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2.社会生活に関する調査を用いた主成分分析結果

 「社会生活に関する調査」では、さまざまな項目について調査しているが、その項目の回答結果のばらつきの傾向から、より少数の新たな変数(主成分)を抽出し、その主成分をもとに、調査対象となった世帯の特徴を明らかにする分析を行った。(こうした分析を主成分分析という。)
 主成分分析の結果、得られた第1主成分が「近所で親しい人がいる」「相談に乗ってくれる人がいる」などといった項目に高い負荷量を示す「人間関係に関する主成分」であり、第2主成分は「洋服購入の頻度が高い」「活動や行動の種類が多く活発である」「泊まりがけの旅行をする頻度が高い」などといった項目に高い負荷量を示す「活動的な生活に関する主成分」であった。
 この第1主成分及び第2主成分に関する主成分得点の分布を示したのが図表ⅱ-21であるが、第1主成分に関する得点で生計簿より家計簿の方が総じて低い結果となっている。

図表ⅱ-21.生計簿、家計簿別の主成分得点分布
図


生活実態及び意識とその構造についてのまとめ

社会生活に関する調査の集計結果でみる生活実態

 全体的な傾向としては、生計簿の方が家計簿より、あらゆる生活場面において、耐久消費財の所有率、各種活動の実施頻度などにおいて高い割合となっている。さらに詳細に見ていくと、次の特徴がある。

(1) 「規則正しくバランスの取れた食事をしている」、「家族分の十分なふとんがある」、「洋服の購入頻度が高い」、冷蔵庫、カラーテレビ等世帯所有率の高い耐久消費財の保有状況といった基礎的な生活に関わると考えられる事項については、生計簿と家計簿との間の差はあまり顕著ではない。

(2) 「泊まりがけの旅行をする頻度が高い」、「ドライブ、映画などの趣味生活」、パソコン、ステレオ、ビデオの保有状況等、個人の意識、嗜好に基づく選択的な生活に関わると考えられる事項については、生計簿と家計簿との差が顕著である。

(3) 「近所で親しい人がいる」、「相談にのってくれる人がいる」等の人間関係や、「お中元やお歳暮やプレゼントのやりとり頻度が高い」等の社会関係や生活規範に関わると考えられる事項については、生計簿と家計簿との差異が顕著である。

主成分分析による生活の構造化

 「社会生活に関する調査」項目を対象として主成分分析をした結果、「人間関係に関する主成分」が第1主成分として抽出できた。
 この第1主成分の主成分得点をみると、人間関係については、生計簿と家計簿との間に明確な違いがあり、家計簿は人間関係が希薄であることがわかった。


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