかも、それはお2人ともアマ メシバの粉末を食用していらっしゃったということ。それから、今ここにある鹿児島と 名古屋の2例、3例を見ますと、鹿児島の1例は1日8グラムで百何十日で大体1,000 グラム飲まれた。それで、飲み始めてから発病の期間が非常に短い。  それから、名古屋の方は1人の方は300グラム、1人の方は400グラムで、これを見ま すとやはり飲んでから発病までの期間が400グラムの方の方が短い。若い方も短いとい うことです。  それから、先ほど生産者などの意見として時間差が4か月もあるというのはあり過ぎ るんじゃないかというお話があったけれども、このような慢性疾患というのは飲んです ぐ反応が現れるものではない。私は以前、キノホルムとスモンの仕事を大分やらせてい ただいたことがありますが、こういう慢性疾患の因果関係を明らかにするのは非常に難 しい。難しいけれども、いろいろな事実を積み重ねていくと一致した方向が見つかる。 これも、そういう意味ではそういうふうに私は感じております。  そういう意味で、今は国内でもドーズレスポンスの関係が、まだ症例は少ないけれど も、見られるのではないか。それから、いずれも女性の方である。国内、それから先ほ どのCHESTの症例ですと分母ははっきりしていますね。どれだけの方が飲んで、そ のうちどれだけの方がなったかということははっきりしてはいないけれども、CHES Tが取りました178の患者、これは多分患者からたどっていかれたんだと思いますが、 いずれも非常に高い頻度で飲んでいらっしゃったとか、それから呼吸機能もドーズレス ポンスの関係が非常にきれいに見えているといったようなことですね。そういったよう なことを合わせてみると、これもいずれも因果関係があるという疑いを非常に感じさせ る方向の反応であるというふうに感じました。 ○丸井委員  私も同じような印象を持っていますが、1点だけ、やはりドーズレスポンスのお話が ありましたけれども、これは台湾の事例で、国内の例について本当にそうなのかどうか というのは今お話があったようにごく数例だと思います。  それで、恐らくこれから国民への意見を聞くというプロセスがあると思うわけです が、先ほどの台湾の事例でも国内的にかなりインフォメーションを出した後で集まって きた事例についてということで、発生頻度が全体的に27、28%くらいというのは、考え てみると極めて高いわけですが、今回も国内で生産者から一体どれぐらいの方が飲んで いてという、やはり分母のところがもう少しわかる、あるいは一般の方のところからの もので自分は飲んでいたという方がどれぐらい出てくるか。先ほどの台湾の事例の分母 になるようなものと同じように、やはり実際に飲んでいた頻度というものがもう一つ、 今の時点でもちろんわからなくて結構ですけれども、それは引き続ききちんと押さえ て、本当に出てきた例が特殊な例ではなく、確かにほかの方でも似たようなものがある のかどうかということが、フィードバックされることによって少しドーズレスポンスの 解明にも近付くのかもしれないと思いますので、そこのところは是非続けていただきた いと思います。 ○吉倉分科会長  大体よろしいですか。  それでは、大体質問もされたと思います。ここは食品衛生分科会で、基本的にはリス クマネージメントを担当する。それで、食品安全委員会がリスクアセスメントをやると いうふうな説明であったと思いますが、そういうそれぞれの委員会の役割ということを 考えて今日、審議を締めくくっていく必要があろうかと思います。  それから、先ほども話がありましたように、食品衛生法第4条の2の中の(2)とか(4) とか、これは8月29日、ついこの前できたばかりの法律です。そういう意味では、今日 の審議というのが恐らく食品安全委員会との関係をどういう具合にしていくか。今後、 安全委員会と分科会との関係をどういう具合にしていくかというような意味でもひとつ 大事なところであろうと思います。それから、今のぴかぴかの法律をいかに適用する か。その辺のところで、今日の会議というのはある意味では新しい食品に関するリスク 対応の一つのモデルになろうかと思います。  そういうことで今日お聞きしたわけですが、その辺のことについて食品安全委員会と この分科会との関係について事務局からもう一回何か解説する必要があるとお感じにな るようでしたら何か言っていただければと思います。特になければ別にいいですけれど も。 ○中垣課長  前にも簡単に御説明申し上げましたけれども、リスク評価、すなわちどこまでが安 全、どこまでが危険、あるいはこれは危険というような科学的な評価をするというのが 安全委員会の役割だと考えております。その安全委員会での結果を基に、それでは行政 として法的にどのような措置を講じるのか。あるいは、自主的な措置に任せるのかとい うことも含めて、どのような措置を講じるのかというのがリスク管理、すなわちこの審 議会での御議論だろうと考えているわけでございます。  そういう点から申し上げますと、安全委員会の評価結果を基礎にして、事業者の御意 見あるいはそれ以外の資料にも参考にしていただいて、どのような措置を講じるのか。 この場合には具体的には4条の2の販売禁止措置を講じるのか、講じないのかというこ とについて御議論願えればありがたいと思っております。 ○吉倉分科会長  今のようなことをコメントしたのは、今やったのは割と評価に関する議論がかなり多 かったですね。そうすると、安全委員会の議論と重複したようなことをやっているのか なと。こういうものもマネージメントをやる上で、よく理解する上では非常に大事なん ですが、逆に言うとアセスメントで出たものについてはマネージメントをやる側は一応 それを受け入れる立場にあるということで、この分科会は今後そういう役割分担をある 程度認識しながらやる必要があろうかという具合にちょっと感じていたので、今のよう に事務局からもう一回整理していただいたわけです。  そうすると、今の議論の発端は食品安全委員会に分科会が諮問したことになるわけで すね。どこが諮問したことになりますか。 ○中垣課長  食品安全委員会に対しては厚生労働大臣から意見を求めておりますし、同じく厚生労 働大臣からこの審議会にも最終の御判断の御意見を求めているところでございます。 ○吉倉分科会長  厚生労働大臣から食品安全委員会にリスクのアセスメントを諮問した。その結果、資 料3にありますように、アマメシバ粉末の長期摂取と閉塞性気管支炎との関係との因果 関係は否定できないという具合にアセスメントをいただいた。  それからもう一つは、その下の方に、更に食品健康影響評価を適切に行うためには原 因物質等の特定のための調査、分析を進めることが重要であると考えるのでこれを申し 添える。ということは、この最後の段落の「進めることが重要である」と考えるという のは、食品安全委員会が今後とも解析を進めるという理解でよろしいんでしょうか。さ っきの丸井さんの意見とちょっと関係がありますが、どういう具合にこれを読めばいい んでしょうか。 ○中垣課長  少なくともこの文章からは、だれがやるかというのは明確になっておりませんので、 安全委員会事務局と相談をしつつ処理をしていく必要があるんだろうと考えておりま す。 ○吉倉分科会長  この分科会の意見として、今後こういうことについてリスクアセスメントを続けてほ しいという意見があったということにはなるわけですね。その辺のところをマネージメ ントをやる側としては、更にアセスメントをしてほしいということであろうと思いま す。  それでは、大体どういうことで結論を出すかということになるんですが、1つは第4 条の2の第2項、つまり読みますと、「厚生大臣は、一般に食品として飲食に供されて いる物であって当該物の通常の方法と著しく異なる方法むですね。この場合は粉末ジュ ースです。「異なる方法により飲食に供されているものについて、人の健康を損なうお それがない旨の確証がなく」、因果関係は否定できないということで確証がなく、「食 品衛生上の危害の発生を防止するために必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審 議会の意見を聴いて、その物を食品として販売することを禁止することができる」。  この4条の2の2項の条項の適用について、マネージメントをする側としてはこの適 用が適切であるかどうか、もう一回先生方の御意見を確認したいと思います。聞いた感 じでは、この適用は割と適切であるというような御意見であったと思いますが、いかが でしょうか。 ○和田委員  一昨日、厚生省の方からこの事前の御説明がございまして、すぐ私どもの会員にこの 旨をかけました。こういう危険があるという情報が前もって新聞紙上に出たということ でございましたので、出席している会員さんに尋ねたところ、半分は見た、半分は全く 知らなかった。このアマメシバのことについての記事を読んでいなかったという人が半 分くらいおりました。  それで、結論としましては、こういう緊急を要する場合であれば今、2、3の先生が おっしゃったように、国内の症例はそんなに今のところ多くないけれども、やはり問題 が問題だから緊急避難の措置としてこういうふうな厚生省の措置に対しては賛成ですと いう方が全部でした。ただし、やはりパブリックコメントは並行してとっていった方が いいのではないか。  それで、今後の課題としてお願いしたいことは、こういう問題として取り上げて販売 禁止措置にするということについては今回は賛成だけれども、根拠、それから要件など をあらかじめそれなりに明確にしておく必要があるのではないか。今も分科会長の先生 がおっしゃるように、これが最初のケースでございますので、やはり慎重に今後はして いって、そしてスピーディーに公表していく。大変難しいことですけれども、そういう 意見があったということを申し添えておきます。以上です。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。 ○井上委員  今回のケースを拝見して大変参考になったのは台湾の精力的な研究で、このデータが なければ我々の判断はここまで達しなかったと思うんです。そうしますと、リスクマネ ージメントというのは随分難しいことだと思うんですけれども、残念ながらかなり根拠 が薄くても、この委員会としては断行すべき時には断行せざるを得ないということを学 んだような気がいたします。したがいまして、私は和田委員のお考えとはむしろ逆のニ ュアンスでございます。 ○豊田委員  今の大体の流れとしまして、加工食品についてはある程度わかりました。  しかしながら、1つ気になるのは、食品の方でもとっていますので、加工食品がある ということであれば当然生鮮食品もあると思います。そこで、アマメシバを生鮮食品と して摂取するということとの兼ね合いはどうされるのか。そこら辺のところはどういう ふうに対応されるのか、教えていただければと思います。 ○柳川委員  今の法に適用するのは私は賛成なんですけれども、それだけではなくて現に幾つかの 業者さんがいらっしゃるわけで、一体どういう販路でどういうふうに販売されているか ということで、顧客名簿といいますか、そういうものをお持ちであれば、その方々の健 康状態をできるだけ早く的確に調査をする必要がある。  それから、これは日本で3事例くらいしかここにはないけれども、本当にまれなのか どうかはまだわからないわけで、同じような症状を呈する表に出てこない患者さんがか なりいらっしゃるかもしれない。できるだけ早くそういう方々を明らかにして適切な対 応をとらなければいけない。そういう意味では、これをもっと公表して一般からの申出 であるとか、保健医療のいろいろな機関、または医療機関からの申出ができるように、 そしてそれを総括してこの因果関係があるかどうかということを更に確信をもって判断 できるようにしなければならないと思います。 ○吉倉分科会長  それでは、事務局からお願いします。 ○中垣課長  豊田委員から御質問のございました、いわゆる生鮮品に対する考え方でございますけ れども、先ほど来御説明を申し上げたとおりマレーシアの事例あるいは国内での生鮮品 については例がない。あるいは、台湾でジュースで売られていたわけでございますが、 国内でジュースで売られているというようなことも承知をしていないというようなこと から考えますと、現段階では生鮮品について問題があるというふうに我々は考えており ません。 ○小沢委員  台湾のジュースのことで伺いたいんですが、台湾は生鮮からジュースにしたためにそ ういういろいろな症例が出てきたということで、その後台湾はどうしたのかということ をちょっと伺いたいんですが。 ○中垣課長  台湾の新聞を検索した情報で誠に申し訳ないんですが、95、96年に一度台湾政府がそ ういった摂取を控えるべきだというような警告を出しておるようでございます。更に 2000年にも出したようでございます。すなわち、どうも新聞等を当たりますと、街角の ジュース屋さんでフレッシュジュース的に売られているようなものであるというふうに 把握しておりまして、例えば法律で禁止するような性格のものではないのではなかろう かと考えております。 ○工藤参考人  参考人で申し訳ありませんけれども、この細気管支炎の原因としていろいろな感染と か、薬とか、あるいは有毒ガスの煙とか、いろいろな膠原病あるいは臓器移植、いろい ろ知られていることはありますけれども、この物質によるということは実は私も臨床の 方に携わっていますが、現実的には余り知られていないだろうと思うんです。それで、 一般にブロンキオライテスは頻度としては少ないんですけれども、やはり原因を追及す るという意味では大多数はよくわからないということで済んでいると思うんです。した がって、この情報をある程度皆様に知らせる。そうしますと、まだ非常に初期の段階の 方もおられるかもしれません。それから、これから被害を拡大させないという意味では そういう情報を是非とも何らかの形で、少なくとも臨床医の方には知らせるようにした 方が、今後の影響ということに関してはできるだけ少なくするということで大事なこと ではないか。先ほどの柳川先生のおっしゃられたことに全く賛成です。 ○村上委員  これからのことでございますけれども、従前は食べ物の形をしていないものを食べ物 と認めたくないということでずっと長いこときまして、錠剤の形とかカプセルなどを認 めるようになったのは最近のことです。そうすると、どうしても濃縮したものを大量に 食べるということが起こってくるわけで、食べ物の姿についての姿勢を少し変えたこと も背景にあるかと思います。  でも、その方向へうねりが向いているときにもう一度逆戻りはできないとしまして も、普通の食品として食べているときに安全で、濃縮したときに何かしらの害を及ぼす というようなものがあるかどうかということを、今回の機会に少し点検の目を向けては どうか。その辺をもう少し神経質に調べてみてはどうか。特にいわゆる健康食品の中に そういう危険がありはしないか。今まで以上に少し点検を厳しくしていただいたらどう かと思います。 ○垣添委員  今までの先生方のそれぞれの御専門の御意見からしまして、私は暫定的な販売禁止と いうのは正しいというふうに思いました。  ただし、理論を組み立てていく上で1つ矛盾があるのではないかと思うんですが、ま ず台湾は生鮮品をジュースにして飲んでおりました。これは生鮮品だというふうに考え るべきだと思います。それから、日本は粉末で皆さんが摂取されました。片方、法律で は通常の方法と著しく異なる状態で摂取したときと決めております。それで、今の意思 決定の大きな流れは、台湾の事例を基に医師が動き始めているなという感じがいたしま す。そうすると、法律から見ると通常の方法とは異ならないデータをバックに意思決定 を我々はひょっとしたらするかもしれない。そこに若干矛盾を感じていますが、これは 矛盾とは言えませんか。これは事務局にお伺いした方がいいかもしれません。 ○中垣課長  台湾のジュースの例を議論していただいておりますのは、いわゆるアセスメントとし てこのアマメシバに含まれる何らかの成分がこういった被害事例と関係あるのかないの かという科学的なアセスメントのところでの議論だろうと考えております。法律の条文 の適用につきましては、アマメシバが通常の方法ですとマレーシアでは昔から炒め物と か、そのような形で食べられてきたということが根っこにあって、それと著しく違うと いう粉末なり加工食品で、粉末などの加工食品は台湾でも売られているということは我 々はつかんでおりません。  そういう意味で申し上げますと、今までマレーシアでいろいろ載っているような食べ られ方とも違うんだというふうに考えておりまして、あくまでも台湾の事例というのは アセスメントの中での議論であるということで整理できるのではないかと思っておりま す。 ○熊谷委員  今のお話なんですけれども、食品安全委員会にアマメシバそのもののリスクアセスメ ントを諮問するということはできないんですか。 ○中垣課長  アマメシバそのものを販売禁止しようというのであればそれも可能かもしれません が、アマメシバというのは一植物でございまして、アマメシバを取って葉っぱみたいな 形で売られておりますから、それの諮問というのはできないことはないと思いますけれ ども、繰り返しになりますが、マレーシア等で長く食べられてきてそういった被害事例 は少なくとも論文等にはされていないということを考えますと、現段階で生鮮品につい て販売禁止に向けた評価の依頼をする必要はないというふうに考えるところでございま す。 ○熊谷委員  そうすると、このものの評価というのは食品安全委員会で独自にやるかどうか、その 仕組みがよくわかりませんけれども、そういうことになるんですか。 ○中垣課長  食品安全委員会がやろうと思えば独自にできます。要するに、各省庁からの依頼がな くても食品安全委員会は独自にできますが、食品安全委員会がアマメシバという植物自 体の健康影響評価をするかどうかというのは私は承知しておりません。 ○吉倉分科会長  ほかにございますか。余り時間はないので、簡単にお願いします。 ○丸井委員  もう少し後の段階でと思ったんですが、暫定的に禁止ということにもしなった場合、 リスクマネージメントとして大事な時期だということもありますけれども、もう一つの 要素としてリスクコミュニケーションとしてどういう形でこれを社会に出すかというこ とも非常に大事なことだと思います。  今、議論がございましたけれども、この法律でもわかるように、通常の食べ方ではな い、粉末にしてあたかも食品と似たような形で摂取する。しかもそれが非常に濃縮され ているということに問題がもう一つあるわけなので、生鮮品としてマレーシアで食べて いて今まで問題が起きていないということも含めて、国内でも恐らく生鮮で食べている という報告がありますけれども、今回の禁止が生鮮食品として食べるところまで押さえ てしまうというような印象を与えてはいけないというふうに思います。あくまでも特殊 な形で供される、粉末のものについては問題なんだという、そこのところをきちんと消 費者、国民にわかるような形で通知、報告、インフォメーションを出すというのは、今 回以後のコミュニケーションの段階として同じように試されるところなのではないかと 思うので、これは是非うまく出していただきたいと思います。要らない混乱を招かない ようにしたいと思います。 ○垣添委員  これも私の一つの疑問なんですが、葉っぱと茎と、場合によっては根が入っているの かもしれませんけれども、この表示の問題から見たら100%アマメシバを使っていること は表示が間違っていない限り間違いないと思いますけれども、その部位によって違うと いうことはあり得るのではないかと思うんですが、そのデータというのはあるんでしょ うか、ないんでしょうか。 ○中垣課長  一般にこういった植物に含まれる成分が、部位でございますとか、あるいは栽培地で ございますとかによって異なるというのはよく知られた事実でございます。  ただ、この場合には台湾でもいろいろな動物実験あるいは分析をやられたというふう な報告はございますけれども、原因物質にまだ突き当たっておりませんので、そういう 面からのアプローチというのはなかなか現段階では少なくとも難しいと思っておりま す。 ○和田委員  今、台湾は生鮮ジュースで飲んでいるということでしたけれども、それでも症例は出 てきていると理解してよろしいんですね。 ○吉倉分科会長  まさにそう書いてありますね。 ○和田委員  そうですね。ちょっと間違えたかと思いまして、確認です。 ○吉倉分科会長  ほかにありますか。  それで、もう一回先生方に聞かなければいけないんですが、ここの食品衛生法第4条 2の(2)の適用について反対はあるか、御賛成か、そこだけお聞きしたいと思います。 適用についてはよろしいですか。  それから、もちろん4条は単独ではなくて、(4)にありますように前3項ですね。(1) から(3)まであるんですが、前3項の規定による販売の禁止、これこれは当該禁止に関 わるもの、または食品に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認めると きには再び薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて、当該禁止の全部または一部を解除す るものとするという(4)と(2)とがカップリングした格好で出るということを確認してお くべきだと思います。(2)だけだとこれで一切動かないということになりますが、(4)と カップリングした格好で、ある意味では当面というふうな理解であろうかと思います。 そういう意味において、この第4条2項の適用についてよろしいかということをまずお 聞きしたいんですが、その点についてはよろしいでしょうか。  それでは、答申の文章として、第4条の2第2項の規定に基づき販売を禁止すること は適当である。なお、その実施については食品衛生上の危害の発生を防止するため、緊 急を要するものと考えることから早急に販売禁止の規定を発動することが適当である。 もう一回言いますと、要するに第4条の2第2項の規定に基づき販売を禁止することは 適当である。これは、先ほどの食品安全委員会の方からの因果関係は否定できないとい うような返事に基づいたものであろうと思います。そして、適当であるけれども、その 実施については食品衛生上、危害の発生を防止するため、緊急を要するものと考えられ ることから、早急に販売禁止の規定を発動することが適当であるということでよろしい ですね。そういうことで今、申し上げた文章を少し変えるかもしれませんが、全体の趣 旨は変わることはないと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。  それからもう一つは、頭の方で事務局から指摘された点なんですが、パブリックコメ ントはどこでしたか。 ○中垣課長  資料4の4ページの中ほどにございます第29条の2の2でございますが、先ほど分科 会長がおまとめになられたり、あるいは和田委員ほかから御意見のあったとおり、緊急 に進めるということでございますと、29条の2の2でいわゆるパブリックコメントを求 める。通例は30日になるわけでございますが、ここにただし書きがございまして、緊急 を要する場合でいとまがないときはこの限りでないということでございますから、この ただし書き条項を発動することになるのかと考えているわけでございますが、そういう 御意見だということでよろしゅうございますか。 ○吉倉分科会長  4ページの真ん中辺で29条の2の2で「厚生労働大臣は」云々というところですね。  それから、一番下の方で「厚生労働大臣は、第1項ただし書きの場合においては」、 つまり食品衛生上の危害の防止を発生するため、緊急を要する場合であらかじめ広く国 民の意見を求めるいとまがないときはこの限りではない。非常に急ぐときはこの限りで はない。この場合において、事後において遅滞なく広く国民の意見を求めるものとす る。今の話はこの3項に該当する話ですね。これでやってはどうか。急ぐのでこれを適 用してはどうかということですが、この辺についてはいかがでしょうか。 ○田中委員  今、話題になっております閉塞性細気管支炎というのは非常に診断が難しい。工藤先 生も、最終診断を下すのが非常に難しい。ハイリゾリューションCTというふうにこの 論文にも書いてあります。あるいは、バイオプシーをしないと診断できないということ ですから、多くの潜在的な患者さんがいると思うんです。発見されていない、そういっ たところからケースコントロールスタディを実施するのも困難であるのかとは思いま す。 されど工藤先生のお話によりますと、一般集団では1%くらいかもしれない。も っと低いということでありますが、このCHESTの論文によりますと30%くらいの人 が、これは飲んだという人が来て、そのうちどれぐらいあったかを見るわけで、その中 で30%もあるということですから、因果関係がないということも否定できませんし、ま たこれは広い意味での難病かと思います。原因がわからない、治療法も明確でない。そ ういったところから、やはりこれはこのままパブリックコメントを1か月間以上も置い ておくと被害者が出るのではないかと思われますので、私は直ちに販売することを禁止 していくべきだと思います。直ちにやるということで、パブリックコメントを並行して やるのもいいかもしれませんが、その方が妥当ではないかと思います。  もう一つ、特にアマメシバという言葉はなかなか知られていないわけで、論文上サウ ロパスという学名であると知られていたわけですから、一般開業医の先生方も恐らくこ れと結び付かなかったというようなこともあるので、発見が遅れておる。潜在性の患者 がたくさんいたということの理由の一つにもなるかと思います。  ただ、日本では確定したものが3例であるからというようなことでは、パブリックコ メントを1か月以上も置くというような理由には私はならないと思います。第29条2の 2及び3において、遅滞なく広く国民の意見を求めると同時に直ちに販売禁止にすべき であると、このように考えます。 ○和田委員  ちょっと誤解されているみたいなので、もう一回ここできちんと申し上げたいと思い ます。私は田中先生がおっしゃったのと全く同じなので、この発動については私どもの 団体もノーとは一切言っておりません。全部賛成でございます。そういうことで、ここ でちゃんと訂正をしていただきたいということです。 ○吉倉分科会長  先生の意見は皆わかっていると思います。大丈夫だと思います。 ○和田委員  それから、ちょっと場違いかもしれませんが、答申の3の中の最後の「更に」云々の ところですけれども、「調査、分析を進めることが重要である」というのは結論だと思 うんです。これが課長さんのおっしゃるには、だれがやるのか明確になっていないとい うことなんですが、一体どういう扱いになるのかということがわかれば今日教えてほし いと思います。 ○吉倉分科会長  それは後にして、今はこの第29条2のところについてけりをつけたいと思います。こ の書類で29の2の2と真ん中にありますね。それで、2が(略)で3になっているんだ けれども、これはどういう具合に読めばいいんですか。29の2の2の(1)なんですか。 ○遠藤部長  29条の2という条文がございまして、29条の3という条文がございまして、その間に もう一つ条文を付け加えましたので、29条の2の2という枝番になっています。 ○吉倉分科会長  そうすると、29条の2の(略)というのは別のものですか。 ○中垣課長  分科会長が御指摘のところは29条の2の2の5行目の2として(略)となっていると ころだろうと考えるわけですが、この略しておりますのは都道府県知事が都道府県の計 画を定めるときの規定でございますので、今日の論議と関係ないということから略させ ていただいております。 ○吉倉分科会長  略はいいんですが、そうすると2の2が2つあるように見えるので、それでちょっと 聞いたんです。 ○中垣課長  29条の2の2というのは、何とか条というのと全く同じレベルの問題でございまし て、これは条数で言うと29条の2の2という条項です。それで、2を略しているところ は2項ということです。 ○吉倉分科会長  わかりました。2の2の第1項ですね。1項は大体書きませんから。それで、第29条 の2の2の第3項ですね。 ○羽生田委員  私もこの発令に対しては賛成をいたしますけれども、既に全国にこのアマメシバによ る被害が出ているという通知は出しているんですが、今、田中先生も言われたように、 潜在的な患者さんが多数いる可能性もあるということで、改めてそういった疑われる事 例がないかということで、全国の医療機関にその辺は調査をしたいというふうに考える んですけれども、非常に診断が難しいということで、どの辺をポイントにしていくべき かというところはまた改めていただければありがたいということです。  それから、今の審議会、分科会からの答申の中に今後のことというのは盛り込まない ということなんでしょうか。 ○吉倉分科会長  すみません。この議論が終わってからその話にしてもらいたいと思います。29のパブ リックコメントを後にするということについてはよろしいですか。  それでは羽生田先生、続けてやってください。 ○羽生田委員  ですから、この分科会からの答申の中で法的にいわゆる4条の2についてはもちろん 賛成なんですけれども、それをすべきであるということでこの分科会からの答申は終わ るのか。それとも、食品安全委員会の方の答申のように、今後のことで、また調査、分 析を進めるべきであるという文言を入れるのかどうか。私としては、もし入ることであ れば入れていただきたいと考えたわけです。 ○吉倉分科会長  この食品安全委員会への諮問書というのは厚生労働大臣から出ているわけですね。と いうことは、今後もし安全委員会に諮問するとすれば、多分厚生労働大臣の名前で出て いく手続だろうと思うんです。事務局に今の点について説明していただきたいと思いま す。 ○中垣課長  そのとおりでございます。食品安全委員会へ評価を依頼をするということになります と、厚生労働大臣がいて、食品安全委員会長にお願いをすることになっております。 ○吉倉分科会長  ということは、簡単に言えば、もしもこの分科会としてこういう調査をしてほしいと いうことであれば、厚生労働大臣にこの分科会としてそういう意見があったということ を申し上げることになるんでしょうか。 ○中垣課長  先ほど食品安全委員会の意見についてもだれがやるか。先ほど和田委員から御質問が ございましたけれども、だれが調査、分析をするのかというのはこれから事務局と我々 と相談をするということを申し上げたわけでございますが、それは決してやらないこと を言っているわけではございませんし、消極的な争いをしているわけではなくて、ただ 単に文面上、昨日の夕方出たものではだれがやると書いていないということを説明した だけでございまして、我々としても取り組みたいと考えておるわけでございます。  分科会の中でも同様に調査、分析を進めるべきであるということでございますれば、 リスク評価、すなわち安全委員会が行うリスク評価の資料を整えるというのは我々の役 目の一つでございますから、それは厚生労働大臣への諮問書の中に調査、分析を進める べきであるというような文言を入れていただければ、厚生労働省として取り組む。それ はあくまでもリスク評価を食品安全委員会にお願いするための資料づくりというような 立場から我々が取り組むということになるんだろうと思います。 ○吉倉分科会長  そういうことで、先ほど申し上げたような形で答申をして、それでパブリックコメン トは直ちに求める。それからもう一つの件については羽生田先生あるいは柳川先生等か ら幾つかコメントが出ました。その辺の整理は今、基準審査課長から説明があったよう な段取りでいくのであろうと思います。  それから、あとは関係業者からの意見というのもきておりますが、これについてはそ れに対してどういう具合に考えるかということも当然さっき丸井先生がおっしゃったよ うにはっきり答えていく必要があるであろうし、今日は第4条2項の適用ということを 結論したということで終わりたいと思います。 ○井村委員  それは厚生労働大臣からの審議会に対する諮問書についての答えとしては今、先生が おっしゃったようなことで終わりにするということですね。つまり、その後のことにつ いては一切書かないと。 ○吉倉分科会長  そこについては意見はいろいろ出ましたが、十分議論したかどうかということになる と、私自身はこの分科会の議事録は当然ホームページで公開されるわけですから、そう いう議論があったということは出ますけれども、答申に書くかどうかということに関し ては……。 ○井村委員  書かないと理解していいでしょうか。 ○吉倉分科会長  私自身は書かないと理解しております。というのは、もしも書くとするともう少し議 論を深める必要があろうと思うんです。先ほどの柳川先生の御意見、あるいは羽生田先 生の御意見で、被害者を調べるということになりますと非常に政治的な問題になりま す。これはいろいろな人が、今度は自分が被害者だとクモのごとく出てくることがあり ます。そういうことを一体どうお考えになるのか。非常にこれはバランスを取った考え 方でおやりになる必要が私はあろうかと思います。  事務局で、私の整理で具合が悪いところがあったらコメントください。なければそれ でいいんですけれども。 ○中垣課長  特段ございません。先ほども申し上げましたとおり、食品安全委員会の意見もござい ますから、リスク評価のための調査というのは我々あるいは食品安全委員会で責任を持 ってやってまいりますので、そういう意味から申し上げますと分科会長の整理で我々と しては問題ないと思います。 ○吉倉分科会長  17日にまたこの会議がありますね。 ○中垣課長  1点だけ確認させていただきます。答申としましては、4条の2の2の規定に基づき 販売禁止を行うことが適当である。更に、緊急に行いなさいということである。それ で、その範囲でございますが、確認の意味で申し上げますけれども、資料の1を見てい ただきますと、「サウロパス・アンドロジナスを含む粉末剤、錠剤等の剤型の加工食品 」となっております。  一方、資料の3、昨日の食品安全委員会の結論というのは第1段落の後ろから2行 目、「アマメシバ粉末(これを錠剤にしたものを含む)の長期摂取と閉塞性細部気管支 炎との因果関係は否定できない」。これは粉末と錠剤にある面でいくと限っているわけ でございますが、粉末をカプセルに入れると、これはカプセルになってしまいますの で、そういう意味からリスク管理措置としては資料1にございますように「粉末剤、錠 剤等の剤型の加工食品」という形で進めさせていただきたいと思いますけれども、それ でよろしいかどうか、最終的に御確認いただきたいと思います。 ○吉倉分科会長  剤型等と「等」を入れるという意味ですか。 ○中垣課長  「粉末剤、錠剤等の剤型の加工食品」という資料1の表現どおりで考えているわけで ございます。 ○吉倉分科会長  わかりました。資料1をそのままコピーして使うという確認ですが、よろしいです か。こういうことを聞いたんだからそのまま書くというのが正しいということですね。  それでは、今日はどうもありがとうございました。では、事務局からお願いします。 ○事務局  それでは、次回の分科会の日程の御案内を申し上げます。次回は非常に期間は迫って ございますけれども、今月の17日水曜日、時間は14時から16時、場所につきましては航 空会館の方で開催させていただきたいと思っております。以上でございます。 ○吉倉分科会長  どうもありがとうございました。                                       了 照会先 医薬食品局食品安全部企画情報課  03−5253−1111(2449)