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事務連絡
平成10年11月2目

(杜)日本血液製剤協会 殿

厚生省医薬安全局安全対策課
厚生省医薬安全局監視指導課
厚生省医薬安全局血液対策課


血液製剤の当面のウイルス安全対策について


 今般、中央薬事審議会血液製剤特別部会において、核酸増幅検査陽性が判明した原料血漿の取り扱いについて別添の検討結果が出されたことを踏まえ、核酸増幅検査陽性が判明した原料血漿については、下記の方針で取り扱うことと致しますので、貴協会会員各社におかれましては下記の点について十分御留意頂きますようお願いいたします。
 なお、厚生省としては、核酸増幅検査の導入、ウイルスの不活化・除去技術及び製剤の安全性の評価、核酸増幅検査の感度及び検査対象の原料血漿の量の条件設定等についての検討結果を踏まえ、生物学的製剤基準の改正を行う方向で検討しており、下記の方針は、それまでの当面の対応である旨を申し添えます。


 血漿分画製剤の製造前に核酸増幅検査陽性が判明した原料血漿(個別の原料血漿も含む)は使用しない

 感染症報告等からの遡及調査で、製剤(ロット)と感染症との因果関係が明らかになった場合については、当該製剤は回収させる

 2以外の場合であって、感染症報告等からの遡及調査が行われたケースで、原料血漿プールで核酸増幅検査陰性が明らかでない製剤(ロット)については、自主回収するよう勧奨する

 対象とするウイルスは、HBV、HCV及びHIVの3種とする


別添

「中央薬事審議会血液製剤特別部会」検討結果概要


 平成10年7月21日(火)に開催された中央薬事審議会血液製剤特別部会における検討結果は次のとおり。

核酸増幅検査陽性が判明した原料血漿の取扱いについて

(背景)
 現在、平成9年1月の日本赤十字社をはじめとして、国内製造業者は自主的に500検体のミニプールによるHIV、HBV及びHCVの核酸増幅検査(NAT)を導入し、ウイルスの原料血漿への混入を防止している。
 しかし、輸血用血液製剤の使用による感染症発生報告、またはウイルス検査陽性である献血者の過去の献血記録の確認等をきっかけにして、原料血漿プールの保管検体、あるいは平成8年9月から日本赤十字社で保管されている献血血液の個別検体に対してNATを実施した結果、後追いで原料血漿へのNAT陽性が判明するケースが生じている。
 血漿分画製剤の製造工程においてウイルスの不活化・除去が行われていることから、これらの技術を評価し、NAT陽性が判明した血漿の利用の可否について検討を行った。

(検討結果)
 現状ではウイルスの不活化・除去が行われているものの、安全性を評価できる指標、根拠が十分でないことから、当面、NAT陽性が判明した原料血漿について使用しない。
 ウイルスの不活化・除去技術及び製剤の安全性の評価等については、引き続き検討する。


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